2018年12月14日

なくそう!ギャンブル被害 会報第73号


【目次】現行ギャンブルの被害防止のために/特集:日本のギャンブル事業の動向/アラカルト:難しい?ギャンブル英語解説、パチコ・スロコのパチンコ漫才「好ケーキパチンコ」、世界カジノ場巡りABC、カジノギャンブルゲーム折込唄/書籍紹介/NEWSピックup/事務局だより(カジノ万博公金支出差止監査請求提出)/ギャンブルオンブズ4コマ漫画

現行ギャンブルの被害防止のために

1.政府財政の歳入は公営ギャンブルの「収益事業の収入」に依拠すべきではない。
  公営ギャンブルは、「もっぱらその事業から生じる収益性にのみ着目し、当該事業については行政効果は比較的希薄かむしろ皆無といえるところの事業から生じる収益」とされる。
  地方財政でいえば、①都道府県税・市町村税、②地方譲与税、③税交付金、④地方交付税、⑤分担金・負担金、⑥使用料及び手数料、⑦国庫支出金・都道府県支出金、⑧財産収入、⑨寄付金、⑩繰入金、⑪繰越金、⑫諸収入、⑬地方債が歳入科目となる。このうちの⑫諸収入には、⑴延滞金・加算金・過料、⑵預金利子、⑶公営企業貸付金元利収入、⑷貸付金元利収入、⑸受託事業収入、⑹収益事業収入、⑺利子割清算金、⑻雑入(滞納処分費、弁償金、違約金、延納利息、小切手未払資金組入れ、過年度収入、その他)がある。
宝くじ、競馬、競輪、競艇事業等は⑹の収益事業収入にあたる。しかし、原則として地方自治体が収益事業に歳入を頼ることなどあってはならない。例えあってもその歳入も少ないのは当然である。

2.客(市民)と「賭金」を考えよ
  いうまでもなく公営ギャンブルの客が投票券・証票を購入する行為は、公許されたとはいえ賭博ないし富くじ購入である。特別法でこの金が地方自治体の収益になることで、違法行為としての刑罰は免れるが、射幸心による賭博金であることに変わりない。一部は客が勝った金として払戻しされるが、システムとして全体の賭け客は収奪される。(競馬は1回平均75%が配当として払い戻されるが、これを10回繰り返すと0.75の10乗でほとんどの金を失うことになる。)
  客は万に一つの大金を目指して賭けるのである。このような客の金について、その入手方法や出処を考えると肯定できないもの、客の使い方として肯定できないものがあまりに多い。ギャンブルに伴う犯罪を生んだり依存症による生活破局まで、およそ政府として認められない。

3.賭博収入は「汚金」である
  俗に「金には色がない」とか「使い方で是非が決まる」という見方、考え方がある。確かに現在ある金は、出処や使われ方などその「色」について社会に隠されているものもある。
  しかし、公益推進の自治体として、肯定すべき根拠のない収入金は問題である。盗んだ金にも所得税を課すのが税の仕組みではあるが、このような金からの税収に期待したり予定することは地方自治体として許されない。第二次大戦後の窮迫する地方自治体の財政収入のために戦災復興等を目的とした特別法を定め、その下で現在の公営ギャンブルが行われた。しかし、地方自治体が主催する賭博には本来公益性はないし、富める客よりむしろ貧しい客層からの収益に依拠し、様々な弊害を生んでいる。こうした金(収入)は汚れた金、悪い金である。

4.公営ギャンブルの唯一の「生き残り策」?!
  公営ギャンブルによる弊害をなくそうという主張からはその「生き残り策」を考えるのは筋違いかもしれない。しかし、現に公営ギャンブルは存在しており、その弊をゼロにするか極小にすることが必要である。以下、日本公認ギャンブルについて提言する。
(1)公営ギャンブルの統合、縮小
  ①中央・地方競馬の統合と縮小(開催回数減)
  ②競輪、競艇の統合と縮小(開催回数減、オートレースの廃止)
  ③宝くじとスポーツ振興くじの統合と縮小
(2)ギャンブルへの市民参加の健全化(ギャンブル等依存をなくす)
  ①公認ギャンブルの参加者の登録(不適格者の制限)
  ②ギャンブルの金額・回数制限
  ③未成年・不適格者にギャンブル参加をさせた業者に対する処罰と業務資格取消等
④ギャンブル参加への予防策(教育、相談システム)
(3)ギャンブルゲームの射幸度の抑制と払戻し金の拡大
  ①高額払戻金ギャンブルの禁止(最高額1000万円以下)
  ②売上の80~90%を払戻金として還元(主催者は実施経費のみ、払戻増で健全ゲーム化)
(4)ギャンブルに伴う弊害の除去センターと脱税・マネロンの摘発除去システム
  (5)スポーツ純粋化
     競馬や競輪等はギャンブル性を除外した純粋なスポーツゲームとする。
  (6)投票券・くじの販売制限と課税
   今の日本は、投票券やくじのインターネット等の販路拡大により「いつでも」「どこでも」「いくらでも」賭けられるギャンブル化が進みすぎている。この無制限システムを除去し購入に上限(賭金・くじ購入は1日1万円、1ヶ月10万円、年間50万円)を設け、そして当せん者の透明化と課税を徹底する。
  (7)民営ギャンブルをゼロにする(パチンコ・パチスロ換金システムの禁止へ)
  (8)赤字化した公営事業は廃止する。
 
 以上のような措置をしてでもあえて存続させる意義は、人の射幸心の“健全な捌け口”を残すことによって、ヤミの不正賭博をゼロに向けて抑制するためである。そして、このためには同時に賭博罪やのみ行為の取締りを強化する必要がある。

特集:日本のギャンブル事業の動向
(1) データの変化
 IRカジノについてその動きは激しい。ここで、日本既存のパチンコ・パチスロや公営競技、宝くじ類についておさらいしたい。
 この点、毎年発行される『レジャー白書』では現状のギャンブルについての統計もまとめられている。あらゆるレジャー(余暇活動)の全体像を紹介し、その中の一つとしてギャンブル部門があり、アンケート調査や企業調査を加えて発表する。したがって、今回も2018年版白書(2017年統計)からデータを引用させていただく。
① 余暇活動参加統計
参加人口の1位は「国内旅行」5240万人、14位に「宝くじ」2410万人が入る。ギャンブル関連を抜粋すると次のとおり。                      (2017年データ)
参加人口(万人)
2008年→2017年 年平均回数
(回) 年平均費用
(千円) 参加率(%)
2011年→2017年
パチンコ 1580→900 29.4 85.1 12.3→9.0
宝くじ 4560→2410 11.6 20.9 37.5→24.0
サッカーくじ(toto) 520→600 25.5 28.2 10.2→6.0
中央競馬 860→760 22.8 58.9 9.1→7.6
地方競馬 150→280 22.4 49.7 2.8→2.8
競輪 110→130 18.5 48.9 1.2→1.3
競艇 110→160 18.8 58.6 2.0→1.6
オートレース 20→60 8.8 24.3 0.6→0.6
   ギャンブルへの参加率は減少傾向がみられるが、参加人口ではパチンコや宝くじの低落に対し、他はネット販売などの販路拡大の影響で増加しているといえよう。
② 業界の動向
   白書によればパチンコ・パチスロ(以下、パチンコ)は、2017年売上20兆円を割り、店舗数も22年連続で減少、パチンコ機の減少も続く。低価パチンコが定着し、新台導入を控える一方、過剰な広告がみられたり、ホール廃業もある。
   公営競技は前年比プラスが続くが、場外売上や電話投票(インターネットを含む)が入場者売上の減少をカバーする。競馬法の2015年改正により海外競馬の発売2年目となった。中央競馬では2018年秋にキャッシュレス発売機導入を予定で、過去投票の照会ができる「情報照会端末機」も導入する。地方競馬も電話、ポータルサイト、JRAネットなど在宅投票の増加、競技場ナイター化、大型映像機を導入した。ボートレースは電話、場外売上、女性選手ゲームで人集めをしている。競輪も同様の売上拡大と、千葉競輪の再開方針、ミッドナイト/モーニング競輪を開催。オートレースは5場となり、2008年には競輪と一体化してJKAに組み込まれ、場外券販売、電話投票を増やしている。宝くじはジャンボ、ロト7の不振により売上は減少するが、ミニ、プチ、スクラッチなどくじ種を拡大している。totoは4年連続1000億円を売り上げ、1等10億円のボーナスBIGやお年玉BIGなどを発売、インターネット販売が売上全体の3分の2を超える。toto収益を財源としたスポーツ振興助成は、2017年度で200億円を超えた。
   これら売上の推移は白書によれば次のとおり。               (億円)
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
パチンコ 254,890 256,720 250,050 245,040 232,290 204,180 195,400
宝くじ 10,040 9,140 9,450 9,010 9,150 8,450 7,870
サッカーくじ 760 840 940 1,110 1,120 1,080 1,100
中央競馬 22,940 23,940 24,050 24,940 25,830 26,710 27,480
地方競馬 3,250 3,310 3,540 3,750 4,170 4,770 5,410
競輪 5,930 6,150 6,090 6,140 6,230 6,330 6,400
競艇 8,630 9,170 9,430 9,790 10,340 10,880 12,060
オートレース 810 790 700 680 670 660 660

(2) パチンコ・パチスロメーカーの状況
総合技研(株)は各種業界の市場調査報告を出版しており、これはいわばその業界の「白書」といえる。パチンコ業界に関する『2015年版 パチンコ機・部品及び周辺機器の現状と将来性』をみる。
同書はメーカー各社に訪問調査をしたという。2014年12月現在、全国の遊技機台数は459万7819台、パチンコ営業所は1万1627店、1店当たり395台で大型店舗化が進んでいるとし、この内訳としてパチンコ機295万台、パチスロ機164万台、プリパチシステム導入店4305店、iクリアランスシステム加入店1032店など、詳しいデータを載せる。周辺機器の売上市場や今後の見通しも述べる。都道府県ごとのホール店数、機設置台数も示し、パチンコ機器メーカーの一覧表(資本金、従業員数、売上高)もある。
パチンコ機メーカーの2014年度売上は、SANKYO32.9万台(シェア16.6%)、三洋物産26.5万台(13.4%)、平和25.2万台(12.7%)、セガサミー24.3万台(12.3%)、京楽23.9万台(12.1%)の上位5社で全体の7割近くを占めている。各社は販売機種の営業競争は激しい。そのブランド名も示す。メーカーごとに販売ルートを解説、取引業者や拠点などを整理している。
(本書は価格9万円と高額だが、府立図書館に収蔵されている。最新の2018年版は今のところ国会図書館にはある。)


(3) パチンコ・パチスロ・カジノ業界地図
 東洋経済新報社は、『会社四季報』を発行する企業情報の老舗。パチンコ・パチスロ業界、そして最近ではカジノについても実にわかりやすく2頁で紹介されている。本書の案内をかねて、当会が問題とするギャンブルのパチンコ・パチスロ、カジノについてのわかりやすい説明を一部引用させていただく。

①パチンコ・パチスロ
   2006年以降、業界は長期低迷といわれている。ホールの売上については、2015年版(2013~14年期)では、1位:マルハン/売上高2兆1116億円、営業利益579億円、2位:ダイナム、3位:ガイア、4位:ニラク、5位:ABCとあり、それが2019年版(2016~17年期)では、1位:マルハン/売上高1兆5509億円、営業利益316億円、2位:ダイナム、3位:ガイア、4位:ニラク で順位は変わらない。なお、マルハンはカンボジアでの商業銀行事業もしているとある。

②パチンコ・パチスロ機メーカー、周辺機メーカー
   2015年版では、機器関連メーカーについて、売上高ではセガ・サミーが売上高3548億円、営業利益176億円で1位、以下、平和、三洋、SANKYO、京楽が売上高1000億円台で続く。但し、営業利益では、平和が428億円で1位、以下、ユニバーサル210億円、そしてセガ・サミーの順である。周辺機メーカーでは、ホールコンピューターのダイコク540億円の他、計数機のマースエンジニアリング、プリペイドカードシステムのゲームカード・ジョイコやサン電子、マミヤ、オーイズミなど200億円レベルの売上企業が並ぶ。
   しかし、2019年版では、機器関連メーカーでは、1位:セガ・サミー/売上高3236億円、営業利益177億円、2位:平和/売上高1327億円だが、以下 SANKYO、京楽、ユニバーサル、フィールズ、藤商事などは売上500~600億円と低落がつづき、単年赤字のところもある。周辺機器メーカーも、ダイコク/売上高340億円、以下 サン電子、マース、ゲームカード・ジョイコなどは売上高が下降している。

③カジノ事業への参加
   2019年版によると、マルハンがマカオでカジノ開発する香港のサクセス・ユニバース社の株19%を取得投資したこと、セガ・サミーが2012年にリゾート施設シーガイアを100%買収し、韓国のカジノ運営会社に参加していること、ユニバーサル(旧アルゼ、創業者岡田)と米カジノ企業ウィン・リゾーツとの提携が2018年に解消したことなどが紹介されている。
 
この他、同書はパチンコ業界の推移、警察庁が牛耳る天下り、三店方式のギャンブル、IR誘致に名乗り出る自治体の動き、IR規制などについて図示している。

アラカルト   難しい? ギャンブル英語解説
「イネイブラー(Enabler)」
 Enebleとは「~できるようにする」という動詞。対象の依存、ひきこもりなどの問題行動を“できるようにする”役割を背負う人をenablerといい、結果として問題行動を助長している身近な人をいう。
ギャンブル依存ではギャンブルの借金を肩代わりしたりなど、依存者の“病気”をなくすことに反する行動をとる者を「イネイブラー」という。主観的には依存者のためと思って支えようとしての行動でも、正しい知識がないとイネイブラーとなる。家族や身近な人がイネイブラーとして被害を拡大することがあり、家族、友人、周辺にも正しい知識が必要なことを示している。

「DSM-5」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders-5)
  米国精神医学会が1980年に発表した精神医学の疾患のなかに「病的賭博」が含まれた。その診断基準として発表されたのが『精神疾患の診断と統計マニュアル第3版』で、これを「DSM-3」という。このDSM-3が、1994年に改訂され「DSM-4」となり、さらに2013年に改訂され「DSM‐5」となった。

パチコ・スロコのパチンコ漫才 「好ケーキパチンコ」

パチコ:「スロコさん、この頃パチンコ屋のコスモに開店前から並んでるのは何でやのん」
スロコ:「あんた知らんの? 実はコスモでケーキくれんねん」
パチコ:「へええ、パチンコってそんなサービスまでして客呼ぶ状態なんかな」
スロコ:「そうや最近は不景気でパチンコに行っても2000円ぐらい10分もせんうちに負けてしまう。パチンコもスロットも調整して玉もメダルも出さんようにしてるからしばらく行かへんかった」
パチコ:「そうや私も今は年金暮らし、1円パチンコで1~2時間遊んでたけど、結局気が付いたら4~5000円使ってた。一時は玉を出して喜ばせるけど、うまいこと釘調整してるんやな。それに息子に注意されて、ここ半年やめてたわ」
スロコ:「そやけど最近のコスモの折り込み広告見たら、開店の先着順でケーキや羊羹にまんじゅうをサービス、数に限りがございます―とあるから、甘党の私、ついついタダなら並んでもらおうと思ってね」
パチコ:「パチスロも甘いもんで客を釣るんやね。昔は出玉を大出血なんて宣伝広告していたけど、今は“甘デジ”“甘い確率調整”と広告してる。それにしても甘いお菓子で客を呼ぶのは、最近のパチスロが年寄りとオバちゃんを狙ってるからやって、業界をよく知っている息子が言うてたわ」
スロコ:「そうやな、たしかに甘いものもらうだけでは帰られへんから結局1000円、2000円と玉を買う。でも勝てたことないから私らオトリへのエサなんやな…。広告はそれでも私のパチンコのムシを起こすんやから、2000円の高いケーキと諦めるしかあらへん。ホンマに私らアホやなあ」
パチコ:「私まで一緒にせんといて」
スロコ:「サイナラ…」

世界カジノ場巡りABC
A American Casino(Las Vegas)―Asian Casino(Macao)
B Baden(Austria)、Baden‐Baden(Germany)
C Cannes(France)、Cairo(Egypt)、Copenhagen(Denmark)
D Dinant(Belgium)
E Estoril(Portugal)、Evian(France)
F Funchal(Portugal)
G Genting‐Berhad(Malaysia)、Gotheburg(Sweden)
H Hamburg Hanover(Germany)、Hague(Netherlands)
I Istanbul(Turkey)
J Joliet(Illinois)
K Konstanz(Germany)、Kangwon Land(Korea)
L London(England)、Las Vegas(Nevada)
M Monaco、Madrid(Spain)、Manila(Philippines)
N Nice(France)
O Ostend(Belgium)
P Pau(France)、Piscis(Argentine)
Q Quebec(Canada)、Quepos(Costa Rica)、Quito(Ecuador)
R Royan(France)、Reno(Nevada)
S Sanremo(Italy)、Sofia(Bulgaria)、Singapore
T Trump Taj Mahal(New Jersey)
U Unihotel&Casino(Ecuador)
V Venice(Italy)、Vichy(France)、Vittel(France)
W Wiesbaden(Germany)、Warsaw(Poland)
X 
Y Yukon(Canada)
Z Zandvoort(Holland‐Netherlands)、Zagreb(Croatia)

 Xを除いて、A~Zの都市・地域のどこにもあります。
 European Casino、English Casino、French Casinoという国地域名の呼び方もあります。


カジノギャンブルゲーム折込唄
              (  はゲーム名)
1.キーノ(昨日) 負けたの ポーカーと忘れ  京カブ ヨイドと バッタまき
  大小 バカラ(馬鹿ら) コイコイ 丁半 チンチロリン
2.頭は ブラック クラップス  お金は スロット ルーレット
  ロッタリー ファンタン ビンゴまで  カジノのギャンブル これ手本引


書籍紹介
1.『平成日本タブー大全2015 山口組と興業とカネの聖域』 盛力健児、西岡研介外
 (宝島社 2014.12発行 800円+税)
  2014年に月刊宝島に掲載されたスクープ記事の集約版。その中から2つを紹介します。
(1)「『横浜カジノ構想』を仕切る“ハマのドン”藤木幸夫の怪人脈」 伊藤博敏
   舛添知事の下「お台場カジノ構想」が止まり、2014年から林文子横浜市長による横浜カジノ構想が進められた。菅官房長官が協力し、京浜急行電鉄が参入を検討する横浜カジノについて、“ハマのドン”といわれる港湾荷役の藤木企業(株)会長藤木氏の動向を探っている。藤木企業は元は博徒であった父幸太郎氏が起業し、藤木氏がその跡を継いだ。中田宏前市長、林現市長の後援会長を務める人物で、カジノには慎重対応と紹介する。
(2)「総務省とみずほ銀行がひた隠す『宝くじ』53%ピンハネのうまみ」 南雲裕介
   年間1兆円を売り上げる宝くじについて、そのテラ銭4851億円はどこに?と追及する。宝くじは売上の約47%は当せん金となるが、残り53%はテラ銭である。公式HPでは、収益金として自治体の公益事業に40%(3675億円)が使われ、12%(1064億円)は印刷経費、1%(112億円)は販売手数料と説明する。
   しかし、各自治体に配られた収益金の使途はバラバラで細部は明らかでない。そして宝くじ協会や自治総合センターなどの「天下り」団体にも流れている。民主党政権下の事業仕分けで改善を求められたが、法的拘束力はないのでその後も利権が続いているという。
   印刷経費と販売手数料の多くは、みずほ銀行の下で再委託されて販売店17000店に流れる。再委託の中心はみずほ銀行の親密会社の「日本ハーデス」で、元第一勧銀の宝くじ部門が設立し、宝くじ販売の中核を占めていた「日宝販」を引き継いだ会社である。この日本ハーデスは2000店で5000億円を売り上げる。結局、日本ハーデスが都市部の大量販売所を押さえているのである。みずほ銀行の天下り会社として強固な既得権も有しているという。

2.『馬券裁判 競馬で1億5000万円儲けた予想法の真実』 卍(著) 
(ガイドワークス 2018.8発行 1500円+税)
  著者は匿名の卍氏、2015年にメタモル出版から発行された書籍の復刻版。卍氏は2007~2009年の3年間でインターネットを介して28.7億円の馬券を購入し、30.1億円の払戻金を得た。大阪国税のマルサが入り、勝った分だけの一時所得があったとされて6.4億円の無申告による所得税脱税として、加算税、地方税、延滞税を合わせて10億円以上の脱税と摘発された。検察庁も2011年3月に5.7億円の所得税無申告とし懲役1年の求刑をしたが、卍氏はこれに雑所得だと反論した。大阪地裁判決は、インターネットによる機械的網羅的購入での所得は雑所得だとし、外れ券を経費として認めて脱税額は5000万円、懲役2ヵ月執行猶予付きとした。大阪高裁、最高裁も同様の判旨で、これを受けて国税局の課税処分も大幅に減額された。そして、2015年に新通達を出し、ソフトウェアでの継続購入による所得は「営利を目的とする雑所得」としたのだった。
  卍氏は友人との馬券購入からはまり、競馬ブックやスポーツ紙の「コンビ指数」や「スピード指数」を使う買い方から、勝ち馬を予想しない方法、馬の数値化、競馬ソフト「馬王」を使いこなすようになったという。
 第3章は「馬券の買い方」、第4章は「回収率100%を超えるために」、第5章は「億円越えを目指すために」となっており、馬券の買い方指南本である。自ら卍指数のコンテンツを販売しているという。
  結局は、客として競馬ギャンブル依存にはじまり、今では競馬ギャンブル依存客相手に勝ち方、競馬投資講座を売るのが卍氏である。これもギャンブル依存の一つといえよう。

3.『遊技通信でみるパチンコ業界の60年』 遊技通信社 (2011.11発行 5000円+税)
  1951年創刊の遊技業界の専門誌『遊技通信』の60年記念号。パチンコの歴史をつづる豊富な写真と記事に圧倒される。60年に及ぶ出版が業界とその広告収入に依拠していたことは本書の多くのカラー広告からもわかる。表紙裏にはホールシステムのオーイズミ、1頁はメーカーの三洋、2頁は玉の計算機メーカーのグローリー、4頁は遊戯場向関連機器のJCMといった具合。その他、全国と地方の遊技機商業協同組合、遊技機メーカー、関連装置企業とその他組合、パチンコホールらが並ぶ。パチンコにはりつく業者の多いことがわかる。
  資料としては、ホール店舗、パチンコ機、回胴式機(スロット機)の統計の変遷をグラフ化する。(なお、ホール数は1949年4818店が1953年43452店と飛躍したが、パチンコ機の規制で一旦は1万店を切るまで減少した。その後業界の成長で1997年に18244店まで復調したが、近年は500台を超える大型店の展開と出玉規制の影響で、EGM(遊技機)台数は500万台弱を維持するも、店数は1万店程となっていることが伺える。)

4.『カジノ戦争』 西澤信善  (晃洋書房 2018.5発行 1800円+税)
  著者は神戸大学名誉教授。ギャンブル依存症と大阪でのカジノ導入について黙視できないとし、“STOP IRカジノ”を訴える内容の著。第1章はカジノで地域振興を図る弊害と愚を説き、第2章はIRカジノ構想を分析、第3章は大阪のIR設置の動き、第4章は人々を窮乏化させる商業的ギャンブルの罪、第5章はギャンブル依存症、第6章でカジノの地域社会への悪影響を踏まえ、第7章はカジノの是非を考え反対する、第8章はギャンブル大国日本、第9章はカジノの観光影響を分析し、最後の第10章で阿片戦争や薬物とギャンブルの汚染を考え、地方自治体の使命、都市のイメージから大阪を「賭博の町」にするなと訴える。
  安倍首相はアメリカ、中国、ロシアその他外国に対してwin-winの関係を是として公言する。しかし、カジノ賭博はwin-lossの関係であり、IRカジノは阿片戦争と同様に戦争であり、これに対して夢洲カジノはじめIRカジノ阻止に勝利することを歴史偉業と結ぶ。

ギャンブルNEWSピックup (2018.11.6~12.3)

2018.11.6  茨城   ギャンブル依存症 前向きな言葉心掛けて「家族教室」新たに開設
11.7   神奈川  IR誘致「検討中」川崎市長が真意説明
11.12  <当会 会報第72号発行>
  11.13  SPA!   花札,丁半,パチンコ,公営競技 和式賭博で賭博ツーリズムは成功するのか?
  11.14  琉球   「県民利用排しIRを」 沖縄県計画MICE 自民・細田氏が持論
  11.16  AERA   賭博を愛しすぎて破滅した天才数学者の末路
       共同   ギャンブル依存症の対応策チラシ/消費者庁
  11.19  ヤフー  大阪カジノ万博不安材料 廃棄物の湾岸人工島は災害に耐えられるのか
       〃    世界初のカジノ中毒者専用法廷は、日本のカジノの参考となるか?
  11.20  <大阪府・市へ 万博誘致活動公金支出差止・返還を求めて監査請求提出>
毎日   <大阪>万博巡り住民グループが住民監査請求 府と市に
       共同   万博への支出は違法と監査請求
       産経   香港ギャラクシー、大阪、横浜などのIR調査に参加
       神奈川  カジノ反対 横浜・山下公園で人文字
  11.22  産経   コスト理由に敬遠の国も 万博開催の意義とは
  11.24  毎日   <BIE総会>25年万博、大阪に決定 55年ぶり開催
       〃    <大阪万博>「夢洲」会場、IR候補地と隣接 課題も多く
       産経   大阪万博、会場建設費は「議論まだ」 アクセスも課題  
  11.25  共同   和歌山県知事に仁坂氏4選 (IR和歌山市誘致推進)
  11.26  ヤフー  17年度パチンコホール経営業者の売上高合計 前年度比マイナス
       UHB  優先候補地は苫小牧 カジノ含むIR誘致 道議会で素案明らかに
  11.27  伊勢  名古屋市長「ナガシマにカジノを」三重県に協力打診 知事「取組む考えない」
       朝日   カジノのトップが万博決定を歓迎 IRとの「相乗効果」
       産経   「大規模投資を計画」米IR大手、関西外大で講演
  11.29  朝日   鉄道延伸200億円「IR事業者が負担」 大阪市が条件
       〃    万博整備にカジノマネー 府と市、「IR頼み」鮮明に
       産経   特許登録のデジタルバカラ台で違法カジノ店 容疑の経営者を逮捕・警視庁
  11.30  東洋経済  膨らむ「大阪復権」の夢 大阪万博再来で始まる 費用とカジノの綱引き
       ヤフー  高射幸性パチスロ機の撤去延期 業界内のねじれ現象は何をもたらす?
  12.3   ヤフー  ゲーム依存は病気 WHO認定、医療機関に患者の列

11月20日、大阪府・大阪市に対し、それぞれ万博誘致活動にかかる公金支出の差止と各首長への返還請求を求める監査請求書を提出しました。

 大阪府に対する監査請求書(大阪市もこれと同旨)
職員措置請求書(住民監査請求)
                        平成30年11月20日
 大阪府監査委員 殿

一、職員措置請求の趣旨
1.大阪府知事松井一郎は、大阪市此花区夢洲においていわゆる「夢洲万博」(国際博覧会条約による国際博 以下「万博」という)を誘致推進するための公費支出及び建設費用等の公金支出を止めること
2.大阪府知事松井一郎は、松井一郎及び吉村洋文に対し、万博に関し府が支出した費用(損失)を請求すること
を求める。

二、請求の理由
1.請求人らは大阪府民である。
2.大阪府(知事 松井一郎)は、大阪市(市長 吉村洋文)と共に、大阪市が産業廃棄物などのゴミ等で埋め立てて造成した土地である大阪市此花区夢洲地区(以下、夢洲という)に、2025年万博を誘致すべく2016年以来活動し、松井一郎と吉村洋文がその誘致活動のために外遊まで繰り返し、既に3億円以上の費用を浪費している。
  その活動は、
 ①夢洲での万博開催は、大阪を中心とする観光業、建設業等に有益という産業経済本位の目的から2017年に入り「いのち輝く 未来社会のデザイン」などとの名目で計画を作ったものであるが、「公衆の教育を主たる目的とする催し」との万博の本来の趣旨から大きく逸脱したものであること、
 ②長年の産業廃棄物等による海岸埋立地である夢洲での開催は、その土地からして安全性を欠く。特に、日本を襲う巨大台風や南海巨大地震と大津波による被災リスクに対し、3千万人(1日15万人以上)に及ぶ人々の生命・身体の安全を確保していない。
   ちなみに、夢洲は今年9月4日の台風21号でもその上部まで暴風と高潮が襲い、コンテナとトランステナー施設を倒壊させ、護岸上部まで崩壊させた。もし、大地震や大津波が襲った場合には、地盤沈下や建物倒壊の危険性が著しく高く、多くの人命を奪う。
   しかるに、府・市は、万博等の施設と公衆の安全性について、日本国民やパリの博覧会国際事務局(BIE)に対し、正しく計画報告していないこと、
 ③他の立候補地との誘致競争に勝とうとするために、援助の名のもとに総額242億円(100カ国の政府に対し1国あたり2.42億円)という「買収活動」を行うとし、条約と国際正義に適う公正な国際競争によってより良き開催地を決めるという方法に反する手段をとっていること、
 ④そもそも夢洲万博の誘致は、松井、吉村首長らが、夢洲をカジノ施設を含むIR用地とするために目的としたものである。多くの大阪府民・大阪市民は、このIRカジノに強く反対しており、そのための万博も承認していないこと、
 等からして無謀なものである。
3.大阪府及び大阪市の首長は、住民福祉のために府民・市民の税金を預かっており、財政は正しい公共信託によりその使用をすべきである。これに反して夢洲万博誘致は、もともと大阪の維新党派が固執して推し進める賭博中心の夢洲カジノ開発を究極の目的とするためになされるもので、上記のような健全な公金の使用を欠き、特に公共の安全を度外視した万博の計画推進は、地方自治法2条14項「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」及び地方財政法4条「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない。」、同8条「地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならない。」に反するものである。
4.よって、今後の公金の支出の差止めと既に行われた無駄な支出の回復と賠償を、首長の両氏に求める措置勧告をされるよう、地方自治法242条1項の規定により求める。
5.なお、万博をめぐっては、府・市の首長による不実宣伝や違法・不当な点が多く、これらについてはその証拠を追って補充する考えであるので、法242条6項の機会を与えていただきたい。

三、請求人 (大阪府監査請求48名/大阪市監査請求117名)


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posted by inoue at 14:02| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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