2018年04月21日

なくそう!ギャンブル被害 会報第65号


【目次】カジノ法案の闇/カジノ実施法はギャンブル依存症者を生み収奪する/ギャンブルオンブズの眼③仮想通貨(ビットコイン(BTC)等)のギャンブル性、④リニア中央新幹線事業のギャンブル性/投稿:2025年万博の嘘と無駄、ギャンブル戦争と犠牲者/公営競技投票券の種類/コラム:ギャンブルの「どん底名人」、キタサンブラック、競馬予想とパチンコの天穴/いろはカルタ賭博考(5)/ギャンブルアラカルト~カジノのギャンブルゲーム早わかり/NEWSピックup/事務局だより


カジノ法案の闇

〇 カジノ(IR)実施法が成立に向けて動き出した。昨年の解散衆院選で先延ばしとなっていたが、今月中に提案されそうだ。4月3日、自民・公明は全国2~3ヶ所でスタートさせることを合意した。先の衆院選でIR議連(カジノ議連)の有力議員の引退もあったがその勢いは依然強い。
民進党にはかつては賛否両議員がいたが、立憲民主党は反対が強い。公明党には賛否両派がいる。維新は夢洲カジノへの傾注からIRの具体化をめぐる動きが強力だ。
〇 このカジノ実施法で、意外にも与党内でも意見の分かれる問題がある。
 その第1は、IR実施法でカジノ特区誘致をめぐる特区IRの“つばぜり合い”だ。大都市圏では大阪夢洲が府市連合で強力だが、名古屋中部国際空港の常滑市や北海道苫小牧市、九州長崎など、全国2~3ヶ所で出発しようというIR特区制限の下での先奪をめぐる争いがある。その争いは自民党へすり寄る日本維新の会と自民公明与党の大阪府下での地方選挙区の綱引きにもかかわっている。かつての本命東京お台場に代わり、横浜市は県を含めて首長、議員、地元業界の綱引きでぎくしゃくしている。
その第2は、政府の有識者会議のギャンブル依存症等の対策の導入だ。日本国民の入場者対策として入場料6000円、1週間に3回まで・4週間に10回までなどの回数制限と、マイナンバーカード提示の義務付け案があるが、これらはカジノ業者にとってみればその収益に大きくかかわる。
その第3は、IRの規模(面積)、特にカジノ面積をめぐる争いである。カジノ区域面積を15000㎡以下、IR全体で3%以下という案は、誘致自治体や事業者から反対の声がある。
こうした規制次第で客が集まらずIRの収益が危ぶまれる故に、IRの具体的規制は政令等に委ねて先送りしたり、IR実施法だけは成立させるという裏技もある。
〇 そもそもカジノをリゾートの中に「隠す」のがIRカジノである。カジノではおよそ公共投資など考えられないが、MICEを加えて公金投入を合理化する。これらは全て民営賭博開帳のカジノを日本に導入するための闇の手段なのである。


カジノ実施法はギャンブル依存症者を生み収奪する
1.安倍内閣は、カジノ実施法(統合型リゾート法)におけるカジノについて、4月3日の自民・公明与党の最終合意を受け、法案を提出する予定。創価学会と公明にある強い抵抗を自民が押し切った格好。公明にもいるIR議連など推進勢力と「金と利権」攻勢が効いた形だ。
  カジノの自公合意点は次のとおり。(  )内は本紙解説。
(1)カジノ施設:当初2~3か所、7年後見直し。 (増設含み、全国10カ所以上に?!)
(2)カジノ面積:リゾート内全施設の総床面積の3%。(抜け道あり)
(3)入場規制:①日本国内人入場料6000円、外国人客は0円 (シンガポールでは国内人8000円)
        ②本人確認 マイナンバーカード提示 (銀行のようにコピー記録はとらず)
        ③入場回数制限 連続する7日間に3回、連続する28日間に10回
(本当に記録するの? これは既に依存症、賭け額は自由放題)
(4)カジノ税:カジノ収入(客の負け金額)の30%
(ギャンブルの胴元が収奪したカジノ客の金の3割ということ)

2.この実施法の絶対的な悪は次の5点である。
(1)カジノ事業が射幸心・ゲーム志向を利用して確実に詐欺的に奪う収奪(略奪的ギャンブリング)であること。自制心、反省、抑制がない。
(これは賭博開帳という「ヤクザ事業」を政府が推奨し、その分け前をセットするもの)
(2)カジノ事業が消費者の権利(安全である権利、選ぶ権利、知る権利、知らされる権利)を害していること。(以上(1)(2)については会報64号6~7頁参照)
(3)ギャンブル依存症(ギャンブル障害)を生むことに対し反省がない。むしろ客の側に責任を転嫁して被害予防と救済が十分でないこと。
(4)カジノにおける投入マネーの出処、移動が捕捉されず、脱税やマネーローンダリングへの対応がないこと。
(5)カジノが生む社会の損失は莫大で、政府の負のコストでさえカジノ税収を上回ること。
(負のコストは知らん顔)

 なお、(3)のギャンブル依存症について、カジノ実施法とは別に「ギャンブル等依存症対策基本法案」が別途提案されている。政府の依存症対策も基本的に誤っているのである。
(この点の論考は、会報48号7頁、51号5頁、52号1~4頁、53号1~2頁、61号1~3頁、63号2~4頁、64号6~7頁を参照してください。)


ギャンブルオンブズの眼③  
仮想通貨(ビットコイン(BTC)等)のギャンブル性

 インターネットで取引される仮想通貨はビットコインが有名だが、それ以外にも多くの仮想通貨が生まれている。インターネット上の取引で現物通貨と交換される。ブロックチェーンと呼ばれる取引記録の公開と参加者のチェックで偽造や二重払いなどから守られる。暗号技術がこの暗号通貨を成立させている。国境を越えて自由に取引でき、電子商取引を拡大させる可能性があるも、利用者保護制度はなく匿名性から犯罪の温床となる危険もある。
 2017年8月にビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュ(BCC)が生まれた。日本語では仮想通貨という表現になっているが、法定通貨(円、ドル等)でなく資産の一種と位置付けられ、世界に800種もある。日本には取引所が約10社あり、飲食店や小売店でも使えるところがあるが想定外の問題も生じている。
 ビットコインの相場は日本の国内取引所で、2017年11月26日には1BT(単位)100万円台だったものが2018年には1BT200万円を超える状態にまで高騰した。ギャンブル度が高く、購入時に消費税不要の「資産」となるも安心できるものではない。
 この点、今テレビなどで仮想通貨への誘いともいえるCMが流されているが、その利用の注意(危険性、リスクなど)はほとんどなく、1~2秒文字テロップを流すのみ。これで注意(警告)告示はしたというなら完全なペテンである。
 仮想通貨が支払手段(決済手段に使える財産的価値)として認められたのは、改正資金決済法(2016年5月成立、2017年4月施行)によるもので「仮想通貨法」とも呼ばれている。
 結論を言えば、債権債務の決済手段として安定できず不安定で、投機的な資産と評価できるものを、あえて市民が誤解する“コイン”とか“通貨”と呼んでいるだけのものである。


ギャンブルオンブズの眼④   
リニア中央新幹線事業のギャンブル性

 JR東海が事業主体の「リニア中央新幹線」は、2027年に東京品川~名古屋の開通、2045年新大阪駅までの延伸を計画する。品川~名古屋区間の実に86%にあたる246kmがトンネルとなる。このトンネル工事による膨大な排出残土や水枯れ・異常出水などの環境破壊問題の他、地震発生時のリスクは営業走行が始まればなお甚大である。また、走行による騒音・振動等公害や電磁波公害など、様々な環境問題がある。現在の新幹線の2倍の速度として約500km/hでトンネルを抜ける乗客の時間等メリットの程度に比し、その安全性が問われ、莫大な建設コスト、原発大型機一基分の電力消費というデメリットがある。それこそハイリスクの投資どころか“投機”といわれている。
 2016年、政府はJR東海に対し、前倒し開業に向けてさらに3兆円を貸し付けた。このダブダブの「ギャンブル」事業の建設工事をめぐっては、全線レベルの受注において大手ゼネコンの不正入札(談合)が立件されている。リニア事業は、かねて計画段階から差止訴訟も起こるなどしているが、IR東海は建設を突き進めている。しかし、現在不安視される新幹線より安全という証明はない。
 このリニア開通は単に東海地区の交通手段が増えるというにとどまらず、人々の流れに大きく影響するようだ。例えば神奈川県相模原市民が海外渡航する場合、東京に出て乗り換えて成田空港を目指すより、中部国際空港の方が早くなる。空港をはじめ航空業界をも巻き込んだ変化もあるという。また、名古屋~新大阪間のルートは未定の部分もあり、沿線自治体の首長による綱引きが続いている。このリニア事業には多種多様な利権が複雑に絡んでいる。


投稿       
2025年万博の嘘と無駄    K.Y

 今、大阪府・市はこぞって、大阪の埋立中の夢洲に国際博(万博)を誘致しようと莫大な公費を使って運動しています。それは半世紀以上前の1970年大阪万博と同じように成功するからというものです。
 しかし、そのような宣伝には多くの嘘と市民のお金の無駄使いであることがわかっています。
 第1に、万博への妄想を煽っていることです。
万博を19世紀以来の産業・技術・商品の発明、発展の「きっかけ」をいいますが、欧米の植民地博や先進工業国の技術博のように、モノを1ヶ所に集め展示するという時代ではありません。今は先進工業国はもとより新興国も多く、新しい技術は日本の他の地域でも世界中で同時進行し、スマホ一つで世界中に普及されます。(このような工業技術・商品の売買がまだ少ないのはアフリカや南米、さらには他の立候補地である中央アジアの地域です。)
第2に、大阪府市は夢洲という地震・津波・高潮等の危険地を日本の適地と称し、副題に「大阪・関西へ」と付けていますが大阪のゴミの埋立地は関西全体からみても適地ではありません。
国内ではかつては横浜万博が候補地となりましたし、国を挙げて万博の名の下に経済振興を図るなら北海道、九州、東北など適地が他にあります。大阪府市の維新首長と関西の一部財界は、五輪を控えた東京に対抗して大阪都や大阪企業経済の振興を理由にしたいだけです。
第3は、夢洲万博へのこだわりの裏には、夢洲IRカジノ構想が先行し、その誘致の先行投資が隠されています。博覧会国際事務局への申請のために夢洲万博を国に承認してもらう際に、表向きにはIR計画を一切出さないことを政府、府市、大阪財界で申し合わせたカジノ隠しです。しかし、大阪府市長はIRカジノ実施法の早期実現に動き、万博前の2023年開業を進めているのです。


投稿          
ギャンブル戦争と犠牲者      磯野 彰子

1.NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」(初回放送2017.8.15)は、大東亜戦争最大級の7万24人の死傷者を出した1944年インパール作戦の無謀さを教えていました。
番組最後には牟田口中将の部下斉藤元少尉の日記の記録と証言がありました。「上層部の(人の生命を単なる道具としかみない)事実を知った」という悲嘆の声でした。東条大将を長とする大本営の決定と実行。その計画の中止や撤退を求める現地幹部の声さえ無視された事実。その決定強行により日本軍、軍属7万人以上を死傷させたことに、東条、杉山から牟田口氏までの中枢者らは、戦後も反省や謝罪を述べないどころか正当化する言葉には怒りさえ覚えます。
  
2.私は、このテレビを見て公認ギャンブルの被害や特区カジノ導入での政府・与党の責任を連想しました。
ギャンブルからの税や収益金を得て国民の福祉に役立てるというのが、導入の「正当化論」です。戦争に早く勝つことで自らの考える「平和」を実現するという軍事論があるようですが、それと似た考えではないかと思いました。
  今、公営ギャンブルやIRカジノ、さらにはパチンコ・パチスロも特別税をとることで正面から肯定しようと考える政治勢力と国・地方自治体の政治家は、ギャンブル推進の下でギャンブル依存という犠牲者についてどこまで考えているのでしょうか。
  政府の財政収入という大義のためには少々の犠牲はやむを得ない、ギャンブル依存問題は政府の増収作戦の前では「やむを得ない不都合」であり、徴兵のような犠牲でなく、いわば有償志願者の「承諾した結果」と同様のものというのでしょうか。
  そして、公営公認ギャンブルはむしろ正義の実現のためであって、公営公認ギャンブルによる依存症等の被害は「許された危険」というのでしょうか。

3.表向き戦争を肯定する人はいません。しかし、防衛などと言いつつ戦力保持を正当化する人は多くいます。ですが戦争のほとんどは、権力者の支配権の争いが中心で起こります。
ギャンブルの「悪」を「収益」が正当化することはできません。現代日本でギャンブル収益は税の軽減にも役立たず、今や「貧しい自治体」の一燈にもなっていないのです。
推計320万人ともいわれるギャンブル依存者は第二次大戦の日本人死者レベルの莫大な数字であり、その犠牲者を生み捨てているのは<略奪的なギャンブル>であり<侵略戦争>ともいえる暴挙ではないでしょうか。


公営競技投票券の種類
 競馬・競輪・競艇・オートレースなど公営競技の投票券には様々な種類があります(100円~)。今回は競艇と競輪を例に紹介し説明します。これら券種・賭け方の用語の意味など基本的なところは公営競技全般に共通します。

1.競艇/勝舟投票券(舟券)
レースは6艇で競われます。その6艇の中から次の7種類の賭け方で予想します。
種 類 予 想 的中率
単勝式 1着を当てる 6分の1
複勝式 1着又は2着を当てる 6分の2
2連勝単式 1着2着を着順通り当てる 30分の1
2連勝複式 1着2着を着順に関係なく当てる 15分の1
拡大2連勝複式 1~3着のうち2艇を着順に関係なく当てる 15分の3
3連勝単式 1~3着を着順通り当てる 120分の1
3連勝複式 1~3着を着順に関係なく当てる 20分の1
  ちなみに、こうして購入した券が当たればどのくらいの配当になるのかを数値化したものを「オッズ」といいます。賭けた金が何倍になるのか、その配当倍率を示したものです。

2.競輪/勝者投票券(車券)
  レースは基本的に9人(車)で競われます。例外的にガールズ競輪とミッドナイト競輪は7人です。以下、9人でのレースを例に説明します。
  競輪では、車番別に着るユニフォームの色が固定されています。混戦になっても見分けられるようにとの意図です。
枠 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠
車番 1 2 3 4 5 6 7 8 9
色 白 黒 赤 青 黄 緑 橙 桃 紫
  車券の種類は7種類です。
種 類 予 想 的中率
2車単(車番2連勝単式) 1着2着の車番を着順通り当てる 72分の1
2連複(車番2連勝複式) 1着2着の車番を着順に関係なく当てる 36分の1
2枠単(枠番2連勝単式) 1着2着の枠番を着順通り当てる 33分の1
2枠複(枠番2連勝複式) 1着2着の枠番を着順に関係なく当てる 18分の1
3連単(車番3連勝単式) 1~3着の車番を着順通りに当てる 504分の1
3連複(車番3連勝複式) 1~3着の車番を着順に関係なく当てる 84分の1
ワイド(拡大2連勝複式) 1~3着のうち2車を着順に関係なく当てる 36分の3


コラム           
ギャンブルの「どん底名人」

1.囲碁界で名人にもなった依田紀基さん(52歳)が『どん底名人』という自伝を出版された。そこには囲碁で高収入を得る一方で、麻雀やカジノのバカラ等にのめり込んで家庭を崩壊させた半生が書かれている。(KADOKAWA 2017.11.10発行 1500円+税)
  氏は、十段、碁聖、名人を獲得したので一流棋士「名人」といってよいだろう。囲碁界では29~37歳までが全盛期、その前は18歳のころから歌舞伎町に入り浸り、バクチ、酒、女に「狂う」ようになっていた。韓国カジノのバカラ(ウォーカーヒル)から日本の闇カジノにパチンコ感覚で通うほどのギャンブル中毒患者だったという。仕手株にも手を出し、4000万円超の損失を出して借金を生んだ。そして、家庭を破局させたという。
  実は、囲碁も単なる勝負事のゲームでなく、金や地位を賭けた争いなのだ。プロの囲碁界は億単位の金を獲得する世界。トップ勝者には賞金という収入が入る。だから金を賭けたギャンブルに近い。株・先物の相場師はギャンブラーである。囲碁の賞金をカジノで使えばギャンブラーである。
  囲碁界では他にも藤原秀行九段も競輪などギャンブル依存で有名だった。依田氏は仲間でも少額の賭け碁をしていたという。
2.現在、ゲームからスポーツ界まで入場チケット料、参加視聴料、広告料などから莫大な賞金が集められて、「選手」はその金を目標に努力している。五輪メダルもその後に莫大な広告、賞金、スポンサー収入があるので、プロスポーツ界にはギャンブルの影がついてまわる。
昔から麻雀というゲームはギャンブルでないものはほとんどない。大企業の経営者や政治家もゴルフなどで賭けている人が多いのは常識である。小口の賭け(本人の資力に比して)で社会的に問題にならなければ騒がれずに済むだけである。
依田さんは過去を清算するつもりでこの書を出版されたのであり、GA(ギャンブルアノニマス)などに依らず自力でギャンブル依存を克服されようとしたものといえる。


キタサンブラック
 2017年12月24日、第62回有馬記念グランプリが中山競馬場で開催された。1枠2番出走のキタサンブラックが1着で勝利した。キタサンブラックは5歳の牡馬で、その名のとおり北島三郎の持ち馬として一般に知られているが、実は大野商事という会社の所有である。北島三郎が馬主稼業で所有するビジネス馬である。
このレースの賞金は3億円で、これまでG1での7勝(有馬、天皇賞3、ジャパンカップ、菊花賞、大阪杯)を含む重賞10勝をし、20戦12勝、獲得賞金総額は18億7684万3千円という。まさに馬主、調教師、騎手(武豊)による大博打だった。ファンが多くの馬券を買い、単勝100円で払戻し190円、3連単(②-③-⑯)でも2万5040円だった。
なお、この日のWIN5(全5レースの1等を予想)は中山9R②/10R③/11R②、阪神9R⑦/10R③となり、的中の払戻金は1597万7850円で40票あったという。
この日の来場者は10万720人、馬券売上441億9957万5700円というから、中央競馬の1日のギャンブルの大きさがわかる。


競馬予想とパチンコの天穴
 『こんなものいらない辞典』(新潮文庫 1990 朝日ジャーナル編)に2つの“無用”が載っている。
 第一は、競馬予想。
その予想記事や出版物について、専門家という各紙の予想は本命・対抗・穴馬の3つに印を付けているが全体的に当たっておらず、その予想に従って馬券を買っていると全員損をさせているとして、予想屋の氏名を記載している。そして「ウソを商売にするのは豊田商事でおしまいにしてほしい」と結んでいる。
 なお、この章には菊池寛の『わが馬券哲学』(1935.5)より、「馬券は・・・大損をせざるを以て念とすべし。・・・馬券買いに於いて勝つこと甚だかたし。・・・馬券買いは道楽也。・・・真に金を儲けんとせば正道の家業を励むに如かず。・・・」の文章が引用されている。
 第二は、パチンコの天穴。
 かつてパチンコ業界が6兆円産業であった時代。パチプロを紹介し、パチンコ機の天穴の「怪」を紹介するもの。パチンコメーカー平和の盛況や11月14日「パチンコの日」の出玉を多くするように組合が通達を出していることなど、出玉調整のあるパチンコギャンブルを紹介する。そして、パチンコホールでの出玉調整を吐露する平和興業の工場長の取材記事が掲載されている。
 実はこれらは元々朝日ジャーナルに連載されていたものをまとめた書籍であるが、この連載も「こんなものいらない」とばかりに突然打ち切られ、朝日ジャーナル誌そのものも1992年5月29日号を最後に廃刊になっている。朝日新聞社は「こんなものいらない」と判断したのだ。
 2020年東京五輪を前に、厚生省やWHOが公共空間や公衆飲食店内での喫煙を「こんなものいらない」と言い出しても、自民党の業界族が「厳しくしすぎるな!」と喫煙制限そのものがいらないと叫ぶのが日本の現状である。
 私たちはパチンコだけでなく「カジノ(IRカジノを含む)なんていらない」と訴えている。


いろはカルタ賭博考(5)
 「無理が通れば道理ひっこむ」(江戸)、「昔とった杵柄」「馬(むま)の耳に風」(上方)
 無法は秩序を乱す。昔習い覚えた腕前を発揮する。しかし、刑法上禁止の賭博開帳や富くじ発売も政府・自治体なら許される。例外としての無理を通して正義がひっこむわけだ。「馬(むまと呼んだ)の耳に風」は「馬耳東風」のこと、「馬の耳に念仏」はその変化。政府は公営競技からカジノまで作るというから、道理でギャンブル依存症まで生むわけだ。パチンコも脱法ギャンブルで無理を通す。
 <無知政治家ほど危険なものはない> <昔の黒収益事業、今は赤?>

 「嘘から出たまこと」(江戸)、「氏より育ち」(上方)
 騙すつもりが本当になる。公営競技は収益事業として嘘で始めたが、客を収奪する事業として定着した。氏(生まれ・血筋)より育ち・環境が大切というが、収奪本位の利権で育てばとても外国人観光客に披露するものではない。「嘘つきは泥棒の始まり」というが、ギャンブルは詐欺の始まりである。「烏合の衆」のカジノ業者に共通しているのは金を漁ることだ。
 <売り言葉は大当たり> <占い師 自ら当たり券買わず>

 「芋の煮えたも御存知なく」(江戸)、「鰯の頭も信心から」(上方)
 世事に疎い上流子弟をからかう。価値なきものも信じる者は有難がるとからかう。カマトトとは蒲鉾が魚でできていることを知っているのに知らないフリをする者からきているが、世にギャンブルとゲームの区別がつかない人は多い。ゲームに金を賭けるのがギャンブルだ。「云わぬが華」「言わぬは言うに勝る」ともいう。
 <一番になるのが選手の狙い> <一番少ない大穴>

 「のど元過ぎれば熱さを忘る」(江戸)、「ノミと言えば才槌」(上方)
 苦しいことも時が経つと忘れてしまう。ノミを求めると槌を出してくれる即応の良さをいう。ギャンブルで負けてもまた手を出してしまう。大工道具の対応でなく、蚤といえば殺虫剤、飲みに行こうといえば居酒屋という。呑み屋とは馬券・車券を買ったように処理するヤミの商売のこと。
 <のるかそるか、一か八か> <呑行為をすれば罰>

 「鬼に金棒」(江戸)、負った子に教えられ浅瀬を渡る」(上方)
 強い者にさらに力や知恵が加わること。年下の者、未熟な者に教えられること。
 鬼は怖い存在で「鬼に法衣」は不釣り合い、不要なこと、「鬼も十八」は年頃で艶やかになること。「奢る者久しからず」は平家物語だが、昭和17年にナチスドイツがパリを占領したという日本カルタは今となっては不思議である。
 <同じ穴のカジノ客> <親の心、博奕打知らず>


~ ギャンブルアラカルト ~
カジノのギャンブルゲーム早わかり

 本紙がギャンブルの種類を紹介しているのは、賭博場・カジノが客の射幸心を煽るために、人は如何にギャンブルゲームを発明してきたかを知るためである。
 ゲームの発明は人の才能ではあるが、それを金儲けに使うヤクザは射幸心と新しい興味を引く工夫をする。ギャンブルは射幸心を刺激することが中心である。しかも、カジノでは勝敗が早くわかるものが必要である。囲碁や将棋など長時間の努力を要するゲームやレースはギャンブルに向かない。

1.ルーレット系(Roulette)数字を割り振ったポケットで区切られた回転盤
(1)フレンチルーレット:0~36まで全37区分、0は親の総取り
(2)アメリカンルーレット(アジアンルーレット、イングリッシュルーレットともいう)
   :0と00の二つがあり36まで、全38区分、0、00は親の総取り
(3)ツインルーレット:0~16までが2カ所ずつ、全34区分 オランダ
(4)ブール(Boule):全18区分 フランス、スペイン、スイス
(5)バントトロア(Vingt Trois):全27ポケット

2.ダイス・サイコロ系(Dice)
(1)クラップス(Craps):2個のダイスでポイント目を作り、予想したり再現させる。
(2)シックボー(Sic bo HiLo):日本では大小という。3つのダイスを使う。
(3)チャカラック(Chuck-a-Luck):ハザードとも呼ぶ。3つのダイスを使う。
(4)バンカランセサ(Banca Francesa):フレンチバンク、3つのダイスの合計を当てる。
(5)スウェディッシュダイス(Swedish Dice):High Jackとも。2つのダイスの合計を当てる。
(6)大小:マカオのサイコロ賭博とルーレットを合わせたもの。

3.カード系(Card)
(1)バカラ(Baccarat)
  ①プント・バンコ(Punt Banco,Ponty Banca):アメリカン・バカラといわれる。
  ②バカラバンク(Baccarat en Bangue):ダブルテーブルのバカラ
  ③ミニバカラ(Mini Baccarat):ミディバカラ(Midi Baccarat)ともいう。
  ④シュマンドフェール(Chemin de Fer(仏)、Chemmy(英)):プレイヤーが順にバンカーになる。
  ⑤トラントエカラント(Trente et Quarante 30/40):点数が31に近いかどうか、黒か赤か。
  ⑥ブラックジャック(Black Jack 21Vingt-un):21以下のより21に近い得点数を競う。
  ⑦レッドドッグ(Red Dog):まずカード2枚が配られ、その各数字の間に3枚目が収まれば勝ち。
  ⑧ポーカー(Poker):プレイヤー達は5枚の手札で役をつくり強さを競う。相手の得点の可能性を計算し賭け金をせり上げ、最後に残った者の勝者が全賭金を得る。
   ドローポーカー/ファイブスタッド/セブンスタッド/オハマ/バイナップル/ローボールテキサスホールデム/カリビアンスタッドポーカー/ホールデム/パイゴウ などがある。
  ⑨レットイットライド(Let it Ride)
(2)パイゴウポーカー(Pai Gow Poker):中国の牌九ゲームとポーカーの合体したゲーム。
(3)カローキ(Kalooki):ラミィ(Rummy)のバリエーション。
(4)パン(Pan、Panguingue):ラミィのバリエーション。

4.チケット系
(1)キノ(KENO):1~80まで番号が記載されたキノチケットを買い、1~20個まで任意で番号を選びマーキングしておく。主催者が20個の当選番号を抽選し、いくつ該当したかで配当。
(2)ビンゴ(BINGO):5×5のマスにランダムに数字がふられたシートを貰い、抽選番号で縦・横・斜めいずれか1列揃えば賞品がもらえる。



ギャンブルNEWSピックup (2018.2.15~3.22)

2018.2.15  毎日  IR推進協議会 ハウステンボスカジノ 計38社が事業提案(長崎)
  2.16  ニッカン  カジノ「つくったら終わりの始まり」韓国男性を直撃 ピョンチャンルポ
  2.20  道新  カジノ法案 あらためて徹底議論を
2.22  毎日  公明異論「安すぎる」 政府、カジノ入場料2000円案
    〃   IR誘致コンサル決定 府・大阪市、共同企業体に委託(大阪)
赤旗  カジノ標的は日本人 政府案「規制」骨抜き 入場料を格安設定
  2.23  毎日  社説:カジノへの入場料2000円案 これが規制とはあきれる
      NHK  大阪府議会 万博IR推進予算案
  2.24  赤旗  カジノ前提 依存症対策批判 BS番組 辰巳議員が議論
      毎日  <カジノ>管理委員5人を国会同意人事に 強い権限アピール
2.26  「カジノ万博あかん」大阪ネットワークがキューバ、ベネズエラ各大使に申入れ
    産経  南海特急ラピートが万博誘致に一役、ラッピング車両運行 NMB48も応援
2.27  時事  カジノ、4ヶ所以上視野=地方配慮に軌道修正―与党協議で決着へ
    産経  カジノ全国3カ所で認可 政府調整 IR実施法案に盛り込みへ 与党提示へ
    毎日  <ギャンブル依存症>3キロ以内のパチンコ店に注意
    熊本  社説:カジノ入場規制案 まず依存症対策の強化を
2.28  朝日  社説:カジノ法案-依存症対策が先決だ
現代biz  迷走のカジノ法案、いったい何がやりたいのか全くわかりません
    テレ朝  米カジノへ入場規制検討 業者は投資額減らすと牽制
     〃   自民「もっと増やすべき」カジノ認定地域数を先送り
    神奈川  米IR運営大手 横浜市の動向を「注視」
    京都   社説:カジノ実施法案 慎重な議論が不可欠だ
    Abeam  大王製紙元会長の井川意高氏、政府のギャンブル依存症対策に「まったくピントがずれている」
    マカオ  マカオカジノIR運営大手GEGが17年通期業績発表…増収総益=日本進出に積極的な取組みも
    毎日  パチンコ依存 距離比例 慶大など調査 自宅からパチンコ店1.5キロ以内3%増
    〃   <カジノ法案>地元議会承認を要件に 誘致同意を明確化
3.1  産経  カジノ「数」提示せず IR法案政府、拡大要求に配慮
    〃  カジノ具体案迷走 自民部会、積極派VS慎重派割れる
    赤旗  カジノ設置数拡大も 誘致争い激化 自民要求
3.3  紀伊  IR文書非開示で審査請求 和歌山の市民団体
3.5  毎日  万博歓迎PR 事務局調査来日 接待は控えめで
   MBS  【特集】済州島にできた巨大なIR施設 その全貌は?
   Abeam  “カジノ法案”に江田憲司氏「人の不孝を踏み台にして経済成長を図るのか」
3.6  読売  競馬場、依存症なら入れません…患者の写真配布
3.7  毎日  <IR実施法案>施行10年後見直しへ 政府・与党、付則で
3.8  毎日  自民 カジノ入場料値上げ容認意見も IR検討PT会合
3.12  <当会 会報第64号発行>
3.16  中日  浮沈重ねた棋士の半生 自伝『どん底名人』刊行 依田紀基さん
3.20  東京  ギャンブル依存症の疑い 千葉市が初の実態調査 男性7.8% 女性1.2%
3.22  産経BIZ  カジノ法案、厳しい政府規制 面積上限や入場制限、投資抑制懸念
  日弁連  カジノ解禁推進法に関する意見交換会(第9回)開催



事務局だより

第7回総会報告(2018年4月2日 正午~ 平和法律事務所)
〇 2017年度の活動報告と会計報告をし、次期役員はそのまま継続となりました。
カジノ実施法、依存症対策、そして推進派と反対派の活動情勢などについて情報を交換しつつ、当会の活動について話し合いました。
〇 今月中にもカジノ実施法案が国会に出されようとしている中、反対運動の声は日弁連や九弁連など法律家団体や消費者団体から叫ばれ、世論調査でも依然国民の反対声は多いです。しかし、森友・加計の安倍スキャンダルや防衛省や厚労省の情報隠し・情報操作が大手を振っている下で、カジノは毒を食らわば皿までと開き直っているかのようです。
  欧州でのカジノは大衆は入場しにくいものですが、それでもギャンブルへの所得制限や依存症発生への警告・予防、さらには回復施設と治療がかなり用意されています。(土屋会員レポート)
  なのに日本は、パチンコ・パチスロのEGM依存があふれているのに、それをさらに増やすカジノを大々的に展開するというのです。日本でのカジノはターゲットを外国客、主に中国人を考えていたようですが、他に観光の少ないマカオ、ラスベガス、シンガポールとは違って日本は観光地だらけです。わざわざIRホテルに泊まって博奕をする客は期待できないでしょう。
  結局、カジノ業者が狙うのは日本の年寄り金持ちです。宝くじ、公営競技、パチンコ・パチスロが低所得の大衆ギャンブルとすれば、カジノは蓄財者のハイローラー、ヘビーユーザーを狙うものです。
〇 夢洲カジノ万博の誘致活動に反対する有効な活動方法はないでしょうか?皆様のご意見を!






posted by inoue at 13:38| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。