2015年03月10日

異常を生む社会と知らないでいる国や地方自治体

1.山口県の女子高校生による同級生殺人事件や東京都の女子大学生による老女殺人事件は、人を殺してみたいという欲求からの殺人で衝撃的事件であった。犯人の成育、動機、精神状態など今後検討が進められる。しかし、その一方で社会の側の何が彼女らに無差別殺人への動機を与えたのかも問われる。殺人体験を目的とする殺人は、「幼稚」「好奇心」では説明できない知識と実行力が「犯人」に与えられている。また「犯人」の傾向、志向が事前に示されていたのに、この異常な心理がメディア(マンガ、劇画等)の世界では日常視られているためか、周囲では特別の異常・脅威とは受け止められていなかった。私たちの“普通”の社会の中に病理があるからであろう。
2.国家正義の名の下にもっと強大なシステム殺人(戦争)があるし、それは別としても必殺ドラマや劇画では殺人の模倣となるほどに事細かに描かれ、それが市民の娯楽対象となっている。これに対し、生命観や倫理性の公教育の不足は明らかである。
人はT・P・Oで殺人をするというのが正しい認識だとすれば、そのような時・場・機会をなくすために努力することが必要となる。無差別殺人の場合、殺人者への教育の不足と社会の側の時・場・機会の防止が考えられる。
商業メディア、そして忘れやすい人の世は、過去の同種事件の“経験”や“学識”を風化させ、凶悪・特異事件すらも忘れさせる。教育も学ぶ機会もなく忘れさせる世の中こそ、社会病理である。その社会病理を放置するのは、国や地方自治体の公共責任の義務違反である。
3.ギャンブル依存症、病的ギャンブルについても、これを賭け人の個人的な行為の結果と済ませてはいけないとしてきた人は昔からいた。それは、家族の近くにもいたし、賭博犯を検挙する人、更生教育させようとする人、治療にあたった医師などにもいた。
  しかし、賭博を開帳する人、富くじを売る人、パチスロを認める国や地方自治体の役人らは、ギャンブル依存の実態を知ろうとすらせず無視した。賭博客はあくまで収益を得るための無差別な客でしかなかった。博徒に対してはギャング、暴力団として最大限の非難はするも、自らが官・公として主催者・公認者となることには反省もなく、その収益目的が「公共」のためというだけで正当化し、収奪される客のことやその金の出処、本来は何に使われるべき金であったかなどを無視してきた。
  これで良いのか。賭博を企業化することは人の弱点をつく違法な事業活動に他ならない。それを公共目的と詐称して公営賭博をやり続け、さらにカジノまで新設するのか。ギャンブル依存に取り組む人はそう思っている。 (O)


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コラム 箕面の富

大阪府箕面市の瀧安寺はかつて、正月七日夜に富籤興行とそれに伴う法要を行っていた。堂に三個の大櫃を据え、その小穴から自己の持つ富札を櫃の中に入れる。よく櫃を振り回して混ぜ合わせ、寺僧が小穴から錐で札を突く。第一櫃を一の富、以下二の富、三の富と称した。そこで富突きともいわれた。
 瀧安寺では天正3(1575)年から賞金でなく、札を買って牛王法印のお守りや、福枡、福杖、福秤、大福帳、鏡餅、長命箸など授与していた。そして享保年間になって賞金を当せん者に与える興業が許された。
 その他、大阪では勝尾寺の富(箕面市)、太融寺の富(大阪市北区)、京都は法輪寺(京都嵯峨)、さらに江戸では谷中感応時、目黒不動、湯島天神などで富札を売る興行がされた。
しかし、やがて富籤興行は禁じられ、明治政府へと引き継がれた。
富札は江戸時代の文献に広く紹介されており、図絵では「諸国図会年中行事大成」(勝尾寺)、「摂津名所図絵」(龍安寺)、「難波鑑」(太融寺)などがある。
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投稿 パチスロ・セガサミー娘婿 鈴木隼人の衆議院比例当選

笠下 連子

カジノを推進するパチスロメーカートップのセガサミーの里見治会長は、2013年9月16日、経済産業省の若手官僚鈴木隼人氏を娘婿に迎えた。結婚披露宴は、安倍総理、森、小泉ら歴代総理やその他多数の政治家を迎えて開かれ、安倍は祝辞を述べていた。
 里見は安倍が前回総理を辞任した当時から安倍に接近しており、自民党に「金」のパイプを繋いでいたと思われる。そして、安倍は2014年12月の解散選挙で、なんと鈴木を自民党の東京比例名簿25位に据えた。(その上位は小選挙区併立候補)
そして自民党は大勝し、1977年8月8日生まれの鈴木は37歳で議員になった。鈴木は恵まれ、東大大学院を2002年に卒業して政治家を目指して経産省に入省し、11年後には大金持ちの里見家に迎えられたことになる。メディアは、この結婚自体、自民党議員になるための準備であったという。
たしかに、東京は24位まで小選挙区1位が並んでおり、新人候補が当選確実な25位に入るには余程の金かコネでもないと指名してもらえない。メディアは鈴木をエリート官僚というが、経産省が自民党議員のステッピング・ボードとなり、また里見家という後ろ盾(スポンサー)があればこその結果であろう。岸信介の3世議員安倍にすれば、相応の“査定”である。
このようにパチスロ・カジノ大脈で安々と(否、高々と?)議員になった鈴木のHPをみると、「高齢化社会の到来により新たな社会問題が出現し…」とはいうも、もちろん高齢者をギャンブル依存にしている“恩人”の義父のことなど触れられる訳がない。
それにしても鈴木本人もセガサミー(里見)も自民党も安倍も、こんな露骨な人事工作をするなど呆れる。それを許している日本国民は、ギャンブル依存なのか。
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関西経済同友会のトンデモない「スマートIR」提言

関西経済同友会(代表幹事:加藤貞男(日本生命))は、関西にも経済拠点を持つ大企業とその役員らからなる団体で、参加する大手企業らの経済発展を第一に活動している一般社団法人である。その同友会が夢洲によりによってIRを導入しようと提言している。金儲けのためならバクチ場も役立てようという低劣さを示している。
 カジノという賭博中心施設が本質を隠し薄めるため、統合型リゾートというIRを冠し、さらにIRに「スマート」という形容まで付している。このようなバクチ場に二重三重の隠れ蓑(コロモ)を付すこと自体にIRの“バケモノ”の本質が見える。
 その提言は、本文34頁からなり、ギャンブル依存症対策への提言まである。カラー刷りで、夢洲の未開発地220haについて豪華なスマートIRシティを画いており、次のものからなる。
 (1)MICE : 展示場35万㎡、会議場5万㎡、バンケット3万㎡
(2)エンターテインメント : パーク20ha、アリーナ15000席、ホール5000席、
シアター4000席、ミュージアム1万㎡
(3)ウェルネス : スパ1万㎡
(4)ホテル : 7000室
(5)商業 : 店舗10万㎡
(6)カジノ : 全体施設の3%程度
そして、大和総研によれば、大阪、横浜、沖縄の3か所合計で生産誘発効果は5.63兆円、運営効果は年に2.09兆円と紹介する。
このため鉄道ではニュートラム、JR、京阪延長の3路線、道路は高速淀川左岸線、5号湾岸線、船便は関空高速、神戸高速、大型客船、クルーズ船、そしてヘリコプター輸送まで導入して、陸海空の一大開発を伴う。大手ゼネコンから交通、観光、エンタメ部門まで関西企業が大儲けする夢物語である。
しかし、依存症、マネロン、反社会勢力対応などの社会問題については、触れてはいるものの「政府自ら課題」と責任転嫁している。

同友会は、カジノ依存に対し、既に外国で導入されている①自己排除プログラム、②家族排除プログラム、③入場料の徴収、④依存対策費のIR企業拠出、⑤日本版ギャンブル依存症対策審議会設置、⑥依存症への社会調査、⑦カウンセリング、治療体制の提言をいう。これらは特段新しさはない。ギャンブル依存症の有効な排除は①②③では不十分である。より厳しい限定(入場者氏名、資格、正当な賭金、正当な限度である証明、マネーローンダリングや脱税を許さないためにカジノ出入金の個別点検、証明書等)が必要である。
その取組みを実効あるものにするためには、まず現在の莫大なパチンコ・スロットによるギャンブル依存症、公認賭博による依存症に対する治療と発生予防こそが先決である。カジノを拡げながらギャンブル依存症の調査をするなどの提案は、毒を撒きながらその効果の継続調査としたり、被害発生を知りつつ依存症全体を先送り審議したりするものである。これを「スマートIRシティ」のギャンブル依存症対策などということは恥ずかしいと言わねばならない。          (Y)
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コラム 穂積陳重博士と博奕

 著名な穂積博士は「法窓夜話」の中で、伊予西条の竹内柳右衛門という郡奉行が、博奕禁令に効果がないので禁令を解き、負けた者から訴え出れば勝った相手から残らずとり返すことにしたら博奕が廃れたという対応について、これでは悪事に加担し、自分が不利になると仲間を売って損を免れるのは道徳に反し、善良の風俗に反すると批判しています。石井良助博士は、博奕仲間ではともかく、素人が勧められて博奕をして負けたなら訴え出ることもあり、博奕打ちの追及には役立っただろうと、同旨の幕府の令の一つを引用しています。
職業的博奕打ちは獄門・磔、詐欺博奕は死罪でしたが、そこまでいかないものは流罪遠島で、素人客は処払い・追放でした。また再犯は死罪になったり、両隣五人組まで家財没収、名主の過料もあったようです。日本でも賭博開帳はヤクザの資源で、現在より重くしてはという意見があります
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公認賭博の非

賭博罪について最高裁の有名な大法廷判決はいう。(最高裁昭和25年11月22日)
「賭博行為は、・・(中略)・・国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある」「これ等の行為は・・(中略)・・新憲法にいわゆる公共の福祉に反するものといわなければならない」
 もちろん、賭博罪の規定は憲法13条その他憲法条項に反しない。(最高裁昭和26年12月9日)
かくいう賭博罪の罪質からすれば政府や地方公共団体が財政上の理由をつけようと、賭博、富くじ行為を公認、推進することの非は明白である。賭博罪の罪責を憲法に照らし違憲という上告趣意書をしりぞけ「賭博行為が公共の福祉に反する」という司法判断が現在も維持されている社会で、賭博開帳や富くじ発売という行為を正当化することは本来許されない。まして、主催者が大衆庶民の射幸心を掻き立て、庶民から収奪することも許されない。そしてギャンブル依存という病まで生み拡げて、本人のみならず家族や社会からギャンブル資金を得る罪まで増やしていることは、それ自体罪である。
この点、最高裁判決を解説した注釈刑法の中で小暮保雄助教授(当時)は政府が「各種の賭博類似行為を公認し推進する非は、おおいがたいものがあろう」とする。昭和49年12月大阪地方裁判所は、「どんな理由であろうと地方自治体が主催すれば正当化され、個人がやれば罰せられるというのは憲法14条に違反している恐れがある」という趣旨の判断をしている。
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相談コーナー 私は脱税?

Q.競馬などで大勝ちすると、その儲けは一時所得となり、税務申告をして納税しないと無申告と脱税で検挙され、金額によっては刑事罰にも処せられると聞きました。パソコンや電話で株や先物取引をしている場合は、年ごとの収入から損失を引いて所得してよいと聞いています。
ところが、競馬、競輪、競艇で儲けた場合はと税務署の人に尋ねると、これによる金は所得税法22条、34条で「一時所得」というのです。そしてその課税される一時所得の計算は、収入金額からその所得を得るためにだけ券に支出した金額と50万円を差し引いた金額の2分の1だそうです。
  私は毎日のようにボートピアという場外券売場に行き、全国のレースから1日で20試合に賭けています。ギャンブル依存かもしれませんが、大穴で勝った時の快感が忘れられません。税務署の人によれば、当たった分の舟券代は「経費」として差し引けるが、外れた分はそもそも収入にならない遊び金で「経費」にならないというのです。勝手な計算で株の取引きと比べても不公平です。株はビジネスだがギャンブルは遊びというのでしょうか。頭から主催者(自治体)が約25%を控除しているのにヒドイと思います。それはともかく、今まで税務申告をしたことがなかったのですが、私の収入を正直に申告するとどうなるのか教えてください。
  ちなみに、私は満65歳で、年金は年150万円で源泉領収されていますが、それでは生活できないので近くの店で月10万円(年120万円)のアルバイトをしています。これは源泉されていません。そして、ボートレースに凝って、年に400試合ほど賭けているのです。私は大穴狙いですから、1試合に10枚は異なる連勝で賭けますが、大穴が当たるのは40試合に1度ぐらいです。大穴では1枚5~20万円(平均8万円)を当てています。もちろん、20枚に1枚くらい少額配当もありますが、300円券で500円配当が200回あったところで大した額ではありません。

A.舟券の収入は厳密には1枚ごと計算すると複雑ですから、まず平均8万円の大穴を合計10回当てたとしますと、合計80万円が収入ですね。その舟券代は300円が10枚で3000円にしかなりません。すると、(80万-3000-50万)×1/2=148,500円が一時所得となります。さらに厳密にいうと、少額配当(500×200-300×200)で4万円も儲けていますので、その1/2を加算すると168,500円が合計一時所得でしょう。
  これに年金その他の所得を合算し源泉徴収を差し引く計算をすることになりますが、税務申告をしないと源泉徴収分の精算ができず、結局アルバイトの年120万円とギャンブルの儲け16.8万円余について無申告で「脱税」していると言われかねません。
  計算によると、84万円のボートレースの収入のために、400試合×10枚×300円=120万円分の舟券を買っていることでトータルとしては損をしていることになりますし、地方自治体に何十万円も“特別納税”をしているのですが、これは誰からも感謝されませんね。
  私もギャンブル収益の一時所得計算は、ビジネスのインターネット株取引の「雑所得」と比べるとたしかに不平等とは思います。しかし、射幸のギャンブルを労働・ビジネスと同等に評価はしがたいのも事実です。
  実は、インターネットで競馬の馬券をほとんど連続購入して約3年で馬券代約28億7000万円を投じ、合計約30億円の払戻しを受けた人が、税務署の一時所得計算で5億7000万円を脱税したとして起訴された事件があります。大阪地裁と大阪高裁は、多数、多額、機械的に馬券を買っており「雑所得」同様に計算すべきとの被告人弁護人の主張を認め、脱税額は5億7000万円でなく5000万円とし、懲役2月、執行猶予2年にしました。検察側はこれを不服として上告していましたが、平成27年3月10日最高裁は上告を棄却し、これは確定しました。
  もし、本件舟券購入も「雑所得」とし、購入した全舟券が経費となれば課税所得はないでしょう。ただ、競馬判例でもどのレベルまでいけば「一時所得」でも例外となるのかは曖昧です。
  また、競馬等のインターネット取引で大収益を上げるようなことをビジネスといえるのか、ビジネスとしてよいのかは問題です。ギャンブルは本来、最大健全な範囲の少額の娯楽に制限すべきでしょう。宝くじで何千万円、何億円の金を所得しても日本では全くの非課税としている方が誤っていると思います。
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大阪都構想と大阪賭構想

1.大阪都構想(特別区構想)
  橋下徹市長と維新の会は「大阪都構想」の実現に躍起になっている。府・市ともに議会は自民、民主、公明、共産らが反対していたが、橋下は住民投票を急いでいる。都構想自体、審議も尽くしていないし、その良否や問題点について市民に説明できていない。この状況下で投票をしても、イメージへの判断を問うものでしかなく、むしろとんでもない“後遺症”を残すだけだ。
  東京都に対して大阪が西の京で都というなら、江戸から東京ができた明治初期に京都が西京といわれたことがある。京は都のことだから、都は本来近来国家の首都でなければ対外的に混乱する。東京都は余りにも巨大化し、災害に備える意味もあって長野県辺りに政府の首都を移転する構想もあったが今は動きがない。
  橋下の「都構想」は、大阪府と政令市の二重行政の改革をいうものである。そのため堺市の参加も求めたが、堺市長も堺市議も反対ないし消極的だ。そして今や本質は大阪市をなくすというものだ。
  現在の大阪市22区だけを特別区の対象とし、中央、北、湾岸、南、東といった現在の市区を合区したものにした(橋下は合区案6案のうち一つを提案)。これにより新しい区には特別区を設置、東京都の区並みに公選区長、公選区議による区議会を設置するという。大阪府・市のうち、特別区に一定の独立した自治権が与えられるというが、実態は大阪市が消えて、計画される大きな区域では地理、経済、商業、生活事情、教育、福祉事情も差異が大きい。結局現状の校区や福祉サービス、市民サービスは区ごとに差のあるものになる。
  だとすれば、何故に大阪都構想かというとその意義はみえない。
  たしかに、都道府県制と市町村制は明治期に生まれ、現在では一都集中、過疎の進行があり、3000以上の自治体を1700台にまで合併も進められた。しかし、過疎は止まらない。このように現在の都道府県、市町村制自体が、道州制も含め今や見直しを求められてはいる。しかし、この問題は、日本では地方自治法以下の改正が必要であり、もちろん大阪都構想が通ってもそれでは問題は解決しない。
  府市二重行政に限っても、これらの課題を市民(府民)に知って賛同を得るためには、もっと議論が必要である。その功罪、効果、将来像への展望が市民に提供され説明されねばならない。説明責任のない構想は、橋下維新のイメージ戦略と問題隠しだと言われても否定しようがない。そんなよく判らない構想の住民投票に、衆院選での対抗馬を立てられなかったことで“恩義”を感じた公明党中央が投票賛成に変わるなど理解できず、ますます混迷を深めている。
以下、狂歌風に特別区をいうと…。
  ・2年後に 大阪市消え都もあらず 大阪府内に5(誤)区残るのみ
  ・弁天も高見 紫谷 緑木も湾岸に 東住吉 西脇 南
  ・地下鉄やWTC 府に移行 上下水道 事務組合で
  ・住変は個人負担に決めてます 登記登録 看板名刺
  ・市の債務 府には移すも 返済は 特別会計 旧市住民
  ・投票で決めてしまえば2年後は どうになっても 市民の責任

2.大阪賭構想(カジノ構想)
  同じ音で紛らわしいが、大阪賭構想とは大阪市港区の埋立中の大阪夢洲へのIR(統合型リゾート)カジノ構想である。用地は全て大阪市所有で、橋下流の埋立地活用案である。京都、奈良、神戸の観光地と関空の交通便をみた観光策にカジノを核とするIRは中国人富裕層狙いともいう。
  既にIRカジノは、マカオ、シンガポール、最近は韓国のソウル、仁川、釜山、済州で先行し、チャイナマネーを得て成果を出しているので、これに遅れるなと2020年東京オリンピックにあわせて開業したいというのが、橋下とその「部下」である府知事松井であった。そして、IR法という「準備法」さえ成立していないのに、府・市協力の機関を出発させ、賭博開帳の準備。
  この構想は、全て問題だらけでカジノ導入に伴う①治安、②マネーローンダリング、③依存症、④教育文化等々への弊害を先送りしている。実は、大阪「都」構想との関係でも不明、不透明さが目立つ。カジノには中央政府(国)の内閣、警察、法務、国交、その他の利権関係、大阪府と大阪市の関係、特別区が成立するとその区長、区議会、区民の関係などどうなるのかという課題がある。IRの税収の一つをみても、既に特別のカジノ税の行方や役人・役所の利権が聞かれる。もちろん、数兆円投資という国内外のIR資本、カジノ業界の進出や建設、運営の利権など、何千何百億のレベルでの利権が渦巻く。
  カジノを中心とするIRの導入は、既存の施設や計画、交通路線のJR線、地下鉄線、京阪線などの利権も絡む。海外資本の数兆円の投資は、中国人だけでなく日本人のサイフを狙うものである。ゼネコン、機械メーカー、宣伝、企画広告など、この数兆数千億円の投資を利権の機会とのみ視ているのである。
関西経済同友会は、関西の大手企業のほとんどが加入する。その関西財界のためのIRカジノ計画は、実はカジノ外資と大企業が大阪市の金(土地)による日本人収奪のためのものでもある。
いわば、ミニカジノ・パチンコをもっとスマートにし、大型化し、格好良くしてCASINO(本来は別荘でカシノが正しい音、カジノとは娼宿のこと。現実のカジノは売買春が絡むので、カジノ誘致論者は知らんふりする)を公設民営化させようというのが大阪賭構想である。

大阪に賭に客呼ばん IR なにわともあれ もうかりまっせ
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会報33号【目次】

【目次】 大阪都構想と大阪賭構想、私は脱税?、公認賭博の非、穂積陳重博士と博奕、関西経済同友会のトンデモない「スマートIR」提言、パチスロ・セガサミー娘婿鈴木隼人の衆議院比例当選、箕面の富、異常を生む社会と知らないでいる国や地方自治体、浮世人情合、書籍紹介、「博奕」の読み方、NEWSピックup、裁判情報
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2015年02月04日

第10.商業メディアへの要望

1.ギャンブルの人権侵害、不正義と庶民の収奪性について知るべきです。
2.商業メディアの一部は現在、ギャンブル産業の一部門となっていますが止めることです。スポーツ紙・誌は純粋なスポーツ、ギャンブルに絡めないものを紹介し報道することです。これは新聞、テレビ、ラジオなどのメディアについてもいえます。
3.公認ギャンブルの存在からその案内の掲載を認められるとしても、必要最小限の「報道」「案内」に限るべきです。未成年者やギャンブル依存(継続)者を勧誘する宣伝・広告は抑制することです。
4.ギャンブルへの不実・誤認を招いたり射幸心を刺激する広告や、無差別な公共空間・公共時間を利用した広告に協力しないことです。(公共鉄道車など囚われの客への広告制限)
5.メディアは善良な社会の公的手段、報道手段であるが故に、報道の自由への最大限の尊重が認められており、ギャンブルの弊害についても後世に恥じない報道をすることです。
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第9.「自殺予防のための手引」とメディアへの手引き

 WHOの自殺予防の手引、メディア関係者のための手引(クイックリファレンス)をギャンブル依存防止問題に適用すると次のとおりです。

1.努めて社会に向けてギャンブルに対する正しい啓発・教育を行う。
2.ギャンブルを正当化して当然のように扱わない。良きレジャー、レクリエーションの方法として扱わない。
3.ギャンブルを宣伝したり勧奨しない。ギャンブルに伴う弊害は正しく報道する。
4.ギャンブルの射幸性を刺激したり正当化しない。
5.ギャンブルがよき生活者としての暮らしを害する可能性についての正しい消費者教育に協力する。
6.ギャンブルによる被害や生活困難について支援を求められることについての情報を提供する。
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第8.ギャンブルの収益金は社会的費用解消に使うべき ―公共事業よりも被害回復へ―

1.はじめに
  日本ではギャンブルによる弊害について、まず全て自己責任として非難こそすれ、政府は救済活動をしていません。
  賭博への賭金は、それが家族の金であれ、社会から奪われた金であれ、それを「被害者」に戻すということはされていません。
  賭博のために犯した殺人、放火、強盗、窃盗、横領による金であることが事後判っても、利益を得た賭博の開帳者(公営競技開催者)や富くじ発売元(地方自治体)は何の償いもしないのです。こんな不正義が許されてよいでしょうか。
  国や地方自治体はギャンブル収益金など本来得るべきではありませんが、現行法上得られている収益金について、より正しい使い方を提言します。

2.ギャンブルについての医療厚生費用
  国や自治体は、賭客が精神科の診療を受けた場合、その保険診療費の一定分(生活保護者は全額)を負担することになります。その社会全体の負担コストについて行政は検討していません。536万人と推計される依存症の疑いのある人のうち、客観的には精神科に通院したほんの少しの保険診療費負担をしている程度です。(それも賭博による医療費用という認識を欠いたまま)
  536万人のギャンブル依存症の疑いのあるものが、その依存から脱出するためにカウンセリングや診療を受け、一人平均年1万円とすれば、年間536億円の医療費負担が必要です。病人の200万人が年10万円の費用を要すると、年2000億円の医療費です。
  現在は、厚生労働省と医師界の取組みへの弱さもあって、ギャンブル依存症としての医療費は表面化していません。しかし、うつ病その他の精神疾患となり、また健康を欠いて内科的治療を受けている依存者のコストは小さくありません。しかもこれにはGAなど自主回復へのコストは全く計算していません。
  ギャンブルをし、社会に弊害をもたらしているなら、そのために医療行政上の対策が必要となります。医療的回復のための施策やシステムは、医師だけでなくカウンセラーや本人と家族らの自力回復施設を必要とします。もちろん、自殺防止のケアシステムも必要です。年間25~30兆円を売り上げる公営ギャンブルに対し、その1%の費用でも予防と医療回復に使うとすれば年2500億円となります。

3.司法上のコスト・社会正義回復コスト
  ギャンブルによるトラブルや破綻に対して、民事上解決のための司法コストがいります。また、破綻者の犯罪予防、再犯防止までの犯罪者への刑事政策の社会的費用も要します。
  例えば、ギャンブル資金入手のための盗犯の防止にしても、マネーローンダリング、脱税防止にしても、警察、検察、裁判所、財務、税務当局、司法救済から刑事政策までのコストを要します。公認ギャンブルの収益から医療コストと共に司法と社会正義回復コストを償うべきです。そのコストは予防も含め、ギャンブル売上金の10%は要し、2.5兆円としても大きすぎることはありません。

4.地域社会、教育への弊害と費用
  ギャンブルに伴う治安と環境の悪化、教育環境などの不安までを解消するコストを償うとすればそれも莫大なものです。これらは容易に金銭評価し難く、現在の周辺住民の利益だけでなく、将来の世代への健全な環境や全世代への社会教育への費用が必要となります。環境問題もギャンブル場等の周辺に同意を取り付けるための協力金コストでは済みません。これら地域と社会教育の弊害を防ぐのにも売上の10%以上のコストがいるとすると2.5兆円という金額になります。

5.ギャンブルの社会的費用は経済利益を上回る
  もし、ギャンブルの売上からの収益が不法に被害者から奪われたものとして弁償に使われるべきとすれば、まず収益金では全く不足します。そこまでいわずとも、厚生費、医療費、社会の行政司法コストを考えると、よく言われるギャンブル産業の経済の効果などより大きい外部不経済をもたらしているのです。
  年に25兆円のギャンブルの売上から得られる社会の経営収益は仮に年5兆円あっても、社会がその不利益のコスト年5.5兆円以上を支弁しなければならないとすれば成り立ちません。
  ギャンブルを導入するためにいわれる経済効果は、客の金を事業主体がいかに取得するか、その賭博収入、その施設建設、従事者の雇用などのプラス面のみを都合よく積み上げたものに過ぎません。そして他の人々や社会の負の経済効果、社会費用は全て無視するものです。
経済効果評価とは本来、プラスの効果だけでなくマイナスの効果も計上すべきです。

6.効果の不平等と不公正
  ギャンブルは社会全体の富を生む産業と異なり、他人の財産を取り合いし、それを手助けするものに過ぎず、全体として富を増やすものではありません。
ギャンブル事業の経済性の最大の欠点は、人の立場によって決定的不公正を拡大するということです。一方で、必ず利益をあげる賭博開帳者と、全体としては必ず損を受ける客の関係に象徴されるように、互換性は全くありません。
ギャンブルが一見選択の自由であるように装い事業することは、それが形の上で現行法上許されていようと人の道に反するものです。
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第7.ギャンブル依存と自殺・破局

1.自殺と賭博についての先人の考察例
  1937(昭和12)年12月、警視中村義正氏は刑事警察の実務経験と研究から「賭博」という408頁に及ぶ著作を発表しています。その内容は賭博に詳しく薀蓄に富みます。賭博が実は詐欺を伴うことや自殺にもはっきりとした視点を持って書かれています。
  犯罪統計によれば、当時全国56万1587件のうち賭博は29万960件でした(うち東京は3886件、大阪は2981件、北海道1819件、福岡1155件と続く)。そして東京を例に1933年の検挙人員1万6146人(うち非常習者1万4312人、常習者1834人)とし、年齢別分類で14~17歳73人に対し、25~29歳4086人、30~34歳3845人、そして70歳以上でも63人に及ぶとしています。職業は非常習者は土木、人夫が1位、常習者は無職が468人で1位です。ただ、銀行員、教育、宗教職、記者、医務、官公吏まで少ないものの常習者がいることも指摘されています。教育程度は、尋常小学校卒業者6260人が1位、同中退者が3261人で2位、高小卒2885人で3位、不就学2342人で4位、高小中退者621人で5位です。もちろん私立大学卒42人や帝国大学卒6名まで高学歴もいます。そして、他の犯罪と比べて婦女子が1429人と多いことや、賭博は娯楽から発するも繰り返されること、実は賭博には詐欺が多いと指摘しています。
この点、現在のパチンコを見ても肯けます。
  さて、自殺ですが、著者は、「余輩をして精密なる統計を得せしめば 轍を賭博の凡百の悪習慣なる事を発見すべし 暴酒家に劣らざる程最も多数を自殺の犠牲に供するものなり」といいます。
  要約するとこうです。世の人は第一に賭博が多数の犠牲者を自殺に供しているかを知らない。世に一時のてん狂に結果と説明するだけだが、著者が賭博者の実歴を研究すると2つの事実があった。賭博のために人が全所有物を失うことは、酔い倒れた人に不意の出来事が起きた感覚で、ここに目が覚めるも自分のしたこと、義務を怠ったこと、迷惑をかけた親戚を思い、愚かな行為と思う。そして賭博仲間からさえ「貧乏なる痴漢」と呼ぶ声が聞こえ、軽蔑の音響が聞こえ、交友もなくなる。商人が全財産を失えば自尊保有を失う。賭博は人の判断、良心、愛情を抑え、一時の感情(烈しい麻酔)で最後の一厘まで失い、借金をして地獄に陥っている。そしてこの「貧乏人」は最後の冒険、すなわち未知の未来に向かって生命を賭する悲劇がある。」と。
  結局、第一回の賭博から自殺をもって終わる「てん狂」は起こる当然の結果というのです。(同著P32~36)
  この著者の説は自殺をめぐる今日の医学的説明レベルには及んでいませんが、当時の心理学者の意見も聞いたものといいます。
  次に、2012年発行の「『やめられない心』依存症の正体」クレイグ・ナッケン(玉置悟訳 講談社)は、アディクション専門セラピストの経験をもとに書かれています。これによると、アディクションは人生が崩壊を始める第3段階に進むとし、自殺に進む場合もある。その理由はアディクションによる内面の苦しみがあまりに大きく、その苦しみを終わらせたいと願うようになる、やめられない自己嫌悪が大きくなり、内面の「アディクション人格」を殺そうと考えるに至る。すなわち、本人ほど内面のアディクション人格を恨んでいる人はいないというのです。
  「やめられない心」アディクションは、薬物、酒から近時のスマホ依存まですそ野を広げていますが、ギャンブル依存は犯罪者集団(暴力団、ヤクザ)の違法賭博と共に公共団体の公営賭博や警察公認のパチンコ・スロットによって生み出されています。
かつての取締りと抑制に努力した警察司法担当らが知れば、現在のパチスロギャンブルは驚天動地の天災どころでありません。後世の警察官OBと現職らの編み出した賭博であることに唖然とし、やがて怒るでしょう。

2.ギャンブルと自殺
  ギャンブルが個人自殺に至るには、「軽い遊び」がギャンブル依存の病になり、多重債務を負い、債権者に追われ、返済に苦しみ、家族生活や周辺社会にも迷惑をかけるなどし、社会経済的にも追い込まれ、精神的にも不安定でうつ状況になっていることがあります。そこでは健全な心身の保持に役立つスポーツ、レジャー、余欲はありません。
  本来、競技として馬術レース、自転車競争、その他スポーツは金を賭けなければ成立しないのではなく、スポーツゲームとして成立します。そこに金を賭ける特権貴族の「遊び」が始まり(ex.競馬)、“大衆化”する下で大衆の自殺や犯罪を招くものになったのです。
  ギャンブルの大衆化は、ギャンブルで庶民・大衆の富を収奪する博徒(ヤクザ)組織を生みました。その博徒の賭博開帳行為を抑えるという詭弁までがパチンコの導入に言われました。
  公認賭博は、かつての富くじのように国会の軍国主義資金の捻出のための宝くじ、軍馬の育成のための競馬というように軍国主義政策の一手段でした。その存立目的を敗戦後の経済混乱期の地方財政等への収益金という目的に変えて継続し、拡大されました(競輪、競艇等)。1998年にできたスポーツ振興くじも、その収益金の3分の2は国と地方自治体に入ります。サッカーくじといわれるが、サッカー試合の結果がギャンブル化するのに適しているから(試合結果が予想しにくいスポーツゲーム)であり、サッカーに特別多くの収益が優先配布される訳でもありません。スポーツ関係の使途は文部科学省のスポーツ関係団体の“勢力”で配分されるのです。
  加えて、パチンコは客が得た特殊景品を買う中間業者や問屋を通す「三店方式」による換金という賭博化が、業界を取り締まる側の警察当局の「了解」により成立し、日本唯一かつ世界最大の大衆ギャンブルとなっています。
  これが売上20~30兆円という“産業”になり、その一方で世界最大級のギャンブル被害と、その一つとして自殺者を生んでいる理由です。
  日本はロシア、韓国に次いで自殺率の高い国です。その自殺原因には、日本社会が生む生活感や人生観、生命観があるといえます。自殺の理由としてギャンブルが統計上示されてよいのですが、内閣府の「自殺対策白書」にもその視点がないのは誤っています。

3.ギャンブルと自殺についての研究
  2012年8月の新たな自殺総合対策大綱で、病的ギャンブルが他の依存症と共に重要対策の対象となり、厚生労働省の委託研究での検討会がなされています。
  全国精神保健福祉センター長会副会長の田辺等Drが、病的賭博者ら137名以上の多数の治療経験をもとに、自殺傾向について健常者との比較検討分析をしています。これによると、自殺念慮経験者は1年以内で健常者群2.7%に対し病的ギャンブリング群は26.7%であり、大うつ病性エピソード該当者の19.4%より多いこと、自殺念慮の生涯経験率は健常者群14.5%に対し病的ギャンブリング群は62.1%と高く、自殺念慮だけでなく自殺企図した者は1年以内経験では健常者0%に対し病的ギャンブリング群は12.1%で、生涯経験では健常者群1.8%に対し病的ギャンブリング群は40.5%でした。病的ギャンブリング群は自殺を考えるだけでも4~5倍、自殺を企図したものは40倍も多く、よく言われるうつによる自殺のレベルよりも高いことがわかっているのです。
  これらは田辺Drらの長年の取組みの「成果」です。
  もとよりギャンブル依存者は、他の精神的な病気・障害も併存したり、薬物依存、アルコール依存もかかわっています。病的ギャンブリングと他の精神障害では、うつ病が特に多いと指摘されています。田辺Drらは、日本で病的賭博(ギャンブル依存症)の有症率が高いのは、海外では1段階:娯楽ギャンブル、2段階:問題ギャンブル、3段階:病的ギャンブルが三角状のピラミッド形であるのに対し、日本では、2段階以上の問題ギャンブル、病的ギャンブルがドーム形に多く、この原因として、日本は①ギャンブル体験が日常化、②資金の入手利便性、③女性への普及を指摘されています。日本ではパチンコ店へのアクセスしやすさとその貸金業者による資金提供、女性参加はよく知られるところです。
  現在、日本のギャンブルは、宝くじ経験者2000万人以上、パチンコ利用者1000万人といった日常化が行われており、射幸熱を高めてゲーム感覚から病的賭博まで昇りつめる人が多いのです。このような人々は薬物、アルコール依存と共に多くのうつ等精神疾患を増大させてもいます。

4.ギャンブルによる人の生活・人間関係の社会の破局現象
  ギャンブル依存(Gambling Dependent)は、嗜癖(Addiction)障害(Disorder)ともいわれますが、個人と家族や社会の人間関係、ひいては社会を破局させます。個人が破局し、その対象が内面や個人に集中すれば自殺自死を生みます。
  日本ではパチンコ、スロットというギャンブルが、1000万人以上を引き込みます。大型化、大店舗化している今でも全国1万2000店に及ぶギャンブル場がどの町にもあります。これは警察庁が「三店方式」のパチスロ賭博を「公認」し「保護」し「拡大」させたからです。
また、競馬、競輪、競艇、オートレース場が全国に100ヶ所以上も公設されています。またウインズ、サテライト、ボートピアなど場外券売り場が100ヶ所以上大都市や地方に設置され、また電話やインターネットでも馬券、車券、舟券が売られてギャンブルが行われています。
加えて、宝くじやスポーツ振興くじなどの富くじというギャンブルが、全国の1万店近い店(銀行、郵便局、コンビニ、駅売店など)で売られ、インターネット販売もあります。
これらのギャンブルの売上は、一時30兆円に及びました。今はパチンコ・スロット18兆円、競馬4~5兆円、競艇1兆円、競輪・オートレース1兆円、宝くじ・スポーツ振興くじ1兆円という規模です。そして25兆円近い公認ギャンブルが行われているのです。
この「公認」ギャンブルの一方で、「ノミ行為」「野球賭博」「相撲賭博」「賭け麻雀」から「闇バカラ」「闇スロット」など違法賭博が少なくとも数兆円規模で存在します。
これらギャンブルの客は圧倒的に低所得層の大衆です。余欲のある遊び金のみをギャンブルに投じるのではなく、むしろ本来の生活資金を削り、家族親族の金を奪い、さらには犯罪により得た金を投じさえします。そのため賭博客は、生活資金を失い生活苦、家族や社会から非難を受け、個人の生活破局を招きます。自責の念やジレンマから精神と行動の異常障害、自殺自死も生むのです。
これはギャンブルによる社会の破局(自殺)現象といえます。
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第6.ギャンブルによる浪費・多重債務と破綻

1.ギャンブルは消費生活の中でも最大の浪費
賭博は、労なくして大金を得る夢を買わせるという、資金と時間と労力の「浪費」を消費にもたらすものです。ギャンブルに依存させ、借金をしてでも繰り返させ依存症を生みます。これは消費者問題です。
  その結果、多重債務者・破局者を多数生み、拡大させます。ギャンブル資金のために身内や貸金業者から借金し、目的のためには手段を選ばない異常心理の下、犯罪や無理心中、さらには自殺までの究極の破局を招くのです。

2.ギャンブルと破産 ~破綻はその数倍~
  ギャンブル依存は多重債務者を生み、自己破産を生むことがわかっていましたが、統計的にも明らかになっています。
  2011年、日弁連消費者問題対策委員会は、全国地裁の破産事件から無作為に1234件を抽出し、破産原因(多重債務に陥った理由)を複数回答可として調査しました。これによると61件(4.94%)がギャンブルでした。
  調査はこれ以前も3年ごとに実施され、2002年1.9%、2005年3.4%、2008年4.34%であったとおり、ギャンブル破産は上昇傾向にあります。破産申立てでは、破産の主因をギャンブルとすると、破産後に債務の取り立てを禁じられる「免責」決定がなされないので、財産のギャンブルへの費消は実際より過少申告されます。それでもこの結果です。
  一方、破産手続きでなく、債務を大幅に減額し分割弁済する「個人再生手続」では、917件のうち93件10.14%がギャンブルによる多重債務が原因でした。生活苦・低所得(35.44%)より低く、教育資金(9.05%)より多かったのです。個人再生手続では自己破産手続より多重債務の原因としてギャンブルを隠す理由が低くなりますが、それでもギャンブルへの費消は手続きのマイナス要因となり、「控え目」とされます。
  結局、多重債務の破綻原因は、10%以上がギャンブルです。多重債務に陥っても法的手続きをとって整理する者は、広義で更正しようとする意欲の高い者です。
  実は、ギャンブルでの破綻者は、逃亡、自殺、犯罪に走り、また家族らの「尻拭い」処理も多いので、実態はギャンブルによる破局、破綻者は表面化している数十倍に達するとさえいわれます。

3.貸金業者の活動とパチンコ店の売上
  パチンコ店の売上が2003年には30兆円、そして2010年には20兆円を切ったことは、貸金業の消費者貸付残高が20兆円から10兆円に下っていったことと「比例」しています。
  過払い金問題と貸付業規制の厳格化で貸金を縮小したことが、パチンコ客の「懐具合」を悪くしました。ギャンブル用貸金を厳しくしないとギャンブル「依存」も減りません。この点近時のパチンコ店内ATMなどはカードによる消費者ローン営業の拡大活動の結果ですが、アルコール依存で運転している者に酒を売るのと同様の“商売”といえます。
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第5.公認賭博収益と公共目的使用の背任と「罪」

1.パチスロを除く競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツ振興くじ(toto)は、法律で公認された「賭博開帳」「富くじ発売」ですが、その正当性は唯一その収益金を今の社会に必要不可欠な公益・公共事業に使うということです。
しかし、戦後の財政危機時代の公共目的は今や建前だけで、「空洞化」しています。これまでこの収益金使途は詳細に再検討されることはありませんでした。totoを除いて、戦後間もないころに戦災復興資金や各産業の発展のためとして始まりましたが、それぞれ法制定時の使途と存続の公益性が担保されておらず、むしろ今や継続は「背任」ですらあります。

2.宝くじについて調査すると、宝くじの収益金は今や時代が変わり、戦災復興とは全く関係のない使われ方をしています。
  そして、発売元の都道府県や政令市は、特定された公益事業・公共事業について個別に議会審議を経て必要不可欠なものに使用するために宝くじを発売するというものになっておらず、議会の認める宝くじ発売は、収益事業として包括承認はしても形ばかりです。その収益金は自治体の雑収入とされます。宝くじ収益金は総務省が一応掲げ、国際交流事業までの包括的な10項の範囲内で、他の財源と共に行う事業の一部に使用される建前です。複数の公共事業に概括的に使用したとされ処理されているというだけです。
  例えば、まだ詳しい説明をしている方の大阪市でいえば、街のイルミネーション事業費の一部にも充当されたことになるというような「概括報告」で処理されているのです。

3.現在の公営賭博収益も、適宜自治体ごとに配分され、その自治体は他の財源と共に公共事業に使ったというものでしかありません。
  これでは各法律の定める収益事業や宝くじを発売する個別の公共事業目的への使用という公益性の説明責任は果たされていません。現在において競馬、自転車、自動二輪車、モーターボートや船舶事業を、他の産業より特別に優遇し、特にギャンブル事業収益金により維持・拡大する必須性はないのです。
  1998年にできたtotoもスポーツ振興の名目はあるも、収益(売上)の50%内は配当、経費は15%以内とされ、国と地方自治体とスポーツ団体(体育・学校センター)が11.7%ずつを分けます。スポーツ団体はサッカーだけでなく実に様々な競技と団体に分け合うものとなっています。
そこには文科省と財務省の利権、地方自治体の利権とそこにつながるスポーツ団体の利権があり、セクハラ事件の結果、柔道のコーチへの金も形ばかりで実体のない使途であったことが明らかとなったように、適正使用が疑われるものが少なくないのです。
これらは現状の公営ギャンブルが当初掲げた公益性・公共性をも正しく使用され説明されていないことを示しています。

4.公認ギャンブルは省庁利権の場となっています。競馬は農林水産省、競輪・オートレースは経済産業省、競艇は国土交通省、宝くじは総務省、スポーツ振興くじは文部科学省、パチンコは警察庁が監督省庁となっており、その官僚利権と「天下り」や再就職の場です。
ギャンブルは政府や地方自治体職員の汚職や公務員の規律違反、職務規律違反の非違行為をも招いています。

5.公営賭博による収益金はギャンブル依存など社会の弊害の解消には使われません。むしろ、ギャンブル宣伝のために依存症や生活保護費を含む「浪費」を勧奨しても、病気をなくしたり、更正させることには使われていません。
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第4.ギャンブルと汚職、背徳

1.公認ギャンブルは賭博行為という社会的犯罪を特別に公認するものです。その事業の許認可から日常運営まで事業者とそれを監督指導する中央・地方の政治、行政との関係で汚職はつきものです。

2.公認ギャンブルは、業界レベルでも個々の事業企画レベルでも、開催から運営の隅々まで利権が絡みます。パチンコ業界では国会議員アドバイザー(パチンコ議連)が現存し、IRカジノは巨大な利権に絡むが故に、安倍・麻生の総理・副総理までがカジノ議連の最高顧問として君臨しました。もちろん競馬の農水省、競輪・オートレースの経産省、ボートレースの国交省、宝くじの総務省、totoの文科省、パチンコの警察庁など監督省庁や所管団体にとって、族議員や行政担当の「天下り」再就職と利権の及ぶ先です。
  したがって、歴史的にも利権と汚職があり、国民に説明しないできない背徳が続いています。これらのギャンブル界は裏社会と共に表社会の役所や警察まで癒着していることが多いのです。

3.ギャンブルという利権の多い世界は、闇の世界との関係も常に指摘されます。業界周辺の企業で生み出される租税回避される金や闇の金は、様々な形で民主主義社会を蝕みます。それが政治献金であっても、その利権を守るという目的に働き、その金が特別の権力、利権関係を維持する方向でのみ使われるのです。

4.ギャンブルは、大臣、上位役人の「天下り」から個々のパチンコ店を取り締まる警察の生活安全課の一職員まで「役得」を生みます。
  ギャンブルが大衆の金を奪っている事実があり、依存症の病まで生んでいるのに、これらについて業者も政治家も役人も正常な倫理観を持たないのは、これらのギャンブル運営に共存する「利権」と「仲間意識」が働くからです。

5.これは政治の汚職と背徳です。ギャンブルで大衆、貧しい人々から特別に収奪しても病を生んでも視ない、知らないふりをする。利益を一方的に得る利益集団を形成し、客をカモとし収奪して恥じない。こんな仕事が公営事業となれば、その政府は国民への背徳でしかありません。

<参考> 
パチンコ議連(PCSA政治分野アドバイザー)
41議員(自民23、維新9、民主8、無1)
IR(カジノ)議連
224議員(自民109、維新22、民主10・・・)
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第3.ギャンブルと脱税

1.パチスロと脱税
(1)パチスロ店(以下、パチンコ店)は、1980年代バブル期まで歯科医師、産婦人科医と並び「脱税御三家」とも呼ばれました。しかしその後、脱税御三家は一部入れ替わったもののパチンコ店は依然として、2001年所得税の不正発見でワースト1位、2002年から2011年まで9年連続でワースト2位。近年1位の「バー・クラブ」と定位置でした。そして2012年2013年はワースト3位と数の上では「改善」(?)しましたが、パチンコ店の不正発見割合件数は約50%でした。
  2013年度の不正発見のワースト10業種は数の上では、①バー・クラブ47.3%、②自動車修理29.8%、③パチンコ29.0%、④廃棄物処理28.4%、⑤土木工事28.0%、⑥一般土木建築工事27.4%、⑦職別土木建築工事24.7%、⑧貨物自動車運送24.3%、⑨再生資源卸売24.3%、⑩電気・通信工事23.3%と、いずれも2業者に1つないし5業者に1つは不正というところです。
  しかし、パチンコは大脱税額の常連です。1件あたりの不正脱漏所得(脱税)のワースト10は2013年で、①パチンコ5372万円(万以下切り捨て)、②自動車附属品製造3347万円、③情報サービス興信所2532万円、④電子機器製造2510万円、⑤建売・土地売買2510万円、⑥電気通信機器卸売1934万円、⑦産業機械製造1838万円、⑧医薬品小売1767万円、⑨一般機器卸売1724万円、⑩鉄鋼卸売1718万円でした。
 このようにパチンコ店は金額と不正割合で日本最大級の脱税業種です。2014年も不正所得金額のワースト1位は確実です。
(2)パチンコ店は弱肉強食が進み、かつての全国18000店から12000店を切りました。2013年度で1位のマルハンが売上2兆1116億円、営業利益579億円、2位のダイナムが売上9221億円、営業利益354億円、3位のガイアが売上4078億円、営業利益139億円、4位のオザムが売上4046億円、経常利益70億円です。(その一方で、2014年は10月までの時点で店のうち25件が倒産し、その負債総額12億2000万円でした。)
  2013年、パチンコメーカーは新機種を200万台も売りました。セガサミーはダントツ1位で売上3780億円、営業利益385億円、2~5位は京楽、平和、三共、三洋で各2051~1535億円を売り上げ、各369~280億円の利益をあげました。
  近時、パチンコ新機種の一般広告がTVから車内吊りまで盛んです。中小パチンコ店は高い新機種で客を呼ばねば大手に対応できず、ゲーム機能を増した新機種を導入して客をつなぎとめるのに必死です。メーカーも大儲けし、大手はメーカーも店もカジノにまで手を伸ばしています。資産1000億円超のセガサミー里見治会長と安倍総理ら政治家の親密さがよく報道されました。
  大手パチンコ店やパチンコメーカー、その他ギャンブル関係企業は明白な脱税をしなくても、他業種化して複数の会社化、子会社化するなどして利益を子会社に移転させ、「節税」という「租税回避」もしています。加えて企業の海外進出にはタックスヘブン(税天国)への動機もあります。

 
2.公営賭博と一時所得と脱税
  コンピューターによる継続的な馬券購入による収益にかかる所得不申告の刑事事件について、「外れ馬券」が経費かどうかの二審判決が2014年5月9日言い渡されました。
一審は30億円の無申告5億7000万円脱税起訴に対し、課税対象は1億4000万円で脱税額は5200万円とし、求刑懲役1年に対し、懲役2月執行猶予2年としました。これに検察側が控訴しましたが、二審はこれを棄却し、検察側は最高裁に上告し、審理中です。
これは、馬券購入の払戻金を1回ごとの一時所得の対象とする国税局と検察庁に対し、「継続的に大量購入し事業化している」として「全体とし一つの資産運用とみる」弁護側の主張がかなり認められたためです。
常識的には予想ソフトでの網羅的馬券購入は先物取引等の合法取引行為と同じ仕組みで雑所得とみることができます。
むしろ、所得を確実に申告させて捕捉することが、ギャンブル所得対応では有効です。現在の公営競技ではいくら大穴を当てて儲けても、払戻し窓口での源泉徴収もしません。この方こそ問題です。パチンコではパチプロも含め客の実質所得を捕捉しようとはせず野放しです。

<税務当局の説明>
 競輪・競馬等で得た金は、所得税法22条、34条で「一時所得」とされる。
(収入金額-その所得を得るために支出した金額-50万円)×1/2
「その所得を得るために支出した金額」は原則として当たり券の購入費で、ハズレ券に投じた金額は含まないとされ、他の所得と合算し総合課税として申告する。
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第2.ギャンブルによるマネーローンダリング

1.マネーローンダリングと犯罪収益移転防止の困難さ
  マネーローンダリングとは、資金洗浄をいいます。犯罪などによって得た不正資金を口座を移動するなどの方法で出所がわからなくする不法行為です。日本でも2007年にようやく「犯罪収益移転防止法」が施行されました。2011年管理強化されましたが国際組織「金融活動作業部会(FATF)」は2014年6月、日本の法整備は不十分と名指ししています。
  2013年みずほ銀行が、信販会社の提携ローンを通じて反社会的勢力に対し2億円の融資をしていたことが発覚しました。実は、マネーミュールという運び屋を介した資金洗浄もあります。ビットコインという「仮想通貨」は、マネーローンダリングにも利用されます。

2.ギャンブルにおけるマネーローンダリング
  まず、ギャンブルがどうマネーローンダリングに関わるかを検討します。
(1)ギャンブルに集まる金は、犯罪など不正に得た資金が多いのです。ギャンブルのマネーローンダリングをなくすには、①ギャンブル関係者、賭客の身分証明、②賭金の出処の公的証明、③ギャンブルの結果の賭客ごとの収支結果、④換金証明が必要です。
  個人が金を使うのは自由だという考えもありますが、一般の売買など取引も記録化されます。ギャンブルは特に賍物(犯罪によって得られた金)が多く、家族ら「親族相盗」の資金も抑制されるべきです。闇の資金(犯罪による金賄賂、脱税金)のマネーローンダリングは完全に排除されねばなりません。
ギャンブル依存症の発生防止や過剰な賭けの抑制のためにも、上記①~④が必要です。
(2)公営競技の賭金や宝くじ、totoからパチスロまで、現在前記の証明手続きは全くなされていません。
(3)ギャンブルにより得られた金は宝くじ、totoのように非課税制度が法定されていないものは一時所得となります。しかし、現実に所得申告する者はいません。競輪、競馬、競艇の公認賭博もパチンコ店も三店方式による換金業者も賭客の所得税申告には全く無関心で、脱税というマネーローンダリングを支えて(幇助して)います。
(4)もしカジノが導入された場合、ジャンケットなど紹介者による資金の立替はマネーローンダリングの隠れ蓑になり、ホテル等のコンプ(サービス)等はマネーローンダリングに代わるものともいえます。

3.日本のギャンブルによるマネーローンダリングの推計
(1)違法賭博の賭金は、胴元が吸収しようと客が賭金を得ようと全て「闇の金」です。その違法賭博は、①違法スロット、②バカラ賭博、③ネット賭博、④野球・相撲賭博まで様々あり、⑤公営賭博に便乗する「ノミ行為」賭博は日本での推計はないが韓国では合法賭博の4倍といわれます。
  後記のとおり、日本のパチンコを含む「合法賭博」を25~30兆円とすると、少なくとも2倍~4倍の50兆~100兆円が闇の金になり、まずそれがマネーローンダリングされていると推計されます。
(2)「合法賭博」のパチスロはかつて売上30兆円といわれましたが、今は18~20兆円です。競馬は中央・地方で4.5兆円、競艇は1兆円弱、競輪は6000億円、オートレースは700億円と、かつての10兆円時代から減少しています。宝くじは1兆円弱、スポーツ振興くじ(toto)は1080億円です。
  宝くじ・totoは、客に約45%~50%が払い戻されます。仮に購入金が不正の金とするとその5000億円は「資金洗浄」されます。公営競技は売上の投票券購入資金が全て不正な金とすると、6兆円余の25%が払い戻され、1兆5000億円が「資金洗浄」されます。
パチンコの客への還元率は約10%といわれ、売上18兆円のうち1.8兆円が客に戻ります。パチンコ店の純収益が売上額の10%として、1.8兆円の収益のうちさらに20%が脱税(租税回避)されたとすれば、3600億円が「資金洗浄」された金になります。
これらの金が政治家や政治団体への献金などに使われようと、資金洗浄されたことに変わりはありません。このように合法賭博でも4.1兆円の金がマネーローンダリングされかねないのです。
(3)以上のとおり日本は、合法賭博でのマネーローンダリングが5000億円と1.5兆円と1.8兆円と3600億円の計4兆円以上も懸念されますが、合法賭博がマネーローンダリングに利用されることについて全く対策がとられていないのです。
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第1.ギャンブルと犯罪

1.ギャンブルと犯罪類型
ギャンブルと犯罪は深く結びついています。賭博行為は日本のみならず、古今東西の国において犯罪とされています。公認されているギャンブルは公共目的から例外として法的に違法性を阻却する限定条件を設けてはじめて許されています。賭博の禁止は個人の自由と対立するという考え方もありますが、単に国家権力が国民を統制するというだけでなく、国民を保護するためにも必要でしょう。
日本で「ギャンブルと犯罪」として考え得るケースを類型化し考えてみましょう。
(1)第一に、よく目にされるギャンブルと犯罪のニュースは、競馬、競輪、競艇、オートレース、さらには宝くじ、totoの公認ギャンブル、風営法上の遊技という「脱法ギャンブル」パチンコ、闇バカラ等の賭博犯罪と、それらギャンブルに盗みや詐欺、横領の犯罪をして得た金を使ったというものでしょう。
古代より博奕は犯罪でした。「博奕打ちの果ては盗人」といわれました。明治以降も賭博は犯罪として取り締まられました。賭博犯罪に対し、資金入手面から犯罪予防の視点や刑事政策もありました。しかし、今この点で検討がほとんどなされていません。
 日本の犯罪白書でもギャンブル資金入手動機や犯罪で得た金(賍物)の賭博への使用データ、統計さえありません。
 強盗、殺人(保険金殺人等)、放火といった重大犯罪も、動機には「ギャンブル資金欲しさ」が多くあります。しかし、その詳しいケース報告さえ把握できていません。
(2)第二に、公営・公認ギャンブルは法令で違法阻却事由とされていますが、ヤミ馬券、ヤミ車券等発売は競馬法や自転車競技法といった特別法で禁止される「呑行為」とされ、公営賭博を「妨害する罪」として、本来の賭博開帳より重く処罰されます。
そして公営競技の運営や宝くじの発売といったギャンブルの主催者やその周辺での犯罪があります。そして、パチンコ店でのワイセツ痴漢、盗撮行為もあります。パチンコ店駐車場に子供を放置した「保護責任者遺棄致死傷」事件もあります。
サイコロ、花札、バカラ、ルーレット、スロット、賭け麻雀や私的カジノの賭博、野球賭博、相撲賭博まで全て違法です。
違法賭博の多くは、日本の暴力団ヤクザが絡んでいますが、またそれ以外でもこの犯罪があり、検挙されています。
(3)第三に、賭博に伴う犯罪には所得税法違反「脱税」があります。
賭けた客が億単位の所得申告をしていなかったとして競馬法違反で検挙された件は、一部無罪となり、現在も最高裁係属中です。このような例はまれです。(日本の公営競技による収入は所得として申告義務もあるのですが、開催者は100万円の配当でも源泉しません。なお、宝くじ、totoの当せん金は非課税です。)
日本のパチスロ業者は脱税業種の第1位、第2位にあり、業者の半数以上が脱税していると言われてきました。また、パチスロ業者の脱税額はケタ違いに大きいものです。
もちろんヤクザらによるヤミギャンブルは開帳者も客も全て「脱税犯」になります。
(4)第四に、カジノでもよく言われる犯罪収益移転防止法違反の「マネーローンダリング」です。
  日本ではよく知られていないですが、アメリカではカジノやマフィアがしていました。今は中国人が中国で賄賂や不法に収得した金を、ジャンケットなど仲介業者が入りラスベガスやマカオ等でカジノに投入し、仮に半分になっても“勝った分”はカジノで勝って得た出処の判る金として「洗浄」できるというものです。これは現行法の規制が弱く今でも取締りは難しいものです。
個人客も、盗んだり横領したりした金を公認ギャンブルに使えば、それが半分になっても“浄化”が一定可能です。
マネーローンダリングを完全になくすには、①ギャンブル関係者、ジャンケット(客の取次、紹介者)を含めた客の身分証明、②賭金の出処の公的証明、③賭金や券チップ、そして換金結果の証明が必要です。外国カジノでは①は一部で行われるも、日本では公営競技でもパチスロでもどこもしていません。この点、日本のギャンブルは全て、金の多少は別としてマネーローンダリングの世界です。
(5)第五に、ギャンブルに伴う汚職・賄賂等の犯罪、公務員の職務違反があります。
 許認可から利権に絡む犯罪は、中央政界・行政~地方政治、そして業者、選手、警察まで摘発されることがあります。それも整理できたデータはないようです。犯罪として立件されないグレーゾーンも実は多いのです。
 パチンコ業者らやギャンブルに絡むゲームメーカー、建設業者らの政界工作資金、政治献金はダーティなものといえます。
 公務員らがギャンブルに夢中になり、手荷物から公的情報を流出させて懲戒されることがありますが、公文書をギャンブル場に持ち込むこと自体犯罪になるものもあります。
(6)第六に、日本のギャンブル世界ならでは生まれる犯罪、パチンコ業者の三店方式等の換金が賭博や風営法違反になったり、他の業者への業務妨害といったものがあります。
 パチンコの釘師や出玉調整は、業者がやっていれば風営法違反だけでなく客への詐欺等の犯罪にもなります。暴力団が絡めば暴対法上の犯罪もあります。もちろん、客が偽造カードや不正に玉を奪っていれば犯罪です。実は、パチンコ店内・周辺は犯罪の多いところです。ギャンブルに勝てる、宝くじを当てられるという詐欺も多く存在しています。
 これらは一定報じられますが、その詳細はギャンブル業界(公営賭博とパチンコ業界)が秘匿されがちな情報を公開し摘発して詳しい統計でも発表しないとデータ入手は難しいのです。
前述のように客の賭博資金が親族や会社の金を盗んだり横領した可能性のあることを、事業主や業者はうすうす知っても入場禁止にすることはしないのです。「賍物」を「投票券」やパチンコ玉に換えさせていることが少なくありません。

このように、ギャンブルには如何に多くの犯罪が伴っているかがわかります。
なお、ギャンブルと犯罪、特にパチンコ店内外での重大な事例は帚木蓬生氏の著作「ギャンブル依存と斗う」(2004年11月発行)、「やめられない」(2010年9月発行 P133~140)、「ギャンブル依存国家・日本」(2014年12月発行 P68~81)にメディア記録が引用して紹介、分析されています。また、サイト「パチムラ」にもパチンコ関係の犯罪、そして家庭崩壊まで一定まとめられていました。また、2013年2014年の国会図書館提供資料を山下芳生参議員事務所がまとめられたものもあります。

2.報道された犯罪事件(パチンコ関係を中心に)
以下、限られた資料ですが、報道された犯罪事件について見てみましょう。警察の統計資料等は発見できませんでしたが、パチンコ関係を中心に報道ニュースを適宜ピックアップしてまとめた「パチムラ」というサイトが以前ありました。これに掲載されていた2001年以降に起きた事件紹介をまとめたものです。
(しかし、これは全体の犯罪からするとほんの一部です。逆にいうと競輪・競馬・競艇・宝くじ・totoについては十分な資料は得られていません。)
(1)パチンコ店での殺人・傷害等事件
 パチンコ店は不特定の見知らぬ客が射倖心から実質賭博をし、勝つ者もいるが負ける者が多く、すさんだ状況になります。そこでケンカや店への不満も生じやすく、トラブルが絶えません。暴力、傷害、脅迫からついには殺人や放火までの重大犯罪が発生しています。以下は、店員が被害者となった事例です。(以下、店とはパチンコ店をいう。地名はいずれも都道府県名です。)
 2001年 店で玉を盗んだ男が追跡の店員を殴る。不正行為を止めさせようとした店員に対して暴力と恐喝 5件(佐賀、神奈川、和歌山、滋賀、千葉)
2002年 店の不正を止めさせようとした店員に傷害1件(岡山)
2003年 店で店員を刺した傷害・暴行事件3件(東京、愛媛、大阪)
2004年 店で店員らに対し、殺人2件(神奈川、新潟)、殺人未遂1件(奈良)、傷害3件(神奈川、大阪、兵庫)、暴行8件(神奈川、千葉、長崎、福岡、埼玉、北海道、静岡)、強盗1件(広島)、脅迫・恐喝2件(埼玉、静岡) 計17件。犯人には警察官や市町職員もいました。
 2005年 強盗(事後強盗も)3件(新潟、北海道、大阪)、傷害2件(東京、神奈川)、暴行3件(山形、栃木)、器物損壊1件(宮城) 計9件
 2006年 殺人未遂1件(埼玉)、傷害1件(東京)、暴行7件(山形、北海道、愛知、福岡、和歌山)、建造物損壊・器物損壊2件(秋田、宮城)、脅迫1件(宮城) 計12件
 2007年 事後強盗1件(福島)、傷害2件(長崎、石川)、暴行4件(長野、北海道、滋賀) 計7件
2008年 事後強盗1件(大阪)、傷害1件(愛媛)、暴行5件(鹿児島、新潟、北海道)計7件
2009年 殺人1件(栃木)、傷害3件(兵庫、滋賀、島根)、暴行2件(滋賀、栃木)計6件
2010年 殺人・放火未遂1件(大阪)、傷害2件(福島、和歌山)、監禁1件(福島)、暴行8件(埼玉、栃木、神奈川、大分、群馬、富山)、ストーカー1件(東京)、脅迫・銃刀法1件(千葉) 計14件
2011年 放火殺人未遂1件(長野)、傷害1件(青森)、暴行3件(佐賀、青森、和歌山) 計5件
2012年 強盗1件(愛知)、傷害2件(岐阜、三重)、暴行1件(兵庫)、強要未遂1件(静岡)計5件。犯人が教員の事例もありました。
このようにパチンコ店員の悲劇は絶えません。暴行は逮捕時の公表分で、実質は傷害になるケースが多いでしょう。暴行や器物損壊事件では被害者は告訴せず、また立件されないことが少なくありません。
犯人を見てみれば警察官や教員、公務員など、本来は倫理観があるはずの者もいます。ギャンブル場では「狂う」のです。負けた腹いせに放火や殺人にまで発展します。
なお、この他にも店とは関係のないところで起こした事件もあるでしょうが、そうしたものは含まれていません。
(2)パチンコと車内放置 
―保護責任者遺棄致死傷事件
パチンコに来た若い親が、車内に乳幼児を置いたままパチンコに熱中し、子どもに致死傷を与える事例は絶えません。犯罪としては「保護責任者遺棄」「同致死」「同傷害」になります。子どもを忘れさせるパチスロ依存と、そもそも駐車場に子どもを置いていることを放置する店側の責任も問われます。
 2001年  1件 熱中致死(広島)
 2002年  1件 乳児死亡(福井)
 2003年  6件 熱中症死6名(静岡、長野、愛媛、鹿児島、宮城、福島)
 2004年  3件 熱中症死3名(佐賀、兵庫、三重)
 2005年  2件 熱中症死2名(岩手、熊本)
 2006年  2件 熱中症死2名(長野、愛知)
 2007年  報道見当たらず
 2008年  1件 熱中症死1名(鹿児島)
 2009年  1件 熱中症死1名(秋田)
 2010年  2件 熱中症死2名(高知、広島)
 2011年  1件 熱中症死1名(石川)
 2012年  1件 熱中症死1名(三重)
 2013年  1件 熱中症死 1名(福岡)
このように13年間で22件22人の死亡例が報じられています。これは全て死亡に至った事例です。2010年7月12日に神奈川県相模原警察署は2005~2009年までに車内放置され死亡する事例が全国で14件あったと公表したことからすると、上記の報道された件数は14件中の6件、半分以下です。また、死亡には至らず救助される事例は、死亡事件の10倍以上はあるでしょう。
  2011年8月から、パチンコ店への児童を伴う入場車輌の規制が警察庁より通達され、警察の巡回や業界の入店規制が始まっています。しかし、それでも2011年以降も毎年事件は発生しています。これは、パチンコ・スロットをする者の依存症度の深さを示しています。パチンコ店以外のギャンブル関係でも、子供を長時間アパートに放置したままギャンブルに行っていたというような同様の事件があるでしょう。
(3)パチンコ店付近・換金所(景品交換所)をめぐる犯罪(強盗、窃盗)
パチンコには現金交換所があり、「換金狙い」「ひったくり」という犯罪が多くあります。これは強盗や窃盗、恐喝等から強盗殺人、致死傷まであります。
2001年 強盗致傷1件(茨城)、強盗2件(愛媛、群馬)、恐喝1件(鹿児島) 計4件
2002年 強盗1件(栃木)、恐喝1件(兵庫 警察署に金を貸してと来た男)
2003年 強盗4件(新潟、東京、群馬、愛知) いずれも店の駐車場で発生
2004年 強盗(未遂含む)5件(山梨、青森、広島、埼玉、岩手)、ひったくり、恐喝暴行と強盗に近いもの3件(北海道、滋賀、兵庫) 計8件
2005年 強盗(未遂含む)15件(香川、長野、愛知、沖縄、静岡、群馬、福岡、東京、埼玉、長野、北海道、岡山)、ひったくり(窃盗)4件(大阪、大分、福岡、愛知)、傷害1件(神奈川) 計20件
2006年 強盗(致死傷、未遂含む)11件(群馬、岐阜、滋賀、東京、愛知、福岡、徳島、兵庫)、ひったくり(窃盗)4件(茨城、岐阜、山梨、宮城)、恐喝1件(東京) 計16件
2007年 強盗(未遂含む)4件(山口、北海道、香川、大阪)、窃盗1件(秋田)計5件
2008年 強盗(未遂含む)5件(三重、長野、千葉、青森、東京)、殺人1件(神奈川)、窃盗1件(愛知) 計7件
2009年 強盗(致傷、未遂含む)10件(東京、宮崎、北海道、沖縄、神奈川、福岡、愛媛、愛知、千葉)、ひったくり6件(埼玉、東京、茨城、神奈川) 計16件
2010年 殺人1件(埼玉)、強盗(致死傷、未遂含む)5件(福岡、愛知、山口、大阪)、ひったくり7件(和歌山、千葉、北海道、愛知、滋賀) 計13件
2011年 強盗(致傷、未遂含む)7件(兵庫、山口、埼玉、岐阜)、ひったくり(窃盗)1件  計8件
2012年 強盗(致傷、未遂含む)3件(大阪府、山口、静岡)、ひったくり(窃盗)5件(宮城、岐阜、千葉、富山) 計8件
 この種の事件は、パチンコ駐車場や路上でパチンコ客が被害に遭うケースです。ひったくり窃盗と強盗は紙一重のものが多く、事後強盗や殺人事件等の重大犯罪になりがちです。パチンコ店やお金を持っている客を狙って強盗や窃盗犯が出没するのです。
 もちろん、パチンコ店以外でもギャンブルで勝つなどして金を持っていると思われる者への強盗・窃盗犯はありますが、これも統計がありません。
(4)パチンコ店駐車 車上荒らし
パチンコ店駐車場周辺の車内から物品が盗まれる事件も多発しています。これらは窃盗事件の一つのタイプですが、盗まれた側や盗まれた物によってはメディアが特に注目し報じられるケースもあります。以下、発生年と「盗まれた物」を紹介します。
 2001年 たばこ1件
 2002年 警察捜査資料1件、バイク1件 計2件
2003年 成績表、個人情報、PC、通知表など教育関係4件、警察1件など8件
2004年 NHK受信者情報、ガス個人情報、警察情報、日本生命、信組、警察手帳、小学校職員名簿など14件
2005年 郵便通帳、高校個人情報、警察、児童相談所、生徒情報など17件
2006年 教員名簿、警察、保健所人事評価書、顧客情報など9件
2007年 成績データ入りPC、生徒情報など18件。(車上狙いで9県386件犯も。)
2008年 テストデータ、名簿、警察手帳、現金400万円など12件
2009年 個人情報、医療費データ、車ナンバーなど11件
2010年 保険料滞納リスト、海保PCなど10件
2011年 学校クラス名簿、患者情報など9件。(車上狙い219件犯も。)
 以上のように、車上狙いは常習犯化しています。犯人は本来金を盗むことが目的ですが、カバンなどに入った公的情報・個人情報等が盗まれています。被害者が車内に大切な保管物を放置し忘却してパチンコギャンブルに興じているという実態も社会に示しています。もちろん、パチンコ店に限らず競輪場など他でも「盗まれてはいけない物」の事例はたくさんあるでしょう。
(5)店内窃盗・強盗
 パチンコ店での窃盗は極めて多いです。客からの窃盗「スリ」や「置き引き」によって金、貸し玉、ICコインなど様々な物の盗みが絶えずあまりにも多く、報じるにもニュースとして新味がないほどです。全国に1万2000店以上あったパチンコ店では窃盗事件など毎日のようにいつでもどこでも起きており、届出自体がほんの一部です。犯人がわかっても初めての未遂などでは民事弁償や始末書、出入り禁止と謝罪で済ませることがほとんどです。したがって、報道されるのは強盗や店にとって再犯の悪質なものと、犯人が特に注目される職業などの場合です。
 2001年 強盗1件、窃盗7件
 2002年 窃盗4件(うち、犯人が中学校長の事件も)
 2003年 窃盗4件
 2004年 強盗致傷1件、窃盗21件(犯人に教員、自衛官、公務員など)
 2005年 窃盗39件(犯人に教員、市職員、新聞記者など)
2006年 窃盗35件(犯人に公務員、消防職員、自衛官など)
 2007年 窃盗88件(犯人に医師、自衛官、公務員など)
 2008年 窃盗45件(犯人に公務員、教員、警察官、自衛官など)
 2009年 窃盗55件(犯人に警察官、公務員など)
 2010年 強盗2件、窃盗88件(犯人に警察官、公務員、自衛官、教員など)
 2011年 強盗1件、窃盗31件(犯人に自衛官、公務員、警察官、教員など)
 2012年 窃盗18件(犯人に自衛官、消防士、公務員など)
 この種の報道は、犯人の職業によって「報道価値」が決まり、近年では単なる店内窃盗そのものの報道数は少なくなっています。
(6)痴漢・盗撮
  パチンコ店は風紀も悪く、痴漢や盗撮も毎年多数摘発されています。うち2011年~2013年の3年で報じられたのは次のものです。これらは強制ワイセツ、迷惑防止条例違反になります。
 2011年 痴漢、強制ワイセツ4件(北海道、愛知、佐賀)、盗撮3件(埼玉、神奈川、奈良) 教員、公務員の犯罪含む。
 2012年 盗撮3件(長崎、千葉、岡山) 教員、公務員
 2013年 ワイセツ(埼玉)、盗撮6件(三重、鹿児島、兵庫、千葉、佐賀、山口)
 これらは被害者がパチンコ店員であったケースに限られ、また犯人が教員や警察官、自衛官、消防士など公務員であったために特に報じられたものです。したがって、犯罪実数は毎年数十倍はあるでしょう。

3.ギャンブルと重大犯罪(殺人、強盗、放火等) 
パチンコ、競馬など「ギャンブル狂い」の上の重大犯罪があります。この場合、まず近親者が被害者となるものが多いのですが、放火のように全く関係のない者も死傷させられ被害者が多数にのぼるケースも見られます。
  以下、2006年以降の特徴的なものを紹介します。
 2006年1月 仙台市 幼稚園PTA元会長 赤ん坊誘拐「パチンコで借金」
7月 大阪府 留年中の国立大学生 パチンコに狂い、金を無心を断った母親をハンマーで撲殺、金を奪ってパチンコ店へ
〃 北九州市 夫に多額の保険をかけた妻が海に車で突っ込み、夫死亡。妻、麻雀やパチンコで借金数百万円
〃  山口県 若夫婦、9歳・6歳の子どもと無理心中 ギャンブルで借金まみれの末
2007年11月 鹿児島県 50代夫婦、次男に撲殺される。父も子もパチンコに嵌る。
2008年10月 大阪市 個室ビデオ店での放火殺人事件 犯人、競馬やパチンコ等と飲酒で破綻。16人死亡、4人負傷(死刑判決)
2009年1月 長野県安曇野市 強盗殺人「パチンコで借金」(無期懲役)
〃  埼玉県川口市 焼肉店経営者殺害「パチンコ代欲しさ」(無期懲役)
 〃  千葉県習志野市 強盗殺人「パチンコで使い果たす」(無期懲役)
〃  千葉県松戸市 住宅火災で幼児焼死 母23歳はパチンコに入浸り。
〃   北九州市  54歳男、パチンコに狂い、母の香典を使ったことを叱責した姉を絞殺。逮捕時もパチンコ中。
2月 大阪市 元妻殺害放火「パチンコで借金」
4月 静岡県浜松市 電器商強盗殺人「パチンコで借金数百万円」
5月 加西市 交際相手殺人 パチスロ代欲しさ
〃  八戸市 父親をハンマーで撲殺 パチンコ代欲しさ(無期懲役)
6月 土浦市 祖父母を殺害 パチンコ代欲しさ(無期懲役)
〃  鹿児島市 老夫婦 殺人 年金を使い込みパチンコ代に
〃  静岡市 金融店主強殺 パチンコ代借金のため(無期懲役)
7月 呉市  強殺同僚 「パチンコ代借金」
〃  大阪市 パチンコ店放火殺人 店の常連客「スロット中毒借金200万円」
9月 名古屋市 老女強殺 犯人元民生委員「パチンコで借金」
〃  和歌山市 強盗殺人 給与も盗んだ金もパチンコ
11月 大阪市 中国留学生 強殺「パチンコと競馬で」(2審死刑)
〃  元厚生次官ら連続殺傷犯人パチプロ
〃  札幌市 姉妹虐殺死の母親「夫は給与渡さずパチンコ中毒」
12月 高知市  女性殺害「パチスロで借金重ね」(懲役20年)
〃  青森市 強盗殺人した女「パチンコ代欲しさ」
〃  山形県 強殺人犯「パチンコ好き、殺害後もパチンコ」
〃  青森県 母親焼殺犯「殺害後もパチンコに行く」
〃  福岡県 強盗殺人の元タクシー運転手「借金650万円パチンコへ」
2010年 1月 札幌市 コンビニ帰り女性強殺「パチンコで金を使い果たし」(無期懲役)
〃  岐阜と大阪の連続強盗殺人「パチスロで借金の上」(死刑確定)
2月 姫路市 母親放置死「パチンコで借金」(懲役4年)
3月 いわき市 2009年強盗殺人「パチンコ中毒」(無期懲役)
4月 三田市 女性殺人 甥が「金を持ち出しパチンコへ」
5月 千葉八街市 放火殺人「パチスロで借金」
6月 杉並区 2007年親子強殺 元日大生「パチンコ代欲しさ」(2審も無期懲役)
〃  名古屋市 2007年強殺事件(無期懲役)
8月 静岡県 妻と交際相手殺害「仕事さぼりパチンコ」
〃  福井大野市 コンビニ店長殺人 逃亡中もパチスロ
〃  松山市 元交際相手とその母親を殺傷男「パチスロで多額借金」
9月 岸和田市 母83歳病院に連れて行かず死亡 息子「母の年金不正受給でパチンコ」
〃  吹田市 強盗殺人男「盗んだ金でパチスロ」
10月 足利市 妻刺殺男「パチンコで多額の借金」(懲役14年)
〃  徳島県 妻殺害男「パチンコ、競艇三昧」
11月 秋田県 弁護士殺人犯「毎日パチンコ店通い」
12月 66歳男、72歳女性をバラバラ殺人「毎日パチンコ 借金1000万円」
以後2011年2012年以降も重大犯罪は続くも省略します。ただ、次の事件は有名です。

2013年12月 コンゴ日本大使館放火 職員、カジノで負けて同僚からの借金に加え、2400万円公金横領し証拠隠滅のため。(2014.12 懲役12年)

4.ギャンブルと横領・背任等事件
(文書偽造、詐欺、職務懈怠)
ギャンブル資金のため、他人や法人の財産管理をしている者が横領してギャンブルに投じる事件は少なくありません。業務上横領は自己が管理している預金等をギャンブルに投ずるもので、会計職員、公務員や法人団体の経理職員がギャンブル依存になれば、公金着服が億単位の被害もあります。(2011年以降の特徴ある大型事件は日時も)
 2006年 大手銀行行員が競馬などのために13億円を横領
   岡山県校長 校長室の電話で競艇情報を入手32回
 2009年  別府市59歳職員 住民票手数料など横領してパチンコに
  大分県信用金庫20歳代男性職員 預り金を横領してパチンコに
  農協30歳職員 客の預り金を横領してパチンコに (懲役3年)
 2011年 11月22日東京地検、大王製紙元会長を特別背任(55億円)で逮捕
シンガポールやゴールドコースト、マカオなどのカジノでの106億8000万円のギャンブル資金の一部。(2013年6月、懲役4年実刑)
2013年 福岡県中間市職員 パチンコで借金つくり、生活保護費詐取
10月24日 大阪医療法人職員 1.6億円を着服 競馬に費消
11月6日 財閥娘と騙り11人から1.3億円を詐取し、パチンコ代に使ったと供述
 11月8日 会社専務 架空発注で8900万円着服 競艇に費消
11月28日  会社社長 パソコン架空受注で3億円業務上横領 競馬等に費消
2014年2月5日 ATM管理社員 データ不正取得2400万円をパチンコ等に費消
3月6日  公益法人事務局長 5300万円着服 競馬等に費消
3月27日  郵便局員 1億円横領 競艇等に費消
5月9日  老人ホーム園長 入居者預金1800万円横領し、パチンコ等に費消
6月4日  ひったくり722件4490万円 パチンコ等に費消
6月7日  国税調査官 便宜を図り賄賂 パチンコ等に費消
6月19日  旅行会社社員 架空受注 2億円詐取 競馬等に
7月8日  地方公務員 生活保護費返還金詐取 ギャンブルの借金に
7月19日  ベネッセ顧客情報漏洩 ギャンブル借金苦のため
8月27日  顧客から420万円騙し取り、パチンコの借金返済に
9月20日 運送会社職員 9650万円着服 競馬に費消
10月6日 財団法人幹部 1億円以上着服 大半を競馬に
 ギャンブルは他人の金も自分の金のように使わせる「魔力」がありギャンブルに依存させるのです。


5.違法賭博
「無認可のスロット」(闇スロット、裏スロット)や「バカラ賭博」は多く、客も「賭博罪」で逮捕立件されます。賭博開帳の組織(ヤクザ、暴力団を含む)があり、客を誘い広めています。
  また、インターネットを使ってパソコン(ケイタイ)で行う賭博を「ネット賭博(オンライン賭博)」といいます。仮に国内のパソコンから海外の合法カジノに繋ぐことは国外犯として問題ないと解しても、換金行為に及ぶと違法になると解説されています。したがって、ネットカフェであろうとも勝って換金すれば犯罪が成立します。
2013年1年だけに絞ってみても報道されて知られた事件は次のとおりです。
①闇スロット
 2013年1月18日 福岡県警 金箔カードのスロット店 常習賭博で検挙
 2月19日 大阪府警 中央区の金箔カードのスロット店 常習賭博で検挙
 2月21日 兵庫県警 尼崎のスロット店 常習賭博で検挙
 2月27日 警視庁 新宿区のパチスロ店 常習賭博で検挙
 4月23日 兵庫県警 神戸のスロット店 常習賭博で検挙
 6月9日 警視庁 上野のパチスロ店 常習賭博で検挙
 8月26日 和歌山県警 和歌山市のスロット店 常習賭博で検挙
 9月28日 兵庫県警 尼崎市のスロット店 常習賭博で検挙
10月1日 警視庁 西池袋のパチスロ店 常習賭博で検挙
②バカラ賭博(常習賭博)
 3月26日 横浜市中区 カジノ摘発 半年で15億円
 5月13日 京都市祇園 バカラ賭博 15人逮捕 2008年から
 6月10日 横浜市 県内最大カジノ 従業員21人、客36人 2006年から
6月12日 大阪ミナミ バカラ賭博 20人逮捕 1100万円押収
③ネット賭博(常習賭博)
 5月9日  東京都立川市 ネットカフェ検挙
5月22日 東京都渋谷区 バカラカジノ店
 7月27日 大阪市北区 カジノ店
 7月30日 堺市 ネット賭博 暴力団
 9月17日 名古屋市 県内60店 暴力団
 9月18日 名古屋市 ネットバカラ
 10月14日  新宿区 ネットカジノ
 10月16日  福井市 ネットカジノ
 11月4日  上野 ネットカジノ 
  もちろん2014年もバカラ賭博の検挙事案は絶えません。犯罪集団は、手入れに備えて店にはカメラその他を設置し、これらの賭博開帳一会場で何億何千万もの金を稼いでいるのです。
違法賭博について日本の取締りはまだ弱く、検挙も少ないのです。
ちなみに韓国では4800店のインターネットカフェが摘発され、韓国政府の推計では7つの合法賭博の売上は2012年20兆ウォン(約1兆8600億円)であるのに対し、違法賭博はその4倍の75兆ウォン(約6兆9600億円)といいます。この巨大化の原因は、PC・スマホによるオンラインカジノにあります。オンラインカジノへの依存(中毒)性は強く、韓国では賭博中毒者(依存症)は7.2%と、英国1.9%、カナダ3.3%に比べてはるかに高いのです。
  こうした違法賭博は勝っても負けても自己申告しないので、脱税かつマネーローンダリングとなります。

6.ギャンブルと詐欺犯罪
これはギャンブルがなければ生まれない犯罪です。
①打ち子詐欺
  パチンコを打てば金が稼げる等と誘い、欺いて保証金をとるものです。2013年の報道例は次のとおりです(パチムラより)。
2013年2月9日 山口県岩国市、パチンコ打ち子のアルバイトとして誘われた20代女性が、サーバーからケイタイに大当たりするメールを送るからと保証金100万円を要求され、約1ヶ月の間に計1000万円を騙し取られる。
5月16日 栃木県さくら市、女子大生が打ち子アルバイトの保証金・研修費用として合計301万円を詐取される。
6月17日 65歳男性の元に、抽選で現金が当たるとのダイレクトメールが3月から連続して届き、その上パチンコで稼げると5回にわたって合計405万円を振り込んで詐取される。    
6月21日 栃木県矢板市、20歳男性がパチスロサイトの登録情報提供とパチンコで稼げるとして62万5000円詐取される。
6月25日 栃木県塩原市、49歳男性がパチンコ大当たりの打ち子になるための保証金などとして15万円を詐取される。
 8月22日 栃木県小山市、53歳女性がパチンコの出る台のセールスなどとして143万3000円を詐取される。
②攻略法詐欺
有りもしないパチンコの必勝法、競馬、競輪、ロト、totoの攻略法を教えるからと金を詐取するもの。ギャンブル詐欺の一つで古典的なものですが、インターネット利用などで爆発的に被害が増大しています。これも2013年の報道例より。
2月14日 栃木県宇都宮市、パチンコ必勝法を教えるとして、21歳男性が保証金など327万円を詐取される。
6月7日 北海道恵庭市、パチンコ必勝法を教えるとして、27歳女性が12回にわたり合計340万円を詐取される。
7月8日 福岡県、パチンコ必勝法など詐欺が1~6月に96件、被害額4億7590万円と公表。
8月1日 長野県駒ヶ根市、40歳女性がパチンコ攻略法等々に1年間で合計1180万円を詐取される。
9月10日 長野県上伊那郡、70歳男性がパチンコ攻略法で10回にわたり計860万円を詐取される。
 以上はパチンコ攻略法詐欺に限ったものですが、競馬、競輪、競艇、オートレースから宝くじのロト、totoなど攻略法詐欺は数多くあります。しかし、被害申告は必ずしもなされていません。

7.ギャンブルは犯罪を生み、家庭を崩壊させる
 ギャンブルによる破綻の絶えない下、弊害は依存者本人による犯罪や自殺にとどまらず、被害と影響は家族にも及び家庭そのものが崩壊する例も多くあります。前記3での重大犯罪は家庭崩壊を生んでいますが、パチムラは2001~2012年の事例を多数掲載していました。これを全て紹介すると多すぎるので、2003年以降2012年まで紹介件数を例示します。
2003年 小児の殺人、保険金殺人、熱湯で虐殺死、パチンコを咎めた母を刺殺、
中3息子に盗みをさせる親など 8件
2004年 母放置しパチンコ 致死、夫が妻を殴り殺す事件、幼児殺人2件、父親殺しなど 7件
2005年 幼児餓死、窒息死、虐待、母親暴行死、ひったくりを中1に命じる親など6件
 2006年 子を放置しベガスへ、借金苦で子を殺し心中図る、パチスロ咎めた母撲殺、小5虐待など 5件
 2007年 借金なじられ母殺人、遺体放置パチンコ、祖母に暴力で金をとる、母親中2らにひったくり指示、3歳児使って万引き、両親殺人など 10件
 2008年 無理心中、義母撲殺、4歳児放置致死、3歳に暴力母、中学生に売春強要母など 9件
 2009年 遺体放置しパチンコ、義理関係の子と妹を殺人未遂、パチンコ借金で娘に売春強要母、父殺人放火、祖母殺人、母殺人遺棄など 18件
 2010年 母を死体遺棄、老母に食事与えず殺人、両親の骨壺をパチンコ店に、母が子殺人など 14件
 2011年 乳児暴行死、4歳児虐待、殺人など 5件
2012年 児童虐待、殺人、死体遺棄など4件
これ以外にも2013年の報道例は次のとおりあります。
2013年2月21日 大阪市住吉区、母親(33歳)が長女(7歳・小1)を浴場で殴るなどして傷害で逮捕。母親はパチンコにのめり込んでいた。
4月18日 神奈川県小田原市、父を殺害し金を奪ったとし強盗殺人で息子(37歳)を逮捕。金の無心に来てトラブルとなり殺人に及ぶ。パチンコ店から出てきた息子を検挙した。
5月14日 福岡県北九州市、パチンコ店前で男性死亡、男性の長男19歳を逮捕
  ギャンブルは、家庭の経済だけでなく生活の破壊をもたらしています。これらは虐待、暴行、傷害、保護責任者遺棄、殺人、放火、死体遺棄という犯罪です。

8.外国で報ぜられるギャンブル依存と犯罪
  ギャンブル依存と犯罪について、箒木蓬生氏が外国の調査事例5点を紹介しています。
① 米国  病的ギャンブリングの入院治療者の40% 刑事犯前歴あり  一般受刑者の25%~30%に病的ギャンブリング
② 米国  GA(ギャンブラーズ・アノニマス)の会員の21%、退役軍人病院依存症治療者46%に逮捕歴がある。
③ 米国  保険金詐欺 GAの241名、虚偽の申告による保険金詐欺47% ギャンブル負債のために生命保険金殺人もあった。
 米国保険業推計 不正請求年間40億ドル その3分の1ギャンブル依存者
④ 英国  不法行為の質を一般人とGA会員で比較すると、GAは暴力を用いず着服、詐欺、文書偽造が多く、一般は万引き、盗品の横流しが多い傾向。
⑤ オーストラリア  治療を求めた77名、GAの32人を対象としたところ、半数に不法行為、そのうち20%逮捕歴あり。(着服と家宅侵入、窃盗)
  これらの犯罪統計は、刑事政策や更正対策を検討する上の前提資料ですが日本にはありません。

9.ギャンブルにまつわる犯罪防止と社会弊害回復のための対応
  今日の日本には賭博犯罪を防止するための刑事施策が十分ありません。むしろ、人の射幸心を煽る公営賭博を国や地方自治体が運営し、勧奨しているのです。勤労により富を得るという教育理念への背反行為をしているのです。
  ギャンブルが犯罪を誘発していること、賭博依存を正しく把握すべきです。その上で①人の賭博の機会を抑制し、限度を設ける、②仮に公認賭博を認めるとしても、賭博に伴う犯罪を防止するため、賭金を正しく勤労所得の一定範囲と限定する、③賭博依存発生を予防し、依存者を治療する、④詐欺性、高い収奪性賭博(控除率20%以上)の禁止、⑤賭博の収益は全て病気や社会的損失・弊害の除去に投入する、⑥犯罪を防止するため家庭から学校、社会まで教育することが必要です。
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報告:講演「日本のギャンブル問題と今後」 弁護士井上善雄

 1月30日(金)、雪の札幌で行われた「メディアのための自殺関連問題学習会」(北海道立精神保健福祉センター主催)に井上が講師として招かれ、田辺等Drのギャンブルによる自殺問題の報告の後、社会問題の視点から講演を行いました。会は、メディア関係者ら20名が参加し、質疑応答も活発に行われました。その際に配布した井上のレジュメをご紹介します。
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カンパのお願い

当会は財政上は専らカンパで成り立っています。
会費・カンパを下記口座までお願いします。

りそな銀行 北浜支店 普通0115719
口座名義:ギャンブル被害をなくす会
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2015年01月01日

事務局だより

○カジノアンケートと2015年のIR法
 2014年衆院解散でIR法案は廃案となりましたが、IR議連は次期通常国会で法案を再提出するといいます。ところで毎日紙は、衆議院候補に対しIR法についてアンケートを行い、12月6日(土)に結果が掲載されました。それによると、自民候補はカジノ賛成66%/反対15%、民主党賛成19%/反対65%、維新賛成82%/反対5%、公明賛成9%/反対61%、次世代賛成71%/反対13%、共産と社民は反対100%というように政党により極端な結果が出ました。
 要するに、カジノ賛成の維新・次世代・自民、反対の共産・社民・公明・民主という図式になります。トータルでは賛成35%/反対53%で、男性候補は賛成37%/反対51%、女性候補は賛成23%/反対68%でした。この結果は概ね予想されたところです。
 ところが、今回の選挙の投票結果をみると、小選挙区制のためにカジノ賛成派が多数を占めました。民主党や公明党の6割以上が反対というのは、カジノ阻止活動にとって有望な材料ということになるでしょう。
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平成26年(ワ)第6683号宝くじ販売差止等請求事件 準備書面(2)(H26.12.1提出)

第1.宝くじの庶民に対する収奪性
 宝くじは、競馬、競輪、競艇、オートレースのいわゆる4Kと共に庶民の金を収奪してきた。これらのギャンブルの4Kでは購入額(売上)の約25%、被告らの発売する宝くじでは50%以上を控除している。
被告らは、この収入で特定の公共的事業をし市民に還元するというが、ギャンブル収入とは結局市民から予め搾り取ったものである。
 収奪される者は、宝くじでいえば「高額当せん」という夢に踊らされた「貧しい人々」である。そして貧しい人々にこれらの収益金が生活給付金として出されることはない。
 一方、「宝くじ」で儲ける私利業者がいて、この収益事業に協力する。
 宝くじの企画広告、券や案内広告の印刷、宝くじの販売にわたる営利業者である。被告みずほ銀行と再委受託業者ら営利企業、そして宝くじ関係団体の「天下り」とそこで収入を得る者は、「宝くじ」で利を喰う者になる。
 「客」とおだてられようが庶民の客は全て博奕の“カモ”である。

第2.宝くじの射倖心を煽る販売拡大の反消費者性
1.宝くじは富くじであり、ギャンブルである。そして、庶民の射倖心の弱みや病癖者の心理を突いて莫大な当せん金への夢をかき立てる。
 健全なる娯楽のくじの領域にとどめるなら、一等3億円といった射倖性を高めた当せん金額で顧客を煽るべきでない。1枚100円の宝くじで最高10~100万円程度にすれば、それでも十分庶民は「夢を買える」。また現在のように連番ないしバラでの10枚単位3000円以上の購入を当然とし、一度に数万円分どころか数十万円分を売り買わせることを禁じればよい。
 夢は1枚100円の券で十分買える。当せん金も100万円以下で十二分であって、射倖性を低めるべきである。また、宝くじを日常化すべきではない。
 現在、ナンバーズは毎週月曜~金曜の5回、ロト6は毎週月曜と木曜の2回、ミニロト・ロト7は毎週火曜と連日抽籤を行っており、宝くじ売場で毎日発売している。他にもその場で当せんの分かるスクラッチくじも毎日購入でき、連日宝くじをやらせている。全国で万単位に及ぶ売場を「常置のバクチ場」にすることはない。

2.原告は訴状でその販売宣伝も不法不当と主張したが、提訴後も自らの売場をほとんど嘘の「高額当選が出る売場」と射倖性を煽る広告や看板を出しはしても、真実の「当たりくじよりカラくじが多く出る売場」との表示はしない。

第3.宝くじをめぐる不法不当な宣伝・広告
1.はじめに―不当宣伝の歴史
 1949年7月13日、宝くじの販売受託者が日本勧業銀行の時代に、被告らは日比谷公園で「宝くじ供養祭」という風変わりな宣伝行事をした。「怨恨院夢想消散居士(えんこんいんむそうしょうさんこじ)」に「ゆめよもういちど」と振り仮名を付け、「落くじ」の墓石や、宝くじ印刷会社の「無情院当籤暁夢居士」や関係企業の「呆然院不当籤易断居士」、「捐失院徳取利益居士」「隣番院錯覚残念居士」「徹心院全産棒振居士」といった卒塔婆を立て、「からくじ」の幽霊亡者が「うらめしや」と演じ、これに「引導」を渡す僧正役の落語家まで出てくる。カラくじを持ってくれば「空くじなし」の再抽籤を行うとのフレ込みで人を集めたとある。
 卒塔婆をみれば、宝くじが実はカラくじだらけで「呆然院不当籤」「当籤暁夢」であること、宝くじが「捐失院」で、「隣番」当籤など「錯覚」で、宝くじに徹すれば「全財産」を棒に振るという客観的真実を皮肉にも吐露している。
 すなわち、被告らは、勧銀時代から一攫千金を夢見る庶民の射倖心をかきたてて売上を上げることに専心し、カラくじだらけの非難にもカラくじでさえ人を呼ぶ「宝くじ供養祭」といった茶番企画で対応してきた。
日比谷公園で突如30万円宝くじを売り歩くなど許可される行為でもないが、その商魂ぶりも紹介されている。
 このような低次元で人を馬鹿にした宝くじの企画は今に始まったことでなく、1949年当時からの体質と言える。そして今、9月2日を「くじの日」としてわずかの商品の再抽籤企画を続けており、市民に常に宝くじをわすれさせない宣伝方法をとっている。
 その水準からすれば、被告らが平成26年に行った「お嬢様」と「車夫」の差別劇CMは、「面白ければよい」「人目を引ければよい」という昔からの低劣な広告水準のものといえる。

2.被告らの日本宝くじ協会を使った不当広告
(1)被告らは、自らが全面的に金を出す一般財団法人日本宝くじ協会(以下、宝くじ協会という)をも使った不当宣伝を続けている。
 日本宝くじ協会は、昭和39(1964)年4月1日に、自治宝くじの健全な伸展を図るための調査研究や、社会的に意義のある事業に宝くじが寄与することによってその普及・宣伝を行い、地方自治の振興及び公益の増進に資すると共に、発売受託銀行及び国際富くじ組織との連絡調整をすることを目的に、東京都ら宝くじ発行団体が設立した。
 証票法13条の2の住民の理解を深めるためといいつつ、宝くじの普及宣伝事業として販売促進活動を行い、①週刊誌:20誌に月1回1頁の広告、②新聞:全国5紙、地方52紙に年2回の広告、さらに③テレビ、ラジオ、ポスター等による広告、④高額当せん者エピソード集発行などを行っているという。
 普及宣伝受託収入は、昭和60年の65億3890万円余から平成15年には193億円超に至り、そして平成21年度でも174億円という。
 その広告宣伝は、根も葉もない偶然を必然的な因果にみせたり、非科学的なものを科学的に粉飾する宣伝である。
 宝くじ協会は人気の週刊誌(週刊朝日等)を使って宝くじ購入をするように宣伝する。以下、週刊朝日に掲載された広告を例にその内容を紹介する。
①1996年1月5,12日号の漫画家鈴木義司氏を起用した宝くじ高額当せんエピソード「ハッピーさん」の「縁起モノ・全員集合でズバリ当せん。」という広告がある。
 「カエル・ヘビ・七福神 招き猫!これが効いたのねッ」といった広告は、今もみずほ銀行下の委託販売において継続している「大安吉日」「一粒万倍日」宣伝と同類である。本来何の因果関係もないことに因果をこじつけ、ゲン担ぎをさせて買わせようというこれら宣伝は不当宣伝である。
②1996年3月8日号の「当たりどきは愛車でわかる!?」と題する広告がある。
 車の走行距離が88,888kmとぞろ目になったときに大量100枚購入したら200万円をズバリ当てたとし、「はやく9並びになれ!」「たのしみだね」と言わせている。これは何の根拠もないことを、さも意味があるように述べて大量購入を呼びかけるものである。
③1996年9月6日号の「幸運の女神のご利益で3,500万円。」と題する広告がある。
 ドリームジャンボ宝くじの予約券を配布する「幸運の女神」からもらって大量100枚購入し、半年後に幸運の女神に再会する夢をみたところ、当たっていたというM.T氏の話である。幸運の女神は被告らの雇う宣伝ガールだが、仮に予約券を貰おうと当せんには何の根拠もない。
 このような人の無知や弱みにつけ込む広告は「故意犯」である。実は、イギリスのマンティング教授は、このような無意味なメッセージを信じさせられる人は教育を十分に受ける機会に恵まれなかった人で、所得レベルが低い人に多いと指摘している。そして、このような広告宣伝の犠牲者は社会的弱者である。
 宝くじの収益は、全て公共公益のために使われるというが、このような宝くじの犠牲者の救済には使われない。むしろ、被害を生み拡大するこのような不当・不法な広告による宣伝費に使うのである。この点でも被告らは反社会的、反公益的である。
④1996年4月5日号の「あきらめないで“1億3,000万円”。」(当時のジャンボ宝くじ一等前後賞合計のこと)と題する広告がある。
 毎回100枚~200枚購入しているS.S氏が、家族からのたしなめにも止めずにサマージャンボ70枚を買ったところ1億3,000万円を当てたとし、「人間あきらめが肝心」とある掛け軸を指して、「こんなのうそ!あきらめないでがんばったから一億三千万円当てたんだ!」という広告である。
 これは、いわば「宝くじ依存症」のレベルの人に「あきらめないでかんばる」ことを勧奨宣伝しているもので、これが仮にS.S氏の真実のケースだとしても、ギャンブル依存症の人に対し、このようなことが生じる可能性が高いとしてさらに宝くじを買い続けるよう誘う広告は、残酷且つ犯罪的である。
 被告らはこれら広告も、宝くじ依存症を肯定しているのではない、事実を広告しているだけと「うそぶく」のかも知れない。しかし、このようなレアケースをさもよくあることのように広告することは詐欺・不当表示である。100枚ずつ買い続けても1億円当たる人は1万人に1人あるかどうかのケースを、そのほとんどを無視して病的なギャンブラーを肯定的に宣伝する広告は「犯罪」である。
 これは、被告らが今も「億円くじが出た売場だから、その旨広告しているだけ」と単なる事実だと強弁し、実はその分カラくじが億円当選くじの何百万倍も出ていることを隠して売っていることについては何の問題もないと開き直っていることと同じである。
⑤1996年8月2日号の「ツキへ5・5(ゴー ゴー)の残り福。」と題する広告がある。
 宝くじファンの父の影響で毎回10枚ずつ購入しているOL、K.Oさんが、連番とバラを5枚ずつ買った列の前の人の残りを同じように買ったところ、父には変わった買い方だと笑われていたが、1等・前後賞あわせて1億3000万円が当たったと喜ぶものである。結局、連番買いしているから偶然1億3000万円が当たったのに、バラ買い5枚もしているから「5・5の残り福」というエピソードとするが、これに根拠は全くない。
 要するに、宝くじはツキの残り福があるから残さず買おうと客に呼びかける錯覚利用の不当宣伝広告である。
⑥1996年12月6日号の「パソコンと神に頼んで“1億円”。」と題する広告がある。
 好きな番号の宝くじ券を1年間買い続けるシステム(ナンバーサービス)を宣伝し、K.W氏の例として、「パソコンに過去の当せん番号を入力し、割り出したいくつかのモデルナンバーを、一枚ずつ紙に書いて神木で作ったマスに入れて神棚へ。『ナンバーサービス』申込時に、神棚から取り出したマスのモデルナンバーで挑戦したところ、グリーンジャンボ1等・前後賞合わせて1億円に的中でした。ユニークな作戦が効きましたね。」とある。根拠のない神頼みの迷信とパソコンという一見科学的予測手法を肯定的に示して、継続的な宝くじナンバーサービスによる購入を賞賛し勧めている。
 これらは、悪徳業者がロトやナンバーくじで大当たりを予測可能として詐欺本を売る商法を放置している感覚と同一である。

(2)この「ハッピーさん」広告を描いた漫画家の鈴木氏は、この他に電力会社から頼まれて原発推進のマンガを担当などしていたが、2004年7月17日に75才で若死にしたために「ハッピーさん」は115回の連載で終了した。
 2004年10月8日号まで115回継続された広告は、実は何の根拠もないことを意味があるかのように、宝くじを買うと高額当選が得られるという話を載せ続けたのだった。
①2004年7月9日号の「グリーン4等、ドリーム3等、サマー2等の快挙。」と題する広告がある。
 10年以上の宝くじファンが、いつものように50枚購入して当せんしたとしているが、これも実はその一方でほとんど当たらない可能性が圧倒しているのにレアなケースがあると宣伝するもので、科学的根拠はない。そして大量買いの宝くじ依存を勧奨している。
②2004年8月6日号の「夫婦で夢にまでみた(・・・・・・)ミニロト1等。」と題する広告がある。
 ミニロトを買い続けた夫婦がある晩、妻は宝くじに当たった夢を見、夫は妻から宝くじに当たったと言われる夢を見て、次の抽籤で1等に当たったというエピソードである。夫婦揃って長年宝くじ当せんの夢を追い、二人の夢がたまたま当たったというにすぎないのに、夢を追い続けることを勧奨するものである。
③2004年9月3日号の「ハッピー記念に『宝くじの日記念』購入。」と題する広告がある。
 長男の結婚、次男の再就職とうれしいことが続き、「2度あることは3度」と宝くじ日記念くじを購入したら当たって運命的だというもの。これも偶然に過ぎず、何か良いことがあれば宝くじを買えという宣伝である、
④2004年10月8日号の「金色のお米と保管して1,000万円。」と題する広告がある。
 宝くじキャリア10年の主婦が20枚購入し、金色の米1粒とともにくじを保管したところ当せんしたという、これも根拠のないものである。何か当せん根拠を後付けし、宝くじ購入を継続させようとするものである。

(3)その後、日本宝くじ協会は、若手漫画家のやくみつる氏に替えて同様の広告を続けた。そのマンガシリーズは「おめで当せん劇場」と名を変えたが、内容やレベルは相変わらずで、宝くじの縁起担ぎ、集団購入、大量購入、継続購入を勧奨するものである。2004年12月から今日まで120回に及び連載が続いている。この逐一を紹介するまでもないが、一部2010年のものを紹介する。
①2010年1月1,8日合併号の「元旦にツキを確信、毎日購入の勝利。」と題する広告がある。
 1月1日新年会のポーカーゲームでの1のファイブカードを機に、週1回のナンバーズ購入を毎日購入に変えて、1ヶ月半後当せんしたというものである。偶然の出来事を使って、毎日宝くじを購入する病癖にしようと宣伝している。
②2010年2月5日号の「慈しむ心が招いた1,000万円の幸運。」と題する広告がある。
 猫を飼い始めて宝くじを20枚買ったら当たったというものである。宝くじ売場でよく使われている根拠のない「招き猫」のストーリーである。
③2010年3月5日号の「元気づけ資金に、1億5,000万円。」と題する広告である。
 夫の死後、就職面接を受けて不採用だったが、たまたま同じ日に買ったジャンボ宝くじ20枚で1.5億円が当たっており、これを亡夫からの「元気づけ」とするものである。全くの偶然で可能性の低い宝くじの授かりが就職採用による自立よりも幸福だと宣伝するものである。
④2010年4月9日号の「幸福パワーが引き寄せたロト6の1等。」と題する広告である。
 姪の結婚式の数字の組合せでロト6を買ったところ1等を当てたというものである。幸運のお裾分けをもらったという根拠のない当せんストーリーを意味があるように宣伝するものである。
⑤2010年5月7,14日合併号の「夢効果?ビジネスも金運も大発展。」と題する広告がある。
 商談に向かう途中で売場を見かけて衝動につかれ宝くじを購入した会社員が、宝くじも当選し商談もうまくまとまったというストーリーで、根拠のない衝動買いをさも当せんに意味があるように宣伝するものである。
⑥2010年6月4日号の「『おめでた』パワーでミリオン、ゲット。」と題する広告がある。
 妊婦は宝くじに当たりやすいと聞いた妊婦が結婚記念日に50枚購入したところ、100万円を当てたというストーリーで、根拠のないものに意味があるように思わせて買わせる宣伝である。
⑦2010年7月9日号の「売場めぐりで億万長者に。」と題する広告がある。
 過去にも500万円を当てたことがある主婦は、高額当せん発生と掲げる宝くじ売場をあちこち巡ることを楽しみとし、また1億円を当てるという強運を呼び込んだというものである。当せん根拠のない「宝くじ買い依存症」を肯定し勧めるものである。
⑧2010年8月6日号の「キジのつがいを見てミニロト1等&結婚!」と題する広告がある。
 宝くじファンがキジのつがいに遭遇し縁起がいいとミニロトを買ったら1等を当て、結婚までするという根拠のないストーリーで宣伝する。
⑨2010年9月10日号「三度目の当せんは1,500万円のハッピー。」と題する広告がある。
 熱心な宝くじファンの老女が、一日のうちにスクラッチ、ナンバーズ、100円宝くじの3つも当たったという偶然のストーリーを意味があるように宣伝するものである。
⑩2010年10月8日号の「オーロラにツキを感じて1億5,000万円。」と題する広告がある。
 北欧でオーロラを堪能した直後オータムジャンボを買って当たったというものである。
 これら①~⑩の当せん物語は、何の科学的根拠もないものを事後的に宝くじを買うのに良い動機だった等とかこつけたものである。また、宝くじ依存症とでもいうべきリピーターを肯定し、宝くじを買い続けることを奨励しているものである。

3.被告らによる不当広告の継続
 日本宝くじ協会による「おめで当せん劇場」シリーズの宣伝は、週刊朝日であれば2014年2月7日号より発売元の全国都道府県及び全指定都市によるものとなっている。
 政府の行政刷新会議「事業仕分け」で協会の事業を廃止する方向がいわれ、協会天下りへの高額給与から無駄な宣伝・広報事業が解決されるまで宝くじの販売を認めるべきでないとされた。しかし、協会に代えて発売元名での広告がなされたのだった。
 因みに2013年2月8日以来の被告らの広告をみると次のとおりである。
①2013年2月8日号の「『ペットも家族!』の絆でロト6・大当たり。」と題する広告がある。
 ロト6購入10年以上の熱烈なファンが、家族とペットの誕生日も含めた数字で買ったら2等を当てたという科学的根拠のないものである。
②2013年3月1日号の「大金をつかむ前に、かゆくなるんです?」と題する広告がある。
 10年以上の宝くじ購入者が当せん調べの朝、手が痒くなるという科学的根拠のないものである。
③2013年4月5日号の「『記入済み申込カード持参』で幸運ゲット。」と題する広告がある。
 大の数字選択式宝くじファンが、以前納得して選び記入した申込カードを捨てずにまた持参してロト6をさっと購入し、2等に大当たりしたという科学的根拠のないものである。
④2013年4月12日号の「ロト6・1等の前兆は『ヘビにダイヤ』。」と題する広告がある。
 ダイヤモンドにとぐろを巻くヘビの夢を見た人が縁起がよいと5通りのロト6を買い続け1等を当てたという科学的根拠のないものである。
⑤2013年5月31日号の「4番違いからズバリ!億万長者に。」と題する広告がある。
 10年以上のジャンボ宝くじファンが、数年前に4番違いだった経験を前向きにとらえて挑戦を続け100枚以上の大量購入で2等を当てたというものである。まさに宝くじ依存症の勧奨である。
⑥2013年6月21日号の「愛犬はかぎつけた?ロト6の幸運。」と題する広告がある。
 10年以上毎回ロト6を買っていた者が、愛犬がそばを離れなくなり、ロト6の2等を当てた。愛犬は幸運への嗅覚がするどいという科学的根拠のないものである。
⑦2013年7月26日号の「金賞→500万円のアツい興奮!」と題する広告がある。
 宝くじを始めた会社員が、商店街のガラガラで金賞を当て、良いことがあったので絶対に宝くじを買わなくては!と売場に走り、ジャンボ10枚を買って3等500万円当たったという科学的根拠のないものである。
⑧2013年8月16,23日合併号の「娘たちと買って、ロト6・1等大当たり。」と題する広告がある。
 ロト購入を趣味とする老人が娘4人とわいわいと5通りの数字を選んで購入したところ当たったもので「父娘のパワー」と集団購入を煽っているものである。
⑨2013年9月13日号の「25才、たちまち1,000万円の快挙。」と題する広告がある。
 いろいろな宝くじをコンスタントに購入している人が、金縁メガネの男性とすれ違ったことに「リッチなものを感じ」、虫の知らせを胸にスクラッチを削ってみたら当たったという何の根拠もないものである。
⑩2013年10月4日号の「5人の夢、結実のオータム。」と題する広告がある。
 5人グループでお金を出し合いジャンボを買い続けて10年のとき、オータムジャンボで100万円当せんして大喜びし、今後も買い続けるという宝くじ依存を勧めているものである。
⑪2013年12月6日号の「結婚資金、宝くじで5,000万円。」と題する広告がある。
 結婚を控える人がものは試しと年末ジャンボを購入し、2匹のヘビの初夢をみて、調べてみると1等5,000万円が当たっていたという科学的根拠のないものである。
⑫2013年12月20日号の「念には念の、当せん番号調べ。」と題する広告がある。
 10年以上のジャンボ宝くじファンが、末等の当せん金を引き換えがてら売場でくじを調べて貰うと、ジャンボ30年感謝賞が当たっていたというもの。
⑬2014年2月7日号の「出産予定日にロト6・2等の喜び。」と題する広告がある。
 妊婦は宝くじに当たりやすいとの経験談を聞いた妊婦が、毎週ロト6を買うことを決めて買い続けたところ、2等425万円を当てたというものである。「赤ちゃんが幸福運んでくれた」など、何の科学的根拠もない。
⑭2014年2月28日号の「『買わなくちゃ』の夢で1億5,000万円。」と題する広告がある。
 夢で「とにかく宝くじを買いましょう」と指示され、グリーンジャンボ1等に大当たりというもの。これも宝くじ依存初期の夢の話である。これを利用して5億円グリーンジャンボの広告もしている。
⑮2014年4月4日号の「ゾロ目の次はスクラッチ1等の幸運!」と題する広告がある。
 宝くじを毎週買っている者が、ナンバーがゾロ目の車を何度も見かけた日にスクラッチを削ると1等2000万円に当たったというものである。何の科学的根拠もないのに縁起担ぎ購入を勧めている。
⑯2014年4月11日号の「ピンときてラッキーセブン連鎖。」と題する広告がある。
 買い物の合計金額が777円だったことにピンときて、ラッキーセブンスクラッチを10枚購入し、777万円が当たったというもの。これも数字の縁起担ぎで宝くじを買わせようというものである。
⑰2014年5月30日号の「連番の勝利!“1億1,000万円”。」と題する広告がある。
 10年以上ジャンボ宝くじを買い続けるベテランが、連番10枚を買って1等と前後賞を当てたというもの。これが連番購入の醍醐味というのである。
⑱2014年6月20日号の「夢ほっこり、ロト7で8億円。」と題する広告がある。
 10年以上毎週数字選択式宝くじを買う人が、ロト7も特にキャリーオーバーの際は逃さず買っていたところ、「クイックピック」でロト7史上初の最高賞金を当てたというもの。なお、宝くじ売場では、番号選びに悩む人のために数字選びを補助するような道具が置かれていたり、有料で販売までされている。クイックピックとは数字選択を機械がするといういい加減なものである。
⑲2014年7月18日号の「74才、ネットで知った2億円当せん!」と題する広告がある。
 週一度は宝くじを買う老人が、サマージャンボを買い、インターネットで2億円当せんを知ったというもので、サマージャンボ6億円の宣伝をしている。
⑳2014年9月5日号の「バスで出会った100万円の幸運!」と題する広告がある。
 バス停に向かう途中の売場で大好きなスクラッチを買い、バスの中で削ってみると100万円当たっていたというもので、3000万円スクラッチの勧誘広告もしている。
㉑2014年10月3日号の「健康回復と3,000万円の幸運、一挙両得。」と題する広告がある。
 退院して帰宅する途中にたまたま宝くじ売場を見かけ、退院の記念にとオータムジャンボを購入したところ、前後賞に当たったというもの。退院に宝くじを買うという縁起担ぎを勧めている。

4.まとめ
 被告らによるこれら今も続く広告をみても、科学的根拠もなく夢や占い、「俗信」「迷信」「縁起担ぎ」「うわさ」を信じて買えば当たるかのように思わせるストーリーの宣伝・表示ばかりである。
 宝くじは確率は極めて低いが誰かには当たるもので、当せん者の経験エピソードは独自のもので、それは一つのやり方や一体験に過ぎず、それによって当せんすることは確実ではない。そして実はより多くの当たらない人々も圧倒的に多い同様のやり方や体験を持っている。しかし、同様のことをしても当たらなかった人の例は全く紹介しないのである。ここにこの広告表示の詐欺がある。
 また、毎回複数の宝くじを買うとか、長年買い続けている人は被告らが生んだ「宝くじ依存症」というべき者であり、この種の行為を賛美、勧奨する広告など、宝くじの本質は富くじであるから犯罪に等しい。
 すなわち、被告らを含む宝くじ発売元は、今も根拠のない広告宣伝をして、いまにも夢を買えると病癖者を含む多くの市民を錯覚させ続けているのである。

第4.宝くじの不当宣伝拡大の反社会性と原告周辺への被害
 原告らの中にも、被告らの宣伝に欺されて購入したことのある者がいる。真実を知らされず、買い続ければ当たる、意外にも当たる、当たる可能性は低くないと思わされていた者や、家族や近親者にそう思って購入し損をする者も少なからずいた。
 しかし、この被告らの宝くじの宣伝の仕組みを正しく知れば、庶民が持つ「夢」を利用して欺すものであり、被告らの責任の重大性を指摘せざるを得ない。
 宝くじは富くじであり、「億円当せん」等の宣伝に欺されて購入した庶民らは圧倒的多数が収奪される。
そして仮に、1000万人に1人が億円に当選しても、その金はまともに勤労して得た金でなく、むしろ勤労意欲を失ったり、奢侈な使い方で身を滅ぼすことさえある。
 被告らは、「宝くじ依存」の病に対して具体的防止をしていないし、むしろ拡大させようとしている。宝くじに熱中する人々の「人格形成」や「健康」や「福祉」など全く考慮しない。
 宝くじの収益金は、税金のように所得や担税能力は全く考えず、当面の金を判断力の弱い社会的弱者から奪うことで成り立っている。そして、その使途も立法当時からすれば完全な目的外のものとなっているのである。


(本文中の甲号証番号の記載は省略)

【裁判情報】大阪地裁 平成26年(ワ)第6683号事 宝くじ販売差止請求事件
 次回期日:平成27年1月14日(水)午後1時15分  808号法廷(傍聴可)
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ギャンブルNEWSピックup

(2014.10.27~11.25 前号まで未記載分含む)

2014. 10.27  沖縄タイムス  鳥畑与一教授 インタビュー
11.4   10.27付浜田和幸議員によるギャンブル依存症とパチンコに関する質問主意書に総理答弁(ゴマカシ)
11.6   札幌市議会 IR法反対決議
11.11  日弁連  IR法廃案街頭宣伝
      共同   ギャンブル依存症1~2割重症化 治療環境整備が急務
11.12  赤旗   カジノ廃案に日弁連街頭宣伝
      愛知弁  IR廃案を求める決議
11.13  赤旗   焦点・論点:帚木蓬生 ギャンブル大国5つの不幸
        〃    沖縄カジノ・新基地一体  反対は翁長、仲井眞候補の支援 国場組らカジノ推進
11.14  毎日  投書「ばくち国家」をめざすのか
      済州  カジノ不法取引 50億ウォン横領で大量起訴
       ヤフー  ニューハンプシャー報告 カジノ依存症、住民8人に1人、自殺5倍、家族の自殺も(鳥畑教授)
     カジノ型デイケアサービス 浦和に出店
11.15  北海道  小樽市民カジノ反対7500人署名
      毎日   横浜市、市民の声初公表(賛否双方)
11.16  沖縄県  カジノ反対 翁長雄志氏当選
      毎日  カジノ雰囲気を演出 なんばレストラン(大阪版)
      産経  幸福の女神 ジャンボ宝くじPR
      エコノN  パチンコ税導入見送り方針
      日テレ  カジノの落とし穴(アトランティックシティ特集)
11.17  毎日  哀歓記:賭博関係服役後
      NHK  広がるギャンブル依存症 クローズアップ現代
11.18  毎日  シンガポール、カジノ解禁 (地球ING)
      日経  松井府知事「カジノで大阪再生を」
      週朝  ギャンブル依存8割 パチンコ依存400万人以上
      小樽  北海道IR道民フォーラム100人
11.19  産経  カジノ合法化に警鐘 高橋敏
11.20  カジノ問題シンポ開催 大阪此花区 
     サーペイジ  谷岡大商大学長「IRマネジメントコース」
11.21  日経  韓国仁川カジノ セガサミーら2017年5月開業へ
       各紙  全紙広告 年末ジャンボ&ジャンボミニ発売
11.22  赤旗  21日、IR法廃案歓迎、全国カジノ場反対協声明  
11.23  赤旗  苫小牧 討論会  青年会議所主催
11.24  赤旗  豊中市 カジノシンポ
11.25  読売  CM界 ジャンボ夫人が行く「泣くな信成…」
       奈良  24日、ギャンブル依存症考える会 田中紀子代表
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大暗賭博百人一首(5)

今回は81~100番。長らくおつきあい、ありがとうございます。

81.依存症 陥る方をなかむれば ただ借金取りの奴ぞ見られる    <誤匿大待>
  ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる    (後徳大寺左大臣)
82.重いワナ静かな人生あるものを 憂きに絶えぬはギャンブル産業  <賭因>
  思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり    (道因法師)
83.世の中よ公営賭博なかりせば 病的賭博しかと無くなる     <粛正>
  世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる    (皇太后宮大夫俊成)
84.長らえばカジノなき世がしのばれむ 弊害ないと言いし誤り    <気を付け>
  長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき  (藤原清輔朝臣)
85.夜もすがらキノやバカラで明けやりて VIPルームも使わざりけり  <終夜>
  夜もすがら物思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり (俊恵法師)
86.なげかわし盗み横領増やしてる 賭博のために我社会かな    <災行>
  なげけとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな    (西行法師)
87.無茶なことスポーツ振興文科省 利権プンプン天下り先     <利権欲し>
  村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕ぐれ    (寂蓮法師)
88.難波江にカジノ作って人を呼ぶ 税まで使う仕業夢洲      <橋下門院>
  難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき (皇嘉門院別当)
89.わが命絶ってしまえと思うけど 決断できずギャンブル人生    <自死ない>
  玉のをよたえなばたえねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする  (式子内親王)
90.見も知らぬ外国カジノへオンライン 電話やネットで大買してる  <ネットカジノ>
  見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず  (殷富門院大輔)
91.ギリギリの生活費さえパチンコに 年金保護費 店の餌(え)となる  <狂極殺生>
  きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む  (後京極摂政前太政大臣)
92.競輪は黒字にならぬ客が減り 累積赤字減る気配なし       <赤字輪>
  わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らねかわくまもなし  (二条院讃岐)
93.世の中は金に流され代議士も カジノ法案推すは悲しも     <源金元>
  世の中はつねにもがもななぎさこぐ あまの小舟のつなでかなしも (鎌倉右大臣)
94.よしてくれIRなどこじつけて バクチ場増やし金まきあげる   <参欺増上>
  み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり     (参議雅経)
95.理由なし貧しき民へ宝くじ 地元で買えと公報までも       <無慈円>
  おほけなくうき世の民におほふかな わが立つ杣に墨染の袖   (前大僧正慈円)
96.賭け誘うカジノのチップ金ならで 増えゆくものは借金なりけり  <金常>
  花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり   (入道前太政大臣)
97.この賭けで待ってる勝ちを得られると 燃やす思いで身を焦がすもの <定賭>
  こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ  (権中納言定家)
98.金みつぎ ならぬ横領したからは みそぎのムショへしるしなりける <いえたか>
  風そよぐならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるしなりける  (従二位家隆)
99.人も思う 働く場ないとあじけない 世を思うゆえにパチスロ未来は <ゴト場院>
  人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆゑに物思ふ身は  (後鳥羽院)
100.百(もも)とある賭博社会の弊害は 数え切れない昔も今も    <順徳>
  ももしきやふるき軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり  (順徳院)

(完)

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書籍紹介

1.「ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患」 帚木蓬生
(2014年12月15日 光文社新書 740円+税)
 著者は、1970年代から精神科医として九州で多くのギャンブル依存症の「治療」にあたっている。「やめられないギャンブル地獄からの生還」(集英社 2010年)と「ギャンブル依存と斗う」(新潮選書 2004年)は、ギャンブル依存症などギャンブルの社会悪の全体像を一般書として世に告発し、今も役立つ。著者は、2011年の厚生労働省の補助金による調書報告にも参加された。当時、ギャンブル障害は男9.6%、女1.6%、全体5.6%(成人5000人の母数。全成人にあてはめると560万人を超える)との調査結果を得たが、不当にも大々的に公表されなかった。そして2014年9月の同様の調査でようやく、全国に536万人(男8.7%、女1.8%、全体4.8%)のギャンブル依存症と公表された。
 著者は、長年の診療経験を踏まえ、また近年のギャンブル依存や弊害に対する取組を紹介し、日本が国レベルでギャンブル依存症という消費者被害の生産国であり、またその被害に取り組まないことの誤りを広範な視点で告発する。パチンコから4Kの公営競技、宝くじ・totoまでのギャンブル大国日本は、アルコール依存109万人やネット依存421万人(2014年厚労省研究班調査)よりも多い依存症を生む。ギャンブルは窃盗や横領から殺人までの犯罪動機となり、犯罪で得た金(賍物~脱税金)が賭けられているのに反省もなく見過ごされている。これを「ギャンブル汚染列島」と著者は言い、パチンコをはじめギャンブル依存国家からの離脱が急務という。
 ギャンブル依存(障害)は、医師やGAなどの努力にもかかわらず治療は困難である。それは、いつでもどこでもギャンブルができ、それに誘惑する産業を本来は取締り抑制してなくすべき政府が主導しているからである。危険ドラッグは覚せい剤と同様、その取締り強化が始まったが、ギャンブル依存、ギャンブル障害は、今も本人の「自己責任」という視方が多い。その視方は、ギャンブル依存の発生を助長し、回復を妨げる。
そして、今必要なのは、医学で提唱されたELSI(倫理的、法的、社会的問題)であるという。ELSIは原発や安保でも必要と指摘されているが、ギャンブルに関していえば、日本ほどELSIが必要な国はない。「カジノ資本主義・日本」でよいのか、日本の経済や生活に「カジノミクス」が必要か。その根本を問う、コンパクトにして最新の好著である。

2.雑誌 「消費者法ニュース 100号記念号」 (2014.7 消費者法ニュース発行会議)
 ギャンブル・カジノ問題も消費者問題として近時本格的に取り上げられつつある。ギャンブルに関するものではこれまで、「確実に当たる」としたくじや投票券の買い方などの悪徳商法を消費者被害として、被害回復と予防を求める消費者行政や被害救済活動などが紹介されてきた。しかし、近年は依存症を生むこと自体が消費者被害であるとする考え方が定着しつつある。多重債務者を生む貸金業と同様、ギャンブル依存を生むことが消費者被害という考え方だ。
 憲法学者の平松毅先生が、当会報第9号(2013.2.15発行)においてこの点指摘され、ギャンブルから消費者(客)を保護する法が必要とされた。実はこの法を欠いていることは、刑法がギャンブル(賭博)を許さないとしてきた建前によると思う。あってはならないギャンブルの存在を前提とする消費者保護法は整備しなかったのだ。競馬法など特別法による公営ギャンブルは、その事業を妨害する行為を禁じるだけであったし、風営法による脱法ギャンブルであるパチスロは治安本位に警察が育てて利権化されており、客への消費者被害は配慮されなかった。
 今回の被害者の訴えからギャンブルそのものの反消費者性を指摘する投稿が続くことを期待する。
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Q ギャンブルオンブズのどんな漢字?? 

(答えは末尾)
1.次の①~⑭の読みを答えて下さい。
 現在の刑法には、「①賭博をした者は、五十万円以下の②罰金又は③科料に処する。(185条)」「④賭博場を⑤開張し、又は⑥博徒を⑦結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の⑧懲役に処する。(186条)」「富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。(187条)」とあります。
 また、旧規定では、「偶然の⑨輸贏に関し、⑩財物をもって⑪博戯または⑫賭事をする罪」とあり、「⑬富籤」や「⑭重禁固」という言葉も使われました。

2.次の①~⑤を漢字で書いて下さい。
 ギャンブルでお金を ①スッてスカンピン になった。それはカジノで ③マケ を ④トリモドそうと ⑤イコジ になってしまったからだった。

3.次の賭博関係熟語(?)を正しく読み、うち⑨⑬⑯㉓㉔について正しく説明して下さい。  
 ①勝者必滅 ②博徒列伝 ③一勝一敗 ④常習賭博 ⑤公営競技 ⑥勝馬投票 ⑦賭博開帳
 ⑧風俗営業 ⑨三店方式 ⑩商品換金 ⑪新装開店 ⑫新台導入 ⑬出玉調整 ⑭場外馬券
 ⑮中央競馬 ⑯本命大穴 ⑰連勝複式 ⑱博徒結合 ⑲賭博観光 ⑳大賭博場 ㉑賭博収益
 ㉒富籤発売 ㉓連番購入 ㉔大数法則 ㉕賭金入手 ㉖自己破産 ㉗家庭破綻 ㉘病的賭博
 ㉙賭博悲劇 ㉚賭博嗜癖 ㉛賭博依存



答え
1.①とばく ②ばっきん ③かりょう ④とばくじょう ⑤かいちょう ⑥ばくと ⑦けつごう
  ⑧ちょうえき ⑨ゆえい ⑩ざいぶつ ⑪ばくぎ ⑫とじ ⑬とみくじ ⑭じゅうきんこ
2.①摩る・擦る・磨る・擂る ②素寒貧 ③負け ④取り戻そう ⑤意固地
3.①しょうじゃひつめつ ②ばくとれつでん ③いっしょういっぱい ④じゅうしょうとばく
  ⑤こうえいきょうぎ ⑥かちうまとうひょう ⑦とばくかいちょう ⑧ふうぞくえいぎょう
  ⑨さんてんほうしき/パチンコで勝った玉を換金商品に換え、交換所で現金にしてもらうやり方 
  ⑩しょうひんかんきん ⑪しんそうかいてん ⑫しんだいどうにゅう 
  ⑬でだまちょうせい/パチンコ店が釘やコンピューターで台の当たり玉の出を調整すること
  ⑭じょうがいばけん ⑮ちゅうおうけいば
  ⑯ほんめいおおあな/競馬などで一着予想の最有力が本命、番狂わせの馬が大穴 ⑰れんしょうふくしき  ⑱ばくとけつごう ⑲とばくかんこう ⑳だいとばくじょう ㉑とばくしゅうえき ㉒とみくじはつばい  ㉓れんばんこうにゅう/宝くじで連続番号を購入すること 
  ㉔たいすうほうそく/コイントスなど裏表の出る確率は繰り返すと限りなく2分の1に近付くこと 
  ㉕かけきんにゅうしゅ ㉖じこはさん ㉗かていはたん ㉘びょうてきとばく ㉙とばくひげき 
  ㉚とばくしへき ㉛とばくいぞん 


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会報掲載記事一覧(第21号~30号)

※20号までは21号に整理しています。

<21号> 2014.3.3発行 全10頁
IR法案の行方と危険性、ギャンブル広告を考えるⅠ、ギャンブルをめぐる言葉「責任ギャンブリング施策」、会報掲載記事(1~20号)、NEWS(2013.12.5~2014.2.24)、真のニュースは悪いニュース(マクルーハン)、カジノで7兆7000億円?!、カジノの金で依存症対策ができる?!、東京五輪と東京カジノ候補地etc、カジノ違法下の公金カジノ誘致公費、カジノ反対の歌・唄シリーズ④日本唱歌編、カジノ鑑、カジノ誘致巨額税金の使途調査ご参加のお願い、情報公開条例による文書公開請求(案)

<22号> 3.18 全10頁
カジノ合法化反対!全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会設立へ、投稿:インサイダーからの手紙、投稿:ギャンブルオンブズの皆さんへ(鍛冶野進)、BIGの当選確率、カジノ反対の歌・唄シリーズ⑤カジノ宿から⑥マネーイズオーバー、馬好き考、ギャンブルの歌・唄:阿波踊り、小説:20歳の再出発(何田尚気)、NEWS(2014.2.6~3.17)

<23号> 4.23 全10頁
ギャンブルと「哲学」、投稿:ギャンブル広告の嘘、ギャンブル広告を考えるⅡ、昭和23年の寶籤と宝くじ、言葉と案内「ギャンブル依存症(病的賭博)・嗜癖」、賭博ものしりシリーズ①一心二物三上四性五力六論七盗八害・馬券発行、小説:梶野好也の10日間(大坂弁子)、ギャンブルと「政治屋」パチンコ議連と風営法改正議連、書籍紹介「大切な人をパチンコから取り戻すために」、カジノ・ギャンブル川柳「税」、ギャンブル替え歌シリーズ:博奕海峡・浮遊景色・破産を呼ぶ男、事務局だより(第3回総会、韓国ツアー)

<24号> 5.26 全10頁
カジノ推進派の「依存症対策」の欺まん、蠢く政・官・学・財界とIR推進協議会、産学癒着、パチスロ・ダイナム社の宣伝、旧聞新聞:沖縄県のIRリゾート取組、賭博ものしりシリーズ②パチンコの由来・富突、視点論点:狂う「首」カジノ誘致に浅ましき、ギャンブル替え歌シリーズ:パチンコはつらいよ・クジは欲開く、書籍紹介「知っていますか ギャンブル依存一問一答」「賭博史」「少し金を貸してくれないか」「震える 許さない!カジノ賭博場合法化!」、NEWS(2014.3.18~5.16)、事務局だより

<25号> 6.19 全10頁
負の経済評価をしないIR・カジノ、ギャンブル依存症をめぐる定義、啄木風パチンコの歌・宝くじの歌、依存学推進協議会について、ギャン物依存症は200万人?560万人?、マカオカジノの社会悪、お台場カジノのお台場とは、法律家の不作為、書籍紹介「世界7月号」より2稿、NEWS(2014.5.8~6.7)、「川柳」でギャンブル依存(症)を考える、賭博ものしりシリーズ③寺銭、事務局だより:公明党議員宛請願書、宝くじ訴訟原告募集

<26号> 7.22 全10頁
韓国江原ランドカジノ、江原カジノ私見、韓国カジノが生むホームレス・地下経済、夢洲カジノに食指を伸ばすカジノ(IR)企業、宝くじ三題:貧者の希望か税金か・宝くじ・富くじと弊害、宮武外骨「賭博史」の弊害論、タバコ広告とギャンブル広告、嗜癖と弁護、ギャンブルオンブズマンの雑学:サイコロ賭博ほか、マネしギャンブル狂歌・川柳、NEWS(2014.5.28~7.14)、書籍紹介:「カジノ解禁が日本を亡ぼす」「わが国の賭けごと史」、大暗賭博百人一首(1)、事務局だより:オンブズ全国大会分科会案内・宝くじ訴訟提訴報告

<27号> 8.12 全16頁
報告:宝くじ販売・広告差止を求めて東京都らを提訴(訴状掲載)、共同通信報道、宝くじ訴訟とメディア

<28号> 9.26 全12頁
IRカジノ導入による危険と弊害、賭博ものしりシリーズ④:賭博虎の巻、主張:ギャンブル被害は消費者被害、「病的賭博」の推計への非難、IRをあおる博報堂のIR調査、ギャンブル場の「おじさん」、ギャンブル回文、大暗賭博百人一首(2)、NEWS(2014.6.16~8.26)、書籍紹介「カジノ狂騒曲-日本に賭博場はいらない-」「競馬をめぐる状況」、事務局だより:オンブズ全国大会ギャンブル問題分科会報告(江原ランドカジノ視察報告とIRカジノ問題)、ギャンブルの事業は健全な自治体事業か

<29号> 10.21 全10頁
暴走する夢洲IRと鉄道新設構想、病的依存症をめぐる用語と現状、「依存症」か「障害」か?、賭博ものしりシリーズ⑤鼠小僧次郎吉・⑥競馬、儚い夢…宝くじの確率、そもそもギャンブル?、カジノと周辺ビジネス、NEWS(2014.8.26~10.17)、花ちるや競馬場より肩車、大暗賭博百人一首(3)、書籍紹介「賭博要覧」「賭博(日本探偵実話)」「賭 サイコロからトトカルチョまで」、事務局だより:ロト6攻略本不当広告・販売是正申し入れ報告

<30号> 11.26 全10頁
日本のカジノはどうなるか?-衆院解散によってIR法案は廃案に-、カジノは何故ボロ儲けできるのか、偶然の一致?、宝くじ・totoの収奪率と配当率、法律相談、書籍・論考紹介まとめ(1~29号)、大暗賭博百人一首(4)、NEWS(2014.9.19~11.7)、郡中制法と賭博、事務局だより
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競走場の入場制限と場外券売場等の販売制限の提案

 現行法で公営賭博といえる「競走場」は所管大臣(農林、経産、国交)の許可を得なければならない。その「競走場」(という賭場)は、50~100円以上の入場料を取れることになっている(法令、規制、省令)。しかし、ギャンブル依存(障害)者の抑制のためには低すぎるレベルである。
 かつては競走場だけであった券発売が、場外でも可能となり拡大していった(ex.競馬のウインズは中央競馬18ヶ所、地方競馬23ヶ所)。これらの場外券売場では、テレビで案内される複数の競走場の場外券を買えるが入場料はとらない。従って、100%自動券売場となっている。
 それ以外にも電話投票、電話回線と定期口座預金を利用した例えば30万円のギャンブルコース、PAT(パーソナルアクセスターミナル)というファミコン、パソコン、ホームマスターなどを使った在宅投票システムで投票できる。これらは銀行口座から代金の支払いがなされ、払戻金も自動的に送金され、次のレースにも繰り入れられる。例えば競馬では自宅で画面をみながら一度に30通りの購入ができ、購入〆切は競馬場と同じで2分前となっている。電話投票は中央競馬だけでなく地方競馬でも導入している。このように公営競技というギャンブルは、自宅をも賭場にする。
 ギャンブル依存症の抑制のため、場外券売場、自宅からの取引を今後廃止すると共に競技場への入場も1人1000円程度にすべきである。もとより未成年者、ギャンブル依存者などの入場は認めるべきでない。
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原告募集 ギャンブル被害を取り戻す提案 (弁護士 井上善雄)

 会報30号でも未成年者のギャンブルによる損失を親権者が取り消して損害賠償を求めうるとの、N弁護士による法律相談を掲載しました。しかし、法律上可能であっても、子どものギャンブルを表沙汰にしたくない親心のためか、このような訴訟の例はないのです。また、成人であっても老人や判断力の弱い人、ギャンブル依存、障害にある人が、CM広告に騙されて多大な損失を蒙ることも少なくありません。
 今のところ、ギャンブル障害は世間の理解度が低く、ヤミ賭博はもちろん公認賭博でもその賭博開帳や富くじ発売側の詐術などの加害性について問責する活動や訴えは少ないのです。しかし、本会は一貫して訴えてきたように、賭客のほとんどは「捕らわれたカモ」「欺された人」であって、悪徳商法が「儲け心」「資金保有の不安」につけ込むのと同様、「射倖心」と「夢想心」につけ込まれた者といえます。賭博の開帳や富くじの発売、パチスロも、プロが素人を扱うように「欺し」「収奪できる」システムといえます。
 だとすれば、未成年者のみならず、病人(病的賭博)や判断力の低い老人などをカモにするギャンブルは、客を欺したも同然としてその損害は回復されて然るべきではないでしょうか。闇バカラや闇スロットでは訴える人も賭博罪になり得ますが、“自首”扱いで起訴を猶予してもらい不起訴にできます。(もちろん未成年の場合は、ヤミ賭博は考えにくいですがそうであっても客の場合は、被害者性から立件そのものができないと思います。なお、競馬法や競輪法では未成年者が購入しても、それを処罰する条項はありません。知って発売した者は50万円以下の罰金。)
 そこで、未成年者の入場を認めて公認賭博をさせた事業体を告発するだけでなく、民事裁判という手法でも違法行為を止めさせ、民事賠償を求める活動を提案します。
 被害者、困っている人、またギャンブルに立ち向かう人はいませんか。弁護の報酬は相談の上、結果による利益支払いの条件でお受けします。
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ギャンブル問題マスコミ評

 2014年11月16日放送のNHKクローズアップ現代でギャンブル依存問題が取り上げられた。その病について患者、家族、医師への取材もし、深みのある30分番組だった。公認ギャンブルやパチスロで患者になった人の心理から脳の変化画像まで、この病を疫学的調査した森山Drと医学会での報告、そして患者本人だけでなく家族へのカウンセリングDr、GA参加家族への取材、そして北海道の田辺等Drとの対話からなるものであった。
 ギャンブル依存症は今やWHOを含む欧米医学会の診断基準まである明確な病である。その病はなりやすく、治癒し難い。周辺家族、医師、援助グループらの助けと努力がいることが詳説された。
 これに対し、政府や病を生むシステムへの告発という点で弱いのは気になったが、今般のIRカジノ問題の議論で、この病への対策・治療が必要であることを世に訴える好番組であった。
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ギャンブルの本質は詐欺 (弁護士 井上善雄)

1.路上の「賭将棋」「賭連珠」のエピソード
 1960年代まで祭りの露店では、詰将棋や連珠(五目並べ)の出題をし、客が金を賭けて(一手100円)客が勝ったら店側が金を払うというものがあった。サクラ(おとり)で客を集め、いかにも「詰み」そうだが勝てない。黒が四・三で勝てそうだが実は禁じ手等の落とし穴があることを子どもの頃に親から教えられた。小学校高学年になるとその手口が読めた。
 この賭将棋、賭連珠を警察は見逃していたのか。見張りがいてすぐに店をたたんで逃げられたのは、香具師(やし)の仕切る夜店だったからだろうか。
 昔から勝負事に賭けは多かった。そしてギャンブル・賭けの歴史は、実は詐欺の歴史だった。

2.詐欺の内容と方法
 サイやカードに細工をした詐欺も、賭博が始まって以来絶えない。しかも、賭博は実は詐欺が「ルール化」しているものが多いことを知っておこう。
 純粋な偶然で結果が決まるゲームはあるが、このゲームを含め賭けさせてゲームをギャンブル化し、それを一つのシステム化したものは、厳密には胴が勝ち、大金持ちの方が勝つようルール化したものであるといえる。
 すなわち、ギャンブルの世界は賭博を開帳した者が「テラ銭」をとり、富くじの発売元は必ず収益があがるシステムである。その分、公然たる「詐欺」といえる。
 日本の宝くじやサッカーくじは、発売額の50%以上を客から収奪し、競輪、競馬、競艇、オートレース(4K)も25%は胴元が収奪する。カジノのルーレットでも0や00に玉が入ると店(胴)の総獲りとなる。公平な筈のバカラも換金システムで店が収奪できるようになっている。
 しかし、この種の詐欺は、刑法上の詐欺として立件されることはない。
 まず、公認ギャンブルはまさに客から多額の収奪をして収益金を得て公益事業を行うものとして公認合法化されている。パチンコ・スロットは換金すれば賭博で違法となるが、「三店方式」という脱法システムによって警察・検察庁は立件しない。実質的にはギャンブル(賭博)でも「遊技」とされているのだ。
 もちろん、公認されないギャンブルは賭博罪の対象ではあるが、ここにも詐欺はある。
 すなわち、賭博には詐欺がつき物だ。詐欺性があっても賭博性を否定できないだけのことである。念のため、横綱と幕下の相撲に賭けが成立しないかというと金を賭ければ犯罪は成立する。実力の差があろうと、科学の発達した時代の天気予報だろうと金を賭ければ犯罪が成立する。100%結果が決まっていて当事者の一方が知っていれば詐欺罪のみになるかも知れないが、双方共結果を知らねば賭博罪となる。
 開帳された賭博場では、当事者は無限に賭けを続けられない。コイントスでもサイコロでも無限にやれば「大数の法則」での賭け率は一定率に無限に近付く。しかし、現実の賭博場はこの大数の法則を実現するところではなく、むしろ禁じている。賭け金の預託制(チップ、玉の交換)や時間制限、賭け額の限度性などで、胴や大金を持っていない者が負ければそれで終わるようになっている。すなわち、大数の法則を金の少ない客は確実には実現できないのである。客はビギナーズラックや勝ち逃げするしかないが、その確率は極めて低いし、人の射倖心からそれがむしろ落とし穴になるのである。

3.公認賭博の詐欺性
 4Kと宝くじ、スポーツ振興くじ(2くじ)は、いずれも客からの収益を得る方法(収奪システム)が決まっており、これは公然化されているから詐欺ではないと言われる。
 しかし、ほとんどの市民はそのシステム全体を熟知せず、規則化がされているというも広く市民に説明されていない。
 むしろ、2くじは当せん額の大きさをマスコミまで使って大々的に宣伝し、客は客観的には射倖心で酔わされて自分だけは億円や大金が当たると夢を見させられている。4Kの大穴や2くじ大金当せんについて「儚い夢とは判ってもやめられない」と依存症を自覚する客は良いほうで、「はした金では幸福は買えないが、宝くじCMのように大金が当たれば幸福になれる」との誤った広告(教育)に、大量に買えば当たると「洗脳」されている人が多い。

4.資本主義社会の賭博化と詐欺化
 資本主義の経済は自己の資金と労働による生産物の自由取引を通じて良き社会が生まれるという原理であるが、アダム・スミスの倫理学とは程遠い醜い歴史を持っている。人を奴隷とする売買は言うまでもない。カール・マルクスは人の労働力の自由売買は資本による労働者の搾取や隷属をもたらすというように資本主義社会は富を収奪する社会を生んだ。社会福祉主義の考え方で修正された資本主義の下でも、身分や人の不平等支配が続いた。19世紀~20世紀の植民地支配は、21世紀になって形を変えるも「金と資源」の国家又は資本の支配が続いている。資源には地下資源だけでなく国土、自然から人的資源まで及び、「大国主義」は21世紀にも続く。
 それどころか、1980年代には世界の金融経済の自由化の下で新たな富の収奪システムが生まれた。それは「カジノ資本主義」とも呼ばれている。金融商品の自由な取引が生んだギャンブル経済である。今では世界の企業、モノ、サービスが世界市場で商品化され、現物だけでなく先物まで売り買いされる。そして、その通貨であるドルやユーロ、日本の円をはじめ世界の「マネー」の全てが売り買いという賭けの対象となっている。
 そこでは電話一本メール一本で大きな先物取引までされて値が動き、結果として全ての商品が世界通貨全体で実価値といえないような「騙し」「騙される」取引が可能となっているのである。

5.日本人の不安感と預貯金の投機
 そのように日本の円の価値が、かつてのインフレーション(物価上昇の経済)、デフレーション(物価下降の経済)どころか不安定にされる下で、庶民は自分のわずかな預貯金さえ明日はどうなるかと思わされている。
 日本人は世界一級の預貯金をする国民である。日本の金融機関はかつては、預貯金を安全確実に運用して老後の安心を支えるとしていたが、今や証券会社はセキュリティの名にそぐわない投機の株や投資信託を売り、銀行、信託銀行、保険会社までもが投機・投資信託に庶民を誘う会社になっている。
 このような、いわば世の中の不安定と投機化という風潮の下で、多くの庶民は超低利預金、国債から株ないし投資信託に丸投げするしかなくなっている。そしてタンス預金や一定の持ち金を賭ける心理へと誘導されているのである。
 投資信託という投機では取扱会社にとって手数料は確実な収益となり、一種のテラ銭といえる。その結果は合理性は全くといえる程判らないまま結果のみが知らされる。実は取り次いだ証券会社や銀行もその詳細な手続き根拠、証拠がわからず、個々の投信者に説明できない。大きな投資信託の商品は、実は集まって複数の商品に適宜振り分けられ、その振り分けられた商品もまた複数の行き先に向けられて投機されるという。この仕組みはグローバルとかワールドとか大きな名前が付されているも、その計算が事前に決められず説明できないという。いわば、誰がこの金を持ってどの船に乗り、どこに行くかも、どう使うかもわからない、ただ最大限努力しますという全てお任せの「商品」なのである。これらの預り金(信託された金)を振り分けるディーラーは、一種のカケという賭博をしていることになるが、そのディーラーが世界で最大級の金儲けをしている。先進国の多くの投資信託者はそれ自体ギャンブルをさせられ、しているのである。
 このように日本の経済全体がカジノ化、ギャンブル化している。だから遊びにもなる公認ギャンブルは賭博として問題にする程度の問題はないのだと思わされている。

6.公認ギャンブル(パチスロを含む)の「犯罪性」と「反社会性」
 闇ギャンブルは刑法上の対象であり、容認する余地は全くない。(公認ギャンブルにとっても敵にはなっても味方にはならないだろう。)
 では、カジノ資本主義の下での投機(株、投信etc)への金と公認ギャンブルへの金は同じであろうか。答えは、異なるのである。
 第1に、その「賭け」の主体は大きく異なる。投機は大企業、大金持ちから小金持ちまでいるが、ギャンブルの客は貧者である。例外的に何百万円も買う者がいるというが、客観的には病癖者(アディクション)といってよい。いくら夢を買うといっても10枚3000円で十分なのに、宝くじを何百万円分も大量に買うことは、大吉のおみくじ欲しさに多数のおみくじを買うようなものといえよう。
 昔から競輪、競馬、競艇、オートレースに通う人は、統計調査によれば貧しい人、無職者(失業者)、定年・高齢者が多い。公営賭博で金を失い、荒れた客が周辺の人々にも迷惑をかけるので、主催者は周辺住民や自治会に金を配るほどである。自分の生活資金だけでなく家族の金を投じる賭客。その上、盗み、強盗、殺人、横領までした金を使っているが、その金は4Kと2くじ収入になり、そして犯罪の被害者には返されない。嘘を言って借りた金もある。このように客はギャンブルに「酔わされ」「騙した金」を使い、ほとんど負けるのである。
 第2に、収益の金の行方が異なる。民間の投機の取引の結果で得られる。利益には所得税がかかる。投資信託者が投機受託者に誘惑されて消費者問題になったり、投機・投信規制法の違反という問題もある。公認ギャンブルはパチスロを除き、4Kの賭博開帳の収益や2くじの富くじ発売で収益を得るのは、開催し発売する地方自治体である。客の「奪われた金」の大半は政府関係団体や地方自治体に配分費消される。
 第3に、その収奪の結果生ずる社会的弊害と費用の負担である。ギャンブルには犯罪、社会的弊害や社会的費用が大きい。犯罪組織、マフィアの形成、マネーローンダリングから文化・教育環境の悪化、そしてギャンブル依存症と自殺や、犯罪による資金捻出までの社会的弊害がある。公認ギャンブルはその克服、解消への社会的費用は、本来起因者として地方自治体に直接責任がある。
 もちろん、投機取引による個人破綻によっても自殺はあり、犯罪の金も投入される。地方自治体は加害者の側面と保険治療等費用負担の「被害者」の側面がある。
 第4に、詐欺性の内容である。投機もそれを動かす人やシステムに、他人を騙すシステムがないとはいえない。詳しい説明ができない投機取引に対し、ギャンブルは結果が説明できる。(パチンコの出玉は店操作があり詐欺性がある。)
 しかし、収奪率(控除率)の高い公認賭博はその正当性として収益金を公共事業などに使うというも、個々の事業の計画の必要性(税金以外による事業の不可欠性)やそれに使う公益上の相当性、その支出の具体的正当性についてほとんど説明できていない。住民が情報公開請求しても地方自治体にはどれだけの金が配られたか、その使用種目の一部に使われたことがわかる程度であり、結局ギャンブル収益が様々な弊害、費用を生みながら敢えてするものか説明されない。
 収益金の使い方は事業継続の詐欺性にかかわるので、この点透明性のない公認賭博には重大な問題がある。パチンコの換金は脱法で賭博になり、風営法の違反だが、警察・検察は立件せず、そのため最高裁の判例はない。そして、パチンコには各台の「釘の調整」から「コンピューター操作」まで詐欺性がある。
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会報第31号 目次

ギャンブルの本質は詐欺、ギャンブル問題マスコミ評、原告募集・ギャンブル被害を取り戻す提案、競走場の入場制限と場外券売場等の販売制限の提案、会報掲載記事一覧(21~30号)、Qギャンブルオンブズのどんな漢字??、書籍紹介、大暗賭博百人一首(5)、ギャンブルNEWSピックup(2014.1027~11.25)、宝くじ裁判準備書面(2)、裁判情報、事務局だより、どんな漢字答え
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2014年11月26日

裁判情報

大阪地裁 平成26年(ワ)第6683号事 宝くじ販売差止請求事件
次回期日:平成27年1月14日(水)午後1時15分  808号法廷(傍聴可)

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事務局だより

 会報はブログで一般に公表しているため、時折「コメント」の書き込みがあります。
 批判や異論もあって当然でしょうが、匿名で責任所在のないコメントには、私共がその「誤解」を解く方法を限られてしまいます。お互いがオープンに意見しあえればわかり合えるものがあると思うのですが…。
 宝くじ裁判にしても、「今回の愚作のせいであなた達だけではなく、他のギャンブル依存症に取り組んでる団体もキワモノに見られる可能性があるでしょう。時流を読めず、軽率な行動をした…」とか「利権奪われるパチンコ屋関係の人物でしょうか?」などは根拠のある批判とは思えません。公開した訴状でも指摘した宝くじの不法・不当な点が全くないとされるのなら、それこそ富くじ業者のへ理屈です。今の「宝くじがパチンコよりマシ」だとしても、私共はもちろん今のパチンコを肯定している訳ではありませんし、このことは会報を見てもらえば判ることです。ですから、この方がパチンコを告発されることに反対しません。
 また、「お前ら自体が詐欺グループ。」とのコメントは、名誉棄損として罰せられるから自らを名乗れないのです。現在のインターネットは善用と悪用がありますが、これらは完全な悪用です。

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【コラム】 郡中制法と賭博

 明治維新により江戸幕府支配から天皇制へと王政復古したが、法整備はほとんどできておらず、廃藩置県後も江戸時代並みの五人組や高札布告による政治支配が続いた。東京や大坂は「府」、その他は「県」となり、「郡中制法」が布告されて庶民を支配した。近代国家としての法制は、明治23年の明治憲法以降に制度されたといえる。
 さて、大坂府が壬申(明治5年、1983年のこと)3月に布告した「郡中制法」に賭博関係についてこうある。「博奕其外賭勝負堅く禁之、若竊に取扱うものあらハ可訴出、隠し置他より於洩聞くハ村役人五人組迄も可為越度事」 要するに、賭博厳禁、隠れてやる者を訴え出よ、隠し置くと村役人から五人組まで処罰するというのである。
 この布告には、明治5年は王制の趣旨により「諸事公論に決し」という文言もある。この年、庄屋、名主、年寄を廃止し、戸長、区長を設置、徴兵の詔を発するなど、全て天皇からのトップダウンで制度が決められる時代だった。

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ギャンブルNEWSピックup

(2014.9.19~11.7 前号まで未記載分含む)

2014. 9.19  朝日  「ギャンブル依存症問題を考える会」 田中紀子
    9.21  日経  ギャンブル依存の女性支援  田上啓子(ぬじゅみ施設長)
    9.28  朝日  カジノ法案 与野党に賛否
    10.2  朝日  カジノ審議 当面見送り
    10.17  読売  社説:カジノ弊害議論浅薄では困る
    10.21  朝日  カジノで考える民主主義  思想家 内田樹
    10.24  赤旗  カジノは警察利権に 議連「査察官」規定削除
    10.25  読売  JRA新理事会「定年後の人に普及させたい」
          大衆  大阪商大「カジノ学部」創設へ
    10.26  テレビ朝日  カジノ法案の光と影
          共同  ギャンブル依存症 人生破綻
    10.27  当会  内閣委議員全員にIR法案廃案要請
         沖縄タイムス  沖縄知事選 カジノで違い
    10.28  産経ビジネス  仁川のカジノにセガサミー参加
    10.29  朝日  大塚国交政務官 パチンコ韓国人から115万円献金
          読売  パチンコ税新設見送り(与党)
    10.30  TBS  カジノ法案取り下げを求める院内集会
    10.30現在 24弁護士会(日弁連と23単位会)が反対声明
    11. 1  秋田魁  カジノで全国サミット200人
          NHK  カジノ法 成立困難の見方も
          産経   カジノ法成立不透明 松井知事「困る」と苦言
               元電通1億円横領犯 競馬に
          日経B.C  小宮一磨 メリット皆無のカジノ法反対
    11.2  日経  カジノ法見送り論
          クレサラ対協  カジノ廃案決議
          夕刊フジ  日本はもうギャンブル大国
    11.3  AFP  米アトランティックシティカジノ財政難
          産経  カジノ法案 黄信号
    11.4  ロイター  カジノ法 来年の通常国会 カジノ企業の投資他へも
    11.5  産経  カジノ法案 今国会は無理
          読売  ハウステンボス カジノ誘致の検討
    11.6  毎日  カジノ法成立断念 継続審議 通常国会へ
          日経  カジノ合法化を考える(上) 厳しい規制下で解禁を  美原融
          産経  カジノ疑似体験 展示商談会 大阪 
             なぜカジノがダメでパチンコが許されるのか 橋下市長、井戸知事にかみつく
          週刊現代(11.15号)  カジノの負の面も 大橋巨泉
    11.7  日経  カジノ合法化を考える(下) 経済効果疑問  鳥畑与一

        
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大暗賭博百人一首(4)

今回も小倉百人一首の替え歌です。(61~80番)

61.いにしへの奈良の時代の賭け事は 上は雙六、下はチョボイチ    <昔の賭人>
  いにしへの奈良のみやこの八重さくら けふ九重に匂ひぬるかな   (伊勢大輔)
62.数たのみIR法通すとも よにカジノ場の設置ゆるさじ      <制止納言>
  夜をこめて鳥のそらねははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ   (清少納言)
63.今はただもうこりごりと言うばかり 人のせいならず言って反省  <無名依存者>
  今はただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな  (左京大夫道雅)
64.朝ボケは夜通しバカラたえだえに あわれ借金返すあてなし    <賭中毒定道>
  朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木  (権中納言定頼)
65.恨むならやらぬといえばよいものを 八百長ばれてあげられしまい  <相撲>
  恨みわび干さぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそをしけれ  (相模)
66.もろびとに空(から)夢追わす宝くじ 億万長者知る人もなし     <前大騒擾>
  もろともにあはれと思へ山桜 花よりほかにしる人もなし     (前大僧正行尊)
67.春の宵夢ばかりなる券を 買い行く先はボートピアかな     <週訪内四>
  春の夜の夢ばかりなる手枕に かひなく立たむ名こそをしけれ   (周防内侍)
68.不本意か不公正でも慣れた富 恋しかるべき億円の夢       <惨状陰>
  心にもあらでうき世に長らへば 恋しかるべき夜半の月かな    (三条院)
69.あらしふくチラシの山のパチスロは 開店前に列をなしけり    <良い台ほしい>
  あらしふくみ室の山のもみぢはは 竜田の川の錦なりけり     (能因法師)
70.さびしさに競輪場出てながむれば いずこも同じ負けた面々    <大穴ほしい>
  さびしさに宿をたちいでてながむれば いづくもおなじ秋の夕ぐれ (良暹法師)
71.夕さればナイターゲームに訪れて 車券はずれて秋風に舞う    <大なげきケイリン>
  夕されば門田の稲葉おとづれて 蘆のまろやに秋風ぞ吹く     (大納言経信)
72.音に聞く鳴門競艇あだ波は 賭けしちゃ泣きもこそすれ      <裕子無心脳>
  音にきくたかしの浜のあだ波は かけじや袖のぬれもこそすれ  (祐子内親王家紀伊)
73.高額の賞金額で人目ひく サッカーくじはBIGにおまかせ    <機械くじ>
  高砂のをのへの桜咲きにけり 外山のかすみたたずもあらなむ   (前権中納言匡房)
74.病み始めビギナーラックのおそろしき またある夢と祈り続けて  <源始好運>
  憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを  (源俊頼朝臣)
75.当たらぬに二度と買わぬと誓ったが あわれ今年もジャンボ並びし <不治吾等>
  ちぎりおきしさせもが露をいのちにて あはれ今年の秋もいぬめり (藤原基俊)
76.海外のマカオカジノを見学し 売買春の乱れし姿         <海外事情>
  わたの原こぎいでてみれば久方の 雲ゐにまがふ沖つ白波 (法性寺入道前関白太政大臣)
77.ルーレットディーラー急かれ貼るチップ ハズレて次は当たれと思う <スットコイン>
  瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思ふ   (崇徳院)
78.あわれなる通う賭客の嘆(な)く声に 幾夜めざめしギャノマン電話  <源賭増>
  淡路島かよふ千鳥のなく声に 幾夜ねざめぬ須磨の関守      (源兼昌)
79.注意されやめたる賭博絶え間より もすこしいかがと陰のささやき <勧誘広告>
  秋風にたなびく雲のたえまより もれいづる月のかげのさやけさ  (左京大夫顕輔)
80.長すぎた心を奪われパチンコに 借金の山思い悩みし       <体験者憂い>
  ながからむ心も知らず黒髪の みだれてけさは物をこそ思へ    (待賢門院堀河)

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書籍・論考紹介まとめ

 会報ではこれまでギャンブルとその弊害、そして今日のカジノ問題をテーマとしたものまで広く書籍・論考を紹介し書評も付しました。今回30号発行にあたり、読者の検索便宜のためバックナンバー毎に整理しました。(以下、著者らは敬称略)

会報No / 論文・書籍等 / 記事名
・創刊号(2012.3.10)
森山成彬Dr(帚木蓬生)提供の論文、2011年までの論考紹介 /事務局資料
・2号(2012.5.1)
ギャンブルに関する出版・論文一覧 ※入手困難なものが多い。 / 参考文献
・3号(2012.7.7)
「脱・パチンコ」(山下實) /事務局だより
・4号(2012.9.1)
「パチンコ業界報告書」(成美子) /図書紹介コーナー
・5号(2012.10.23)
「ツキの法則-賭け方と勝敗の科学」(谷岡一郎) /ギャンブル本の紹介
・6号(2012.11.27)
「ギャンブル依存との向きあい方」(中村外)、「依存学ことはじめ」(船橋新太郎編)、
「依存症-ほどよい依存のすすめ-」(伊藤洸)  /出版物紹介
・7号(2013.1.1)
「パチンコ裏物語」(阪井すみお) /パチンコ研究(4)
「パチンコのタブーDX」(慶封水外)データ紹介 /資料コーナー
・8号(2013.1.25)
「賭博」Ⅰ~Ⅲ巻(増川宏一) ※大著を詳しく紹介、ギャンブル依存症軽視を指摘 /賭博の見方・考え方
・9号(2013.2.25)
「宝くじの文化史」(ゲーリーヒックス) /書籍紹介
・10号(2013.3.22)
「宝くじ50年史」(勧銀) /ギャンブルアラカルト①「勝札」
・11号(2013.4.10)
「パチンコに日本人は20年で540兆円使ったのか」(若宮健:「韓国はなぜパチンコを全廃できたのか」「カジノ解禁が日本を亡ぼす」の著者)、「ギャンブル大国ニッポン」(古川美穂) /書籍紹介
・12号(2013.5.16)
「確率はわかるとおもしろい」(野口哲典)、「統計・確率のほんとうの使い道」(京極一樹)、
「ギャンブルに勝つための最強確率理論」(九条真人) /ギャンブルと確率論
・13号(2013.7.14) なし
・14号(2013.7.19)
「賭博大百科」(山本卓)、「カジノ大全」(スタンフォード・ウォン)、「パチンコがなくなる日」(POKK吉田)、「ギャンブル依存症」(田辺等)、「日本のカジノはこの街にできる」(伊丹治生)、「知っておきたい競馬と法」(大蔵省)、「バクチの自治体」(三好円) /書籍紹介
・15号(2013.8.23)
「ギャンブルフィーバー」「ツキの法則」「現代パチンコ文化考」「ラスヴェガス物語」「カジノが日本にできるとき」「負け方の王道」(以上、谷岡一郎)、「ギャンブルの社会学」(谷岡、仲村ら) /書籍紹介
・16号(2013.9.19)
「パチンコ30兆円の闇」(溝口敦) /ギャンブルの利権④
・17号(2013.11.1)
「三丁目の夕日」(西岸良平)40集11,12話 /宝くじおばさん
「病的ギャンブリングの今日的課題」(森山 臨床精神医学42巻9号)、「会社四季報業界地図」パチンコ・パチスロ業界  /事務局だより
・18号(2013.11.25) なし
・19号(2014.1.10)
「熔ける-大王製紙前会長井川意高の懺悔録-」(井川)、「パチンコの経済学」「続パチンコの経済学」「ギャンブルの経済学」(以上、佐藤仁) /書評
・20号(2014.2.3) なし
・21号(2014.3.3) なし
・22号(2014.3.18) なし
・23号(2014.4.23)
「広告は私たちに微笑みかける死体」(オリビエール・トスカーニ) /ギャンブル広告を考えるⅡ
「大切な人をパチンコから取り戻すために」(大崎大地) /書籍紹介
・24号(2014.5.26)
「知ってますか ギャンブル依存一問一答」(西川京子)、「賭博史」(宮武外骨)、「少し金を貸してくれないか」(六角精児)、「震える 許さない!カジノ賭博場合法化!」(全国カジノ反対協) /書籍紹介
・25号(2014.6.19)
「カジノ合法化は何をもたらすか」(世界 帚木蓬生)、「天から円が降ってくる」(古川美穂)/書籍紹介
・26号(2014.7.22)
「カジノ解禁が日本を亡ぼす」(若宮健)、「わが国の賭けごと史」(倉茂貞助) /書籍紹介
・27号(2014.8.12) なし
・28号(2014.9.26)
「カジノ狂騒曲-日本に賭博場はいらない-」(竹腰将弘外)、「競馬をめぐる状況」(本田伸彰) /書籍紹介
・29号(2014.10.21)
「賭博要覧」(清水行恕)、「賭博(日本探偵実話)」(中村義正)、「賭 サイコロからトトカルチョまで」(倉茂) /書籍紹介


 これまで会報に紹介した賭博の「哲学」「社会学」は、詳しい実態や歴史・文化を記述した先の著作に負うところが大きい。
 ギャンブルは世界的にも多様性があり、特定のギャンブルに限っても変化が多く、古いデータでは説得力のある未来は語りにくい。アップツーデートな新書版でさえ3~5年で古くなり、再刊されないのはデータが古くなるからであろう。しかし、元来古書探しの好きな私は、賭博や富くじといった言葉があればそれを入手してみるようにしている。
 会報2号で紹介した古い文献には、1902年の「都市の社会政策」で公営事業を論ずるものがあるが、戦前では競馬が少しある程度。賭博は「賭博要覧」や「賭博」に詳しいように、ほとんど刑法上の取締り対象となっていた。

(井上)
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◇◇法律相談◇◇

 会報2号で公営ギャンブル(競技、くじ)やパチスロに関する法的規制のクイズを行い、一定回答も付していますが、次のような事例で再度詳しく回答して欲しいと相談がありました。そこで会員の中のN弁護士に応えてもらいました。

Q1.私の息子は満17歳ですがパチスロ店Aに出入りしています。パチスロ店Aでは注意もされず、息子は奨学金を使って通い詰めて負けていたことがわかりました。その金額はひと月1万円、16歳の時からなので総額20万円を費消していました。それ以外にも私の隠し貯金箱から計10万円を盗って、それも全部負けたということです。結局30万円を負けた事になります。親として子の30万円を取りもどすことはできないでしょうか?

A 未成年者の法律行為は、法定代理人の同意がなければ原則として取り消すことができます(民法5条)。ただし、成年者であると装っていたような場合には取り消すことができません(民法21条)。本件では、成年者であると装っていた事情もなさそうですから,あなたの息子さんの行為について未成年を理由に取り消して30万円を取り返すことができます。

Q2.私の子は16歳ですが、サッカーが好きでサッカーくじを30万円も買ってそのほとんどすっていました。19才未満の人には売ってはいけないことになっていますが、私服で買いに行ったので年齢がよく判らなかったということです。息子は身分証明を求められず普通に買ったそうです。当たりは3000円で、結局29万7000円の損だったと言っています。親権者として返してもらえないでしょうか?

A Q1と同様に法定代理人の同意がない未成年者の行為は取り消すことができます。法律で19歳未満の者はサッカーくじを購入してはいけないと定められていることは特に影響しません。
 したがって、未成年を理由にして取り消して30万円を取り返すことができます。

Q3.私は今19才のボートレースファンです。バイトで稼いだお金でボートピアで舟券を買っています。去年は20万円負けましたが、今回大穴で30万円を当てました。ところが払戻のときに一緒にいた友人が大学生服を着ており、身分証明書を要求されたのです。19才だから払い戻せないと言われました。もちろん舟券買いは両親には内緒です。諦めなければいけないでしょうか?この大穴は3万円で買った内の1枚です。

A モーターボート競走法12条で、未成年者は舟券を購入し、又は譲り受けてはならないと規定されていることから払い戻してもらえないのでしょうか。同条は、違反した場合、罰則が定められています。しかし、これは刑事罰に関する規定であり、同条に反する私法上の売買の効果が無効になるとまでは解釈できません。
 したがって、払い戻しを受けることが出来ます。

Q4.高校生の息子が、宝くじ売場で1枚300円のロトをやり、3万円分買っていたことを知りました。子の金は学用品を買うために持たせたものでしたが、息子は億円が当たるかも知れないということで衝動買いをしたようです。ところが、実はその内の1枚が100万円当たっていたのです。この100万円は息子はもらえるのでしょうか。

A 目的を定めて渡した金銭について、目的の範囲内で使用した場合、法定代理人は取り消すことが出来ません(民法)が、定められた目的外に使った場合、法定代理人は、未成年者の行為を取り消すことが出来ます。しかし、取り消すまでは、有効ですから、息子さんは100万円をもらうことが出来ます。
 また、未成年者の行為を必ずしも取り消す必要はなく、法定代理人が取り消さない方が有利だと考えた場合、未成年者の行為を追認することができます。したがって、本件でも追認をすることによって有効に払い戻しを受けることが出来ます。

Q5.私の妻は満16歳です。しかし、妻らしいことはせず、結婚したら成年に達したのだから(民法753条)と、競馬にどんどんのめり込むようになりました。月の生活費として渡した20万円を1回の馬券にしてしまう有様です。夫として止めるように言っても聴きません。これまで負けた200万円を取り戻せないでしょうか。これにより夫婦不仲となり、離婚したらどうなりますか? 妻は一度結婚したので、17歳で離婚したとしてもこれからは成年扱いになるのでしょうか?
 今から考えると結婚も欺されたように思います(届出だけでした)。もし、結婚が計画的詐欺だったらどうなりますか? なお、券売場は年齢確認など全くしておりません。

A 結婚したことにより成年に達したものとみなされるので、未成年者を理由にして取り消すことが出来ません。したがって、200万円を取り戻すことは出来ません。また、一旦、婚姻によって成年に達したものとみなされた場合は、その後離婚したとしても、成年に達したとみなされる効果は変わりません。婚姻によって成年に達したとみなされるのは婚姻が有効に成立することが必要です。婚姻が有効に成立するためには、単に婚姻の届出をするだけでなく婚姻生活をする意思が必要です。したがって婚姻生活をする意思がなく単なる婚姻届を出す意思しかない場合には婚姻は有効に成立せず、したがって、成年とみなされる効果も生じません。その場合には未成年を理由にして取り消すことが出来ます。

 
<参考:ギャンブルと未成年者の購入・発売規制>
 1.競馬法28条:未成年者は競馬投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。
    〃 34条:発売者が知って売れば50万円以下の罰金
 2.自転車競技法9条:未成年者は車券を購入し、又は譲り受けてはならない。
      〃  59条:発売者が知って売れば50万円以下の罰金
 3.モーターボート競走法12条:未成年者は舟券を購入し、又は譲り受けてはならない。
       〃      69条:発売者が知って売れば50万円以下の罰金
 4.小型自動車競走法13条:未成年者は勝車投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。
       〃    64条:発売者が知って売れば50万円以下の罰金
 5.当せん金付証票法  未成年者購入等規制なし、未成年者発売処罰なし
 6.スポーツ振興投票の実施等に関する法律9条:19歳に満たない者は、スポーツ振興投票券を購入し、又は譲り受けてはならない。
      〃     35条:発売者が知って売れば50万円以下の罰金

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