2018年08月10日

なくそう!ギャンブル被害 会報第69号

【目次】IRカジノ実施法採決の暴挙/カジノは脱税の巣~勝った金への税金は?~/ギャンブルオンブズの眼⑦カジノ経済を推進する悪代官/依存障害シリーズ③ゲーム依存とスポーツ・ベット/Dependence(依存)関係カタカナ語集/ギャンブルと生活保護/コラム:公営ギャンブルは正しく運営されているか?/いろはカルタ賭博考(9/最終回)/政府カジノ暗句/書籍紹介/NEWSピックup /ギャンブルオンブズ4コマ漫画「明日にかける日々」


IRカジノ実施法採決の暴挙

 IRカジノ法案は、4月27日の国会提案以来、法案そのものに危険性を残したまま、幾度も強行採決が試みられてきた。
 国会では、法案そのものの隠された闇(危険性)を解明するでもなく、だた法案を通すためだけに会期が延長された。重要な331点を政省令に丸投げなど、およそ国会らしい審議のない審議だった。そして7月20日、ついに強行採決された。
 この数によるゴリ押しは、安倍総理と自民党によるものであるが、審理打ち切り・強行採決を推進したのは、維新と自民追随与党の公明党である。維新は、2025年万博までに夢洲カジノを実現したい松井知事らによるカジノ政党。公明党は、当初は創価学会の反対の声もありIRカジノそのものには慎重派だったが、IR実施法が政府案となるとIR推進派に転じた。今回のIR実施法の所管庁となる国土交通省の大臣に自党・石井啓一を推薦した公明党は、ギャンブルによる様々な被害を心配する支持者よりも、政権与党としての立場の確保に走った。
 国会審議においては、米カジノ企業による自民党細田氏らカジノ議連へのパーティ券購入など献金の事実や、IR導入自体が米カジノ企業の要求によって推進されたものであることが、週刊誌や共産党によって暴露された。実は、安倍・トランプ階段の際の安倍歓迎朝食会には、米カジノ企業のトップらが並んでいた。まさにIRカジノ法は、トランプの影の力で推進されたのである。
 そのため、安倍首相はIR実施法を「世界最高水準のカジノ規制」にすると口では言うも、その内容は米カジノ企業におもねて、①カジノ面積の拡大、②入場者規制の弱化、さらには③カジノ企業が客に金を貸してギャンブルをやらせるものにまでした。
 そして、ギャンブル依存対策やマネーローンダリング対策などは骨抜きになることが丸見えである。

<国民の貯金を狙うアイアール 観光客など期待はできず>

カジノは脱税の巣 ~勝った金への税金は?~

1.客のカジノでの勝ち金について、5月30日、国税庁山名規雄課税部長は、「(カジノは)現時点で内容不確定で確たることは言えない」としつつ、「居住者個人の得た利益は、営利を目的とする継続的行為から生じたものに該当せず、一時的、偶発的所得と考えられ、一時所得としての課税対象となります」と答弁した。
  これは、日本の公営競技である競馬・競輪等で客の勝った(得た)金への課税を一時所得とした見解と同じである。但し、外国観光客の勝ち金への課税は、その外国非居住者国と日本の租税条約の規定によるという。
  しかし、日本の競馬・競輪等の勝ち金への課税も、その把握が難しい。だから、「あらゆる機会を通じて有効情報を集めたり調査をして適正・公平な課税に努めて参りたい」と答弁した。役人独特の巧言である。
  コンピューターによる馬券の継続購入による所得については証拠捕捉がされ、個々の一時所得計算でなく、継続したハズレ券の購入コストも一定費用として考慮するとの判例が日本にはある。
  しかし、カジノでは客の個々の賭けゲームがコンピューターで把握できないから、客が正直に勝ったチップを換金し、先に購入したチップとの差額を所得とするしかないだろう。勝った客がその一部を他人に廻して換金するなどすれば、贈与税も含め簡単に脱税できる訳である。
2.そして、カジノ側への課税は、賭博開帳事業者そのものであるから事業所得税となるが、カジノ収益には特別にカジノ税30%の定めが適用される。
3.以上を整理するとこうなる。
(1)カジノ業者のカジノ収益は、「カジノ税」という特別税
(2)カジノの客は、一時所得としての所得税
(3)カジノ業者の収益把握はしやすい。
(4)客の勝ち金は、チップの購入から換金まで、客全体の行動を全てビデオを含めて捕捉しないと脱税を許すことになる。
4.ところで、客がカジノから出入りする度にチップの持ち出しを許さず勝ち金(所得)の有無を判定するのか、本来の一時所得からすると1ゲームごとの所得の有無だが、今後一定の期間(7日or28日)という単位での勝敗を判断するのか、運用と法的判断にわたる検討を要するだろう。少なくとも入出場1日1回ずつが正しい一時所得の現実な姿かとも思われる。
また、入場可能な7日間ないし28日間を、継続的な事業的賭博行為と評価するのは無理がある。しかし、チップをカジノ側が預かる計算をすれば、7日間のうちの3回分や、28日間のうちの10回分を1回の賭博行為という屁理屈もあるが無理があり、カジノと客の癒着を生んで公正な課税を害する。そして、正しい課税を行わせるためには、カジノのチップ交換窓口で源泉徴収を実施しなければならない。
また、カジノ側にチップや賭け金の管理を自由にさせることはヤクザの賭場にすることにもなる。
5.最後に外国人への課税であるが、日本居住者と同様の課税が認められなければ不当である。

ギャンブルオンブズの眼⑦
カジノ経済を推進する悪代官


1.1970年代から、ビッグマネーを動かすブローカーが国際的マネーゲームを展開し、世界経済を引き回すようになった。このような経済現象について、フランスの女性経済学者スーザン・ストレンジが1986年に「カジノ資本主義」(CASINO CAPITALISM)と名付けたことは、本連載①で紹介した。
  このカジノ資本主義とは、端的にいえば金の運用(金融)を巧みに行うことで最大の利益を得ようとする投資・投機行為をいう。実生産・製造部門を対象とするのでなく、株式など金融に向けられた。本来「投資」は元本を大切にして生産物の増加価値の配分を目指すものであったが、投機性を高めた株式、投資信託、外貨投資によって投機利益を求めるものへと変わっていった。
  さらに、先物取引が増え、その巨大マネーは投資対象事業の終局からの利益よりも、途上の見通しでの決済処理を通じて利益を得ようとするものになっている。そして、先見通しによる中間決済は、不特定複数者との「賭け行為」となっているのである。
2.金融信用取引を業としていた銀行や証券会社は、株式投資・投機等のできない大衆市民をそのマネーゲームに参加させる。少額のNISAに至るまで投機参加を促す新商品を拡大し、100万円もあれば、金利0%に近い定期預金よりもいいとして消費者市民を投機に誘う。「1億総投機家化」が進んでいる。
  大衆の投資信託や株主化は、受託企業たる銀行や証券会社にすれば仲介手数料を得ることができる。そのため、売買取引を繰り返させ、その損益結果はできる限り先延ばしにするのだ。
  しかも、インフレーション経済の下では、額面金は実価値を著しく落とす。逆にデフレーションの下でも、手数料コストを償えないものとなる。
  かくてギャンブルでの賭博取引と金利幅があり元本保証のない投機の間の区別は小さくなっている。客観的には予想や抽籤での金銭利益獲得を目指す点は全く同一である。またその予想や抽籤は、その仲介や場を提供する者に左右され、手数費用を差し引かれ、客である参加者の配分利益は小さくなる。そして配分される参加客の利益の総和は、ゼロ(ゼロサム)である。この賭けの投機に左右されるのが、カジノ資本主義である。
  賭博においては、賭博開帳者を除いて、確実に収益をあげられる者などいない。
  いわば、事業者は自分の幸福を他人の不幸で得ようとすることになるから、社会倫理的にも教育的にも公認できないことになる。
  株式が2万円台でさらに上がりそうなどと証券会社が騒いでいるのは、さらなる高騰により投機利益を目指す者への勧誘宣伝に他ならない。
  株式や投資(投機)信託への誘いは、投機市場全体の規模(パイ)を大きくすることによって手数料収入の拡大となる銀行や証券会社と、素人市民の投機の裏を書こうとする大型投機プロ集団のやることである。
  これは、カジノがより多くの客を呼ぶために努力しているのと全く同じである。
  こんなカジノ経済を推進する安倍政権や松井府政は、賭博業の拡大を推進する悪代官である。 

依存障害シリーズ  第3回 ゲーム依存とスポーツ・ベット

〇 依存障害シリーズは、ギャンブル依存という行動依存・システム依存と同種のものを取り上げてきた。「ネトゲ廃人」「やめられない心とFIX産業」と題して、インターネットに取りつかれた依存症について述べた(会報62号、63号)。
  インターネットを通じたオンラインゲームが世界的に急増している。世界のネット依存の推計は大人4221万人、中高生52万人とされ、この中心は電車の中でもよく見かけられるようにネットゲーム依存で、その極みが「ネトゲ廃人」である。
  この「ゲーム依存」についてWHOは、改定版国際分類「ICD-11」で「ゲーム障害」と明記する予定だと伝えられている(2018.6.24)。ICDに掲載されると、ゲーム障害は医療保険が適用されるともいう。ゲームをすることが他の生活より優先され、悪影響が生じても続ける状態が12か月続くことなどが診断基準の要件という。この要件は、日本のパチンコ依存などでは該当する場合が多いのではないか。
  世界のゲーム市場は10兆円を超える。このゲーム市場がパチンコから客を奪っているという実情もあるが、パチンコの日常性をもっと家庭内に持ち込ませ、24時間いつでもどこでもゲームが可能であるから、若年層への普及と破局、犯罪の原因ともなる。
〇 「ゲーム障害」といえば「スポーツ・ベット」も依存障害を生む危険な世界である。人々はサッカーに熱中するが、これに賭けが加わると射幸心から人はさらに熱狂する。サッカーだけでなく野球賭博、相撲賭博があるように、市民が好むスポーツはいつでもギャンブルゲームに利用できる。このスポーツ・ベットをカジノでできるようにしようとする動きもある。

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Dependence(依存)関係カタカナ語選集
カタカナ語 意味など
ア アルコール Alcohol アルコール依存、乱用、中毒(poisoning)
アドヒランス Adherence 固持、依存者が積極的に治療方針の決定に参加し治療を受けること
アディクション Addiction 嗜癖、中毒、常習
アノニマス Anonymous 匿名、匿名のグループ
イネイブリング Enabling 依存者を手助けすることでかえって依存症の回復を妨げてしまう行為
インターネット Internet グローバルな情報通信網。これに依存発生
オンライン On-line インターネット回線による結合(―カジノ)
カ カウンセリング Counseling 相談、カウンセラー(心理相談員)による精神療法
ギャマノン Gamblers Anonymous(GA) ギャンブル依存者らの自己回復グループ 
クライアント Client (来訪者の意から)医療訪問者
クレジットカード Credit card カード借金で依存症を深刻化させる
ゲーム Game ゲーム依存。ネットゲーム依存の病人を「ネトゲ廃人」という。
サ サウスオークス・ギャンブリング・スクリーン South Oaks Gambling Screen(SOGS) 米サウスオークス財団のギャンブル依存診断基準
シンナー依存 Thinner 揮発性の高い溶剤を乱用する依存
ストレス Stress 緊張、刺激警告反応、その反応が引き起こす条件
スマートフォン Smartphone(英) スマホ(賢い電話機)に依存
スリル依存 Thrill ハラハラする感覚に快感を覚える依存
セックス依存 Sex 性依存、変質依存
セラピスト Therapist 依存症など相談を受ける専門家、治療師
セルフケア Self-care ギャンブル依存症にならないための予防的ケア、補助的ケア
タ タバコ依存 Tabaco(ポルトガル語) カリブ人の使っていたパイプに由来する煙草の吸引に依存
ディーエスエム(DSM) Diagnostic and
Statistical Manual
of Mental Disorders 精神疾患の診断と統計マニュアル
ナ ニコチン Nicotine 煙草の有毒アルカロイドの依存症。‐中毒
ハ パターナル Paternal 父性的干渉、子に対する父親の管理方法
パチンコ・パチスロ Pachinko、
Pachinko⁻slot 日本のゲーム、三店方式による換金可能なことでより強い依存を生んでいる。
パラドックス Paradox 逆説。矛盾しているように見えて正しい論
ビギナーズラック beginner's luck ギャンブルなどで、初心者が往々にして得る幸運
フラストレーション Frustration 欲求不満
マ マイルド・ランディング Mild landing ギャンブルからの完全離脱、温和な上陸の意味
マターナル Maternal 母性的な (マターナリズム 母性愛)
ミーティング Meeting 集会。MICE(マイス)の“M”                   
メランコリー Melancholy うつ
ラ レッテル効果 Letter(蘭) 一定の役割を期待するよう決めつけることで生まれる離脱効果
ワ ワークホリック Workaholic 仕事中毒

ギャンブルと生活保護
 時に生活保護の受給者がパチンコや公営競技にお金を使うことが問題とされます。スキャンダラスな取り上げ方もあります。
しかし、生活保護受給者は、パチンコや公営ギャンブル(その中には宝くじやスポーツくじもあります)で少しの金を使うことも許されないのでしょうか。「法的に許容された公営ギャンブルやパチスロなら目くじらを立てることもない」「生活保護受給者にも幸福追求の権利がある」という主張もあります。
そこでこの問題についてギャンブルオンブズとしてQ&A形式で考え方を整理しました。

Q:生活保護支給とギャンブル使途についての考え方は?
生活保護受給者は、パチスロや公営競技に参加してはいけないのでしょうか?
A:生活保護法上、ギャンブルを一切してはいけないという制限規定はありません。生活保護受給者は当然、宝くじやパチンコ、公営競技を含めて楽しみ・幸福を追求する権利があります。受給者が300円のくじで「夢」を買ってはいけないとまで誰がいうのでしょう。
   しかし、生活保護の支給にあたっては、受給者に必要不可欠な衣食住の費用を優先して想定されており、パチスロ代や馬券購入費、宝くじ購入費への先行支出は想定外です。NHK受信料や映画鑑賞などは使用対象として含まれます。一定の文化・教育費は必要です。
   受給者が衣食住の費用に使わずにギャンブルに費消する場合は、ケースワーカーらの指導対象となります。しかし、使った額やレベルによって軽い指導で済むか、厳しい注意勧告や今後の支給において抑止措置、ペナルティが反映されるかはケースバイケースでしょう。

Q:数は少ないでしょうが、生活保護費を貰ったらその足で何千円とパチンコに先行費消する人がいます。悪質でケースワーカーの指導にも従わず改善されない人はどうなりますか?
A:ケースワーカーの生活指導に違反する場合、保護費の支給停止などまで措置は可能です。しかし、ケースワーカーの人員不足もあり、十分な指導ができていない場合もあります。
   福祉問題の本質は金とモノにあるのではなく、同じ人間、仲間としてのケア、ふれ合い、励ましにあります。ケースワーカー行政の取締りは受給者にのみ向けられるのでなく、受給者までを収奪の対象とするパチンコ・スロットの営業や公営競技の在り方に向けられるべきです。

Q:生活保護者のギャンブルの制限は結局は程度の問題ということでしょうか?
A:結論は「イエス」です。一般人の正常な生活者でも収入の3~4%を超えると赤信号の点滅です。仮に月5万円の食費等現金支給を受ける人が、ギャンブルに2000円以上費消するのは、その分危険領域に踏み入っているといえるでしょう。公営競技やパチンコ(将来はカジノも?)が生活保護受給者の入り浸りを看過することは、「収奪産業」としても禁じてはどうでしょう。違反業者には収奪金を返させるくらいの対応も考えられます。


コラム    公営ギャンブルは正しく運営されているか?
1.現状の公営ギャンブルは、公営競技といわれる競馬、競輪、競艇(モーターボート)、オートレース(自動二輪)の4競技と、宝くじ、スポーツ振興くじ(サッカーくじ)の6種である。これらは主に地方自治体の収益事業となっている。
しかし、地方競馬、競輪、競艇では赤字となっているところが多く、ついには閉鎖した競技場も少なくない。現在のところ、場外券売上、電話・インターネット投票売上でなんとか黒字化している公営競技も、中央競馬以外は売上が伸びず低迷している。宝くじ類は運営コストが低く、客への配当率が約45%(収奪率55%)であるから黒字であるのは当然である。
2016年売上は、1位:中央競馬(JRA)2兆6710億円、2位:競艇1兆880億円、3位:宝くじ8450億円、4位:競輪(JKA)6330億円、5位:地方競馬4770億円、6位:スポーツ振興くじ1080億円、7位:オートレース(JKA)660億円となっている。(レジャー白書より)

2.1999年から始まった包括外部監査で、赤字の公営競技を中心に監査対象となった例がある。(2013年5月16日発行会報12号で2012年までの状況を一覧化しているので参考にしてほしい。)2016年までの監査例を簡単に整理すると、オートレース(横浜市、千葉県)、競輪(富山市、茨城県、京都府、奈良県、熊本市、群馬県、千葉市、宇都宮市、四日市市、和歌山県、高松市、高知市、川崎市、久留米市)、競馬(栃木県、福山市)、競艇(倉敷市、福岡市、下関市)がある。
  これによって公営競技の状況は一定調査され、経営状況の悪化による赤字化の改善や清算時の自治体負担が課題として指摘されている。

3.日本の公営ギャンブルのうち、宝くじ・スポーツ振興くじは、他の富くじの全面禁止と世界最大級の「収奪率」(控除率)によって支えられている。そして公営競技は、場内と場外券売場(ウインズ、サテライト、ホートピア)、他競技場での場外券発売、電話・インターネット投票による売上での約25%収奪があって成り立っている。もし、投票券の販売方法を公営競技発足時の法に定められていた競技場窓口での販売のみに限れば、もはや収支は成り立たず赤字であろう。
  すなわち、公営競技は今や競技場外での「脱法券販売」で成り立っているのである。

4.では、本テーマの問「公営ギャンブルは正しく運営されているか?」に対する答えはどうか。
  公営ギャンブルの運営は公明正大でない。まず説明責任はほとんど果たされていない。正しく運営されているだろうという「あなた任せ」の状況である。どの公営ギャンブルにも特定企業、特定利権、官庁の専横がある。天下りもある。
  公営ギャンブルの事業運営には公正な競争入札もない。むしろ、特定利益団体との癒着がある。こんな指摘が堂々となされているが、これらについて究明されていない。事業者は言うだろう、「不正の証明はない。単なる疑いに過ぎない」と。だが「公共信託」としての公営ギャンブルなら、事業者自らが公正運営の証明をし、いつでもどこでも知れるようにしなければならない。集計されたデータ結果は情報公開請求すれば一定明らかにされるが、そのデータの正しさはわからないし、契約、人事、価格など専門的監査が入らなければ全く判らない。
  包括外部監査人も、前提としてデータは全て真実とし、一からデータを検証することはしていない。赤字の程度も「手加減」されているのにチェックできていない。

いろはカルタ賭博考(9/最終回)

ゑ 「縁は異なもの味なもの」(江戸)、「縁と月日」(上方)
 男女の結びつきは常識で判断できない。男女の良縁や人生のチャンスは気長に待てばよい。「得手も仕損じ」は自分の得意で失敗する、競馬のヨミ損ねなど。「笑顔に福あり」と安心していると「笑みの中の剣」と内心が陰険なものもある。そういえばクジの当たりは自分にとって幸福だが、他人には不孝といえる。ギャンブルの世界の笑みは悪縁も。「栄耀に餅の皮」はギャンブルに勝っても無駄遣いをし、皮のない餅の表面をあたかも皮を剥いで食べることから生まれた、この上もない贅沢をすることである。
 <「ゑびす」と「ゑんま」は表裏> <得事に帆も仕損じ>

ひ 「貧乏暇なし」(江戸)、「瓢箪から駒」(上方)
 貧乏人は生活に追われてゆとりがない、多忙なこと。瓢箪から駒(馬)が出る訳がないように現実にあり得ないこと、思いがけないことが起こるときにも使う。競輪等では事故でとんでもない結果が発生するが、「本命」の選手の車券を買っていた多数の客が騒動を起こし、その客に払戻しをして収めることもあった。これはギャンブルも客商売であることを示している。
 <膝附合わせ 談合> <必要は 公営賭博の母>

も 「門前の小僧習わぬ経を読む」(江戸)、「餅は餅屋」(上方)
 環境が人に強い影響を及ぼすことや、物事は専門家に任せることがよいという例え。「も」から始まる諺には行動に関する例えが多い。「物言わずの早細工」「持ちつ持たれつ」「桃栗三年柿八年」など「物は言いよう」で多い。そういえばカジノ導入論も正当な理由はなくても「金になる」「被害は少ないし防げる」と「物は言いよう」。
 <モナコとナマコは大違い> <元も子も失う賭事>

せ 「背に腹は代えられぬ」(江戸)、「性(聖)は道によりて賢し」(上方)
 どちらか選ばざるを得ない時、議性のある選択と、人の性は各自の道で磨かれるの例え。ギャンブルは犯罪で許されないが、財政の収益事業としたときは「性」より「腹」だった。今は双方犠牲にしてしまい、さらにカジノを「急いては事を仕損じる」とわかっていながら強行している。
 <接待で海外カジノ事業者決める> <先生に献金すれば族になり>

す 「粋は身を喰う」(江戸)、「雀百まで踊り忘れぬ」(上方)
 粋とカジノゲームで散財し身を滅ぼした人も少なくないが、ギャンブル依存となれば治りにくい。雀のように踊り続ける。「住めば都」は慣れた大阪の町を「全ての道はローマに通ず」ならず金儲けと夢洲カジノに走らせようとしている。「すみに染まれば黒くなる」というが、カジノ資本主義の大阪経済の将来は「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で暗い。
 <すっぽんに月> <住みの江 大阪なにわ> 

京 「京の夢 大阪の夢」(江戸)、「京に田舎あり」(上方)
 夢ではいろいろなものが見られる。京の都にも田舎の風俗がある。大阪の夢がIRカジノとはあまりにも悲しい。夢洲を大阪湾を代表するベイ・エリアにするには、地球が日本列島を長い時間をかけて作ったようにゆっくりと形成すべき。
 <凶の夢 IRカジノ> <今日はパチスロ 明日はカジノ>

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政府カジノ暗句
〇IR 国と自治体 カジノ税は?
 カジノ税 収入高の3割で 国と地方で取り分折半(?)
 収入の3千億なら 3割で 累進制はどうなるの
 千億の カジノの収入できぬ者 事業者として資格はないぞ
〇カジノ特区をどこにする? 闇のところで綱引き中!
   お台場は 今は五輪で余力なし 沖縄もまた 官民反対
   北海道 市町村までバクチでも 外国人の金集めたい
   九州の ハウステンボス シーガイア 観光客を呼びたいばかり
   常滑市 中部空港 交通便 カジノ特区のダークホースか
   和歌山は 外国人のみ マリーナで 土地も狭いが 知事が唾つけ
   東京が 名乗り出ぬなら 千葉どうか 成田に羽田 空港近い
   裏日本 雪よりお金 カジノ来い 観光客の 金ふくつもれ
   横浜の 中埠頭なら好地だと 業者は言うも市民は反対
   夢洲に 何が何でもカジノ呼ぶ 維新首長は バクチ好き
〇ギャンブル依存症対策 どうするの?
   日本人 入場料を貰います 6千円ならUSJ以下 (シンガポールは8千円)
   日本人 7日に3回 月10回 のめり込みには効き目なし
   日本人 本人確認身分証 提示させても リピーター増え
   賭ける金 無制限です ボッタクリ カジノの客に金も貸します
   賭け金は 月収のうち5%でも 生活破壊 起こして危険
〇マネーローンダリング対策 どうするの?
   カジノでは マネロン防ぐ 手立てなし 申告したら税をとれますが
   カジノでは チップ使って換金し マネロン簡易 できるんやけど
   マイナンバー 使って換金 把握なら 国税当局 楽なんやけど
   マイナンバー 金の動きに使うなら 客が来ないと カジノの業者
〇犯罪対策 どうするの?
   カジノにて 不法な金を防止法 金の出処 証明を取る
   バクチ場を 民間業者にさせといて 博徒(ヤクザ)はダメという矛盾
   カジノなどボロイ事業はウジがわく 暴力団に収賄役人
   管理委で 厳正監督いたします 適度なバクチ せよというのか

書籍紹介
阪南大学の桜田照雄教授の著作。桜田氏は「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」の代表。

1.『「カジノで地域経済再生」の幻想―アメリカ・カジノ運営業者の経営実態を見る―」
  桜田照雄著(自治体研究社 2015.1.27発行 1,100円+税)
   夢洲にアメリカ中心のカジノ業者が食指を伸ばしているが、その彼らを端的に紹介する本である。日本にIRカジノを導入誘致しようとする推進派の動きに合わせて早くに出版されていた。そして今まさに、IR実施法と共にトランプ旋風に乗って動き回っているアメリカIR業者について、2013年の経営データを駆使して検討し、如何に危険な動きであるかを解明している。

2.『前衛』2018年5月号(日本共産党中央委員会 2018.4.8発売 730円)掲載 
論考「カジノ実施法案への一視点」 桜田照雄
   雑誌『前衛』は、日本共産党の理論政治誌。55~69頁にわたり詳しく論じられている本稿は、カジノ実施法案の今年3月までの動向に始まり、賭けのビジネスの先物取引やデリバティブ取引について述べる。そこには「合理的なルール」と投資家保護、そして商品取引業者の知識、経験、資産状況、目的に適合した金融商品の勧誘・販売を義務付ける「適合性原則」を不可欠としていると分析する。その上で、カジノ合法化は全く粗雑な論理で押しているとする。
政府(法務省)は、公営ギャンブルに関し賭博の違法性を阻却するために8条件を示していた。それは、①目的の公益性、②運営主体の性格、③収益の扱い、④射幸性の程度(低いこと)、⑤運営主体の廉潔性、⑥運営主体の公的管理監督、⑦運営主体の財政健全性、⑧副資的弊害の防止である。
それがカジノ実施法では無視されている。国際的滞在型観光のIRであれば合法とされようとしていると厳しく批判する。
しかし、カジノは実は「地方創生」でなく、日本全体として滞在型観光地化を企図していることを推進事務局自身が語っている。カジノの事業規模は明らかでなく、参考例としてアメリカのカジノ大手の計画では面積規模3万㎡、売上想定年1400~1600億円を見込んでいるという。
カジノ側の儲けは、賭博に負けた客からだけでなく、賭博に勝った客からのコミッション(手数料)取り分で構成される。アメリカのカジノ事業者、MGMリゾートのムーレン社長は、1兆円投資してカジノエッヂ(取り分)3~5%で年1400億円の収益を得るためには、年2.8兆~4.2兆円の売上計画を7年間継続してやっと収支トントンという。この間、計19.6兆~29.4兆円もの売上が必要となるとの試算である。
ギャンブルNEWSピックup (2018.7.2~8.1)
2018.7.2  週刊金曜  米国カジノ王に媚びた安倍首相 強行採決に野党反発
  7.5   朝日   闇カジノの社長は語る「ばくちは麻薬、政治家様々やね」下地毅
7.6   毎日   IR実施法案「カジノあかん」大阪で反対集会
ダイヤモンド  カジノより恐ろしい「亡国の依存症」を野党はなぜ糾弾しないのか
   日刊ゲンダイ  元貴闘力インタビュー「ギャンブル依存症の人の気持ちなど政府はわからない」
7.7   朝日   カジノ法案 参院審議入り 野党が米との関係追及 首相否定
    NHK  IR法案審議入りも与野党が対立 駆け引き活発に
  7.10  日弁連主催 院内学習会「カジノ解禁実施法案の成立に反対する」
毎日   和歌山市長選 島氏「IR反対」 尾花氏回答なし 市民団体質問状
ポストセブン  カジノ上客の中国人富裕層、目的は遊戯でなくマネロン
      SPA!   カジノ法案は安倍首相からトランプ大統領への“貢ぎ物”でしかない
  7.11  <当会 会報第68号発行>
  7.12  文春7.19号  米業者が麻生ら15人安倍政権中枢へのカジノ「脱法献金」リスト
  7.13  NHK  カジノ含むIR法案 参考人質疑で賛否
  7.15  朝日   今国会カジノ法案成立「必要ない」76% 朝日世論調査
  7.17  マカオ  18年第2四半期の総ギャンブル売上約1兆円、前年同期比17.2%増=カジノ復調
  7.19  神奈川  カジノ誘致なら「住民投票を」 横浜港運協の藤木会長
      PAGE   大阪松井知事 IR法案徹底抗戦の野党に「時間の無駄遣い」
      朝日   カジノ法案、参院委で可決 明日の本会議で成立へ
      毎日   <カジノ法案付帯決議>野党足並み、再び乱れ 「国民」が賛成に
  7.20  朝日   パチンコ市場21兆円「基盤ある」 カジノ解禁、動く海外業者
      産経   IR法案きょう成立 野党、内閣不信任案提出へ 参院委可決
      西日本  ギャンブル依存対策に疑問の声も カジノ法案可決 回復施設は25都道府県のみ
      Tボイス  IR大手MGMリゾーツ、大阪「天神祭2018」に協賛、関係者招待
      HTB  <北海道>カジノ法案成立へ 苫小牧では抗議活動
      西日本  カジノ誘致へ意気込む長崎 市民の間には根強い懸念も
      朝日   カジノ実施法が成立 最大3カ所で設置可能に
      毎日   <カジノ法成立>反対の市民らが抗議集会 国会周辺
      〃    <カジノ法成立>施設の具体像示さず 政府、準備作業本格化
      時事   20年代半ばにもカジノ開業=政府、準備本格化―法成立
      〃   「怖さ知らない」=消える金、スロットで指変色―ギャンブル依存に懸念・カジノ法
      NHK  かんさい熱視線「関西にカジノ!?~IRの光と影」
      日刊ゲンダイ  なぜ?「大阪万博」スポンサーに米国カジノ企業が次々と
  7.21  朝日   社説:カジノ法成立―賭博大国への危うい道
      〃    カジノ法実施法成立、4道府県が名乗り 根強い反対の声も
      毎日   カジノ法成立 ギャンブル依存症患者の支援に取り組む井上善雄弁護士の話
      産経   IR法成立 警察当局、暴力団介入を警戒
      〃    IRの経済効果5兆円 民間シンクタンク試算/地方、IRの投資・雇用に期待
      〃    IR実施法成立、関西財界は歓迎「万博に間に合う」3団体で温度差も
      長崎   カジノ法成立 長崎県内誘致「これからが勝負」反対派は徹底抗戦の構え
      神奈川  カジノ法成立、県内議員は賛否「誘客重要」「ばくち解禁」
  7.22  スポニチ   ディーラー養成学校期待 カジノ法成立から一夜、体験入学会「満員御礼」
      産経   IRへ日本進出狙う海外事業者 「競合少なく魅力」売り込み本格化
      長崎   IRの経営管理など学ぶ マカオ大が佐世保で講座
  7.23  ABC  【大阪】市民団体が反対の声 「カジノ法」成立で
  7.24  毎日   <大阪>松井知事「IR、来春の統一選で誘致賛否が争点に」
  7.25  神奈川  横浜市、カジノ構想案公募 誘致の是非は「白紙」
      MBS  大阪府・市「IR事業者への対応厳格化」議員への口利きも公表
      産経   IR候補地で「大阪が一番だ!!」米MGM・ムーレン会長が表明
  7.26  ブルームバーグ  日本のカジノ市場はアジア第2の規模になる可能性:ゴールドマン
  7.27  毎日   <大阪市>IR委託コンサル社員 米カジノ日本法人から接待
      朝日   パチンコ企業、カジノに熱視線 本業不振 依存症対策は
      TBS  「世界一のカジノタウン」マカオの“ギャンブル依存症”対策は?
  7.28  時事   カジノ運営会社が大阪詣で=夏祭りに協賛、災害支援も
  7.29  中日   「名駅にカジノ」に違和感 江口忍・名古屋学院大教授
  7.30  神戸   IR整備法に抗議 県弁護士会、廃止求め会長声明
  7.31  FACTA   大阪カジノは「軟弱粘土状の楼閣」
      HBC  北海道にIRを誘致すべきか 有識者懇談会初会合 賛成派と慎重派が意見
  8.1  ニッポン.コム  【Japan Data】ギャンブル依存疑い320万人:パチンコ・パチスロに月5.8万円!?

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◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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posted by inoue at 13:25| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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