2019年12月23日

なくそう!ギャンブル被害 会報第85号

【目次】市民無視の維新IR推進局の独走/主張:ギャンブルゲーム依存・障害には事業者の加害責任がある/室戸台風給の高潮と大阪/ギャンブルオンブズ2019用語大賞/コラム:「脱税」(3)奇税、日本政府・大阪府市の嘘、夢洲カジノに「オリックス」が参入する訳、禁カジノ宣言、ギャンブル依存には「仕事」が処方、ギャンブル経済を否定する渋沢栄一、ブラック鶴ベエ、二足の草鞋を履く、お金を使い続けさせるためにカジノが使う9つのトリック/書籍紹介/NEWSピックup/ギャンブルオンブズ4コマ漫画/万博川柳/事務局だより

市民無視の維新IR推進局の独走
1.府市IR推進局は、11月21日、自らまとめた「大阪IR基本構想」(案)に対するパブリック・コメント(7月10日~8月9日募集)の結果を発表した。430名(団体含む)から1,599件の意見が集まったとし、これらに対する府市の考え方を示した(全45頁)。
  推進局への厳しい意見にはほとんど「見解の違い」と突き放す対応である。このパブコメには本会も意見を提出していたが、特に本会が追求しているギャンブル依存対策については繰り返し「懸念事項の最小化に向けた取組みを進めてまいります」と言うのみである(23~27頁、No.99~127)。例えば、夢洲カジノでのギャンブル依存症の発生・拡大については、具体的な対応も発生時の責任についてもまるで触れられていない。

2.そして、上記発表と同じ11月21日、推進局は「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域整備 実施方針(案)」を公表した。府市が考える「IR区域の整備の意義や目標、IR事業を実施する上で必要となる要件や民間事業者の選定方法などを示す」とある。
そして同日より12月5日まで、「本事業の実施主体として関心と意欲を有する民間事業者」に限って、質問を受け付けるとされ、府市民は質問することもできないというものである。まさに、推進局とMGMリゾーツなど事業者らのデキレース、事業者選定までの手続の形づくりである。
  実施方針(案)の内容を見ると、例えば、府市間の「IR区域の整備に関する基本協定書」は夢洲地区でのIR関連施策の主体や費用負担は「折半」「今後協議」とし、警察は府、消防は市が負担するという程度であり、A4でほぼ1枚に収まるような簡単なものである。
  また、夢洲での安全対策、客の災害避難については全く無視しており、カジノ施設に伴うギャンブル等依存症対策、治安、地域風俗環境対策については、項目は設けられるもわずか1頁程度で、内容がないに等しい。
府市は、このような肝心の対策については全て曖昧にしたまま、ひたすらIR開業に向けた準備を進めているのである。

主張   ギャンブルゲーム依存・障害には事業者の加害責任がある
1.タバコを売って利益を得る者は、これによる害を全て償う責任がある。薬物の効果をいって販売する者も同じである。アルコールは買って飲む者の自己責任のように言われがちであるが、酒の産業的生産と商業主義の販売がなければ、酒・アルコールの社会害は生まれていない。仮に使い方で益があろうと依存性のある物の用・誤用で生じた害は、それを生み販売した者に基本的責任がある。
  公営ギャンブルにしてもパチンコにしても、これを発案実施し許可した政府には、これらに伴うギャンブル依存、その他の害をなくす責任がある。特にギャンブルの許可はキャンブル(賭博行為)自体を有用とするものがない。盗んだり騙したりして得る金自体は「罰」「是非」がないというのと同じ“へ理屈”があるだけである。
  ギャンブル事業者は、何十万、何百万人の客を収奪する。その収奪はシステムになっており、客を依存障害にしている。
2.2019年12月3日、金沢地裁は、パチンコに興じるための金欲しさから金沢市の自宅で祖父を絞殺し金を奪った件で、孫の北嶋被告(24)に対し、「誠に身勝手というほかない」として無期懲役の判決を言い渡した。裁判員裁判での求刑どおりの判決だった。
  この件で、24歳の孫をギャンブル依存にしたパチンコ店、業界、その許可を与えた公安当局、警察の社会的責任は何ら問われていない。強盗殺人事件の直接の加害者(犯人)と被害者だけの問題として処理されている。
3.過剰飲酒者や薬物購入者の病について店や売人側の責任、処罰があるように、賭博やパチンコにのめり込ませ収奪した事業者には、その客の損害について少なくとも分担し賠償する責任があると思うが、是非読者の方々の意見をお聴きしたい。
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室戸台風給の高潮と大阪
 2019年12月3日、大阪府は過去最大クラスの室戸台風(1934年)級の台風が大阪を直撃した場合の高潮被害想定を公表した。大阪湾岸部・市内に高潮が発生し、満潮時に重なると梅田地区で浸水は5m、難波で3~5m、淀川河口は7.7m、天保山は7.7m、咲洲沖7.4m、夢洲沖7.3m、その他住之江、此花、淀川、西淀川区は5~10m等という。
 これらは南海トラフ巨大地震の津波を大きく上回る。
 府はさらに浸水想定図を作成するという。吉村知事は「ハード整備だけでは対応できない。(高所に逃げる)垂直避難の徹底など、ソフト対策に力を入れたい」という。
 府市は今、夢洲カジノや万博に熱を入れるが、大阪湾岸部の高潮への安全対策は具体的にどうするのかというと、「各自が高いところに逃げてください」という無策ぶりである。全く自治体としての優先順位をわきまえていない。
 夢洲の万博に限っても、人工島とつなぐ交通手段が水没する天保山への地下鉄1本と水没する此花区からの夢舞橋だけという状況で、一体どう避難できようか。結局、万博の間も夢洲IRが出来てからも「南海トラフ津波や室戸級台風は発生しないで」と神頼みをするしかないのである。
 なお、この室戸級の高潮では関空第1ターミナル沖は5.8mで、ほぼ全域が水に浸かる。
地盤沈下が進む夢洲地区などの埋立地に、さらに人を大量に集める施設をつくるなどおよそ防災の点から考えられないことである。
大阪は今、維新の松井・吉村らが「都構想」を進めているが、府市民が「都」のマジックに騙されているうちにも、近年発生する南海トラフ津波や気候変動により巨大化する台風・高潮被害による危険にさらされ殺されるリスクが高まっているのである。
<地震より 高潮より怖いのは 維新の賭(・)構想と猪突妄信(・・)>

ギャンブルオンブズ2019用語大賞

2019年のユーキャン流行語大賞は「ONE TEAM」に決まった。今年のラグビー熱からすれば予想された結果だ。
では、我らギャンブルオンブズマンが用いた用語の中で多く使い、論じた言葉は何だっただろうか。

夢洲カジノ(IR)
 2019年、「IR」の美名の下で実質カジノ誘致をいう地域・自治体は北海道から九州まで日本各地にあふれ、それへの反対運動も盛んに繰り広げられた。
 特に夢洲カジノを目指す大阪維新は、狂気ともいえる推進ぶりでIR法より1年も2年も早く動いている。IRカジノに関する政府の計画は本来2025年以降の予定とされているが、松井市長らは2024年開業を目指している。ところが、夢洲への立候補予定企業からさえ、2024年開業は工事の都合からも無理と言われる始末だ。

大阪・関西国際博(これが大阪万博ないし夢洲万博と僭称されている)
 2025年国際博が、日本のどこでどのように開催されるのかの具体化は2020年に決まる。なのに松井市長や関西財界は夢洲万博と決めつけ、IR参入業者に205億円の負担(夢洲駅周辺整備費)やIRカジノ開業の前倒しを求めている。本会はこの1年、その不正について言い続けねばならなかった。

全国カジノ推進(横浜、和歌山etc)
 大阪に限らず、全国のIR誘致推進/反対運動について動きを追った。今年行政庁として推進を表明した横浜市をはじめ、従前から意欲的な和歌山県市では、地元住民らの反対活動も活発だった。その他、長崎、東京、千葉、北海道なども注視した。12月、北海道が見送りを決めたが、その分、長崎、和歌山、東京、千葉らの水面下の動きは激しいものとなるだろう。国はカジノ管理委など推進。

広告拡大・ネット販売(宝くじ、スポーツくじ、公営競技)
 公営競技や宝くじの売上は減少傾向にある。このような側面からか、近年は既存の公営ギャンブルのテレビを含む広告とネット販売の動きが激しい。

依存症・依存障害
 ギャンブル依存について、WHOや厚労省による病気・障害としての認定が確立した。これらの障害は人間や企業が生産し拡大した「疾病」である。 
 依存は薬物、タバコ、アルコール等だけでなく、今やギャンブル、ゲーム、スマホのシステム依存、行動依存まで多岐にわたる。これらは障害として要治療、要対策の課題であり、政府の厚生当局、教育当局における責務である。
 本会はその責務の具体化と実行ある施策が必要であると訴えてきた。依存障害を生む事業の「生産者責任」を問う必要がある。

コラム      シリーズ 「脱税」 (3)  ~奇税~
 これまでに“脱税しない・させない税”が次々と発明されてきた。消費税や環境税といわれる炭素税がその一つである。
戦後の1947年以来の公営ギャンブルによる政府・自治体の収益は、隠れた「匿志税金」ともいわれる。タバコは煙草税という特別の課税が1875年からあり、酒への税は室町時代の「酒屋役」、江戸時代の「酒運上」以来続いている。
世界的には、空気税をかけようとした仏シルエット長官、つばめの巣税という東南アジアの税金や、鯨分一金という捕鯨方法による税額負担の相違、鎌倉時代以降の棟別銭という家屋の棟にかかる税があり、英国の1984年からのテイクアウト税(付加価値税)、仏の窓税、かえる税もあり、日本では雀税、鮎釣役と門口税(玄関の広さに応じた税)が有名です。

日本政府・大阪府市の嘘
1.日本は、万博誘致の立候補の際、夢洲でのカジノ計画をわざと伏せました。これはカジノのイメージがあっては、BIE加盟国の賛同を得られなかったからです。ところが2018年11月、関西・大阪での万博開催が決定すると、松井・吉村らはそれまで隠していた夢洲カジノ誘致が万博にも役立つと狙いを露骨に示すようになり、海外カジノ事業者を募りました。
2.松井市長らは、海外IRカジノが「億」どころか「兆」を超える投資をし、これによって関西・大阪が経済的に潤うと誇大宣伝し続けています。
  しかし、IR全体の収入のうち実に7~8割がカジノ売上に依拠することになり、結局、IR事業者は投資した金を大阪内外の賭博客から収奪して償うのです。
3.松井らは、夢洲のIR開業用地について、売却の方法に限らず賃貸でも良いとしています。これはIR事業者の負担を軽くし、儲かる見込みがなくなればいつでも逃げられるというIR事業者に迎合するものです。

夢洲カジノに「オリックス」が参入する訳
オリックス(ORIX)が、米カジノ事業者MGMリゾーツと手を組み、夢洲カジノに共同参入する。オリックスは元々“金貸し業者”である。リースから最近は保険まで手を拡げて金融事業を拡大している。もちろんオリックスとしては、カジノそのものの事業経験はないだろうが、IR、特にカジノ客への融資部門へ手を拡げようというのが狙いといえる。
最近オリックスのCMに出てくるイチロー氏が、何でもやるカジノ事業キャラクターにみえて仕方ない。日本に多いイチローファンのために、こんなブラックイメージは重ねないでほしい。

禁カジノ宣言
 2019年は大阪松井市政の嘘とカジノ猪突暴政が目立ちました。
・万博に 合わせカジノは 国民とBIE騙した
・夢洲に 地震・津波・高潮 危険です 地盤沈下は進行中
・避難時の 万博に客200万人 地下鉄と橋1本では 逃げられず
・2025万博前 カジノで「金」採り作戦 急がせる
・カジノにて 万博赤字を 見えなくしたい
ギャンブル依存には「仕事」が処方
 ホームレスの自立支援をする『ビッグイシュー』の368号(2019.10.1)3頁で、クロアチア版同誌編集長のヤスナ・クラパクさんは「ギャンブル依存で仕事も家族も失い失望の末、刑務所に入りたいとわざと銀行強盗をした販売者がいました。彼は雑誌販売と誌面への執筆を経て、本も出版し、今ではホテルの受付として働いています。こうした人の変化が、私が今もこの仕事を続ける動機になっています」と語る。
 クラパクさんは、ギャンブル依存症をなくすためのより恒久的な解決策は、働く「仕事」の大切さを見つけることというのだ。
 この話は、ホームレスを含む失業から就業先を確保することが、ギャンブル依存をなくす方法だと教えてくれる。

ギャンブル経済を否定する渋沢栄一
 大阪府市は、2024年夢洲カジノ開業に向けて邁進している。仮に実現した際にカジノで使われる1万円札には渋沢栄一の肖像が描かれている。
 現在の1万円札には福沢諭吉の肖像。福沢は「万人平等」ともいう自由進歩の人だが、現実の経済活動では自由競争の人だった。
 逆に、「日本資本主義の父」といわれる渋沢(1840~1931)は、強い者勝ちの経済思想を否定していた。「本当の経済活動は、社会のためになる道徳に基づかないと長く続かない」と、著書『論語と算盤』に書いている。「論語」とは儒学の代表であり、「算盤」とは経済、実業をいう。
 近時世間を騒がせる関電金銭受領問題。高浜原発利権をめぐって、地元サイドは自己の利益本位に“小判入りの菓子”や“50万円の仕立券”数億円分を関西電力の会長・社長らに配り、逆に関電はそれらの贈り主の企業にそれ以上の仕事を与えていた。
 2019年も2017年来の安倍政権忖度政治が拡大するばかりだった。
 このような時代にあって、「企業の利益」よりも「倫理を伴った公共の利益」を求めることを説き続けた渋沢思想が、金権主義について厳しく批判する。
 もともと競争は何事にもつきものだ。その最も激しいものを挙げれば、ギャンブルの競馬やボートレースになるだろう。
 競馬やボートレースとなると命を懸けても構わないというほど熱狂的になる。自分の財産を増やすというのもこれと同じで、激しい競争の気持ちを引き起こし、「あいつよりも俺の方が財産を多く持ちたい」と願うようになる。それが極端になると道義の観念も忘れてしまい、目的のためなら手段を選ばないようになる。つまり同僚を騙し、他人を傷付け、あるいは自分自身を腐らせてしまう。
 1万円紙幣刷新を機に考えてみたい。

ブラック鶴ベエ
 既に宝くじ広告での落語家?タレント?俳優?の鶴ベエの悪い役割について批判してきたがが、12月の年末ジャンボでも彼は“第九”ならぬ“大苦”の宝くじ宣伝をし続ける。
 「宝くじを買わない自由はないやろ」というグロテスクな広告に、発売元も広告会社もタレントも全く反省が見られない。宝くじが売れれば売れる程自らが儲かるという利己主義であり、そして売れれば売れる程損をする人が多くなるという「仕組み」の下で働いていることについて彼らはどう考えているのか。

二足の草鞋を履く
 同一人が両立しないような2種の業を兼ねることをいう。略して「二足の草鞋」。博徒が十手を預かるような、相矛盾する場合をいった。
 今日の政治経済界でも二足の草鞋が見られる。財政や社会保険、介護事業の在り方を審議するような委員会の場に招へいされる“学識経験者”は、当局の意向を受けた審議と答弁をすることが多い。大学教授や学者などひたすら真理を追う立場にある筈の者が、経済・財政のあり方で、銀行や保険会社の利益を推進したり、御用学者そのものになっている。
 投機資本主義の国家財政下では、日銀や国の保有する金融資金も時々の御用意見・御用政策が求められ、「カジノ資本主義」を何とも思わない“鉄面皮”学者がテレビ、メディアで喧伝している。その御用学者も結果が失敗したことがわかると「お詫びします」「今後注意します」と全てを過去の問題にして恥じない。
 二足の草鞋を常に履く最たるものは、現代の政治家と役人だ。かつて、エラそうな口をきいて失敗したり世の反撥を受けると「謝ったら終いだ」と言った上方漫才師(人生幸朗)がいました。

お金を使い続けさせるためにカジノが使う9つのトリック
「トリック(trick)」とは、人を騙すようなたくらみ、詭計、奸策、ごまかし…をいう。
カジノはカーペットから天井まで全てが人々の正常な思考にストップをかけ、客自身の利益に反するようデザインされている。すなわちカジノのトリックとは、その空間そのものから人を騙し錯覚に陥らせて大金を使わせるシステムのことなのだ。客の多くは①射幸心、②貪欲心、③出来心、④誘惑によるなど様々だが、素人の③④から始まっても①②により常習者となる。カジノはまさにトリックを使って人を賭博常習者にするところなのである。
以下、ヤフーが伝えるインサイドニュースより9つのトリックをあげる。
1.現金でなく、チップでプレイさせる・・・本物の金より大きく賭けやすく、負けてもそれほどガッカリしない。
2.時計がない・・・時間を意識させず、ゲームに集中させる。
3.無料で酒が提供される・・・酒は抑制力・判断力を鈍らせる。(酒はタダなことが多い。)
4.フロアのレイアウトは迷路のようなデザイン・・・意図的に迷路デザイン。ゲームエリアははっきりせず、出口へは直線通路にはせずカーブさせる。ゲームエリアの戦略的配置でトイレや帰ろうと思う人も足を止めさせる。
5.無料で部屋と食事の提供・・・金を一定使う食事や隣接ホテル宿泊を無料にし、食事と睡眠の欲求を満たしてカジノ滞在を増やす。
6.外の世界が目に入らないようにする・・・カジノ内は太陽光を入れず、客が積極的にチェックしないと時刻がわからない。フロアは薄暗く、明るいカーペットや天井に青空を描いて今起きているべき時間と思わせる。
7.まれな“勝ち”を盛大に祝う・・・スロット大当り、クラップス連勝の確率は低い。しかし稀に当たると派手な照明、音楽、音声で祝い、他のプレイヤーにも勝ちの可能性を感じさせてギャンブルを続けさせる。
8.トイレを戦略的に配置・・・トイレを建物の奥に配置して、用を足しに行くまでの道程でも多くの運試し・賭けに誘惑する。
9.ポイントサービスがある・・・賭けに負けると人は取り戻そうと大きく賭ける。また負けてもポイントを与えることで痛みを和らげる。ポイントで食事できるかもと思わせる。(但し、700ドル負けて38ドルの食事がカバーできるレベルだが。)

書籍紹介 
1.ギャンブル叢書3『日本のハイローラー』 森巣 博 
(扶桑社 2018年8月発行 1400円+税)
  先に『カジノ解体新書』を紹介したが、国際的博奕打ち・兼業作家と自称する著者のシリーズ第3弾。IR法成立後、著者の体験からカジノを紹介する。一般人は知らない賭場の実態を紹介。
 第1章「VIP、ハイローラー」・・・大手カジノは客を①グライド(いわゆるヒラ場、一般客)、②プレミアム(VIPルーム)、③ジャンケットの3種に分け、それぞれ遊ぶフロアを分けている。②③がVIPフロアで、マカオの大手カジノ(ハウス)では30万香港ドル(450万円)のフロントマネーが求められ、1ベット(一手の賭け額)は最小で3000香港ドル(4.5万円)という。そして、バカラでは一手100万円の卓もあるという。このVIPフロアでは警察官僚16人が参加していたこともあるという。
   カジノではVIPプレイヤーをa)マスVIP、b)一般VIP、c)VVIP、d)VVVIPに区分し、ハイローラーとはc,dをいうようだ。VVIPには飛行機サービス、リムジン、最上階客室やペントハウスなどの「コンプ」(R・F・B)の他、ディスカウントやキャッシュバックもあるという。アジア・太平洋のカジノにはプログラムがあり、「ロールオーバー」によるキャッシュバックが市場の急拡大を起こした。地域やハウスでキャッシュバックの%も異なる。客を取り合って%を上げたり、R・F・Bもより豪華に(1本225万円のワインなど)。  日本のハイローラーに呼ばれ、ミニマムベット120万円を体験したとある。消費者金融のTなど。
 第2章「4500万円マックス」・・・マカオのホテルカジノで50万香港ドル(750万円)をフロントマネーとしてプログラムで打ったという。   (以下略)

2.『週刊金曜日』2019年5月24日号掲載 (税込580円)
  「カジノ誘致を巡って『市民の会』が全面対決」 平野次郎
  同誌は、反権力のジャーナリズムを貫く。憲法無視、沖縄県民無視の状況などを週刊誌として厳しく追及している。
そして本稿では「依存症、対重債務、家庭崩壊を招くギャンブル」のカジノに対する市民の対決を紹介。3月23日大阪・豊中市での「カジノあかん!市民大集合」集会(主催:大阪カジノに反対する市民の会 代表西澤信善神戸大名誉教授)や、ラスベガス・サンズ(アデルソン会長(トランプ大統領の盟友))の大阪夢洲進出の動きなどを紹介する。4月の政令や7月以降のカジノ構想によって、安倍首相の「世界最高水準の規制」発言は全く嘘のものになろうとしている。

3.月刊誌『ZAITEN』2019年12月号(財界展望新社 2019.11.1発売 1000円+税)
  「買ってはいけない!疑惑の『宝くじ』 総務省も沈黙するイカサマ疑惑」
同誌は宝くじ問題の不正・腐敗を厳しく問う。10頁にわたって「イカサマ疑惑」「電通が仕切る宝くじ有害CM」「みずほ銀・日本ハーデス 人事と高額当選の闇」を中心に特集する。
  みずほが宝くじを扱うのは勧業銀行以来の利権だが、その旧勧銀系の団体、現在は「日本ハーデス」系列企業が形成されて宝くじ販売を仕切っている。全国の有名な売場2600ヶ所の7割、売上にして5割という巨大利権を占めるという。
宝くじ販売は射幸心を刺激してジャンボからtoto、スクラッチまで販売拡大に邁進し、売上は年7886億円にのぼる。そのうち4000億円が日本ハーデスに。その2割は役員と1万人超の従業員らに配られていることになる。
 そして記事は、その宝くじと日本ハーデスらに、年間45億円以上の怪があるという。すなわち、実際には売れ残った宝くじ券の中に大型当せんが存在しているのに、その説明がないのである。さらに日本ハーデスの人事からむ不自然な当せんも少なくないという。
 宝くじは券印刷から券の3割の売れ残り、抽選まで不正がないことの証明はされていないというのだ。

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ギャンブルNEWSピックup (2019.10.25~12.13)

2019. 10.25  東洋経済  ラスベガスのカジノ王が「大阪」にこだわるわけ
   10.26  文春   横浜カジノ「官邸からの指示だと考えるほかない」ハマのドンが明かす
       ヤフー  フィリピンで1000人以上の中国人摘発 賭博などに関与か
   10.30  d新潮  五輪マラソン札幌案の裏にカジノ誘致、菅官房長官の思惑
       共同   カジノIR、投資1兆円規模要望 大阪府・市が事業者に提示へ
       神奈川  IR推進室新設は「実現向けた対策」 横浜市長が強調
   10.31  神奈川  カジノのないIR開発「国際展示場やクルーズ拠点で収益」横浜で集い
       ヤフー  誘致続々「統合型リゾート」って何?経済効果1兆円!?採らぬ狸の皮算用
   11.6  d新潮  札幌移転の「マラソン・競歩」はカジノの犠牲にされた 動く巨大利権
        〃   五輪マラソン札幌移転 背後に橋本聖子違法献金Gの北海道カジノ利権
       長崎   IR推進PT 広域連携で周遊促進 九州地方知事会に報告
   11.8  ダイヤモンド 米中激突で「マカオ利権」が危うい米カジノ、日本上陸の裏事情
   11.9  神奈川  「カジノ」論議低調 閣僚辞任で空転 野党追及戦略も一因
       週朝日  「ギャンブルは負けても快感」六角精児が借金生活を糧にできたワケ
   11.10  ヤフー  カジノ誘致を巡る利権という幻想。甘い汁を吸えるのは誰なのか?
   11.11  長崎   香港・オシドリ 長崎IR応募へ、投資額4千億円想定
   11.12  琉球   カジノ導入否定 沖縄の新テーマパーク 森岡CEO
       ヤフー  日本カジノの利権を握るであろう運営会社はどこが濃厚なのか?
        〃   依存症の「脳」はどう変化するのか
   11.13  神奈川  依存症対策など国に14項目要望 横浜市
        〃   依存症の実態学ぼう 23日から横浜で市民講座
       ヤフー  カジノ管理委員長に北村道夫元福岡高検検事長-政府が人事案提示

マカオ  日本版IRのキーパーソンらがマカオに集結 国際カジノ見本市
   11.14  神奈川  IR横浜誘致撤回へ立民始動 対策本部で初会合
       ヤフー  パチスロ人気機種大型撤去目前 撤去イベントに潜むホール側の思惑
       週朝日  「発達障害」と「依存症」の密接な関係 専門医が解説
        〃   女性は万引、男性はFX シニアが陥りやすい4つの「依存症」
   11.18  神奈川  コンセプト提案に国内外7者 IRで横浜市、社名非公表
       ヤフー  10年前に発生したサッカー賭博スキャンダル 禁止ルールをおさらい
   11.19  共同   カジノ、21年に申請受付 7月まで、準備期間に配慮
   11.20  共同   「1万5千人以上を雇用」 米カジノ大手、大阪IRで
       共同   ギャンブル依存症に医療保険適用 功労賞検討、IR誘致で対策強化
       ヤフー  宝くじ高額当せん者の末路 「ギャンブラーの誤謬」で悲劇も
   11.21  神奈川  事業者名、公表検討も 公募選定で横浜市が見解
       ヤフー  大阪・松井市長、万博前のIR開業「今の時点であきらめるべきではない」
       HBC  カジノ含むIR誘致 道議会自民会派から知事の早期判断求める声
       産経   IR早期開業に難色、万博開催への影響懸念 事業者と財界
       毎日   大阪府市がIR実施方針案公表 誘致自治体で初「25年万博前目指す」
   11.22  ヤフー  厚労省ギャンブル依存症治療の保険適用に、大阪市「どこよりも準備は万端」
   11.23  長崎   長崎IRコンセプト募集 国内外5事業者申請
       ヤフー  東京・南麻布にカジノで遊べる「米国領ホテル」があった!
   11.24  マカオ  カジノで大負けした中国人大学生が別の客からチップ盗む
   11.25  HTB  <北海道>IR誘致へ早期判断を 経済8団体が知事に要望
   11.26  共同   IR用地購入に77億円、和歌山 立地決定で県支出へ
       HTB  <北海道>崩れ始めたIR誘致シナリオ 道議会自民は結論出ず
       ヤフー  カジノは「ギャンブル依存症」を増やすのか
   11.27  時事   カジノ委の同意人事、29日に採決 衆院
       産経   カジノの勝ち負け、事業者が管理 政府、利用者への課税案を提示
       毎日   訪日客のカジノ所得 源泉徴収を検討 政府・与党
       マカオ  カジノ送迎シャトルバス内でスリ 中国本土出身の男逮捕
       時事   「休日6時間超」12% 学業、心身に影響も ゲーム依存、初の実態調査
       山陽  賭博場で「踏み倒したら暴力団がボコボコにして監禁する」恐喝未遂 倉敷
   11.28  共同   北海道、IR誘致見送り表明へ 知事が29日にも、自民に慎重論
       産経   松井市長「大阪の優位性アピールするだけ」北海道IR見送り方針受け
       マカオ  窃盗被害を自作自演の中国人ギャンブラー逮捕
   11.29  <当会 会報第84号発行>
時事   基本方針、来年1月めどに公表 カジノ開業は20年代半ば以降 政府
       時事   北海道、IR誘致見送り 自然への影響配慮 鈴木知事表明
       UHB  「残念、どうしてかな」苫小牧市長は落胆、知事がIR誘致断念
       時事   カジノ委人事など承認 国会
       朝日   カジノめぐり、衆院内閣委で質疑
       HTB  <北海道>IR「誘致見送り」 鈴木知事判断の3つのワケ
   11.30  神奈川  IR横浜誘致を巡り国会論戦「自治体リスク回避を」「不安定な状況」
       北海道  海外のIR事業者「納得いかぬ」鈴木知事の誘致見送り方針に
       神奈川  カジノ管理委、衆参両院が人事承認 免許審査や依存症対策
       長崎   長崎IRコンセプト参加 3者を認定、1者審査中
       TVK  横浜市のIR誘致、 反対の市民団体が講演会
       岡山   ポーカー負け金回収目的 3235万円恐喝未遂容疑 男2人逮捕 倉敷
   12.1  マカオ  中国人女性客カジノに熱中の隙にポケットから多額チップ盗まれる
        〃   カジノディーラーがIR施設から墜落死 勤務終えた直後に
       共同   カジノ所得に源泉徴収へ 訪日客対象、税逃れ防止
   12.2  沖縄  「1口500円で賭けたことも」職場で賭博・部下を殴る 沖縄の消防組合
   12.3  MBS  和歌山県がIR用地77億円で購入予定 誘致失敗なら購入しない契約に
       共同   大阪万博前にIRの全面開業を 関西経済同友会「工夫できる」
       毎日   関空、咲洲も 高潮の浸水域、南海トラフ津波の2倍 大阪府が想定
       神奈川  「カジノ誘致関連まとめ」横浜の市民団体、ウェブで公開
   12.4  共同   横浜市IR、市民が林市長を批判 表明後初説明会で「多くが反対」
       ヤフー  薬物など依存症対策、再犯防止推進白書で特集、法務省が2019年版を公表
       ヤフー  マガジン新連載は「死神」×「賭博」漫画 死神たちの賭場で命を賭ける
   12.5  ヤフー  カジノ課税案、自民党内から撤回求める動き 「投資意欲に影響」懸念
       UHB  IR誘致断念 苫小牧市長、知事の説明求める 関連展示会は中止に
       産経   カジノ収益、特別区に人口割で配分へ 大阪府市が検討
       婦人公論 パチンコで自己破産 子供の学事保険も解約する夫の末路
   12.6  共同   大阪IR誘致で有識者会議 依存症対策「具体的に」と要望
       チバテレ  千葉市の統合型リゾート「IR」に伴う建設投資額7千億円
       毎日  「カジノ」?「IR」?北海道が断念 外国人観光客が目当て
   12.7  千葉   IR納付金年間500億円 千葉市長、誘致是非「早期判断」8事業者提案
       産経  カジノへの懸念どう払拭 厳格な規制、依存症対策の整備で発症率低下へ
       TBS  渋谷の違法パチスロ店摘発、常習賭博の疑いで責任者ら4人逮捕
   12.8  マカオ  カジノIR併設ホテル客室内で自殺未遂・・・中国本土出身男性
       ヤフー  宝くじを買う人は確率を錯覚している?それとも合理的な判断?
   12.10  ヤフー  賭け麻雀や賭けゴルフ、「賭博罪」で逮捕される境界線はどこにある?
       長崎   長崎空港に新浮桟橋 県、IR誘致見据え整備へ
       産経   IR、万博、インフラ整備 大阪・夢洲で工事同時多発も交通アクセスに課題
       毎日   大阪都構想、財源配分案で合意 法定協、維新と公明が賛成
   12.11  神奈川  「市民の怒りは広くて深い」 カジノ反対、リコールも視野
   12.12  神奈川  IR区域整備計画「21年前半の市会に」 誘致巡り横浜市長
       ヤフー  カジノ課税で政府案撤回、具体的方針の明記見送り-与党税制大綱
       産経   大阪IR選定委の人選決まる 府市立大の西沢理事長ら7人
       毎日   大阪府市がIR選定委員7人を選任 来年6月ごろ事業者決定へ
   12.13  神奈川  カジノ「負の影響説明を」 横浜市会委、収益巡り論戦
       マカオ  ギャンブルの神を自称する中国人男を祭儀容疑で逮捕 
       ヤフー  大阪・松井市長IR開業時期「知恵を絞れば万博とIRの両立は成り立つ」

◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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◇◇万博川柳~歴史に学ぶ~◇◇
・万博は 正式名は 世界博     (三百もないのに 万国とホラを吹き)
・帝国が 見世物にした 略奪品   (植民地 支配を誇る 自慢博)
・我が国の 及ぶ力を 見せつけん  (侵略を 悪と思わぬ 時代博)
・わが技術 発明をみよと 宣伝し  (ロンドンに パリーと続く この技術)
・鋼鉄の エッフェル塔で 仏誇る  (建築で 名を残したし 設計士)
・軍艦が 奪い運びし 展示品    (商人が 安く集めた 宝物)
・文明の 遺産を見よと 大国が   (黄金の 日々もあり 我が国は)
・先進の 文化と科学も 御覧あれ  (西欧の 科学技術に ついて来い)
・より広く より豊かなり 物をみせ (世界から 物を集めて 見世物に)
・戦力を 誇る出展 競争も     (戦争の 20世紀も 博めたり)
・自動車や 飛行機誇る 世界博   (国力を 誇り 競いし 万博に)
・日本の 主催予定の 東京博    (昭15 紀元は2600年博)
・戦争で 中止となった 日本博   (東京の 五輪に続き 非常時で)
・東京の 五輪のあとは 関西で   (大阪は 金になるなら 金を出す)
・成長の 企業を見せる 大阪博   (アメリカに お願いをして 月の石)

1.裁判次回期日
カジノ万博公金差止訴訟  令和2年1月22日 午後2時00分 1007号法廷
ギャンブルリーフレット配布差止訴訟 令和元年12月24日 午前11時30分 806号法廷

2.事務局より
〇2017年の流行語大賞「忖度」を生んだ森友・加計問題は、俗耳にもわかりやすい学校教育世界の財産処分にまつわる安倍内閣の不正でした。同時に森友により大阪府市の金がだまし取られ、府市首長の監督不備がありました。当時の松井知事・吉村市長は、カジノと万博問題ばかりに関心を向けていたのです。
  そして、2018年万博誘致に成功し、2019年になると松井らは夢洲カジノに没頭しています。厳密には万博会場は夢洲に決まったわけではないのに、夢洲カジノを夢洲万博以前に開業させると焦っています。
  その理由は、アベノミクス宣伝のように未来の効果を振りまいて府市民の関心を引きたいからです。大阪のゴミの洲が億兆円投入する土地になるという“夢洲物語”は、維新の大阪都構想にも役立つのです。金の話は大阪人の心をつかみやすいことを、松井らはよく知っています。
目の前の 金の話は 票になる
〇しかし、夢洲カジノ(IR)開発は必ず失敗します。
第一に、“IR”と美名を付けても、収入の7~8割をカジノという賭博に依存するような事業は、正業ではありません。世界的にみてもカジノ事業は過当過剰な弊害産業として衰退しつつあります。日本には既に外国の観光客があふれているのに、どうしてバクチ目的の客を呼ぶ必要があるのでしょうか。
  第二に、日本は本来、大阪を含めて国内の製造産業を復帰拡大させるべきです。現に2010年代以降そうなっています。
  第三に、夢洲自体、危険は臨海埋立地であり、地盤沈下中です。そこに莫大な税金を投入しようとしていますが、まずは行政として既設市街地の防災対策(東南海地震、台風、高潮)に取り組むべきです。カジノ用施設や万博建設などより優先すべきです。
  第四に、夢洲万博は半年で2800万人/1日換算約15万人、IRは年間延べ利用者2480万人/1日換算約6万8千人もの人を呼ぶ予定ですが、災害が発生した場合、これらの人命さえ守れません。訪問客は熱帯低湿地のジャングル観光のようなつもりはさらさらないでしょうし、真実を知れば“地獄の洲”になることがわかるでしょう。




posted by inoue at 00:00| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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