2016年01月29日

うれづく

 中国から「博戯」「博奕」の言葉が渡来するまで、賭博を表す言葉には「すぐ」「てだて」「うつ」「てんごう」「うれづく」などがあったという(『賭博史』宮武外骨)。そのうち「うれづく」は古事記に「宇礼豆玖」として記載されている。
 古事記中巻応神天皇の九、秋山の神と春山の神の記載の中で、兄の秋山の神と弟の春山の神が伊豆志のおとめを妻にすることに成功したら、秋山の神が上衣下衣を脱ぎ、身長ほどの甕いっぱいに酒を造り、山川の産物をやると賭(うれづく)をしたというのである。春山の神は母にくわしく話し、母の協力を得て結婚に成功して子も産んだので成功を報告したが、秋山の神はうれづく(賭け)の物を渡さなかったので母に訴えたところ、春山の神に呪詛させた。すると秋山の神は8年間病気になって死にそうになり、母に許しを乞うたので、母が呪詛を除くと回復した・・・という物語である。
 これは「神うれづく」の言葉の起こりという。
 神代の海幸山幸の物語と似ているところもあるが、女性を妻にすることは現在の賭博の対象とできるのかという見解もあろう。
ただ、賭博(バクチ)は様々で、社会事象の賭けもあった。①戦争の勝敗、②選挙の当落、③相撲の勝負、④犯人の逮捕、⑤病人の死治、⑥出産の男女、⑦事業の成否、⑧禁止の有無、⑨天気の晴雨などである。



posted by inoue at 00:00| Comment(0) | 会報41号 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。