2018年07月11日

なくそう!ギャンブル被害 会報第68号

【目次】大阪夢洲万博の「買収」誘致/投稿:わかっちゃいるけどカジノ賭博で金儲け/パチンコ研究(14)安心パチンコ・パチスロリーフレット、「はじめてパチンコ」リーフレット/ギャンブルオンブズの眼⑥カジノ事業推進者のリスク評価の低さと不確実性/コラム:公営ギャンブルウォッチ、明治の漫画と博奕、電車内で馬券を買う、誰のための競馬、Campione<カジノ編>、万博カジノ 夢洲をめぐる思惑/パチンコ語カルタ(2)/いろはカルタ賭博考(8)/NEWSピックup /ギャンブルオンブズ4コマ漫画「どこへ消えた?!」 /事務局だより


大阪夢洲万博の「買収」誘致

 2018年6月13日、パリのBIE(博覧会国際事務局)総会で、2025年国際博覧会(万博)の開催地に立候補している日本(大阪)、ロシア(エカテリンブルグ)、アゼルバイジャン(バクー)が誘致のプレゼンテーションをした。開催地は今年11月23日のBIE総会にて、加盟国170カ国の投票で決まる。
 各国30分の持ち時間で、大阪は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、ノーベル医学賞の山中伸弥氏を起用し「大阪万博(1970)での興奮体験」を訴え、さらに世耕弘成経産相は「発展途上国を中心に約100ヶ国の政府に1ヶ国220万ドル(2億4200万円)を財産支援し、担当専門家を日本政府がサポートする」と約束した。この世耕大臣の約束は、日本が外国政府に1ヶ国2.4億円、100ヶ国で242億円を援助し、開催参加の経費と人的サポートをするというものだ。ズバリ万博の「買収誘致」である。
 現在、条約に定められる国際博覧会は「公衆の教育目的」を掲げる。夢洲万博はIRカジノの準備投資を含むが、賭博の反教育性からこれを隠してきた。今回、ノーベル賞学者を使って「いのち輝く場」と宣伝するが、これも政府のIPS細胞研究費投入を人質として「利用」した動員である。
 万博の理想からいえば、発展途上国を含む地球環境への貢献や教育こそ重要であり、日本(大阪)が目指した先進国の「長寿社会」や「長寿老人相手のカジノ」では絶対にない。
 山中氏は「命の神秘が世界を魅了」とアピールした。彼のIPS研究は、長寿社会の難病の克服技術に大金を使うことで活用されている。しかし、世界の数億人以上の人々への緊急給水や6億円人以上の子供らへの給食には役立たない。「公衆の教育目的」なら実質「カジノ万博」に2000億円以上を投入し、さらに「買収費」財政計画を示さず100ヶ国の政府に242億円をバラ撒くより、ユニセフやユネスコ、国連難民事務所に投入した方がふさわしい。実は万博は科学技術の美名に隠れた企業の収益拡大がその実態だ。そのため日本は、外国政府170の投票権のうち100ヶ国以上の政府を買収しようとしているのである。
 私たちは、夢洲万博は「カジノ万博」だと指摘してきた。そして今回、夢洲万博は金で票を買う「買収万博」であると言わざるを得ない。夢洲万博は「カジノ建設目的」であり、その誘致手段は金による「買収」である。
 BIE条約の在り方からいうと、その開催地の投票において小さな国の政府なら数十万円で得られる投票権の「買収」を持ち掛けるなど、不法な手段である。こんな手まで使う日本の夢洲万博は完全に失格である。

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投稿    わかっちゃいるけどカジノ賭博で金儲け  道野徳夫

 賭博を開帳して大衆の金を収奪することは悪業である。こんなことはわかっている。しかし、人の射幸心、遊び、興味本位の客を集めて収益が得られるなら、こんな楽な商売はない。そんな賭場、カジノから収益金を吸い上げられるなら、こんな楽な政府の収益確保はない。そんな事業を監督し天下り就職できるなら、こんな楽な利権はない。
 カジノの日本導入をめぐり、安倍晋三から参入希望海外カジノ事業者、役人までが本音で考えているのは、こんな利益・利権である。
 わかっちゃいるけどこんな恥部を厚い衣装と化粧で隠しているのがIRカジノである。
 わかっちゃいるけどやめられない・・・ギャンブル、酒、タバコ、薬物など依存はこれ。植木等のスーダラ節にもある。青島幸男の歌詞は大衆の眼でその本質を語っている。しかし、カジノ誘致首長、そしてカジノ企業や推進企業、御用学者、タレントらは、収奪金を拡大することの罪を「良心(あるとすれば)ではわかっているがやめられない」のだ。この我利我利亡者の群れは「赤信号 皆で渡れば怖くない(ビートたけし)」とばかりに賭博は犯罪という大海を漕ぐ。
カジノは家をあらわすカッシーノに由来するが、まず客の家を「火の車」にすることで成り立つ。客の総損失が事業者の総利益という、こんなわかりやすい理屈をわかりにくくするための「観光収益増」「カジノ事業関係者雇用需要」など煙幕を張る。この推進論は「泥棒の三分の理」だ。泥棒のおかげで防犯グッズが売れ、ガードマンや警察官の増員が進むというようなものだ。
国民が本当に幸福になるためにカジノや賭博開帳はいらない。市民は、金を賭けるルーレットやスロット、カードゲームがなくても、夢がなくなる訳でもない。生き甲斐がなくなる訳でもない。文化やスポーツは優劣に金を賭けなくてもできるし、それがないのが正しい。むしろ、金を賭けたり買収こそ人の夢を奪うものである。
「金儲け」という利己主義は、放っておくと個人も企業も人の命や存立基盤の財産さえ奪う。このことは有史以来の宗教、倫理、歴史が証明する。その「金儲け」の中で最も許されないのが他人の財産の強盗、窃盗、詐欺である。賭博は一見、同意の取引のように装うが、賭博開帳者と客の間には全く対等性がなく収奪手段でしかない。犯罪とわかっちゃいるけど賭博開帳を認めるのがIR実施法だ。 

パチンコ研究(14)    パチンコリーフレット

「安心パチンコ・パチスロ」
 「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」というパチンコ業者団体が、A4両面(三つ折り)のリーフレットを発行している。「パチンコ・パチスロ依存は、どなたにも起こり得る問題です。このリーフレットをご活用いただき楽しくご遊技下さい。」「悩みや不安がある方はリーフレットの中面をご覧いただきご活用ください。」とある。
 その中面とは「あなたの遊び方は適度ですか?」として、パチンコ・パチスロの依存を自己診断するチェック表で9項をチェックするものである。
 そのチェック表は過去12ヶ月以内に「望みどおり興奮を得たいためにもっと金額を増やしてパチンコ・パチスロをしたい欲求があった」から「パチンコ・パチスロによって引き起こされる絶望的な経済状況から逃れるために、他人にお金を出してくれるように頼んだ。」まである。この9項目のうち4~5項目該当は軽度ののめり込みの可能性あり、6~7項目該当は中等度ののめり込みの可能性あり、8~9項目該当は重度ののめり込みの可能性ありとする。
 そして、リカバリーサポート・ネットワークの電話相談(無料)の案内がある。この相談先は「21世紀会」出資による非営利法人である。そして「21世紀会」は全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)ほか、パチンコ関係の14の事業団体によって結成された団体である。
 このリーフレットはパチンコ業界が客に向かってパチンコ・パチスロで適度に遊ぶものとし、その依存は「誰にでも起こり得る問題」とは認めつつも、自己診断で自己申告するか、その家族申告のプログラムを活用するよう案内するものである。
 ギャンブル依存症320万人の大半どころか8~9割の原因となったギャンブルゲームはパチンコ・スロットとされる。しかし、パチンコ業界は絶対に自らをギャンブルとは言わず「パチンコ・パチスロ依存」というが、この診断基準は医学界のギャンブル依存の診断基準そのものである。パチンコ業界は、多くの人々を自らその病に落としても、その治療や回復の費用は自己責任で社会(政府)の負担とするところに決定的な無責任がある。

「はじめてパチンコ」 
 パチンコ業界は、「はじめてパチンコ ―パチンコのあそびかた編―」というリーフレットを配っている。初めてパチンコ・パチスロをする方への冊子というが「1000円から気軽に遊べる」「初心者でも楽しめる遊び」とし、初心者には「遊パチ」の台、「1円パチンコがおすすめ」とある。
 これは、客が減っているパチンコ店に「初心者」を呼び込もうとするものである。パチンコには「甘デジタイプ」「ミドルタイプ」「ハイスペックタイプ」があり、パチンコを気軽に始めて、ミドルタイプの中級者に進み、ギャンブル度の高い上級者向けのハイスペックタイプに進むよう誘っている。
 そして、冊子は入店からロッカー利用、台選び、玉貸機、その操作、パチンコ機の操作手順、打ち方、大当たりでの貯め方、コール、玉の計算、レシート、賞品交換まで14段階にもわたって写真入りで案内する。しかし、換金用の特殊賞品や店出入り口横の賞金を換金するところは違法になるため案内していない。
 この小冊子は、パチスロ機メーカー各社のゲーム機紹介パンフに並べて置いてあるが、客が減ってまさに生き残りをかけた1円パチンコへの誘惑である。このリーフレットの名が「はじめてのパチンコ」でなく「はじめてパチンコ」とあるのもその趣旨だろう。こんな冊子を配るパチンコ店は、少しは良心的なのかもしれないとも思えるが、「初心者漁り」はギャンブルとしても風俗営業としてもよくないことは明らかだ。

ギャンブルオンブズの眼⑥
カジノ事業推進者のリスク評価の低さと不確実性


政府・自治体が推進するIRカジノ事業を批判すると、推進者は、事業は収益をあげる見込みがあり、事業に伴うリスクは計算でき回避ないし最小限にすることまで計算し予定しているという。そして御用経済学者の一部まで事業にともなうリスクを予測計算してみせる。
しかし、その内容は彼らが予測できる項目と限度であって、事業者が収益を得る目的とその範囲内であるものが多い。ギャンブル依存症や治安については、現実に業者が補足しているトラブルの範囲で、且つそのコストが計算できるものに限られている。
 ギャンブル依存対策にしても客の相談窓口、治療体制、さらに進んでも客が求める行動での一般予防システムに過ぎない。すなわち、予想できるリスクのうち対応できるものになる。客の依存、障害そのものの損失やリスク回避費用は償わない。(逆にいえば事業が負担するリスク、コストとは考えない。)ギャンブル依存治療を事業者のかける保険対象とするには困難がある。ギャンブル依存やギャンブルのために発生する盗難、横領等の犯罪被害そのものは全くリスク・コストに含まれていない。せいぜいカジノでの相談コストレベルである。カジノにともなう脱税、マネロンなどのリスクは想定されても計算するどころか予防コストとして評価しない。
客のカジノ投入金が全て適正な稼働によるものとの証明を取っている国は世界中のどこにもない。そんなことをすればカジノが成立しないからだ。
 このように事業のリスクは、収益見込みの一部で考慮することはあり得るが、その負のリスクの全ては想定していない。その負の全リスクを監督是正させる行政当局の全コストを当該カジノに課したらカジノは出店営業できないし、しないだろう。政府としても税収のため出店確保が必要だからチェックしきれないのだ。現代日本の公営競技がリスク想定をせず、またリスクやコストを負担させていないことでわかる。
 事業のリスクは、このように慎重に且つ十分な視野をもてば、かなり想定できる。実は、ギャンブルオンブズを含めカジノ反対の論者や運動も、このリスクとコストを指摘してきた。
 そして、推進論者はカジノの導入に伴うリスクは予想できても、予防し償えないことを否定し得ないことがわかると、最近は新しい理屈をいうようになった。従来からあるリスクや負のコストの無視だけでなく、もし困ったことが起こったらその時は調査・分析し監視しますという「モニタリング理論」である。これは想定外のことはないと言っていた原発災害のリスクが現実に起こったために使われるようになったものだ。想定外のことはあるだろうが、その時はその時調査し対応しますという先送りの手法である。全く無責任な手法だが、先のことはよくわからないと開き直り、面の皮を厚くしてそれで押し切ろうというものである。現在の開発事業は、リスク最小限評価とモニタリング理論が横行しているのだ。
しかも、想定できることも想定外として先送りするモニタリングにさえ対応できないことがある。それが「不確実性」である。想定外のことが起こりうるというのは不確実性のことであるが、台風、地震、津波といった想定できることではあるが現実にはその規模が想定外というレベルのものや、実は世界情勢など想定できると思っていることでも例えば戦争や、インターネット社会での破局、仮想通貨の盗難のように不確実な事態は発生する。
もとより、経済危機など一定リスクも予期してなされているが、誰もこれは世界経済からして不確実とは考えていない。賭博は夢という欲望に支配されて、破局がいつ起こるかわからないというものだ。政府や自治体が、不動産投機よりももっと予想できないIR事業という危険な事業に公金を投入するなど、安全ネットのない曲芸のようなものである。

コラム        公営ギャンブルウォッチ

〇 5月は日本競馬会の大レースイベントが続く。皐月賞に続いて5月27日(日)、第85回日本ダービーは東京競馬場で開催された。このために全国でレースの宣伝がされ、大衆に馬券購入を勧める。関西ではウインズ梅田、ウインズ難波、ウインズ道頓堀、ウインズ京都、ウインズ神戸、阪神競馬場(西宮市)、パークウインズの6店で場外馬券を買ってと宣伝した。例えば、阪急百貨店梅田店前の1階広場では、柱という柱がダービーの広告ポスターで占拠され、5月下旬には実物大の馬像や20人近いキャンペーンガールが女性向けの「あぶら取り紙」入りのウインズ案内のチラシを配った。馬像には実際に乗れると案内していたし、回転板にボールを投げるゲームでは、1に当たれば賞品として過去のダービーで勝った馬のピンバッジ5点、その他参加賞も用意されていた。チラシにはこのチラシをもって京都競馬場(場外券売場もある)へ行くと抽選会に参加できるとある。
  近年、競馬に限らず公営競技は、場外券売場とインターネット(電話も)による券購入が売上の過半を占め、いつでも、どこでも、どれだけでもバクチをできるようにしている。チラシには東京に行かずともウインズ、テレビ、インターネットで「楽しめる」とある。その宣伝は、馬券を買えない未成年者の高校生でも馬像に乗せ、もちろんチラシは無限定であった。あぶら取り紙を配るのは若い女性客の勧誘のためである。
〇 ダービーは、芝2400mのコースを3歳馬18頭が出走、僅か2~3分で終わるレースだが、このダービーの売上だけで毎年数百億円が賭けられる。WIN5(同日の5レースの1位を当てる)や他のレースも含めると、この日だけでそれ以上の賭場開帳である。
  このような金をかけたテレビ・新聞を含むダービー宣伝は、売上の25~30%が必ず利益になるからである。
  さて、ダービーは福永祐一騎手騎乗のワグネリアンが優勝。ワグネリアンの父馬はディープインパクトだ。賞金2億円のほとんどは馬主金子真人ホールディングスに入り、騎手と友道調教師も配分を受ける。ディープインパクトは種馬として大金を稼いでいる。ワグネリアンは単勝5番人気で1250円だった。賭博度の高いWIN5では、珍しくその第1レースで2頭の1着同着が起こった関係で、1つは566票の的中で配当41万8600円、もう1つは116票の的中で配当203万8620円の払戻金となった。この日のダービーの売上は、前年より5%増の約263億円だった。
〇 ダービーと同日、尼崎競艇では第45回オールスター戦が開かれた。これまでに勝ち上がった6選手によるレースで、福井の中島選手が勝ち、賞金3500万円を獲得した。1分48秒1のレースで、競馬より安いが秒給にして32万円という計算になる。
配当は、連単(1,2着を順番通り)で880円の払戻金だったという。中央競馬のように人気ではないが、全国の場外券やインターネット投票は競馬に同じく用意されているので、3500万円の賞金を出せるのである。
全国の公営ギャンブルは、一部にはスポーツファンもいるも、今や賭け本位だけのゲームになっている。

明治の漫画と博奕
 明治以後、葛飾北斎の漫画に加え、西洋漫画の影響も受けて、明治漫画が生まれる。錦絵に加え、ジャパンパンチ(英 ワーブマン)新聞漫画である。そこには明治初期の風俗が描かれ、その風刺・批判は、政治、政治家、資本家にも及んでいる。
 その中で「滑稽新聞」明治39年9月20日号の「月界より見たる地球」は、月の兎が望遠鏡で「地球にいる人間は毎日悪い事ばかりしている」と呆れている。その地球の図の中に、犯罪(殺人、盗み、贈収賄、売買春)や宴会と共に花札博奕をしている図がある。
 明治時代は、月界にも人間がいるのではという見方もあって、月界から地球上の醜悪な姿が見えているというのである。
 滑稽新聞は、『賭博史』も出版した宮武外骨が1901(明治34)年に創刊した。宮武はその新聞出版で「官吏侮辱罪」「風俗壊乱」「不敬罪」その他の刑罰に処せられ、発禁処分を10回以上受けている。

電車内で馬券を買う

 2018年2月のウィークデー。K鉄道の車中で20代の青年が左手にスポーツ紙を持ち、競馬発走の予想欄を見ていた。若手の公営競技ファン(購入者)は年々減っており、沿線に公営競技場もない。公衆車内で堂々と競馬予想を見ている姿は珍しく、注目した。すると彼は、右手のスマホを次々と操作する。インターネットで馬券を購入しているようである。
 競馬、競輪、競艇におけるインターネットによる券購入は近年急増し、この売上が総売上の30%以上を占めているという。その姿の一部が目の前の青年の行動なのである。
 まさにスマホ・インターネット購入により、投票券は何時でも、何処でも、限りなく買えるのだ。かくて通勤用の電車内までが賭場になっているのである。
 インターネットとスマホによる馬券・車券・舟券は、「売上本位」のものである。スポーツないし観戦もない賭博そのものだ。インターネットによる公営競技はその取扱業者とスマホを所持する者が、自らギャンブル場を設営するといえる。病院でも学校でも宗教施設でもできる。

誰のための競馬
 地下鉄梅田駅コンコースの看板、「Z BAT!競馬 サンスポ」とある。これは競馬でズバッと当てるためにはサンスポ紙を買いましょうというものである。「PC、スマホもズバット」とあるから、サンスポの情報で馬券を買うように勧めている。
 競馬という公営ギャンブルは、国や地方自治体の収益事業である。客は射幸心を持った有料のファンであり、賭金のない競馬そのものを娯楽として提供するものではない。従って、第一に主催者の国・自治体のための競馬である。
 第二に、競馬事業によって騎手、馬主、調教師らや競馬場提供者が利益を受ける点で、競馬は関連業者のためのものである。その中にいわゆる会場内の予想屋もいるが、競馬の予想専門誌や情報紙などの出版はその一つである。競馬紙を読めば必ず得をするという訳でなく、客同士はゼロ・サムの関係であるから、ギャンブルの規模を大きくする下でメディア、情報屋として収益を得ているだけだ。
 競馬事業は周辺の地元の人に迷惑をかける。そのため反対の声もあり、事業者は付近の自治体などに金も配った。そしてこの対策費が競馬事業のコストの一部となっている。

Campione <カジノ編>
 カジノ「厳禁」のスイス南東ルガノ湖東岸に、カジノを最大産業としている場所がある。それはカンピオーネというイタリアの領地。1.7㎢のタックスヘイブンのリゾート地である。1917年に公営カジノが作られ、2400人の人口のうち約5分の1、500人がカジノで働いているという。ミラノの僧院領地の歴史のあるイタリアの飛地で唯一ともいえる産業のカジノに依らざるをえないのだろう。
(参考:『世界地図のおもしろい読み方』扶桑社文庫、「地球の歩き方」ダイヤモンド社)

万博カジノ 夢洲をめぐる思惑
 カジノIRと万博をめぐり、大阪府知事・大阪市長の「期待感」と関西財界の中でも大阪商工会議所の「慎重論」には大きな溝があった。
 関西経済同友会(三井住友銀行副会長)は昔からIR推進派であったが、関西経済連合会は2017年に万博誘致との連動を想定してIR容認になった。「IR事業者の出資金で万博のインフラ整備」という他人の金頼みの立場である。万博のインフラ建設への投資(地下鉄延伸等)には700億円以上が必要で、これは関西財界が負担を約束した400億円以上を加えた会場建設費1250億円と共に建設業界などが潤うとの目算である。
しかし、夢洲にIRカジノが生まれても大阪府、大阪市全体の経済が等しく底上げされる訳でない。むしろ、既存の観光事業や夢洲以外の企業などの利益が奪われる可能性が高い。IRカジノに参入するその事業者と関連業者の新規需要を含むが、外国観光客の集客による利益分配の一方、他の観光事業利益の収奪効果があるから、商工会議所の会員となる多くの中小企業者などは、利益より不利益がもたらされると心配するのである。そのため大阪商工会議所には慎重論が多かった。
そしてこれらの矛盾を「克服」し「欺く」ために万博誘致が最大限利用された。万博ができれば観光収入も増えるとのあいまいな経済期待感を展開し続けている。万博は半年の展示会中心の催事に過ぎず、その後撤去される。しかも、会場費のうち450億円は大阪経済界の誰が負担するのか、全く明らかにされていない。


パチンコ語カルタ (2)
 ギャンブル用語のカルタは、会報をはじめた翌年2013年1月1日発行の7号に掲載した「パチンコ語カルタ」が最初である。カルタはギャンブルの世界の言葉を理解するに有効な方法で、以来多用してきた。今回はパチンコ語の第2弾。

あ 甘釘台 探して朝一 並びます       は パチスロの見せ台 爆裂台
い イベントは 射幸煽ると 禁止され     ひ PCの変造 年に630億円
う 打ち止めから 裏ロム 裏ハーネス     ふ ブドウ状態 玉の積み重ね
え 遠隔操作は コンピューター        へ 別積みを 目立つところにさせる店
お オール1 設定すれば客が負け       ほ ホルコンが 出玉管理いたします
か 監視する ゴト師 壁役 打ち子まで    ま 万枚を集めて 換金20万
き 記事広告で ヤラセ宣伝          み 見せ台に 座る客は サクラです
く 釘師は 台からホルコン 調整に      む 武藤答弁「パチンコ金 北朝鮮へ何千億円」
け 激シブ釘に 出玉カット          め メーカーとホールであった 枕営業
こ コンピューター操作 店,シマ,台までも   も モンスターハウスは CR機
さ 三店方式で 換金ギャンブル        や 役モノで 客を台にしばりつけ
し 新台入替で 出玉管理サービス       い 1円以下パチンコ 低貸玉
す スタートチャッカーの上に 2本のヘソ釘  ゆ 優先入場券のために 朝並び
せ 設定は 生活安全課の指導下で       え 駅前パチンコ 1万店減
そ 騒音にも 依存させる効果         よ 4号機 最大払いは MAXで
た タイアップ機で タレントも儲ける     ら 濫発する 違反と規制の癒着
ち 貯玉カードで 再遊技           り リカバリーサポートは 日遊協の手配
つ 続けさせる AR機 CR機 爆裂機    る 累々依存者 320万人はパチスロ
て テラ銭は パチンコ店の運営費       れ 連発 連チャン パチスロ漬け
と 特殊景品で 金の交換所          ろ ロムにある パチンコストーリー
な なにわで始めた 三店方式         わ わからないように 台 シマ まで
に 似せ客 サクラで ボッタクリ       ゐ 1時間で2.4万円* なら 遊技です
ぬ 盗んだ金まで パチンコ依存        う 運より技術と思わせる玉設定
ね 年金* も ナマポ* ニート* も入り浸る    ゑ AKBのイロ、武論尊の暴力
の のめり込み 注意をするも 自己責任    を 老いた人向け? 0.2円パチンコ
                       ん んーと客減らした 出玉制限

*年金:年金生活者のこと            *1分100発×4円×60分=2.4万円
*ナマポ:生活保護受給者のこと         このレベルの提供ならギャンブルではないと
*ニート:親などすねかじり           パチンコ同友会(企業)が宣伝。

いろはカルタ賭博考(8)

き 「聞いて極楽 みて地獄」(江戸)、「義理と褌かかされぬ」(上方)
 他人から聞いた話と自ら見た実態は大違い。義理を欠いては生活できない譬(たと)え。
 宝くじは億円当たって極楽と聞いたが、何時間も並んで宝くじ10枚に1枚300円しか当たらない。「今日あって明日はなし」は昭和17年の句で人の命の儚さをいう。考えればギャンブルは今の損得で明日未来の人生は考えない。未来を考えるなら買う前に「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」になる。
 <競艇で稼げば人類皆兄弟?> <金銭を追う者は他人を見ず>

ゆ 「油断大敵」(江戸)、「幽霊の浜風」(上方)
 気のゆるみ、不注意は大失敗の原因。やつれきり元気のない状態とは、ギャンブルで生活費、給与を失った状態か。賭け事は注意しても失敗するもの、ならば油断大敵どころか、もっと危険で大きな敵。競技場や場外券売場には幽霊のような忘失者がいる。
 <愉快は勝ったときだけ> <夢は万馬券>

め 「目の上の瘤(こぶ)」(江戸)、「盲の垣覗き」(上方)
 目障りで邪魔なもの、博徒には警察と親、妻か。やってみたところで効果はないが覗き、実行してみて納得できる。「盲蛇に怖じず」は物おじしない者は無知な者、または知らないことがよいとの両義がある。盲は差別語だが、ギャンブル依存症は見えているに文盲ならぬ「判断盲」というべきか。
 <目でも判らぬ予想と欲> <冥途の賭支度>

み 「身から出た錆」(江戸)、「身は身で通る(裸ん坊)」(上方)
 自らの悪行で禍を招き苦しむ。バクチで金を失い、犯罪や破局、自殺まで。「身は身で通る」は人の身の程に応じて生きる、自分本位に暮らすものというが、虚無感と身分、貧富、教育の差を考えていない。博打打ちは生まれながらではない。育ち、教育の結果である。「水は方円の器に従う」は環境で人は変わる、「三つ子の魂百まで」は人は変わらないことをいうが、ギャンブルはその器(システム)に従うものだろう。
 <三つ子にバクチはいらぬ> <身を滅ぼす射幸心>

し 「知らぬが仏」(江戸)、「吝(しわ)ん坊の柿の種」(上方)
 事実、真相を知らなければ穏やかでいられること。吝ん坊(ケチな人)は値打ちのない柿の種まで惜しむこと。 だが、ギャンブルの詐欺的しくみや依存症の恐ろしさは知らぬが仏だ。「死して後やむ」は生命ある限り続ける趣旨。太平洋戦争中、「大波で傾き沈みゆく船中で奮闘中」というカルタがあるが、ギャンブル依存は死して後やむと言えば世の非難を受けるだろうか。
 <地獄万、天国一の確率> <幸せに賭けいらず> <自殺者出すカジノ>

ギャンブルNEWSピックup (2018.5.24~7.4)

2018.5.24  ニューズウィーク  深刻化する「ギャンブル依存症」問題に英政府さえ動いた
5.25  上毛  麻雀、パチンコ、カード…「カジノ」で認知症防げ 介護施設で県内初 富岡
5.31  NHK  カジノ「投資呼び込む」「公益性と相反」専門家が賛否の意見
6.1   朝日  カジノ法案、6日にも委員会採決の構え 野党反発
赤旗  カジノ法案 負の影響検討必要 衆院委 参考人に塩川氏質疑
6.2   赤旗  国民はカジノ認めぬ 米国が法案要求 塩川議員、首相に撤回迫る
    赤旗  民意聞き徹底審議を カジノ法案 4野党・1会派が会見
神奈川  カジノ、横浜誘致念頭に賛否 県内与野党3氏が論戦
6.3   産経  カジノ法案反対を表明 国民民主幹部
赤旗  カジノ法案 依存・多重債務に導く 塩川氏、事業者の金貸し批判 衆院内閣委
ブロゴス  世界最悪規制のカジノ依存症対策  田中紀子
6.4  北海道放送  苫小牧市にカジノ反対署名提出
赤旗  カジノ面積規制緩和 海外事業者が要求 塩川氏追及
上毛  ≪闘論≫カジノ法案 雇用や経済効果期待/ギャンブル依存懸念
6.5  朝日  カジノの客、日本人ばかり? 試算バラバラ、見えぬ効果  小寺陽一郎
    産経  カジノ先行で依存症表面化 韓国・江原ランドの蹉跌
    河北  <統合型リゾート>「採算取れぬ」宮城知事は否定的
    日本司法書士会連合会 「特定複合観光施設区域整備法案の廃案を求める会長声明」発表
6.6  NHK  野党、IR法案は審議不十分 採決認められず
赤旗  カジノ解禁 今国会成立狙う 安倍政権 異常な執着
  6.7  産経  IR法案、8日の委員会採決決まらず
      朝日  カジノ、審議大詰め 依存・刑法との整合性、乏しい議論
      時事  国民・泉氏、カジノ法案「賛成できぬ」=希望は自主投票
      日経BIZ  米カジノ大手「本業以外も日本進出」で賭ける
      野党5会派 カジノを含むIR整備法案審議に当たっての「再」要求事項提出
  6.8  MBS  IR法案の裁決延期 和歌山では現地説明会に49社が参加
赤旗  カジノ=賭博合法化は米カジノ資本の要求「徹底審議で廃案に追い込む」志位氏
6.9  朝日  カジノ監督「事業者からも」 国交相が可能性言及 実効性、疑念
赤旗  カジノ法案 規制機関が推進側に 塩川氏追及 金も人も事業者任せ
神奈川  IR整備法案、無所属・本村氏「中身示さず言語道断」
シンポジウム「ヨコハマにカジノはいらない」開催/横浜
  6.10  朝日  社説:カジノ法案 疑問の解消にほど遠い
東京  「IRで誘客は幻想」 横浜でシンポ 整備法案の問題指摘
      赤旗  根本問題噴出するカジノ実施法案 徹底審議し廃案に
  6.12  NHK  IR法案「賛成」16%、「反対」38% NHK世論調査
      時事  カジノ法案、13日採決=野党、委員長解任案で対抗
      カジノ反対協 カジノ実施法案の採決強行に反対する院内緊急集会開催、反対声明発表
  6.13  NHK  「カジノ」法案 今週中に衆院通過 今国会で成立 自公が確認
      赤旗  「カジノ」審議打ち切り 4野党1会派 厳しく抗議 衆院内閣委
      パリBIE総会で大阪万博の第三回プレゼン 世耕大臣240億円ばら撒きスピーチ
  6.14  赤旗  カジノ法案採決強行反対 5野党1会派が国対委員長会談 徹底審議要求で一致
      赤旗  カジノ法案 賭博貸金は公序良俗違反 議連と法務省(11年)違法性めぐり調整
      NHK  IR法案めぐり 衆院内閣委員長の解任決議案が否決
      NHK  IR法案 野党 国交相の不信任案提出 会期末控え与野党攻防続く
  6.15  <当会 会報第67号発行>
      朝日  カジノ法案の採決を強行 与党など、衆院内閣委で
      東京  カジノは誰のため?訪日客「私は行かない」7~8割が日本人客の試算
6.16  シンポジウム「カジノ万博で経済振興というファンタジー」開催/大阪阿倍野
    赤旗  カジノ実施法案 衆院審議で浮かび上がる消えぬ違法性 ゆるむ「規制」策
    赤旗  公序良俗違反のカジノ貸金 法務省が“お墨付き”議連への回答文書判明
6.17  赤旗  カジノ候補地 “計画いいかげん”大門・辰巳議員ら視察/大阪夢洲
  6.18  「6・18カジノあかん市民集会」開催/大阪豊中
      朝日  ゲーム依存は精神疾患 WHO
赤旗  市民「カジノいらない」北海道苫小牧 大門議員が講演
      JICL  カジノ解禁実施法案の問題点 吉田哲也弁護士
  6.19  朝日  カジノ実施法案、衆院を通過 国会会期延長へ
      日弁連  特定複合観光施設区域整備法案に改めて反対し、廃案を求める会長声明発表
  6.20  朝日  大阪・松井知事、IR事業者と接触時の職員の内視強化
      毎日  カジノ大手「大阪詣で」 法案衆院通過 投資額1兆円規模も
      毎日  カジノ法案331項目未定「国会軽視」 野党批判 審議経ず衆院通過
      東京弁護士会  特定複合観光施設区域整備法案に反対し、廃案を求める会長声明発表
  6.21  京都弁護士会  同
      時事  延長国会、カジノ突出を懸念=「生活重視」アピールに躍起―与党
      FNN  違法カジノ摘発の一部始終 従業員ら28人逮捕
      ローカルNN  北堀江に「カジノ学院」開校1年で生徒増加 主婦や60歳超の男性も/大阪
      神奈川  カジノ分析は法案成立後 林横浜市長、早期の誘致判断せず
  6.22  佐賀  カジノ法案、依存症対策を練り直せ
      ダイヤモンド  「生活保護でパチンコ」と日本版カジノはどちらが税金のムダ遣いか
      デイリー新潮  トランプ米朝会談に安倍総理の切り札は「カジノ法案」
      HTB  道議会で高橋知事 カジノ法案に言及 成立後スピード検討
  6.24  産経  カジノ法案NHK番組で討論 希望・行田氏「パチンコと正面から向き合うべき」
赤旗  主張 カジノ実施法案 無益で危険なたくらみやめよ
  6.26  赤旗  カジノに公益性なし巨額の利益海外事業者に 賭博の違法性拭えず 参院予算委
  6.28  毎日  カジノ依存どう防ぐ 無責任な「万全の対策」
      税理士.com  カジノ勝ち金めぐり、国税庁幹部が注目見解「一時所得として課税」
  6.30  時事  終盤国会、「カジノ」「定数6増」焦点に=野党、内閣不信任で揺さぶり
  7.1  デイリー新潮  カジノ法案成立を待つ「8候補地」本命と大穴は
      HBC  道内4カ所目に? 当別町がIR誘致検討
  7.2  日テレ  客にバカラさせる カジノ賭博店店長ら逮捕/横浜市
  7.3  JNN  ギャンブル依存対策、参院で議論開始
      立憲・希望「ギャンブル依存症対策基本法」案参院提出
  7.4  赤旗  参院内閣委 依存症対策法で参考人意見 山口美和子(いちょうの会)、樋口進久里浜センター院長、RCPG西村直之代表理事

◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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 会員内外から「大阪夢洲カジノやその準備の夢洲万博を止めさせる法的な手続きはないのか」「やるなら参加する」との声が寄せられています(現在大阪府内5名)。
本件の場合、大阪府・市への住民監査や住民訴訟の参加には、大阪府又は大阪市の住民・法人であることが要件となりますが、会員を問わずこの点ご意見をお寄せください。


posted by inoue at 13:47| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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