2012年11月27日

ギャンブル被害をどう視るか ―社会全体に拡がる―

 ギャンブル被害というとギャンブルにかかわる事業が生む人々の病気・犯罪、そしてその人が周りにもたらす借金・犯罪などのレベルと考えられるのが一般でしょう。ギャンブルに賭ける客の資金のために家族、知人、友人らへの被害(借金、放火、器物建物損壊)からとばっちりで関係のない人への殺人まであります。
 しかし、ギャンブル事業そのものが生む地域社会への風紀低下、犯罪増加、環境悪化から、その事業を支える側での贈収賄、脱税から風営法下での脱法ギャンブルなどは、かつてはヤクザの温床であったが、今では警察と遊技業界の癒着という「被害」も生んでいる。
 公営賭博の世界でもその関係企業は不正・不当な利益を含む利権をめぐり「癒着」している。
 そしてギャンブルを原因とする病気は依存症を含め、健康回復のための医療治療、福祉を含め多大な社会費用となる。またその対応は行政対策コストだけでなく、司法分野を含め社会コストとなる。実は、多重債務者をめぐる裁判所、刑事犯罪をめぐる警察、検察、裁判所、さらに刑務所までの司法コストを含めると、ギャンブルによる国や自治体の収入が仮に1兆円あったとしても償えるとは思えない。なぜなら、仮に病的賭博者を100万人と低く見積もって年100万円の治療費用等がいるとして、それだけで1兆円いることになるし、厚労省、警察から裁判所までの行政職員の社会コストを加えると、社会全体の収支コストは「赤」マイナスというべきだろう。           (井上)


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競艇場にて

 11月5日夕方6時に住之江競艇場に行ってみました。驚きの第一は100円で入場ができること。一度入場すれば、何度でも繰り返し入場できること(制限なし)。
 第二は若い両親がベビーカーの赤ちゃんを連れて来ていたこと。歩ける幼児連れもいました。こんなタバコの煙で目も頭も痛くなる処に幼い子供を連れてまで来なくとも良いのにと強く思いました。
 本筋のボートレースですが、これと言って目につくようなこともなく、人々は思ったより静かに観戦していました。
 建物はかなり広く、窓口は普通と大口専用の払い戻しとに分かれてありました。    (T)
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ギャンブル視察記 ~住之江競艇~

 11月5日18時~20時、住江競艇場集合、参加は会員5名でした。誰も賭けたことがない未経験者。まず100円コインを投入して入場(再入場カードで終日出入り自由)。当夜はナイターのレディース大会(女子選手のみのレース)。
 ボートが大音を出してスタートすると、第1ターン、第2ターン、左回りに3周してゴール。なお本番前に「展示航走」で2周する。展示航走でそのレースの舟券の発売は終了。
 舟券は単勝、複勝、単式、連勝複式の4方式だが、現在は賭け率を高めるため3連勝単式、同複式が売られる。1~6号のボートの1,2,3位をピタリ当てれば3連単で100円が100倍以上の??万円になる仕組みである。連勝単式は何千円台が多い。
 ゲームの仕組みはこの辺りにして、客層について。圧倒的に男、それも50~60代以上、子連れの夫婦もいたが100人に1人もない。禁煙スタンドもあるがガラガラ。圧倒的に煙りだらけにゴミだらけ。ただし、思ったほど罵声はなく、スタート具合でほぼ順位が決まるので第1ターンを過ぎるとため息組が圧倒する。券売場前には許可を得た予想屋さんも4~5人。予想札を100円(?)で売る。販売や払戻はほとんど自動機械。100万円以上の払戻口はガラスにカーテンでほとんど閉まっている。1万円券で100倍以上にすればここで払戻を受けるのだろう。ピンク服の女性が内側で手売りもしている。ラジオ並みのアナウンサーと解説者のコーナーもあり、巧みに当たり障りのない情報を流している。
 今晩の入場者は推定2~3000人であろう。真面目な働き人は競艇場の職員、ガードマン、案内、売り子、場内店舗(食品)販売員らで、賭客は年金族、退職族、失業者、病人に見える。アルコール販売は抑えられているが、タバコ中毒を含む依存者が多いと思える。もっとも西成区等のルンペン路上生活者とは見えないのは、入場料も必要なためか。
 レースは4レースほど視たが、賭けなければ成績も気にならず面白くない。電光掲示板の数字も掛けルールが判る人用である。ただ、スタートからスロービデオを含めてレースを放映し、公正さは写真判定を含めておりトラブルを招かないようにしている。
 住之江は府下16市の競艇組合と箕面市が180日開催日のうち102:78で開催日を持ち、収益をあげている。施設やボートなどは独占する民間企業のもので、場内の店舗も含め利権の巣になっている。
 賭場にはヤクザ(8+9+3=20で0のブタ)がつき(・・)も(・)の(・)。暴力が金力になっても力ずくめでないとこの商売はオサマラナイ。
 視るところ客の大半はギャンブル依存症である。
 しかし、よく考えると主催者の自治体も「病人」からテラ銭を得る「ギャンブル依存」だし、その委託運営の会社、従業員も「ギャンブル依存」ということになる。
 今やモーターボート産業はギャンブルがなくてもやっていけるし、やっていくべき事業だから、現在日本では法の存在目的はほとんどない。もしこんなことで存在意義があるとすればサイコロ、花札、トランプづくりまで賭博を許して産業育成しなければならなくなる。
 要は、100円を賭けたうち25円は市町を中心に開催者らが収益をあげる事業(しかし内訳は開催経費が16.4%、笹川氏と天下り役人の船舶振興会へ3.3%、競走会に1.2%等と流れ、市には3%残るのみ)だが、賭客が少なくなると「経費倒れ」の赤字になる事業であり、およそまともな収入源ではない。
(付録)
 場内でボートレース用語番付タオルが売られていた。近畿では尼崎、びわこ、津でも行われていることが判る。「まくり」「逃げ」「差し」「抜き」そして「ペラ」「スリット」「アジャスト」「ターンマーク」等の言葉が並ぶ。主催者がファンと呼ぶ客は選手の「A~C級」「体重調整」も知り、エンジンボートの番号も知らなければならず、場外で売られていた出走表とデータの専門紙も睨んでの賭けは、難しい読みと偶然性が支配する。
 第9レースでは最初のターンで一艇が他艇にあたって転覆し、走行妨害失格となった。それでも転覆艇や救助艇スレスレにターンしてレースは続けられた。選手も一つ間違えば死傷する。このリスクも公共性故許されるという訳だろう。
・住之江のレースに女もマクリ行く ファンの客席 タメの息ばかり
 ・6艇の3連単の確率は         ・公認の予想屋 これで当たると盛り上がる
 ・スタンドの席 10分の1客で黒か赤?  ・競艇につかれ顔みて船酔いし
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コラム ●ギャンブル依存症に「薬」の依存療法●

ギャンブル依存症に薬はない――。というのが多くの医師の見解でした。
しかし、実際に病を持った患者に対処し「治療」するとなると、薬の力も借りたいということでしょうか。躁うつ病、薬物依存症へのSSRIなど抗うつ剤やオピオイド拮抗剤、リチウム塩を使うという医師がいます。
また、ナルトレキソンを使った事例もあるようです。ナルトレキソンは、アルコール依存症、薬物依存症への治療薬とされているように、結局依存症の薬はまたその薬への依存を深める可能性があり、本来はギャンブルにのめり込まない生活が大切なのです。
実は、薬物依存症が精神科医の投与する薬品によって拡大しているという事実もあります。病気薬に依存することに反省が求められているのです。
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<創作>ギャンブルショートショート『 務所賭博 』

 常習賭博罪で懲役3年を言い渡されて刑務所に入った徒場博(とばひろし)は、その「病気」が治らない。もちろんそこには花札もサイコロもない。だからシャバの「追丁かぶ」も「チンチロリン」もできない。トランプもないとポーカー、ブラックジャックのゲームもできない。
 だから博は娯楽時間のテレビ番組、特にスポーツ中継を利用して博打を秘かにやっている。服役者としてそれが見つかると一大事の懲罪房ものだが、看守職員にバレないよう工夫する。賭けは試合の勝ち負けだけでなく、点数差などで賭け率を高める方法はある。相撲もその対象とし、その日の勝ち負けだけでなく優勝力士のトトカルチョもする。相撲や野球は、朝刊で知って賭けると夕方のラジオで確認できる。のど自慢番組の優勝者も賭ける。
 刑務所内には現金がない、だから支給される石けんからティッシュまで何でも賭ける。所持が許されるタオル、ハガキ、切手まで品物は少なからずある。
 賭けは複雑化させてハンデを付けることもある。賭けの囲碁・将棋の「置石」「駒落ち」もハンデだが、務所では自由にできない。
 石けんは金と同じように貯めると隠し場所もいる。看守による一ヶ月1~2回の「総点検」もある。そこで博は工場の看守の机に隠し場所を見つけた。総点検日は服役者の作業の主計係がこっそり教えてくれるし、隠れ協力者がいるのだ。楽しみの少ない刑務所。ギャンブルは服役者の運動会でさえこっそりやっている。
 博は刑務所内で自家製の酒をつくる方法を教えられた。フルーツの缶詰と食パンをビニール袋に入れて1週間ほど発酵させるのだ。この酒の賭けは酔っ払いが出て看守にバレるので博はしない。
 このように刑務所でも博は賭博を常習としていた。しかし、石けんを賭けるようなセコイ(?)「ム所賭博」は、いまや勝っても面白くなくなった。そして今は一ヶ月でも早い仮釈放を待っている。
 シャバに出れば公営賭博はもちろんどんどんできる。公営の競馬、競輪、競艇に宝くじも同じ賭博なのに、テレビや新聞のメディアは宣伝、案内して推奨している。大手を振って賭博ができるのだから、ノミもせず賭け率のよい競輪等やるしかない。
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コラム ●ギャンブル広告は禁ずるべきである●

 今、タバコの喫煙を勧める広告はよくないという考えが定着しつつあります。
 酒も同様で欧米にはないことですが、日本ではTVや新聞でも酒を旨そうに呑ませたり、酒を勧める広告が大手を振るっています。無差別にTV、メディアで飲酒を勧めることは自由主義・資本主義下でも許されないという考えを広める必要があります。
 また、酒よりもギャンブルについてはなお弊害もあり、公営賭博でも風営法のパチスロでも推奨広告は一切禁ずるべきでしょう。
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出版物紹介

1.『ギャンブル依存との向きあい方』 著:中村努、高澤和彦、稲村厚
(2012年5月30日発行 (株)明石書店 ¥2000+税 268頁)
 「ギャンブル依存症」という病気評価は誤りではないが、その評価だけでは解決できないという。自らのギャンブル依存の克服体験から、たった一日でも止めていこうという「ワンデーポート(今一日の港)」というNPO法人を2000年に設立した筆者らの著作である。
 ギャンブル依存にも多様なタイプがあり、「依存症」のアプローチだけでない支援が本人・家族らに必要であること、人と生活に寄り添う取組をいう。また、ギャンブル依存に多い「借金」問題について家族は返済の手助けもせず、あせって債務整理するより、借金からの解放を自らを見つめるチャンスという。
 本書は題名どおりギャンブル依存症の医学、病理の出版物でなく、本人、家族、支援者のためのギャンブル依存との向きあい方、アプローチを紹介する。ワンデーポートの12年間の利用者は400人。施設への受入(定員30名)や相談案内もある実用ガイドである。
  このような取組がNPOだけでなく、本来はギャンブル依存を生み育てているギャンブル産業や政府・自治体において必要なのだが、ゼロに近い今日において「光明」といえる。
● 認定NPO法人 ワンデーポート ●
連絡先:〒246-0013 横浜市瀬谷区相沢4-10-1  TEL:045-303-2621
ホームページ:http://www5f.biglobe.ne.jp/~onedayport/

2.『依存学ことはじめ』 編:船橋新太郎 (2011年3月30日発行 晃洋書房 ¥1700+税)
 「―はまる人生、はまりすぎない人生、人生の楽しみ方―」との副題がある。医師、ギャンブル学者らの依存症にはまらない精神文化や依存というそのものを考える本であって、NPO法人「依存学推進協議会」(http://izongaku.org/)設立に至るまでの学際的研究がある。
 ギャンブル依存症について帚木蓬生氏による詳しい報告から始まり、「依存」を「熱中」と対比したり、薬物依存の神経科学まで詳しくアプローチしており、会員に読まれることをお勧めしたい。

3.『依存症―ほどよい依存のすすめ―』  著:伊藤洸
(ライブラリこころの危機Q&Aシリーズ 2011年6月25日発行 サイエンス社 ¥1600+税)
  ギャンブル、アルコールの依存症を書くが、物質依存でも薬物系についてほどよい依存を勧めているものではない。脳のしくみから精神科の医師としての長い経験も踏まえてQ&Aで判りやすい。
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パチンコ研究(3)

1.前回、パチンコ(パチーノ)を賛美した室伏氏の著作からパチンコを論じたが、今回はパチンコ業界を正面から批判する溝口敦氏の『パチンコ「30兆円の闇」』(2005.10.20小学館 ¥1400+税)を参考にして論じる。
  氏は、2005年1月~6月まで週刊ポストに同名で連載しており、本書はそれに加筆、再構成したものという。副題に「もうこれで騙されない」とあるように、パチンコがギャンブルとして警察管理の下に諸悪の根源となっていることを批判する。

2.パチンコは警察との癒着で成り立ち、売上が30兆円もの産業となった。これは外国のカジノ産業に匹敵する。
このパチンコという「密壷」に警察OBが1県平均1000人もたかり、パチンコ店、景品会社、ホールオーナー、組合に天下り再就職するという。上場を果たしたメーカーの「平和」「サンキョー」と異なり、ホール会社の「ダイナム」「マルハン」は1兆円企業となっても上場できない。これは換金することが法制化していないのに3店方式という「抜け道」でやっていることが影響する。パチンコ・スロット店は大型化し、今では暴力団に代わって警察がパチンコを食い物にする。その分、業界も歪んだという。
  パチンコと警察の癒着に対し住民が闘った国分寺事件は有名。パチンコ店からの餞別、付け届けで潤う署長。パチンコに係わる生活安全課はカネになるのでなりたがる。などなどが内部告発を入れて紹介される。「3店方式」はかつてヤクザのしていた換金行為を警察が奪い、それを警察管理下で認めるシステムである。この換金で儲けた大金は、警察OBのいる企業、団体に回るのだ。

3.パチンコには悪徳ホールの「搾取」がつきもの。メガヒットの新海物語と裏ロム、大連チャン、大ハマリと自由にでき、ピンポイントで客を決めて遠隔操作もでき、出玉をカットできる。
そんなパチンコだがゴト師(不正手段で操作する客)の「裏技」で儲けた金の多くが中国に流れるという。そんな世界だけに殺人を含む事件も生まれている由。
  パチンコの寄生産業として攻略出版、パチンコ広告の嘘、裏ロム、機械検定料で儲ける「保通協」と警察の関係、天下り、そこにいた警視総監のドン、紙幣識別機等の産業もある。
  かくて吸い込まれた「カネ」は脱税もされ、北朝鮮への流出(ピーク時600億円)、そして白亜の豪邸になり、パチンコ機で当てれば億万長者になるという。
  そしてこれらを支えるのが保守政治屋である。パチンコ業界の表・裏の献金は莫大で、パチンコ族といえる国会議員がいる。

4.さて、パチンコ依存症は100万人いて地獄の現実という。白昼の鉄火場、賭場となったパチスロ店で1日何十万円が賭けられる。ケイリンは年1兆円、これと比較してもパチンコはギャンブルの横綱である。
パチンコ人口は1500万人ともいうが、自ら依存していることを認めるのは30%で、ヘビーマニアで止められない依存症と紙一重である。しかし日本では、パチンコはギャンブルでないとしてパチンコ依存症排除はとらないし、とれないという。
パチンコは今や全国に1万6000店もある賭博場となっている。風営法では賭博を一切禁じているのに遊技場たるパチスロ店が20~30兆円賭博場として栄々としていのは日本以外にない。

5.以上、溝口氏はストレートにパチンコの世界を暴いている。
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コラム ●toto(サッカーくじ)も射倖性UP●

 サッカーくじも健在の6億円当選から最高7.5億円まで射倖性を上げることが企図されている。これに対し、毎日の10月9日付社説は批判的に取り上げている。
 宝くじの最高当選額の引き上げも同様だが、客を増やして売り上げを増やし、その40%を吸い上げる方法はギャンブル(賭博)度を高めるしかないという考えなのだ。
 サッカーで許されるなら野球でも相撲でもくじを発行してよいし、賭博を禁じる規範性はなくなる。そもそも現代においてスポーツとして文化性を認めるなら賭けの対象とすることは冒涜だ。
 金が欲しいとサッカーをダシにして、そのほとんどはサッカーくじに関わる企業、役人、商売人が手中にするtotoは背徳、背信、背任の賭博行為である。ギャンブルで支えられる「スポーツ立国」など茶番だ。
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BIGな「犯罪」を止めるべきである

1. 10月16日の毎日紙に独立行政法人日本スポーツ振興センターのサッカーくじBIGの広告が載り、ホームページや車内広告と同じようなデタラメな広告をしている。ラッキー毎日と毎日社の雑誌広告かと見紛う表題で「今年のチャンスはあと5回」「デタデタ6億円」等と15回も「6億円」(しかし、本来は当たっても1等3億円で、キャリーオーバー(当せん者が出ず次回に当せん金を上乗せ)の場合だけ)と書く。(その広告)6号広告.JPG

2. その広告の犯罪的なのは「BIGマン」(俳優高田純次)が教えちゃうという6億円当せんの「傾向と対策」だ。今もホームページ(HP)でも詳しく広告されているその内容は―――。
(1)6億円が出やすい購入曜日:①位 土曜日  ②位 金曜日  ③位木曜日
   これらの日に買えと言わんばかりだが、振興センターのお客様センターに追究すると、データによれば①②③は週末で売上(駆け込み購入数)が多くなるので自らこういうデータになるという。それを「傾向」というのはどういうことかと言うと「事実を載せただけだ」と答えた。ではその「対策」はどうせよというのかと問うと、それは購入者が決めることととぼけた。
   BIGマンが教えちゃうのは「傾向と対策」とあるのに不当な表示だと言うと、担当者は答えに窮した。また、同じ広告の中に「給料日には必ず買おう」と大きく勧めているが、給料日は木金土に限らないと言うと、その「対策」という表示は不当だと認めた。
   HPでは高田BIGマンに「ツキって週の後半に集まってるんだね!!これってノーベル賞級の発見なんじゃない?」と言わせているが、週後半の購入数が多くなるように計画販売し、その曜日の当選比率が上がっているのだからノーベル賞級のダマシ広告である。
(2)6億円がよく出る購入時間帯:①10時台  ②11,16時台  ③12,18時台
   これもどれだけ正確に時間チェックができているか不明だが、これも販売締切などで誘導した購入(販売)時間帯で生じる販売量の多いところの順に過ぎない。6億円が当たる対策はない。
(3)6億円当たった人の誕生月:①4,6,9月  ②3月  ③2,5,8月
   傾向が判ったとしても対策をどうせよというのかとセンターに問うと「対策のとりようがありませんね」と認めた。この対策のとりようがないものには他にも、6億円当たった人の星座、人の名前・苗字のイニシャルの順位などある。購入者が対策もとれず、実際は意味のない傾向と対策を広告するのは「騙し」である。
(4)6億円当たった人の購入口数:①10口以上  ②5口  ③3口
   これに至っては確率上多く買う者が当たるのは当然で、10口以上と広告すれば1口300円だから3000円以上買えと勧めているだけだし、1位は10口以上とし、2位3位は特定口数というのは比較からして詐術である。客一人が何口買ったかを店はチェックしているかのようにも説明したが、店が一人一人について買った口数をチェックするというのは客に対する失礼な有害無用のチェックであろう。
この他、ホームページでは次の項目も載せられている。
(5)6億円当選くじを購入した日の天気:①くもり  ②晴れ  ③雨
   センターに問うと、客が買った店の場所の天気を、事後チェックしていると強弁した。しかし、全国同じ天候はないし、同じ場所でも時間によって変わる。「晴れたり曇ったり」はどちらにするのか、全くデタラメであろう。
(6)6億円当選くじを購入した場所:
①toto売場41本  ②totoオフィシャルサイト32本  ③ローソン28本
   これらは売上方法・店の多いところを並べているという以外の意味があるとは思えない。
   toto売場は全国の数多い店、他のコンビニよりもローソンの当選比率が高いとすれば、toto売り場で買わず、ローソンで買えということになる。およそtoto売場と通信販売、そしてコンビニの特定会社販売を対比することが「傾向と対策」のアドバイスなのだろうか。

  以上の疑問をセンター担当者に問うと、担当者はいずれも答えられず、率直に不適正な案内広告ということを認めた。しかし、今後の対応は追って上司と相談するという。
  BIGの広告の不適切さはこれだけではない。「当たれば人生が変わる!?」として6億円が当たったら「食欲の秋→国産高級マツタケ6万本!?」「読書の秋→サンデー毎日定期購読4万年分!?」「行楽の秋→宇宙旅行37回分!?」と並べる。さらに、「○秋げん担ぎワイド」として試せばあなたも6億円!?と「西の方角をきれいに掃除する!」「トイレをきれいに!便器のフタを閉める!」「満月の夜、財布や通帳をひろげてフリフリ」「生まれ年の5円玉をピカピカに洗って保管」ほかとある。こんなげん担ぎをしてまで国民にtotoを買わせるのは馬鹿にしている。
  そして、BIGマンに「オレが君なら買うな!オレは君じゃないんだけど」と言わせる。

3. 担当者によるとこの広告は広告最大手の「電通」に企画を依頼したもので、この内容はセンターの「スポーツ事業振興部」で点検し、センターとして毎日新聞社に広告してもらったものという。毎日新聞の広告部から不当表示性のチェックもなかったようだ。
  さすがに筆者の「追究」に困ったのか、不適切と認めたが、今後どうするかは即対応できないということであった。

4. Totoくじは2011年でいうと売上は760億円、このうち客がサッカー予想をするtotoは約72.6億円、minitotoは約16.9億円、全く宝くじと同じBIGが約528億円で、最高6億円と射倖心を煽るBIG(BIG1000、ミニBIG)が中心である。6億円当選は33口出たという。インターネット販売が51.5%から58.1%に増加し、BIGは31回開催したうち、キャリーオーバーが31回発生したともいう。
  本来BIGをはじめtotoは必ずしも1等は当たらない。だから次回へ持ち越すシステムで「キャリーオーバー発生中」などと射倖性を高めて宣伝してきた。
  しかし、その売上収入のうち購入者に戻すのは45~50%だけで、販売関係業者等への経費等が10~15%、そして残る収益金の3分の1は国庫へ、3分の1は地方自治体、そして3分の1はスポーツ振興事業へ回される。要するに、総売上の10%余がスポーツ団体(もちろんサッカーだけではない)に助成される仕組みだ。実額でいうと、平成14年度以来10年間の総額で都道府県へは571億円、東日本大震災支援も兼ねたものが5.1億円という。
スポーツ団体分は年にすると約50億円弱と思われるがこれらの金がどういう選別を経てスポーツ団体にどう配分されているかというと、ホームページでも詳しくはわからない。収益配分審議委員会へは天下り役人や利権が働くのは明白である。
  ちなみに、現在の理事長河野一郎氏は医系出身、理事徳重眞光氏は文科省スポーツ局から、同髙谷吉也氏は同じく国立競技場からこの組織の総務部長を経由して、同藤原誠氏は文科省大臣官房審議官からの役員出向である。理事長で1600~1800万、理事で1500~1600万円という年収は、天下り役人が賭博の胴元の団体に名前を出して年1500万円以上を稼ぐ格好となる。

5. そもそもHPでは平成10年に制定された「スポーツ振興くじ」は宝くじのように夢を買うこと、小口の寄付を募るということであり、併せて試合結果を推理する楽しみという「知的ゲーム」の要素を加えたものというが、totoの本質は刑法で本来禁ずる「富くじ」であり、ましてBIGは試合結果を推理する楽しみなど全くない。機械がナンバーを決めた上での当選くじなのである。
  スポーツ振興のための寄付を募るのに富くじを発行することが良いなら、サッカーに限らず他のスポーツでも適用できるし、また文化・芸術・芸能の世界でも導入できる。この本質的矛盾は全く解決しない。宝くじやtotoは1000万人以上の客がいるというが、ギャンブル肯定社会を底支えするだけである。

6.スポーツといえば本来フェアプレイを公明正大な精神で堂々と行動することが求められる。フェアプレイでなければtotoそのものの発行資格もない。スポーツを振興しようとする文部科学省指導下のスポーツ振興センターが 、totoを売るためになりふり構わずBIGな詐術を使うとは到底許されない。センターは国民に謝罪し、今後国民に誤解を与えたり混乱させる販売宣伝を止めることを求める。
  また、このホームページを始めてからの購入者に対し、錯誤による購入をもたらした点を考え、全て払い戻すと共に現在のtoto販売を中止すべきだろう。

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