2019年07月11日

なくそう!ギャンブル被害 会報第80号

【目次】アベノ特区による維新カジノは止めよ!/公営競技払戻金(当せん金)脱税の放任/公営ギャンブルは今も昔も嘘だらけ/コラム:WIN5 1票払戻金4億7180万9030円にかかる税金、大阪ミナミはギャンブル違法天国(地獄)、競輪騒動と競輪廃止論、ばんえい競馬―北海道十勝―、パンフ「BOAT RACEばいぶる」、郡奉行竹内柳右衛門の賭博取締と穂積博士/書籍紹介/カジノギャンブル百人一首(5)/日本賭博種一覧/NEWSピックup/事務局だより/ギャンブルオンブズ4コマ漫画


アベノ特区による維新カジノは止めよ!

 安倍自民は、2019年7月にカジノの規制・監督機関「カジノ管理委員会」を設け、管理委の意見を聞いて基本方針を策定し公表の上、2020年代前半の開業を目指すとしていた。このため、管理委の委員5名の人事を通常国会に提出し同意を得て、今夏中に公表する予定だった。
 しかし、全国でカジノ反対の世論、ギャンブル依存症などの心配が強く、参院選前の推進は政府・与党に不利とみて、結局、秋以降に先送りしたのである。
 安倍政権が管理委の意見を聴いて定めるとする基本方針は、①IRカジノの内容、②場所(特区)、③業者の条件・資格、④ギャンブリングの内容、⑤入場者の条件、時間、金額等が中心。⑴依存症防止の確保、⑵ギャンブルに伴う弊害の防止、⑶税金や納付金の定めなどは後回し。だが、ギャンブル依存を生まない環境の確保、マネーローンダリング他犯罪の防止のためには十二分な検討が必要だ。
 カジノ管理委は実は安倍政権の原案を可とするもので、被害・弊害の防止より、IR業者の経営利益確保を前提とする「イエスマン」になる可能性が高い。
 したがって、カジノについては発足までに地元住民や消費者、依存被害経験者の意見を十分取り入れ、いわゆる形ばかりのパブリックコメントより充実させた基本方針が必要である。
 この点、夢洲カジノの大阪府市やIR事務局の計画案は完全な先走りである。
 本紙は、会報64号(2018.3.12)でギャンブルが社会で許されるとしてもそのための条件を述べ、65号(2018.4.13)でカジノ実施法がギャンブル依存症を生むものであること、法案の闇を述べた。
 これらで述べたIRカジノでは、外国人だけでなく日本人の被害が「天文学的」な額に及ぶこと必至である。
< アベ・維新 民より金盗る夢洲は 徒党を組んだオレのシマ(城) >


公営競技払戻金(当せん金)脱税の放任
―会計検査院調査と関係省庁の動き―

1.この問題への取組は今後長くなるだろうし、紙幅も要する。したがって、できる限り要旨にまとめ、競馬、競輪、オートレース、モーターボート(4K)において如何に所得税脱税か行われているか、担当省庁である国税局と農林水産省、経済産業省、国土交通省らの脱税放任実態を告発する。
  この点、公営競技は、投票券販売による全売上の約25%を収益化し、約75%を払戻金としてレースを当てた客に分配するものである。25%の収奪があっても大穴・大当たりを狙う射幸心客を集めて公営競技は成り立つ。
日本の4Kの売上は現在、競馬3兆円、競艇1兆円、競輪・オートレース7千億円あまりで、総売上はざっと4.7兆円とすると、その75%相当の約3.5兆円が限られた当せん者に払戻金として与えられていることになる。
もちろん、本命で当たっても賭け金(券代金)の数倍しかもらえない人も多いだろうが、本命外では万券どころか億の当りが出ることもある。すなわち、投票した300円券が1万倍になると300万円の払戻金となるし、たとえ1枚あたり1万円の当りでも50枚以上買っていれば1レースで50万円以上の収入となる。
公営競技の当せん金は一時所得である。その計算は、1年間の全ての当たり券について、各当せん金から当該当たり券の購入費を差し引いた金額を合計し、これから基礎控除50万円を差し引いてなお残る金額の2分の1である。(つまり、当せん金合計からその当せん券購入費用を差し引いた金額が50万円未満であれば所得申告の必要はない。)この一時所得は当該年の他の所得と共に、翌年3月の申告が義務付けられているのである。
この一時所得申告を正しく行っていない人は脱税者、租税回避者ということになる。これらの脱税者は、自治体の主催する払戻し手続の際に受取人を確認しておけば「名寄せ」して明らかにすることが出来よう。さらに言えば、払戻しの際に源泉徴収すれば完全に捕捉できる。
しかし、公営競技はこれをしないし、国税当局にしても、一部インターネット取引で数億円を得たような者は例外として、全く納税確保をしていないのである。
当会は発足以来、このような公営競技と払戻金の大型脱税について批判し、国税当局の取組みを求めてきたが無視され続けていた。
そうしたところ2018年10月11日、会計検査院が2015年の払戻金にかかる納税状況について調査し、100億円以上の脱税結果を公表した。それでも関係当局の取組は弱かった。当会事務局は、2019年3月19日、主催監督省庁である農水省、経産省、国交省、自治体の監督庁である総務省、そして脱税問題の責任者である国税局に対し、会計検査院の指摘への対応手続について全面情報公開を請求したのである。これは会報78号(2019.5.13)3頁以下に記載している。

(以下次号)

公営ギャンブルは昔も今も嘘だらけ

1.「公営競技はスポーツ」という嘘
  国・自治体は、自らが運営する公営競技について“スポーツ”と宣伝する。しかし、これは賭博開帳をしているのであって、競争レースを賭博に利用しているだけである。
  近時はテレビでも競馬、競輪、競艇の案内CM広告が多くなっているが、いずれにも共通しているのは、「自分たちはスポーツを開催し、勧誘しているのだ」という態度である。
  しかし、実は馬券、車券、舟券を買ってくれという宣伝であり、そのレース案内であって、客は自らレーススポーツをすることはできない。相撲や野球ゲームのように金を賭けず見て楽しむだけのスポーツは多くある。オリンピックスポーツのようにアスリートの美しさや技能を楽しんだり、国民に体育向上のためスポーツを勧めるものでもない。
  公営競技はこのことをわかりながら、実際にそのレースを見なくともよいからとにかく金を賭けてくれ、競技場に行かずともテレビで実況を見ずともとにかく電話でもネットでもいいからと、金を賭ける対象としての公営競技を宣伝しているのである。

2.嘘つきジャンボ
  高額当せん金で購入客を誘惑するジャンボ宝くじは、年5回販売されている。
  (1)2月 バレンタインジャンボ  (誘惑の 本家が売ります 宝くじ)
(2)4月 ドリームジャンボ    (ほぼ全て 夢と消えます 宝くじ)
  (3)7月 サマージャンボ     (夏の夢 汗と消えます 宝くじ)
  (4)10月 ハロウィンジャンボ  (化け物が 夢を売ってる 宝くじ)
  (5)12月 年末ジャンボ     (ボーナスを 奪ってジャンボ 宝くじ)
  例えば「10億円が当たる」と宣伝するが、これは1000万枚~2000万枚の券を売り、そのうちの1等・前後賞の3連番が当たればという仮定である。億円の大型くじというも、真実は宝くじの中で「最も当たらない宝くじ」がジャンボ宝くじである。
  1000万に1つというのは、搭乗した飛行機が墜落して死ぬ確率とされる100万分の1より低く、隕石に当たって死ぬ確率よりさらに低いというのが数学者の定説だ。
  これに販売店は「この店で買えば当たる」という広告の嘘までしているし、「連番購入で前後賞含めた高額当せんのチャンス」と大量購入を勧めるのも嘘つきである。
  大量売上で大儲けするのは発売者だけで、購入者側は買うほどにその55%を収奪される仕組みなのだから、嘘つきに騙され放題である。
  「このジャンボを買わないという選択はないやろう」と笑福亭鶴瓶にCMさせているが、これも笑えない嘘のコマーシャルである。

3.嘘つきスクラッチ
  買ったその場で当たりがわかるスクラッチ。「ゲームを楽しく遊び、チャンスをつかもう」と宣伝する。しかし、これこそ常時その場で1枚200~300円の券を売り、日常的に富くじ賭博をさせるものだ。絵柄を一マスずつ削らせ、1分もかからず当たり外れがわかる。「ドキドキ感がとまりません」と宣伝し、賞金は5万円~1億円という。券面には様々な人気キャラクターを登場させているが、こんなくじは子供だましもいいところであり、「ハズレカードもコレクションになる」等とコレクターをも狙っている。
  年6回大型のスクラッチも販売され、「削って遊ぶ夢」というが資源のムダ使いである。
  要するに、いつでもいくらでもやりつづけられる宝くじがスクラッチ(ひっかけ!)くじなのだ。

4.宝くじに税金はかからないという嘘
  宝くじやスポーツ振興くじの当せん金には所得税を課さない(証票法13条、スポーツ振興投票法16条)。これにより、「宝くじに税金はかからない」という流言がある。
  宝くじ・スポーツくじといえど、当せん可能な有価物であり、贈与されると贈与税がかかる。景品にもされるが当たり券は大変な譲渡、贈与対象となるから、これらの取引では所得税、贈与税がかかると考えてよい。
そして、外国の宝くじを買って当たった日本人には一時所得税がかかる。10億円の当せん券なら半分以上が所得税と住民税に消えると考えておいた方が良い。
また、未成年者(19歳以下)の宝くじ購入は無効とされるが(特にスポーツくじ)、未成年から転売された宝くじが無効かというと、転購入され払戻しされた当せん金は違法かどうかを問わず一時所得となる(盗んだ金でさえ一時所得税がかかる)。
このように宝くじをめぐっては真の正当な購入者が正当に払戻しをうけた当せん金には所得税は課されないが、当せん宝くじを贈与されたり相続した者には、別途相続税法上の税金が課せられる可能性がある。
なお、拾った宝くじを遺失物として警察に届出し、民法240条で所有権を取得した者は直接の宝くじ購入者とみなされ(証票法11条の2)、課税されない。

5.公共目的という嘘
  日本最初の宝くじは、1945年7月、1枚10円、1等10万円の「勝札」という富くじだった。これは完全に日本の負け戦になっている下で戦争の費用捻出として国民のタンス預金を出させる狙いだった。既に1930年代から戦争経済下で国民の預金や貴金属を巧みに集めていた政府は、空襲が続く国内でも庶民が万一のためにタンスに残した現金がある筈だとし、これを「浮動購買力」という難しい理屈をつけて国民に半強制的に買わせたのだった。戦勝のために国家総動員の最後の金集めだった。
  嘘をつかないというのが公共性の前提とすれば、これは究極の嘘であり、公共目的はないどころか反公共目的であった。
  それが敗戦後、戦後復興のために国民に夢を売ってタンス預金を集め、インフレ対策をするというのが当せん金付証票法による宝くじなのである。
  では、戦後復興のためにどれだけ役立ったかといえば地方財政的には焼け石に水で、販売経費や行政コストの利権対象となっただけといえる。


コラム  WIN5 1票払戻金4億7180万9030円にかかる税金
 2019年2月25日、WIN5で的中が1票出て、その配当(払戻金)は過去最高の4億7180万9030円だったと報じられた。
 競馬で勝った払戻金は一時所得税の納税義務がある。一時所得の計算はこうなる。
 {471,809,030(払戻金)-300(投票経費)-500,000(基礎控除)}×1/2=2億3565万4365円
 申告の際にはこの他の所得も合算する必要があるが、仮に所得はこの一時所得だけとして税金を概算してみるとこうなる。
 所得税      235,654,365円×45%=106,044,464円
復興特別所得税    〃    ×2.1%=4,948,741円
住民税        〃    ×10%(道府県民税4%+市町村民税6%)=23,565,436円
納税義務額は、合計約1億3455万8641円となる。
果たしてこの払戻金が正しく納税されるか確認したいものである。
 
大阪ミナミはギャンブル違法天国(地獄)
 大阪の繁華街ミナミ(難波、日本橋、千日前周辺)はギャンブルの街だ。
第1:パチンコ・スロット店が極めて多い。それも1000台を超えるような大型店が街を占拠する。
マルハン、楽園、123、四海楼、アロー、アムザ、京一、ナンバ一番、アイオン、タイヨー、播磨屋 等が居並ぶ。これらの店は店内や店横に換金所を設ける脱法がある。
第2:公営競技の大型場外投票券売場のオンパレード。
中央競馬のウィンズ道頓堀、ウィンズなんば、競輪・オートレースのサテライト大阪があり、全国の券を売っている。そしてすぐ北方には地方競馬のDASH心斎橋もある。これらの店では脱税客があふれている。
第3:宝くじとスポーツくじ売り場がそこら中にある。
ナンバ~日本橋(なんばウォーク)付近だけでも10店以上。道路の不法占拠だらけ。
第4:非合法のヤミ賭博の温床
   あくまで警察には隠れているが、闇バカラ、闇ルーレットなど非合法賭博場が多くあり、時々検挙されている。ミナミの違法カジノは暴力団が関係して荒稼ぎも多い。問題は不法な賭博営業というだけでなく、様々な治安の乱れを巻き起こしている。
   3月には、ある違法カジノ店において、その客だった男が店の売上金を狙ってピストルで強盗を謀り、従業員や客が重体重傷を負った。4月20日、犯人が強盗殺人未遂事件として逮捕。

違法ギャンブル店はもちろん違法だし、合法を装うパチンコも風適法の脱法ギャンブル店である。そして公営競技で50万円以上を当てた客のほとんどは、一時所得を申告していないことがわかっている。すなわち、脱税の常習をいわれるパチンコ店だけでなく、公営競技の客もまた脱税犯だらけである。
以上のようにミナミはギャンブルの街である。千日前筋のビックカメラのビルから周りをみれば、パチンコ店の強烈なネオン広告ばかりで目を廻す。アウトローの世界である。

競輪騒動と競輪廃止論
1.1948年に小倉から始まった競輪は、1951年には19都道府県101市町村が主催するまでになった。売り上げも1948年度約2.4億円、1949年度約135億円、1950年度約330.6億円でこれら約470億円からの国への納入金は約20億円、主催者市町村への純益は3年で約50億円を超えた。この多額の収益は、戦災復興と自転車産業の振興のためというものだった。
スタート後まもなく1949年4月16日大阪、同年4月23日西宮でトラブルが発生した。そして1950年2月5日川崎市営競輪で、レース判定をめぐって群衆2万人の騒動がおきた。武装警官180名が出動したが収まらず、客が放火や払戻し所を襲って600万円を強奪するなどの事件となった。これを機にA級選手28名の不正レースが発覚し、ボス選手は「9割まで八百長」と嘯いた。続いて、同年2月11日名古屋、3月13日長崎、4月27日東京後楽園、5月29日千葉県営松戸競輪、6月27日川越市営競輪、7月7日松坂競輪で八百長騒ぎがあり、松戸競輪や松坂競輪では負けた群衆に車券を全額払い戻した。9月9日にジェーン台風災害救済の名目で開催された兵庫県鳴尾競輪でも、八百長とし2万の群衆の騒ぎとなり、放火、警官隊との乱闘で1名が射殺され、8名の重軽症という大事件となった。この年、作家坂口安吾は伊東競輪の八百長を告訴した。
2.こうして競輪の存廃が政治問題となり、時の吉田首相は廃止の意向を示した。しかし、通産省、自転車振興会、地方自治体などは有力財源として存続論をとり、結局「競輪場の改修存続」となった。
  その後、競輪は拡大したが、1958年大宅壮一らが競輪は不健全であり犯罪の温床として廃止論を述べ、兵庫県阪本勝知事、京都市高山義三市長も廃止論を述べた。その時、神奈川県平塚市戸川貞雄市長は「競輪悪妻論」を唱えた(「はじめ政府は、よい女ではないが、よく稼ぐから結婚しろと、自治体にめあわせたのが競輪だ。悪妻ではあるが、よく働く競輪を離婚するためには、政府が自治体の財源を保証すべきだ。それができるまで両三年の時間をかして、廃止すべきだ」)。
  当時、ギャンブル事業が戦後政策の一つであるも、政治家や官僚の無知(無見識)、無能から生まれたことは明らかになっていた。大衆の一攫千金の射幸心を狙い、庶民の懐から金を吸い上げ(建前ではインフレーションの抑制、通貨膨張防止)をしたのが、宝くじや公営競技であった。
3.だが、主催者らの発行する「競輪史」では、ほとんど都合のいいところだけを並べ、この騒動や正論は述べず、負の場面は詳しく書いていない。会報50号で紹介した『競輪60年史』でも詳しく述べたとおりである。
【参考文献:戸川猪佐武著『戦後風俗史』(1960年4月)、JKA『競輪60年史』】

ばんえい競馬 ―北海道十勝―
 体重1トン前後の馬が最大1トンの鉄ソリを曳いて200mを競う世界唯一のギャンブル競馬。サラ・アラブの軍馬由来の競馬と異なり農耕馬(欧州由来)のレースで、帯広競馬場で土日月祝日を中心に開催される。
 北海道には場外券販売所Aiba13ヶ所、道外にもBAOOの名で8ヵ所の売場がある。インターネット(楽天、スパット4など)でも馬券を100円単位で売っている。単、複、枠、馬複、ワイド、3連単、3連複など一般競馬と同様で、券購入前にオッズ(配当)がわかる。自動販売式で券を売り、当たれば60日以内に払戻し機で配当金を払い戻す。
 なお、20歳未満の購入・払戻はできない旨はパンフレット(カラー50頁)にも書いているが、購入者の年齢をチェックするシステムは一般競馬と同じく設けられていない。
 また、2019-2020オフィシャルガイドには、会計検査院が指摘した脱税問題のためか、小さく「勝馬投票券の払戻金は税法上課税対象となるケースがあります」と記載されている。

パンフ「BOAT RACE ばいぶる」
 ボートレース振興会は、全60頁からなるパンフレット「BOAT RACE ばいぶる」を配布している(2018.3発行)。「ボートレースがはじめての人もそうでない人も」に対し、①レースの基礎、②レース予想と舟券の買い方、③ボートレーサー、④インフォメーション(レースグレードなど)、⑤各地の施設などを紹介している。
 これによると、近年、舟券の買い方は場外券、インターネット、電話と広がり、かつてはボートピアと美化して呼ばれた場外発売場は「チケットショップ」としてまとめられている。24のボートレース場と、ボートレースチケットショップ(場外発売場)として北海道旭川から鹿児島県志布志まで63ヶ所を案内している。これ以外にボートレースアンテナショップ6店もあるようだ。
 これを読めばルールや仕組みもわかるが、彼らのいう聖なる仕事「社会貢献」については半頁のスペースで「皆様の生活のために使われています」「地方自治体の財源」「日本財団の行う社会貢献活動」との抽象的項目が並ぶも、具体的な売上、収益、使い方の財政説明は全くない。要するに、自らの売上のために人を募る「ばいぶる」でしかないのだ。
 平成元年以来の1600人のボートレーサーのうち通算獲得賞金40億円の「絶対王者」松井繁レーサーなどを紹介する。レーサーは金儲けが全ての世界である。

郡奉行竹内柳右衛門の賭博取締と穂積博士
1.昔、伊予の国西条、竹内奉行は賭博禁令に効き目がないので新しく新令を出した。賭博の禁を解き、その代わり賭博で負けた者が訴えると、負けてとられた金を相手から取り返してやるというもの。すると、賭博で勝っても特にならず、内緒ごとが表向きになってしまい賭博はすたれた。竹内は名奉行といわれたという。
  これについて明治の法律大家穂積重遠は、怪しからん立法、悪事を同意の上でやりながら自分が不利になると損を免れようと仲間を売る不徳義を人民に教えるものであり、人心を害すること賭博より甚だしいと批判する談話をしているという。(大正11年3月末 東京日日新聞)
2.穂積氏はこれを「鹿を逐うて山を見ざる刑政家の得て陥り易い小刀細工である」と非難するが、これを現代において考えるとどうなるか。
(1)賭博を一般に禁じながら政府・自治体自らが公営賭博を主催主導するのは、財政困難を理由とするも政治行政の陥り易い小刀細工ではないか。
(2)民間ヤミ賭博では、客が負けた金を取り戻せないという民法解釈もあり得るが、ヤクザ賭博の金は政府が没収するだけでなく、半ば欺かれた客に返還請求を認めることも考えられてよいのではないか。
(3)刑事政策として司法取引もあり、少なくとも違法賭博に参加した客の賭博は不起訴にする余地はあるのではないか。賭博で負けた金は支払われなくて良いというのは正当ではないか。
3.穂積氏は、よもや政府・自治体が賭博を開帳したり、常時富くじを販売するなど想像できなかったであろう。ましてや昔のヤクザ(博徒集団)より大掛かりのシステム賭博場であるカジノを誘致してそこから政府が3割ものアガリ「テラ銭」を得るなど、卒倒し激怒されよう。
  「国で賭博を禁止していながら一部の(外国)企業にカジノをやらせるなど本末転倒である」と。

書籍紹介 
1.『賭けずに楽しむ日本の賭博ゲーム』 伊藤拓真 (立東舎 2015.5発行 1500円+税)
  「賭けずに賭博」とは言葉上は矛盾するが、要するに金を賭けずに日本に古くからあるチンチロリン、丁半など「サイコロ」ゲーム、こいこいなど「花札」ゲーム、ドボンなど「トランプ」ゲーム、麻雀その他のゲームの遊び方を紹介するもの。ヤクザの賭博札に使われる「地方札」や「地方ルール」もある。
  カラー図とマンガイラストでわかりやすい。財物を賭けるとあらゆるゲームは賭け・ギャンブルとなり、多くの弊害を生むものになる。逆にいえば、財物を賭けなくてもゲームを楽しむことはできるのだ。ほとんどのオリンピックスポーツはゲームであってもギャンブルではない。

2.『確率論を信じて世界50か国のカジノで計8億円を稼いだ僕の人生』 野口健司
(角川書店 2016年2月発行 1400円+税)
  小学生時代からアルバイト、16歳でパチンコで稼ぎ、25歳からカジノプロとなってラスベガス、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、アフリカ、南米など各地をめぐった。ブラックジャック(BJ)で3億円、バカラで2億円、ルーレットで3億円、計8億円を稼いだ。但し、イカサマで3億円は負けたという。この遍歴を年齢別に一覧表にまとめている。
  著者は、BJは単純に運やツキではなく「確率」に基づく攻略法があるという。その確率論をもってBJで勝ち続けたとする。但し、この「必勝法」は今ではシャッフルマシーンの導入で効力を発揮できないことを序章で示している。確率論を用いて1998~2004年までにアフリカ、南ア、東南アジアで勝ちまくり、あげくカジノ出入り禁止になったという物語である。
  終章には、カジノプロA氏が人に騙され傷害事件を起こし自殺したという事件を紹介するも、BJへの執着を告白している。
  日本にIRカジノができたら入り浸るのであろうか、その時、必勝法は役に立つか。だが、カジノは「略奪戦」で「心はいつかおかしくなる。しかもその行為に生産性はなく、人のためにもなっていないのだ」「こんなことをしていたら人間は絶対に優しくなれないし、ましてや立派な人格を育めるわけはない」等と客観性のあることを述べている。

3.月刊誌『世界』2019年5月号より (岩波書店 2019年4月発行 918円)
  「都構想・万博・カジノ ―分断都市大阪の民主主義―」 森 裕之
〇 維新政治による「大阪都構想」は2015年5月17日の住民投票において反対多数で否決されたが、平成最後の2019年4月に維新の府知事・市長両首長の辞職と公選法脱法のためのクロス選挙が行われる。
  筆者は、維新の都構想の狙いとデマを丁寧に追っている。都構想は4月の府市首長選挙でも必ずしも府市民によく知らされないだろうと予想。この維新のポピュリズムの名による風評選挙は極めて危険であることをズバリ指摘している。
〇 そして、万博、カジノに注目する。維新は万博も政治的に利用した。2015年段階の万博企画では開催地は千里万博公園や花博公園など6カ所が対象となり、夢洲は候補地でなかったが、2016年に松井知事が夢洲を検討対象とした。そして現在の夢洲IRとセットとなった万博に変えられるまでを簡潔に紹介する。
〇 そして、財政民主主義から大阪府・市政が歪められていることを示す。


カジノギャンブル百人一首(5)
今回は81~100番。長らくおつきあい(・・・・・)、ありがとうございます。
81.依存症 増やすカジノをながむれば ただ事業者のみが儲けてる   <不帰鳥客>
  ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる     (後徳大寺左大臣)
82.思いより賭けを重ねて借金に 憂きに絶えぬは涙なりけり      <賭因法師>
  思ひわびさても命はあるものを 憂きにたへぬは涙なりけり      (道因法師)
83.世の中にカジノなけれと思い入る 借金の山 破産か自死か     <終生>
  世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる     (皇太后宮大夫俊成)
84.長らえば カジノなき世がしのばれむ 依存しないと言いし誤り   <唖臣>
  長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき   (藤原清輔朝臣)
85.夜もすがらキノやバカラで明け暮れて VIPルームでコンプたっぷり <終夜>
  夜もすがら物思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり  (俊恵法師)
86.なげかわし 盗み横領増やしてる 賭博のために我社会かな     <罪業法師>
  なげけとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな      (西行法師)
87.夢洲の埋立て途上にIR 手立てのために世界博          <利権欲し>
  村雨の露もまだひぬまきの葉に 霧たちのぼる秋の夕ぐれ     (寂蓮法師)
88.難波江にカジノ造って客集め 税金使い 夢洲整備         <あしもと院>
  難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき  (皇嘉門院別当)
89.わが命 絶ってしまおと思うけど 決断できずカジノ三昧      <自信ない死のう>
  玉のをよたえなばたえねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする   (式子内親王)
90.見も知らぬ外国カジノへオンライン  インターネットで大勝負   <ネットカジノ>
  見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず   (殷富門院大輔)
91.ギリギリの貯え全てカジノにて 家族の金も店の餌となる      <狂獄殺生>
  きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む (後京極摂政前太政大臣)
92.わが袖も売ってしまいし残りしは 家族も知らぬ 借金の山     <詐貫>
  わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそ知らねかわくまもなし   (二条院讃岐)
93.世の中は常に胴元稼ぐだけ 客のマイカー 質に流れし       <イザカマクラ>
  世の中はつねにもがもななぎさこぐ あまの小舟のつなでかなしも  (鎌倉右大臣)
94.みなさまの賭けたお金はさ夜ふけて 懐寒く 心うつなり      <参加客>
  み吉野の山の秋風さ夜ふけて ふるさと寒く衣うつなり      (参議雅経)
95.おぼけなく カジノの民となりぬれば わが持つ家財 全て失う   <THE END>
  おほけなくうき世の民におほふかな わが立つ杣に墨染の袖    (前大僧正慈円)
96.花さそう 嵐のカジノ 雪ならで ふりゆくものは我が身なりけり  <金常>
  花さそふ嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわが身なりけり    (入道前太政大臣)
97.来ぬカード 待つもバカラで負け重ね もしやもしやと身をこがしつつ <提家>
  こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ   (権中納言定家)
98.カジノには反対ならば声揚げて 政治のみそぎ するしかないぞ   <言えたか>
  風そよぐならの小川の夕ぐれは みそぎぞ夏のしるしなりける   (従二位家隆)
99.人を愛し 人を騙さぬ世の中を 思う市民は カジノ反対      <言葉院>
  人もをし人もうらめしあぢきなく 世を思ふゆゑに物思ふ身は   (後鳥羽院)
100.百識を集めて阻止するIR 反対世論 圧倒させん        <順世論>
  ももしきやふるき軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり   (順徳院)
(完)

日本賭博種一覧 
これを知ってたら「賭博博士」?!        (参考 旧司法省『賭博要覧』、中村義正『賭博』)
【サイコロ(骨子、采、骰子、賽)賭博】
【サイコロ1個】樗蒲一(チョボ一)、大目小目(おおめこめ)、一轉し(ぴんころがし)、五割、チンチロリン、【サイコロ2個】丁半(ちょうはん)、四下(しした)、四三四六(しそうしろく)、緩急(かんきゅう)、兎(うさぎ)、狐(きつね)、【サイコロ3個】狐チョボ一、ヨイ/ヨイド、十四九、三ど、チィッパ、【サイコロ4個】チイツバ、【サイコロ5個】天賽
【骨牌(花札)賭博】
横浜花、八十八の馬鹿花、一ニ三(いちにさん)、二四六(にしろく)、千六十、七短(ななたん)、六短(ろくたん)、三六九(さぶろく)、馬鹿短、八(はち)、ケコロ、素倒(すたおし)、追丁カブ(おいちょかぶ)、後先(あとさき)、ポカ、猪鹿蝶(いのしかちょう)、四ビン、十五取、コイコイ、高目(たかめ)、十二支合せ(じゅうにしあわせ)、目勝馬鹿花(めかちばかはな)、十枚(じゅうまい)、指込(さしこみ)、三束五十(さんそくごじゅう)、三十ツッパリ(さんじゅうつっぱり)、三束ツッパリ(さんそくつっぱり)、讃岐メクリ(さぬきめくり)、一束行(いつくゆき)、六百間(ろっひゃくけん)、百落し(ひゃくおとし)、三十銭目五十銭目一圓目、バッタ、アヤメカツキ、京カブ、十枚カブ
【骨牌(かるた)トランプとゲーム用も】
うんすんかるた、読みかるた、トランプゲーム(絵取り、点取り、ポーカー、ナポレオン、ポイスト、銀行、四枚揃、ダブルマイナス、二十一点、ブリッジ、ブラックジャック、三人ポイスト、ババ抜き、鬼取り)、その他カルタ(家族合せ、十二支合せ、ガラ、江戸名所カルタ、三笠附、いろは、貝合せ)
【籤(くじ、富くじ)】
ガラ、ホンビキ(ホービキ)、手本引、チーハー(一八)
日本の公営籤:宝くじ、ロト、ミニロト5,6,7、ナンバーズ、ビンゴ、スポーツ振興くじ(toto、BIG)
外国の公営籤:ビンゴ、ロッテリー、トトカルチョ、数字くじ
【相場(ギャンブル用語化したもの)】
薄敷、薄張、両算、合百(本場合百、普通合百、巾合百、乞食合百)、山桜、桜
【競技賭博】
スポーツゲームの利用:野球、サッカー、相撲、拳闘、競馬、競輪自転車レース、投擲競技、ボートレース、自動二輪(オートレース)
動物を使うもの:競馬、競牛、闘ラクダ、ドッグレース、闘犬、鼠レース、鳩レース、鶯(賭博)、鶏(闘)、闘魚、トカゲ、闘蛇、虫(各種の斗いとレース)
ゲームに賭けるもの:賭け弓、けん玉、撞球、囲碁、将棋、オセロ、五目、扇投げ
【カジノ賭博種】
ルーレット(アメリカン、ヨーロピアン、フレンチ、イングリッシュ、ツイン)、キノ、大小、バカラ(アメリカン、シュマンドフェール、ミニバカラ)、クラップス、ポーカーハンド、ドローポーカー、スタッドポーカー、パイゴウポーカー、ブラックジャック、コントラクトブリッジ、スロットマシーン、チャカラック、レッドドッグ、パン、カローキ―

ギャンブルNEWSピックup (2019.6.1~7.2)

2019.6.4  共同   米大手含む7事業者登録 大阪府市のIR誘致で
      ヤフー  アキバの賭博なしメイドカジノで女子高生・大生がディーラーを務める理由
      ヤフー  カンボジア、中国カジノ閉鎖へ 環境汚染、騒音問題等で州当局が閉鎖命令
  6.5   MBS  【特集】依存症回復施設 注目したのは“脳”
      神奈川  賭博店従業員4人逮捕 ネットのスロットゲームで常習賭博
  6.6   長崎   IR長崎誘致へプロジェクトチーム設置 九州地域戦略会議が決定
  6.7   神奈川  横浜市がIR説明会 事業者構想案も、25,26日開催
      ヤフー  カジノの恐怖 「頭のいい人」ほどギャンブル依存症になりやすい
  6.10  ヤフー  相撲とヤクザの関係、砂かぶり席の有名男性を協会が問題視
  6.11  <当会 会報79号発行>
  6.12  鹿児島  町長選挙で当落予想 賭博の疑いで胴元の男(86)逮捕
  6.13  ヤフー  メイウェザーが改めて日本のカジノビジネスに本腰
      ヤフー  本人は認めぬギャンブル依存 簡単チェックで早期発見
      FNN  「違法スロット」「人間ファストパス」いくら働いても残業代0 パワハラ告発
  6.15  ヤフー  パチンコ業界の政治への働き方は業界に何をもたらすのか?
      マカオ  ゲームセンター従業員4人を違法賭博経営罪で起訴 ゲームポイント現金化
  6.17  ヤフー  お金を使い続けさせるために、カジノが使う9つのトリック
  6.18  神奈川  会員制ネットカジノ経営者を逮捕 予備校生相手に賭博
  6.19  ヤフー  「東大IR研究会」メンバーが語るIRで日本の観光業を変える志
      長崎   HTBのIR候補地 売却に複数の条件 澤田会長
  6.20  朝日   (社説)カジノ構想-先送りを再考の機会に
  6.21  産経   IR、万博間に合うか 政府「基本方針」先送りへ 大阪府市募る危機感
  6.22  ヤフー  大学がカジノ推進のシンポ「#立教はカジノに魂を売るな」と学内外から批判
      ヤフー  パチンコ業界を利する得票数20万票。その希望を一身に担う自民・尾立源幸
  6.23  ヤフー  投資の神様・バフェットが実は大切にしている「ある賭博師の理論」
  6.24  ヤフー  バカラよりもルーレット!? オンラインのゲームに関する調査
      ヤフー  カジノ運営のエルドラド、同業シーザーズを約86億ドルで買収へ
  6.26  神奈川  横浜市がIR説明会 「マイナス面記載ない」と批判も
  6.26  産経   G20サミット成功で都市ブランド格上げ IR、国際会議誘致に弾み
  6.26  北海道  IR世界大手企(シーザーズ)とスポンサー契約クレインズ(釧路アイスホッケーチーム)
  6.28  時事   横浜のカジノ誘致断念を=地元2団体が市に要望
      長崎   「IR整備5500億円用意」6事業者が構想披露 佐世保市
      ヤフー  カジノ上陸前に、大阪ではギャンブル依存症対策
  6.29  時事   北海道に4900億円投資=米カジノ大手(MGE)がIR構想
      ヤフー  「依存弱者」(子供)をゲーム依存ゲーム障害から救うために
  7.1   ヤフー  立教大学がカジノ推進のシンポジウム共催を取り消し 内容も大幅変更
      共同   観光庁の国際部門を強化 訪日外国人増やIR整備担当
  7.2   テレ朝  横浜の港湾事業者 カジノに「ディズニー」で対抗
      産経   日本独自のIR共創に注力 シーザーズ国際開発部門責任者S・タイト氏
      北海道  IR 海外から苫小牧に熱視線 懸念の声も
      ヤフー  岡山県の“ゲーセン内賭博場”は合法なのか

             



1.カジノ万博公金差止訴訟
次回期日:7月19日午後4時00分 1007号法廷

2.ギャンブルリーフレット配布差止訴訟
次回期日:9月10日午後2時00分 806号法廷

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◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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posted by inoue at 13:42| Comment(0) | 会報 | 更新情報をチェックする
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