2013年01月25日

ギャンブル番付

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ヘンリー・ギブソンの

ヘンリー・ギブソンの依存宣言をまねて次の2詩を作りました。

賭博宣言                 反賭博宣言

私は賭博好きである           私は賭博に反対する
私はギャンブラーの一人である      私は賭博が人を破滅させていることを知っている
私は公営賭博、パチスロ、宝くじ、    私は公営賭博とパチスロの増やす不正を怒る
  サッカーくじ、さらに「ノミ券」さえ   恐怖、暗い、汚いの世界、
  買ってしまう              警察さえも利権と汚職の世界がある
私の生活は賭けの結果で決まる      賭博は貧しい人をさらに貧しくする
賭事の当せん金に依存している      賭博は人を病気にし、罪を犯させる
賭博をやめることは私を無気力にする   人には賭けで儲けるより
私は賭博が生き残ることを望む             豊かな人生を追及するものがある
私は賭博が身近にできることを望む    私は賭博で破滅する人を生み出してほしくない
私は博徒である             私は賭博が奪う人の幸福と平静心を守りたい
私は賭博から逃げられない        私は賭博に反対する
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事務局より【会報8号】

1.地下鉄パチンコボディ広告事件(1月22日午後2時30分~ 地裁11民事部)

  原告から準備書面(1)を提出。その内容はブログに掲載していますが、①屋外広告物法、同条例からの違法広告、②マルハンのみのパチンコ列車継続の癒着、③ギャンブルパチンコの広告の反社会性、④広告を無理にでも見させられる人格権侵害などを内容としています。
  被告は準備書面(1)を提出。①広告をした列車と事情、②広告収入の利益、③原告らの被害の小さいこと、④「とらわれの聴衆」についての地下鉄判決例などを主張しています。
  なお、次回裁判は 3月5日(火) 午後2時30分から 行われます。
  参加希望の方は地裁11民事部書記官室(本館7階729号室)前に来て下さい。



2.BIG不当表示広告への是正申立

  1月15日付で、①消費者庁、②国民生活センター、③文部科学省に是正申立をしました。内容はほぼ共通で次のとおりです。


平成25年1月15日
消費者庁 長官 阿南 久 様
国民生活センター 野々山 宏 様
文部科学省 大臣 下村博文 様


スポーツ振興くじ「BIG」にかかる不当広告販売の是正申立書

                
                  ギャンブル依存症を生む公認ギャンブルをなくす会
  事務局  井 上 善 雄


1. 私どもは、添付会則のとおり、近時の公認ギャンブルによる被害をなくすよう求める任意団体です。会員には、学者、医師、弁護士、税理士らの他、市議、市民活動家などがいます。
   さて、独立行政法人日本スポーツ振興センターは、サッカーくじのうち「BIG最高6億円くじ」と称する実質宝くじ同様の当せんくじを販売し、ホームページ、新聞紙広告その他の購入拡大の営業をしています。
2. そのなかで、別添1,2の広告は明らかに不実表示を含む不当表示であり、私どもは昨年来当該社団法人の責任者に是正を求めてきました。結局3回にわたり対応された担当職員も、その宣伝広告の中に誤解を招く不当なものがあることは認められました。
   そして、最後に対応された上司の方は、私に是正とその不当な点を改める文書を私どもにも提出されると約束されました。しかし、約束から長期間になるもその回答はなく、誠意が見えません。
   実は、BIGの当せんくじは一般大衆に大金が当たると夢を抱かせ、その実質は購入金の半分以下しか当せん金にならないものなのです。従って、実質富くじの販売であり、特別法により公認されているとはいえ一般市民に誤解を与えたり、少しでも詐術があってはなりません。まして、富くじでありながら19才の未成年者にも売ることを考えると、特別の慎重さが求められます。
3. 私どもは、そのホームページの広告や新聞広告文全体が、6億円が当たると誇大な強調をしてくじを買わせるもので、不当と考えます。
   そして、個別に記載する広告表示を見ても、「BIGマン(高田純次氏がキャラクター)が教えちゃう」という6億円当せんの「傾向と対策」は全く詐術です。
   そこにある「6億円が出やすい購入日の順位」を「①土曜、②金曜、③木曜」というのはこの日に買うことを勧めるものでしょう。しかし、真実はBIGの販売計画や売り方とその購入日の事実の購入者が多いことで生じる常識的当せん数でしかないのです。
   結局、本当は当せんが出やすいというのは誤りです。逆に言うと空くじ数も多いので当せん確率が高いかどうかの点で意味のない情報を「傾向」とし、その「傾向」に合わせて購入するようBIGマン(運営販売主である日本スポーツ振興センターの手先となるキャラクター)が教えるとして勧める不当勧誘です。
   真相を追及できない人や19才の未成年者やお年寄りなら、この宣伝に乗せられても当然です。
   このことは「6億円がよく出る購入時間帯」も同じ詐術です。何時台であろうと一定時間帯の購入者が多ければ当せんの実数は多いのですから、「よく出る購入時間帯」を「10時台」と言うのは不実表示です。
   さらに、詐術の酷いのは「6億円当たった人の購入口数」です。新聞広告では1位を10口以上としています(つまり3000円以上の購入)。ホームページでは2位は5口、3位は3口としています。これでは比較方法からして詐術です。多く買えば宝くじ数と共に当せん数も上がり、「10口以上」は10口以上なら何口であろうとその全ての購入者が「10口以上」にまとめられ、当せん本数に計算されます。しかし、5口や3口はその特定数だけというのですから比較になりません。こんな子供だましの広告でも、夢を追う人には有効と思わせて宣伝し、だから6億円を当てたい人は10口以上は買っておくことが必要との「対策」を教えているのです。
   以下、星座、名前・苗字などの「傾向と対策」は、BIGマンがこの条件に合う人を巧みに誘うだけのものです。
   なお、この新聞広告では「当たれば人生が変わる!?」として「サンデー毎日定期購読4万年分!?」などとし、バカバカしいまでの「実りの秋、財布に来い!」としたり、げん担ぎワイドとして「試せばあなたも6億円!?」と4例をあげ、「給料日には必ず買おう!」「BIGと生きる」などと広告表示しています。
   こんなギャンブルの「BIGと生きる」ことを文部科学省指導監督下の日本スポーツ振興センターが行っているのです。同センターは、文部科学省や財務省からの高級役人が理事に天下りして高給与を得ているところとして有名です。この理事の方が自らのこれら広告に恥じないことにも驚かされます。
4. さて、このような不当表示を続けていることについて、貴庁におかれては、日本スポーツ振興センターに是正と被害回復を求められるよう申し出ます。
   私どもとしては、不当な表示、広告による宣伝勧誘について今後の停止はもちろんのこと、かかる勧誘をして購入させて見事に騙した購入者、消費者国民に謝罪とかかる広告によってBIGを購入させた全額金の払戻しを求めるものです。
                                      以上
(添付資料)
  1.2012年10月16日付毎日紙朝刊掲載広告
  2.toto公式サイト「BIGマル得情報、当選データ集」他
  3.会則


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<ギャンブル相談>

 またも姪が大変なことをしてしまいました。姪は精神病歴もあるパチンコ依存症です。
昨年12月25日に本年1月分の生活保護費を支給され、その足でパチンコに行ったのです。そして一日で一月分を使い切ってしまったと電話で連絡がありました。お金を貸してくれと言うのです。家賃を先月も払っていないので大家さんに怒られると言うのです。私は断りました。貸したお金はまだ1円も返してもらっていないのです。あまりにも泣くので忙しいからと電話は切りました。
大家さんに連絡しますと随分怒っていました。大家さんは私にお金の管理をしてほしいと言うので、F市役所の生活保護ケースワーカー担当職員に事情を話しましたところ、支給は本人のみにするものであるし、支給後どう使うかは関知しない、人権があるので、と言います。私は根気よく話を続け、社保協に後見をする契約ができるのではないかと申し出ました。しかし担当職員は、本人が了解しないことにはできない、貴方が一緒に行って話して下さいとのことでした。
今回、本人に私から話すと、心細いのも手伝って「やってみる」とは言うものの果たして実行できるのか不安です。
 それにしても市役所のケースワーカーからの指導は十分とは思えません。パチンコ依存症の被保護者に対し、厚生労働省はどうされているのかと思います。               (T)

 回 答 
 大変御心配のことと思います。実は、パチンコなどギャンブル依存症の人がパチンコなどギャンブルに生活保護費を投じてしまい、今後の生活に困るという話はよくあります。F市だけでなく他の市でも困ったケースとして必ずあるのです。
 ただ、現実は口頭の注意ぐらいはしても数多く見逃している結果になっているのです。厚労省の生活保護手帳、別冊問答集等をみても具体的に本件のようなケースをどうせよと言うのかはっきりしていません。
 ただ一般論として本来の生活保護のために支給している金員をギャンブルに使うのでは困るので、生活保護法60条の生活上の義務を果たすよう指導するとしています。これができない者には最終扶助打ち切りの警告をするというものです。近親者、社会福祉協議会との任意後見などの方法での金銭管理も考えられるでしょう。
 これらの手順は置くとして、実は厚労省は生活保護費の支給条件のチェックに関しては厳しい指導、判断が示されます。法27条の指導、指示、相談、保護があり、厚労省平成18年、22年の手引きには指導・指示書の文書例示まで型どおりのものはあります。
 しかし、現状は支給後の生活指導には弱く、特にギャンブル依存症の存在は認めても、それが重い精神病として入院させるものでないならどうすべきかについて満足な検討、指導がないのです。ギャンブルができるのなら、就労を指導する方法もありますがこの点も不十分です。
 これは国も公営賭博を許していることと関係があるという人もいます。公営賭博があっても厚労省は賭博・ギャンブルへ生活保護費が流れることを防止して、依存症の人の更正、自立を図るよう努力すべきです。私たちはギャンブル依存症を放置する政府、自治体を糺すことが必要でしょう。この点、メディアもギャンブルの先棒を担いだりしているケースもありますので困ったものです。かつてタバコが税収になると放任され、国民に害を及ぼしました。依存症を生み拡大させているのに反省なく公営賭博をし、パチスロ依存症も増やしている営業を止めるよう世論が必要です。      (Y)

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ヤクザ隠語カルタ

 ギャンブルは博徒のするもの。この博徒をヤクザというのですが、ヤクザは隠語を使います。ギャンブルには公然化できない隠語が多いのです。

あ あいつきはヤクザ仲間のごあいさつ           (つきあい→あいつき)
い 如何様のいねしにヤキを入れ     (インチキのいかさま賭博に制裁を加える)
う 打ちをする うすい うべでは役立たず (博打打ちでバカな見張りは役に立たない)
え えんこづめ 義理を欠くとおとしまえ (猿轡の手から指をつめる 解決のために)
お おいめなり おかるするしか おひんなし
(賭博の負けがこみ、相手の札を盗み見するしか資金がない)

か かつあげに かすりはヤクザの常となり   (恐喝と詐欺はヤクザの日常になる)
き きすをひく きすぼけとなる きやたろう    (酒呑みが酔っ払いになった客)
く ぐにやより ぐにうけできず 流しまう
(五二→7→質屋より質受けできず流してしまう)
け げそどこだ いわれ やあさま もさあるか
(下足→親分はどこかと言われ、テキヤ文句があるかと)
こ 事売も ゴト師も共に インチキし  (不正商品売りや詐欺師も騙す仕事をする)

さ さかづきをおろしてテキヤ さくらにし
(杯を交わした子分を取り立て、露天商の客を装う者にする)
し しゃぶを売る しょばわりをする オレのしま
(覚せい剤を売る場所をわり付ける オレの縄張り)
す すけ由来 なおん なおすけ なおが抜け
(おんな→なおん→なおすけからすけが女を指すように)
せ せこものを きゃあに売る せみをする (粗悪品を客に売る店みせ→せみをする)
そ それはガセ さくらにつられ 買ったもの
(それは偽物 露店の通謀客につられ買ったものだ)

た たいへいに ダフを売らせる テキヤあり
(兵隊の逆(タイヘイ)若衆に札(フダ→ダフ)を売らせるヤクザ)
ち ちょうひねの ちゃかを奪えと だちこうが
(巡査部長の拳銃を奪えと仲間(友達→達)いい)
つ つぶでやる チンコロ勝負 ちょぼいちと
(サイコロでチンコロ勝負 サイコロ一つで)
て でんすけは 博徒でなく テキヤいい
(街頭でのイカサマ賭博はトバクでなく露天商という)
と どろんする 鉄火場 銭がなく     (金がなくなり賭博場から逃げてしまう)

な なま入れをぎるし じゃりにちくられる    (現金を盗んで子供に密告される)
に にんにまで 西を向かせる 暗鉄砲         (素人まで殺す無差別攻撃)
ぬ ぬくいやつ がんをつけたら 追い払い
(怪しい奴 眼を付け喧嘩を吹きかけ追い払う)
ね ねたもとは 商品の元 テキヤの親    (商品の卸元からテキヤの親分のこと)
の 呑み屋とは 闇の利益の便乗屋(公営賭博でヤミの賭けをすることを呑み屋という)

は パチンコは はじきやチャカのピストルで  (パチンコ、はじき、チャカは拳銃)
ひ ひもになる はくいはいいが ばしたダメ
(情夫になる相手にいい女はよいが親分の妻はダメ)
ふ ふかすのは はやい品物 隠すため      (隠すため盗品のため売り飛ばす)
へ ぺてぼうか へたり売(ばい)する ダリだろう(バカが口上なしで露店売り ダリ間抜け)
ほ 木屋とは 葉木を売る人 植木商       (ぼく(木)を扱う植木職のこと)

ま まえがあり 二度とまちがい起こさぬと             (まえ=前科)
み 皆の前 回り面通 仁義する    (皆の前で順に挨拶すること まわし仁義)
む 六(む)四(し)は務所 麦六米四由来とも (刑務所の食事は麦六米四から務所とも六四とも)
め めんちょうを 回すダチへの奉加帳 (帳面は奉加帳でテキヤが同業者を助ける)
も もくあるか もさがないのに ダリがいい (もく→タバコ 臆病と愚か者という)

や やーさんの やきを入れるは リンチなり (テキヤの制裁をするリンチのこと)
ゆ ゆきもどり 値上値下で やり取りす (のこぎりめを行きつ戻りつやり取りす)
よ ようらんを着て ようきすを呑む男 (洋服を着て洋酒を呑む男)

ら らったした らったを吹いたと告げ口す (恋をした大嘘ついたと告げ口する)
り りゅうこされ らりるがつねの 酔っ払い (拘留されへべれけになる酔っ払い)
る るびゆらい 振り仮名つける ルビー文字(余計者のるびはルビー文字に由来する)
れ 連結器 男女を結ぶ 隠語とか (男女を結びつける身体をいう)
ろ ろくをはむ 仁義はたすは いのちがけ (一家のやっかいになり組に体を張る)

わ わりくれと わたりをつけに わらじはく (分け前ほしいと交渉する旅に出る)
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賭博の見方、考え方

1.これまでギャンブル依存症、病的賭博という社会的弊害や、それを公許の公営ギャンブルが招いている事実を基に、私は現在の公認賭博を本来刑法上の違法行為で社会的に許されないと強調してきた。
  これに対し、賭博が古代から禁じられても興じられてきた史実を正面から書き、賭博の娯楽性や占いの面、人々のおおらかな楽しみの対象とし、支配階級の被支配階級への治安対策の一環としての禁止に疑問を呈しているものがある。
  それは、増川宏一氏(元社団法人将棋博物館顧問)の著作「賭博Ⅰ~Ⅲ(ものと人間の文化史40巻Ⅰ~Ⅲ)」(法政大学出版局1980.6~1983.10)である。氏の博識の著は、日本の古代はおろか古代エジプトから古今東西の賭博に関わる知識を提供してくれる。
  これを読むと、人が如何に賭博に親しみを持つ存在で、支配者が禁じようと続けてきたかが判る。氏は「賭博は人間の生活の側面史、文化史の一部門」とされる。もちろん、史実にはマフィアや犯罪シンジケートの関わり、不法所持やこれによる浪費、警察や政府の買収、ニクソン大統領とマフィアの関わりなどをⅡ巻397頁までに書いている。
それでも「武器を手にして雌雄を決するか、それとも賽の目で決着をつけるか」と古代インドの伝承詩にあるように、賭博が本来平和的な行為であることを示し、その祖型は卜占の方法として真正な行事であったとする。それが、私有財産制度の下で娯楽化し、「階級分化社会で支配階級は享楽の行為として被支配階級には生産を阻害する行為」となったというのである。
氏は、賭博用具の発展を人々の娯楽を追求する情熱とするから、賭博を権力者といえども抑圧し得ない文化的産物とする。

2.氏の3巻で1000頁を超える大著の労には敬服する。賭博を単に刑法が禁ずる犯罪行為として単純視してはならないことがよく判る。
  今日、私たちの室内ゲームであるトランプ、チェス、将棋、囲碁からサイコロゲームやカルタまで、この賭博の歴史と深く関わっていたことを知るべきであろう。
  氏は、賭博の個々の歴史的事実について是非を判断するより、ありのままの社会史として紹介することに努力を重ねられており、私たちは今後の賭博(ギャンブル)のあり方に参考資料を与えていただいたものといえる。

3.氏の著には数多くの事実が紹介されている。例えば、講談等で有名な鼠小僧次郎吉が紹介されている(Ⅲ巻247頁)。
  天保時代(1830~)建具職人の次郎吉は賭博に熱中して賭け金に困り、警備の薄い旗本屋敷から盗みを繰り返し、結局武家屋敷71軒から90回、2334両以上を盗んだが、このうち5両余は生活費、他は遊興賭博に使ったというのである。
  氏は、次郎吉について、封建制度化で他の拡大再生産への投資も不可能だったと半ば弁護されている。被害者が武家であったので庶民の非難も少なく、貧乏人に金を配ったことなどなかったのに次郎吉は義賊扱いされたのであろうが、賭博が動機となって盗みが常習化するのでは、賭博の害といわざるを得ない。
  現在でも親族からの盗みや詐欺をした動機が賭博資金だったというものが多い。賭博が本人の良き娯楽や豊かな文化に貢献するのなら、賭博を禁ずる理由はない。今日では自らの富を宝飾品やブランド品につぎ込むことも何ら禁じられていない。
  それどころか、株式投資・投機から先物投機まで法律によって許されている。これらは「賭け」による金儲けに他ならず、自由資本主義は投資・投機を原則許しているから、貧しい人々の賭博を何故禁止するのかという倫理的問いに答えられなくしている。
  実は私は、消費者に投機を自由にすることは、消費者保護に反すると考えている。投機はその投機の内容について十分な教育のある人が十分な情報、そしてその対立する者に対等に戦える資力があるという条件下でなければ、悪質商法を野に放すことになると考えるからである。
  かくて、投機はもちろん元本保証のない投資でも今は一応厳しい取引条件が求められている。
  これに対し、今日の賭博は、持っている金については全てをゼロにするリスクと、極めて少ない確率での高額の私益という射倖度の高さそのものが本質となっている。いわば、人の射倖心によって人の正常な判断をマヒさせる仕組みがセットされているのである。
  残念ながら1980年代前半の知識での著書には、ギャンブル依存症も病的賭博への考察もない。精神医学界の未発達とその情報不足の故もあるが、「賭博は確実に利益を得る行為でなく、リスクを楽しむものである」という楽観視や、「余暇が即賭博の隆盛と結びつかない」とし、「賭博が娯楽として愛好され、道徳的にも容認される時代はそれほど遠い将来のことではないだろう」と、ほとんど手放しで肯定している。これは誤りである。

4.私は、現在の公営・公許賭博の負の側面を強く評価している。支配階級や権力者が自らの賭博は享楽としても許され、被支配層の賭博は生産阻害する禁止されるものであれば、私は氏と同じく抗議の声を上げたい。
  今は法の下の平等で金持ちも貧しい人も同じ規制下にあるという形式主義的平等主義はある。しかし、日本の金持ちは、例えば宝くじやtotoを買わない。パチ・スロもしない。競馬でさえ貧しい人の金を収奪しているのである。より貧しい人ほど公営ギャンブルの「夢」を買わされ、事実上追加した税、収奪金を取られている。パチ・スロでは全国1.2万に及ぶ企業者が1700万人以上の大衆を平易にギャンブルに熱中させて20兆円の売上を収奪し、200万人に及ぶパチ・スロ依存症を生んでいる。それを問題にしているのである。
  タバコは昔から人類の快楽の対象であり続けた。しかし、その病は愛煙者自身にも社会全体にも及び、社会的損失から法的には吸引宣伝が制限されている。酒もT・P・Oでその規制度を深めつつある。
  人の娯楽の呑む(酒・タバコ)、打つ(賭ける)が「本性」に由来するところはあるが、その人、年齢、状況、条件によって制限を受けることはやむを得ないだけでなく、その人自身の人生を守るためにとって必要である。
  それを私たちはルールという条件で問うのである。
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