2018年10月11日

なくそう!ギャンブル被害 会報第71号

【目次】夢洲万博・IR誘致“地獄”になるリスク/主張:ギャンブル脱税の横行と国・地方自治体の責任/依存障害シリーズ⑤ 依存・障害用語辞典(タ~ワ)/コラム:海外カジノ事業者の大阪詣で、大阪市のシンガポール調査の内容と不十分さ、東京五輪協賛宝くじ、ハロウィンジャンボ宝くじの病的販売、中高生インターネット依存93万人、日本は世界最大ギャンブル障害大国、ギャンブル短歌考/IRカジノ異文字カルタ/NEWSピックup/書籍紹介/事務局だより

夢洲万博・IR誘致 “地獄”になるリスク

1.大阪湾を廃棄物で埋め立てた土地を、大阪府と市は「咲洲」「舞洲」「夢洲」などと美名を付けた。しかし、地質学的にいうと大阪湾は、周囲を囲む兵庫県の淡路島、六甲山地、葛城和泉山地より800~1000m余も低い土地で、中央部の沈下も進む地域である。上町台地以西の大阪市は、淀川や大和川等の下流砂州として千年の時をかけて形成された。しかし「咲洲」「舞洲」「夢洲」は、戦後50年足らずで急造成されたもので、夢洲は今なお計画予定の半分を埋立中である。
  大阪湾中央により近い「夢洲」に、大阪維新の橋下、松井、吉村らは、カジノを中心としたIR(統合型リゾート)を誘致しようとしてきた。しかし、そのカジノへの反対の声が高いことから、まず2025年世界博(万博)を夢洲に誘致するとして、自民党、公明党、大阪経済界(関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会議所など)を巻き込んで大々的に誘致活動を起こし、この万博誘致によって夢洲駅開発やインフラ整備を推し進めようとしている。
 2018年7月のIR実施法成立後、松井らは本命の大手海外カジノ誘致へピッチを早めている。その夢の計画は専ら大阪関西に金がもたらされるという“金色信仰”であり、大阪に“地獄”をもたらすとは考えもしない能天気なものである。
2.では、どのような“地獄”があるのか。
  まず、万博やIRカジノ予定地の“地獄”である。地震や台風といった自然災害は、185日間の万博開催中に起こらなければラッキーで済ませられるかもしれないが、半永久のIRではそうはいかないだろう。
  想定される南海地震とその津波に襲われたなら、連絡橋「夢舞大橋」をはじめ、これから建設する地上インフラ建物や「夢咲トンネル」利用の鉄道線と地下駅は共に被害を受ける。これらのインフラが物理的に破壊されなくとも、185日間で2800~3000万人、1日15万人超と予想されている人の安全とその避難を確保することは不可能に近い。多数の死傷者を招くことは必至である。先日の台風21号では、夢洲東の岸壁を高潮が襲い、コンテナが流されるなどした。南海地震での7~10m以上とも言われる津波は、この強風と高潮どころではない被害を生むだろう。この埋立地にどのような建物を建設しようと、津波に襲われれば住之江区、港区、此花区は浸水して夢洲自体が孤立し、地下駅には海水が流入、万博の展示施設などひとたまりもない。津波予報から到達まで1時間としても、その1時間で15万人と施設で働く数万人を津波被害の及ばない安全な場所に移送することは不可能だ。(関空などより危険である。)
  南海トラフ巨大地震の際には、既に地震そのもので交通災害も発生し行政(警察、自衛隊も)機能を失っているし、咲洲のMDCやATCなど建物は3m以上という長周期地震動によって危険なビルとなっていよう。
  結局、災害時の安全避難のシミュレーションなど全くできないのが万博開催中の夢洲である。
3.南海地震による大阪湾への津波高(海岸線での津波の高さ)は3.2m、満潮位は2.2mで、津波水位は5.4mと想定されている。これに対し、大阪市は夢洲の計画地盤高さは9.1mと厚盛りで3.7mの余裕があるので安全とし、一方大阪府による津波浸水想定では夢洲は浸水0.3~2mとされている。
津波は高速で波長も長く、防波堤にぶつかるとそこで急に高くなり防波堤を超える可能性がある。また、遡上高(陸上を駆け上がった到達点)は津波高の1.5倍以上とされ、東日本大震災の例をみると津波高の2~4倍であった。つまり、大阪湾への津波高3.2mであれば、遡上高はその2~4倍の6.4~12.8mになりうる。だから9.1mの「厚盛」予定だから大丈夫とはとても言えない。
 加えて最近、埋立地(一般廃棄物の1区、浚渫土砂と残土の2区、一般土砂と残土の4区)で違法投棄物の存在が明らかになっている。これらの問題がなくとも液状化が発生する。既に兵庫県南部地震で淀川左岸は3mも沈下した。これと同様の可能性があることは大阪府も認めている。大阪市は10cm余の沈下を想定するが、関西空港では「圧密沈下」と3m以上の堤防沈下があった。大阪湾の沖積砂層の液状化で淀川左岸に発生したように、さらに湾岸部の3m以上の沈下の可能性もある。そして津波では、臨海部のコンビナートからタンク損傷で4.4万㎘の油流出が想定されて、大火災が生じる可能性がある。東日本大震災の火災の4割は津波火災であり、もし同様の想定とすると夢洲での火災対応は困難である。(これらの点は『これでもやるの?大阪カジノ万博』(日本機関誌出版センター発行)の著者の一人である田結庄良昭神戸大名誉教授が詳しい。)
2025年までに現在の夢洲全体をさらに5m以上地上げをすることは、現在の夢洲の既存施設からいって不可能だ。
4.夢洲IRは、2025年以前にも万博予定地よりさらに広域の夢洲埋立地に、リゾートホテル、MICEなど広大な建物を建設し、その3%をカジノ施設にするという。IR来客は1日5万人以上とも想定される。災害発生時にその来客者の安全を確保することは不可能だ。台風に襲われた大阪府下では多大な風水害や多数の停電、断水が発生しており、他に避難ルートもなく陸の孤島となる夢洲が被害を受けないわけはない。
  もし災害があれば、夢洲客を優先して救助するなどあり得ない。大阪府・市の他地区以上の“地獄”の地となる。2018年台風21号の接近で、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)はその日閉鎖した。夢洲に24時間滞在型のIRリゾートなどあり得ない。

<夢洲で 酷災博をやる気なの  地震津波に 台風高潮>

主張     ギャンブル脱税の横行と国・地方自治体の責任

1.公営賭博の競馬、競輪、競艇、オートレースで、客が買った場合には一時所得税が発生し、納税義務がある(所得税法22,24条/次頁参照)。この税は源泉徴収しないため、申告義務があるものだが誰も申告していないのが実情だろう。
  簡単にいうと、1ゲームで収入金(配当)からその当たり券の購入費用を引いた額が50万円を超えると、その2分の1が一時所得となり、総合課税で他の所得と合算して申告しなければならない(22条)。
  しかし、これらのゲームで50万円の大穴を得ても誰も申告しない。税務当局も1投票券100万円、1000万円という大当たりが出ても課税調査をしない。これは「盗人は所得申告をしない」とはじめから諦めているやり方である。
  この課税の存在は会報2号(2頁)、臨時号、9号(7頁)、13号(9頁)、33号(3号)、45号(5頁)、48号(10頁)、70号(1~3頁)でも取り上げている。
2.ギャンブルオンブズマンは、5年前から国税局に対し具体的にこの点を問い合わせて取締りを求めているが、結論は脱税野放しだ。
  まず、当局も客が100万円どころか1000万円以上の「大穴」で一時所得を得ていることは知っているが、その人自ら申告をしてもらわないとどうしようもない。例外的にインターネット取引の記録から大型脱税を摘発した例があるが、そうでない一般の大穴の収入などは全く知らん顔である。国税局の一職員は「源泉徴収でもしてもらえればいいのですけど…」とは言うものの、国は脱税システムをなくすべく立法・行政上動こうとはしない。
  これは、これら公営競技の脱税をチェックすると客が減り困るという国と運営事業主である地方自治体との阿吽の呼吸によるものだろう。
3.2018年5月30日、衆院内閣委員会でのIRカジノ実施法案審議において、国税庁山名規雄課税部長は、カジノの勝金について「居住者個人は営利所得でなく“一時所得”として課税対象とし、外国観光客は日本との租税条約の関係もあり、日本で課税されるか判断される」と答弁した。
  しかし、この点を詳しく聞こうと税務署を訪ねたところ、担当者はその条約も知らず、たとえばアメリカ国籍、EU国籍、中国籍の観光客ではどう異なるのか全く説明できなった。租税条約そのものも知らないというならば、外国観光客が1000万円の大穴を当てた場合、弁護士や税理士としてどうアドバイスするべきかと問えば、よくわからないとし、結局一時所得なので問題が発生すればこの件は所得税法15条、施行令54条により東京の麹町税務署にでも相談してもらうしかないという回答だった。それでは関西空港から帰国する客はわざわざ東京に行くわけですかと尋ねると、「そうすべき」とも「しなくてもよい」とも言わなかった。
  こんな取扱いが、法治国家、租税法律主義の下で許されるだろうか。
  たしかにギャンブルは闇ギャンブルなど裏の世界が多い。パチンコの三店方式の換金も風営法の脱法、賭博開帳違反の脱法であるし、パチンコの特殊景品との交換は形式上売買だが、消費税の脱税の世界である。なのに警察と税務当局は、パチンコをアンタッチャブルとしている。
  もし、ギャンブルの勝ち券やパチンコの賞品換金に課税すべく記録を作成し、当局が求めれば、この取引(勝ち負け)の世界を可視化することになる。これも見えないようにするのが国税当局と地方自治体の闇なのである。
4.ギャンブルに正しい税金を課すには、その賭け結果が全て判明するようにしなければならない。それでは客足が遠のく。そうでなくとも客はギャンブルで収奪されているのに、たまたま勝ったら課税され、家族にも内緒にしていることが露呈するともっと客足は遠のく――それでは困るというのであろう。
  しかし、いくら客を収奪をする公営競技だからといって、行政当局が客の脱税を見逃すのは不法である。
  IR法が成立し、仮にIRカジノが生まれるとそこはカジノ事業者の収奪場となるだけでなく、一部の客の脱税、マネーローンダリングの場となる。客一人一人の所得をマイナンバーで完全捕捉し、個々のギャンブルゲームでの一時所得を完全捕捉しなければ、カジノは脱税の場となる。
  日本のIRカジノ政策はそれを放置する。それどころか、政府や自治体はカジノという賭博場の取り分30%の大貸元となって賭博を黙認するだけとなる。

参考 所得税法(抄

(課税標準)
第二十二条 居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする。
2 総所得金額は、次節(各種所得の金額の計算)の規定により計算した次に掲げる金額の合計額とする。
一 利子所得の金額、配当所得の金額、不動産所得の金額、事業所得の金額、給与所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額
二 譲渡所得の金額及び一時所得の金額の合計額の二分の一に相当する金額
3 退職所得金額又は山林所得金額は、それぞれ次節の規定により計算した退職所得の金額又は山林所得の金額とする。


依存障害シリーズ   第5回  依存・障害用語辞典 (タ~ワ)
 前回に引き続き、依存・障害用語の紹介です。
マニア、オタクの社会用語や医学界の言葉もあります<  >。

依存・障害用語
タ 大麻中毒(マリファナ、ハシシ)/宝くじ依存/タバコ依存/多物質依存(多剤濫用)
チ 治療薬依存(鎮痛薬、鎮咳薬、抗うつ剤、鎮静薬)/痴漢(性アディクション)
ツ ツイッター依存  <釣りキチ・釣りマニア>
テ テレビゲーム依存/DSM-Ⅳ  <鉄道マニア(撮り鉄、乗り鉄…)>
ト ドラッグ(毒物)依存/盗癖/盗撮/トルエン中毒(シンナー)/ドーパミン神経路障害
ナ ナルコレプシー/ナンバーズゲーム(数当て賭博)
ニ ニコチン中毒/二重依存/日曜神経症  <認知障害>
ヌ 盗み癖(クレプトマニア、万引症)
ネ ネット依存(ゲーム、買物…)
ノ のぞき癖  <ノルアドレナリン神経伝達物質>
ハ パチンコ・パチスロ依存/パラノイア/バイコディン(鎮痛剤)依存/博奕依存/バカラ癖/ハラスメント癖  <パニック障害><パーソナリティ障害>
ヒ 病的嗜癖/ビデオゲーム依存/ヒロポン中毒/美容整形依存/美白依存
フ 物質依存/物質乱用/プロセス依存/フルニトラゼパム(睡眠剤)依存/フェイスブック依存/フラッシュバック/フェンサイクリジン(麻酔薬)依存
ヘ ヘロイン依存/ベンゾジアゼピン(抗不安剤)依存/ペット依存
ホ ポルノ依存(ポルノサイト)/ボンド(接着剤)依存/放火癖
マ マジックマッシュルーム(毒キノコ依存)/麻雀依存/マリファナ依存 <マラソンマニア>
ミ <ミスマッチ>
ム むちゃ食い(過食、嘔吐など食異常)
メ メール依存/メディア障害/メタミドホス中毒  <酩酊>
モ モダフィニル(プロビジル 精神刺激薬)依存/モルヒネ中毒
ヤ 薬物依存(中毒)/闇賭博依存  <山キチ・山マニア>
ユ 有機溶剤依存(シンナー、ボンド、トルエン)
ヨ 容姿依存
ラ ラブアディクション(恋愛嗜癖)  <ランナーズハイ>
リ リタリン(精神刺激剤)依存
ル ルーレット依存
レ 恋愛依存/レース依存(競走、マラソン等)/レイス依存(差別主義)
ロ ロト依存/ロリータコンプレックス(ロリコン)  <ロボットマニア>
ワ ワーカホリック


コラム       海外カジノ事業者の大阪詣で
 IRカジノ法の成立で、海外カジノ事業者は2020年にも日本開業をと突き進む。特に大阪夢洲は維新の松井知事、吉村市長が諸手をあげての誘致を目指しているから、海外カジノ事業者による府知事・市長詣では激化する一方だ。この動きは、夢洲誘致のレースに勝ちたいというだけでなく、夢洲でのカジノ運営に有利な営業条件を取り付けるためである。今後に残された政省令による331項目もの規制作成は、誘致自治体の意向でも左右されるからだ。
2017年以降の吉村市長詣では以下のとおり。
2017.3.28  ウィンリゾーツ(米)    マドックス社長
2017.6.6   メルコリゾーツ(香港)   ホー会長・GCO
2017.6.21  ラスベガス・サンズ(米)  ゴールドステイン社長・GCO
2017.7.11  ゲンティン・シンガポール  タン社長・GCO
2017.9.1   ラスベガス・サンズ(米)  アデルソン社長・GCO
2017.10.31  MGMリゾーツ(米)    ムーレン会長・GCO
2018.2.26  シーザーズエンターテインメント(米)    フリッソーラ社長・GCO
2018.5.11  ギャラクシーエンターテインメント(香港)  ルイ副会長
 IR実施法も成立していない頃から、また大阪夢洲が候補とも決められていないのに、維新の大阪首長は海外IR企業に相当の対応をしていた。訪問企業の社長・会長らは、いずれも自社を宣伝し夢洲進出を語っている。この姿は夢洲に集まるカジノ客の収奪利権争いだ。

大阪市のシンガポール調査の内容と不十分さ
1.夢洲にIRカジノを誘致したい吉村市長らは、2016年9月1~8日、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのIR、リゾート・ワールド・セントサ(RWS)、そしてシンガポール国家依存症管理サービス機構(NAMS)やベトナム等を訪問した。
  9月4日にマリーナ・ベイ・サンズで3時間、RWSで2時間余、9月5日にNAMSで2時間というスケジュールで、多数の参加者と通訳、そして経済団体も同行した訪問で、挨拶だけでも大変だっただろう。その後事務局は、入手資料を中心に平成28年10月8日付で報告書をまとめている。
  これを読むと、訪問はIR誘致ありきで、その経済効果は大きく、依存症発生などの負の影響は小さくというレポートになっている。
  以下、詳しく紹介する。
2.マリーナ・ベイ・サンズIR
  2017年4月開業のIRで、客室2561、アジア最大のMICE。従業員9500人、カジノは面積15000㎡、ゲームテーブル600台、EGM2400台、上部はVIP専用、入場時にパスポートチェックがあり、シンガポール国民は入場料100シンガポールドル(約8000円)がかかる。カジノ税は売上-配当金のVIP5%、その他15%というが、依存症対策は法の枠組みで熱中客に「アンバサダー」が声を掛けるという形ばかりの調査だけである。
3.RWS
  2016年、セントーサ島に開業、ゲッティン・シンガポール社が運営する。敷地49ha、客室1800、ユニバーサルスタジオなどテーマパークやMICEもある大型IR施設で、従業員数は13000人という。
  しかし、この施設訪問は2時間余りの意見交換だけで、報告書にはRWS提供の写真を少し載せているだけである。
4.NAMS
  NAMSは、2008年に設置された国家による依存症対策実施機関。報告書では提供資料により2頁にまとめられているが、既にまとめられた他の調査報告書のレポートの域を出ない。通訳を交えた2時間の質疑というスケジュールでは、形ばかり調査してきましたという内容である。
  
東京五輪協賛宝くじ
 2018年8月から「東京五輪協賛」を宣伝文句にする宝くじ(1等1億円)のテレビCMが放送されている。(1)宝くじの存在目的はそもそも東京五輪とは関係がない、(2)五輪協賛とは、その負担を宝くじ購入者に求めるもので不当、(3)宝くじの売上や収益が五輪にどれだけ役立つか具体的でない。
 結局、「五輪協賛」は人の目を呼び惑わせる収益目的の隠れ蓑である。

ハロウィンジャンボ宝くじの病的販売
 10月1日から23日まで発売される第765回全国宝くじ「ハロウィンジャンボ宝くじ」(1等・前後賞あわせて5億円)は270億円分(9ユニット)、同時発売「ミニ」(1等・前後賞あわせて5000万円)は120億円分(4ユニット)として広告されている。そのチラシには「枚数限定 売り切れ次第終了!」との購入を急かす文句があり、さらに3つの大量購入方法「福連100」「福バラ100」「3連バラ」を設定し宣伝している。
 まず「福連100」とは、組は10種類、番号は下2桁【00~99】全てが揃う連番10枚10セットからなる100枚(3万円分)のセット販売のことで、結果「6000円以上が必ず当たる」(下1桁300円×10枚+下2桁3000円×1枚)とし、「1等・前後賞当せんの可能性あり」とするもの。
「福バラ100」は、組は100種類全て、番号は下2桁【00~99】全てが揃うバラ10枚10セットからなる100枚(3万円分)のセット販売のこと。同じく「6000円以上が必ず当たる」、そして「バラならではのドキドキ感がたっぷり味わえる」とする。
「3連バラ」は、バラ10枚の3セット売りであるが、連続する1番違い、2番違いとの3セットで3枚連番になるというもの。「900円以上が必ず当たる」(下1桁300円×3枚)、そして「バラなのに1等・前後賞当せんの可能性あり」とする。
要するに、30枚~100枚の大量売りを宣伝しているだけであり、消費者(客)騙しである。
そもそも“ハロウィン”とは、ケルト人の10月31日の祭り(収穫祭と魔女追い)である。ケルト人にとって10月31日とは大晦日で、11月1日が新年だった。その大晦日のお化け祭りが、11月1日を万聖節とするキリスト教の前夜祭化して子どもの祭りになったのである。
このハロウィンを宝くじ販売の手段にするのは商業主義の強まりであり、地方自治体の地に堕ちゆく姿そのものである。今やジャンボ宝くじは年中行事にするために何とでも名付けられている。悪魔も魔女も億円を運ぶ福の神に変えさせられるのだ。
そして、宝くじは1枚買えば当たるかどうかの可能性の質的同一性がある。それを大量購入に誘導し、100枚セットで売るなどヘビーな宝くじ依存症に誘導するものである。こんな企画を考えるのは地方自治体か財政当局か、はたまた電通など広告会社のアイデアか。いずれにしても許しがたい。

中高生インターネット依存93万人
 2018年8月31日、厚生労働省研究班(尾崎米厚鳥取大教授)は、2017年12月~2018年2月に、無作為抽出の全国中高校184校を対象にインターネット依存に関するアンケート調査を実施し、103校64000人の有効回答を得て報告をまとめた。
 ネット依存に関係する次の8項目のうち5項目に該当すると、ネット依存が疑われるとしている。
①ネットに夢中と感じる            ②ネット時間を長くしないと満足できない
③ネットをやめようとして失敗した経験がある  ④ネットを制限してイライラした
⑤意図したより長時間ネットを使用した     ⑥ネットで人間関係や学校の活動を台無しにした
⑦ネット熱中を隠すために嘘をついた      ⑧不安や落ち込みから逃れるためにネット使う
 主な結果は、中1の10.0%が依存に該当(4年前は4.0%)、成績低下は中1の53%、高1の57%、居眠りは中1の20%、高1の47%が経験していた。こうして中高生の7人に1人のネット依存が疑われるとし、全国で93万人と推計されたのだ。
 このデータは5年前より40万人増加していることを示す。インターネットゲームの影響が大きい。園児・小学生も依存となり、ネット遮断のキャンプに親子で参加する例もあるという。
 このようなネット依存の急増に対し、業界や文科省は現在放置している。中高生の7人に1人が上記①~⑧の5項目以上に該当するネット依存なら、実は大人もインターネット利用者の7人に1人(約14%)が同様だとすると、インターネットやスマホ利用者を全国民の70%とすると、日本人のインターネット依存は1000万人~1100万人という計算になる。
 電車の中でスマホを使う人は年齢男女を問わず7~8割いると経験する。スマホの利用はゲームだけでなくラインやメール等の連絡や、動画、本、マンガ、音楽、そして辞書代わりのデータ検索など様々だが、車内でのスマホ利用が不可欠な者は1%もいないだろう。それでも10~20分間でも使わないと不安、欠乏感、不満が生まれるのは依存に他ならない。スマホなどインターネットを使用する「くせ」を嗜癖(Adiction)というなら、今やスマホの所有者は嗜癖者というべきであろう。
 吉村市長は、学力テストで大阪市の成績結果が悪いのは教員のためとして教員の成績査定にも使うという。しかし、インターネット依存対策は業者や社会の無策のためかとられない。

日本は世界最大ギャンブル障害大国
1.日本は世界最大級のギャンブル障害者大国である。
パチンコ・パチスロは、2005年に売り上げが34兆8620億円、参加人口2000万人だった。宝くじは売り上げ1兆1050万円、参加人口2600万人だった。今はパチンコが減り21兆円、参加人口1000万人、宝くじ9000億円、参加人口2600万人だが、競馬3兆円、競輪6000億円、競艇1兆円、オートレース66億円、スポーツくじ1100億円を含めると、公認ギャンブルは6兆円近くになり、参加人口も4600万人に及ぶ。
このうち、最新の厚生労働省委託調査では、生涯でギャンブル依存症は320万人だったといわれている。日本のギャンブル依存はカジノがない下でも、パチンコ・パチスロを中心に世界最大級である。
この日本でギャンブル依存(障害)が強調されて10年以上になるが、政府の依存対策費は2018年度でたった1942万7000円である。この無政策の安倍内閣は、対策費をカジノ税から回すというが、これが安倍のいうカジノへの「世界最高水準」なのである。
2.こんな日本にアメリカを筆頭にマカオ、シンガポールのカジノ業者が大阪夢洲に1兆円を融資してでも進出したいという。この1兆円の投資という膨大な数字は、投入額の結果、マカオやラスベガスの業者のように年1兆円から5000億円の売り上げ収入があり、その30%以上の3000億~1500億円の利益が得られることをいう。
  夢洲カジノで、ラスベガスサンスなど業者が3000億円以上の利益を得ると、IR実施法でその30%である900億円が毎年カジノ税として入ると国や大阪府・市は甘い期待する。しかし、そのカジノ収益金には、個人家庭の金や借金、さらには盗犯、横領犯、脱税犯の犯罪収入金もある。これにギャンブル依存と障害の対策費、カジノにつきもののマネーローンダリング、暴力団対策や警察、その他の費用を加えるとカジノの負の効果も多い。結局は、カジノは賭博事業という、ヤクザのヤクザによるヤクザのための仕事となるのである。
  ヤクザとは「八九三の豚野郎」に由来するように、博奕打ち業者関係者のことである。カジノではいくら彼らはネクタイ等の姿をし ていても、暴力で賭博を仕切るのである。

ギャンブル短歌考
 歌人にはギャンブルをする人もいる。
古くは『万葉集』(巻16-3827)に長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)の「双六の頭を詠める歌」がある。
    一二の目 のみにはあらず 五六三 四さえありけり 双六の采(さえ)
 そこで今回、『現代短歌分類集成―20世紀“うた”の万華鏡』(千勝三喜男編 おうふう社 2006年3月発行)で20世紀のギャンブルについて詠んだ短歌を調べた。文人に多いのは公営競技のうち競馬ファンのようである。競艇は見つからなかった。
 ひとり来て 馬券を買へば酔うごとく 荒涼として われは貧しき   鈴木幸輔
     ・・・ギャンブル依存を自虐的に歌うもの。
 賭けられて走れる馬もあわれにて どれも同じ顔して走る       福田栄一
     ・・・これも客観視しており、賭客と馬の顔をあわれというのか。
 競輪の終りてしばらくさす西日 相寄りて人ら 道に屯(たむろ)す  秋葉四郎
     ・・・負けた客が終わった競輪場で淋しくグチを語る姿であろう。
残念の二人 小声にしてをれる 競輪傲慢もわれは聞きゐる      小池 光
     ・・・勝ち負けの結果は賭人の声の調子を変えるが、負け客は小声か。
 事実上のギャンブルであるパチンコの歌も。
 針地獄をいくたびくぐり その肌に傷あまた有る パチンコの玉    高野公彦
     ・・・自分の傷をパチンコの玉に置き換えた歌。
 これらの短歌はギャンブル依存を半ば自覚したものである。競馬はスポーツ視して詠んだものやダービーの歌もある。
 昔から歌人には放蕩の人も多い。一見堅そうな与謝野鉄幹にもこんな歌がある。
 慰まず 一(いち)のみをみな賭けたりし 歌留多は我の勝となれども
 ノム・ウツ・カウの三道楽を短歌にしている者は少ないが、実際のところこれらに没入しつつやめられない作家も多かった。そして現代作家にも競馬など公営競技ファンは少なくない。ただ、ヤミ賭博は書いたら捕まるし、宝くじ等は書くだけの心の葛藤など内容がないのである。

IRカジノ異文字カルタ

貴族(きぞく)ゲームに由(ゆ)来(らい)すカジノは脱税(だつぜい)およびマネロンを生(う)み
智恵(ちえ)減(へ)り 悪(わる)ゐ事(こと)増(ふ)ゑても止(や)めれぬあほなものさ (50文字)


き 貴族が始めた別荘(カシノ)にて      を 終わりは客の破綻か事業の方か
そ 組織犯罪 生み(膿)の親         う 売上の30%はカジノ税
く クレジットでも賭けられる         み 身分証 マイナンバーまでいりません
け ゲームはカード、サイコロ、EGM     ち チップに代えて金の感覚をマヒさせる
む 難しいカジノ客の所得捕捉         え エンタメはカジノの客寄せ
に 日本人客 実質狙う海外カジノ       へ ヘリでもどうぞ VIP客
ゆ 誘致すれども 弊害知らぬ         り 略奪的ギャンブリングの館
ら ラスベガス マカオ シンガポール並(?)  わ 笑って帰れぬ大損客
い イカサマいらぬハウスエッジで       る ルーレット 控除率5.56%(1回)
す スロットマシーンがカジノの中心      ゐ 依存症 それは自己責任?
か 観光客で収益増というけれど        こ 子供はリゾートへ オヤジはカジノへ
し 自国民6,000円の入場料          と トランプ大統領支持者の米カジノ業者
の 呑み食い部屋タダのコンプは禁止というも  ふ 不惑でもギャンブル依存に
は パチスロのミニカジノとの客の獲り合い   ゑ 営利追うギャンブル界に敵が増え
た 脱税防ぐは源泉するしかない        て 天井知らずに 賭け金も
つ 罪を重ねる金貸し容認           や 闇カジノ防げぬ入場料
せ 説明できぬ 特区のカジノ         め 名人は勝ち逃げのみ?
い 今の日本の金持ち狙い           れ レートの設定も勝負
お 大阪夢洲 松井知事の暴走         ぬ 盗人は賭ける
よ 喜んだ海外カジノに関連業者        あ アイ・アール頭につけ カジノ合理化し
ひ 病的賭博 生み捨てる           ほ 暴力団禁止 誰が証明するの
ま MICEを付けてIRカジノ        な 名乗り出た中から3特区スタート
ね 寝ずに続ける 病の輩館          も もてなすハイローラー
ろ 労せず利を追う 最高の事業        の 呑んでよい酒 吸ってはいけないタバコ?
ん んと儲かる 賭博開帳           さ サービスは賭け金上げるため


※今作でカジノのカルタ第4弾です。
(会報12号「日本カジノ狂想カルタ」、13号「カジノカルタ」、19号「新カジノカルタ」)

ギャンブルNEWSピックup (2018.9.6~10.2)
2018.9.6  紀伊民報 IR誘致へ推進室 和歌山県
9.7   SPA!   パチプロから見たギャンブル依存症とは?
    アゴラ  ギャンブル依存症対策費、予算概算要求の落差に驚き 田中紀子
9.10  マカオ  2017年マカオギャンブル業界売上高約3兆6768億円 4年ぶり対前年プラス
9.11  神奈川  横浜市長、市民の聴取「検討」 パブコメでIR否定論多数
9.13  神奈川  神奈川県がギャンブル依存症対策強化 拠点医療機関選定へ
9.14  ヤフー  「やめたくてもやめられない」息子が陥ったスマホゲーム依存症の恐怖
     〃   「パチスロ中毒」の男性を“更生”させた友人の一言
9.15  神奈川  カジノには94%が否定的 横浜市中期計画 IRがパブコメの2割占める
    マカオ  マカオ現地警察官が電子カジノマシン不正行為で約640万円詐取
    アゴラ  パチンコと警察官僚~プリペイドカード構想と北朝鮮~ 宇佐美典也
9.16  サンケイBiz 広がる「スマホ中毒」対策 IT各社が先導 アプリで時間管理、色彩で見すぎ防止
9.17  ニッカン   メイウェザー「日本でカジノ」復帰よりビジネス?
    産経   和歌山県、IR候補地・マリーナシティ-関空 海上交通整備へ
    西日本  息子がギャンブル依存症に 「家族の会」支部設立した女性 活動にかける思い
9.18  マカオ  マカオ政府、2018年度の全市民への現金配布作業完了 カジノ税収で富還元
    AERA   あなたのゲーム依存度今すぐチェック!中高生約52万人がネット依存症という現実
    ヤフー  パチスロ好き男性、「1日2万円まで」のルールが裏目に出る理由
    ヤフー  欧米のギャンブル規制当局が共同声明「賭博とゲームのぼやけた境界線に懸念」
9.19  ヤフー  欧州全域でガチャ規制論議が幕開け 木曽崇
    ヤフー  F1が賭けの対象に?広告代理店ISG社との提携で賭博商品開発へ
9.20  アゴラ  パチンコと在日韓国人~マルハンと日本社会~ 宇佐美典也
    伊勢   野球賭博開いた男有罪 懲役1年2月と収益没収 三重
9.21  西日本  「カジノは劇薬」利用者の6割依存症…韓国の江原ランドを訪ねた
9.22  ヤフー  「1兆円」で日本を狙う「カジノ王国」の破壊力 地方経済まで一変?
9.23  ヤフー  世界的に斜陽のカジノを作る安倍政権に「日本を滅ぼす気?」
9.25  TVK  横浜商工会議所 市に政策要望を提出 IR実現も
    MBS  関空-ロンドン直行便就航へ ラグビーW杯やIR視野
    朝日   深セン、絶望の出稼ぎ労働者 ネット賭博で借金漬け、路上生活
    ヤフー  賭博罪、アイスやジュース賭けるのもアウトの可能性、線引きはどうなってるの?
9.26  東京   都、カジノ誘致で調査へ 経済効果や弊害面を分析
マカオ  日本版IRが主要テーマの一つに マカオの大型カジノ見本市
    テレ朝  横浜での“カジノ構想”発表 米カジノ運営大手(シーザーズ)
    産経   G20成功目指し大阪が官民挙げ連続セミナー MICE誘致拡大狙う
    ダイアモンド 全財産919円になるまで仮想通貨にハマった36歳契約社員 闇カジノも
9.28  ヤフー  北海道進出を狙う米先住民カジノ業者 IR立地を巡り内閣府が「肩入れ」
    TVK  横浜市 林市長 IR誘致について「白紙である」
    埼玉   母からのストレスを解消で息子がギャンブル、生活難に…母殺害 公判
9.30  時事   カジノから漂うトランプ臭=実施法は成立したが… 世相コラム
10.1  産経   消防署内でカードゲーム賭博、所員8人を書類送検 大阪
10.2  デイリー  競馬場&ウインズ入場制限 家族申請でも可能に ギャンブル障害へJRA対応

書籍紹介
1.月刊誌『世界』(岩波書店)連載「パチンコ哀歌(エレジー)」古川美穂
2018年3月号から始まった連載。本会報66号(2018.5.11発行)に第1,2回について紹介した。その後、5月号で第3回「30兆円産業への助走」として業界の情況を追い、6月号休載、そして7月号からパチンコ依存者の家族をはじめ、悲劇の紹介が続いている。
8月号は、第5回「依存に崩れた家庭と人生」。ギャンブル依存と“回復センター”“ひまわりの会”“被団協”“被害者の会”“いちょうの会”らの被害者の活動、GA(ギャノマン)、大谷大学滝口直子教授らの活動を紹介している。
9月号は、第6回「依存症と子どもたち」。子どもがパチンコ依存の母親らから深刻な被害を受けた例として、パチンコ店駐車場熱中死事件や“デイケアぬじゅみ”“ビッグイシュー日本”“京都MAC”を取材してレポートしている。
 10月号は、第7回「マシーン・ゾーン」で脳神経科学からの依存や「デザインされた依存症」までを紹介する。

2.月刊誌『文芸春秋』9月特別号(2018.8.10発売 980円)掲載
 「『スマホゲーム依存』が若者の脳を破壊する」 樋口進(久里浜医療センター院長)
 樋口Drへのインタビュー構成記事。これによると、スマホ依存を含むゲーム障害はWHOで認知され疾病と指定され、2008年日本では成人271万人が依存傾向とわかったという。しかし、ゲーム依存・スマホ依存は若者に広がり、依存症の平均年齢は19歳という。
 かつてのゲーム機器依存がインターネット・オンライン依存となり、さらに2017年にはスマホゲームは約1兆円産業となって、インターネットのいらないオフラインゲームでも疾病が増えているのである。
 ゲーム依存はうつ病、強迫性障害など精神障害の合併率が高く、病を深刻化させている。

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〇安倍政権の下、国交省と内閣府は、内閣府の外局となる「カジノ管理委員会」(100人体制、予算60億円)を2019年7月に立上げる準備に入りました。国交省はIR区域の整備計画(カジノ特区)の認定や地方自治体監督、IR業者の監督の準備について、カジノ管理委は事業者、土地・施設所有、関連機器、そして指定試験機関まで莫大な政省令の制定を行います。IRのカジノ面積から貸金業務まで定めるというのです。内閣府と国交省は、カジノの金儲けの利権官庁となり、立地する都道府県市町村も既に業者との接触を活発にしており、その金儲けの仕組みに深く組みします。そして2024年カジノ開設が“安倍のカジ”です。
〇BIE(博覧会国際事務局)での2025年博覧会開催地の投票日が11月に予定されています。候補の“買収金額”からいって2000億円以上を投じた大阪が第1です。関西財界も金儲け本位で応援。BIE条約の理想からいえばアゼルバイジャンのバクーが妥当でしょうが、人口121万人では資本主義企業にとって参加の利がないということでしょう。


posted by inoue at 13:16| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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