2019年10月09日

なくそう!ギャンブル被害 会報第83号

【目次】 ギャンブル政治・カジノ経済は地球を滅ぼす/ギャンブル判例シリーズ(2)ギャンブルの拡大を防止する裁判の可能性/ギャンブルの哲学/コラム:シリーズ「脱税」(2)、「ギャンブル依存」 薬物と酒の乱用で考える。、IRカジノをめぐる政界(政府・自治体)と業界の綱引き、SDGsと夢洲万博、明治初期の博奕への処罰、空襲博奕、くじで金集め…「弾丸切手」/NEWSピックup/事務局だより/ギャンブルオンブズ4コマ漫画

ギャンブル政治・カジノ経済は地球を滅ぼす

〇2019年9月23日、国連気候行動サミットにて、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)はこう演説した。
「私たちは大量絶滅のとば口にある。でも皆さんが口にできることと言えば、お金のことと経済成長は永遠に続くというおとぎ話だ。10年でCO2を半減しても、気温上昇を1.5度以下に抑える確率は50%しかない。そこには有害な大気汚染の上乗せも公平さや気候正義の見方は盛り込まれていない。未来の世代の目は皆さんに注がれている。私たちは、皆さんがこの問題から逃げることを許さない。」
このグレタさんの演説に国連事務総長らは賛同したが、トランプや安倍はコメントできず、小泉環境相は世界の顰蹙を買っている石炭火力発電について「先週大臣になったばかり」と発言し、“中身のない言葉”との批判を受けた。気候変動(温暖化)は待ったなしの問題だ。
〇今、政府や大阪維新が進めるIRカジノは、日本に新たに設けられる賭博だ。ギャンブル依存症を拡げる。「観光」というも客の負け金を収益金とする。そんなカジノ経済で日本を変えるという貧相なものである。
〇上昇し続ける気温と海面は、日本の埋立地を含む“ゼロm地帯”を襲う。大阪の船場、島之内以西や中河内はゼロm地帯だ。夢洲はゴミと土砂で4~5m埋め立てたというが、それとて地盤沈下中であり、地震が来れば崩れてしまう。
 IR議連の事務局長で文科大臣となった萩生田光一や松井一郎大阪市長は、2024年の夢洲カジノオープンしか考えていない。萩生田にはヤミの献金もあったと伝えられる。維新は賭構想だ。カジノに賭けたギャンブル政治は、その弊害を全て未来に責任転嫁する。日本の貯えを市民から奪うことしか考えていない。
 これは上昇し続ける海面を“他人事”とする無責任政治と同じであり、儲けは自分、依存症などは客の自己責任とする卑劣な政治、企業活動である。

ギャンブル判例シリーズ
第2回  ギャンブルの拡大を防止する裁判の可能性

1.現行法上、ギャンブルが自己又は家族の権利、環境を害する場合には、(1)そのギャンブル場の設置(従って、パチンコ店も含む)について人格権や環境上の利益を根拠に差し止めや損害賠償を求める方法(これは一般の民事訴訟)、(2)行政自治体が行財政の支出や負担を伴う場合は、地方自治法上の住民監査請求と住民訴訟の道があります。
  しかし、自分の住む自治体の財政負担が全くないと、(3)行政事件訴訟による行政処分の取消訴訟や無効確認訴訟しかなく、その訴訟の「訴えの適格性=原告適格」が厳しく制限されるため、新しい公設ギャンブル場やパチンコ店の許認可があってもその道は狭いものでした。
2.しかし、(2)の住民監査請求と住民訴訟は、もっと挑戦する余地があります。
  その第一は、現在の公営競技の地方競馬、競輪、モーターボート、オートレースです。これらは、地方自治体の経営・主催ですが、当初の収益目標からも著しく成績が悪く、電話投票やインターネット投票を加えて形式上黒字化しても、実質は赤字です。収益効果よりもギャンブル依存症など弊害の効果が大きいといえます。特に、ギャンブルによる市民収奪とギャンブル依存、租税回避、脱税の弊害は、収益金の公共利用では正当化できないものです。
  まさに、国や地方自治体のギャンブルによる収益金は、刑法で禁ずる賭博の開帳、富くじ販売の収益金そのものであり、税のように正当化はできないものです。
これが今後、住民監査、住民訴訟として挑戦する市民の正当性です。
その第二は、平成26(2014)年の行政手続法改正によって新設された「処分等の求め」の手続です。これは、国民は自分を申請者や名宛人とする処分でなくても、行政に違法があれば適正な権限行使を促し、是正のための処分等を求めることができる(同法36条の3)というものです。これに対し、行政庁は調査しなければならないのです。
この是正処分の要求は、行政の職権の発動を求めるものでもありますが、この発動要求が正当なものであれば調査が義務付けられ、行政訴訟となった時にはその放置も全体としての行政処分の適法性審査の対象となり得ます。
3.このような「住民監査請求」「住民訴訟」「処分等の求め」には全て所定の文書手続が必要です。そのためには情報公開請求が不可欠です。
  情報は、古いものなら公文書館ですが、5~10年程度であれば市と議会の図書館にも残されています。その行政自治体の情報を無料で閲覧し、最小限の文書の写しを実費で入手することができます。また、ギャンブルに限れば自治体の当該収益事業にかかる審議、会計記録が保存されているはずです。
4.もとより、情報開示を制限する処分があれば、その処分の取消しを求める審査請求(行政不服申立)や取消しを求める行政訴訟もできます。これらの手続や裁判の争訟自体が、ギャンブルをめぐる行政処分を公正(公明正大)にさせるものになります。


論壇        ギャンブルの哲学
Z 生  

1.はじめに
 IRカジノにせよ公営ギャンブルにせよ、またパチンコにせよ、これら賭博行為をどう評価するのか。
 賭博は犯罪であり、刑罰で処罰してでも禁ずべきという考えは、日本だけでなくほとんどの国の考え方である。しかし、軽い一時の「遊び」では済まない犯罪賭博はなくならない。そして、現刑法は一時的な娯楽としての賭博なら成人に限り許容するが、実際には見逃されている犯罪が多い。
 また、昔から自国に依拠する産業や観光地もない場所や植民地などという特別の地域では、賭博容認(誘因)国や都市があった。これらの国は、外国客への観光宿、買物、遊び場を提供して収入を得たのである。
 カジノは、外国客の「落し金」は歓迎するも、風紀の乱れや犯罪、暴力組織は「お断り」ということで、そのために最小限のドレスコードを設けるなど入場者チェックが不可欠だった。要するに「金持ち客は大歓迎」「貧乏客はお断り」というものだった。カジノを認め、ギャンブルを認める国や地域にしても、収入源として歓迎はするも、その負の影響は避けたり拒否するという「得手勝手」をしていたことになる。
 では、賭博は何故いけないのか。改めて問う。人の「遊び」「射幸心」はなくならないという者は少なくない。その上、現在の日本では街中にパチンコ屋があふれ、自治体は宝くじやスポーツくじを売っている。そして、政府や自治体が自ら競輪、競馬などを開催している。この下では「闇のギャンブル」だけが何故いけないのだという賭博肯認への認識さえ生まれる。
 政府・自治体が肯認しているギャンブルが、実は悪い“非違行為”だとは思えないという法認識を生み続けているのである。

2.賭博自由論について
  このような意識が形成する下では、なぜ賭博に問題があるのかというと難しい問いに会う。
  ギャンブル、賭博行為も人の自由行為の一つというものだ。自由にさせろ、法で禁止し人の行為を制限することは不法・不当ではないか、人は生まれながらにして自由(であるべき)で他人や社会が介入すべきではない―という命題が成り立つ。
  人は自由であり、自由であるべきとしても他の人の自由を奪う権利までない。共同社会では一定の共存原理からする制限も避け難い。万人が万人の狼というのは自由放任主義社会の冷徹な考えで、共同社会では個体(個人)の自由をそのまま放置できない。結局は、自分が他からされたくないことは自らも他人にはしないという「社会契約」があって共同社会は成立する。小さな家族でも国家社会でもその互契約やルールは必要である。
  そもそも自由を含む人権思想は、国家政府から個人の自由、一定の社会的存立、様々な条件で個人の自由を守るというものであった。しかし、この人権を守るためには、社会は個人に一定の行動の制限や社会負担を求める必要がある。端的にいえば、①犯罪として定める行為の禁止、②社会ルールとして尊重すべき行動の抑制、③期待される社会行動(共助等)、④税負担や共同決定事項への参加が必要であろう。
  結局賭博は、近代自由人権思想の社会においても原則犯罪とされ禁止されているように限定した条件でしか許されない。

3.刑事法上の賭博
  賭博は、何故人の自由権の範囲外として刑法で禁止されるのか。この点、刑法の学者はその根拠として次のように考えている。
  第一は、伝統的であり、現在の最高裁判例につながる考え方である。
賭博は、人の射幸心を育て、教育理念と勤労精神を害し、人が働いて幸せを入手しようという社会の秩序、社会原理を害す。賭博は、健全な勤労心を奪い、悪い教育結果をもたらすというのである。
賭博は偶然の射幸によって富や経済を左右させ、現に健全な社会秩序を乱す結果を生む。これは、社会秩序を害すという考え方である。
第二は、賭博は賭けによって人の重要な財産を奪うことになる。賭けた者は生活資産、資金をも失うことになる。賭けは偶然の結果とはいうも、詐欺により他人の財を奪うのと同様の効果をもたらす。その結果、負けた個人とその者の属する家族や社会に被害を及ぼす。これは個人財産の侵奪の一つのケースとみるもので、財産犯視しているものである。まして、賭博開帳や富くじ発売では互換性がない侵奪となる。
しかし、この第一、第二の考え方は、結局どちらかが誤っているというよりも、これらの弊害をなくし、人の善良な行為を期待するためにやむを得ない考え方といえよう。
かくて、賭博を完全に自由とする国や地域はなく、人的制限、場所(ex.カジノ場)、ゲーム種、そして人的・金額的限界などもあるのが圧倒的普通である。

4.経済学上の賭博
  以上の法哲学的な考え方でなく、人の経済的自由行為(経世済民、経国済民によるモノの移動の自由)から考える。
  人が自由人とし、モノを取引するのは自由であり、例えばりんごと魚を交換し、さらに発展してテレビを金で買うことが自由であるように、賭け行為もわかって賭けているのだから騙している訳でもない限り取引で自由だという考え方がある。
  しかし、経済的な自由な合意や交換というものの表面的、形式的な自由はあっても、当事者の合意形成には全く自由があるといえない。ひどい例だと人の足下をみた暴利もあれば、一方の射幸心などの弱点故に自由な合意で良いといえないものもあり、それは近代社会以降増えることはあっても減ることはない。
  また、当事者のモノや金の自由取引であっても、賭博は経済的に真に自由な取引などなく、一方の当事者が相手より有利な立場から、相手にとって不利益であれ不都合であれ条件を押し付け、相手はこれに従うというシステム下での取引しか現代社会には存しない。
  公営ギャンブルも含めてカジノや闇ギャンブルも、遊びが射幸に負けて結局賭博を開帳したり富くじを販売する者が大儲けとなるシステムにおける行為であり、賭博に自由に参加している者も、この胴元が収奪する条件下での「取引」に参加する「捕らわれの客」なのである。
加えて、取引に伴う第三者や社会への影響(特に弊害)を考えざるを得ないものが多い。
このように経済学的にみて、アダム・スミス氏の自由論にしても、ノーベル賞を得た近代経済学者のサム・エルソン氏にしても、賭博を正当な経済的行為とは言わない。
また、ケインズ氏のように、人が正しい富の生産活動に就ける完全雇用の社会が必要という学者はいても、正常な学者であれば、賭博場をつくり、そこに雇用の場をつくることを正しいとするような者はいない。
国家社会の運営を正しく行い、多くの民が生活できるようにするためには、社会全体の富・財産を増やすための生産社会と労働が必要であって、他人(特に弱者)の富を収奪することになる賭博は否定するしかないのである。

コラム        シリーズ 「脱税」 (2)
 租税回避行為の摘発は、実際の件数・脱税額からしてほんの一部で一桁少ない。大化の改新以来、「隠田」「かくし倉」という“脱税”があり、脱税摘発のため「検地」が行われた。
 「年貢の納め時」とは、これら脱税が見つけられ年貢を納入することから始まった言葉で、今では悪事の発覚や刑に服する意味でも使うようになった。
 現在の脱税は、巧みに税制度をくぐりぬけるマネーローンダリングで行われる。GAFAレベルのビッグ企業は会計専門家を使って実施している。そして、国による税制の差(非課税適用)を利用している。税の非課税軽減国・地域をタックスヘイブンというが、これらを利用した脱税(租税回避)は金持ち、トップの政治家に多い。
特に政治権力者は、金持ちや企業への優遇、責任転嫁を可能とする法制までつくるから悪質である。有名な話では、アドルフ・ヒットラーは税務当局による車への税金の調査から著書『我が闘争』の収入をつきとめられて納税するよう指摘されたため、ついに自分を元首として元首ヘは非課税にする法律をつくって追及を逃れた。
このように税自体が不公正なものが少なくない。

「ギャンブル依存」 薬物と酒の乱用で考える。
〇タバコ、薬、酒類の乱用は、医学的用語でなく、社会的規範から外れているかどうかで判断される。例えば、未成年者のタバコや飲酒はそれ自体が乱用で、成人でも健康を損ねる程度になれば乱用になる。
  この点、「依存」は飲用・摂取の繰り返しで生ずる自己のコントロールの喪失である。しかし本人は、コントロールの喪失をほとんど認めないから、依存状況が認定されないまま重症化する。
〇ギャンブルも乱用されがちである。公営ギャンブルでさえ、参加する者の適格さはチェックされていないし、上限額もチェックしない。
  宝くじやスポーツくじを含む公営ギャンブルにおける未成年者の参加は、本来は酒やたばこ以上の乱用というべきだが、買う側だけの自己責任で済まされ、売る側は客の身分証コピーさえ取っていない。成人映画の入場規制案内のレベルでしかない。
〇現在、ギャンブル依存はようやく、物質依存の薬・アルコール依存と同様に、治療を含む行政上の対策が必要なものと認められるようになった。
このタバコや酒と同様にギャンブルの乱用は再確認され、少なくとも依存者は数百万人に及び拡大しているのである。
  薬物は刑事上の取り締まりが厳しく検挙され、その乱用は社会的規範からの非難も厳しい。酒は飲酒運転もあり、あるいはアルコール障害についてはタバコ同様、国民的健康被害を与えており、乱用への厳しい眼がある。しかも日本人は体質上アルコールに弱いのに、ビールCMのようにドンドン呑めというCMが流されており、アルコール飲用(乱用)で失敗したことのない者を探すのは困難といえる程だ。ギャンブル依存は自己申告がない。
〇では、乱用と依存をどう考えるかであるが、依存状況は明らかに乱用の結果である。依存が生まれるような物質や行動の機会をもたらすことは乱用を招くものとして禁止抑制されるべきである。

IRカジノをめぐる政界(政府・自治体)と業界の綱引き
 今、IRカジノをめぐって一番イライラしているのは、維新の吉村大阪府知事と松井大阪市長と橋下徹であろう。IRカジノ大阪誘致は2010年の橋下構想以来の10年余の狙いであり、この“賭”構想と「都構想」は維新橋下らから一体となって推進された。
 そのため安倍首相の憲法改正案とさえ取引するかのようにしてIR法を要求してきた。そして夢洲に国際博(万博)を誘致して鉄道や道路を整備するお膳立てまでしている。カジノ反対の声は強く、公明党は慎重であったため、維新も選挙争点とすることを避け続けてきた。
 そして、IRカジノの具体化を少しずつでも進めようと、2019年内にもIR業者を決め、2024年(万博前)にもIRカジノをオープンさせたいという維新構想を出したが、今や時間的に難しくなっている。
 日本のIRカジノの大本命地は東京湾だった。東京都知事はIR推進の石原、猪瀬、舛添、そして小池と変わっても、湾内でのIR構想はなくなっていない。今、東京は2020年オリンピックに係り切りであり、都民や周辺自治体の協力がいるのに、その最中に異論・反対の多い東京湾IRへの立候補の手は上げにくい。だから、全ては2020年オリンピックの成功後に、その既設建物も利用したIR計画を打ち出すだろう。もし、IRの特区選定が2021年以降になれば、東京湾は特区3枠の一つとなるに十分である。東京の政財界は日本を動かす。そうなれば横浜は、大阪カジノに続いて神戸カジノをいうようなもので、霞んでしまう。そこが2019年8月、林横浜市長が名乗りを上げた理由だ。
 現在、北海道と苫小牧市、そして長崎県と長崎周辺市は、失敗したリゾート地の活用に熱心である。和歌山でもカジノを誘致すべく、フランスのIR業者にまで現地事務所を開かせている。大阪夢洲カジノでは、複数の業者が現地事務所を開いており、ラスベガスサンズが抜けても(横浜IRへの鞍替えを表明)、MGMなど次なる本命が待ち構えている。
 北海島・苫小牧の行政当局の熱は高く、国内3地区では足りないので枠拡大をとIR議連が言い出すかもしれない。愛知(名古屋)や北九州は、突出首長や産業界から声が上がっているが、最初の3特区ではなく、その次の機会を狙っているともいえる。なお、静岡県は今回は誘致をやめたと発表した。3ヶ所の競争に勝てないと見たからだ。
 このようなIRカジノ誘致の綱引きを見てみると、そこには国民や市民、そして将来の国民生活のあり方の深慮はない。日本を観光産業国にしていこうとする政治家とIR資本家らの共謀しかない。確実な儲けを狙う企業と、それに群がる政治家の思惑が透けている。金儲けのためなら賭博も厭わないという政業癒着があり、業者は“一番いい地域と席”を取りたいという争いがそこにある。

SDGsと夢洲万博・夢洲カジノ
 夢洲万博や夢洲カジノは、SDGs(持続可能な開発目標)に全く反し、むしろ敵対している。
 夢洲で計画中の万博とIRカジノは、①夢洲自体の地区整備、②鉄道、道路、橋、トンネルの交通整備、③企画運営の整備とIR収益年4800億円のうち約80%の3800億円をカジノ収益で得ようとするものである。
  半年の万博のために府市は、これからも想像を超える海洋埋立費用と会場建設費(地上建物)に800億円以上を投資する。会場施設は半年後には取り壊す。カジノIRのためにも設備投資をするとも言っているが、そんなものは使い物にならない。 
  その万博への出展のために政府は、発展途上国の出展費として240億円(小国100国に対し1国あたり2.4億円)を投入するという。
  しかし、これは万博に参加、展示するための費用等であり、そのお金がSDGsとしてその国に貢献する訳でない。例えば、出展小国の幹部ら(来日VIP客)の参加渡航費になる。
  すなわち、万博に伴う日本の海外向けの活動は、万博に参加できるVIPらのためである。
  仮に、高い渡航費を支払って夢洲万博に来て展示を見た小国のVIPの人々がSDGsにどれだけ目覚めて行動するだろうか。もしSDGsに知識があり、その目標に貢献したいならば、夢洲万博参加を止めるだろう。日本の浪費型観光産業本位、経済本位の利益のための万博に参加することは有害無益である。またその開発途上国において優先すべき目標が多々あり、万博という企業本位の宣伝の場には行く必要が全くないことを知るだろう。夢洲万博はSDGsに背反する。

明治初期の博奕への処罰
 明治元(1868)年以降の刑罰法令は、明治3(1870)年の「新律綱領」、明治6(1873)年の太政官府布告の「改定律例」まで江戸時代の刑罰を踏襲していた。明治政府は「王権復古で・・・改めるべきであるが、春以来軍事あわただしく、国事多忙なのでまだ改正の暇がなく、とりあえずは新律御布告までは故幕府へお委ねの刑罰にする」としていた。
 江戸時代の「御定書百箇条」を受けた明治元年の「改刑律」は、刑法官の執務準則であった。改刑律は、「博奕をした者を笞を50当とし、その場の財物を官が没収」としている。新律綱領では「博戯をする者は皆杖八十」、改定律例では「賭博三犯以上は懲役一年」等、少し近代化しているも処罰扱いは大きく揺らいでいた。そして府県ごとの検挙がされた。
 旧刑法は明治13(1880)年に公布され、明治15(1882)年に施行された。
 今手元にある明治13年12月3日の奈良區裁判所の宣告(判決)をみると次のとおり簡明である。(個人名は一部を伏し、算用数字化した。)
宣告
堺県大和国添上郡奈良公納堂町××番地 平民 
〇村××吉
其方儀 明治13年11月22日 △岡□三方へ立越し 〇井×治外3名 但に金銭を賭け博戯為す科
賭博律に依り杖八十申付る 但し場金6銭 博具等取揚る
明治13年12月3日
    奈良區裁判所   印[奈良裁判所管内奈良區裁判所の朱印]
 博戯と罪名や「杖八十」という体刑、場金、博具の没収など、旧刑法以前での処罰であったことがわかる。11月22日に検挙し、12月3日に判決という迅速ぶりには驚かされる。

空襲博奕
 「漢口は日本空軍の空襲に怯えて戦々恐々としている反面、今更怯えててもどうにもならないといふ諦めから度胸を据えた連中はこの新案の賭博に耽ってゐる。名付けて『空襲博奕』
 各自一定額の賭金を出して、ある期間の日付が記入されている籤をひく。そして自分の籤の日付をにらみながら、空襲を毎日毎晩今か今かと待ってゐる。ソラ来た!といふと爆弾がどこに落ちようと誰が殺されようと、一切お構いなし、問題は籤の日付だ。その日が自分の籤に入っていれば占めた大当り!と早足飛んで行って賭金を全部フトコロにねじこんで『好々』」。」
 これは昭和13年の漢口からのロイター記事である。(『眼で見る昭和 上巻』朝日新聞社 昭和47.11.30発行より)
 日本軍は、武漢三鎮攻略のために空爆作戦を行っていた頃である。日本が国民政府の武漢を占領したのは、この年の10月27日だった。
 昭和13年4月、国家総動員法が成立し、日本は成年男子だけでなく、学徒、女子義勇団、さらには坊さんまで鉄砲を担いで軍事訓練を行うようになった。長引く中国での戦争で国家財政はますます窮迫し、ガソリンも統制され、木炭車が走り、物資の利用制限が進んでいった。
 また、同昭和13年には、東京で昭和15年開催が予定されていた万国博やオリンピックの延期・中止が決定された。

くじで金集め… 「弾丸切手」
 太平洋戦争開始後の昭和16年12月22日、政府は割増金付郵便切手制度を決め、昭和17年6月8日から「戦時郵便貯金切手」を売り出した。「切手」というも賞金くじ付き郵便債権で、切手としては利用できなかった。
 当時、大蔵省は戦費のため貯蓄270億円の目標までキャンペーンをしていた。当時の国家予算の3倍の額である。この戦時切手もその一環で1枚2円で売り、当たれば1等1000円、2等100円、3等5円、4等2円がもらえるというものだった。
 買った債権は「よく当たる」し、買った貯金(債権)は弾丸の資金になるという宣伝から「弾丸切手」の愛称が付けられた。
 この弾丸切手は子ども向けにも「だんがんきって」として“お年玉で買いませう”と売られた。この弾丸切手のスローガンは「勝つための弾丸切手」。子どもが日の丸をもって弾丸に乗って飛んでいるデザイン。マンガでは子供が売り場に行って「あたりそうなのをおくれよ」というと「あら、だってどれもあたりそうなのよ坊や」と答えている。「米英を僕等も撃てる切手買い」として昭和17年1月から毎月新しい広告を出し続けた。
 この貯蓄債権は、政府や郵便局だけでなく、現在の主要銀行の前身である東海、三和、富国らが翼賛し、「米英打倒」「一億戦闘配置」と呼びかけつづけた。
 これらの決戦貯蓄には「みたみわれ 大君にすべてを捧げまつらん」(三和銀行)などと、天皇のための戦争と告白しているものまであった。

ギャンブルNEWSピックup (2019.9.2~10.2)
2019.9.2  ヤフー  “ハマのドン”が交代 横浜カジノ誘致に追い風が吹き出した  
  9.3  ハーバー   カジノ賛成を明言した横浜市議8名 その実名、発言、菅官房長官との繋がり
      共同   横浜市がIR予算案を提出 林市長「危機感から誘致」
      ヤフー  菅vs麻生vs二階、内閣改造裏テーマはカジノ3兆円利権争奪戦
  9.4  神奈川  【IR】横浜市会、傍聴に市民ら100人超 庁舎近くで反対活動も
      週刊朝日  横浜市「カジノ」構想でハマのドン激怒「俺の顔に泥を...」
      ヤフー  横浜市が突如IR誘致を正式表明した背景は?
      共同   IR基本方針案を公表
      ヤフー  国の基本方針公表に、大阪・吉村洋文知事「世界最高水準のIR目指す」
  9.5  共同   政府がIR基本方針案 訪日客増、雇用効果で選定
      ヤフー  大阪松井市長 IR基本方針案「要請を重く受け取ってくれたのではないか」
      神奈川  「私自身が詳細に説明する」 横浜市IR誘致で林市長
      週プレ  横浜市が参戦で風雲急。カジノ招致は“菅(すが)銘柄”の自治体に注目!
      週女   カジノ誘致で地域の未来はどうなる?女性活躍orママがハマって家庭崩壊
      ヤフー  万博&IR同時開業に一歩前進、大阪・松井一郎市長も高評価
      ヤフー  宝くじ還元率47.5%「ギャンブル」が儲からない明確な理由
  9.6  ヤフー  カジノ誘致に積極姿勢のオリックス 大阪・夢洲のIR戦略
     ヤフー  横浜カジノ誘致に市民7割反対 韓国カジノ社長も「絶対やめた方がいい!」
      朝日  (患者を生きる3875)眠る ゲーム障害:5 情報編 病気として新たに認定
  9.7  神奈川  IR誘致支援推進を 横浜商議所、券に政策要望書
  9.9  ヤフー  菅官房長官、元後見人「横浜のドン」に叱られる「カジノは許さん!」
      ハーバー  横浜カジノ誘致の根拠データに作為発覚「横浜市の観光消費額は少ない」との嘆き
      鹿児島  選挙賭博、胴元の男に有罪判決
  9.10  ヤフー  パチンコで経験済...「日本にカジノ」の危険度はいかほどか?
      ヤフー  「スマホ依存」最多は30代、20代は半数以上が「歩きスマホする」とも
  9.11  東洋経済  横浜、IR誘致で露呈した何とも厳しい「懐事情」
      ヤフー  カジノ誘致の大阪に、IR大手「MGMリゾーツ」の日本愛は届くのか
      神奈川  【IR】横浜市長の決断は7月31日 7月から補正予算準備も
  9.12  西日本  北九州にカジノ?香港の大手が思わぬ「関心」 地元に波紋広がる
      神戸   顧客の現金1500万円着服、ギャンブル消費で懲戒解雇 信金25歳男性職員
     <当会 会報第82号発行>
  9.13  ダイヤモンド  ギャンブル依存症の回復が困難な理由、根本原因はどこにあるのか?
      長崎   IR候補地205億円売買予約 ハウステンボス内 佐世保市が契約へ
      神奈川  IR誘致決定過程に批判も 横浜市会委、審議終了し17日採決へ
      産経   IR全国調査、19日まで 赤羽国交相「意向や準備把握する」
      ヤフー  どうなる日本競馬 JRAの売上高はピーク時の7割 今後の拡販対象は?
  9.15  神奈川  「カジノの要らないまちに」 IR横浜誘致撤回求めシンポ
      ハーバー   「俺は命を張ってでも反対する」カジノ誘致と闘う覚悟を示した横浜のドン
  9.17  神奈川  誘致6割超が反対「カジノ、そぐわない」 横浜で市民調査
      ハーバー   横浜市会、カジノ誘致は結論ありき 不自然な作為資料への質疑で浮き彫りに
      朝日   IR関連予算、横浜市議会委で可決 20日に成立見通し
      神奈川  「市民軽視」 横浜市会委がIR誘致関連費可決に怒りの声
      ヤフー  パチンコ店減少が加速か 「新規則機」導入が縮小市場に追い打ち 予測
      神奈川  女子高生の後つけ住居侵入、強制性交未遂「パチンコに負けてむしゃくしゃ」
  9.18  毎日   カジノ大手メルコ 横浜にIR候補地絞る 大阪からは撤退
      神奈川  「今のところ、考えていない」 IR誘致の住民投票、市長が改めて否定
      NBS  設置されると長野県内初公営賭博施設 競輪場外券売場に賛否 長野千曲市
  9.19  伊勢   IR誘致、影響調査を要望 桑名市が三重県に ギャンブル依存症対策も
      MBS  大阪IRに米MGMなどの3事業者がコンセプト提案 香港メルコは撤退
      ABC  「IR」業者が大阪から続々撤退 7社から3社に
      ハーバー   問題だらけの横浜カジノ補正予算案 明るみになった12の事実
      HBC  カジノ含むIR 苫小牧市長が誘致を道議会自民党会派に要請 北海道
      産経   東京都はIRに前向きか「認定申請予定または検討」と回答 国交省調査
      産経   大阪IR誘致 手続先行で事業者選定急ぐ
      ヤフー  ギャンブル依存症の父逮捕で依存症更生を事業化 26歳起業家
  9.20  千葉   IR実現へ会社設立 千葉市拠点10社経済効果強調
      時事   カジノ誘致予算が成立=2億6000万円計上-横浜市
      ヤフー  福岡市でカジノ誘致の動き、「アジアの玄関口」強みに福岡JCが意欲
      朝日   横浜市議会、IR誘致予算を可決 反対市民が市役所包囲
      毎日   捜査費など盗み公安所属巡査長を書類送検 福岡県警 「パチンコ代や食事代」
  9.21  九州朝日  北九州市へIR進出に向け 事業計画作成へ
      産経   岸田文雄政調会長「日本にあったIRを」シンガポールで視察
  9.24  共同   「9自治体8地域がIR誘致検討」と国交相
      YTV  東京や名古屋も カジノIR 大阪府市含む8地域が誘致予定もしくは検討
      関テレ  横浜誘致表明で応募者減ったが吉村知事「首都圏に負けない世界規模IRを」
  9.25  ヤフー  横浜「カジノ」で「ギャンブル依存症」激増~地元の精神科医師に聞く
     ニッポン放送  IR誘致~厳しい条件を満たせるのは横浜か大阪か
      HTB  <北海道>IR誘致 苫小牧市長 道知事に『年内』判断求める
  9.26  西日本  「ギャンブル依存」予防教育広がる IR誘致目指す長崎県など独自策
      TVK  横浜商工会議所 IR推進協議会設立を正式発表
      産経   万博、IR視野に「沿線活性化」 JR西・真鍋会長
      九州朝日  北九州市にIR誘致を、推進チームが市役所を訪問
  9.27  神奈川  出直し選「不要」と市長、「白紙」で3選、市会から批判
      長崎   IR建設投資 最大5500億円 長崎県が基本構想案
      神奈川  「ギャンブル依存症増えると思っていない」横浜商議所、IR推進協議会設立へ
      TVK  IR誘致の市民説明会 12月から開催/横浜
  9.30  ヤフー  またも先送りにされた高射幸性パチスロ機の撤去。問われる業界の良識
      ヤフー  依存症専門医療機関、福岡県が14機関を選定 ギャンブル等を対象
  10.1  朝日   横浜のカジノ誘致、64%が反対 朝日新聞横浜市民調査
西日本  「福岡市にIRを」福岡青年会議所が誘致提言 「全九州に経済効果」
  10.2  HTB  <北海道>期限について初言及 知事がIR誘致「年内に判断」

             


1.カジノ万博公金差止訴訟
次回期日:11月29日午前10時30分 1007号法廷

2.ギャンブルリーフレット配布差止訴訟
次回期日:11月7日午前10時30分 806号法廷

3.9月6日、「特定複合観光施設区域の整備のための基本的な方針(案)」についてパブコメを提出しました。
 
 観光庁参事官室 御中
                                ギャンブルオンブズマン

1.IR整備はカジノが収益の中心なのに、その本質を隠している。カジノでは刑法上も違法な賭博を開帳し、常習賭博をさせる。その反公益性について案は記載していない。この点を踏まえた基本方針を欠くことは、憲法違反の人権侵奪施設への対応の欠如を示しているものである。
2.観光客の拡大など経済のプラス効果をいうが、マイナス効果であるギャンブル依存、脱税、マネーローンダリング、犯罪、青少年への悪影響に対する具体策とその効果の担保を求めるものでなければならない。カジノは弊害拡大の「マッチ」であり、その収益での「ポンプ」では不十分である。努力事項では不足である。
3.有害影響排除については、政府は既存ギャンブルでも有害影響を生んでおり、例えばカジノ収益(納付金)を充当してでもどう排除を求め、どう効果をあげられるのか基本方針(案)を示すべきである。目標効果があげられない場合は、IRを中止すべきである。
4.観光客は、IRやMICEによらずとも増加している。むしろIRは正常な観光客の健全な増加を害する。この数量を含む有無分析の検討を求め、担保させることが必要である。
5.大阪府市の維新首長らは夢洲カジノについて先走り事業者選定まで進めているが、これに追従迎合するかの政府手続きの前倒しは不当である。むしろ、政府、国土交通省は維新首長らの先行をやめさせるべきである。前倒し違反自治体は排除すると明記すべきである。
6.IR業者は、ギャンブルで加害者となって収益収入をあげようとする者であり、IRの主催者の海外カジノ資本に隷属したプランは国民を収奪する「売国」カジノである。こうならないよう国内資本の可能性について検討を求めるべきである。
7.IR予定地に関し、その立地、地震、台風、その他の災害に対する安全性、十分な防災策が確立されているかについてのアセスメントを含む厳正な検討と住民のパブコメを求めること。二重三重の安全性の担保を求めるべきである。
8.IRは、カジノによる賭博開帳の収益によって成り立つ。そこでの賭博は客の富を賭けに浪費させ奪うもので、本来人倫に反するものである。
  カジノは、政府・自治体が容認し具体化推進するようなものではない。したがって、「特区」を設けるとはいえ、IRが巨大な利益を得ることそのものを前提として基本方針を示すこと自体、憲法違反である。自治体のあり方としてこの点、収益さえあれば良いというのでなく、賭博開帳が与える社会と青少年への悪影響をゼロにする倫理性の検討結果を求めるべきである。
4.9月29日、市民オンブズマン全国大会「カジノ・ギャンブル依存症分科会」開催
大会220名参加のうち本分科会には60名が参加し、関心の高さをうかがわせる盛況ぶりでした。大阪、横浜、和歌山等で準備されているIRカジノについて、反対運動の状況を中心に各地代表者が報告し交流しました。
横浜は林市長が「白紙」「中立」の立場で3選されたが、突如誘致に変わった。大阪は松井市長らが国のIR法や市の条例運用までをも無視して前倒しで誘致手続を進めるという暴走状態。和歌山は当初外国人向けとしていたが業者が内々決まると日本人も入場可に変わるなど、首長らの変節には批判だらけ。
カジノ反対の声をどう高めるか、その下でカジノの弊害をどう訴えるのかが問われています。自治体自らがお金を出して依存症という精神的な病を増やす仕組みは、精神衛生法違反。
IRカジノとは、全くの民間企業に10年どころか30年以上もカジノという賭博特区を許すものであり、絶対的罪があります。企業は収益を得る一方、弊害除去は結局全て市民と税負担という不経済・不正義があります。こんなカジノミクスに観光産業や一部市民は騙されているのです。
今回も大会ではカジノ反対の決議をして終わりました。
*********************************************
◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
無題.jpg


posted by inoue at 00:00| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。