2012年10月23日

ギャンブル場見学会の御案内 2012/11/5

会員の皆様は「真面目」な方が多く、ギャンブルの現場は知らないという方も多く、実際にギャンブルの現場を視てみたいという声がありました。
そこで実際にギャンブルの現場の見学会を次のとおり企画しました。今はナイターもしているのです。
2012年11月5日(月)18時に 南入場門前集合
見学先:住之江競艇場(地下鉄四ツ橋線住之江公園駅2番出口すぐ)

できれば事前に参加の御連絡を事務局までお願いします。


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~~ 会費とカンパのお願い ~~

 会費は1000円です。これは会員により活動に参加できないという状況をなくし、最小限の連絡費を負担していただくことで会員としての「けじめ」としました。しかし、会員の中で意義を感じていただきカンパしていただけるならば、ニュースその他広報の機会も増やせます。
 恐縮ですが、会費未納の方やカンパをお願いできる方はとりあえず井上の下記預かり金口座までお願いします。
りそな銀行 北浜支店 普通 口座番号:6659324
口座名義:弁護士 井上善雄(べんごし いのうえよしお)


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投稿募集します

 ギャンブル被害をめぐる運動は、様々な「識見」と「活動」がうまく世の中に働くことが大切です。例えば依存症に対する医療や行政対応が先進国ではどうなっているのか等、投稿をお願いします。
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大阪市地下鉄パチンコボディ広告差止めを求める

 10月19日、会員有志は、現在御堂筋線を中心に走るマルハンの全10輌ボディ広告列車の差し止め等を求める訴えをしました。その訴状内容を7頁~9頁(ブログでは下記)に紹介します。
 なお、地下鉄パチンコボディ広告については、2012年10月4日付の朝日紙、また10月16日付の毎日紙がかなりの紙面をとって、私達とはまた別の市民団体が広告反対を訴えていると報道しています(その内容は10頁に紹介します{ブログでは紹介しません。})。
 なお、裁判の係属部は大阪地方裁判所第11民事部、事件番号は平成24年(ワ)第11346号です。

大阪市地下鉄パチンコボディ広告差止等請求事件 訴状より

請  求  の  趣  旨
1 被告大阪市は、大阪市営地下鉄においてパチンコボディ広告をしてはならない。
2 被告大阪市は、各原告に対し、金5万円を支払え。
3 訴訟費用は被告の負担とする。
との判決並びに1,2項につき仮執行の宣言を求める。

請  求  の  原  因
第1.当事者
1.被告大阪市(大阪市交通局)は、大阪市営地下鉄御堂筋線において、パチンコ会社株式会社マルハンの外装ボディ広告した車輌(以下、パチンコ車輌という)を運行させている。
2.原告らは、被告大阪市の市営地下鉄の利用旅客である。後記のとおり、このパチンコ車輌に乗らなければ一台遅れる他の車輌に乗らねばならないなど、不便を生じさせられただけでなく、進入するパチンコ車輌を無理矢理に見せつけられる状況となって被害を受けている者である。

第2.マルハンの全車輌ボディ広告車輌運行の違法性と差止の必要性
1.市営地下鉄運行の公共責任
市営地下鉄は、大阪市住民をはじめ、大阪市域にて生活、勤務、業務を行い、また観光等のために必要な鉄道線であり、その運行は何人にも迷惑を掛けず受け入れられるものでなければならない。
 鉄道は民営鉄道においても公共性が高く、その鉄道の広告等もそもそも節度があるものでなくてはならない。特に、市営地下鉄は経営主体も公共自治体の大阪市で、市民の利益や人権を守り、公共の福祉を増進すべき責任がある。また、料金を支払う利用者市民への適正な輸送サービスを行う電車であり、駅構内から車輌そのもの、また車輌内広告まで、それを視る乗客に不必要な強制や、それを利用する者に強い不快感を与えるものであってはならない。
2.本件広告の強要性
広告には視聴覚に訴える様々なものがあるが、その営利広告には特に無差別的に視ることや聴くことを強制するものは許されない。
 この点、パチンコ会社のマルハンボディ広告の車輌は、それが接近することで駅の客にその車輌を視ることを強制する。駅で待機する客は、駅員らの案内するとおり進入してくるその車輌を視ることを余儀なくされる。
 もとより、市営地下鉄にはボディ広告のない車輌やマルハン広告以外の車輌もあるが、乗客、市民は駅に入ってくる車輌の外装ボディ広告の有無や内容があらかじめ判る訳でもなく、駅にいてこれから乗ろうという者は嫌でも視ることになる。そして乗車する場合はパチンコ広告のあるドアから乗ることを余儀なくされる。そして、パチンコ車輌に乗ることはマルハンのパチンコ仲間にされてしまう。
客が、このパチンコ車輌に対し、不快または拒絶したいと思えば少しでもその車輌に気付けば視線を敢えてそらし、そして敢えてその車輌に乗らないという選択をせざるを得ない。しかし、その車輌の進入を視ないということは危険性がある。
 この点で、このようなパチンコの一企業の営業広告を全10輌のボディに外装して人に視させ、乗らせるのは、大阪市交通局として許されない強要行為である。
3.車輌広告の不法性(反倫理性)
本来、車輌全体を特定企業の広告列車にすることは、大阪市の車輌の広告として違法である。特に本件はギャンブルで日本一に成長したパチンコ会社の広告であり、市が定める広告倫理基準で「倫理及び品位を重んじ、善良な習慣を損なうもの」は禁じられていることからしても違法である。まして、乗客ともなる青少年がギャンブルや風俗営業のパチンコ会社の広告で参加を誘われることは、18歳未満の参加を法令で制限していることからしても健全な社会秩序を損なうものである。
 パチンコ広告については本来、風俗営業広告として地下鉄など公営施設への広告自体不適切とされていた。それが地下鉄車体ボディ広告でマルハンのパチンコ業広告をすることは、市の審査基準からいって著しい逸脱である。市の広告基準では、別に大型媒体及び大量掲出となる媒体でのパチンコ業広告が禁じられていることからしても許されない。
 すなわち、被告大阪市は、所有管理するものにパチンコ業の大々的な広告媒体となるものを禁ずる主旨からしても、地下鉄車体ボディ広告は違法である。
 以上により、車輌にマルハンのボディ広告を行うことは地下鉄に乗る者に無差別にパチンコというギャンブル広告を視ることを強制し、ギャンブル列車に乗りたくない者は乗り過ごすしかないということを強いる不法行為である。すなわちそれは、人がギャンブル広告を視たり、パチンコ車輌に乗ることを無理強いされないという人格権の侵害である。
 よって差し止めを求める。
4.次に、本件の全車輌広告は旅客の安全快適な運送を契約内容とする個々の乗客との契約違反でもある。
 乗客はあらかじめ定期券ないし回数券、一回乗車券等を購入して車輌に乗り、目的地に行くのであるが、マルハンのパチンコ車輌を視させられ、乗車させられることは、車輌ごとパチンコ・ギャンブル仲間同様にみられることになる。しかし、乗客はパチンコ車輌に乗ることを契約内容としていない。むしろ、被告大阪市は本来、原告らを含む乗客にこのようにとらわれる状況をもたらさない自由かつ適正な車輌にて運搬することが運送契約上の内容である。
 近年、被告大阪市の地下鉄の広告は車内の商業広告などが過剰となっており、その過剰広告で客を「とらわれの客」としないように大いに抑制するべきである。
ところが、被告大阪市の市営地下鉄は車内広告の無軌道ぶりが余ってついに全車輌パチンコ車輌を生み出したのである。
 これらの車輌での運搬は、本来の通常車輌での運搬を想定している乗客への背任的違約行為である。
この契約違反により、日頃地下鉄を利用する市民は本来の良好なサービスを受けられず、駅のプラットホームにいて否応なくパチンコ広告を視させられる被害を受け、パチンコ車輌の「とらわれの客」とされたり、敢えて遅れる後続車輌に乗らねばならないといった迷惑・不便を受けている。
よって、この乗客との契約上の義務からも差し止めを求める。

第3.損害と賠償責任
 大阪市営地下鉄のマルハンパチンコ車輌は、交通局とマルハンないし広告取扱会社との共謀によって生み出された。マルハンの儲けと利益は莫大である。被告大阪市にとっては、これにより広告収入が一定得られていると弁明するのかも知れないが、その一方で乗客に不快不便を強いて精神的苦痛を与えるものである。
 乗客・市民が無理矢理マルハン広告を視させられたり、一旦視た後で眼を背けたり、「とらわれの客」を避けるため当該車輌に乗らないことでの損害を考えると、精神的苦痛を中心として慰謝料請求権があるといえる。各自損害金の一部の5万円を損害額として請求する。
第4.まとめ
 株式会社マルハンは東京と京都に本社を持ち、2012年3月期で2兆791億円を売り上げ、経常収益は521億円、パチンコホールだけで全国273店舗を展開する会社である。そして、大阪市の地下鉄さえ自らの金で車輌ごと「買えた」と豪語するのであろう。
被告大阪市は公共自治体で、収益、金儲けのためなら何でもするということであってはならず、少なくとも市民や乗客が想定していないパチンコ車輌を直ちに止めるべきである。
被告大阪市にはパチンコ依存症、ギャンブル依存症の者が何万何十万人といる。その病的賭博に対する対策こそ必要である。しかるに、被告大阪市はその対策・対応も全くできていない。そして、とにかく広告収入さえあればギャンブルでもパチンコでも構わないという節を曲げた無節操さに陥っている。
このような事態を回避すべく、パチンコの拡大に伴う依存症の被害を憂える民間団体は、このような広告の抑制を求めている。被告大阪市はすみやかに正しい施策をとることもせず、パチンコ車輌を是正しないので本訴に及んだ。

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依存症を増やすもの

1.依存症といえば薬物依存症を誰も思う。阿片、モルヒネ、コカイン、マリファナ、麻薬、覚せい剤、大麻、そして医薬品(睡眠剤、リタリンなどドラッグ)からハーブまで、広義の薬物である。タバコのニコチン中毒もこれに類する。酒、アルコールはその作用が薬物の「内向き」とは異なり「外向き」であるが、依存症についての認識が日本では甘い。実は酒の害も大きい。個人と社会への病的な害をもっと認識すべきである。
  これらの依存症は、精神的依存症だけでなく身体的依存症を示す。身体的依存とは薬物の摂取で生理的変化が生じ、それがないと身体的苦痛や離脱症状を示す。そして、薬物が増量していく効果(耐性)が伴う。アルコールもこの内に入る。
  これに対し、ギャンブル依存症、買い物依存症、インターネット依存症、ゲーム依存症、セックス依存症は精神的依存が中心である。拒食症、過食症などの摂食障害も含めた嗜癖が強くなった症状だ。万引き(窃盗)への依存症もある。万引きが癖になっている病気である。

2.現代はこの薬物も含め依存症といわれる病が増えている。この病はなぜ増えたのか。その原因には「欲望をかき立てる社会宣伝」がある。ほとんど当たらない札でも当たるかもしれないと思わせて売る賭博。かつての抑圧の多かった社会、科学技術の及ばない現実では人々は「あきらめ」の人生哲学が通用した。そして、現実に断念することが多かった。
ところが今は欲望資本主義の時代になり、その欲望が努力しないでも夢が叶うと宣伝される。ブランドから雑貨まで物があれば豊かだと錯覚する宣伝で酔わされる。借金させて騙してでも買わせるシステムが社会に横行している。好奇心を煽る情報とゲームに夢中にさせる。電車の中でも機器に熱中させる。利便本位で電話、通信機器が過大となり、いつも何かを追いかけさせられる。ケイタイ・スマホがないと不安にさせられる。美食が賞賛される。遊びはどんどん刺激の多いものが増える。TV、映画から大型テーマパークなど娯楽までが現実と非現実を錯覚させる。
このような消費社会を拡げる幻想の拡大の下、人は誘惑される。人の誰もが持つ「弱み」を攻撃されて、人は「仕掛け」により依存症に陥っていく。

3.「断捨離」の言葉がある。誘惑を「断る」。不必要な欲望や物を「捨」てる。他への依存から「離」れることが、依存症への処方箋かも知れない。
  しかし、依存症にある者の自覚や回復行動は本当に難しい。何故かといえば世の中の多勢が依存社会を肯定しているからである。パチンコから「遊び」まで大企業が国家までが目的のためには手段を選ばぬギャンブルのような金儲けの仕掛けの下で、市民や消費者は誤った選択をする。そしてその結果の責任だけを問う世間が依存症を増やし続けている。
  基本的な衣食住は放っておかれ、金持ちから一般人まで美食・外食。住宅や車が大借金の山で人生を縛る。衣はブランド品、宝飾品で人を虜にする。そしてそれが得られないと人々は欲求不満を増やす。金があっても万引きまでさせる。

4.かつて、新車が人の欲望をかき立てた。今は電子機器のニューモードが若者から老人までを虜にしている。現代人は車依存からインターネット依存にシフトしている。
  私達が本当に自立し、自ら知り、選び、自己決定をしているのかが問われている。宣伝魔力が次々とこれらの権利を行使できなくしているが、政府は企業が国民に対し誘惑することの自由を認め、国民一人一人が正しく自己決定する教育をしていない。

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ギャンブルCH9-奈良テレビ

 奈良テレビのCH9のギャンブルTVぶりが目立つ。宝くじを奈良県内で買いましょうという県協会主導CM、奈良競輪に参加を呼びかけるCM、そして子供向け番組の時間帯での奈良遊技業界のCMに至っては、県パチンコ協同組合が救急車等を寄付したことを伝え、子供にお父ちゃんのパチンコは役に立っていると言わせるもの。パチンコでお父ちゃんが負けたことが社会公共に役立つなど「盗っ人猛々しい」と言われよう。これは2012年9月26日午後6~12時までのわずかな時間帯に流された3CMで今も続く。奈良テレビは県が財政支援している「民放」だ。しかし、同チャンネルは深夜はパチンコ、スロットの攻略法など多数の露出度の高いギャルを利用した長時間番組を続けており、品位を害している。奈良県や県教育委員会は、ギャンブルTVへの姿勢を糺すべきである。倫理も地に墜ちた。                                  
(H)


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随想 ギャンブル依存症を「治す」法

 人の遊びについてカイヨワは、①競争、②ギャンブル、③まね、④目が回ることというかなり偏った視方で表現するが、これらは全ての人の積極的行動、動作に限られている。
 実は古今東西を通して最大の遊びは、旅、野山巡り、登山、河や海の遊びなど自然、風物との出会いやそこでの静かな心と向き合う楽しいものであった。今の季節でいうと名月や季節の献立、虫の音を聴くこともあり、茶道、華道も侘びさびの世界、和歌・俳句も音楽、美術も「ゆとり」「遊び」と言ってよい。
 ギャンブルのようなせわしい喧噪の世界、ジェットコースターのように人の感覚を混乱させるものを遊びというのでは、文化でなく物騒でしかない。
 私達は健全な遊びが失われていることも考える必要がある。
 秋の虫の歌を思い出してほしい。「あれ松虫が鳴いている・・・」は有名な歌だが、先日孫がこんな歌を保育園で教えてもらってきた。
  えんまこおろぎ カネタタキ カンタン すずむし きりぎりす
  林のうまおい くつわむし まつむし 一緒にうたいます
  コロコロコロリン チンチンチン ピルルー ピリリー チョンギリス
  ツィックツィックツィックチョン ガチャガチャガチャガチャ
  チンチロチロチロ チンチロリン
 それこそ簡単に憶えられる歌だ。今はこの本物の秋の虫を見たり虫の声を聞けないのは、現代都会人が大きな遊びを失ったことになる。ギャンブルをやめて自然に親しめば、ギャンブル依存症も改善するのではないか。自然・風物にゆっくりひたるのも「治療法」になるまいか。金儲けのための賭け競争で決められた番号を買い、それで目も心も回しているのでは病気にならない方が不思議だ。自然に学び、四季を愛でる哲学も思想もなく賭けを続ける国や国民は滅ぶ。
ギャンブル依存症につける薬はないと言われるが、本人の理性的自覚以外でも治す方法はある。
それは自然を感じる心、生かされている喜び、共感であろう。
(善)


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大阪カジノ橋下路線

 大阪のカジノ誘致は、2002年太田房江氏のりんくうタウンを特区とする提案に始まる。しかし、これは国の認めるところとならなかった。
 橋下氏は知事時代の2009年に大阪湾岸部のカジノ誘致を表明、それが松井知事と橋下市長の連携により、リゾート施設(IR)を中核にして夢洲や舞洲に推進し、関西財界も企画体制となった。
 2012年7月、松井知事はマレーシアとアメリカ企業が各4000億円以上を投資して観光収入が大きく伸びたというシンガポールのIRを視察した。同国内のIRのおいしい話を聞いて感心したという。2005年、シンガポールはマカオ、韓国の活況に期待してカジノを認めた。大阪府知事らも埋立地をギャンブルリゾート施設にして外国客を誘致し、夢洲舞洲を大阪都のギャンブル州都にしたいのである。
 憲法改正までのスケジュールを考える橋下維新の会が大阪都構想で言うプランには、関西財界が求める「集客」「金儲け」「大阪商都」の狙いがある。シンガポールのIRは、中国人富裕層の客をあてにしていた。シンガポールは人種的には中国人の多い国だから、アメリカ人がラスベガスに行く感覚かもしれない。しかし、日本はどこの外国人を客とするのか。自国にカジノのある中国、韓国の観光客相手での収入を得たい、雇用機会拡大を目指す目論見は、領土問題まであり楽観できない。
 行って視るだけのカジノならその交通費も自腹で願いたい。言ってみるだけなら自腹で願いたい。これも維新などというのはお騒がせである。
(T)


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ギャンブル本の紹介

「ツキの法則-『賭け方』と『勝敗』の科学」 谷岡一郎(PHP新書 1997.7)

 著者はギャンブル社会学の学者で、ギャンブルの楽しさを肯定しつつ本質については的を射た論を示す。一部の学者も含め「ギャンブル必勝読本」を憂えて出版した由。2007年まで10年間に27刷というから良く売れたPHP新書である。新版本はなく古書で入手した。
 数学、統計論の専門家ではないが、ギャンブル社会学から世の必勝法は誤りで確実に負ける客の賭け方を説明し、やるならば破滅型ギャンブルは止め、ゆとり型を勧める。
 現実のギャンブルは確率上客が負けることを証して止まない。著者はそれだけでなく宝くじ協会(発売元がつくった団体)のメディア広告のサギぶりも批判している。
 著者は「人はなぜパチンコにはまるのか」(1997年)にも書いているが、「心理的芸術品」のパチンコがギャンブルのおもしろさ指数が、①スピードアクション、②ドキドキ感の持続、③爆発力、④勝利期待度、⑤攻撃感(実力必要性)の各指数の合計でトップという(ちなみに宝くじは最低)。煩わしさ、難しさのないこともパチンコに主婦、老人、学生までハメるワナがあるという。
 また著者は、他の学者の「必勝ギャンブル論」にも批判は厳しく、ナンバーズや競馬必勝本に対し、自らの論を破った者にプレゼントさえ提供する(但し、敗れなかった場合は震災被害者へ寄付を条件)と述べ、自らの確信を披瀝する。著者の中公新書の「ギャンブルフィーバー」も入手できたら読んでみたい。      
(Y)

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パチンコ研究(2)井上善雄

1.今回はパチンコをまず全面的に肯定する立場からの意見を検討してみたい。実は室伏哲郎氏が著書「未来産業としてのパチンコ」(1994.1.20)で真面目に紹介しているものである。アバタもえくぼもいいところだが、しばらくご容赦を。
(1)一人で時間拘束なく日本中いつでもどこでも便利に遊べるゲーム(酒・タバコまでの呑打)。
(2)小遣い銭で気軽に年齢、格好、服装、自由なスタイル、気兼ねなくできるミニレジャー。
(3)心の憂さ、不満、憂鬱などの手軽な捨て処、格好の遊び道具、時間つぶしにも。
(4)景品や現金も稼げ、それも腕次第。
(5)ギャンブルとして還元率が高く、再プレイ遊びも続けられる。適正な射倖心の範囲内。
(6)玉を視て思いつき、アイデアも浮かび、クレイジーな騒音も心地よくプライベート空間。
(7)適度のギャンブル度で長続き、チューリップなどボーナスもあり、日本人向き。
(8)よく働く人がよく遊ぶ。レジャーの王様。
(9)入店出店が楽で無関心、サービス案内もないのが気楽。
(10)平和産業で多くの雇用を生み、アイデア技術も先端、新規開発のパチンコ機産業を生んだ。
(11)中高年と女性向け開発のギャンブル市場として将来性がある。
(12)レシートもなく収支不明、パチンコ店、機器メーカー、客までアングラマネーで発展する。
(13)ヤミの所得は裏の経済を潤し、産業番外地として脱税、節税が横行し、一部の内部蓄積を増やし、パチンコ資本を拡大発展させた。
(14)日本外の韓国、北朝鮮、台湾の敏腕の他国的人材が育ち、一大産業となった。
(15)かつては換金部門を中心にヤクザを育て、今は警察OBの天下り、再就職先など育てる。
(16)パチンコは誰にもバレないギャンブルで、癖になってあとを引き、客を長続きさせる。
(17)景品交換で福祉事業化してその資金とイメージをプラスに成功した。
(18)後ろめたさ(民業としてのギャンブル、親や社会に隠れた客)の魔力の世界、未成年者による大人の世界ののぞかせる教育。
(19)3K(暗い、汚い、怖い)の魅力、ビジネスは綺麗事だけで成功しない。

2.以上、できるだけパチンコを健全娯楽として肯定論の立場で列挙するが、(1)~(19)は二面性のある問題を都合の良いように解釈し、「泥棒にも三分の理屈」の主張にもなっている。
  パチンコは戦後、業者と暴力団とそれらを取り締まる警察の複雑で奇妙ともいえる力関係と、客を虜にするパチンコ機と経営技術により、唯一日本でのみと言ってよい一大産業を生み出した。
かつて駅前の一等地はパチンコ屋に決まっていたのは、高い土地でも高収益をあげられる「商売」だったからである。今はカーパチンコ店がかなりパチンコ市場を占めているが、郊外に巨大なパチンコ店を次々と生むのは巨大ギャンブル資本とこの「私設賭博場」を遊技場として許す脱法警察行政の故である。

3.さて、全パチンコ産業部門が年20兆~30兆円産業で、10兆円弱の収益をあげることは経済的に詳しく研究する必要があるが、私達の会はパチンコによる人の健康や社会への害悪について論じている。
  では、先の肯定論を検討してみよう。(1)~(19)を批判的にいうと次のようになる。
(1)は、仕事や家庭、社会の分担をしないで簡単にたやすくできるギャンブルゲームというもの。
(2)は、本当にセルフコントロールができ、のめり込みがない場合のことだが、それは極少。
(3)は、主観的目的と客観的な結果の一致しない例が多く、犯罪事件を招く例もある。
(4)は、実際は客がほとんど損をし、客の腕よりも店の出玉調整により結果が決まる。
(5)は、公営賭博との比較であるも、結局客が負ける。射倖心をいたずらに刺激する。
(6)は、喧噪の中で考える人は例外、ガード下住民が発明王になる訳がない。難聴の元。
(7)は、店が客に玉を買わせて営業できる手法の範囲、パチンコ機発明も客を虜にするため。
(8)は、嘘。よく働く人もたまには行くがほとんどが働かない人。悪い遊びで不健康。
(9)は、カメラで点検、パチプロは追い出される。質の悪い店員が多く、サービス心もないだけ。
(10)は、軍需産業に関われない人、マイナーな人々の産業とヤミの世界が大きくした。
(11)は、選べる権利を行使できない消費者弱者をターゲットにしているだけ。
(12)は、ヤミの金がヤクザと裏金をつくり大きくしたことは事実。脱税のススメ。
(13)は、裏の経済が経済の公正を害した。無法経済でも大きくなれば良いという理。
(14)は、事実に開き直ったもの。しかし、差別された外国人がこれで救われたのでもない。
(15)は、これも事実。ヤクザもダメだが、公権力と企業グループの癒着もダメ。
(16)は、バレないことで年金から生活保護費までが使われる。店も拒まず金儲け主義。
(17)は、賭博を遊技とごまかす3店方式の便法、利のある特別の者だけが関与。
(18)は、反社会な反抗力のある者は魅力がある。だから危険。18歳未満入場も多い。
(19)は、3Kをなくすというのにこれも魅力というのだから支離滅裂である。
  要するに、現状パチンコをほぼ是とする肯定論で否定論の論拠になる。

4.室伏氏は自らパチンコ好きなようで、パチンコの現状において改善を要する悪い部分はPACHINKOのK(怖い、汚い、暗い)の3Kであり、このKを改善し(取り除き)PACHINO(パチーノ)になれば良く、健全娯楽だという。「怖い」のはヤクザが出入りすることや怖い用心棒のことだ。今はパチンコに負け続けた客がキレて店に火を付けたり、車ごと突っ込むという怖さも加わった。「汚い」はタバコの煙など汚い空気、雑然とした通路などだったが、今は「コンピューター」を使って客の出玉を調整する八百長パチスロまでが「汚い」にあたる。最後の「暗い」は脱税だけでなく闇の世界が広がっていること、収益は北朝鮮のテポドンや核になったという「右」側の意見、また警察との癒着、脱税、ヤミ献金、汚職といった「闇」もある。換玉の賭博性を健全娯楽にしようという「健全娯楽研究会」の民・自・公議員らには、パチスロ業界からの金も流れている。
室伏氏はその著「構造汚職」に代表されるように告発型評論家だったが、ことパチンコには3Kをとると良くなるとの期待が強く、「パチンコ学会」まで生み出そうとされたが氏の死去で存続していないし、その志は継がれていない。それはパチンコ企業が機器メーカーから店側まで多くの利権と金儲けの巣となり、かつてはヤクザ、今は警察の縄張りで保護育成されているためで、氏の「理」は「金」の前に通らないからである。氏は業界と警察の裏に、実は政治、議員がうごめいていることを知っていた筈だが、その著書では詳しく触れず、パチンコを「未来産業」として持ち上げるだけで終わっているのは残念である。

パチンコ研究(1)はこちら
http://gambl.seesaa.net/article/268438401.html
会員の寄稿より 3.パチンコ研究(第1回)

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