2015年12月22日

用語解説

「嗜癖・依存・障害」
 人が薬物など物質に依存することを物質依存という。これに対し、ギャンブルなど行為に依存することを行為依存という。
 かつては病的と評価し、病的な嗜癖(Pathological Addiction)はその後、病的な依存(Pathological Dependence)と呼ばれるようになったが、必ずしも病的との形容詞は付けられなくなり、近年は単にギャンブリング障害(Gambling Disorder)とも呼ばれるようになった。
 人は何か、誰かに依存(Dependence)しているし、人の行動(その中には薬の服用もある)がくせ(癖)となると否定的な評価が加わる。それがさらに進んで、やめられない止まらない状況になると“病気”と評価もされる。依存症の語は病気になることへの責任評価が加わっている。それを除けば、障害という客観的状態の評価となろう。そのためギャンブルでは賭博嗜癖、病的ギャンブル(賭博)、賭博(ギャンブル)障害とも呼ばれる。
 私達は嗜癖や依存、障害の言葉を使う時に、その背景の意味を知っておくことが必要だろう。
                                       

Responsible Gambling(RG)~責任ギャンブリング~
 このRGについて会報21号(2014.3.3)でも紹介しました。RGは本来、ギャンブルは正しい教育、情報、そして問題ギャンブルを未然に防ぐセーフティネットも備えられるべきという意味で使う立場と、ギャンブラーが合理的判断をするなら問題ギャンブル(Problem Gambling)は起きない筈だとして「自己責任」という意味でも使われる。
 問題ギャンブルが社会的に公認されると、ギャンブルのリスクさえ情報提供すれば後はギャンブラーの問題だというのがギャンブル産業側の主張となっている。パチスロ産業は最近、「のめり込みに注意しましょう」という案内をもって、後は客の問題だとする立場である。
 しかし、Predatory(略奪的)Gamblingを仕掛けたり、また客にBias(偏見、誤解)を与えたり、Speculative spirit(射倖心)を刺激するギャンブル産業(事業)は、RGも反することは明白である。





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投稿  依存症の時代     石野 博人

1.私たちは依存症の時代にいる。
 日本は伝統的に酒アルコールには寛大な国で、酒は人の交際の場に多用される。酒は度を超えてしまったり、自他に危険を生む時は厳禁されるようになったが、今も酒の宣伝広告は無差別的であり、社会的にも個人にも酒の害は多い。イスラム圏のように禁止までしなくとも、近時のテレビその他の宣伝には問題が多すぎる。
 アルコールは人の気持ちを外に向かわせ快感をもたらす合法的な「薬物」だが、麻薬や覚せい剤など「ドラッグ」は人の気持ちを内部化し、外と独立した快楽の世界に引き入れる。
 人は古代から麻薬を知っていたが、19世紀以来、阿片、モルヒネ、ヘロインとその薬効を高める発明がされ、20世紀にはヒロポン(覚せい剤)、リタリン(精神刺激剤)、SSRIなど抗うつ剤が生み出された。そして、非合法の覚せい剤と医師処方のリタリン等の薬物(ドラッグ)依存者を大量に生み出した。薬物依存は、精神病治療だけでなく睡眠改善、精神安定を目的にした薬剤が開発され、大量使用のために起きた。
 酒や薬物だけではない。私たちは消費社会の下にあり、欲望を「拡げ」「あきらめず」「いつまでも」「消費し続ける」ことを企業から日々宣伝され、誘惑が繰り返されている。そのため、あらゆる物品やサービスへの過剰消費が生まれている。携帯・スマホ、サプリメント・・・。病気といえるかどうかもわからない加齢による老化も、“治療”“健康”“美容”“快感”を期待して依存度を深め続けている。

2.直接に自分個人の欲望を実現しようとしている“依存”もあるが、現代の依存は社会的にシステムとして生み出されているものである。
 私たちは、現代の自由主義・資本主義の下で、建前上は自らの責任により成果・成功を挙げることが求められている。しかし、その成果・成功は、多くは他律的である。この成果達成へのストレスは重い。そこから開放を求める人にも「あきらめるな」と圧力がかかり続けている。そして、その中から薬物依存も生まれている。また、個人に対して日々高まる逆境や誘惑に対し、十分自らをコントロールする教育、ケア、協力の十分にない社会である。
 かつては不条理な不自由さも多かった。「やりたくてもやれない」ことが多かった。それが、やらなくてもよいものに依存させるものが多くなった。ギャンブル(賭博)への依存でいえば、法的な禁止から戦後部分的に合法化した公営競技や宝くじがある。そして、その賭博行為を拡大し宣伝し、ギャンブル世界に誘惑する広告が溢れている。公営競技、宝くじ、スポーツ振興くじ、世界唯一にして最大の脱法賭博パチンコ・スロットまで、その宣伝は続く。しかし、依存症については、その予防や教育さえほとんどされていない。
 「やめたくてもやめられない」ギャンブル依存症群536万人といわれる時代にしたのは、物質依存と異なる行為依存だと分類する見解もあるが、社会システムが依存症を生んでいるという本質でいえば、現代の依存症は社会病であり、システム依存症といえるだろう。


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再論 ・ 宝くじ当せん確率のナゾ

 これまでに発売された多くのジャンボ宝くじは、1000万枚(販売額30億円分)1ユニットとし、例えば1等5億円が一本、前後賞1億円ずつで3連番なら7億円ということで「7億円が当たる!」と大々的に宣伝されてきた。しかも、「7億円が50本」というのは、50ユニット(1500億円分)の場合とリーフレットに小さく書かれている。
 このジャンボくじ、例えば50ユニットなら、「01組123456」のように01~100組、100000~199999番の券の売れ行きに応じて追加ユニットを売るという。30億円分1ユニット1000万枚を50ユニット、1500億円分を売り上げたとなると、同じ組、同じ番号の宝くじ券が50枚ずつ存在することになる。完売すれば、確かに1等5億円は1000万枚に1本となる。
 しかし現実は、完売は不可能である。複数の組も一定割合、下6桁の券番号も一定割合というような売上げになりうる。すると、1等は機械が選ぶが、組の当たりは100組のうち1つであり、ランダム且つ均分に全組売りに出されていたとしても、実際には売れていない組が「当たる」可能性がある。下6桁も同様で、当せんは必ず販売ユニット数分に比例する数とは限らない。1億枚が売れたとしても1等当せんが必ず10本当たるとはいえないのである。
 客は希望する組を選んで購入することはできない。したがって、組の特定される1等と前後賞と2等は、客側に選択肢はないということである。
 すると、1等が50本とあるのは、完全に50ユニットを完売した場合に保証されるのであり、完売でない場合は、組を含めて公正平等に売られておらず、公正な当せんになるか疑問である。
 いずれにせよ、宝くじは、何枚売れて、どの番号が何枚売れ残り、各等の当せん数が実際何本で宣伝・表示と一致していたかをホームページで毎回公表すべきである。


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東京五輪とtoto

1.2015年6月、2020年五輪・パラリンピックと2019年ラグビー世界大会を兼ねた会場として新国立競技場が2520億円で建設されることが一度は政府(文科省、スポーツ振興センター、JSC)によって決められた。これはラグビー界のドンで五輪組織委でもある森喜朗元首相の後押しであった。この計画には、「金」の面から2点が指摘できる。
 第一は、無茶を覚悟で巨費を要する「世界に類のない世界に誇れる国立競技場」といって、安倍総理自らがIOC大会で宣伝したものだったからだ。ザハ・ハディト氏案の採用について、安藤忠雄委員長は、デザインだけで選出し、予算など知らない関係ないと言った。単なるデザインコンテストで終わるものならともかく、実際に建設する施設について政府関係者が財政・予算面を考えない訳がなく、文科相・JSCは2012年9月の公募時に予算を1300億円と伝えていたともされる。計画を採用した安藤委員長、任せた文科相・JSCのズサンさと無責任さ、さらに受注建設業側の「談合」もあって、2013年10月には3000億円も必要だと判明する。
 そこで大慌てで、2014年5月、1625億円に抑えるという基本設計にした。そこには一部の工事の保留延期もあったが、それでも詳しく見積もると895億円増えて、2015年6月末日には2520億円として計画が決定されたのだった。これには国民や各界から批判が殺到した。北京大会の主会場540億円、ロンドン大会の主会場837億円と比べても3倍以上という莫大さに誰もが驚く。世論の批判を受けて、安倍首相はトップダウンの人気穫りの格好で、7月、白紙見直しとした。白紙見直しで2019年ラグビー世界大会には間に合わないが、何とか一応1000億円以下でと見直しを考えているようだ。だが、「受注予定」のゼネコンはもとより、企画、宣伝、運営をする官・民の利権は依然強く、設計と建設の一体化もあり、1500億円レベルの2案が12月14日公表された。

2.第二は、実際にどうやってその金を捻出するかについて不明のままである。安倍が責任者なのに、責任者不明の計画を決定するぐらいだから、資金の具体的目途など不明である。
 東京都知事は、当初拒否した500億円を、今では400億円台にして負担すると言っている。
 2013年totoのスポーツ振興法を改正して、法本来の地域スポーツ振興という目的を、トップ選手らの支援のために財源を使う法として改正(収益の3分の2を使い、3分の1を国庫納付)し、当分の間、売上の5%を新国立競技場建設費に充てられるようにしたのだった。totoは年約1000億円の売上で、この2年でまず109億円がこの建設費用に吸収された。ちなみに、最近1000億円レベルの売上になっても収益は40%の約400億円であり、本来、その3分の2の266億円が民間スポーツ振興に使用できるところ、年約50億円が建設費として先取りされることになる。新国立のために年50億円の補助資金をカットすることに対し、スポーツ界から批判があり、アスリートらも高額の新国立に批判の声を上げたのだった。
 この点、スポーツ振興法に「当分の間」として売上の5%カットの意味するところを詳しくみておこう。仮に、toto売上を年1000億円とする。このうち購入者へは最大で50%が払い戻しされる(実際は45%程度)。売上から収益を計算すると、当然「運営費の金額」が控除される。例えば、売上の15%が運営事務費とすると150億円を要することになる。すると、本来JSCは年1000億-450億-150億=400億円の収益となり、この400億円の3分の1を国庫に納付すると定められている。その残る3分の2が、JSCの収益金からの使途金である。400億円×2/3≒266億円となる。しかし、スポーツ振興法8条の2で「当分の間」、狭義の運営費の金額に文部科学大臣と財務大臣が協議した金額(特定金額)を加えて、これを「運営費の金額」とするとしているため、平成25年スタート時から売上の5%(1000億円なら50億円)が運営費に加えられている。このため、売上1000億-払戻450億円-狭義の運営費150億で400億円となるはずの収益は、350億円となる。(国庫への納付金は、400億円の3分の1(約133億円)ではなく、350億円の3分の1(約117億円)となる。)この年50億円は特定金額となり、別途8条の3により新国立競技場の費用(特定業務)として使われる。そして、JSCからのスポーツ団体等への助成金は収益金の3分の1以下と定められているので、400億円の3分の1の133億円でなく、350億円の3分の1の117億円が上限となる。こうして、1000億円を売り上げてもスポーツ団体等への助成金も年16億円が目減りすることになるのだ。
 簡単に言うと、新国立への5%は「当分の間」ということでスポーツへの助成金をも削ることになる。totoからの助成金を期待しているスポーツ団体やアスリートが、新国立建設費の建設費3000億円をもしこの「特定金額」で負担するとなれば、現在の水準であれば今後60年もかけて助成金が天引されてしまうと憂慮することは当然である。これがA元選手が「泣いて抗議した」理由の一つである。しかし、2000億円をtotoが負担すると、元金だけで40年かかる。

(五輪夢中)


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totoの拡大とスポーツのギャンブル化を憂う   作家賭人

1.スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)は、2001年、Jリーグサッカーの試合を予想させるくじに始まった。サッカーの試合の勝ち負け、引き分けを全試合分当てることは、個々のゲームの予想困難さもあり、サッカーゲームを予想させるイタリアのトトカルチョに由来するくじである。
 スポーツとしてサッカーに関心を持ってもらうため、購入者自ら予想を書き入れるのが本来のトトカルチョだが、日本のtotoは、実際にはコンピューターにランダム予想させた券を買わせ、それも当せん金を4億円以上大きくしたBIG(ビッグ)が売上げのほとんどである。
 要するに、サッカーにかこつけ、1等賞金を大きくし、その分中間当せん金を少なめにし、必ずしも毎回当たりくじが出る訳ではないが、その分は次回に持ち越させる「キャリーオーバー」というシステムを使う。キャリーオーバーがあると1等が8億円にも10億円にもなり、射倖心を高めるからだ。
 totoの購入者への配当は、1等も含めて売上げの50%未満である。国には15%弱、地方自治体グループに15%弱、そして主催者日本スポーツ振興センター(文部科学省所管の独立行政法人)に15%弱を分配する。(運営経費は約10%)
 サッカーくじというがサッカー以外のスポーツ団体にも配られる。スポーツ環境の整備、競技者の育成などの「美名」はあるも、例えば柔道連盟がヤミのコーチ経費として使っていたことが、暴力・セクハラ事件で露呈したように、正しく使われている保証はない。文科省や財務省の天下り理事らに高額給付がされているように、天下り弊害もある。

2.サッカーくじは、年間売上1080億円(H25年度)で、当初計画からすると「低迷」している。しかしこれでも、コンビニ等でも購入できるようにして売店を増やし、H25年11月からは海外の試合までくじの対象として機会を増やし、かつての年商600億円レベルからようやく1000億円の大台に乗せた。しかし、富くじ発売ほどボロイ収益事業はない。刑法186条が禁じる賭博はヤクザ(暴力団)が戦後も一貫して続けており、スポーツ界では1969年のプロ野球選手ら(西鉄)の八百長談合があった。(実は戦後一時、野球くじが存在したが、八百長の危険から廃止されていた。)
 スポーツ界は野球だけでなく相撲をめぐっても、暴力団と八百長のスキャンダルがあった。スペインサッカーの八百長問題でアギーレ日本代表チーム監督の疑惑が取り沙汰されたように、ギャンブルが絡むと犯罪が生まれる。暴力団(マフィア、ヤクザ)、脱税、マネーローンダリング、射倖心と労力意欲、教育理念の破壊、ギャンブル依存症(嗜癖、障害)など、弊害は拡大し続ける。

3.totoの対象拡大は、スポーツの世界をギャンブル化することになる。スポーツというが、競馬、競輪、競艇、オートレースは日本の当該「スポーツ」を完全にギャンブル化した。これ以上、スポーツの対象を広げてギャンブル化することはスポーツそのものをギャンブルにし、教育目的の体育もギャンブル対象にすることになる。新国立競技場の建設資金1692億円のうち500億円をtotoで捻出する予定であった。スポーツギャンブルをさらに増やそうと野球もtotoの対象にという自民党議員もいるようだがとんでもない。
 現代のスポーツは、本来の個人心身の健康増進というより、職業化、企業化、営利主義化している。資本主義国のスポーツは商業化、社会主義国のスポーツは国営化による金目当て主義、成功報酬主義になった。スポーツは、資本主義の下では商業広告に奉仕し、商品販売に奉仕する。選手は商業タレントになっている。有名スポーツ選手は、引退後もスポーツ団体の役員やタレント型議員となって、スポーツの商業化を推進している。


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年末ジャンボ10億円くじの「詐欺」

 平成27年も例年のごとく「年末ジャンボ宝くじ」が発売された。今回の当せん金は「宝くじ史上最高額」で「10億円(1等・前後賞合わせて)」という。これには、新しい「詐欺」手口も使われている。
 この宝くじについて、テレビCMや車内吊り広告などではとても判別できず有無を確認できないが、リーフレットを入手しよく見れば、読みにくい細字で「1ユニット2000万枚」との表示がある。そして、1等は27本とあるが、これは27ユニット、総額1620億円分が完売された場合に限った想定である。これまでは1ユニット1000万枚(30億円分)だったが、こっそりと1ユニット2000万枚(60億円分)にしている。これによって、1等の賞金額を大きくしたのである。1ユニット2000万枚というのは今回が初めてで、販売額1枚300円のくじの2000万枚のうち1つ、7億円が当たるようにしたのである。
 最高賞金は10億円(1等7億円、前後賞各1.5億円)と10桁の大金のようにみせているが、これは、1ユニット販売額60億円分のくじの中の3連番を買っていて、しかもそのうち真ん中が1等に当たった場合に前後賞併せて10億円になるのであるから、まとめて連番購入しないと10億円にはならない。10億円を獲得する確率は、1.5億円の前後賞も2000万枚のうちの1枚であるから、2000万枚分の1の3乗、80垓分の1となる。
 たしかに、27ユニット(総額1620億円分)が完売され、全ての連番購入者が前後賞も含めて当てていれば、27人が10億円を得られることになる。(正しくいうと、1等の最終番号が0であればそれに前後する末尾1番と9番を買っていなければ3連続当たりとならないが、必ずしもそのような連番を購入する訳にはいかない。連番のセット(10枚)は末尾0~9の連番が1セットとして売られているので、仮に1等当せん番号の末尾番号が0であった場合、その連番の1番後はセットに含まれるが、1番前はそれには含まれておらず、合計10億円とはいかない。)
 なお、この10億円くじでは1等以外の当せんくじを大きく絞らざるを得ず、少しでも当たりやすいものを求める客用に、別に「年末ジャンボミニ7000万」という1等7000万円のくじも19ユニット(570億円)分、同時発売するという。これとて1等は100万本に1本で、2等以下も少し多くするという程度の工夫にすぎない。
 これらの2000万枚に1枚、1000万枚に1枚、100万枚に1枚などという確率は、人が交通事故死するよりはるかに低い確率であり、地球外からの隕石に当たって死ぬような確率といわれているが、そのような事実は一切宣伝表示されない。
 戦後の当せん金10万円レベルからついにその1万倍も賞金が上げられるに至ったのは、これが客の射倖心を煽り、購入、売上を伸ばす常套手段だったからである。
 宝くじはその創設時の社会的使命(インフレーション抑制のための浮動購買力の吸収)も失われ、10億円という当せん金の吊り上げで客を釣るしかないほど、宝くじ商法の人気が下っているのも事実である。かつてのジャンボ宝くじは100ユニット以上を売り上げていたが今では少なくなり、その代わりに毎日売場で買えるロトやナンバースくじ、その場で結果がわかり売場を賭場そのものとするスクラッチくじなど、くじ商品を多様化して客をつなぎ止めている。
 さて、これら宝くじのCMに出演する俳優、コメディアン、タレントは全員当選したかのように笑っている。今回の10億円くじの広告には「あの人も、楽しんでいる。」とあり、被告らが今回使った所ジョージ、米倉涼子、原田泰造、武井壮、要潤、YOUらは全て「宝くじ」に当たったかのように笑っているが、そんな筈もなく、皮肉に言えば「勤労心」を笑っているかのようである。彼らは、揃って笑顔の宝くじ広告で金を稼ぐのだろうが、真実をどこまで知らされているのだろうか。

(J)


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カジノ正当化論の屁理屈    弁護士 井上善雄

1.カジノの経済的利点
 カジノ産業の正当性・有用性を主張する場合は、まず第1にカジノが持つ経済的利点を強調する。カジノ産業は他のエンターテイメント産業の映画・スポーツ・遊園地などと同様、消費者が進んで金を支出するサービスを提供するものというのである。「カジノ産業は他の産業をカニバライズ(共食い)したり、有能な人材を引き抜くとか、他の経済的便益をもたらさないといった論者の理由はあまりにも単純、短絡的である。カジノ産業も経済成長を生み出す。建設に資本投資や労働力が必要になるし、運営にも労働力が必要で労働市場にプラス効果を及ぼす」というものである。
 ギャンブル産業をゼロ・サム(儲ける人と損する人で零和になる/米経済学者L.Cサローの理論で経済低成長下での頭打ち社会状況をいう言葉に由来する)との批判も偏見だというのである。
 しかし、現実のカニバライズも発生し、カジノの経済的利点はあまりにも偏ったもので、社会全体にマイナスさえ発生させている。
 そもそも賭博を国民の富を拡大する正業といえるかを考えると、否定的に考える他ない。すなわち、映画館や遊園地のようなレジャーとして自由産業とはとても認められないのである。

2.カジノによる労働機会拡大
 カジノも建設と維持運営のために資本投資や労働力が必要となる。だが、その労働市場はカジノ論者が言う程大きな労働需要を生まない。他のエンターテイメント産業から人を引き抜いたり、周辺産業の経済活動にマイナス効果も生む。より効率的経済的な商業活動を目指す大型店舗が商店街や中小店を駆逐し、そこで働く労働者を失業させるようなこともある。
 カジノで働くという労働者は、リクリエーションや娯楽産業従業員と全く同視してよいか疑問である。カジノで働く者がカジノで興ずることは勤務時間外でも禁じられる。一般の公務員や軍人などは常習となる賭博場でのゲームを制限されるところもある。

3.カジノの消費者選択利点
 カジノの利点として、カジノの導入は消費者の支出の自由選択を増やし、消費者自身がカジノの存在を喜んでいるということもいわれる。これに対し、賭博による消費者の支出選択肢の増大は、真に消費者を含む社会全体の利点とは実証されていない。むしろ、反社会的なものとして規制されるべき。消費者の自由選択には有害なものがある。病癖になっているだけのものもあるし、消費者の「自由選択」そのものが真に“自由”でない場合もある。言うまでもなく「薬物」「アルコール」「売買春」など個人の主観的な選択で済ましては良くないことが多い。
 賭博は単なるゲームでなく有害性が高いので、消費者の完全自由選択に任せられないことはカジノ産業擁護論者も否定できないところである。

4.利益と不利益の不公平と社会的不公正・倫理性の欠如
 ギャンブル依存、ギャンブル障害の発生を考えると、カジノ開業者の経済的利益より消費者又は社会の経済的不利益の方が大きい。カジノの経済的利益と不利益は同一人に生じるのではなく、むしろ不平等な支配・従属関係が生じる。これを無視したカジノ産業の経済的効果論は正しくない。立場の選択の基礎において自由選択論は誤っている。
 社会的不公正と倫理性の欠如は、ギャンブル産業を論じる者がギャンブルに伴う社会的コストを十分検討していないことと共に確認しておくべき点である。盗っ人の経済と盗まれる人の負の経済について正しく理解できず、負の経済を他に転嫁することは経世済民(世を治め民を救う)でない。これが判らないとすれば、自ら真実や正義を語る資格はない。


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在日米国商工会議所の「IR戦略」

 「旧聞」だが、2014年12月、在日米国商工会議所(以下、米商工)は、日本政府に対し、日本IRの推進のために「IRが日本経済の活性化に寄与するための枠組の構築」という意見書を提出している。
 その概要は、「オックスフォード経済紙によると、東京圏、大阪圏1ヶ所ずつのIR導入によるGDP押上げ効果は東京圏1.4兆円、大阪圏9500億円で、雇用創出は東京圏10.3万人、大阪圏7.75万人。そしてIRの継続運営による税収は東京圏4700億円、大阪圏3400億円。地方経済に及ぼす効果は年間で東京圏1800億円、大阪圏1500億円で、地域社会に各数万人の雇用創出をする。アジア各地のIRと競合するから早急な法案成立を要望する。」というものである。
 これは「ホラ」の一言。早くやればバラ色というが、ウインズ、MGM、サンズ等米国カジノの進出が本音であり、もし日本政府が米国企業の進出に消極的であれば障壁だとして攻撃してくるだろう。
 IRカジノを成功させるために必要なこととして、次の13点が<提言>された。内容は随分勝手なものである。【  】内に意見書の本音をコメントする。
1.「カジノ規模に制約を盛り込まない」    ・・・【ラスベガスかマカオ並にせよ】
2.「初期は東京・大阪圏に、その後地方へも」 ・・・【米カジノ資本進出の都合に合わせよ】
3.「複数リゾート群に複数認可」       ・・・【日本優先はダメ、米資本カジノも必ず】
4.「認可プロセスの国の目的以外の基準も」  ・・・【日本国益中心では困る】
5.「IRデベロッパーの自治体認可、入札基準の早期決定・・・【早くIRができるように】
6.「カジノ収入(GGR)への税は10%以下  ・・・【でないと他国のカジノのようにやれない】
7.「GGRへの税は法人事業税として」    ・・・【公共事業と同様に取り扱え】
8.「カジノは消費税対象から除外」      ・・・【私営でも公営賭博と同様に】
9.「他のギャンブル同様、入場料を課さない」 ・・・【タダタダ客をたくさん入れたい】
10.「規制監督は総理大臣の選任するカジノ管理委員会で」
                       ・・・【米国の影響力が効く安倍総理の方がよい】
11.「カジノ認可を与える前に日本の企業関係は徹底審査」・・・【日本の企業には参入は厳正に】
12.「カジノは20歳以上参加、24時間年中無休」 ・・・【世界のカジノ並みに】
13.「IRの金融サービス提供を認めること」   ・・・【客に金を貸してでもカジノをさせたい】

 そして以上1~13について長文の具体的提言をしている。米国商工会議所というが、ラスベガスだけでなくマカオやシンガポール等海外進出の米国カジノ資本本位の主張と巧言が並ぶ。要するに、IR企業が日本各地へ進出し、売上成長して収益を上げられるように専らするものである。そこには米国企業の都合の良い理由しかない。

(Y)


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ギャンブルとギャンブル依存にかかる真実の言葉

「ギャンブルは人を嵌める」
 ギャンブルは人を熱中させる。これには金の得喪への闘争心や射倖心が大きく働く。ギャンブルは心理学上はもとより脳生理学的にみても人を嵌め、病に落とす仕組みが判明している。

「ギャンブル産業(事業)は人の射倖心を利用するワンサイド収奪ビジネス」
 一般産業は生活有用品を生産し市場を通して消費者・国民に供給する。ギャンブル産業は、人の射倖心を利用し、そのゲームを娯楽化するとするワンサイド収奪ビジネスである。

「ギャンブル場やギャンブルマシーンは人を嵌めるシステムの場と機械である」
 公営競技やパチスロからカジノまで、その場と装置や機械は人を極大化して賭博に参加継続させ、その回転度(集約度)を高めるシステムである。

「ギャンブル事業の収入は『問題のあるギャンブラー』の30~50%から得ている
 ギャンブル客が金を賭けずゲームを楽しむだけなら「ギャンブル依存」は生まれない。公営競技や宝くじ・totoは、客全体の金の25~55%を天引して収益を得ている。脱法ギャンブルのパチスロや闇賭博も15~30%以上を収奪する。遊ぶための金でも、収入の10%以下でないと問題を生む。実はギャンブル産業の収入の30~50%は問題ギャンブラーからの金である。病人から収益を得るのは治療をする病院・医院と回復施設だけでよい。

「ギャンブルの金の半分はアウトロー(法外)である」
 闇ギャンブルの金は全て犯罪金。パチスロの金は90%以上が脱法システムの「換金」を利用する。ギャンブルの収益はほとんどが略奪的収益である。人の健全な娯楽に要せる経費は一時的なものでも収入の10%台である。公営ギャンブルの収益ですらその10%以上は犯罪からの金である。家族・世帯の同意内のものは1%もない。
 このようにどんなに控えめに評価しても、ギャンブルの金は「アウトロー」である。ギャンブルに使われる金は家庭では必要な生活資金である。ギャンブルに消費した結果、生活を破局させたり事業を倒産させる。破産の原因がギャンブルであれば、免責が排除される理由となる。これらは法の正義からギャンブル投入金が枠外(アウトロー)であることを示している。

「ギャンブル事業は特に情報開示と正しい説明をしなければならない」
 ギャンブル事業が肯定されるとしても、客や市民に正しく必要な情報が提供されることは不可欠である。パチンコスロットなどマシーンの勝率(平均勝率とフロアー全体と個々の台の勝率設定)も説明されるべきだ。
 ギャンブルは人を熱中させる。頭を冷やすクーリング、嵌らせない休憩、再考させる時間が不可欠である。ギャンブル時間の制限(一日当たり、月間、年間)が必要。自分が使った金と時間や今後のリスクを知らせる義務(客には知り、知らされる権利)がある。

「ギャンブルについて消費者の権利がある」
(1)安全である権利(依存に陥らない権利、健康である権利)
 依存症などギャンブルによる危険から守られる権利がある。現在は公営ギャンブルでさえ全くこの権利を侵害している。パチスロに至ってはもっと危険である。自己がギャンブルに伴うマネーローンダリングや脱税等犯罪に巻き込まれない権利もある。
(2)知る権利
 ギャンブル事業の財務・経理や、ギャンブルの種別ごとにそのゲームの内容や勝負のリスク、その効果・効率まで知る権利がある。パチスロの景品、回収その他システムも知る権利がある。
(3)選ぶ権利
 ギャンブルについて正しい情報開示と説明提供により、ギャンブルをするか否か、どのゲームを、どの時間、どの金額限度で行うかを選ぶ権利がある。ギャンブルについては自己抑制限度の事前設定システムが必要である。
(4)ギャンブルによる弊害や収益金について知らされる権利
 ギャンブルには様々なリスク・弊害のあること、法律上の権利と責任について正しく知らされる権利がある。公益目的で公認されている場合は、その収益について経費も公開され、公益目的が具体的にどう実現されているか知らされる権利がある。

「ギャンブルは依存者を生み、客だけでなく家族から第三者に及ぶ被害を生む」
 ギャンブル産業・事業が生む様々な依存問題から本人と家族を救済する制度・システムが必要である。その費用は、公営の場合は当然収益金から全て負担されるべきであるが、パチンコ・スロットの場合は三店方式が残っている現在はもちろんそれが廃止されても、依存症など依存問題が残っている間は特別税や負担金を業者に課すべきである。

「ギャンブルに伴うマネーローンダリング、脱税、反社会行動、その他行財政への歪みへの粛正・是正システム が必要」
 ギャンブルの世界は、導入が企図されているカジノはもちろん、パチンコ・スロットやオンラインカジノが拡大中で、脱法・違法といえるものも十分捕捉できていない。それらについて監視調査チームを設置して、是正するシステムが必要である。


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2015年11月04日

事務局だより

1.宝くじ販売差止請求訴訟  10月14日控訴しました。継続してご報告していきます。

2.奈良県営競輪問題 奈良県知事宛に要望書を提出しました。
「要望書」 2015年10月14日
奈良県知事  荒 井 正 吾  様
                     
ギャンブル依存症を生む公認ギャンブルをなくす会
事務局  井 上 善 雄 (弁護士)

前略 
 報道及び貴県の奈良県営競輪あり方検討委員会の審議によると、平成24年度まで累積収支赤字を続けていた奈良競輪が平成25,26年度には改善がみられ、26年度導入の「包括外部委託」による費用節減効果もあり、今後の売上努力により27年度以降も単年度「黒字」も見込めることから競輪を継続する方針ということです。
 我が国では、第二次大戦直後の特別な経済事情と地方自治体収益の獲得を目的として各種公営事業が認められましたが、そのうち特に日本特有の競輪は、その本質は刑法上の賭博開帳、常習賭博に他ならないことから、私共は地方自治体の競輪継続に多大な疑問を持っています。
 全国各地の競輪に違わず奈良競輪においてもいわゆる客と売上の減少は明白で、その存続が危ぶまれるところであり、現に廃止した自治体も多くあります。
 競輪事業はただ黒字であれば(収益があれば)それでよいというものでなく、今日特に指摘されているギャンブル依存の防止、依存者への「治療」とケアが現在までに全くされていないことへの根本的反省及び再検討が必要です。
 貴県はこの点について「検討委員会」への諮問さえなく、この弊害防止対策を示したことはありません。貴県は競輪問題は黒字であればそれでよいという「収益第一主義」であり、県民や客への弊害やギャンブル依存は無視されてきたのでした。
 そもそも日本の憲法は、生存権、労働基本権、教育権を保障することによって、社会的弱者を保護し、他方、財産権、営業の自由などの経済活動を抑制して、国民の実質的平等を推進することを予定しています。ところが現実には、規制緩和により貧富の格差が年々拡大し、住民間の亀裂が増大しています。競輪による収入は、そのほとんどが貧困層からの収奪であり、その格差を更に拡大するものです。派遣労働、零細企業、季節労働などに従事している貧困層からさらに収奪することは、憲法の理念から見ても正当化されません。その対象が、ギャンブル依存症などの病人である場合は尚更です。その人々を保護すべき県が、その病状を悪化させることによって収益をあげることは、憲法を無視するものです。
 これでは、競輪を今後どうするのかという本来のあり方を真剣に検討したとはとても言えません。
 これまでの「検討委員会」での検討状況をみると車券売上向上にのみ注目し、新規顧客を狙ったガールズケイリンや観戦客のいないミッドナイト競輪、モーニング競輪、さらには電話投票、ネット販売、場外券売場など、売上すなわち賭博額本位の取組だけが強調され、努力目標にされています。そして、テレビ等で若者には露出度の多い女性タレントを起用し、高齢者には夢を追わせ「競輪人生を訴求」させようとしています。
 これでは競輪(自転車競技)は、自転車等の改良、輸出等、地方財政の「健全化」振興という昭和23年当時の目的から大きく逸脱する一方です。
 よって、私共は貴県に対し次の点を要望します。

1.競輪のギャンブル(賭博)としての本質を深く認識し、税収でなく、競輪開催(賭博開帳そのもの)により県民、客から収益を得るということが、公益団体である県として収入を得る正当な方法かどうかについて検討した上で、特に県の財源を他に求めるなど財政構造を見直し、縮小・廃止が検討されること。

2.県が、本来は刑法で禁じられるギャンブルを自転車競技法の下で例外的に行うとしても、その運営や宣伝普及は、県民の健全な文化・伝統・教育に反しないかを検討されること。
 特に、奈良は日本最初の政治共同体である「大和」が形成された土地であり、大和は日本の政治の原点です。その大和で、県が隠れ賭博である競輪に頼って県政を維持している事実は、県民からその矜持を失わせるに十分です。

3.県自体が公営賭博をしていることが、県民の賭博に対する規範意識を鈍化させ、脱法賭博のパチンコ・ス
ロット店というミニカジノの県下への拡大・展開を容認していることに繋がっていないか再検討されること。

4.県が競輪の胴元として全体客から仮に20~25%の収益を得られたとしても、一方でそれにより、県民の家庭が崩壊し、近隣・友人との絆が途絶え地域から孤立した人々によるやり場のない不満がどれだけ蓄積されているかを考える必要があります。特に、番号制が施行されると、配偶者の所得その他の所得も統合されて把握され課税の対象となるので、ギャンブル依存症の人々の財源に破滅的影響を及ぼすおそれがあります。そしてそれが、放火、無謀運転、家庭崩壊、自殺などとして顕在化するおそれもあることを考えておく必要があります。

5.厚生労働省の2014年委託調査により、ギャンブル依存(症)者は国民の男性8.7%、女性1.8%、平均4.8%で計536万人いると報じられているところ、これを是正する責務を有する県の健康・衛生施策のなかでその是正のための具体的対策を示されること。

6.既に県下では長年ギャンブル依存に苦しむ本人とその家族、さらにその治療や問題解決にあたっているNPOらが存在し、県としてそれらを支援するための具体的施策を示されること。

 これらの1~6の要望点は今や、国としても地方自治体としても無視・放置できないことであり、既に取組が始まっているところもあります。
 本要望書を県のあり方検討委員会に対して(同委員会への公聴(パブリックコメント)の機会はないとされましたが)、要望書の一つとして提供されるとともに、県当局、県知事として真摯な対応をお願いします。 
 以上、本要望書各点についてすみやかなる御回答をお願い申し上げます。
草々

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「公認」ギャンブル依存カルタ

あ 朝一にパチンコ店に並ぶのだ 当たりの台を選ぶが先と
い いい台を導入したと宣伝す 金曜朝刊折込チラシ
う 虚(うつ)け者といわりょと 今日も競輪に 昨日負けてもきっと勝つから
え えらい人 ホトケ様でもなるという のめり込みます ギャンブル依存
お 大穴を狙ったけれどハズレたり 続けりゃ負けると わかっていても
か 貸し玉というらし玉を積み上げん 金になるから打ちてしやまん
き 競艇と競馬競輪これ3K 公営でやる賭博開帳
く 釘でして コンピューターでも調整す 詐欺ともいえるパチスロの裏
け 警察が認めてくれる賭けの場は 遊技で換金 名三店方式
こ 高利でも借りてやりたいボロ儲け 勝つと思ってやるのが病気
さ サッカーのトトカルチョとは予想する トトのビッグは機械におまかせ
し 借金を重ねてもなお止められぬ 勝てる気だけの返せる目算
す スロット機 カジノの主流ゲームです 世界一多い 日本のEGM
せ 世界中カジノあります導入を! 既に万余の パチスロカジノ
そ SOGSが3点あれば問題で 5点以上で病的賭博
た 宝くじ 一度当たればアディクション 当たらなくても買い続け
ち 智があれば判る筈とはいうけれど 止まれぬ気持ち ドーパミン故
つ ツキがくる 今度はきっと勝てる筈 そんな想いで賭けは止まらず
て テラ銭を公共目的使います 庶民を欺す 公営賭博
と 取られても取られてもなお止められぬ フィーバーをした あの想いまた
な なぜ多い ギャンブル依存 日本では 簡易できる 近くのパチンコ
に 日本のギャンブル依存 推計で536万人 世界最大
ぬ 盗み金 欺した金も注ぎ込み どのギャンブルも止めるとこなし
ね 狙われる 日本人の高齢者 海外企業 数兆かけて
の 納税をする人もない ギャンブラー 勝ったら所得 思う人なし
は パチンコを上場企業にできぬのは 隠れたバクチと判るから
ひ 火の車 なっても勝てば返せると 借金重ね 賭ける毎日
ふ 不可能とギャンブル止めぬ言い分は どこまで本音か 言い訳か
へ ヘッジとは親胴元の勝つしくみ 控除多けりゃ 子が早よ負ける
ほ 本命に賭け続ければ必敗と 大数法則 判っていても
ま マルハンやダイナムに行く億の金 君は知らねば 金注ぎ込みし
み 認めない 賭博依存の本人を 立ち直らせる 病の自覚
む 昔から無職渡世のやる博奕 今は無職余生の貯えし金
め メンタルのクリニック行く人はまだ 救いの道を 自ら開く
も もし玉が景品だけで終わりなら すぐにも止める パチンコの客
や 薬酒 物質依存 ギャンブルは行動依存 ブロセス依存
い 依存とは なければ困る対象に ノム・ウツ・カウは三大嗜癖
ゆ 夢を売り 夢を買うのが何故悪い 賭けとくじしか視えない我は
え えらい借金 何度もあって 叱られて 尻拭いされ また繰り返す
よ 予防する はじめ警告 教育し 病の者は立入規制
ら ラスベガス 抜いたマカオの売上は 中国人のVIP客故
り 理解してもらい難きは ギャンブルに依存したのは 自己責任と
る ルールとは 賭博開帳 くじ売りが 必ず勝つという仕組み
れ レジャーとて スポーツ、ゲームいずれでも 金を賭ければ 病い始まる
ろ ロトにトト ビッグなクジにスクラッチ カタカナクジで窓口賭博
わ 我が子でも熱死させます駐車場 親の頭も熱中症
ゐ 依存する環境なくせ 教育も 初期に発見 ケアーも開始
う 生み育て 増やしています射倖心 宝くじから公営競技
ゑ ヱライコトなってしまった でも勝って 穴を埋めれば マアマアいいか
を 可笑しいと頭半分判っていても つい引きずられ 賭けゆく狂気
ん ん~とまあ 536万人 こんな病人どうして直す

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書籍紹介

1.『CASINOS』  ラルフ・テグマイヤー (1993年 フランス 400フランスフラン)
 この本は古書店で入手。大型B4版256頁、カラー写真や昔の図絵もたっぷりで世界のカジノを紹介している。仏語能力不足のため残念ながら詳しい内容までは紹介できないが、目次を辞書を頼りに調べてみたところ、「人の賭博(遊び)」「黄金時代」「賭博の資本(企業)」「賭博の欺瞞」「賭博のルール」「カジノ場目録」「巻末辞(用語解説)」等からなる。
 175頁までヨーロッパ中世から20世紀までの賭博が数多くの絵画や写真を引用して説明する。そこでは貴族らがルーレットやカード(バカラetc)等に興ずる有様が写真と文章で紹介されている。
このカジノが完全に企業となるのがラスベガスである。そこでは大衆カジノとなった。その他植民地の香港、サイゴン、マカオも紹介される。
 カジノ場はドイツのバーデンバーデンやハンブルグ等10箇所、イギリスのロンドン、そしてアルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ブルガリア、エジプト、スペイン、アメリカ合衆国、フランス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、マカオ、マレーシア、モロッコ、フィリピン、モナコ等々から船上カジノまで、とにかく世界中に拡がるカジノを写真で紹介する。また、ルーレットやブラックジャック、バカラのルールやカジノホテルも紹介。
 即ち、カジノには欧州型(モナコ型)の上級ギャンブルゲーム遊び型のものと、ラスベガス・マカオ型の大衆・観光客遊興型があることが、その町の風景や歴史からして判る。大衆型のカジノといってももちろん外国人金持ち向けのVIPカジノもある。


2.『新・観光立国論-モノづくり国家を超えて』 日本総研・寺島実郎
 (2015.6.25 NHK出版 1836円)
 ほぼ同時期に同名「新観光立国論」でデービッド・アトキンソンという日本在住の長い人の出版があったが、こちらの寺島本は観光の中でカジノをより強調している。ただ何が何でもというスタイルでなくIRカジノも時・場所・条件に応じて考えるべきと詳しいお膳立てをしている。寺島氏は落ち着いた論客だが、多摩大学学長になったころ(2009年)からIRにカジノがあって良いというスタンスになり、カジノ派に右足を乗せている。
 日本総研はIRカジノをコンサルし、研究員に担当させるというところであり、IRカジノはOKという立場になりつつあるようだ。しかし、ギャンブル依存やマネロンなど負の影響については研究も検証もなく、寺島氏の過去の実績や一般評価を落とすことになりそうだ。
 地域社会の衰退や貧困化への一対策というにしてもお粗末である。早速、阪南大学櫻田教授から寺島氏のいう日本の統合型リゾート経営は無理だという批判があがっている。


3.『ギャンブルと財政・経済』 アレックス・ラグナー著
 (1969年8月 全国競輪施行者協議会)
 原著は1966年出版の「The Economics of Gambling」で(株)ユニバーサル通信社訳。著者は「偽善をあばき、成人のギャンブルを行う自由を守り、ギャンブルが公共財政に貢献している事実を証明しようとしたものである」と述べるように、ギャンブル肯定論者である。
 第1章ではギャンブルの背景(近代ギャンブルの発生等)、第2章ではギャンブル論争の要点としてロッタリーと政治モラルからプレミアム債権、税金、公営について、第3章では外国のロッタリー、宗教、バランスシート、英国のギャンブル、収益と国家予算、フットボールプール、課税技術、公営ギャンブルの保護政策を述べる。
 ギャンブル論争では、氏はギャンブルの美化も中傷も否定する。ギャンブル事業者が事業を投資対象と呼ぶと嘘つきという。慈善事業への収益寄付も人気取りの技と切り捨てる。しかし、政治家は10のギャンブル規制の中の関門をつくったという。それは①個人の利益を求めることは悪か、②ギャンブル事業の目的が社会的に価値のあるものであれば悪を浄化できるか、③合法化は、④付随的に人間を幸福にするか、⑤財政的収益は、⑥販売目的広告は、⑦賞金の価額、⑧貯蓄債権(プレミアム債権)は、⑨失業救済か、⑩国家予算における収益 である。
 なお、著書では日本の賭け事について「ギャンブルと宗教」で神道について述べている。「神道はギャンブルに関して言及していない唯一の大きな宗教である。神道は物欲の欠如を賞賛もしなければ物欲の存在を必要悪として認めもしない。・・・地方自治体のロッタリーは尊敬を集めている」と。
 英国のギャンブルは王室委員会の三度の調査で成人5人に4人は合法的ギャンブルを楽しんでいる。国民所得を100%とすると、酒類は5.0%、タバコは5.1%に対し、ギャンブルは2.3%の支出。1964年で、ギャンブルの総支出14億ポンド(1.4兆円)、1970年で23億ポンド(2.3兆円)という。


4.『賭け事に関する「英国王室委員会報告書」』 全国競輪施行者協議会 (1968年)
 この報告書は、1951年の第二次英国王室委員会によるもの。報告書は「国家は社会的に問題とならない限り、一般市民の楽しみを阻害してはならない。もし制限を必要とするならば、それに代わるものを準備すべき」として、賭け事を基本的に容認するものである。この報告は、ギャンブル自由論者の論拠の一つとなっており、「競輪」の協議会が訳書を出したのもその自らの事業を正当化するためだろう。
 なお、英国と日本は歴史、文化、行政事情も少なからぬ相異があるし、言語の相異も多い。報告書は「Royal Commission on Betting , Lotteries and Gaming」が原著名だが、ベッティングはおよそ競馬、ドッグレース、フットボールの賭け事、ゲーミングは日本の麻雀、パチンコ、トランプ、ダーツなどで、ロッタリーは「くじ引き」をいう。なお、賭け事にコンペティション(懸賞、クイズ)、ブックメーカー(ノミ屋、公認も)、トータリゼーター(配当金算出法)などの用語説明も付している。
 報告は、審議経過等の序論、第1章/様々な賭け事の現行法、第2章/賭け事と国家経済、第3章/賭け事の実情、第4章/賭け事の社会的影響、第5章/賭け事立法の原則、第6章/場外ベッティング、第7章/プールベッティング、第8章/場内ベッティング、第9章/ロッタリーとコンペティション、第10章/ゲーミング、第11章/ベッティングの宣伝と予想屋、第12章/法廷と賭けの契約、第13章/勧告の大要、そして追補からなる。(追補は①委員会の証言者一覧、②統計資料、③フィリング氏提出の配当金算出法などがあるが、本書には②のみ)
 報告はもちろん賭博を全く自由にして良いと勧告するのでなく、①法の統合、②ベッティング、③ロッタリー、コンペティションなど現行規制の承認と一部改善、③客に対して不平等や消費者保護を加えている。18才未満のベッティングや娯楽街への入場規制、ゲーミング1、プレイヤー1、料金5シリング(250円)まで、賞金は20ポンド(2万円)まで、場外券売場(場外ベッティング)の禁止などが続く。
 英国は長年多数の法令で様々なギャンブルごとの規制が多く、統一した基準の下に統一化を求めているが、自由放任のギャンブルなど容認されておらず、消費者保護の視点での詐欺的なもの、高額化射倖心の刺激抑制などの規制は今も生きており、日本より細部までの規制がなお存している。
 この報告は、今日私達のいうギャンブル依存症の弊害防止という視点では十分でない。しかし、賭け事への参加頻度、常習化の問題、限界度は認識されている。特に「賭け事業が私企業の手に委ねられている限りは搾取と欺瞞行為、そして賭け事に対する誘致行為を阻止することは不可能であろう」(116頁)という。日本の公営ギャンブルも私企業に委ねられており、王立委の指摘する事実は現に存するである。
 日本ではこの報告書をギャンブルの自由を認める意見としてよく利用されるが、よく読めば賭け事好きな英国社会での数多い法規制の“山”に整理を求めた報告といえる。


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ギャンブル雑学 ~ギャンブル(Gambling)の分類

 「賭け」のうちお金を伴うものが賭博(博奕)、そしてゲーム(Game)のうち金品を伴うものがギャンブルです。

1.賭博(ギャンブル)のゲーム道具による分類   
(1)サイ(die,dice) ・・・ チョボ、丁半、大小etc
(2)カード・・・トランプ(ブラックジャック、ポーカー、バカラ)、花札(追丁、カブ、コイコイ)etc
(3)装置(ルーレット、キノ、大小)
(4)マシン(スロット、パチンコ)
(5)その他ゲーム道具(麻雀、将棋、チェスetc)

2.賭博(博打・博奕)と富くじ (公認ギャンブル)
(1)日本の公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)からドッグレースまで
(2)宝くじ(ロト、ナンバーズ、スクラッチ…)、toto(BIG)、イタリアのトトカルチョなど

3.法規制上の分類
(1)賭博(①単純賭博、②常習賭博、③賭博開帳) ← 刑法上禁止、処罰対象
(2)富くじ(発売と取次)            ←     〃
(3)特別法により合法化されたもの(競馬法、競輪法、競艇法、小型自動車競走法、当せん金付証票法、スポーツ振興投票法)

4.賭博のゲームをする場所や賭け方法の分類
(1)競技場 (2)場外券(売場) (3)電話投票 (4)オンライン(通信) (5)カジノ
(6)投機取引、銀行、証券会社、商品取引会社と取引所

5.賭博(ギャンブル)とソーシャルギャンブル
 Speculationは投機と射幸を指します。ギャンブルは人の射幸心によるものです。株式取引、商品取引、先物取引も一定のルールの下、ソーシャルギャンブル「投機」として認められています。この一般のギャンブルとソーシャルギャンブルは、将来の一定予想をもとに結果次第で取引者にとって大きな損得が決まる点は同一です。
 ソーシャルギャンブルは株式では配当への投資や相場の上下変動を見越した売り買いという投機「賭け」というものです。公正なギャンブルの結果はランダム(規則性のないもの)で勝ち負けを予測できないようにしていますが、ソーシャルギャンブルでは一定の投資資料、経済予測もあること、投機により一定時期の決済が求められ、プレイヤーを楽しませるための「ランダムな偶然性」は設定されていません。


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コラム

船上クルーズのカジノ
 2015年7月16日朝日紙に英国船籍のクイーンメリーⅡ2016ワールドクルーズの広告が載った。関空から乗船、香港、ベトナム、タイ、シンガポールをめぐるもので日本人はシンガポールから関空に飛行機で帰国するという1人31.8万円~83.8万円までの船室を案内している。その船内にはカジノがある。英国船籍カジノで「外国」でのカジノだから日本人も御自由にという趣旨だ。この船上カジノは日本の旅行会社で客を募集。乗船から下船まで(このツアーでは10日間)カジノ三昧になれるというもの。


国定忠治の辞世
 1850年12月21日、国定忠治は上野国大戸村で磔(はりつけ)の刑となる。忠治は博徒でお上に逆らい続け、殺人、関所破りなど数々の罪を犯しているから、本名長岡忠次郎が1500人の観衆を前に磔を演じるまで大衆のハイライトを浴びた。
 この磔刑は浅草弾左衛門らによって左右の脇腹から肋骨を刺し貫き肩上に出すもので、忠治は14回の間、一槍ごとに目を見開き、目を閉じ、突き抜きを繰り返したと記録されている。そして忠治は、辞世の句を残していた。記録された日記は二つあり、
 見てはらく なくして苦敷 世の中に せましきものは かけの諸勝負
 見ては乗 なして苦しむ 世の中に せましきものは かけの諸勝負   
とあり、ほぼ同一である。どちらかの写し誤りだろうか。それとも厳密にいうと死後誰かが作った可能性もあるが、大博徒の国定忠治にしての句であろう。


賭博とカルタ
 万治(1658~1661)時代の仮名草子『浮世物語』に「博奕の事」という章がある。
 「何時の比よりか南蛮よりかるたと言へる物を渡し 一より十二に至り四組になして勝負を決す 今は迦烏(かう)・追重(おいちょ)といふことをして 人の前にまきわたす絵を こなたより推して知る事 通力あるがごとくなる上手の鍛錬ある者 世に多くなりけるほどに これに出合ひて立つ足もなくうち負けて一夜のうちに乞食になる人多し」
 また、「博奕の異見の事」で「諸人の博奕をいましめんより 賽をつくることをとどめ かるたをつくるを禁制し給えかし」とある。
 「雍州府志」は48枚のカルタの解説を「畢意、博奕の戯なり」とある。
 このようにカルタは博奕として禁制のものであった。


「適度に楽しむパチスロ」で「存分にお愉しみ下さい」
2015年2月からパチンコ・パチスロホールの全国組織である全日本遊技事業協同組合(全遊協 任意加入団体)は加盟店の広告紙に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」「のめり込みに注意しましょう」という広告文言を入れるようにした。
 ところで、近畿のパチスロ大手123(延田興業)は奈良県内2店で「総台数1723台のパチンコ・スロットのスケールでお贈りする」「123で存分にお愉しみ下さい」と一回り大きな文字で折り込み広告している。
 では、「適度に楽しむ」ことでパチンコ・パチスロで「存分にお愉しみ」はできるのか? 「適度」とは「ちょうどよい」「ほどよい」こと。「存分に」とは「思いのまま」「思い通り」のこと。だとすれば矛盾はないのだろうか。「ほどよい程度でパチンコ・パチスロを楽しむ」のと「思い通り」愉しむは同じことだろうか? 楽しむの楽は木の柄のある鈴に由来するガク・ラクの楽であり、愉しむの愉は心の安らぐことをいうとすれば同義である。適度は客観性をいい、存分は主観を中心に表しているといえる。
 いずれにせよパチスロ店の広告は客観的な適度より、思い存分にギャンブル(店の建前はゲーム遊技)をやってくださいというのである。


「責任あるギャンブル(Responsible Gambling)」
2002年にアメリカにNCRG(National Center for Responsible Gaming)「責任あるゲームのための全国センター」ができた。ギャンブルはほとんどの人が健全に楽しめるエンターテイメントとし、ほんの一部の「脆弱な者」が依存症に陥ることを抑止することでギャンブルの健全性を維持できるという考えを「責任あるギャンブル(Responsible Gambling R・G)」という(カジノ界はResponsible Gaming)。
 この考えを米国ゲーミング協会(AGA 1995年発足)が用いて、ギャンブル依存症と治療法への研究を財政的支援し(~2014年 2250万ドル)、「行動規範」「code of Conduct for Responsible Gaming」も明示した。この「行動規範」は業界側の客への相談対応レベルで、客側に「責任」を求める。欧州カジノ協会(ECA)も同様である。R・Gは客に責任を転嫁する「危険」な言葉である。


ガンジーの箴言(しんげん)
 ガンジーの箴言に「七つの社会的罪」(Seven Social Sins)の中に、「労働なき富」(Wealth without Work)と「道徳なき商業」(Commerce without Morality)がある。今のギャンブルやこれを商業化するパチスロからカジノまでのビジネスは、ガンジーのいう労働や道徳があるとは認めがたい。盗み、詐欺、賄賂はもちろん、人から奪った金も色は付いていないとの商業(取引)を許し、「良心なき快楽」(Pleasure without Conscience)を否定するのも「罪」である。


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妄言!?  ――7.13国会内カジノ推進派によるカジノフォーラムinTOKYOでの谷岡一郎氏発言――

1.谷岡大商大学長は、ギャンブル依存症についてのTV番組にカジノ賛成派として出演し、反対派に500万人の依存症患者がいてカジノができないとするとあなた達はどうするかという質問をしたという。以下は、谷岡氏の発言として伝えられるところについてコメントする。

谷岡氏:「するとカジノ反対派は『それはカジノと別問題であり、別の法制化で予算すべき』とした。これに対して『当たり前です。でもそれができる国ですか。今からギャンブルにかかわる省庁を巻き込んで拠出させる、治療しましょうという法案は10年じゃできません、20年かかる。その間あなた達はほっとくつもりですか』と追及した。そしたら反対派が『精神医学者を増やす』と言ったので、『何人増やしたら500万人を治療できますか。予算をどうするか』と尋ねるとまともに答えが返ってこなかった。」

コメント 谷岡氏は、親を継いで大商大学長になった人だが、こんな本末転倒の矛盾した追及で「勝った」と自慢している。ギャンブル依存症を放っておけないのは、カジノ反対派でなくその責任の第一にあるギャンブル推進派の業者、役人、御用学者であるはずだ。それをカジノ反対派が病人を生んだかのようにいい、また放置しているかのようにいうのは「盗人」の論理である。


2.谷岡氏:「私共もカジノだけが依存症の理由ではないことを知りつつも、やはり業界がある程度は負の側面、社会に対して責任があるとして対応していきましょう、相談ものりましょう、その上で社会全体で協力し予防していきましょう、536万人もいる、この上どうするんだという議論をしたがでてこない。」

 コメント パチンコ、競馬、宝くじなど依存する問題について相談にのるが、これは社会全体の問題だとはぐらかす。原因者負担責任を考えない。支離滅裂である。


3.谷岡氏:「考えて下さい。日本は株だの先物取引だのみんなギャンブルの一種。そのリスクをとるだけの根性はあるか。根性がないと周りの国に追い越される。我々が幸せな社会を享受できるのは、いろんな人がリスクをとりチャレンジしてくれた結果だ。」

 コメント 経済的にはリスクヘッジの必要な取引とバクチを同一視して、ギャンブルを幸せな社会のシステムとしている。学長のレベルがこうであれば、どんな経済学教育をするのかと怖ろしい。


4.谷岡氏:「ギャンブル依存症は統計的に一時増える。ドメスティックバイオレンスのホットラインがあればその件数が増えるように。しかし今まで気づけなかった人がどこに相談すればいいかを知る。昔のDVの報告水準でよかったんですか、見て見ぬふりをする社会ではいけない。」

 コメント 統計上の水準は調査を深めれば上がるし、それへの対処はもとより必要。それをギャンブルとその許認可庁が放置していることがいけない。現状でも対応をとらないでカジノ反対派にその責任を転嫁するのは無学である。


5.谷岡氏:「地方にはカジノの適地不適地がある。アトランティックのカジノも金を得て住民は利益を得た。今うまくいかないといっても、それは40年の間に条件が変わったからで、これは世の中がアトランティックに追いついてきたと考える。日本は大都市圏が1時間以内にあり、有力な候補になる。」

 コメント 要するに、早い者勝ちでカジノをつくれば、後から追いつく者のない間は儲けられる、日本は一日観光資源が山程あるというのである。ミニカジノのパチンコ屋の12000店とまでいわなくても、1000地区以上の適地はあると言いたいかのようだ。東大阪市の大商大にカジノ学部を作りたいのだろうか。


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富くじオンブズ考

① 富くじと詐欺
1.賭博(博奕)と富くじは、人の射倖心を利用した「アウトロー」の世界であるが、実は賭けにみせた「詐欺」の世界でもある。特に賭博開帳、富くじ販売の側は必ず儲けるため、客に対して様々な工作をしている。映画で見るように賭博・富くじはイカサマや詐欺が常態している。
 富くじは縁日の子ども相手の店が商品くじの一等は実は当たらないようにしている「子供騙し」から、コンピューターで高度化し今では大人の目をも誤魔化す錯覚を使っている。

2.まず、富くじの発売が完全に公正且つ抽籤が公正化というと、現実は主催者の「良心」に依拠している。「公正らしさ」は見せても完全な公正の証明はできていない。その一例を示すと宝くじはほとんどの客は番号を選べない。特に組番号01~100番は選べない。組違い6ケタ(100,000~199,999)も事実上選べない。例え全てを買ってもその段階で購入額の半分以上の損が確定する。ここに一つの落とし穴がある。
 01~100組の1000万通りのくじを1ユニットとして「6億円」が当たると宣伝するくじは、その中の1枚を1等4億円とし、前後の番1億円を連続で当てた場合である。2等は別の組の別の番号で、例えば2本1000万円とする。ジャンボで144本6億円(前後賞ともで)が当たるというのは、144ユニット(14億4000万枚)のくじを販売できた場合の仮定である。1ユニットは1~100組の6桁数字の1000万本であり、その144ユニットが全て売れることなどほとんどない。発売者の計画に反して100ユニット止まり、しかもそのうち80%どまりということもある。
 そして144ユニットのくじは、組と各番号を全国の誰でもが自由に選んで買えるようにはしていない。50ユニットを売場に廻しても売れ行きが悪ければ残券があるのに、さらに01~100組までの全番号ユニットを無作為に売場に廻すこともない。すなわち、売場はたまたま配券されたくじを売るだけで、売場は券の組も番号も客の希望に応じられないのである。
 また、配付券の完売を全国に確認してから追加ユニットを売場に廻すという訳ではない。売ったのは01~50組が多く、51~100組は0ないし少なくなるケース、極端に言えば51組は10万通りあるが60組は5万通り、100組は0という売り方になることもある。すると下6桁は組に関わらず当せん確率としては平等でも、組指定の1等~2等は、抽選器は01~100の100本に1本の組番号を指定しても、発売が抑えられているため当せんは1000万本に1本でなくそれ以下であることが生じるのである。
 01~100組の1ユニットも売れないということはないから誰か1~2等当せん者は出る。しかし、多くのユニット発売の「トリック」で1等当せんを宣伝するが、1~2等当せんは発売券の枚数に照らして少ないことが生じる。それはシステムとしての「詐欺」である。

3.では、同じ「富くじ」のスポーツ振興くじ(toto)はどうか。このtotoの主要収入はいわゆるBIGであり、これはいわば機械が試合結果予想の番号を決めたくじを売り、実際の試合結果との当たり外れを照合するものである。
 このtotoは1等(全試合的中)がでないこともある。その場合次回に一定当せん金を増やす「キャリーオーバー」というシステムがあるという。宝くじのロト6、ロト7でもキャリーオーバー制が導入されているが、次回のくじの1等に繰り越されるという射倖性を高めたものである。しかし、キャリーオーバーというも前回未配当金の全額が後の当せん金に加えられる訳ではない。その操作も「詐欺」である。
 BIGは最高10億円、宝くじは8億円などと、まず一般には期待できない当せん金で客を釣るのも「欺し」だが、その機械選定も公正か疑問であり、その機械が公正に働いたことは客には判らない。結局売る側が「公正」と称して券を売り、客は信じるしかない「信仰くじ」である。

4.ところで、「スポーツ振興投票」というtotoの収益金は、本来全国民のスポーツ振興を通じた健康増進のために使うというのが「美名」だ。
 しかし今回、国立競技場の建設問題でその資金として使われる巨額さが明るみとなったように、実際はとんでもない使われ方をしている。現状、totoは売上(発売額)が1000億円レベルである。このうち配当は45%450億円ほどだが、他に販売経費が必要で客から550億円を収奪しても収益金は400億円くらいである。
 ところが現在、totoの毎年の売上の5%(約50億円)を競技場建設にまわすことが決められている。するとスポーツ選手養成への費用はその分減る。減る額も年間何十億となる。国立競技場2520億円プランに泣いて抗議したアスリートはこの辺りも判っていたのだ。しかし、年50億円を将来3000億円の競技場建設費にまわすと60年もかかる。そこで5%を10%にして毎年100億円をまわそうという案が出ている。
 結局、国立競技場という箱モノを建設するためにtotoの売上が使われるのだ。それももし1000億円売って900億円から150億円の経費と45%配当450億円を引くと収益金は300億円となる。そのうちから選手養成費、国民スポーツに少しずつ廻しますというのだからこれも「詐欺」である。


②突 富 考
1.日本法制史の学者石井良助博士の『江戸時代漫筆』(昭和34年5月25日発行)に「突富のこと」という章がある。富くじのことを江戸時代は「突富」「富突」あるいは「富」と呼んだ。箱の中の木札を錐で突き刺して当せん者を定めたことに由来する。江戸時代初期、幕府は禁止していたが、享保年間に一部の古社寺の修復費用用として許可した。これを「御免富」というが、もぐり、闇の富もあり、これを「隠富」といった。「福引」「福富」「見徳」とも称された。江戸、京都、大阪に御免富が認められたが、江戸では谷中感応寺、湯島天神、目黒龍泉寺の「三富」が許されたという。代表的な三富は一枚1分、札数1000枚、一の富は100両だった。もっとも2万~3万の札を売った例や、当せん金が50~1000両のものもあったという。
   感応寺 命からがら 一分捨て (富札を一分で買うも大勢詰めかけて大変だった)
   にっこりと 一人か二人に 富場出る (1000人に1人2人は当たり、にっこりする訳)
   富札を引っ裂いてある首縊り (富札に当たらず首をくくり死)
 このように昔から富くじに狂奔する様は川柳のテーマだった。柄井川柳が博打の川柳を禁止したのは非合法な行為をテーマにして権力者の怒りに触れたり「日常化」するのは「笑い」にできないと考えたからだろう。しかし「富」は官許されており、ヤミの隠富も含めて川柳の句は多く生まれた。

2.では、今の富くじである「宝くじ」「toto」はどうか。実は欧米では富くじ購入を無差別に宣伝することは禁止・抑制されている。なのに日本では宣伝屋(電通、博報堂など)が様々なテレビなど子どももみるメディアを使い、五七調、七五調のリズムのコピーも使って富くじやtotoを買わせる。
 例えば、BIGのCMは「まさか!でもありえる大当たり」、宝くじは「買わなけりゃ当たらぬ宝くじ」、ロト・totoは「今すぐに キャリーオーバー発生中」と煽る。これをヒントに四苦(句)。
   千万に たった一枚ありえます   (自分にはまさかで 他人にはありえます)
   当たらない 損する券に 苦分苦厘 (99.…%はハズレ)
   本当は 選択できない 選択くじ  (組などetc)
   3000円 連番買いして 300円   (必ず2700円の損)


③富くじ関係カタカナ語解説
ハンディキャップ(handicap)
 勝負を公平で面白くするために、優者に負わせる負担、逆に弱者に与える有利は持ち点や条件をいうが、不利な条件、身体の障害の意味でも使われる。だが、その語源は「hand in cap」で帽子の中に手を入れて取る富くじとも言われる。競馬で賭け金を帽子に入れたことに由来するとも。
 しかし、実際の賭け事は賭博開帳者にハンディを負担させることはなく、賭場の客に損失の負担がなくなる条件設定はない。 “寺銭”や“詐欺”“ゴマカシ”しかない。ハンディキャップレースもそのハンディで成績、結果が逆転するまでの条件設定はないのである。

スクラッチ(scratch)
 「ひっかく」という語はscrat(傷をつける)とcratch(傷をつける)の混成語。この語のとおり、当たり番号をコインなどでひっかいて当せん落せんがわかり、窓口で換金できる即くじ方式の宝くじで使われる。しかし、従前はゴルフでハンディ0のこと、ハンディ0のゴルファーやハンディのない試合のことで、ボウリング競技でも使われる。なお、レコード盤を逆回転させたり、手でこすってノイズを出すことにも使われる。自転車のスクラッチレースはトラック2周の先着を争うもの。

ロト、ロッタリー(Lot , Lottery , Lotterie(独), Loterie(仏))
 Lotはくじのこと、Lottoは5枚の数字カードを並べる遊び。Lotは製品の一単位、運命、分け前なども意味し、くじで分けるからくじ引きする意味になった。日本ではロトはくじのこと、ロッタリーはくじ引き、富(宝)くじ、そしてロットは今や宝くじの一種のナンバーくじと理解しておけば区別できる?!

ナンバー(Number)
 「数える」ことから数字、番号、記号は「No.」。ナンバーズゲーム(数字当てのくじ)は宝くじの一つ。宝くじ売場を連日の“賭博券”売場とするもの。なお、ナンバーズゲームには違法な数当て賭博もあり、例えば新聞公表の下3桁の番号を当てるものなど。欺瞞的に数字を持ち出し、自説を補強することは政治でもよく使われる。ナンバーで決める宝くじはそもそも詐欺のナンバーズゲームであろう。

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日本のギャンブル事業の欠陥

 滝口直子大谷大学教授は「ギャンブル産業の害を最小化する責任」が果たされていない(というよりほとんでできていない?!)ことを主張され、「ギャンブル害の最小化政策を求める会」を結成し活動されている。 その主張は被害者の現実に支援の手を伸ばされつつ、あまりにもひどい日本のギャンブル産業と公共政策(政府・自治体の施策)の欠陥に改善を求めるものだ。教授が発行されているパンフレットを要約する形で会の活動を紹介する。

1.子どもの未来をギャンブルに賭けることなかれ
 まず渦中にある依存障害(disorder)にある人、家族、そして世の中がギャンブルに対する世の正しい理解をすること。

2.ギャンブル産業のギャンブルの害を最小化する責任
 控えめな整理をされているが、ギャンブルは人を「はめ」、善悪の判断にも影響を及ぼすことから産業の側に依存防止責任を求める。ギャンブル産業は「問題ギャンブラー」からの収益が高いこと、パチンコ等のギャンブルの場とマシーンが人を「はめる」特徴を指摘する。
 すなわち、ギャンブルの害を最小化どころか極大化している点を批判する。

3.ギャンブルで本人、家族、子どもへの害、貧困など弊害があるのにギャンブラーが回復の場に出て来ない。(被害者が救済を求めるまでの被害(借金苦)期間が長い。)

4.ギャンブル被害対策は予防が第一で、ギャンブラーの自己抑制には消費者保護の体制(情報開示、ギャンブルの金と時間の自己設定権、援助体制(資源)等へアクセスする権利の確保。

5.ギャンブル場の消費者保護対策の認証制を提唱する。(カナダでは、(1)企業の政策・方針、(2)自粛(立入禁止)、(3)広告・宣伝規制、(4)インフォームド・コンセント(十分に説明されたゲーム参加)、(5)問題あるギャンブラーへの支援、(6)金へのアクセス制限(貸金、ATM設置禁止など)、(7)ギャンブル開催場とゲームの特徴のチェック、(8)従業員教育について専門家の第三者が審査基準を満たしているか認定する。)

6.問題ギャンブルの専門的治療訓練(ギャンブル産業からこれら機関や組織を進めることになる寄付禁止)など倫理条項

7.ギャンブル管理・監視委員会、研究機関、治療期間の独立性保証、利権腐敗の温床除去の最大限努力
 
 以上、いずれも日本では理解も制度保障もなく、現状は事業者側の収奪が放置されている。公認(黙認)ギャンブルは監督庁との利権癒着があり、収益をあげることのみが目的化され、これが世界最大の病癖(障害)を生み出している。 

(Y)


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民営賭博と公営賭博

1.アメリカのラスベガスをはじめ各州のカジノは「公許」ではあるが民営カジノである。これに対し欧州のカジノのほとんどは「国営」「公営」カジノである。
 世界的にみて完全に賭博を自由にしている国はなく、許可しているのもカジノは外国からの観光遊興客で成立している特殊な地区の特別な場所だけである。賭博禁止の法の枠を除外するには、例外とするその賭博開帳者や富くじ発売者が自由な民間営業では認められない。
 ギャンブルの収益と経費の完全把握、ゲームの公正化とマネーローンダリングや脱税の防止、治安、依存症など客へのケアの確保、そして収益金使途の適正確保という点で、政府の公的支配・管理が必要なためでもある。
 日本でも賭博の開帳、富くじ販売は政府・自治体ないしその統轄下の特殊法人にのみ認められている。日本のパチンコ・スロットは民間業者が行う「遊技業」で、すなわち金を賭けたギャンブルでなく、一定限度の賞品付きゲームという建前である。(パチスロは商品を裏で換金する三店方式で脱法しているが、警察と遊技業界(遊技店業者と遊技機メーカー等)の運用と癒着により摘発を免れているだけである。)

2.このように例外として賭博や富くじを「公認」するとしても、民営を認めるかどうかは法的に別の問題がある。賭博開帳を禁じ常習賭博や博徒の生まれることを禁じている法制度は、射倖心を利用して場を設営し人を集めることは賭博を習慣化させ、勤労や教育上の社会への弊害を生むということに注目しているのだ。戦前の大審院判例や昭和25年の最高裁大法廷判決以来、日本の司法判断はその立場に立っている。
 しかし、賭博やくじ(ロッテリー)を個人の趣味としての自由を認めてよいという考え方が20世紀末以来主張されており、また、軽い単純賭博(個人間での娯楽としてのギャンブル)は処罰しないという国も多い。日本でも一時の娯楽としての賭博は処罰対象にならない。しかし、賭博場を開設したり常習賭博を自由にさせる国は限られる(というかほとんどない)。マカオやモナコのようなカジノを認める国・地域でも「公許」「公認」の条件がいる。

3.特別の条件が付されるとはしても賭博開帳(常習賭博に他ならないともいえる)を公認する国が多いのは何故か。またその理は何か。それは公許・公認の歴史がほぼ明らかにしている。
 富くじ、競馬、競輪、競艇でも明らかなように、その第一は政府が財政困難時に特定目的の収入を確保するためである。特別な歴史をもつモナコ王国や香港、マカオのような植民地都市では通常の財政収入を得にくいところが観光客から収入を得ようとしてカジノは生まれた。
 欧州ではモナコだけでなく18~19世紀から保養地・観光地で富裕層客の別荘地カジノや競馬等が生まれている。それは事実上特別階層の娯楽で一般民衆への勤労文化や教育文化を害するものではなかった。即ち、公認されたのは身分社会・階級社会の限定社会層の「遊び」だったのである。そこでは社会の秩序を乱すから賭博を禁止するとの考え方が及んでいなかったともいえる。

4.貴族や貧富の身分社会とそれを前提とする法社会を否定し、自由人権思想下の近現代において賭博が禁止されるのは何故か。それは賭博が一時のゲームで終わらず個人を依存症にしたり、勤労、教育、文化など健全な社会を損ね、反社会活動の誘因となるので、公共の福祉のため賭博の「自由」を制限するのだという理由になる。
 そして、ヤミの賭博を節度(限定し、詐欺など不正のない)程度のものに限って公認するという政策判断がされた。
 このように、公営賭博を認めるには伝統的な賭博禁止の保護法益を上回るものが求められる。しかし、それは日本の宝くじのように戦災復興のために政府・自治体への財政収入とする例外措置というものが多い。競輪等公営競技も昭和21~24年の特別法により生まれ、特定産業振興と自治体収入の方策であったことは明白である。(スポーツ振興くじ(toto等サッカーくじ)は平成12年の始まりであるが、スポーツ振興とスポーツ財源の確保志向との谷間で採択されたものであった。)
 公営賭博・公営くじには、そこに定められた①主催者と取扱者、②内容、③手続、④範囲があり、それ以外の者は刑事的にも処罰されて規制される。例えば、競馬法違反の「呑み行為」や証票法違反の「宝くじ券」販売は、政府の公許・公認する以外の行為によってその収益行為「秩序ある賭博(?!)」を害する者への処罰による規制である。ここでの法益は実は射倖心の抑制でなく、それを利用した賭博開帳の政府独占とコントロールによる施行への妨害の抑止であるとまでいわれるようになった。
 このような勤労等弊害を自認する一方で、賭博禁止の法益論より政府の定める「賭博秩序」を守るという考えを提唱する者も出ている。これは賭博を全面禁止しつつ一方で政府自らが公認賭博を広く認めるという矛盾する現代における率直な発想ともいえる。

5.しかし、限定した公設・公営賭博にも弊害はある。それは利権その他の不公正と官営事業の非効率、不経済である。賄賂や天下りなど癒着と不正である。近時、公営競技などの民間への包括的外部委託が拡がっているのは、お役所経営の非効力下の赤字を何とかしようというものだ。公営賭博の主催者はその弊害に目を向けず、収益を上げることだけを考えてきた。そして収益第一主義は民営賭博化をもたらしている。日本の公認賭博は正面から社会的弊害を考えていないし、マネロン、脱税、依存症など全く対策をとっていない。いずれも戦後の経済困窮期の公共財政収入の「補充」という下での収益思想のみで今も運営されている。                
(T)


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ギャンブルKeyWord

「ELSI」(Ethical , Legal , Social , Issues
 本来、医学領域で提唱された概念で、医療行為を医学的側面だけでなく倫理、法的、社会的側面にも照らして考慮すべきという方法。臓器移植、出生前診断などにはELSIが欠かせないという。
 帚木蓬生氏は、ギャンブル、カジノ、病的ギャンブリングについてこのELSIの視点を忘れてはならないという。カジノ推進派は経済効果と雇用創出をいうが、病的ギャンブリングへの警告と予防、環境整備を怠っていること、その上カジノができればより負の被害を増やすと警告する。


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カジノ(産業)の本質と研究に欠けるもの   弁護士 井上善雄

1.カジノ(産業)については、社会経済的見地、法学的見地、犯罪学的見地、心理学的見地、病的ギャンブルへの医学的見地等さまざまな立場からの検討が求められている。しかし、どの立場・見地からもまだ研究は浅く不十分である。
 ギャンブルは無規則、無政府状況での賭博から始まり、その弊害のための取締りであっても今日まで真面目に検討されることも少なかった。賭博や麻薬は19世紀に刑法での禁止が始まっているが、20世紀に入って酒・タバコは税収目的で規制が強化された。日本では、1945年以降は特に薬物の規制が強化された。しかし、富くじは1945年に戦時の財政収入のために始められた。
 賭博は長い禁止規制にもかかわらず隠れてなされ、あるいはヤクザによる公然賭博開帳までなされ、それを取り締まる警察との「斗い」が続いてきた。しかし、ヨーロッパ南欧を中心に一部の特殊別荘地での観光としてのカジノが近世に始められ、20世紀アメリカやマカオ等では他に産業立地が困難という理由で民営カジノまでが公認された。しかし、このカジノではマフィアをはじめ犯罪の巣ともなり、その斗いの歴史が規制の歴史であった。このため、政府側の視点で一定の犯罪的研究、法規制研究はなされたが、社会経済的研究や医学的研究、心理学を含む被害救済の見地からの研究を欠いていた。

2.社会経済学的検討はカジノの経済効果からはあったものの、今日でいう弊害の研究はほとんどなかった。アメリカにおいてはラスベガスから東海岸に商業カジノが拡がり、競馬、宝くじ、ドッグレースなどの競技ギャンブル、それも扱うレーストラックカジノ、さらにインディアンカジノは拡散拡大の一方であった。その民営賭博事業は観光を含む収益本位であり、その事業は建設、投資経済、雇用拡大というも、負の経済は顧慮されなかった。そのためギャンブルに批判的な良識ある社会経済学からの批判が起こったが、その研究には何の支援もデータ提供もなく、不都合な真実は隠されたのだった。
 カジノ産業の拡がりによって1990年代後半よりギャンブル経済学の研究が一定進むが、その研究発表の場もその財源はカジノ産業に依存した。カジノ産業によって提供された研究には、研究者が意識する場合はもちろん意識しないまでもその判断・評価にバイアス(偏見)が発生した。

3.正しい研究にはこれらのバイアスを排除した資金提供、情報提供がなされなければならない。必要なのは、第一にギャンブル癖、ギャンブル依存、障害についての脳生理学までの研究、第二にギャンブルが発生拡大させる交通事故から大量飲酒、薬物使用、売買春との関係と社会政策、第三に地域環境、教育・文化環境被害と影響とその対策、第四にギャンブルに伴う犯罪や破局と被害の救済策、第五に導入による政府への税収効果(変化)と経済上の影響、第六に負の社会的経済的効果、コストの評価、第七に自己責任論と行動倫理、ギャンブルに伴う富の急変動がもたらす倫理の評価である。
 しかし、カジノ等賭博の効用、プラス効果への研究はあっても、負の効果については研究が進まなかった。カジノ賛成のためにカジノ資本や観光資本は資金を出すも、その負の影響はそれを小さく限局化できる方向でしか資料と研究費を提供しない。これに対し、負の被害を受ける側はその研究資金も資料も提供できない。
 第一に日本で最大のギャンブル依存症と負の影響をもたらしているのは、三店方式で脱法ギャンブルとなっているパチンコ・スロットである。年25兆円以上の売上、5兆円にも達する粗利益は2千万人以上という大衆市民から得ているが、そこで生まれる犯罪、自殺から様々な社会的悲劇は放置されている。
 第二は、闇バカラなど犯罪賭博がある。検挙されるのはその一部に過ぎず、組織犯罪そのもので実態は隠されている。
 第三は、公営競技である。その収益金は毎年発表されるも、それにより得られる地方公共団体の公益がどれだけ実現されたかは公表されない。ましてや市民から収奪する事業によって生まれた負の社会的効果・経済的効果は、定量的にはもとより定性的にも調査公表されていない。
 第四は、宝くじやtotoなどである。これらは依存性が低いといわれるものの、ギャンブルの参加・普及の先導者で、収益増を目的とした射倖性の増大と無差別な宣伝普及の害がある。
 そもそも犯罪として禁止する行為を経済的収益を目的に行うには、その負の影響が克服され償われて余りあることが証明されるべきである。しかし、負の影響を研究すればする程その事業の正当性が損なわれるので、負の調査研究は避けられ、調査研究の内容は低く評価されるよう誘導されている。
 今日の日本経済はカジノ経済、ギャンブル経済といわれる程、強者資本の収奪経済が濃い。カジノ産業の本質について負の一部は隠し、効果の一部は誇大にし、負の結果は客である消費者の自己責任として正当化することは許されない。

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2015年10月02日

事務局だより

全国市民オンブズマン兵庫大会報告
9月5日~6日/神戸学院大学ポートアイランドキャンパスB号館


 昨年に続いてギャンブル・カジノ分科会(6日9:30~11:20)が依存症問題対策全国会議、全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会との共催の下もたれました。①ギャンブル依存症被害者本人、家族、相談支援団体(京都マック)の報告・訴え、②ギャンブルの罪悪等報告、③IR反対活動報告、④大谷大学 滝口直子教授の依存症防止対策の必要性とその内容報告等がなされ、様々な立場の参加によって時間が不足するほど充実した内容となりました。
 また、全体会にて「IRカジノに反対する決議」が採択されました。これは都道府県・政令市・中核市に郵送されました。


◇◇ IRカジノに反対する決議 ◇◇
1.2015年今国会に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下、IRカジノ法案)が上程されている。そして安倍晋三総理を元最高顧問としたIR議連が提案したこの法案は、十分な審議もなく可決される危険性がある。

2.IRカジノ法案は、今後2年以内に政府に民営IRカジノの実施法をつくらせ、2020年の東京五輪に間に合わせようという法案で、カジノに伴う①ギャンブル依存症等の発生・拡大、②治安悪化、犯罪の発生、③マネーローンダリング、脱税、④教育・文化環境の悪化を招き、そして本来許されない賭博を営利業者に認めるという利権まで発生させ、法秩序の否定をもたらすものである。

3.政府や地方自治体は、現在でも刑法185~187条の例外となる特別法で公営競技を主催したり、富くじ(宝くじとサッカーくじ)を販売しており、10兆円の公営ギャンブルがある。また、パチンコ・スロットの「三店方式」による換金を事実上黙認する警察の監督下で日本では既に売上24兆円、12000店と世界最多の「ミニカジノ」が存在する。

4.これによる日本のギャンブル依存は厚生労働省の委託調査で536万人と推計されている。そして、既存ギャンブルの周辺で既に客の借金や生活破綻、自殺、さらに家族の財産喪失から子どもの熱中死までが発生している。そして、ギャンブルに投ずる金のために窃盗、強盗、横領の犯罪も絶えない。しかるに、この弊害を生む主催者・企業はその防止の責任を全く果たしていないし、政府や自治体も被害救済に動いていない。よって被害救済と防止こそ急務である。

5.IRカジノは、人の射倖心を利用して、人の富を効率的に収奪するものであり、金を賭けないゲームとも異なり、人の弱みを利用する大規模な組織的企業活動である。
 国内外のカジノ企業、IR議連(カジノ議連)、カジノを推進する経済団体、そして誘致活動を行う一部地方自治体の首長は観光振興などというが、その経済効果さえ疑問で、市民から娯楽の名の下に財産を収奪する事業を進めるものである。

6.これは憲法の定める日本国民の幸福追求権、生存権、生活基礎となる財産権を侵害するものである。IRカジノを国会が認めることは、これまで日本にない民間企業に刑法違反の賭博開帳を認めるもので、憲法上、最大の尊重を必要とする人権と公共の福祉に反するものであり、絶対に許されない。

以上、決議する。

2015年9月6日
第22回全国市民オンブズマン兵庫大会参加者一同




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ギャンブルNEWSピックup (2015.7.18~9.27)

2015. 7.18  ゲンダイ  USJ「美ら海カジノ」画策?
        マカオ新  マカオカジノ不振、前年売上比37.4%減、総ギャンブル売上1兆8989億円
7.19  読売   山形強殺事件、パチンコで借金
7.22  マカオ新  マカオ歳入の8割超カジノ税
    サンケイBiz  タイ、カジノ合法化法案
7.23  <高知うろこの会 カジノ法案について国会議員地元事務所に要請 (8.1も)>
7.26  <宮崎 カジノ反対学習会>
    日本カジノ情報  7.22翁長沖縄県知事、シンガポールIR施設視察
    マカオ新  マカオ経済相、カジノ売上予算未達で緊縮財政示唆
7.27  カジノ推進派 全国誘致協 7.25フォーラム開催と陳情
7.29  毎日   カジノ推進派 会期延長チャンスと
    時事ほか  議連、IR法案成立を  民主枝野氏「審議に入る状況ではない」
    日経   公明政調会長「IRの審議に応じられない」
    カIRジャパン  参院内ギャンブル依存対策超党派勉強会
    TV東京  政府与党、IR法断念
    カIRジャパン  韓国クルーズ船、外国人専用カジノ設置へ
7.31  <三重はなしょうぶの会 国会議員地元事務所にカジノ法案抗議声明、申し入れ>
    産経   橋ロスで大阪カジノ夢幻・・・
    カIRジャパン  米国2014カジノ市場66.4bnドル(約8兆円)
    産経   維新、カジノIR法案の早期審議入りを要請
     〃   松山刑務所看守部長、パチンコ店で通路に落ちていた財布を盗むなど
8.1  マカオ新   北朝鮮カジノのマカオ人従業員が謎の死、金銭トラブルか
8.4  サンケイBiz  マカオ、カジノ収入に底入れの兆し、中国本土市民の入境規制緩和が寄与
8.5  産経   片山元総務相、自治体はカジノ誘致「やめるべき」地域すさむ
8.6  <愛知かきつばた会 国会議員地元事務所にカジノ法案抗議声明、申し入れ>
8.7  時事   維新、IR議連勉強会でギャンブル依存症対策強化の法案検討
8.9  マカオ新  マカオ政府、カジノ内全面禁煙化から喫煙緩和へ カジノ売上減少対策
8.12  時事   自民、カジノ法案今国会断念、安保成立に全力
8.14  NHK  カジノ法案、今国会での成立困難な情勢
8.17  日経   比メルコ・クラウン(カジノリゾート大手)、観光客減で最終赤字
8.18  産経  「勝って返すつもりだった」…中学教諭が部費13万円をパチンコに
8.19  カIRジャパン  ギャンブル依存症対策推進超党派勉強会第1回開催 
8.20  産経   秋田パチンコ店全焼、常連38歳女放火
8.22  朝日   自民、カジノ法案今国会も断念、公明の反対根強く
8.25  毎日   兵庫県、パチンコや麻雀など「射幸」介護サービスを規制で条例改正へ
8.28  マカオ新  中国本土で相次ぐ知香銀行の摘発、マカオのカジノに影響も
8.31  フォーブス  香港カジノ王 業績低迷 中国の規制強化が原因
9.1  産経   自民特命委、選挙権踏まえ、公営競技・酒・たばこも18歳引き下げ方針
   ブルームバーグ  マカオのカジノ収入、8月は36%減 新リゾート開業でも需要喚起せず
9.2  日経   政府与党、カジノ法案等先送り 公明党の慎重姿勢崩れず
   TBS  埼玉県学校法人学園長、1000万円超を私的流用 遊園地やカジノに
9.4  産経   大阪府立高教諭懲戒免職 親睦旅行代112万円を着服しパチンコ等に
    カIRジャパン  米ニュージャージー州ニューアーク市、カジノIR誘致活動再開
9.5  神奈川  横浜商工会議所、横浜市長に対し要望 市長、IR誘致に前向き姿勢
9.6  <全国市民オンブズマン大会・兵庫 ギャンブルカジノ分科会、IRカジノ反対決議>
9.7  時事   自民、カジノ法案は秋の臨時国会以降の成立目指す
9.8  日経   ギャンブル依存症問題を考える会、法整備求め署名活動
9.9  WSJ  米政府、カジノ大手シーザーズ関連会社に罰金命令 マネロン対策に重篤欠陥
9.10  産経   岡山県警、パチンコ玉窃盗容疑で京都の男逮捕 磁石を使って不正
    マカオ新  マカオ9月カジノ売上 出足好調も月間では昨対3割減予測、下げ幅縮小
9.11  カIRジャパン  自民特命委、公営競技への18歳解禁を見送り、再検討
9.12  産経   彦根市立中学教諭、部費13万円パチンコに私的流用で懲戒免職
9.13  マカオ新  カジノ低迷長期化のマカオ、ディーラー職従事者数6年ぶりマイナス
9.14   〃   マカオ経済のカジノ依存「何十年も続く」=専門家予測
9.15  日経   カジノ法案、今国会の成立断念を確認 超党派議連
    産経   秋の臨時国会以降、カジノ法案成立目指す 超党派議連が確認
    日経   ブルームベリー・リゾーツ(フィリピンカジノ大手)、韓国済州島で開業
9.17  テレ朝  ネットカジノ店元経営者2人を“脱税”で在宅起訴 東京地検
    日本共産党横浜市議団、韓国カジノ問題調査視察報告会を開催 対策とっても防ぎきれないギャンブル依存症
9.18  新華   中国人の賭け金総額、2014年は約1000億ドルで世界2位
9.21  マカオ新  マカオ、オーバーステイ韓国人男が金槌で女性襲う=カジノで負けて金欲しさに
9.22  読売   カジノ解禁に向け、依存症対策の検討へ...与党
9.24  神戸   神戸市議会、「カジノ型」デイサービス規制の条例可決
9.26  東京  「ギャンブル依存」と規制 介護予防 効果は?
9.27  <略奪的ギャンブル・カジノに反対する国際行動デー 横浜集会・京橋街宣など>


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◇コラム◇  マイナンバー(国民番号制)とギャンブル依存対策について

1.既に納税者番号制や国民番号制が利用されている国では、福祉から様々な分野にまで番号制が導入されている。
 日本では2015年10月よりマイナンバー制度が始まるが、国民年金の情報洩れなどズサンな管理の下で実害(被害者)を生んだ。このように国民を何らかの番号制の下において国家政府が個人・法人を管理監督しやすくするシステムは誰もが考える。国民の政府への信頼度によりスウェーデンなど北欧国では適用範囲は広い。
 日本では税務と社会保険、労働保険関係以外には使用しないことになっているが、実際に情報洩れもあり政府自身の情報公開度自体が低いとマイナンバー制度への信頼は生まれていない。

2.政府・自治体の納税関係での適正さと社会福祉の適正さをチェックするには双方向での情報開示と訂正権がまず必要だ。
 マイナンバーは場合によっては自己以外の者が同意の下に情報を求めることが期待される。その一つが例えばギャンブル抑制のため、ギャンブル依存を疑われる人の所得やギャンブルの利用度をチェックすることである。賭博というギャンブルは本来許されないものとすれば、公営であれ公認であれその賭博開帳主催者による適正管理が必要である。
 また賭博は例外として認められるのだから、自己がギャンブルをやって社会的に許されるレベルにあると説明することが求められるという考え方もできる。運転免許証と同じように考えて、ギャンブルで生活破局をもたらさないためには事前検査と定期検査も必要というものだ。もちろん事業者側にはもっと厳しいチェックが入ってよい。すなわち、関係事業者はもちろん客の脱税やマネーローンダリングを許さない運営が求められるという点である。
 日本では公営ギャンブルの客がほとんど損をする(客を収奪する)というシステム下であるので、客のギャンブルによる収入(所得)は無放任であるがこれは不法である。宝くじやtotoの賞金は非課税だが本来課税するのが正しい。(外国のくじでは税をかけるところも多い。)

3.アメリカのCIA(秘密諜報機関)は外国元首の情報まで盗聴しているが、日本の内閣調査室、警察、自衛隊、税務署、保険省庁などは自らの情報濫用について厳しい自己点検「自己の取締り」ができているとはとても思えない。



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◇コラム◇  まさか!はありえる。

 2015年8月、スポーツ振興くじ(toto)のBIGの広告コピー(宣伝文句)に「まさか!はありえる。」との表示。テレビや鉄道吊り広告まで男優の顔出しと共にくじ購入を宣伝する。
 このコピー、くじは「買わなきゃ当たらない」と似たものだが、人のバイアス(誤解・錯覚)を巧みに利用している。いずれもコピーそのものに嘘はないが、ほとんどあり得ないことをありえるというのだから客を欺すものだ。
 例えば「買わなきゃ当たらない」は「お前は死ぬ」というのと同じだ。まさかとは滅多に起こらないこと、数学的には確率の非常に低いことやそのため普通の生活人が想定していないことをいう。地震・噴火のような自然災害が起こることは科学的に明白で、問題は何時、何処でということになると学者はあり得る範囲を広くとって想定しているのに対し、一般人は自分が災害に遭うことは「まさか」と楽観している人が多い。(この点、原発事故を想定外とした電力会社、政府とそれを支持推進した学者の罪は重すぎる。)
 BIGくじに戻る。現在では6億円(キャリーオーバー時/すなわち前回1等当せんがまさかどころか0で、その当たり分が次回くじの賞金に上乗せされるシステム。通常最高4億円でも6億円にするというもの)のBIGは、まさか次の1回では「当たらないことがありえる」のだが、繰り返せばいつか「当たることがありえる」のだ。その確率は500万本に1本~1000万本に1本というから社会事象としては「交通事故で死ぬ」1万分の1の確率に比べてとても低いのである。(飛行機事故死や小惑星が衝突して死ぬ確率は200万分の1といわれる。)こういうと多くの人は驚くが、それこそ「まさか!はありえる」のである。
 では、BIGで「まさか!はありえる」といえば、こういう事例も「ありえる」といえる。
・BIGで億円が当たるとショック死する!?
・BIGが当たっても支払って貰えないこともある!?(18歳で買った者、換金前に死んだ場合)
・BIGの抽籤は当たらないようになっている!?(完全な公正は人にも機械にもない。)
・totoの収益金は流用される(よくある)!?(国立競技場で既に使っている。)

(T)


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◇コラム◇   金利0円広告は不当表示

 三菱UFJ系のアコムは、本来年利4.7%~18.0%という高利貸し。車内広告で「金利0円」という大文字を掲げて借り手を誘惑する。しかし、「0円」広告の100分の1近く小さなよく見えない表示で「アコムでの契約が初めての方」とあり、リピーターは適用されない。しかも「返済期日『35日ごと』で契約された方」とあるから、30日で返済する者も適用外。35日以上借りると初回でも5日分以上の金利は支払わねばならない。30日無料と安心して10万円を60日借りると最大30日分の金利を支払う必要がある。年利18%は月利1.5%だから、2回目以降は月に1500円(1日約50円)ずつ金利が増える。さらに返済が遅れると20%の遅延損害金がかかる。たとえ初回35日目に返しても5日分(日歩約0.05%)で250円の金利が発生する。こんな広告は不当表示である。

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パチンコ研究(5)「パチンコで客が勝てない仕組みと実態」

 パチンコについては既にイカサマ不正の存在を業界の裏話として告発する書籍を紹介した(会報7号)。「まだある!パチンコホールのあぶない話」(業界内研究会 新人物文庫 571円+税)は2012年6月9日に発行された本でかなりリアリティ(現実味)のある実情を紹介している。

 悪質ホール、ゴト、攻略出版社、1670万人といわれ20兆円産業パチンコ業界の巨額の金、業界と警察の癒着、ゴト師の不正から店の不正までが横行する。だが、ファン(客)の負けで成り立つパチンコ業界は、ホール、メーカー、そして換金を認める警察の構造を持っている。以下、この文庫本を箇条で紹介しつつパチンコの収奪システムをみてみよう。

1.ホールは大手メーカー新台導入でガンジガラメ、そのツケは客に
2.今やパチスロは娯楽でない。金のかかるゲーム、否ギャンブル
3.大手メーカーはカジノ狙い。小ホールは大手チェーン拡大で苦況
4.芸能人やアニメの台全盛。パチンコタレント続々…有名スターも
5.イチバチ(1円パチンコ)で生き残り。2011年12月パチンコ店11840店に
6.レジャー白書2011は、19兆3800億円(売上=貸玉)、1670万人と公表
7.1台1日3000円(500台店で1ヶ月4500万円)利益(=客の負け) 
8.新店舗1000台店で20億円?! パチスロ新台30万~50万円
9.集客率upへ「ハウス物」(改造基盤)で出玉操作の店も
10.被災地カジノ企てたパチンコ団体とカジノ議連、パチンコ議員アドバイザー
11.パチを「遊技」という3店方式、風営法23条の脱法をして
12.ドル箱不要「出玉計数システム」導入 1台15~20万円 これも客にコスト転嫁
13.大手チェーン売上兆突破、大卒採用、パチスロ外へ進出意欲あるも上場不可
14.廃業ホールの玉を「持込ゴト」 そのツケは普通客に
15.「電波ゴト」と「ホルコンゴト」「ふどうゴト(玉を詰まらせる)」
16.ホール店員として潜入するゴト師 金のためなら何でもする
17.1日平均5万勝 玉を誘導「磁石ゴト」(以下、ゴトetc)
18.人気シリーズが狂う「ハーネス取り付けゴト」
19.サンドイッチ(玉貸金)を誤らせる「サンドゴト」
20.金を入れたと騙す「両替機ゴト」
21.イチパチからヨンパチへ「移動ゴト」
22.「ピアノ線ゴト」「釘曲ゴト」「ドア開けゴト」「ぶら下がり基盤ゴト」
23.「受け皿引っぱりゴト」「リフティングゴト」「外国人ゴト」「女ゴト」「人ゴト」
24.メーカー上場で株主配当のため台を早く買い換えさせる
25.ホルコンでチェック おかしな挙動の台チェック
26.ホルコンで遠隔操作の露見は10億~20億円 店をつぶす
27.遠隔操作ホール オーナーがケイタイでする例も
28.Bモノ(不正改造台)を新台設置する店
29.Cモノ(ゴト師が仕掛ける台)はBモノの別名
30.廃棄台 中国で公害源 回収業者の小銭稼ぎから
31.震災後笑いの止まらぬパチスロ店 震災前より売上増
32.パチンコ業界と警察癒着 天下りからノンキャリアまで
33.メーカーと保通協 高給天下りのいう「ギャンブルでなく遊技」
34.出玉しないでホールを計画閉店
35.“カバン屋”の誘いで裏ロム設置 1台5万円程度 サクラも使う
36.1日3人の同じクレームで警察調査の入る話
37.拾い玉(メダル)は店の自由になる「遺失物」
38.クレジット「50枚満タン」にする「グレマンゴト」(スロットゴトはじめ)
39.ART(Assist Replay Time)仕込める「電波ゴト」
40.爆裂機に仕掛けられた「ハーネスゴト」
41.払い出し無限?!「ホッパーゴト」
42.「体感器ゴト」「設定変更ゴト」「ベットボタンゴト」「スタートレバー変換ゴト」
43.釘師の仕事「開放台」「回収台」と「遊び台」の3種をつくる
44.今の調整は基盤でする。スタート回転数の数値管理
45.ホールで横行 ICカード窃盗事件
46.負け客の報復 便器を破壊、ペーパー盗み、大流さずの迷惑行為
47.閉店間際の客引き増えるパチスロ店
48.負け客の店員殺し、駐車場荒らし、店員なりすましコイン盗
49.景品交換所強盗 年10件以上 車上荒らし1人で年100件以上
50.攻略法(本)会社は詐欺 
51.景品交換所は親戚、身内が多い
52.盗撮、自殺、放火 ホールの恐怖
53.イベントを禁じた生保課の言葉守り通達 調整をうかがわせてはならない
54.パチンコ台有効期限3年 台入替時と2~3ヶ月後の取締り予告
55.保通協が要求するメーカー純正部品でメーカー利益
56.500台以上ホールは500以上の景品(うち200は実物展示)
57.1948年風営法で許可営業 1961年暴力団排除、福祉名目で3店方式
58.裏ロム製造の商標権侵害
59.後を絶たない乳幼児死亡事故

(なお、パチンコ研究(1)は会報2号、(2)は5号、(3)は6号、(4)は7号に掲載。その他、パチンコ問題は継続的に報じています。)


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◇コラム◇  アダム・スミスの語る「宝くじ」

 古典経済学の祖といわれるアダム・スミス(1723~1790)は、哲学、倫理学、法学を踏まえた経済学者で「国富論」を完成させた。その思想はリカードを経てマルクスに至るといわれる。
 その国富論でアダム・スミスは富くじについて語っている。
 「 完全に公平な富くじ、すなわち儲けの全部が損失の全部で償われるような富くじは世間にあった試しはないし、またこれかもないだろう。なぜならこれでは富くじ業者は儲からないからである。国営の富くじでは、最初の応募者達が支払う価格だけの値打ちがくじ券にはないのに、普通は市場で20,30,40%の高値で売られる。大きい賞金を少しでも手に入れようというむなしい希望がこの需要の唯一の原因である。
 すこぶる真面目な人でも、1万ポンドか2万ポンドを儲けるチャンスを目指してわずかの金を支払うことを愚かなことだとは考えない。もっとも、彼らはこの少額でさえ、そのチャンスが実際に値するよりもおそらく20,30%は高いということを承知している。20ポンドを超える賞金が全然ないような富くじの場合は、例えそれがこれ以外の点では普通の国営くじよりも遙かに完全に公平な富くじに近いものであっても、国営富くじの場合と同一の需要はないだろう。
 いくつかの大きい賞金をつかむチャンスを狙って、ある人は数枚のくじ券を買い、他の人々はもっと多数の少額券を買う。けれども我々が賭けるくじ券が多ければ多いほど我々が損をする見込みもますます大きいということ程、確実な数字上の命題はない。富くじ全部に賭けてごらんなさい。そうすれば確実に損をする。買うくじ券の数が多くなればなるほど、皆さんはますますこうした損失の確実性へと近付くことになる。」
 
 これは倫理学者でもあるアダム・スミスが18世紀英国の富くじを紹介したものである。その実態は日本の宝くじでも同じである。射倖心を煽る富くじ程儲けられる商売はない。

 (Y)


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◇投書◇  ギャンブル依存とカジノ    松田 雅子(仮名)

○ カジノ問題でギャンブル依存を生むからダメだ、反対だという反対論者がいますが、既に既存ギャンブルで依存症になった者を抱える家族は今苦しんでいます。ギャンブル依存症という病気は近年、ギャンブルを止められず家族の金を使ったり、借金地獄になっている人を“病気”ということで弁護したり支援しようという評価です。しかし、本人にしてみれば病人にされることに不満を持っています。
 第一に、病気だというなら病気を拡げる危険な場所や機会をどうして国や自治体が何十年も続けるのでしょう。
 第二に、簡単に精神病みたいにレッテルを貼るのですか。そのくせこれまで具体的に私達を助けてくれたこともないではありませんか。これまでほとんどの人は借金したり賭博をした方が悪いと言いました。お酒も飲み過ぎで二日酔いになったのは自己責任というように、ギャンブルでも相談をする度に言われ続けてきました。
 第三に、何とかしたいと思っても医者も弁護士も費用がいると言って、しかも博打には完全に治る薬はないし、借金がなくなったり負けた金が戻ってくる訳でもないと言われます。また闇バカラなどで被害を受けて相談すると自分も処罰される覚悟でよいかと言われました。
 現状、同じような悩みを持った者、家族の者同士が話し合いをして少しでも立ち直りたいと思っている私達に協力してくれるのは、限られたNPOやボランティアだけです。
 これまで競馬や競輪から宝くじまで行政は何の対策もしてくれていませんでした。パチンコは自ら博打でないと嘘を言っていますが、最近は同業者グループで形だけ相談窓口は作ったようです。しかし、結局自助グループ任せでした。

○ 実はこの数年、カジノ問題が政治課題となって私達「被害者」の存在が俄に問題にされるようになりました。カジノを導入するためにIR議連の人は、ギャンブル依存対策を政府で責任をもってやってくれというようです。
 パチンコや公営競技でもギャンブルにはまる人、のめり込んだ人は多く、厚生労働省の調査で536万人といいます。遠い親戚を含めると周囲でギャンブルにのめり込んだ人は1人や2人いますから、その計算は間違いないでしょう。この私達の苦しみや被害がカジノ問題でやっとわかったというなら、皮肉ですが「カジノ誘致と反対運動のおかげ」ということもできます。また536万人と言ってもらうと少数の不真面目な者だけの問題でないということが判って貰えてよかったと思います。
 では、今後政府はどうされるのでしょうか。パチンコ業界は1円パチンコや客にアドバイスもすると言っていますが、これから老人や女性などパチンコ依存症を増やすだけになりませんか。また、競馬、競輪、競艇などレース場だけでなく都心や郊外にまで場外券売場を増やしています。しかし、別にギャンブル依存者を除いたり賭け金額の制限をしているわけでもありません。生活保護費や年金をすぐに賭けてしまう人を知っています。それも本人や家族の問題としています。
 また、インターネットでの券購入などは、若い人向け・中年向けにギャンブルをビジネスのようにやらせるものです。タバコや酒は一人の人間が呑むには限界がありますが、博打は借金までして、家族の金も盗んでやりますからキリがありません。この点、カジノは日本人には入場制限(入場料、家族からの申出で入場禁止など)を考えてくれるのなら、今の公認ギャンブルより遙かにましです。
 そもそも日本の今の公認ギャンブルは、私達のように貧しい人の金を奪っています。中国人の金持ち相手のカジノに限ってそこから金をとり、それらの金で全てのギャンブルによる病気や困った事態を無くしてくれるならありがたいのです。
 しかし、そんなカジノに誰が来てくれるのでしょうか。まずパチンコにしても競馬等にしてもしっかり病気の対策をとって貰うようにしないと理想論だけの言い合いになると思います。

○ ところで、被害者支援活動をしている田中さんという人がブログで「経済優先は悪くない」「後発としてギャンブル依存症対策が生まれてほしい」また「ギャンブル依存症は国の責任だなんて言う人もいるが、少なくとも私達は責任追及なんてするつもりもないです、これから変えていただければ」と言っておられるようです。これまで見捨てられてきた立場からの感想としては判りますが、「IRのお陰です」とまでは言いたくありません。ギャンブルの害は、被害を受けた者にはよく判ります。ギャンブルの拡大で金を得て依存症対策というのは、被害者として言う言葉ではないです。ギャンブル経済は誤った経済(産業)の結果ですし、福祉国家思想に反し福祉政策の欠陥です。
 私としては正しい経世済民(世の中を助ける)をしていただきたいのです。ギャンブル依存症など生まない対策と、現にあるギャンブル依存症の「被害」を認めてもらい不当に得た金を被害救済に充てていただきたいのです。


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カジノリスク語録 / カジノ川柳

<カジノリスク語録>
・アベノリスクは不経済 カジノリスクは依存症とマネロン
・パチンコは建前遊技機で スロットはカジノ最大の利機
・カジノ利増と(リゾート)はホテルに カジノリスクは客に

<カジノ川柳> 
・IR(アイアール) 内閣内で 利権の綱引き
・カジノでは 賭けに心をフィックス(固定する)
・「反対」も カジノの金で買収し
・昔 別荘(カジノ) 今 IR(アイアール)


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カジノ議連はサタン(人間に罪を犯させる誘惑者)か

「いまでもパチンコや公営ギャンブルで依存症になっている人はいるが、国はカウンセリングや治療の費用を出すなどの対策は何もしていない」(細田博之)
 
 この言葉はギャンブルオンブズマンや賭博依存症をなくそうと活動している者の言葉ではない。「統合型リゾート(IR)推進法案」を議員立法として成立させようとする国際観光産業振興議員連盟、略称「IR議連」こと「カジノ議連」の細田会長の言葉である。(2015.6.14日経創論)
 これは正しい指摘だが、安倍自民党政府がこんな状況にあることに何の批判も反省もしていないところは「厚顔無恥」といえる。実は半世紀以上にわたりギャンブル依存症を生み拡大させたのは、利権政党として30兆円ギャンブルを育てた自民党だった。その自民党幹部の細田博之の言葉は、自ら利権本位で活動する政治家として「白々しさ」を越えた不道徳さを示している。そして自ら反道徳、反社会性のまま客観的な事実を前にこう言うのである。
 
 また、細田はこうも言う。「我々の計画ではカジノの利益の一部を依存症の対策費に充当する。」

 これはギャンブル依存症など被害を生み続けるギャンブルについて何のコメントもせず(無視して)あたらしい利権の一部を依存症対策費に使うという“毒を売って毒を抑える”“悪をもって悪を制す”理屈である。
 カジノ誘致の本音はこうだ。「日本の観光業はまだ十分には組織化されていない」「まず拠点となるIRでコンベンションをやり、終わったら伝統的なものを見たい人、雪を見たい人というふうに世話をする。そこに味付けでカジノがあって観光客を爆発的に増やしたいというのが我々の考えだ。」これは日本の観光業を拡大したいという産業本位の考え方でしかない。
 「中東の富豪のような人々はカジノに行く。そして彼らは旅行を欲している。今その対象がいよいよ日本になってきた。中国やインドからも来て貰わねばならない。できれば東京五輪に間に合わせたい。」「海外旅行に行った時にカジノで遊ぶ日本人は沢山いる。そういう人達には国内でも楽しんで貰えばよい。」
 ここには本来刑法で罰する賭博を民間業者に行わせて民を収奪することへの倫理や教育上の配慮もなく、社会的にも個人的にも害毒を広めていることへの真摯な反省もない。
 カジノ議連の議員らは、無知な「悪魔」と言って済まされない人々である。

(M)


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◇告発◇  嘘宣伝 反省もない宝くじ

 2015年、宝くじ70周年記念と称して「宝くじワクワクNAVI」という25頁の小冊子を「全国都道府県及び20指定都市」が大量に配布している。昭和20年10月の「政府第1回宝籤」発売から数えて平成27年が70周年ということのようだ。

(1)しかし、宝籤は昭和23年施行の証票法以前の別制度で、証票法成立までは戦時中の特別立法によるものだった。「宝くじは愛され支えられて70周年」というが、本当は軍国主義下の戦時立法で始まったものが戦災復興用に目的を変えた一時のためのものだったことは隠されている。
 宝くじは売上金から購入者全体で46.5%、自治体の収益金が40.3%、残り13.2%が販売に要する手数料・事務費などでそのうち1.3%を「社会貢献広報費」などというが、広報費の中心は射倖心を煽った広告費である。宝くじを楽しもう!という広告も「夢」と「ゲンかつぎ」でとにかく「いっぱい買う!」ことを勧めるだけである。

(2)次に、みんなこんな風に当たっていますという「当せんの秘訣&こだわり」をエピソードとして6点掲載するが、いずれも根拠のない迷信である。
 「当せん者誕生ペース」などは大量に売れば発生する当せんをさも多いように時間単位に変えている。例えば、30億円を1ユニットとして発売するくじで1000万枚売れば1等4億円、前後賞各1億円、2等1000万円2本、3等100万円100本、1等組違い10万円99本がセットされている。しかし、4~6等(6等は300円100万本)は計111万本だから204本が10万円以上の当たりとしても、それ以外1000万本-111万204本=888万9796本はカラくじである。従って、年間300ユニット(9000億円分)を売れば前後賞を加えた億円以上が900本あることになる(ジャンボ以外でも1億円の当たる50ユニットくじがあるので年間950本近い億円当せんがあることになる)。
 このような年間の販売高を前提に1億円以上の当たる人は1日に1.3人(18時間に1人)というのは、当たりくじ1枚を1人とする計算をすれば少ない表現であるし、1000万円以上当たる人は億円当せんを含むと年間2100本以上あるから1日に7人、4時間に1人といった当せん者が多いようなイメージ操作は容易にできる。
 交通事故死者(24時間内死亡)について「毎日24人・1時間に1人」と「年間8760人」を比較してどちらが多く感じるかと同じように、「当せん者誕生ペース」は当せんを夢見る錯覚を利用したものに過ぎない。
 ジャンボでいえば1ユニット888万9796本のカラくじは9000億円分(300ユニット)だと26億6693万本超のカラくじが出ることになる。これは1日に約730万本(人)、1時間に30万本(人)がくじで損をしていることになるが、このパンフレットでは「けっこう(当たっている人が)います」と大文字で強調され、はずれて損をした人については全く記載していない。

(3)データーで視るとして当せん者の星座やイニシャルを紹介し、「モデル像」というが全くナンセンスである。また、男女別に購入枚数で区分した当せん比率を記載するも、10枚以上の購入者の当せん者をいうだけであり、職業も会社員、無職、主婦の区別そのものが合理性を欠く。

(4)1万5600箇所の宝くじ売場(ATMを含め)と24時間通販で購入できるインターネットまで紹介している。そして100万円~7億円までの普通くじのうち5大ジャンボ宝くじ(2月グリーン、5月ドリーム、7月サマー、9月オータム、11月年末)とミニジャンボを買いに行く案内をしているが、「ラッキーな人と買いに行く」から「大当たりを想像したり、買った宝くじ券の保管場所や願掛け、ゲン担ぎなど工夫する」まで馬鹿馬鹿しい「はしゃぎ」ぶりである。


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奈良県営競輪研究(1)

2015年6月25日の奈良新聞記事によると・・・
 存廃問題でゆれる県営競輪が、平成26年度1億800万円の黒字になったという。所管の地域産業課は、24年度末まで9400万円の累積赤字があったが、25年度4800万円黒字計上、26年度導入の包括外部委託(28年度まで)による人件費削減と他県開催レースの受託場外収入が寄与したという。歳入は、前年度3.3%減、歳出3.6%減で受託外収入が100.9%増の2億7500万円に倍増したという。(奈良県営競輪あり方検討委員会での公表)
 奈良競輪の売上は近年減少を続けており、26年度業務の包括外部委託による人件費削減と他の競輪場の受託外収入で黒字化したという訳である。
 同紙による県担当課「大本営発表式」記事を確かめるべく、県に対し情報公開と情報提供を求めた。すると、県HPに委員会議事録が公表されているが、上記の会計報告の公文書はなく、早くて9月末に発表とのことだった。委員会は11月末にも競輪の存続をめぐる答申をまとめるという。一般へのパブリックコメント(公聴)などは全く考えていないともいうが、この包括外部委託を含めて情報公開を請求した。


偏頗な県と「あり方委員会」審議
 過去の経営不振と赤字の奈良競輪。全国的に競輪は不振。場外券販売やブランドレース、ガールズレースなど工夫しても結局、発売決定(全国の競輪関係自治体で調整)以外は宣伝から処理までの運営を「包括外部委託」したという。民間業者に丸投げしてやっと黒字化したというのが県事務局の報告で、これにより競輪は廃止せずとも黒字で何とかやっていけるとまとめたいのだろう。
 しかし、県と委員会の目的、審議の有り様、委員選定まで疑問が多い。
第1点:県と委員会は競輪の収益性を審議するというだけのものになっており、競輪の弊害や社会的影響を検討する視点がない。
第2点:奈良県にはこれまで競輪による弊害を考えた視点がない。委員会も県の所与のデータを前提として継続へのお墨付きを与えることしか考えていない。委員には競輪の弊害を問い糾す者もいない。
第3点:包括外部委託前は赤字、包括外部委託後は黒字というのは、逆にいうと「お役所経営」のズサンさないし不効率、不経済を自認するもの。本来開催、運営、経理まで全て県が公正に管理をすることで刑法の禁止する賭博開帳の例外とするのが競輪の趣旨だ。「民間丸投げ」は問題がある。


弊害を考えよ! 何のための競輪か、今その目的は失われている。


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宝くじ販売差止等請求事件で「軽薄判決」

1.平成27年9月30日、大阪地裁第8民事部(裁判長久留島群一、田辺麻里子、中山裕貴裁判官)は、平成26年7月18日提訴の上記事件(平成26年(ワ)第6683号)につき請求棄却の判決をした。
 この事件で原告らは宝くじ販売の法的根拠の喪失から販売活動の違法や被害を具体的に述べ、訴状(31頁)、第1準備書面(21頁)、第2準備書面(16頁)、第3準備書面(29頁)、第4準備書面(6頁)と詳しく主張した(その一部は会報に掲載済)。そしてその立証のために現場調査もして写真まで含め合計48の書証(厚さ5cm相当)も提出した。
 これに対し被告らは「原告らには訴える資格・権利がない」との主張が中心で、事実についてはほとんど積極的反論もなかった。

2.今回の判決は全文9頁で、当事者の記載や事案と要旨を除くと、裁判所の判断部分は実質2頁に満たない。要するに「原告らの主張する、良き社会を求め、社会や市民を害する行為を差し止める権利は、法的に保護される個人の具体的な権利利益とはいえず、差止請求の法的根拠となるものではないと解すべきである。また、原告らの主張を、何らかの法的に保護される利益を侵害された旨の主張と善解したとしても、被告らによる宝くじの販売、宣伝活動、販売委託業者等への請求権の不行使及び宝くじ収益金の支出により、原告らの法的に保護される利益が侵害され、又はそのおそれがあるとは認められない。」というものであった。
 これは裁判官として軽薄な理解による誤った判断である。裁判官らは宝くじの証票法が昭和23年に「当分の間」として制定されたものであったことや昭和29年に政府がくじをやめると閣議決定までしていることについて、あえて判断回避するために「訴えの利益」を厳しく限定している。

3.本判決は上記のとおり、司法的正義を逸脱回避したもので判決の重みもなく判断内容も極めて軽薄な判決であり、良心も誠実さも欠いたものとの批判を免れない。


<宝くじ 夢をバラ撒く不当広告 射幸の民を収奪す>
10月2日はインドのモハンダス・ガンジーの生誕日。
「自らの使命に対する抑えがたい信念に突き動かされ、固く決意した一握りの人々が歴史の流れを変えることができる。」(ガンジー)


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2015年07月28日

裁判情報

大阪地裁 平成26年(ワ)第6683号事 宝くじ販売差止請求事件
 
 前回7月8日の裁判は、原告側より主張・立証を補充しました。被告らは、詳しい事実にほとんど反論できず、原告らには訴えるだけの利益はないとの繰り返しでした。裁判所は結審しましたが、原告らが提出した証拠により、裁判所がどれだけ事実を把握するかが焦点です。

次回:判決言い渡し 
平成27年9月30日(水)午後1時15分  808号法廷(傍聴可)

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事務局だより

全国市民オンブズマン大会「ギャンブル・カジノ分科会」開催のご案内

第22回全国市民オンブズマン兵庫大会
【日時】2015年9月5日(土)13時~18時 懇親会18時~20時
           6日(日)9時~12時
【場所】神戸市 神戸学院大学ポートアイランドキャンパスB号館

 全国市民オンブズマン連絡会議は、年に一度、全国の市民オンブズマン活動をする人や関心のある人が一堂に会する大会を主催しています。今年は上記の日程となりました。
 初日は全体集会で全国の市民オンブズマンの取組の基調報告や上脇教授による講演会のあと、特別調査報告や特別テーマ報告、また全国各地の報告や包括外部監査評価班による通信簿発表や表彰などがもたれます。
 二日目は分科会です。政務活動費、地方自治法の改正ないし住民訴訟制度改革の問題、さらに地方議会の分科会の開催が既に決まっています。
そしてこれらに加え、ギャンブル問題・カジノ問題を話し合う分科会を企画しました。本テーマは昨年に引き続くもので、IRカジノに反対し依存症への認識を深めてギャンブル問題に取り組む「ギャンブルオンブズマン」「依存症問題対策全国会議」などが今年も中心となって企画しています。
 ご不明な点等ありましたら、本企画担当 井上までご連絡下さい。
 皆様の御参加を心よりお待ちしております。

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語源 「Addiction(嗜癖)」

 ローマ法に語源がある。自分の債務を返済できない者は、自分の身体で支払うことを命じる。負債の代わりに奴隷になれ、また債権者に隷属せよと身体で払わせるという命令に由来するという。

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ギャンブルNEWSピックup (2015.6.1~7.18)

2015. 6.1   テレ朝  ビートたけしのTVタックル「カジノ 日本を救う?滅ぼす?」
6.3   朝鮮日報  ソウルカジノで900万円借金の中国人Aら、ホテル客Bらを強盗致傷。Bらは実は詐欺犯で、結局Aら6人、Bら3人を逮捕。
6.4   読売   北九州市、ギャンブル依存の長男(35歳)の無心で母は「うつ病」。2014年10月父が長男を絞殺後自殺未遂。小倉支部は同情すべきと懲役3年執行猶予5年。長男の依存症を行政らに相談していたが有効策を見出せなかった。
6.5   TBS  2010年野球賭博で引退の貴闘力によるギャンブル依存告白。競馬から始まり借金5億円にも。
6.10  カジノ業界AGB  カジノVIP客、世界的に縮小
6.12  ポスト  内閣官房「日本はTPP加入ならカジノ解禁する状況に」
6.13  セガサミーグループ カジノマシンデビュー、ベネチアンマカオ
6.14  日経   周辺の地域貧しくなる 鳥畑教授(静岡大)
6.17  共同   大阪カジノ「失速」調査費減 橋下市長「誘致では負ける」
    毎日   北海道カジノ効果2600億円、雇用5万人と試算(道HP)
6.18  <カジノ反対 宮崎県弁護士会会長声明>
    カジノ議連総会で寺島実郎氏講演
    時事   IR議連 国会延長で成立を
    バンコク  国家改革評議会(NRC)議長「カジノ合法化は改革にあらず」
6.19  TBS  パチンコチェーン経営者 2億円脱税で逮捕
    朝日   「カジノ法案反対はただのだだっ子」自民萩生田
    マカオ  マカオカジノ関係犯罪増
6.20  千葉   京葉鉄道員 定期券発行着服255万円「2011年よりパチンコに」
        大阪府アディクションセンター(OAC)アルコール、薬物にギャンブルも×
    カIRJ  米国カジノ界のマネロン対策をFinCen当局評価
6.21  海外    米ニュージャージー北部 カジノ導入論
6.22  いちょうの会  5.20府依存症対策会議出席の川内レポ
    JST  ベトナムフーコック島カジノ 建設地変更
    時事(AFP)  マカオカジノ低迷 VIPカジノの閉鎖、削減
    マカオ  カジノ収入過去5年で最低へ
6.23  ルポかながわ  横浜IR、佐世保など動き
    日経BP  カジノ産業の社会経済コストと可能性(本の広告)
    読売   社説「国会延長に乗じカジノ法成立は慎むべき」
6.24  <日弁連 院内集会>  井上「カジノと犯罪」他
    IRカジノ反対で議員まわり 衆議院第2議員会館
6.25  朝日   カジノ審議 公明否定
    マカオ  カジノ従業員 ギャンブル依存症 一般の2倍
6.28  カジノ学会  サービス産業の高度化から強調
6.29  IR・ゲーミング学会 シンガポールのマグナス氏講演
    日経   パチンコ換金禁止へ 次世代の党(2014.10.7)
6.30  日刊   宮崎 自衛官パチンコ窃盗
7.1   秋田さきがけ  秋田財務局オンラインカジノ 6ヶ月懲戒処分
7.6   サンパウロ  ミナス州知事家宅捜査 BNDES(社会経済開発銀行)とカジノ絡み?
    日本カジノ健康保養学会中西代表 IR議連に依存症対策資料提供
    マカオ  タバコ規制 カジノ場での全面禁煙化案
    バンコク  オンラインカジノで4韓国人逮捕
    NHK  東京警視庁 ネットカジノで常習賭博2人逮捕 2400万円稼ぐ
7.8   毎日   大阪カジノ 府下首長と関西経済連合会ら官民で内輪もめ
7.9   横浜弁護士会 IR法廃案を求める
7.12  カジノ反対国会議員要請行動へ(新川)
7.17  マカオ  東南アジア新興国シンガポール、フィリピン 中国人ギャンブラー吸引
    読売   山形市 パチンコ仲間殺害3人逮捕 強盗、パチンコ玉まで
7.18  朝日   シンガポール 洋上カジノにみた孤独
    カジノIR  モンゴルにおけるカジノ合法化論

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中国人と賭博、そして日本のカジノ開設の問題点

1.中国人といえば、マカオだけでなく、シンガポール、韓国、そして米国ラスベガス等でのVIPカジノ客、ハイローラー(高額賭博者)が多いことで有名だ。中国人はそもそも「賭け好き」という評もあるが、日本へのカジノ導入論は実はこれら中国客を前提にしている。
 しかし、マカオ等では中国政府による中国人の「ギャンブル規制」の動きで急激に売上が落ち、大幅収入減で人員整理の動きさえある。

2.ところで日本も中国もまた韓国も、国内法によって賭博・富くじが禁じられている。特に常習賭博や賭博場開帳は刑罰で厳しく禁じている。
そのため日本や中国にカジノはない。韓国にあるカジノはソウルでも済州島でも外国人用であり、韓国人は参加できない。(参加したりさせたらもちろん犯罪となる。カンウォンランドカジノだけ合法化し例外。)
 殺人や強窃盗等の犯罪であれば、犯人が日本人の場合、外国で起こした犯罪であっても日本の警察は引き渡しを求めるし、日本で検挙・処罰できる。(これを属人主義という。)
 しかし、賭博罪の場合は、日本人が外国の合法カジノで賭博をしても、その国はもちろん日本も検挙しない。これは賭博罪の国外犯は除かれるという刑法第3条の定めがあるためである。
 これによりラスベガスで5億円を負けたハマコー氏も、マカオ・シンガポールで100億円以上負けた井川氏も、日本で賭博罪に問われることはなかった。(井川氏の刑事訴追は子会社からの集金における特別背任。その他、億単位の公金横領犯によるカジノ費消も日本の背任・横領で検挙されている。)

3.この日本の刑法に対し、アジアでの最大のハイローラーとなっている中国人の刑法はどうか。
 実は、中国刑法は属人主義により、国内外いかなる場所であろうと賭博をしたら処罰できる。
中国刑法第7条の属人主義の管轄権規定は、「(中国)国民が(中国)領域外(ex.外国)において本法で規定する罪を犯した時はこの法律を適用する。但し、この本法の規定による最高刑が3年以下の有期懲役である場合、追及しないことができる。公務員及び軍人の場合は(長期3年以下でも)この法律を適用する。」とある。
 また、中国刑法第303条は、「営利の目的で、多数を聚合して賭博をし、賭博場を開設もしくは賭博を業とする者は3年以下の有期懲役とする。」とある。そして「情状の重い者は、3年以上10年以下の懲役」と罰金が併科される。
 してみると、中国警察や検察は、業と見なされる外国で常習賭博行為をする中国民をいつでも立件できるのである。3年以下の営利目的賭博犯であっても処罰しないとは明記していない。もちろん、外国に大金を持ち出したり脱税(3年以下の懲役)やマネーローンダリングが疑われると情状が重いとして立件される。
これまで中国政府が中国人の外国でのギャンブル行為を取り締まっていないのは、まさにサジ加減なのである。

4.日本がカジノを開設して中国人ハイローラーを期待するということは、中国人の賭博罪を教唆、幇助するということになる。それだけでなく、中国政府に対して、犯罪摘発の協力義務を負うことになるだろう。このようなことをカジノ議連や推進派は全く考えていないようだ。
 ラスベガスでもマカオでもシンガポールでも、外国人に自国民ではできないことをやらせて金を落とさせ儲けるという商売をしているのだ。
薬物違反はほぼどの国でも取り締まられ摘発されるが、売買春は建前禁止だが放任された国も多い(日本も?)。これと同様に金さえ払えば博奕という“エセ快楽”を売りましょうというのが「ギャンブル産業」といえる。

5.話を戻す。日本で中国人や外国人にカジノをやらせるとしたら、属人主義の有無、そこでの刑事罰要件に該当しない客かどうかを調べないといけないのである。中国人が「爆買い」をしている資金が盗んだり汚職で得た金かどうかまで調べる必要はなくとも、カジノでの常習賭博はご遠慮下さいと言うべきだ。(もちろん、カジノではほぼ常習賭博になるが…)
 (なお、韓国法や中華民国法では、その国の者が外国の合法賭博をしても処罰しないという特別規定がある。)

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書籍紹介

「スウェーデンの賭け事」 ネチャマ・テック(1969年3月 全国競輪施行者協議会)

 米国コロンビア大学研究員がスウェーデンのあるアンケート調査資料をもとに書いたもの。スウェーデンでは賭け事の弊害は少なく、むしろその効用さえ述べているところ、競輪主催者団体がユニバーサル通信社に翻訳を依頼した。
 スウェーデンには競輪賭博はなく、あるのは公認のサッカー賭博(フットボール賭博ともいう)である。資料となった1954年のアンケートもサッカー賭博への参加度やそれによる影響を検討したものである。従って、日本の競輪などの公営ギャンブルの実態や弊害を考察するにあたっては、その前提が全く異なることを知っておかねばならない。つまり、協議会がこの本をもって、公営ギャンブルに社会的弊害はないということはできない。
 スウェーデンではサッカーは人気スポーツで競技人口も多いが、サッカー賭博の参加の程度は各年代とも限定的である。毎週賭ける者は参加者の中で42%と多いが、その68%は賭け金3クローネ(210円)未満であり、20クローネ(1391円)も賭ける者はいないというお国柄である。賞金も70万円が最高で、ほとんどが3万円までのレベルである。(同アンケート調査資料)
 著者は、賭博に対する激しい攻撃は根拠がないとしてスウェーデンのサッカー賭博をとりあげ、アンケート調査をもとに弊害は少ないとの結論を出している。
そして、むしろ上下階級の不満を減ずる効果を認めている。賭博が社会的昇進を望む者への障害に対する怒りを緩和し、社会の安寧に貢献していると認めているのである。エリートに対する下層階級の欲求不満を解消し、下層階級の行動的反対運動を抑制する働きや、大衆の感情刺激を低くすることで社会の安全弁的な役割を認めている(p130)。そして、社会的な安全弁制度についての論者パーソンズやルイス・A・コーサーを引用している。ただ、この「安全弁」論のメカニズムが、現実の賭博公認の理由とはならないともしている。
 著者は、スウェーデンのサッカー賭博は人口の少ない国での例で、米国のような大国では多くの問題を生み出し、政府のコントロールは米国民にとっては耐え難いともいう。事実、スウェーデンは高福祉を目指す国家であるが、所得や納税額はガラス張りとなる個人番号制国家である。そのため国民の月間賭博額が月収のどの程度かがリアルタイムで判り、チェックする国でもある。
 もし日本においてもスウェーデンレベルの個人番号制になれば、日本のパチンコ店は存立できないし、公営ギャンブルも賭け額を大幅に減じなければならない。

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カジノと犯罪     井上善雄 

 2015年6月24日、衆議院第2議員会館1階会議室で、日弁連の院内学習会「カジノ解禁について考える」がもたれました。私は短時間でしたが「カジノと犯罪」をテーマに報告しました。その際の報告書を紹介します。なお、これには本会報32号に掲載した札幌市での講演「日本のギャンブル問題と今後」での20頁に及ぶギャンブルと犯罪の報告に加え、新たに6月5日までの国内外の情報を加えた「ギャンブルと犯罪―その後」を付しました。本会報では既報告のものを除き、6月24日の報告を紹介します。

1.はじめに
 日本は(もちろん世界のほとんどの国で)、公認された賭博や富くじ以外は犯罪とされています。富くじや賭博、さらにカジノが許されている国や地域・場所はありますが、いつでも何処でも自由にしてよいという法治国はありません。自由化を進めている国や地域・場所でも、政府の「公許」「公認」のものでなければ許されません。このようにギャンブルは全面的か部分的規制かは別として「公許」「公認」のものでなければ「犯罪」となります。
 日本の明治以来をみても現刑法185~187条同様の犯罪と処罰が法定化適用されており、ギャンブルは原則犯罪であるといえます。
2015年4月28日、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」、より略して「カジノ推進法案」という)が国会に再提出されました。今回は、カジノが犯罪を招くという問題に絞って述べます。
 なお、私は日本の近年のギャンブルと犯罪についてどういう実態にあるかを報告したことがあり、資料を用意しました。このうち資料1は、報告者が「日本のギャンブル問題と今後」として今年1月30日に札幌で講演したときのレジュメです。資料2は、資料1に掲載していない2014年12月4日以降のギャンブルとカジノの犯罪にかかわる報道事例とコメントです。(これらを詳しく述べる時間は無いので資料1,2をご覧下さい。)

2.カジノと犯罪
 本日は時間がないので、カジノと犯罪について結論と理由をコメントさせていただきます。
(1)「公認カジノ」で違法な賭博、のみ行為、闇カジノはなくならない。
   入場料がなく客に有利な闇カジノは存続します。公認カジノは勤勉さより賭博での射倖を促進し、道徳性、教育効果を低下させます。
(2)「公認カジノ」も全ての賭博と同様、犯罪等違法取得金が使用されることは防げません。
   防ぐには個人ごとの番号登録や持込金が正当な者であることの厳正証明がいるでしょう。これがなくては、犯罪で得た金が公認賭博・公認カジノで使われることを防げません。
   賭金の正当さの厳正証明を求めているカジノは世界中の何処にもありませんし、犯罪で得られた金も流れていることは公知です。
(3)「公認カジノ」では、経営者、従業員、客が絡む犯罪が生まれます。
   カジノは反倫理・反教育の場であり、射倖心と金儲けに特化した「世界」は犯罪の土壌です。客のいさかいから事業継続のための汚職、組織犯罪まで様々な犯罪が生まれます。
(4)ギャンブルは犯罪収益移転防止法違反のマネーローンダリング(マネロン)や脱税が横行する場であり、特にカジノはマネロンが容易です。
   カジノはチップの提供により誰にでも金を渡せる場ですし、ゲームにこと寄せて例えば客が通じ合えば、カジノのゲームを通して客AからBに大金を移すことができますが、このチップの移転は捕捉できません。そして、カジノでは1回ゲームごとの個人の一時所得計算もしません。ジャンケットや仲介人もマネロンの協力者となっています。
(5)カジノは売買春の場です。
   「呑む、打つ、買う」。VIP客へのコンプ(R:Room、F:Food、B:Beverage(酒、呑みもの))のサービス。カジノは金と性目的の歓楽の場で、売買春犯罪も伴います。

3.完全なる公的管理をされない民間カジノは汚職や脱税の巣です。
 客の収益と脱税を完全に捕捉するようなカジノに「客」は来ないでしょう。民間カジノの開設計画と許可の段階から運営、人事、監督のあらゆる点で利権と汚職の場となります。また、カジノと関連業者の脱税も生じます。
 利権や汚職、脱税を含み、犯罪資金が流入するカジノには組織暴力、組織犯罪とそれを防ぐ警察その他役所の利権が絡みます。莫大な金は正常な経済を歪め、政界、官界を表と裏で動かすものとして使われがちです。客を呼べば必ず儲かる民間カジノは業としての「賭博の開帳者」であり、その利権の維持、拡大に脱法が生まれます。

4.失われた金の悲劇と犯罪
 客のギャンブル依存症。負けた客は金を失い、家庭の金も奪い、そして借金を生みます。また、賭け金と借金の返済のために窃盗、強盗、横領等の犯罪を生み、悲劇を生みます。また、カジノで負けた客の自殺や心中(犯罪)もカジノの「罪」です。

5.カジノによる収益金や税金をギャンブル障害や犯罪対策に使うというのは詭弁です。
 カジノの収益金や税金を全てのギャンブル被害や犯罪対策に廻せる訳がありません。そんなカジノはやっていけません。韓国のIRでは韓国人カジノ客だけを対象として救済を実施していますが、それですら満足にできていないのです。もちろん外国人客は対象ではないですし、外国人は救済しないことでカジノが成り立っているのです。
 例えば、日本人が横領背任して持ち出した100億円は、外国のカジノ店側と儲けた客のものになり、客や被害者の救済には1円も使われていません。

(資料1)講演「日本のギャンブル問題と今後」メディアのための自殺関連問題学習会
(平成27年1月30日)レジュメ        (略)
(資料2)  ギャンブルと犯罪 ―その後―
1.はじめに
 2015年1月30日、私は札幌市で開かれた講演「日本のギャンブル問題と今後」で31頁に及ぶレジュメ資料を配付しました。そのうち20頁がギャンブルと犯罪に関するものでした(資料1レジュメp3~23。 同文はギャンブルオンブズマン会報32号にも掲載、会ブログから閲覧可 http://gambl.seesaa.net/)。
 この報告は、法務省や警察当局が賭博・ギャンブルの「犯罪白書」といえるものを公に作成していないことから、2000年以降2014年10月まで報道された犯罪事案の中からギャンブルに関係の深いものだけを整理したものです。
 これらをみれば、日本ではパチンコ絡みの犯罪が非常に多いことが判ります。それは、風営事業のパチンコ・スロットという「遊技」というも「三店方式」で換金できる脱法ギャンブルが日本国中に12000~18000店も展開され、売上げ(貸玉)は一時の30兆円から20兆円を切るレベルになったとはいえ、日本ではダントツのギャンブルであるからです。すなわち、パチスロはいつでも何処でもでき、国民の1000~2000万人が行う身近な「ミニカジノ」となっているのです。

2.以下、2014年10月以降に知ったギャンブルと犯罪について追加報告します。但し、これらはメディアにニュースとし報じる価値あるものとして認識され、しかも筆者が偶然知り得たものでしかありません。従って、その犯罪実態はこの数百数千倍はあると言ってよいでしょう。例えば、パチンコやカジノ等賭場での貸玉やメダルの窃盗や不正行為、少額被害事件は「説諭」か「警告」「追放」で終わり、検挙されても起訴さえされないものが多いからです。 なお、今回は既存の海外カジノでの犯罪報道にも注目しました。 (以下、報道記事から。( )内はメディア)
2014年12月4日  済州島カジノ、中国人の賭博天国(朝鮮日報)
  中国法は本来海外賭博も違法だが、中国人の賭博額740億ドル(8兆8700億円)。済州島では「性サービス」も提供。
12月7日  マカオ カジノで客がスロットで勝てるよう調整し、2001年3月から計40万香港ドル(630万円)詐取。マカオではチップや現金の横領事件も絶えない。(マカオ新聞)
12月24日  マカオ マネロン中国共産党幹部(周永康事件)(産経)
12月27日  オンラインカジノ 違法賭博と詐欺(毎日)
2015年1月17日  マカオ最大の売春組織捜査で財界人逮捕(ブルームバーグ)
1月21日  米シーザーズ資産移転 連邦法違反(ウォールストリート)
 〃    カジノ勧誘で金密輸(東スポ)
1月23日  ネットカジノ店 客にバカラ賭博(神戸)
1月26日  マカオ カジノ王(スタンリー・ホー)の甥ら、ホテルリスボアで5人管理売春で逮捕  売春婦2400人から59億2400万円の不正収入 2013年性人身売買34件 (sankeiBiz)
1月28日  東京 携帯電話カジノ常習賭博で出版界の御曹司逮捕(ナイワン)
      カジパラ 賭博収益3年で1000万円、広告料3億円以上
1月30日  大阪府警 インターネット賭博経営者ら逮捕 2012年2月~2014年12月までに2億円、1ヶ月平均500人の客 (毎日)
2月4日  チェンマイ 違法ネットカジノ運営で韓国人13人逮捕(グローバルニュース)
 〃   マカオ カジノ内犯罪16%増3千件超 (マカオ新聞)
2月9日  福岡市 バカラ賭博16人を賭博開帳、客3人を賭博で逮捕 (読売)
     暴力団の可能性
 〃   闇カジノディーラー 2~5億円から2000~5000万円に売上減(日刊ゲンダイ)
2月10日  岐阜市 市教委課長親睦会費350万円、主査27万円を着服しギャンブルに(産経)
2月15日  甲州市職員 パチンコ店の落とし物財布の着服(山梨放送)
2月16日  マカオ 上海の役人 カジノの借金190億円支払わず、債権者を犯罪者に(マカオ新聞)
2月19日  名古屋 違法カジノ賭博開帳で9人、賭博で客6人逮捕
      半月で7000万円売上 (中日)
2月26日  韓国カジノ増設大逆風 犯罪、自殺イメージ (産経)
2月27日  新潟県 パチンコで負けた警察官が捜査費を盗んで費消(読売)
2月28日  マカオ 腐敗撲滅で売上半減(PiDEA)
3月3日   マカオ カジノで4800万円分チップ盗み逃亡 (マカオ)
3月11日  競馬法違反(外れ馬券事件)最高裁第3小法廷 検察上告棄却(3/10)
      予想ソフトによるインターネット馬券大量自動購入は「営利目的の継続で外れ馬券も経費」との1,2審を支持 (日経)
3月15日  パチンコ関係詐欺犯罪多発 (北日本)
3月16日  横浜カジノ バカラ賭博で店側4人逮捕 (TBS)
3月18日  カジノ勧誘(ジャンケット)違法スレスレ(sankeiBiz)
3月20日  ブラジル 違法カジノ、客を含め100人逮捕 (ブラジルニッケイ)
3月23日  マカオ マネロン容疑で6人逮捕 他人のキャッシュカード(2chカジノ)
3月24日  マカオ 汚職取締りでカジノ減収(NHK)
 〃    韓国 カジノホームレス急増 (B.J)
3月25日  韓国 カジノで大負け日本人自殺 (仁川聯合)
3月28日  中古パチンコ販売会社社員、1億円横領しFX(外為)取引に。その会社はパチンコ台取引の慣行利用し120億円詐欺 (産経)
4月2日  アルゼンチン大統領 カジノ王息子に不動産貸借30万ドル賄賂か、マネロンか (lanacion)
 〃   広東省 オンライン賭博犯摘発1071人逮捕 3億3000万元
     タイのサーバー技術者7人拘束 (CRL)
4月5日  ニューヨーク カジノで400人以上乱闘 逮捕者3人 (CNN)
4月6日  ミナミネットカジノ店摘発(常習賭博) (NEWS24)
4月16日  東京都教員 パチンコで借金 無断欠勤4日 減給処分(朝日)
4月17日  2014.6乳児パチンコ駐車場放置死事件で依存調査 (琉球)
4月21日  マカオカジノ街 売春グループ中国人18人逮捕、韓国人21人拘束、売上約4500万円 (マカオ)
5月13日  横浜市 カジノ賭博5人を賭博開帳で逮捕、1日300万円(日テレ)
5月21日  渋谷でインターネットバカラ3人逮捕、2億円売上(テレ朝)
5月26日  警視庁、違法カジノ組幹部ら6人逮捕、1億円以上売上(産経)
5月28日  インターネットカジノ店で収入2700万円を得ながら、生活保護費310万円を不正受給詐欺、経営主も逮捕(神戸)
5月30日  北越紀州製紙子会社北越トレイディング総務部長 約24億円着服 刑事告発へ ギャンブル等使用 (毎日)
6月3日  ソウル カジノで900万円借金の中国人Aら、ホテル客Bらを強盗致傷。Bらは実は詐欺犯で、結局Aら6人、Bら3人を逮捕。(朝鮮日報)
6月4日  北九州市 ギャンブル依存の長男(35歳)の無心で母は「うつ病」。2014年10月父が長男を絞殺後自殺未遂。小倉支部は同情すべきと懲役3年執行猶予5年。長男の依存症を行政らに相談していたが有効策を見出せなかった。(読売)
6月5日  2010年野球賭博で引退の貴闘力によるギャンブル依存告白。競馬から始まり借金5億円にも。(TBS)

3.以上のとおり、約半年の報道ニュースを見るだけでもギャンブルをめぐる犯罪とその報道は、日本では闇賭博と公務員などの汚職・スキャンダル事件を中心としており、一般的なギャンブルを伴う犯罪は大きな悲劇と「ニュース価値」から一部しか報じられていません。海外のカジノをめぐるニュースは、ネットで拾ってみるとマカオ等のカジノでは犯罪が恒常化していることが伺えます。
 なお、カジノ等での所得税等の脱税犯罪は普遍的です。現行日本でも公営ギャンブルの脱税は公知ですし、海外のその国では非課税とされている場合でも出入金のチェックが十分にできず、課税所得の実質脱税や経済犯を捕捉できていません。
posted by inoue at 00:00| Comment(0) | 会報37号 | 更新情報をチェックする
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