2016年01月29日

最新ギャンブル事情

1.「レジャー白書2015」は日本生産性本部発行のA4版190頁(7000円+税)の本。この本はギャンブルを余暇の娯楽部門に位置付けて各年紹介している。以下、書籍紹介を兼ねてこの白書のデータを紹介し、ギャンブルオンブズの眼でコメントする。
  本書は、娯楽として囲碁将棋などのゲームと同並にしてパチンコ、宝くじ、サッカーくじ(toto)、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースと分類する。人的傾向のデータは全国15~79歳までのサンプル調査をし、有効回収数3325名(男1623、女1702)として統計化している。毎年同様のサンプル調査による推計データである。
  まず、余暇活動の1位から40位までをあげる。宝くじは2013年に10位、2014年に14位で入っている(白書23頁)。
余暇(レジャー)とはスポーツ、趣味・創作、娯楽、観光・行楽、その他の活動を指し、そのうちの娯楽はさらに8つに分類され、その一つとして「ギャンブル」が項目付けされている。この「ギャンブル」記載の項目について視てみよう。以下の表の9~16は、今日堂々となされているギャンブルである。
(1)性・年齢別参加率(2014年)(白書44頁)
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  このデータは3325回答における参加率である。宝くじの参加率33%は、カラオケの参加率33.6%に近く多い。

(2)参加人口の性別・年齢別(2014年)(白書48頁)
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  これによると、パチンコ1150万人、宝くじ3340万人、toto900万人、中央競馬890万人、地方競馬340万人、競輪160万人、競艇230万人、オートレース80万人。宝くじの男女比率は54:46と近いが、その他は男が7~9割を占める。そして高齢者(60~70代)の比率が2割を超えて高い。

(3)参加率・回数・費用(2008~2014年)(白書57頁)
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  これによると、パチンコと競馬への費用額は多い。2008年より2014年の参加率が増加しているのは、toto、競馬、競輪、競艇、オートレースで、宝くじとパチンコは減少している。平均費用額でも宝くじとパチンコは減、その他は微増となっている。
(4)性別参加率の推移(2008~2014年)(白書61頁)  
  パチンコ・宝くじは男女とも減、totoは男で倍増、他は微増となっている。
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(5)参加人口の推移(2008~2014年)(白書65頁)
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  パチンコは1710万人から1150万人、宝くじは4380万人から3340万人へ減り、totoは150万人から300万人、中央競馬は750万人から890万人へというように公営競技参加は増加している。

2.以上のデータやギャンブル事情について以下コメントする。
  白書は、余暇市場を2014年で72.9兆円とする。国民総支出(名目)は同年487.5兆円だから少なくない比率を示す。しかし、ギャンブルを含む娯楽部門が50.2兆円を占め、その中でもパチンコが突出している。白書は、パチンコは減、宝くじは伸び悩み、totoは大きく伸びたとする。

3.パチンコ・パチスロ(パチンコ)は2年連続減となり、1000台以上の大型店により中小店が閉店した。今や上位10社による店舗数シェア率は10%、台数は15%という。「定量制営業」は改変されている。貸玉・貸メダルの消費税対応は1000円当たりの玉・メダルを減らす「個数調整方式」と消費税上乗せ端数で精算する「金額調整方式」があり、前者が主流となったという。
また、パチンコ税は2015年は見送られたが、IR法で再燃可能性がある。そして2014年8月の厚労省研究班による「依存の疑いのある者536万人」という指摘でパチンコ業界はワーキンググループを設置して議論している。

4.公営競技はようやく明るい兆しだという。しかし、競技間の力の差は鮮明で、競馬は伸び、ボートレースは大伸び、競輪は減り、オートレースはさらに減っている。
  中央競馬では、ドバイレースでJRAの馬が勝ったり、馬券の種類ごとの払戻率を変更した。地方競馬も本場・場外売上より、電話・インターネット投票による収入でやっと収益をカバーしている。
競輪は売上減の下、場外や電話投票でやっとカバーしている。競輪場の廃止もあり、43場となった。
競艇は、競輪と異なり回復が続くが、これも場外や電話投票でカバーしている。場外券売場6店オープンや、女子レースなどグレード見直しを続ける。
オートレースは18年連続で売上減少。電話投票はプラスだが、本場・場外共にマイナスとなった。オート発祥の地である船橋オートも廃止となった。
宝くじも売上減となり、様々なくじ(ナンバーズ、ロト、ジャンボもドリーム以外は)で前年を下回った。2014年4月開始したプロ野球パリーグスクラッチをはじめ、様々なくじを発売して客の歓心を買おうとしている。2014年1月からインターネット販売を、ジャパネット銀行、みずほ銀行、楽天の3社で始めた。
スポーツ振興くじ(toto・BIG)は売上増となり、1000億円レベルとなった。これには最高10億円のBIG、ワールドカップや海外サッカーを対象としたtotoが導入されたり、2015年2月からtotoのキャリーオーバー発生時の1等賞金を2億円から5億円に引き上げたりした背景がある。totoは2020年東京五輪・パラリンピックの施設(国立競技場)建設資金とスポーツ団体への助成金の財源として売上拡大を目指す。宝くじ、ジャンボ、ロト、ナンバーくじやBIGは、顧客をほぼ食い合う格好のものになっている。

5.余暇市場のパチンコ・パチスロと公認ギャンブルの市場は、1992年以来2014年まで次のように計算されている。(白書118~119頁)
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  この市場規模は、様々な資料による独自の推計値という。例えば、2015年版よりパチスロは推計方法が変わったのであるが、旧方式では1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2010年以降は20兆円を切り、2013年は18.8兆円としていたが、見直しを行った結果、1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2002~2007年は30兆~34.8兆円、2008年以降下降し2014年は24.5兆円としている。

  公認ギャンブルは売上実数が公表されており、全体で1992年9.6兆円から低下傾向で、2011年5.2兆円、2014年5.5兆円とされる。
  この数字をみれば、脱法ギャンブルであるパチスロは公認ギャンブル全体の5倍近いレベルであり、パチスロメーカーを含めたその市場規模は、2014年の余暇産業全72.9兆円のうち30%以上を占めるという大きなものとなっている。
  ちなみに、2014年の余暇市場のうちスポーツ部門は全体で3.9兆円、趣味・創作は8.2兆円、飲酒部門は18兆円、観光・行楽部門は10.5兆円であるから、パチスロ市場の突出ぶりがわかる。
  なお、パチスロ市場の評価見直しの背景には、総務省統計局の2014年12月19日公表「サービス産業動向調査拡大調査報告書」で示された2012年の遊技場の年間売上高27兆151億7400万円、1円パチンコホールを加えた2012年度年間数値は34.3兆円というデータや、業界のダイコク電機による「DK・sis白書」で示された2012年度推計値24.8兆円というデータがあったからである。このような公的データや新データもあって、レジャー白書は2012年を基準年として25.6兆円という評価をし、1992~2014年までの修正を行った。
  ギャンブル問題を扱う識者・学者はよく、パチスロはかつて約30兆円規模の売上であったが今では18兆円台であるといってきたが、この修正値を元にいえば、かつて2005年には34.8兆円の売上であったが2014年には24.5兆円になったというべきことになる。


posted by inoue at 00:00| Comment(0) | 会報41号 | 更新情報をチェックする
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