2018年02月17日

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2016年02月18日

【裁判情報】

大阪高裁 平成27年(ネ)第3156号 宝くじ販売差止請求控訴事件
平成28年2月18日(木)午後1時15分  別館73号法廷(傍聴可)
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2016年01月29日

カンパのお願い

当会は財政上は専らカンパで成り立っています。
会費・カンパを下記口座までお願いします。

りそな銀行 北浜支店 普通0115719
口座名義:ギャンブル被害をなくす会
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ギャンブルNEWSピックup (2015.12.10~2016.1.23)

2015. 12.10  マカオ新   マカオカジノ 2016年もマイナス VIP不振
   12.11  ブラジル  カジノ合法化 大差で多数 巨大市場
   12.12  産経   パチンコ店景品交換所 置き忘れ2万円窃盗 呉市職員逮捕
   12.14  〃    関西経済同友会 大阪府知事・市長にカジノ推進要望
        〃    韓国呉投手 違法賭博で在宅起訴
   12.15  ウクライナ  ゲーム法でカジノ、ブックメーカー、ロッタリー 可能化へ
        中日   名古屋カジノ店トラブルで組員再逮捕
   12.16  産経   フランス外相の長男 マネロン容疑
        観光局  訪日外客数 累計で過去最高を更新 2015年1-11月までで1800万人
   12.17  遊技通信  カジノスクールでIR勉強会(博報堂IR/MICE担当栗田氏講義)
        朝日   別府市 パチンコ店の生活保護受給者調査、注意と支給停止も
        マカオ新   カジノ監理部門局長、カジノ6企業代表と顔合わせ
   12.20  カジノジャパン  シェルダンアデルソン(ラスベガス・サンズオーナー/イスラエル、共和党に近い)、
ネバダギャンブル業界にとって最重要新聞社を買収
   12.22  NHK  マカオ返還16年 カジノ依存脱却が課題
        産経   朝日紙パチンコ機器社賄賂疑いの記事に対し、東京地裁300万円賠償命令
<ギャンブルオンブズマン 会報40号>
 12.23  産経   吉村洋文大阪市長「IR誘致していく」
        〃    韓国は「ギャンブル依存大国」か 呉賭博事件の背景 207万人依存症
   12.24  毎日   不正パチンコ台大量回収 警察庁要請
       マカオ新   洋上カジノ(売上一晩2億円) 日本進出福岡有力
   12.25  アメーバ   パチンコ1人あたり年300万円 40代男性K「年マイナス59万」
   12.26  日経   逃げ水のカジノ構想
        産経   ギャンブル依存症シンポ(ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子)
   12.27  赤旗   違法パチンコ台横行
       フィリピン   カジノ・ロッテリー参加者への徴税検討
   12.28  道新   カジノ法、通常国会見送りへ
   12.31  産経   韓国呉投手 700万ウォン(70万円)の罰金
       マカオ新   カジノ売上底打ちか 低迷
2016. 1.1  CNN   認知症予防はギャンブルで? 日本で進む取り組み
   1.2  ブルームバーグ  マカオ2015カジノ収入5年ぶり低水準、反汚職運動で
   1.3  現代ビ   朝日新聞「驚きの敗訴」で見えたカジノビジネス「光と闇」
   1.4  ビジネスJ  地方テレビやたらとパチンコCM、芸能人のパチンコ営業が多い理由
   1.6  産経   「負けた分取り戻したかった」65歳女 パチンコ店で売上150万円盗む
       グノシー   カジノで8億円負けたVIP客に、3000万円のワイン贈るアフターケア
       マカオ新   「ギリシャ神話カジノ」閉鎖 1997年開業の老舗
       ヤフー   別府市、「生活保護なのにパチンコ」で保護停止!?
   1.8  マカオ新    マカオ、ギャンブル依存の相談件数増加傾向 カジノディーラーも
   1.11  デイリーサニー  ニュージャージー州 アトランティックシティ(カジノ4件閉鎖)救済法案を可決
   1.12  西日本   高校生がパチンコ店で客のメダルを盗む 田川署逮捕
   1.13  IRジャパン  カンボジア、カジノからの税収2015年3500万ドル さらなる拡大へ
   1.14  マカオ新   カジノ隔離申請355件(2015年)
   1.15  産経   「パチンコ軍資金ほしくて」依存症治療施設で6千円窃取、元入所者逮捕
       〃    「パチンコ代に・・・」巡査長が共益費着服 岐阜県警が書類送検
       報知   韓国 単純賭博罪で呉投手、林投手に約96万円の罰金
   1.17  マカオ新   米カジノ大手ウィンリゾーツのマカオ部門、2015年大幅減収減益 VIPルーム不振
   1.18  時事   カジノ解禁、今国会も見送り 参院選控え与党慎重
   1.21  マカオ新   カジノ業が約6割占める 2014年マカオ産業統計公表
   1.22  ニュース24  埼玉県警巡査が寮費横領 ギャンブルに使う
       ライブドア  パチンコ機にキャラクターを提供 絵を描かずに使用料数億円
   1.23  マカオ新   カジノ低迷長期化で受講者減 マカオの公立ディーラー養成学校

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書籍紹介 

1.『ギャンブル依存症』 田中紀子(2015.9.10 角川新書 800円+税)
 著者は、祖父、父、夫のギャンブル依存に悩んだ上、2014年に「ギャンブル依存症を考える会」を立ち上げた。その著者が(1)ギャンブル依存症、(2)依存症事件談、(3)ギャンブル王国ニッポンの問題点、(4)「病気」との向きあい方、(5)依存大国から対策国へ向かうべきと訴える。ギャンブル依存に絡む10件の大きな“事件簿”なども紹介している。
最近発行されただけに比較的新しい内容となっており、2014年8月の厚労省研究班が発表した依存症536万人、20人に1人がギャンブル依存とする深刻なデータを元にして、対策の急を訴える。実は2008年調査では推計559万人になっていたというが、それにもかかわらず政府の対策のあまりにひどい遅れ、ギャンブル運営側の遅れを「告発」する。依存者・家族の側から回復のチャンス、システム、施設やGA活動への理解に加え、ネット依存症やゲーム依存症への対策も訴えている。
著者は、これらの対策を求めてカジノ賛成集会でも反対集会でも広く対策への賛同署名活動を展開している。本心が何処にあるかは別として、ギャンブル産業の中心にあるカジノについては賛成でも反対でもないとブログ等で述べている。このため、田中氏の姿勢、言動に懸念する人もいる。

2.『科学研究とデータのからくり』 谷岡一郎(2015.10.1 PHP新書 780円+税)
 本書は、①STAP細胞事件、②ノバルティスファーマデータ改ざん事件、③厚労省ギャンブル依存症記者発表の3つについて、特に③について厳しく非難する。研究者のミスコンダクト(≒不正行為)について定義し、「たちの悪さ」を5段階に分類して事件を論評する。特に③は、事実の一般化と学証責任の項で依存症536万人というエセ事実を一人歩きさせた「たちの悪さ」を非難する。
 統計と犯罪の専門家を自負する著者が、「研究者が事実認定にどう向かい合うべきか」について、研究成果の事実認定プロセス、第三者を中心とした事実認定のための新たな枠組、ディバイトのためのルール作りまでを提唱する。
 私学におけるギャンブル犯罪学分野の研究には国からの研究費をもらえなかったことからの「ヤッカミ」だと筆者自身自虐的に述べているが、政治と歴史の事実認定や研究のあり方についてや、メディアの偏向、広告業界についてもコメントしている。広告では広告業の顧客(広告主)の批判だけではなく、嘘をつくメディア、だます側を批判し、その代表として宝くじのデタラメ広告について2頁(209~210頁)にわたりコメントしている。氏の言動は注目するところが多い。
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うれづく

 中国から「博戯」「博奕」の言葉が渡来するまで、賭博を表す言葉には「すぐ」「てだて」「うつ」「てんごう」「うれづく」などがあったという(『賭博史』宮武外骨)。そのうち「うれづく」は古事記に「宇礼豆玖」として記載されている。
 古事記中巻応神天皇の九、秋山の神と春山の神の記載の中で、兄の秋山の神と弟の春山の神が伊豆志のおとめを妻にすることに成功したら、秋山の神が上衣下衣を脱ぎ、身長ほどの甕いっぱいに酒を造り、山川の産物をやると賭(うれづく)をしたというのである。春山の神は母にくわしく話し、母の協力を得て結婚に成功して子も産んだので成功を報告したが、秋山の神はうれづく(賭け)の物を渡さなかったので母に訴えたところ、春山の神に呪詛させた。すると秋山の神は8年間病気になって死にそうになり、母に許しを乞うたので、母が呪詛を除くと回復した・・・という物語である。
 これは「神うれづく」の言葉の起こりという。
 神代の海幸山幸の物語と似ているところもあるが、女性を妻にすることは現在の賭博の対象とできるのかという見解もあろう。
ただ、賭博(バクチ)は様々で、社会事象の賭けもあった。①戦争の勝敗、②選挙の当落、③相撲の勝負、④犯人の逮捕、⑤病人の死治、⑥出産の男女、⑦事業の成否、⑧禁止の有無、⑨天気の晴雨などである。

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賭け行為とサムエルソン

 1970年にノーベル経済学賞を受賞したポール・サムエルソンは、日本でも標準的な近代経済学の教科書でこう述べている。
「投機を弁護する人たちは、それが競馬に賭けたり、富籤を買ったりするような賭け行為の一種にすぎないという非難を嫌がる。彼らは、不確実な世界は必然的に危険を伴うもので、誰かが危険を負担せざるをえないことを強調する。すなわち、投機家の知識と冒険好みとは、社会的に有用な目的に結びつけられていて、そのおかげで変動の幅や他の人たちにとっての危険が削減されることになる、という主張がなされる。(上でみたように、常にこのとおりであるとは限らず、投機は現に安定を乱すことにもなりかねない。しかし、このような主張が全然正しくないとは誰も言えないのである。)」
 そして、賭け行為そのものについてはこう述べている。
「なぜ賭け行為はこのように好ましくないことと見なされるであろうか。その理由の一部、おそらくはいちばん重要な部分は、道徳とか倫理ないしは宗教の分野に属することからであると思われる。これらのことに関しては、経済学者は経済学者の資格で最終的な判断を下すことはできない。しかし、経済学の立場においても、賭け行為に対しては相当に有力な否定的論議がありうる。」それは次の2点である。
「第一に、賭け行為は個人同士の間の貨幣のまたは財貨の無益な移転にすぎない場合がある。それは何の産出物を生まないのに、しかも時間と資源を吸い上げる。レクリエーション―そこでの主目的は結局のところ時間を「つぶす」ということになる―の限度をこえて行われる場合には、賭け行為は国民所得の削減を意味するだろう。」
「第二の欠点は、それが所得の不平等と不安定性を助長する傾向を持つ点にある。それぞれが同一の金額をもって賭けを始める何人かの人たちも、帰るときには大きく差のある金額を懐にしているのが普通だ。賭けをする人の家族が当然予期しなければならぬのは、日によっては世界の頂点に立った状態であるかと思うと、そのうちにまた運勢が変わって――賭け行為について我々が確実に予言しうるのは、運勢が変わるということだけだ――今度は飢えに迫られるようになるかも知れぬ、という点である。」
 サムエルソンは、農業生産物に関する投機活動の活動が危険の分散や価格安定に寄与する経済上の効用と対比して“控え目”に賭け行為にコメントしているものだが、経済活動が新たな生産物等の富を生み出す生産的経済活動や、生産物が付加価値を加えられたり消費者に販売されるまでの取引活動での経済活動には全く有用でない好ましくない行為として二点をあげたのである。
 実は、サムエルソンは註書で「職業的経営される賭け行為では、実際にはお客が差し引き損をするようになっている・・・それは「親」の方に勝ち目があるように仕掛けてあるからで、「正直な」親でも長期的には勝つようになっている」「現代でもそうだが、過去にもあったことだが、一部の社会では賭け行為を通じての所得分配不平等の強化が、その社会の節倹度や資本形成に間接の貢献をすることがありうるのだ」と述べている。前者は、日本では特別にヒドイが公営ギャンブルの「主催者 発売主」が50~25%を客全体からピンハネしていること、公民営カジノの実態をいうものである。後者は、日本では宝くじが大戦後のインフレーションの抑制や戦災復旧の資金獲得を名目にされことをいうものである。
 以上、サムエルソンは、経済学者として純粋に賭博ギャンブルはいわゆる農産物の需要と供給の世界での投機とも、また保険の経済とも異なることをはっきりさせるために二点を指摘したのだ。
 賭博ギャンブルは、犯罪(詐欺~脱税~暴力団・マフィア)との関係での悪はいうまでもない。純粋に友人間の公開されたフェアなレクリエーション娯楽を除けば、賭博開帳、富籤発売者が客を必ず収奪するものである。公正な投機や保険でのリスク分担等の効用もない。そして、現代では現代の金融資産の投機は新たな富を生み出さない非生産的活動としての投機が支配する資本主義経済を英国の経済学者スーザン・ストレンジは「カジノ資本主義」と名付けて批判したのだった。
 なお、付言すれば最近喧伝される各種保険は、本来の存立意義である「危険を少なくし、また分散させる」点で賭ける行為と逆のものとサムエルソンは述べているが、最近の保険会社のCMは「保険は冒険から生まれた」「失敗をこわがらず『何度でも挑戦できる社会』」「私たちは挑戦者を応援します」という東京海上日動のTV、新聞、地下鉄に至る広告や、交通事故で山中で「エンコ」しても事故を起こして加害者となっても、保険会社がすぐに駆けつけ、しかも電話やインターネットでより安い料金でそのサービスを提供でき、誰でも病人でもすぐに加入でき、高い保険料を支払ってもらえるなど非倫理なもの、少なくともその宣伝になっている。
 すなわち、保険も本来の危険を少なくするより、危険を冒すことを勧め、自らの負担で自らの危険を負担させるだけでなく、他人への危険負担まで安易にさせ、事故の社会的責任や道徳的責任まで無くしていく「商品」の宣伝、発売がなされているのである。保険もギャンブル化している。
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コラム ギャンブルと確率

1.丁半の確率
  丁とは賽の目の偶数、半とは奇数をいうが、公正な1個の賽なら五分五分50%の確率。しかし、よく賭博で行われた2個の賽の合計での丁半は1と1の2の丁から6と6の12の丁まであり、実は偶数の丁が多い。2個の賽の合計は2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12の11通りで偶数6、奇数5通りである。しかし、その2個の賽の「変化」(出目の組合せパターン)は合計21通りで12が丁目、9が半目である。(また、3個の賽の合計なら3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18で偶数8通り、奇数8通りであるが、3個の賽の「変化」は56通りあり、26が丁目、30が半目である。)
  2個の賽による実際の目の丁半は丁が12通り、半が9通りであることから、博徒はこれを「九半十二丁」という。つまり、胴側が丁をとると、特別に「寺銭」をとらなくとも同じ効果を発揮する。

2.様々な確率と宝くじの確率
  宝くじは、偶然の確率を自分には高く感じる(感じたい)という心理を利用している。
ちなみに確率を大急ぎで研究すると、確率はコイントスでいえば2分の1で裏と表の合計は1、サイコロは1の目は6分の1でその他の目は5分の6で合計は1、一姫二太郎は長子が女で二人目が男ということであるから生物学的に男女が生まれる確率は2分の1とすると、4分の1の確率だ。9人の野球選手の打順は何通りかというと、9×8×7×6×5×4×3×2×1=362,880通りある。降水率(確率)が「明日0時~6時まで50%」というと、過去のよく似た気象データの中で1mm以上の雨又は雪が降ったケースが50%あったということ。しかし、現在は10%きざみでその間は四捨五入し、0%は降水確率が5%未満のことを指している。
くじは、最初に引いても100枚のうち1枚なら100分の1の確率で当たり、99枚は当たらない。結局確率は最後の1枚まで同じだが、それを最後の週や日がよく当たるなどという宣伝は、売る側がイカサマをしていればともかく、嘘である。
よくある錯覚の例。40人のクラスで特定の2人が同じ誕生日である確率は365分の1と思う人がいるが、逆に40人が一致しない確率は365/365×364/365×363/365×・・・326/365=0.11、11%しかないことになり、したがって一致する確率は89%になる。ちなみに60人いれば99%の確率で一致する。
代打逆転サヨナラ満塁ホームランは、全9回の9回目で1/9、後攻で1/2、逆転サヨナラになるということはそれまでに1~3点差で負けているということで数十試合(仮に20試合)に一つ、満塁は全塁に走者がいるということでこれも数十試合(仮に20試合)に一つ、さらに代打に選ばれることはチームの中で数十人(仮に20人)に一人であり、ホームランを打つことは300回の打席に1回もないとすると、はっきり計算できないが、1/9×1/2×1/20×1/20×1/20×1/300=1/43,200,000以下になる。
交通事故は、年間80万件、負傷者100万人、死者8000人とすると、人口1億人として100分の1で負傷し、死者は8000分の1に近い。宝くじの1等数億円くじは1000万分の1だが、それより1200倍以上も高い。しかし、1年で8000分の1の死亡としても、人生のうち60年間もそのリスクにさらされるとすれば8000分1×60≒133分の1に近い。
地球に隕石が衝突するのは、隕石が直径10kmだとすると恐竜を絶滅させたように1億年に1回だとされるが、直径1kmだと数十万年に1回で、人の4分の1は死ぬと推測されている。このようなことはほとんどあり得ないように思われているが、結局2万分の1の確率で巨大隕石により死亡する計算となるといわれる。
この2万分の1の確率は、飛行機に乗って死亡する確率ともいわれるから、宝くじ1等よりも確実に高い。宝くじやtotoは買わなきゃ当たらないし、飛行機は乗らなきゃ墜落死しないが、隕石や災害、交通事故などは確率が宝くじ等より高いことだけは知っておく必要がある。
宝くじ発売当局の発表によると、2000年の1000万円以上の当せんは2917本だったという。10万円以上だと毎日435本、3分に1本当たっているという数字だ。これはそれだけ多くくじを売った結果にすぎない。
実は、30枚以上購入者が全購入者のうち55%、20枚以上だと70%という。結局、年末ジャンボの10枚購入者は3000円で買って平均45%として約1350円戻るだけである。 
買わないと当たらないのは事実だが、買っても当たらない。多く買えばその分損をする。よく当たる売場というのはウソ、この売場は空くじも一番多く売っているというのがホントである。

3.ギャンブル必勝法はある?! ない!!
  100円を賭け、負けたら200円を賭け、同様に2倍賭けしていけばトータル100円はプラスになる。これを倍賭け法(マーチンゲール法)という。
  しかし、無限の資金をもち、相手も受けてくれることが条件。カジノではこれを制限している。ちなみに1万円から始めて11回目は1024万円、トータル2047万円が必要になる。20回の負けで21回目は100億円に及ぶ。こんな資金は事実上用意できない。

4.勝率は資金力に比例する
  例えば、Aの所持金が2万円、Bが1万円なら、AはBに比べて2倍の確率で勝つ計算になる。もっとも確率2分の1とすると、期待金は資本金と同じで、資本金の大きい方が必ずより多く儲けられる訳ではない。
(以上2~4は、野口哲典「確率はわかるとおもしろい」(オーエス出版)を参考にしました。)

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ギャンブル事業と消費税

第1.消費税法と課税要件
1.消費税法は第4条で(課税の対象)として「国内において事業者が行った資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下、この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。」とある。
  この「資産の譲渡等」とは、第2条の(定義)の1項8号に「資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。」と定められている。
  この「対価を得て行われる資産の譲渡」について、反対給付があれば「資産譲渡」だが、無償による資産譲渡は該当しないと国税庁は解している。(消費税法基本通達第1節5-1-2)
2.以上、法律上の明記の法令はないが、消費税法6条1項の非課税対象、同法別表1四ハや消費税施行令11条の物品切手に類するものの範囲の規定引用により、宝くじ等は非課税取引という見解も一部にある。しかし、これらの法令をどう読めば、宝くじ等が消費税の対象外になるのかわからない。
  ちなみに、これらの規定に関係する消費税基本通達(6-4-3、6-4-4)とその逐条解説でも、宝くじが消費税の対象外になるとは書かれていない。
  むしろ、これら非課税の対象に入っていないことは課税対象というべきである。

第2.現状のギャンブルと消費税
1.パチンコ・パチスロ
  現在、パチンコ・パチスロの貸し玉、貸しメダルの売上(貸し玉料)について消費税は内税化されている。従来、消費税の規則には、パチンコ・パチスロについての取扱いが明記されていなかったが、2014年4月の増税時に貸し玉・貸しメダルの取扱いの関連法令が改正された。これによりホールは、組合単位で商品価格の改定などの動きが広がった。そして結果的に利益が上がり、歓迎されて採用された。
この消費税対応は、1000円当たりの貸し玉・貸しメダルの数を減らして増税分とする「個数調整方式」、貸し玉・貸しメダル料金に消費税分を上乗せして足し合わせ端数を清算する「金額調整方式」があったが、前者が主流となったといわれる。
  そうすると客が1000円で玉を借りた(買った)とすると、その1000円の内に8%の消費税が含まれて、玉が減っているパチスロ店は、その貸し玉1000円のうち消費税を支払っていることになる。貸し玉を仮に500円としても500円分の消費税内税分を納税する計算である

2.宝くじ券、スポーツ振興券(toto)
  現状、宝くじやスポーツ振興の「証票」「券」の発売については「対価性のない取引」との考え方をされているらしく、非課税扱いのままである。
  国税庁は、通達ではないが「消費税タックスアンサーNo.6105」(国税庁ホームページで消費税の運用についての考え方を示したもの)の中で、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等について、判断例を示している。それは、消費税の課税の対象とする一文の中にある。
「1 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(1)事業者が事業として行う取引
   「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。
   「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
   したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の売買は事業として行う売買になりますが、給与所得者がたまたま自分の自家用車を手放す行為などは、事業として行う売買とはなりません。
   なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業となります。
(2)対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。
したがって、寄附金や補助金などは、一般的には対価性がありませんので、課税の対象とはなりません。
また、無償の取引や宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません。
(3)資産の譲渡等
    消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として有償で行われる商品や製品などの販売、資産の貸付け及びサービスの提供をいいます。」
  
この(2)の中に、無償の取引が対価を得て行う取引にならないとあるのは消費税法2条1項8号からして正しいが、わざわざ「宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません」としているのはいかにも唐突であるし正しくない。宝くじの賞金は、「証票法」13条でいう「当せん金品」であると思われるが、これについては所得税を課さないと明記されている。問題とするのは、宝くじの賞金に消費税を課税するかどうかではない。宝くじの販売・購入に際しての消費税の課題については正面から判断していない。
すなわち、この記載は、宝くじの販売・購入の取引についての消費税課税要件を誤解させるものである。宝くじの販売・購入は、事業者と消費者の間での寄付やチップではなく、例えば、ジャンボ宝くじなら1枚300円の有償取引である。消費者である客は、反対給付をもらう。要件を満たせば最大億円単位から少なくとも10枚に1枚は当たり、換金してもらえるという、有価性ある宝くじ券である。また、一度ハズレになっても、再抽籤して商品を与えるサービスも提供される。
その対価を宝くじについていえば、①要件を満たして大きな金銭を得られる期待権と②企画から当せん金受領に至るまでの事務コスト等実費の対価の双方を含むものといえる。
このように宝くじの販売は、事業者の有償取引であり、対価性も有するものであるから、消費税の課税対象たる「資産の譲渡等」にあたる。
それなのに、現状は適法な消費税の納税もなく販売が続けられているのである。
  宝くじの賞品という表現で消費税の対象外と解しているが、宝くじの賞金は「当せん金付証票法」13条で所得税は課さないと明記している。すなわち、宝くじについては消費税のなかった時代の証票法で所得は課さないとする明文があるが、これは消費税の課税要件には関わりないのに、タックスアンサーは混同しているのである。
  スポーツ振興券の賞金についてはスポーツ振興投票の実施等に関する法律16条でスポーツ振興券の当せんによる「払戻し金には所得税を課さないとしている」。
  この宝くじ券の販売について国税局は、投票券で「資産の譲渡等」にあたらないとも説明したいようだが、いかに払戻率が低く45~50%に設定しているとしても1等億円当たりくじから6等の販売額の払い戻し賞金が10枚に1本もあるから、単なる投票券、対価性のないチケット(券)とはいえない。そもそも巨額の賞金で大量の券を売っているのであって、この宝くじは消費税対象の入場券同様の切符であり、当せんという期待権に有価性を高めた券であり、対価性のある資産等の譲渡品といえる。この理は、スポーツ振興券でも全く同じである。

3.馬券・車券・舟券
  宝くじやスポーツ振興券の払戻率は50%以下と定められているが、馬券等販売収入は70~80%が券の購入者に配当される。もとより予想を当てた当せん者に分配されるので、1券あたりは宝くじほどの大当たりではないが、それでも数千~数百万円の大当たり(大穴)がある。この馬券の払戻金は1枚50万円を超えると1枚につき当せん金の約2分の1が一時所得となる。
  だが、馬券等の一時所得税課税と馬券等の購入販売にあたっての消費税賦課は別途考えられるべきである。この馬券等も当たりへの期待権に有価性を高めた券であり、「対価性のある」「資産等譲渡」というべきである。

4.なお、競馬場、競輪場、競艇場、ボートレース場への有料入場券は、劇場への入場券と同じであるから消費税は必至である。

第3.ギャンブル(公営競技、宝くじ、toto)の消費税推計
  消費税は、消費する客からの預り金のようなもので、店(売主)がその商品サービスを供給するための費用の支払いの中にも消費税を支払っているから、その差額を納めるシステムである。
  そこでギャンブルごとの売上から消費税総額は推計できる。
  ちなみに2015年度のレジャー白書にある2014年のギャンブル市場推計データによると、
 ①中央競馬は2兆4940億円であるからその8%は1995億円(億円以下切り捨て、以下同じ)
 ②地方競馬は  3750億円であるからその8%は 300億円
 ③競輪は    6140億円であるからその8%は 491億円
 ④競艇は    9790億円であるからその8%は 783億円
 ⑤オートレースは680億円であるからその8%は  54億円
 ⑥宝くじは   9790億円であるからその8%は 783億円
 ⑦スポーツ振興くじは1110億円であるからその8%は88億円
 で、以上①~⑦合計は5兆5420億円で8%では4433億円となる。これらの「脱税」は問題だ。

第4.最近の消費税と軽減措置と財源確保論議
  消費税を8%から10%に値上げすることを決めたのは、社会保障のための財源捻出だった。しかし、消費税は福祉目的税でなく、そもそもその目的は国民を説得するための詐欺的な説明だとの批判がある。しかも、2017年4月の10%値上げの際には低所得者対策として軽減措置を導入するという「公約」をどのように具体化するかは不透明である。
  既に医療、介護、保育などの自己負担総額の上限を設ける「総合合算制度」も見送られ、食料品減税で米、生鮮食品、加工食品、菓子・飲料、外食までのうち、外食を除く点で自公与党は一致したと公表された。その1兆円減税の財源確保、工面が先送りされるという参院選対策のデキレースとの非難さえある与党合意である。
  これからその財源のために財務省を中心に工夫もされようが、酒やタバコ、また高級物品への特別課税の現状を考えると、これらギャンブルという「商品」についての消費税課税は理論的にも法解釈上もなされるべきである。酒やタバコへの課税は売上を抑える効果があってもよいという保健衛生、社会政策にもよるものであり、ギャンブル依存症の抑制や過剰な賭け金抑制のためには加重的消費税さえ必要であろう。 
                           (Y)
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漫才「バクチと消費税」

A パチンコスロットは消費税が課税されてるの知ってた?
B そういえば1000円で250個の貸し玉やメダルだったのに、それが2014年の増税の時から玉の数を減らしてたんだってね。
A それなら宝くじも1枚200円や300円の中に内税で消費税が含まれているの?
B いや、それが宝くじやtoto(スポーツ振興くじ)には消費税は課税されていないんだ。
A へえ、何でなの? 業者が有料で売ってる券じゃないの。
映画や野球のチケットは消費税が課税されているって聞いたけど?
B そういうチケットとは違って、「対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供」でないという取扱いになっているんだって。無償の取引と同じで「反対給付を受けること」という対価性がないと言うんだ。
A 宝くじはほとんど当たらないからね。それで「対価性」がないということなの?
B 確かにほとんど当たらないとも言えるね。でも都道府県が宝くじで10億円が当たると宣伝している。国税局は「対価性」がないというのだから、どうなってるんやろうね。
A わかりにくいなあ。それなら宝くじやtotoの券は何の価値もないのかな・・・?
B ホント、苦しい説明だね。だから、これらの券は当せん金・賞金を得るために抽籤番号を証明したり、勝馬番号を記載して交付する「証票」で投票券であると言ってるんだ。
A ????
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◇◇ パチスロ研究 報告集 ◇◇

<報告1> パチンコの現況
パチンコとスロットを併せてパチスロというが、日本固有のパチンコは世界の中で日本唯一、且つ、参加人口、賭額、店舗数のいずれをとっても世界一のギャンブルである。
  パチンコは1995年に31兆円を売り上げ(貸玉料)、1万7000店もあった。パチンコ人口は全盛期2000万人に及んでいた。しかし、遊技関連事業協会の統計によると2012年にはパチンコホールは売上高19兆660億円、店舗数11765店、パチンコ人口1110万人という。
  この間、パチンコホールは大型化・郊外化で競争が激化し、マルハン、ダイナム、ガイア、オザム等の大手はさらに大きくなり、中小店は倒産・閉店・廃業していった。パチンコ台数は454万台を超えており、世界の遊技器材の半分以上が日本にある。
 パチンコホールは広大な土地・建物が必要で1台10~60万円のパチスロ機を1店舗200~600台設置する(平均386台)。したがって、派手な電飾、照明、エアコン等も含め装置コストは莫大であり、多数の店員人件費に加え、電気代だけでも月に100~300万円を要するという。
  立地制限の下で苦労して出店し、広大な駐車場を用意し、頻繁に新しい台に入れ替え、出玉率を上げ、広告宣伝し、タレントを呼んでイベントサービスもするなど、コストアップは避けられない。パチンコ業界のサバイバル競争の最中にある。パチンコホールの出玉率の調整は、ケージ内のスタートチャッカー、アタッカーの釘を調整しているし、コンピューター調整もある。これらは本来違法だが、公安委員会や警察は黙認している。
 なお、パチンコホールは、例えば貸し玉1個4円とすると1000円で250個を貸すが、平均100%以上の玉を出すようにしているという。これを出玉率というが、130%にしても景品交換率は67%程度であるから、配当率としては86~87%が戻る計算となり、競馬の75%より配当率はよい。但し、景品や換金段階での裏事情が別にあるという。
パチンコ店はマルハンのような2~3兆円の売上と200~400億円の経常利益を上げるところでも三店方式による賭博類似のギャンブル産業である。そのため、上場したとしてもいつその株が紙くずになるかも知れず、上場は認められていない。ダイナムは香港で上場という奇策をとったが、日本での上場はできていない。そのため、マルハンはパチンコホールなどの建設部門のイチケンという子会社を作り、それを上場させている。
実は、パチンコ業界の中にはパチンコ関係機器業界があり、その市場規模は1兆3792億円という。機器メーカーの1位は京楽2051億円、2位セガ・サミー1818億円、3位三共1585億円、4位三洋1535億円、5位平和1059億円と続く。
 パチンコホールに行けばわかるが、客は無職、失業者、中高年男性らが主流だが、中高年女性も相当数見かけられる。ほとんどが男性客の競輪、競艇場と比べると女性はまだ多いと言える。力のあるパチンコホールやメーカーは、多角経営化を諮り、娯楽、浴場、レジャー、ゲーム、さらにカジノ導入へ向けてシフトしていくと思われる。そして力のないホールはますます淘汰されていくだろう。
 実はパチンコには、景品交換(換金)を正面から認め、今の三店方式というヤミのギャンブルから堂々と公認ギャンブルにしてほしいとの「野望」がある。また、自民党内には、景品交換での換金の際に手数料を徴収することで、公認ギャンブルと同様に地元自治体の収入にしようという構想もある。「パチンコ税」構想ともいわれるが、これで年間交換金20兆円のうち、手数料をその1%としても2000億円の財源が生まれるというのである。
  かなり甘い案だが、これによりパチスロは名実ともに賭博開帳となる。これを民間企業にやらせることは特区でのIRカジノ構想よりも問題が多い。路地裏の隠れた換金所を明るいところに出して公益法人化するともいうが、利用者の換金そのものはカジノでいわれている①犯罪と犯罪組織、②警察の利権化、③マネーローンダリング、④ギャンブル依存症、⑤風紀・教育・環境などカジノ以上の問題がある。
 パチンコの未来は、風俗営業法認可の遊技名目のギャンブルをいつまで日陰者、ダークな存在にしておくのかという、本来コンプライアンスなき産業の解決を考えるものであるといえよう。

(井上善雄)

<報告2> パチンコ、スロット問題の「闇」をなくせ    
1.現在パチンコは三店方式といわれる換金をしており、風営法事業を賭博事業とする「闇」がある。
  しかし、警察庁ではパチンコに「換金行為」はないことになっている(警察庁答弁 2014年8月26日朝日紙)。しかし、実態を知る自民党の高村副総裁ら大物議員らも、この「官僚答弁」にはうんざり。野田毅前税制調査会長も名を連ねる「時代に適した風営法を求める議員連盟」は、そんな建前論はやめてパチンコ課税として換金額の1%2000億円の税収を見込んでいる。
  パチンコは換金しない建前で、客が玉をボールペンや金地金など「特殊景品」に交換してもらい、これをさらに「交換所」に持ち込んで勝手に換金しているだけ、だからパチンコは遊技だというのが警察庁である。
  しかし、パチンコ店では貸し玉が貯玉され、カードに金額で増減が記録される。また、換金用に金地金「景品」が用意される。これは実質、玉の換金である。風適法23条1項1号は、現金又は有価証券を賞品として提供することを6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科される(52条)。だが、金地金は現金でないとして自由にしているのである。そして、パチンコ店の横に換金所があり、現金化される。この金地金景品が「景品卸」を経由してパチンコ店に売られる。この循環は「三店方式」「四店方式」といわれる。
  実は、この交換所の経営は、パチンコ店とは完全に独立別個であることが求められている。しかし、同じパチンコ店の建物の中に交換所がある例さえある。これでは別個の存在といえない。
  交換所は建前上、警察所管の古物商の許可が必要である。警察は風営法上のパチンコ店の監督指導と古物商の監督指導を同時にしている。だから、パチンコの景品「商品」の製造、販売、購入を継続的、体系的に点検すれば、パチンコ店の実質的な換金行為は明らかだ。しかし、敢えてこれを視ないのだ。建前上、換金業者、卸売業者、購入企業が別にあるから「換金していない」というのだが、その判定役の警察がバラバラに見るように決めているのだ。パチンコの景品は、当該パチンコ店の玉と同様決まっているのだから、3店であろうと4店であろうとチームで換金しているのに黒いベールを掛ける役割を警察当局がしているということに他ならない。
2.このような実態は、パチスロを知る者には明白だ。これを具体的に風適法違反・賭博法違反で「告発」する取組がないため、ルール違反が見逃されている。警察はこのパチスロの本質的違反について“共犯関係”のためか、検挙しない(できない)。ギャンブルオンブズの皆様、具体的に調査し是正に取り組んでほしい。この点、風適法23条1項1号、2号は、脱法を許す条項で、改正は急務である。
(帖佐元武)

<報告3> パチスロ どう規制すべきか 
  現在のパチスロがこのままで良いと考える者は少ない。自由論者から禁止論まで整理して報告します。
(1)民間企業にパチ・スロをギャンブル、賭博として認め「自由」にさせる。(が、完全自由論はない。)
  ①換金も自由とし賭博事業者を「許可制」とし監督も行う。・・・賭博業許可(パチスロ新法)
  ②許認可制の下で地域、店、規模、営業方法を監督する。・・・現在に近い
  ③換金業を表に出して許可制とする。(古物商でなく)
(2)厳格な風俗営業内でやらせる。
  ①ゲーム産業として換金脱法も許さない。(三店方式は禁止)
  ②入場者は賭博をする者として身分証明・正当資金証明を要する。(店の点検確認、記録義務)
③18才未満入場禁止など、厳格な証明 (店の確認義務)
  ④入場規制 1ヶ月7日以内、2ヶ月15日以内、1日3時間以内などの規制をする。
  ⑤パチンコは1玉1~2円、スロットは5円以下とする。
  ⑥パチンコ、スロット機でゲーム性に射倖性、夢中にさせ依存させるゲーム機を禁止する。
(3)風営法からパチスロを独占規制させる新立法と規制
  ①開業・開設・開店については警察だけでなく、地域(市区町村)の同意、半径1km以内の住民と教育関係(学校、幼稚園、保育園を含む)各過半の同意を得るものとする。
  ②既存の店も新しく過半の同意と自治体の長と同意(反対でない意見も含む)を新しく得る。
住民の同意(賛否)の意見には、競業者事業関係者(従業員、協力事業関係者)は除く。
(4)違法な営業や脱税をする企業・店舗の営業取消、刑罰等の強化
(5)政治的には現在のパチスロ店をすぐに閉店させる訳にはいかないという人もいよう。
   しかし、金地金換金や三店方式という賭博脱法は現行法でも解釈で取り締まれる。パチスロ店はあくまでゲームセンターとし、対価として相当の物(商品)を得られるだけにする。その上で、カジノのような特区をつくるなら、関係省庁と地方自治体と許可の下にやることになろう。それができないなら賭博パチスロは禁止するしかない。
(鉢 素郎)
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投稿「金儲けだけ」のギャンブルの意味 貝都哲人

1.宝くじを含む公営ギャンブルはズバリ「金」、公共団体が客の射倖心を利用して収奪する金(収益金)にのみ存在意義・社会意義がある。
  社会には「金」で評価できない必要なことが沢山ある。無償なり労働対価として割に合わない仕事が求められている。「公」の政府自治体の欠くべからざる仕事・業務はこのようなものが圧倒している。
  公営競技事業や宝くじ発売は地方自治体の収益事業といわれるが、民営可能な交通事業などの公益事業はそのサービス提供そのものが公共目的であるのに対し、ギャンブル(賭博)は、サービスそのものが公共目的であるとはとても言えない。したがって、公営事業で収益性があってもギャンブル事業はとても公益サービス提供とはいえず、いわば、市民のうち射倖心を持つ者を対象として収益を得ているにすぎない。この収益金は、悪銭もまた金である、金に色は付かないという理由で第二の税収源のように扱われているのである。
2.本来、刑法に禁じた賭博開帳や富くじ販売を公共主体がすることは反社会的で「邪道」である。ギャンブルが市民への公共サービスだとは、絶対に言えない。
  闇の不法ギャンブルをなくすための手段として公営ギャンブルは有効であるという「理屈」もあるが、公営ギャンブルはむしろそのシステムを利用した営業的な「ノミ行為」さえ生む。公営ギャンブルがあることで賭博禁止・抑止への規範意識の形成を妨害している。事実、不法のギャンブルが公営ギャンブルによって阻止・抑止されたということはない。大麻を合法化しても麻薬や覚せい剤の使用所持・販売といった薬物犯をなくすことにはならない。(もちろん、全て自由にすれば立件事件もなくなるが、その濫用状況が出現する。)
3.ギャンブルは、スポーツやゲームといった娯楽と共になされるため、本来のスポーツ、レジャー、娯楽のサービスと一体化して取り扱われることがある。競馬、競輪、競艇、オートレースにスポーツ性があっても、この勝負に金を賭けなければ行えないものでない。(野球、サッカー、相撲etc、スポーツに関して賭博があってもそれは別個のものである。)
  宝くじ・totoに関する「スポーツ性」など、その収益金の使い道をいうにすぎない。トランプゲーム、マージャン、将棋、囲碁は、金を賭けなければただのゲームである。結果・成績に金品を賭けると賭博になる。
  パチンコやスロットも本来はゲームだけのものだった。商品を出したり、さらにそれを換金することによりギャンブルとなった。日本のパチスロはカジノのスロットのように直接チップを換金せず、三店方式という脱法システムをとっている脱法ギャンブルである。
  もちろん、パチンコ・スロットに気晴らしにいく者もいるが、客の本音は勝ちたい、金を儲けたいというのものである。気晴らしだけで高いパチスロ代が支払われることはない。気晴らしができれば賭博でないというなら、勝てば気晴らしにはなるから全ての賭博は賭博ではなくなる。
  要するに、賭博をレジャーと言おうと余暇のゲームと言おうと、それは好きな者にとってはそうとも言えるというにすぎない。負けたり借金を背負えば余暇や娯楽どころではない。賭博は客のうち95%以上が負ける。主催側は絶対に負けない。
4.ギャンブルの開帳と富くじの販売はトータルとしては必ず儲けられるので、客に対しては射倖的な様々な「夢」物語や物的サービスがその額に応じて提供される。富くじの確率は著しく低いが高額当せんの夢がある。カジノでのサービスでいえば高額カジノ利用者のコンプ(酒、食、ホテルの無料提供)までがある。副次的に提供されるサービスとは、「夢」「射倖心のはけ口」となる。
5.客の側も金を儲ける夢の機会を主観的に得たとしても、その機会に得た「夢」とは精神的な病癖、アディクション、依存症、障害といえるものである。
  結局、賭博で勝った金は自ら労働して得た成果でも他者から感謝されて得た金でもなく、その金額は他人の犠牲の上に射幸によって得たというものにすぎない。また、賭博収得金は、自己の社会的貢献として評価もされず、他者からは怨嗟の声を受ける。よって他人はおろか身内にさえその金を隠すことも多い。
  金儲けだけを考えるギャンブルの世界は、人生における本当の生きる意義や歓びとは完全に隔絶したところにある。
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コラム

フランシスコ・ザビエルの手紙
 1949年に日本に来たフランシスコ・ザビエルは、日本人が名誉を重んじることを評価したあと、「人々は賭博を一切しません。賭博をする人たちは他人の物を欲しがるので、そのあげく盗人になると考え、たいへん不名誉なことだと思っているのです」と書いている。
イスパニア人のザビエルは、インドから鹿児島に上陸してキリスト教を伝えた宣教師で、大内義隆や大友宗麟の保護を受けて2年間日本に滞在した。
1949~1951年当時の日本は戦国時代で、各地の領主は「法度」で賭博を厳しく取り締まっていた。逆に言えば、賭博が流行していたともいえる。したがって、ザビエルが知ったのは上級武士の建前の世界だったともいえる。

カルタの伝来
 ポルトガルは、インド西岸のゴアを拠点とし、マカオを中継して日本を目指した。ポルトガル船は1543年に種子島に接岸し、ザビエルに続いて1562年より長崎に入港するようになった。以降、カルタが日本に伝来し、1597年には長宗我部元親の掟書で「博奕、カルタ、賭勝負を禁ず」とした文書がある。
 しかし、実は「倭寇」と呼ばれる中国人と日本人の貿易・海賊集団が16~17世紀に出現していた。この船員らがカルタ賭博を興じていた可能性が高い。
 ヨーロッパのプレイングカードは14世紀後半に欧州中に広まり、15~16世紀にはインド・東南アジアに伝播していたことは想像に難くない。現存する日本最古のカルタは、裏面に「三池住貞次」と書かれた1枚の札が残るのみである。これは「天正かるた」と呼ばれているが、天正年間(1573~1592)に作られたというわけではなく、慶長(1596~1615)の頃のものと推察されている。カルタは欧州のギャンブルカードの「紙札」だった。
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最新ギャンブル事情

1.「レジャー白書2015」は日本生産性本部発行のA4版190頁(7000円+税)の本。この本はギャンブルを余暇の娯楽部門に位置付けて各年紹介している。以下、書籍紹介を兼ねてこの白書のデータを紹介し、ギャンブルオンブズの眼でコメントする。
  本書は、娯楽として囲碁将棋などのゲームと同並にしてパチンコ、宝くじ、サッカーくじ(toto)、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースと分類する。人的傾向のデータは全国15~79歳までのサンプル調査をし、有効回収数3325名(男1623、女1702)として統計化している。毎年同様のサンプル調査による推計データである。
  まず、余暇活動の1位から40位までをあげる。宝くじは2013年に10位、2014年に14位で入っている(白書23頁)。
余暇(レジャー)とはスポーツ、趣味・創作、娯楽、観光・行楽、その他の活動を指し、そのうちの娯楽はさらに8つに分類され、その一つとして「ギャンブル」が項目付けされている。この「ギャンブル」記載の項目について視てみよう。以下の表の9~16は、今日堂々となされているギャンブルである。
(1)性・年齢別参加率(2014年)(白書44頁)
fig1-21.jpg
  このデータは3325回答における参加率である。宝くじの参加率33%は、カラオケの参加率33.6%に近く多い。

(2)参加人口の性別・年齢別(2014年)(白書48頁)
fig1-22.jpg
  これによると、パチンコ1150万人、宝くじ3340万人、toto900万人、中央競馬890万人、地方競馬340万人、競輪160万人、競艇230万人、オートレース80万人。宝くじの男女比率は54:46と近いが、その他は男が7~9割を占める。そして高齢者(60~70代)の比率が2割を超えて高い。

(3)参加率・回数・費用(2008~2014年)(白書57頁)
fig1-24.jpg
  これによると、パチンコと競馬への費用額は多い。2008年より2014年の参加率が増加しているのは、toto、競馬、競輪、競艇、オートレースで、宝くじとパチンコは減少している。平均費用額でも宝くじとパチンコは減、その他は微増となっている。
(4)性別参加率の推移(2008~2014年)(白書61頁)  
  パチンコ・宝くじは男女とも減、totoは男で倍増、他は微増となっている。
fig1-25.jpg
(5)参加人口の推移(2008~2014年)(白書65頁)
fig1-26.jpg
  パチンコは1710万人から1150万人、宝くじは4380万人から3340万人へ減り、totoは150万人から300万人、中央競馬は750万人から890万人へというように公営競技参加は増加している。

2.以上のデータやギャンブル事情について以下コメントする。
  白書は、余暇市場を2014年で72.9兆円とする。国民総支出(名目)は同年487.5兆円だから少なくない比率を示す。しかし、ギャンブルを含む娯楽部門が50.2兆円を占め、その中でもパチンコが突出している。白書は、パチンコは減、宝くじは伸び悩み、totoは大きく伸びたとする。

3.パチンコ・パチスロ(パチンコ)は2年連続減となり、1000台以上の大型店により中小店が閉店した。今や上位10社による店舗数シェア率は10%、台数は15%という。「定量制営業」は改変されている。貸玉・貸メダルの消費税対応は1000円当たりの玉・メダルを減らす「個数調整方式」と消費税上乗せ端数で精算する「金額調整方式」があり、前者が主流となったという。
また、パチンコ税は2015年は見送られたが、IR法で再燃可能性がある。そして2014年8月の厚労省研究班による「依存の疑いのある者536万人」という指摘でパチンコ業界はワーキンググループを設置して議論している。

4.公営競技はようやく明るい兆しだという。しかし、競技間の力の差は鮮明で、競馬は伸び、ボートレースは大伸び、競輪は減り、オートレースはさらに減っている。
  中央競馬では、ドバイレースでJRAの馬が勝ったり、馬券の種類ごとの払戻率を変更した。地方競馬も本場・場外売上より、電話・インターネット投票による収入でやっと収益をカバーしている。
競輪は売上減の下、場外や電話投票でやっとカバーしている。競輪場の廃止もあり、43場となった。
競艇は、競輪と異なり回復が続くが、これも場外や電話投票でカバーしている。場外券売場6店オープンや、女子レースなどグレード見直しを続ける。
オートレースは18年連続で売上減少。電話投票はプラスだが、本場・場外共にマイナスとなった。オート発祥の地である船橋オートも廃止となった。
宝くじも売上減となり、様々なくじ(ナンバーズ、ロト、ジャンボもドリーム以外は)で前年を下回った。2014年4月開始したプロ野球パリーグスクラッチをはじめ、様々なくじを発売して客の歓心を買おうとしている。2014年1月からインターネット販売を、ジャパネット銀行、みずほ銀行、楽天の3社で始めた。
スポーツ振興くじ(toto・BIG)は売上増となり、1000億円レベルとなった。これには最高10億円のBIG、ワールドカップや海外サッカーを対象としたtotoが導入されたり、2015年2月からtotoのキャリーオーバー発生時の1等賞金を2億円から5億円に引き上げたりした背景がある。totoは2020年東京五輪・パラリンピックの施設(国立競技場)建設資金とスポーツ団体への助成金の財源として売上拡大を目指す。宝くじ、ジャンボ、ロト、ナンバーくじやBIGは、顧客をほぼ食い合う格好のものになっている。

5.余暇市場のパチンコ・パチスロと公認ギャンブルの市場は、1992年以来2014年まで次のように計算されている。(白書118~119頁)
fig2-2.jpg
  この市場規模は、様々な資料による独自の推計値という。例えば、2015年版よりパチスロは推計方法が変わったのであるが、旧方式では1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2010年以降は20兆円を切り、2013年は18.8兆円としていたが、見直しを行った結果、1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2002~2007年は30兆~34.8兆円、2008年以降下降し2014年は24.5兆円としている。

  公認ギャンブルは売上実数が公表されており、全体で1992年9.6兆円から低下傾向で、2011年5.2兆円、2014年5.5兆円とされる。
  この数字をみれば、脱法ギャンブルであるパチスロは公認ギャンブル全体の5倍近いレベルであり、パチスロメーカーを含めたその市場規模は、2014年の余暇産業全72.9兆円のうち30%以上を占めるという大きなものとなっている。
  ちなみに、2014年の余暇市場のうちスポーツ部門は全体で3.9兆円、趣味・創作は8.2兆円、飲酒部門は18兆円、観光・行楽部門は10.5兆円であるから、パチスロ市場の突出ぶりがわかる。
  なお、パチスロ市場の評価見直しの背景には、総務省統計局の2014年12月19日公表「サービス産業動向調査拡大調査報告書」で示された2012年の遊技場の年間売上高27兆151億7400万円、1円パチンコホールを加えた2012年度年間数値は34.3兆円というデータや、業界のダイコク電機による「DK・sis白書」で示された2012年度推計値24.8兆円というデータがあったからである。このような公的データや新データもあって、レジャー白書は2012年を基準年として25.6兆円という評価をし、1992~2014年までの修正を行った。
  ギャンブル問題を扱う識者・学者はよく、パチスロはかつて約30兆円規模の売上であったが今では18兆円台であるといってきたが、この修正値を元にいえば、かつて2005年には34.8兆円の売上であったが2014年には24.5兆円になったというべきことになる。
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2015年12月22日

事務局だより

○12月15日に発表された今年の漢字は「安」。安倍はノー天気に安が倍になると喜びましたが、選者は安保法が戦争法である「不安」、テロや災害・原発の「不安」と安心できる福祉を求めたものです。

○2012年3月発行の創刊号から3年9ヶ月続けて今回40号を迎えました。今回は硬派の論調が強いですが、次回はもっと軟派になればと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


【裁判情報】
大阪高裁 平成27年(ネ)第3156号 宝くじ販売差止請求控訴事件
平成28年2月18日(木)午後1時15分  別館73号法廷(傍聴可)


当会は財政上は専らカンパで成り立っています。
会費・カンパを下記口座までお願いします。

りそな銀行 北浜支店 普通0115719
口座名義:ギャンブル被害をなくす会


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ギャンブルNEWSピックup (2015.9.28~12.10)

2015. 9.28  赤旗    横浜のカジノに反対 法案継続を批判 市民団体が集会
10.3  ベトナム  現地メディアが内国人カジノ利用解禁を支持
10.4  産経    中国の景気低迷と反腐敗キャンペーンがマカオ直撃 カジノは閑古鳥
10.5  神奈川   どうなるカジノ誘致 法案は継続審議
    秋田魁   ギャンブルで介護予防 やりすぎ防止 神戸市が条例
    ベトナム  国内の合法カジノ8ヶ所、14年売上高は1.4兆VND(約74億円)
10.6  日経    マカオのカジノ産業に広がる投資家離れ
    スポニチ  大のギャンブル好き 巨人・福田 野球賭博関与
     〃    球界激震! 巨人・福田が野球賭博 刑事事件に?警察への届出も
    ニッカン  野球くじ断念か 巨人福田の賭博関与、政府内に衝撃
10.9  サイゾー  パチンコ業界の介護ビジネスがヤバすぎる! 老人を無料体験で依存させ、貯金を搾り取る手口とは
10.13  産経    パチンコ店放火事件で弁論 最高裁
    中国メディア  韓国のカジノ、「モデルが付きっ切りでサービス」と中国人客集める
10.14  日経    香港 マカオカジノ株低迷、重荷
    朝鮮日報  中国国営中央テレビ「済州島カジノ、三流女優の性接待で中国人客誘致」
10.15  NPOビッグイシュー基金 報告書『疑似カジノ化している日本』発行
10.17  マカオ新  韓国カジノの中国人ギャンブラー勧誘めぐり中韓がせめぎ合い
10.19  朝鮮日報  日本でパチンコに興じる韓国プロスポーツ選手たち
10.25  週刊ポスト  内部調査で発覚 某球団主力選手5人が裏カジノ出入りの情報
10.26  朝日    介護施設に「カジノ」、効果は 類似通貨でパチンコなど
     読売    貧困子供のSOS:母いない夜 公園通い(母は生保費をパチンコに)
     〃    工藤会の金脈断つ パチンコ店、みかじめ料の被害を警察に訴え/福岡
10.27  毎日    窃盗:パチンコ好きで生活苦 鹿沼署巡査再逮捕 失踪、都内など転々
    デイリー  カジノで巨額賭けた3選手が代表から外れる…韓国球界大揺れ
10.28  産経    脱カジノ依存へ一歩 マカオ、家族向け施設開業
    IRジャパン  米領サモア:カジノ施設設置を検討 観光振興策 津波からの復興挑む
10.29   〃   沖縄県:島尻沖縄相インタビュー(琉球新報)「カジノを含むリゾート(IR)には賛成」
10.30  毎日    戒告:小学校教諭、拾ったカード使いパチンコ/群馬
10.31  読売    パチンコ業界 暴排誓う 暴力団排除総決起大会開催(30日)/福岡
11.1  スポ報知   パチンコ「等価交換」消える
    IRジャパン  日本IR創設サミットin泉佐野:IR議連、監査法人、識者、オペレーター勢揃い
          IR推進法案の展望~次期国会での成立に向け、政府と意思統一
11.4   <当会 会報第39号発行>
     産経   『科学研究とデータのからくり 日本は不正が多すぎる』谷岡一郎著
11.7  朝日    公営ギャンブル 試行錯誤 無観客で経費削減、ネット販売で活路
11.9  サンスポ  「借金返済のためパチンコに」同僚の財布盗み3等陸曹懲戒免職
    マカオ新   マカオ:カジノ入場禁止申請わずか700件=当局は依存症対策へ啓蒙活動強化、カウンセラー大幅増員の意向
11.10  サンスポ   巨人2軍球場が賭場…マージャン、トランプ、高校野球でも恒常化
     ニッカン   巨人解雇3選手は「闇カジノ」でバカラ賭博も
11.14   〃   バカラ賭博場、店長や客ら逮捕 和歌山
11.18  IRジャパン  韓国:IR3社計の3Q業績 KWL順調 外国人専用カジノ事業の環境は中期的に一段と厳しく
11.24  神戸    遊技提供の介護施設規制 県、神戸市「税金投入適さぬ」
     ニューズウィーク  カジノの都に残ったトランプの大きな爪痕
11.26  中央日報  韓国検察「林昌勇選手、マカオで4000万ウォン賭博認める」
12.2  IRジャパン  ニュージャージー州北部にもカジノ導入をめぐり政治対立(カジノ利益をめぐり)
12.3  マカオ新    マカオカジノ売上18ヶ月連続前年割れ 11月2529億円(32.3%減)
     〃    マカオ:全体犯罪減るもカジノ絡み高利貸し、監禁犯罪3割増
    日経    カジノ事業へ投資として集め出資法違反(ネットカジノの出資と称し48.8億円)
   名古屋TV   暴力団、違法カジノから用心棒代 山口組系幹部逮捕
12.8  IRジャパン  シンガポール:見通し カジノ市場 2015年は48億㌦、2016年も停滞
     〃    米国:アラバマ州 コマーシャルカジノ設置法案 2016年の成立は困難な情勢に
12.9  日経    カジノ「反対」45%、「賛成」29%を上回る 電通調査
     朝日    電通、IR(カジノを含む統合型リゾート)に関する調査を実施
12.10  静岡    浜松市職員236万円横領「パチンコで借金」懲戒免職
     中央日報   野球・吾昇桓(阪神タイガース)、「1000万ウォン未満の賭博」認める



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書籍紹介

『Casinonomics ; The Socioeconomic Impacts of the Casino Industry』
(直訳:カジノミクス―カジノ産業の社会経済的効果) ダグラス.M.ウォーカー(2013年)
和訳出版名『カジノ産業の本質―社会経済的コストと可能性の分析』
(日経BP 山田美明他訳 344頁 2015.6.15 4500円+税)

 原著者は前書きで、2009年出版の前著「カジノの経済学」よりも多くのデータを利用して実証的研究に重点をおいたという。米国カジノには、①商業カジノ、②インディアンカジノ、③レーストラックカジノ(競馬場やドッグレース場に併設されたカジノ)があるが、①を分析対象としたという。本書は4部構成からなる。力作なので詳しく紹介する。

1.<1部>カジノの経済的利点の視点で次のように項立てする。
 ①カジノと経済成長、②ギャンブル、消費者行動、福利、③カジノと経済成長に関する誤り、④カジノと経済成長の関係分析、⑤カジノと経済成長の関係を示す最新の証拠、⑥カジノが州の税収に及ぼす影響。これらを述べて、著者はまとめとして、カジノ産業を他のエンターテインメント産業と同様視し、これを否定する見解を「単純、悪く言えば短絡的である」と断ずる。
 そして、カジノ産業は経済活動として建設から運営までの資本投資、労働力市場を提供し、プラス効果を生むという。そして最大の経済的利点は、消費者支出の選択肢増だという。
 カジノ反対派が経済に対する実質的負の影響を問題とするのは正しいとしつつも、カジノ産業には雇用増大と消費者が進んで支出する(買う)サービス提供以上の経済的便益があるという。ただ、著者はカジノが州地域の経済に貢献する(経済成長、雇用、賃金にプラス)一方、合法化の利点として挙げられる税収増の効果を示す証拠は見つからなかったとする。

2.<2部>病的ギャンブルと関連行動として次のように項立てする。
 ①カジノと飲酒運転による死亡事故、②ギャンブルと犯罪、大量飲酒、薬物使用、買春、③ギャンブルと注意欠陥、多動性障害。そして、①飲酒死亡事故は高め、負の影響がある、②ギャンブル行動は犯罪、大量飲酒、薬物使用、買春に走りやすいこと、犯罪傾向はロトとカジノ以外のギャンブルで強いこと、③ギャンブル行動とADHDの関係では多動・衝動型ADHDでは有意な関係があったとする。そして、大方の予想どおり、分析の結果は心理学的研究の結果と大方一致するという。
 その中にはギャンブルでの損失が501~1000ドルの者は一般人より15%、1001~5000ドルの者は27.5%も高く、5000ドル以上でも24~25%高いデータはあるがサンプルが少なく統計的有意といえないとする。しかし、ギャンブルの損失額が大きくなると犯罪に係わる可能性を示唆するという。この傾向は男性が強く、女性は重大な犯罪に係わったのは3174人中259人、8%であったのに対し、男性は2971人中669人、22.5%という。
 次に、薬物使用ではDSM適用の問題ギャンブラーは平均より73~84%高く、薬物使用がかなり重いという。カジノの大量飲酒は20~26%上昇させ、買春は17%高いという。ここで著者は、これらの問題行動や有症率、ADHDについてどうすべきか考える必要があるという。

3.<3部>社会経済的側面から見たギャンブルの負の影響として次のように項立てする。
 ①ギャンブルの社会的コスト、②社会的コスト分析の問題、③ギャンブルは非生産的な活動か、④カジノと犯罪:論文の再検討、⑤カジノの商業用不動産、⑥ギャンブル産業内の関係 を述べる。
 ①②では、社会的コストの定義がはっきりしていないことから、社会的コストを過大に見積もられるという。しかし、社会的コストを貨幣換算するのは本質的に無理という。そしてギャンブルに関連する特定コストに焦点をあて、カジノと犯罪には明確なつながりがないとし、カジノの導入が他の産業をカニバライズするかどうかについて、ある種の小売店や観光はカジノの恩恵を受けるとする。そして、カジノはドッグレースと宝くじにマイナス、競馬にはプラスの影響があるという。
 なお、ギャンブルは非生産的な活動との指摘について、ノーベル賞経済学者のサムエルソンの言葉を引用して批判することに対し、その論者はこれを都合の良いところだけ引用するものとして、サムエルソンの脚注まで利用して、誤引用だと批判する。
 『サムエルソン経済学』(岩波書店 都留重人訳)によると、上巻448頁の本文には、「なぜ賭け行為はこのように好ましくないと見なされるだろうか。その理由の一部、おそらくはいちばん重要な部分は、道徳とか倫理ないし宗教の分野に属することからであると思われる。これらのことに関しては、経済学者は経済学者の資格では最終判断を下すことはできない。しかし、経済学の立場においても、賭け行為に対しては相当に有力な否定的論議がありうる。第一に賭け行為は個人同士のあいだの貨幣の、または財貨の無益な移転にすぎないという場合がある(註)。それは何の産出物を生まないのに、しかも時間と資源を吸い上げる。レクリエーション―そこでの主目的は時間をつぶすということにある―の限度を超えて行われる場合には、賭け行為は国民所得の削減を意味するだろう。経済学者の立場から見た賭け行為の第二の欠点は、それが所得の不平等と不安定性を助長する傾向を持つという点にある。それぞれが同一の金額をもって賭けを始める何人かの人たちも、帰るときには大きく差のある金額を懐にしているのが普通だ。賭けをする人の家族が当然予期しなければならぬのは、日によって世界の頂点に立った状態であるかと思うと、そのうちまた運勢が変わって――賭け行為について我々が確実に予言しうるのは、運勢は変わるということだけだ――今度は飢えに迫られるようになるかも知れぬという点である」と詳しく書かれている。また、(註)でも「職業的に経営されている賭け行為では、どれでも実際にはお客が差し引き損をするようになっている。どうして漏損が生ずるかというと、それは「親」のほうに勝ち目があるように仕掛けてあるからで、「正直」な親でも長期的には勝つようになっている」とある。
 
 著者は、サムエルソンの次頁の脚注まで引用して、投機と保険にかかわる賭け行為の禁止の議論に触れ、「適当の賭け行為は社会的に有用な方向に引き入れて転換できると考えている人たちもある」の言葉を引用し、ギャンブル一般の肯定論があるかのようにいう。
 しかし、著者自身、「コカインやギャンブル癖をアイスクリームやテニスシューズとは決定的な差がある」としたサムエルソンと共著のあるノードハウス氏らの言葉を聴いたとする。
 賭博行為そのものを経済的に有用なものとするには、ビジネスとしては保険や危険分散のための投機という範囲に限った本来の使い方であるべきで、射倖心を利用した賭博産業ビジネスは、サムエルソンの是認できるとしたものではない。

4.<4部>全体のまとめで、ギャンブル研究の歴史と今後を述べている。ここでは2007年発行の原著への自負が大きく述べられている。
 本書では全く研究できていないオンラインギャンブルについては、ゲインズベリーの2012年発表によれば、2011年の世界のオンラインカジノの収益は推定330億ドルになり、これは米国商業カジノと同規模で、カジノや宝くじより速いペースで成長を続けるのは確実とある。

5.米国の一部州でも、オンラインギャンブル(オンラインカジノなど)が出現しており、オンラインギャンブルは国境を越えるという。330億ドル(4兆円)規模のギャンブルは、今後日本でも拡大していく可能性が大であり、インターネットを通じて問題のあるギャンブル、収奪的なギャンブルは、さらなるギャンブル被害拡大を招くこと、必至である。
 原著者は、オンラインギャンブルを既存ギャンブルセクターへの影響として重要な研究テーマというが、それらの将来の研究は、①過去の研究、②データ入手の可能性、③研究方法の技術革新、④ギャンブル産業の変遷、⑤政策決定者の関心、⑥研究資金の有無によって決まるという。

6.本書は、カジノ肯定の前提に立った上で、カジノの企業経済的効用をいい、その否定的側面にも言及しているが、ギャンブル依存をはじめとする負の社会的側面には限定した調査しかできていない。
 それでも、第2部として病的ギャンブルと関連行動をまとめることによって、負の社会経済コストも一応検討した分析になっているが、原著者もその負のコストの検討は十分ではない。そもそも自由経済市場にすることができない賭博産業―カジノ産業の本質は変えようがない。



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コラム

大阪府立精神医療センター(OAC)
 全国5ヶ所で国が実施するモデル事業(平成26年から3年間)を活用し、当事者、自助グループ、司法、医療、行政からなるネットワークとして平成27年5月に設立される依存症治療拠点機関の一つである。報告書によれば、平成26年(H26.10.3~H27.3.31)は、府の受託事業として大阪府立病院が主体となって精神科が対応し、ギャンブル依存の相談も5件(男4、女1)あった(薬物40件、アルコール3件)。現状は、ギャンブル依存症を原因とする犯罪収監者へのプログラム(大谷大学滝口直子教授)に参加している。具体的には、京都拘置所において平成27年1月16日~2月27日まで5回に及ぶギャンブル依存症についての講義に参加するなどしている。


老人介護とパチンコ
 平成27年8月11日、神戸市は、パチンコなど射倖性の高い遊技を提供するアミューズメント型デイサービス施設を規制するという、全国初の条例の制定方針を明らかにした。ギャンブル性が高いことは介護サービスとして不適切なため、そのような遊技を長時間提供する施設は介護事業者として指定しないという。
麻雀、パチンコ、ゲームが高齢者の脳を活性化させるとして導入する施設が増えているが、市が視察したところ、一日中麻雀やパチンコ台に座らされたり、仮装コインまで使わせる仕組みのものもあり、デイサービス事業者として遊技主体のサービスは不適切と市長はいう。
 パチンコやゲームによるギャンブル介護が不適切なら、現在の1円パチンコは介護サービスを兼ねているかのように老人らを誘惑しているのも不適切であろう。
 さらに、後日の報道によると、この条例は成立し、他の自治体へも波及している。


賭博と道徳
 道徳とは「人のふみ行うべき道」で「あるべき社会でその成員の社会に対する、あるいは成人相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的な原理。今日では自然や文化財や技術品など『事物』に対するあるべき態度もこれに含まれる。」(広辞苑)という。
 この道徳によれば人が「欺し」「欺し合い」「盗み」「盗み合い」になる賭博は非道徳になろう。遊び「ごっこ」は互換性がある。金品、時間が限られ、他人を収奪することなどないものに限り許される。
 相手が「承諾」していれば自由という自由主義は、事案に応じた程度にもよる。何でも金で買える自由などない。自由主義を掲げる社会は思想・信仰や学問、職業、婚姻、家庭生活などから表現の自由まで外部と関わらない内心の範囲では絶対的といえる程自由でよい。しかし、外部に影響を及ぼす程度で相応の規制を受ける。
 賭博開帳や富籤販売はこの点、他人の生活と共同社会に悪影響を及ぼすから法令上禁止されている。健全な遊びを逸脱し、他人の生活を破局しかねない賭博も非道徳といわれても仕方がない。
 賭博自由論は、禁止がかつて支配者の上からのものであったり、支配者は自らは行い、被支配者のみが禁止されたという歪みからの抵抗権論とこれを自由にしても弊害は少ないという論である。
 しかし、賭博の完全自由はどの国家や社会にもない。主催者には二重三重に制限(時、所、機会や資格)があるし、客の方にも国籍、人的要件、年齢、経済条件、賭けられる条件等の制限もある。この個人規制は、その本人や家族の将来にとっての安全を担保するのでなければならない。個人の健康増進のためにカジノやパチンコが必要などということは考えられない。ゲームが必要で自由にしても、商業的な金を賭けることは禁止してよい。賭博開帳は特に禁止してよい。賭けなければゲームを楽しめないとすれば、それは“病気”であり、「人の行う道」として肯認できない。


「一攫千金」
 2015年12月4日、日本新聞協会は「新聞広告クリエーティブコンテスト」を実施した結果を各紙で広告している。今年のテーマは「お金」。全1181作品から選ばれた入賞作品に「一攫千金」という作品がある。縦書きでデザインされており、「攫」の手へん部分から伸ばされた手が「金」の文字を握っている。(「攫」の目の部分は二つとも目のイラストになっており擬人化されたよう。)
 これは学生賞で学生作品のようであるが、「金」の文字より発する八方への光の中に、「わたしの夢は働かないことです」とある。(「夢」「働」の文字は一際大きく書かれている。)
 不労で大金を穫る方法は侵奪かギャンブルしかない。このポスターの下に「宝くじ」か「toto」とでも入れればピッタリの広告である。
 ちなみに、最優秀賞はお札(紙幣)に「使用期限をお金にも。」入れたらというものだった。だが、「使用目的をお金にも」入れてほしいところである。



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用語解説

「嗜癖・依存・障害」
 人が薬物など物質に依存することを物質依存という。これに対し、ギャンブルなど行為に依存することを行為依存という。
 かつては病的と評価し、病的な嗜癖(Pathological Addiction)はその後、病的な依存(Pathological Dependence)と呼ばれるようになったが、必ずしも病的との形容詞は付けられなくなり、近年は単にギャンブリング障害(Gambling Disorder)とも呼ばれるようになった。
 人は何か、誰かに依存(Dependence)しているし、人の行動(その中には薬の服用もある)がくせ(癖)となると否定的な評価が加わる。それがさらに進んで、やめられない止まらない状況になると“病気”と評価もされる。依存症の語は病気になることへの責任評価が加わっている。それを除けば、障害という客観的状態の評価となろう。そのためギャンブルでは賭博嗜癖、病的ギャンブル(賭博)、賭博(ギャンブル)障害とも呼ばれる。
 私達は嗜癖や依存、障害の言葉を使う時に、その背景の意味を知っておくことが必要だろう。
                                       

Responsible Gambling(RG)~責任ギャンブリング~
 このRGについて会報21号(2014.3.3)でも紹介しました。RGは本来、ギャンブルは正しい教育、情報、そして問題ギャンブルを未然に防ぐセーフティネットも備えられるべきという意味で使う立場と、ギャンブラーが合理的判断をするなら問題ギャンブル(Problem Gambling)は起きない筈だとして「自己責任」という意味でも使われる。
 問題ギャンブルが社会的に公認されると、ギャンブルのリスクさえ情報提供すれば後はギャンブラーの問題だというのがギャンブル産業側の主張となっている。パチスロ産業は最近、「のめり込みに注意しましょう」という案内をもって、後は客の問題だとする立場である。
 しかし、Predatory(略奪的)Gamblingを仕掛けたり、また客にBias(偏見、誤解)を与えたり、Speculative spirit(射倖心)を刺激するギャンブル産業(事業)は、RGも反することは明白である。



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投稿  依存症の時代     石野 博人

1.私たちは依存症の時代にいる。
 日本は伝統的に酒アルコールには寛大な国で、酒は人の交際の場に多用される。酒は度を超えてしまったり、自他に危険を生む時は厳禁されるようになったが、今も酒の宣伝広告は無差別的であり、社会的にも個人にも酒の害は多い。イスラム圏のように禁止までしなくとも、近時のテレビその他の宣伝には問題が多すぎる。
 アルコールは人の気持ちを外に向かわせ快感をもたらす合法的な「薬物」だが、麻薬や覚せい剤など「ドラッグ」は人の気持ちを内部化し、外と独立した快楽の世界に引き入れる。
 人は古代から麻薬を知っていたが、19世紀以来、阿片、モルヒネ、ヘロインとその薬効を高める発明がされ、20世紀にはヒロポン(覚せい剤)、リタリン(精神刺激剤)、SSRIなど抗うつ剤が生み出された。そして、非合法の覚せい剤と医師処方のリタリン等の薬物(ドラッグ)依存者を大量に生み出した。薬物依存は、精神病治療だけでなく睡眠改善、精神安定を目的にした薬剤が開発され、大量使用のために起きた。
 酒や薬物だけではない。私たちは消費社会の下にあり、欲望を「拡げ」「あきらめず」「いつまでも」「消費し続ける」ことを企業から日々宣伝され、誘惑が繰り返されている。そのため、あらゆる物品やサービスへの過剰消費が生まれている。携帯・スマホ、サプリメント・・・。病気といえるかどうかもわからない加齢による老化も、“治療”“健康”“美容”“快感”を期待して依存度を深め続けている。

2.直接に自分個人の欲望を実現しようとしている“依存”もあるが、現代の依存は社会的にシステムとして生み出されているものである。
 私たちは、現代の自由主義・資本主義の下で、建前上は自らの責任により成果・成功を挙げることが求められている。しかし、その成果・成功は、多くは他律的である。この成果達成へのストレスは重い。そこから開放を求める人にも「あきらめるな」と圧力がかかり続けている。そして、その中から薬物依存も生まれている。また、個人に対して日々高まる逆境や誘惑に対し、十分自らをコントロールする教育、ケア、協力の十分にない社会である。
 かつては不条理な不自由さも多かった。「やりたくてもやれない」ことが多かった。それが、やらなくてもよいものに依存させるものが多くなった。ギャンブル(賭博)への依存でいえば、法的な禁止から戦後部分的に合法化した公営競技や宝くじがある。そして、その賭博行為を拡大し宣伝し、ギャンブル世界に誘惑する広告が溢れている。公営競技、宝くじ、スポーツ振興くじ、世界唯一にして最大の脱法賭博パチンコ・スロットまで、その宣伝は続く。しかし、依存症については、その予防や教育さえほとんどされていない。
 「やめたくてもやめられない」ギャンブル依存症群536万人といわれる時代にしたのは、物質依存と異なる行為依存だと分類する見解もあるが、社会システムが依存症を生んでいるという本質でいえば、現代の依存症は社会病であり、システム依存症といえるだろう。


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再論 ・ 宝くじ当せん確率のナゾ

 これまでに発売された多くのジャンボ宝くじは、1000万枚(販売額30億円分)1ユニットとし、例えば1等5億円が一本、前後賞1億円ずつで3連番なら7億円ということで「7億円が当たる!」と大々的に宣伝されてきた。しかも、「7億円が50本」というのは、50ユニット(1500億円分)の場合とリーフレットに小さく書かれている。
 このジャンボくじ、例えば50ユニットなら、「01組123456」のように01~100組、100000~199999番の券の売れ行きに応じて追加ユニットを売るという。30億円分1ユニット1000万枚を50ユニット、1500億円分を売り上げたとなると、同じ組、同じ番号の宝くじ券が50枚ずつ存在することになる。完売すれば、確かに1等5億円は1000万枚に1本となる。
 しかし現実は、完売は不可能である。複数の組も一定割合、下6桁の券番号も一定割合というような売上げになりうる。すると、1等は機械が選ぶが、組の当たりは100組のうち1つであり、ランダム且つ均分に全組売りに出されていたとしても、実際には売れていない組が「当たる」可能性がある。下6桁も同様で、当せんは必ず販売ユニット数分に比例する数とは限らない。1億枚が売れたとしても1等当せんが必ず10本当たるとはいえないのである。
 客は希望する組を選んで購入することはできない。したがって、組の特定される1等と前後賞と2等は、客側に選択肢はないということである。
 すると、1等が50本とあるのは、完全に50ユニットを完売した場合に保証されるのであり、完売でない場合は、組を含めて公正平等に売られておらず、公正な当せんになるか疑問である。
 いずれにせよ、宝くじは、何枚売れて、どの番号が何枚売れ残り、各等の当せん数が実際何本で宣伝・表示と一致していたかをホームページで毎回公表すべきである。


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東京五輪とtoto

1.2015年6月、2020年五輪・パラリンピックと2019年ラグビー世界大会を兼ねた会場として新国立競技場が2520億円で建設されることが一度は政府(文科省、スポーツ振興センター、JSC)によって決められた。これはラグビー界のドンで五輪組織委でもある森喜朗元首相の後押しであった。この計画には、「金」の面から2点が指摘できる。
 第一は、無茶を覚悟で巨費を要する「世界に類のない世界に誇れる国立競技場」といって、安倍総理自らがIOC大会で宣伝したものだったからだ。ザハ・ハディト氏案の採用について、安藤忠雄委員長は、デザインだけで選出し、予算など知らない関係ないと言った。単なるデザインコンテストで終わるものならともかく、実際に建設する施設について政府関係者が財政・予算面を考えない訳がなく、文科相・JSCは2012年9月の公募時に予算を1300億円と伝えていたともされる。計画を採用した安藤委員長、任せた文科相・JSCのズサンさと無責任さ、さらに受注建設業側の「談合」もあって、2013年10月には3000億円も必要だと判明する。
 そこで大慌てで、2014年5月、1625億円に抑えるという基本設計にした。そこには一部の工事の保留延期もあったが、それでも詳しく見積もると895億円増えて、2015年6月末日には2520億円として計画が決定されたのだった。これには国民や各界から批判が殺到した。北京大会の主会場540億円、ロンドン大会の主会場837億円と比べても3倍以上という莫大さに誰もが驚く。世論の批判を受けて、安倍首相はトップダウンの人気穫りの格好で、7月、白紙見直しとした。白紙見直しで2019年ラグビー世界大会には間に合わないが、何とか一応1000億円以下でと見直しを考えているようだ。だが、「受注予定」のゼネコンはもとより、企画、宣伝、運営をする官・民の利権は依然強く、設計と建設の一体化もあり、1500億円レベルの2案が12月14日公表された。

2.第二は、実際にどうやってその金を捻出するかについて不明のままである。安倍が責任者なのに、責任者不明の計画を決定するぐらいだから、資金の具体的目途など不明である。
 東京都知事は、当初拒否した500億円を、今では400億円台にして負担すると言っている。
 2013年totoのスポーツ振興法を改正して、法本来の地域スポーツ振興という目的を、トップ選手らの支援のために財源を使う法として改正(収益の3分の2を使い、3分の1を国庫納付)し、当分の間、売上の5%を新国立競技場建設費に充てられるようにしたのだった。totoは年約1000億円の売上で、この2年でまず109億円がこの建設費用に吸収された。ちなみに、最近1000億円レベルの売上になっても収益は40%の約400億円であり、本来、その3分の2の266億円が民間スポーツ振興に使用できるところ、年約50億円が建設費として先取りされることになる。新国立のために年50億円の補助資金をカットすることに対し、スポーツ界から批判があり、アスリートらも高額の新国立に批判の声を上げたのだった。
 この点、スポーツ振興法に「当分の間」として売上の5%カットの意味するところを詳しくみておこう。仮に、toto売上を年1000億円とする。このうち購入者へは最大で50%が払い戻しされる(実際は45%程度)。売上から収益を計算すると、当然「運営費の金額」が控除される。例えば、売上の15%が運営事務費とすると150億円を要することになる。すると、本来JSCは年1000億-450億-150億=400億円の収益となり、この400億円の3分の1を国庫に納付すると定められている。その残る3分の2が、JSCの収益金からの使途金である。400億円×2/3≒266億円となる。しかし、スポーツ振興法8条の2で「当分の間」、狭義の運営費の金額に文部科学大臣と財務大臣が協議した金額(特定金額)を加えて、これを「運営費の金額」とするとしているため、平成25年スタート時から売上の5%(1000億円なら50億円)が運営費に加えられている。このため、売上1000億-払戻450億円-狭義の運営費150億で400億円となるはずの収益は、350億円となる。(国庫への納付金は、400億円の3分の1(約133億円)ではなく、350億円の3分の1(約117億円)となる。)この年50億円は特定金額となり、別途8条の3により新国立競技場の費用(特定業務)として使われる。そして、JSCからのスポーツ団体等への助成金は収益金の3分の1以下と定められているので、400億円の3分の1の133億円でなく、350億円の3分の1の117億円が上限となる。こうして、1000億円を売り上げてもスポーツ団体等への助成金も年16億円が目減りすることになるのだ。
 簡単に言うと、新国立への5%は「当分の間」ということでスポーツへの助成金をも削ることになる。totoからの助成金を期待しているスポーツ団体やアスリートが、新国立建設費の建設費3000億円をもしこの「特定金額」で負担するとなれば、現在の水準であれば今後60年もかけて助成金が天引されてしまうと憂慮することは当然である。これがA元選手が「泣いて抗議した」理由の一つである。しかし、2000億円をtotoが負担すると、元金だけで40年かかる。

(五輪夢中)


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totoの拡大とスポーツのギャンブル化を憂う   作家賭人

1.スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)は、2001年、Jリーグサッカーの試合を予想させるくじに始まった。サッカーの試合の勝ち負け、引き分けを全試合分当てることは、個々のゲームの予想困難さもあり、サッカーゲームを予想させるイタリアのトトカルチョに由来するくじである。
 スポーツとしてサッカーに関心を持ってもらうため、購入者自ら予想を書き入れるのが本来のトトカルチョだが、日本のtotoは、実際にはコンピューターにランダム予想させた券を買わせ、それも当せん金を4億円以上大きくしたBIG(ビッグ)が売上げのほとんどである。
 要するに、サッカーにかこつけ、1等賞金を大きくし、その分中間当せん金を少なめにし、必ずしも毎回当たりくじが出る訳ではないが、その分は次回に持ち越させる「キャリーオーバー」というシステムを使う。キャリーオーバーがあると1等が8億円にも10億円にもなり、射倖心を高めるからだ。
 totoの購入者への配当は、1等も含めて売上げの50%未満である。国には15%弱、地方自治体グループに15%弱、そして主催者日本スポーツ振興センター(文部科学省所管の独立行政法人)に15%弱を分配する。(運営経費は約10%)
 サッカーくじというがサッカー以外のスポーツ団体にも配られる。スポーツ環境の整備、競技者の育成などの「美名」はあるも、例えば柔道連盟がヤミのコーチ経費として使っていたことが、暴力・セクハラ事件で露呈したように、正しく使われている保証はない。文科省や財務省の天下り理事らに高額給付がされているように、天下り弊害もある。

2.サッカーくじは、年間売上1080億円(H25年度)で、当初計画からすると「低迷」している。しかしこれでも、コンビニ等でも購入できるようにして売店を増やし、H25年11月からは海外の試合までくじの対象として機会を増やし、かつての年商600億円レベルからようやく1000億円の大台に乗せた。しかし、富くじ発売ほどボロイ収益事業はない。刑法186条が禁じる賭博はヤクザ(暴力団)が戦後も一貫して続けており、スポーツ界では1969年のプロ野球選手ら(西鉄)の八百長談合があった。(実は戦後一時、野球くじが存在したが、八百長の危険から廃止されていた。)
 スポーツ界は野球だけでなく相撲をめぐっても、暴力団と八百長のスキャンダルがあった。スペインサッカーの八百長問題でアギーレ日本代表チーム監督の疑惑が取り沙汰されたように、ギャンブルが絡むと犯罪が生まれる。暴力団(マフィア、ヤクザ)、脱税、マネーローンダリング、射倖心と労力意欲、教育理念の破壊、ギャンブル依存症(嗜癖、障害)など、弊害は拡大し続ける。

3.totoの対象拡大は、スポーツの世界をギャンブル化することになる。スポーツというが、競馬、競輪、競艇、オートレースは日本の当該「スポーツ」を完全にギャンブル化した。これ以上、スポーツの対象を広げてギャンブル化することはスポーツそのものをギャンブルにし、教育目的の体育もギャンブル対象にすることになる。新国立競技場の建設資金1692億円のうち500億円をtotoで捻出する予定であった。スポーツギャンブルをさらに増やそうと野球もtotoの対象にという自民党議員もいるようだがとんでもない。
 現代のスポーツは、本来の個人心身の健康増進というより、職業化、企業化、営利主義化している。資本主義国のスポーツは商業化、社会主義国のスポーツは国営化による金目当て主義、成功報酬主義になった。スポーツは、資本主義の下では商業広告に奉仕し、商品販売に奉仕する。選手は商業タレントになっている。有名スポーツ選手は、引退後もスポーツ団体の役員やタレント型議員となって、スポーツの商業化を推進している。


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年末ジャンボ10億円くじの「詐欺」

 平成27年も例年のごとく「年末ジャンボ宝くじ」が発売された。今回の当せん金は「宝くじ史上最高額」で「10億円(1等・前後賞合わせて)」という。これには、新しい「詐欺」手口も使われている。
 この宝くじについて、テレビCMや車内吊り広告などではとても判別できず有無を確認できないが、リーフレットを入手しよく見れば、読みにくい細字で「1ユニット2000万枚」との表示がある。そして、1等は27本とあるが、これは27ユニット、総額1620億円分が完売された場合に限った想定である。これまでは1ユニット1000万枚(30億円分)だったが、こっそりと1ユニット2000万枚(60億円分)にしている。これによって、1等の賞金額を大きくしたのである。1ユニット2000万枚というのは今回が初めてで、販売額1枚300円のくじの2000万枚のうち1つ、7億円が当たるようにしたのである。
 最高賞金は10億円(1等7億円、前後賞各1.5億円)と10桁の大金のようにみせているが、これは、1ユニット販売額60億円分のくじの中の3連番を買っていて、しかもそのうち真ん中が1等に当たった場合に前後賞併せて10億円になるのであるから、まとめて連番購入しないと10億円にはならない。10億円を獲得する確率は、1.5億円の前後賞も2000万枚のうちの1枚であるから、2000万枚分の1の3乗、80垓分の1となる。
 たしかに、27ユニット(総額1620億円分)が完売され、全ての連番購入者が前後賞も含めて当てていれば、27人が10億円を得られることになる。(正しくいうと、1等の最終番号が0であればそれに前後する末尾1番と9番を買っていなければ3連続当たりとならないが、必ずしもそのような連番を購入する訳にはいかない。連番のセット(10枚)は末尾0~9の連番が1セットとして売られているので、仮に1等当せん番号の末尾番号が0であった場合、その連番の1番後はセットに含まれるが、1番前はそれには含まれておらず、合計10億円とはいかない。)
 なお、この10億円くじでは1等以外の当せんくじを大きく絞らざるを得ず、少しでも当たりやすいものを求める客用に、別に「年末ジャンボミニ7000万」という1等7000万円のくじも19ユニット(570億円)分、同時発売するという。これとて1等は100万本に1本で、2等以下も少し多くするという程度の工夫にすぎない。
 これらの2000万枚に1枚、1000万枚に1枚、100万枚に1枚などという確率は、人が交通事故死するよりはるかに低い確率であり、地球外からの隕石に当たって死ぬような確率といわれているが、そのような事実は一切宣伝表示されない。
 戦後の当せん金10万円レベルからついにその1万倍も賞金が上げられるに至ったのは、これが客の射倖心を煽り、購入、売上を伸ばす常套手段だったからである。
 宝くじはその創設時の社会的使命(インフレーション抑制のための浮動購買力の吸収)も失われ、10億円という当せん金の吊り上げで客を釣るしかないほど、宝くじ商法の人気が下っているのも事実である。かつてのジャンボ宝くじは100ユニット以上を売り上げていたが今では少なくなり、その代わりに毎日売場で買えるロトやナンバースくじ、その場で結果がわかり売場を賭場そのものとするスクラッチくじなど、くじ商品を多様化して客をつなぎ止めている。
 さて、これら宝くじのCMに出演する俳優、コメディアン、タレントは全員当選したかのように笑っている。今回の10億円くじの広告には「あの人も、楽しんでいる。」とあり、被告らが今回使った所ジョージ、米倉涼子、原田泰造、武井壮、要潤、YOUらは全て「宝くじ」に当たったかのように笑っているが、そんな筈もなく、皮肉に言えば「勤労心」を笑っているかのようである。彼らは、揃って笑顔の宝くじ広告で金を稼ぐのだろうが、真実をどこまで知らされているのだろうか。

(J)


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カジノ正当化論の屁理屈    弁護士 井上善雄

1.カジノの経済的利点
 カジノ産業の正当性・有用性を主張する場合は、まず第1にカジノが持つ経済的利点を強調する。カジノ産業は他のエンターテイメント産業の映画・スポーツ・遊園地などと同様、消費者が進んで金を支出するサービスを提供するものというのである。「カジノ産業は他の産業をカニバライズ(共食い)したり、有能な人材を引き抜くとか、他の経済的便益をもたらさないといった論者の理由はあまりにも単純、短絡的である。カジノ産業も経済成長を生み出す。建設に資本投資や労働力が必要になるし、運営にも労働力が必要で労働市場にプラス効果を及ぼす」というものである。
 ギャンブル産業をゼロ・サム(儲ける人と損する人で零和になる/米経済学者L.Cサローの理論で経済低成長下での頭打ち社会状況をいう言葉に由来する)との批判も偏見だというのである。
 しかし、現実のカニバライズも発生し、カジノの経済的利点はあまりにも偏ったもので、社会全体にマイナスさえ発生させている。
 そもそも賭博を国民の富を拡大する正業といえるかを考えると、否定的に考える他ない。すなわち、映画館や遊園地のようなレジャーとして自由産業とはとても認められないのである。

2.カジノによる労働機会拡大
 カジノも建設と維持運営のために資本投資や労働力が必要となる。だが、その労働市場はカジノ論者が言う程大きな労働需要を生まない。他のエンターテイメント産業から人を引き抜いたり、周辺産業の経済活動にマイナス効果も生む。より効率的経済的な商業活動を目指す大型店舗が商店街や中小店を駆逐し、そこで働く労働者を失業させるようなこともある。
 カジノで働くという労働者は、リクリエーションや娯楽産業従業員と全く同視してよいか疑問である。カジノで働く者がカジノで興ずることは勤務時間外でも禁じられる。一般の公務員や軍人などは常習となる賭博場でのゲームを制限されるところもある。

3.カジノの消費者選択利点
 カジノの利点として、カジノの導入は消費者の支出の自由選択を増やし、消費者自身がカジノの存在を喜んでいるということもいわれる。これに対し、賭博による消費者の支出選択肢の増大は、真に消費者を含む社会全体の利点とは実証されていない。むしろ、反社会的なものとして規制されるべき。消費者の自由選択には有害なものがある。病癖になっているだけのものもあるし、消費者の「自由選択」そのものが真に“自由”でない場合もある。言うまでもなく「薬物」「アルコール」「売買春」など個人の主観的な選択で済ましては良くないことが多い。
 賭博は単なるゲームでなく有害性が高いので、消費者の完全自由選択に任せられないことはカジノ産業擁護論者も否定できないところである。

4.利益と不利益の不公平と社会的不公正・倫理性の欠如
 ギャンブル依存、ギャンブル障害の発生を考えると、カジノ開業者の経済的利益より消費者又は社会の経済的不利益の方が大きい。カジノの経済的利益と不利益は同一人に生じるのではなく、むしろ不平等な支配・従属関係が生じる。これを無視したカジノ産業の経済的効果論は正しくない。立場の選択の基礎において自由選択論は誤っている。
 社会的不公正と倫理性の欠如は、ギャンブル産業を論じる者がギャンブルに伴う社会的コストを十分検討していないことと共に確認しておくべき点である。盗っ人の経済と盗まれる人の負の経済について正しく理解できず、負の経済を他に転嫁することは経世済民(世を治め民を救う)でない。これが判らないとすれば、自ら真実や正義を語る資格はない。


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在日米国商工会議所の「IR戦略」

 「旧聞」だが、2014年12月、在日米国商工会議所(以下、米商工)は、日本政府に対し、日本IRの推進のために「IRが日本経済の活性化に寄与するための枠組の構築」という意見書を提出している。
 その概要は、「オックスフォード経済紙によると、東京圏、大阪圏1ヶ所ずつのIR導入によるGDP押上げ効果は東京圏1.4兆円、大阪圏9500億円で、雇用創出は東京圏10.3万人、大阪圏7.75万人。そしてIRの継続運営による税収は東京圏4700億円、大阪圏3400億円。地方経済に及ぼす効果は年間で東京圏1800億円、大阪圏1500億円で、地域社会に各数万人の雇用創出をする。アジア各地のIRと競合するから早急な法案成立を要望する。」というものである。
 これは「ホラ」の一言。早くやればバラ色というが、ウインズ、MGM、サンズ等米国カジノの進出が本音であり、もし日本政府が米国企業の進出に消極的であれば障壁だとして攻撃してくるだろう。
 IRカジノを成功させるために必要なこととして、次の13点が<提言>された。内容は随分勝手なものである。【  】内に意見書の本音をコメントする。
1.「カジノ規模に制約を盛り込まない」    ・・・【ラスベガスかマカオ並にせよ】
2.「初期は東京・大阪圏に、その後地方へも」 ・・・【米カジノ資本進出の都合に合わせよ】
3.「複数リゾート群に複数認可」       ・・・【日本優先はダメ、米資本カジノも必ず】
4.「認可プロセスの国の目的以外の基準も」  ・・・【日本国益中心では困る】
5.「IRデベロッパーの自治体認可、入札基準の早期決定・・・【早くIRができるように】
6.「カジノ収入(GGR)への税は10%以下  ・・・【でないと他国のカジノのようにやれない】
7.「GGRへの税は法人事業税として」    ・・・【公共事業と同様に取り扱え】
8.「カジノは消費税対象から除外」      ・・・【私営でも公営賭博と同様に】
9.「他のギャンブル同様、入場料を課さない」 ・・・【タダタダ客をたくさん入れたい】
10.「規制監督は総理大臣の選任するカジノ管理委員会で」
                       ・・・【米国の影響力が効く安倍総理の方がよい】
11.「カジノ認可を与える前に日本の企業関係は徹底審査」・・・【日本の企業には参入は厳正に】
12.「カジノは20歳以上参加、24時間年中無休」 ・・・【世界のカジノ並みに】
13.「IRの金融サービス提供を認めること」   ・・・【客に金を貸してでもカジノをさせたい】

 そして以上1~13について長文の具体的提言をしている。米国商工会議所というが、ラスベガスだけでなくマカオやシンガポール等海外進出の米国カジノ資本本位の主張と巧言が並ぶ。要するに、IR企業が日本各地へ進出し、売上成長して収益を上げられるように専らするものである。そこには米国企業の都合の良い理由しかない。

(Y)


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ギャンブルとギャンブル依存にかかる真実の言葉

「ギャンブルは人を嵌める」
 ギャンブルは人を熱中させる。これには金の得喪への闘争心や射倖心が大きく働く。ギャンブルは心理学上はもとより脳生理学的にみても人を嵌め、病に落とす仕組みが判明している。

「ギャンブル産業(事業)は人の射倖心を利用するワンサイド収奪ビジネス」
 一般産業は生活有用品を生産し市場を通して消費者・国民に供給する。ギャンブル産業は、人の射倖心を利用し、そのゲームを娯楽化するとするワンサイド収奪ビジネスである。

「ギャンブル場やギャンブルマシーンは人を嵌めるシステムの場と機械である」
 公営競技やパチスロからカジノまで、その場と装置や機械は人を極大化して賭博に参加継続させ、その回転度(集約度)を高めるシステムである。

「ギャンブル事業の収入は『問題のあるギャンブラー』の30~50%から得ている
 ギャンブル客が金を賭けずゲームを楽しむだけなら「ギャンブル依存」は生まれない。公営競技や宝くじ・totoは、客全体の金の25~55%を天引して収益を得ている。脱法ギャンブルのパチスロや闇賭博も15~30%以上を収奪する。遊ぶための金でも、収入の10%以下でないと問題を生む。実はギャンブル産業の収入の30~50%は問題ギャンブラーからの金である。病人から収益を得るのは治療をする病院・医院と回復施設だけでよい。

「ギャンブルの金の半分はアウトロー(法外)である」
 闇ギャンブルの金は全て犯罪金。パチスロの金は90%以上が脱法システムの「換金」を利用する。ギャンブルの収益はほとんどが略奪的収益である。人の健全な娯楽に要せる経費は一時的なものでも収入の10%台である。公営ギャンブルの収益ですらその10%以上は犯罪からの金である。家族・世帯の同意内のものは1%もない。
 このようにどんなに控えめに評価しても、ギャンブルの金は「アウトロー」である。ギャンブルに使われる金は家庭では必要な生活資金である。ギャンブルに消費した結果、生活を破局させたり事業を倒産させる。破産の原因がギャンブルであれば、免責が排除される理由となる。これらは法の正義からギャンブル投入金が枠外(アウトロー)であることを示している。

「ギャンブル事業は特に情報開示と正しい説明をしなければならない」
 ギャンブル事業が肯定されるとしても、客や市民に正しく必要な情報が提供されることは不可欠である。パチンコスロットなどマシーンの勝率(平均勝率とフロアー全体と個々の台の勝率設定)も説明されるべきだ。
 ギャンブルは人を熱中させる。頭を冷やすクーリング、嵌らせない休憩、再考させる時間が不可欠である。ギャンブル時間の制限(一日当たり、月間、年間)が必要。自分が使った金と時間や今後のリスクを知らせる義務(客には知り、知らされる権利)がある。

「ギャンブルについて消費者の権利がある」
(1)安全である権利(依存に陥らない権利、健康である権利)
 依存症などギャンブルによる危険から守られる権利がある。現在は公営ギャンブルでさえ全くこの権利を侵害している。パチスロに至ってはもっと危険である。自己がギャンブルに伴うマネーローンダリングや脱税等犯罪に巻き込まれない権利もある。
(2)知る権利
 ギャンブル事業の財務・経理や、ギャンブルの種別ごとにそのゲームの内容や勝負のリスク、その効果・効率まで知る権利がある。パチスロの景品、回収その他システムも知る権利がある。
(3)選ぶ権利
 ギャンブルについて正しい情報開示と説明提供により、ギャンブルをするか否か、どのゲームを、どの時間、どの金額限度で行うかを選ぶ権利がある。ギャンブルについては自己抑制限度の事前設定システムが必要である。
(4)ギャンブルによる弊害や収益金について知らされる権利
 ギャンブルには様々なリスク・弊害のあること、法律上の権利と責任について正しく知らされる権利がある。公益目的で公認されている場合は、その収益について経費も公開され、公益目的が具体的にどう実現されているか知らされる権利がある。

「ギャンブルは依存者を生み、客だけでなく家族から第三者に及ぶ被害を生む」
 ギャンブル産業・事業が生む様々な依存問題から本人と家族を救済する制度・システムが必要である。その費用は、公営の場合は当然収益金から全て負担されるべきであるが、パチンコ・スロットの場合は三店方式が残っている現在はもちろんそれが廃止されても、依存症など依存問題が残っている間は特別税や負担金を業者に課すべきである。

「ギャンブルに伴うマネーローンダリング、脱税、反社会行動、その他行財政への歪みへの粛正・是正システム が必要」
 ギャンブルの世界は、導入が企図されているカジノはもちろん、パチンコ・スロットやオンラインカジノが拡大中で、脱法・違法といえるものも十分捕捉できていない。それらについて監視調査チームを設置して、是正するシステムが必要である。


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2015年11月04日

「公認」ギャンブル依存カルタ

あ 朝一にパチンコ店に並ぶのだ 当たりの台を選ぶが先と
い いい台を導入したと宣伝す 金曜朝刊折込チラシ
う 虚(うつ)け者といわりょと 今日も競輪に 昨日負けてもきっと勝つから
え えらい人 ホトケ様でもなるという のめり込みます ギャンブル依存
お 大穴を狙ったけれどハズレたり 続けりゃ負けると わかっていても
か 貸し玉というらし玉を積み上げん 金になるから打ちてしやまん
き 競艇と競馬競輪これ3K 公営でやる賭博開帳
く 釘でして コンピューターでも調整す 詐欺ともいえるパチスロの裏
け 警察が認めてくれる賭けの場は 遊技で換金 名三店方式
こ 高利でも借りてやりたいボロ儲け 勝つと思ってやるのが病気
さ サッカーのトトカルチョとは予想する トトのビッグは機械におまかせ
し 借金を重ねてもなお止められぬ 勝てる気だけの返せる目算
す スロット機 カジノの主流ゲームです 世界一多い 日本のEGM
せ 世界中カジノあります導入を! 既に万余の パチスロカジノ
そ SOGSが3点あれば問題で 5点以上で病的賭博
た 宝くじ 一度当たればアディクション 当たらなくても買い続け
ち 智があれば判る筈とはいうけれど 止まれぬ気持ち ドーパミン故
つ ツキがくる 今度はきっと勝てる筈 そんな想いで賭けは止まらず
て テラ銭を公共目的使います 庶民を欺す 公営賭博
と 取られても取られてもなお止められぬ フィーバーをした あの想いまた
な なぜ多い ギャンブル依存 日本では 簡易できる 近くのパチンコ
に 日本のギャンブル依存 推計で536万人 世界最大
ぬ 盗み金 欺した金も注ぎ込み どのギャンブルも止めるとこなし
ね 狙われる 日本人の高齢者 海外企業 数兆かけて
の 納税をする人もない ギャンブラー 勝ったら所得 思う人なし
は パチンコを上場企業にできぬのは 隠れたバクチと判るから
ひ 火の車 なっても勝てば返せると 借金重ね 賭ける毎日
ふ 不可能とギャンブル止めぬ言い分は どこまで本音か 言い訳か
へ ヘッジとは親胴元の勝つしくみ 控除多けりゃ 子が早よ負ける
ほ 本命に賭け続ければ必敗と 大数法則 判っていても
ま マルハンやダイナムに行く億の金 君は知らねば 金注ぎ込みし
み 認めない 賭博依存の本人を 立ち直らせる 病の自覚
む 昔から無職渡世のやる博奕 今は無職余生の貯えし金
め メンタルのクリニック行く人はまだ 救いの道を 自ら開く
も もし玉が景品だけで終わりなら すぐにも止める パチンコの客
や 薬酒 物質依存 ギャンブルは行動依存 ブロセス依存
い 依存とは なければ困る対象に ノム・ウツ・カウは三大嗜癖
ゆ 夢を売り 夢を買うのが何故悪い 賭けとくじしか視えない我は
え えらい借金 何度もあって 叱られて 尻拭いされ また繰り返す
よ 予防する はじめ警告 教育し 病の者は立入規制
ら ラスベガス 抜いたマカオの売上は 中国人のVIP客故
り 理解してもらい難きは ギャンブルに依存したのは 自己責任と
る ルールとは 賭博開帳 くじ売りが 必ず勝つという仕組み
れ レジャーとて スポーツ、ゲームいずれでも 金を賭ければ 病い始まる
ろ ロトにトト ビッグなクジにスクラッチ カタカナクジで窓口賭博
わ 我が子でも熱死させます駐車場 親の頭も熱中症
ゐ 依存する環境なくせ 教育も 初期に発見 ケアーも開始
う 生み育て 増やしています射倖心 宝くじから公営競技
ゑ ヱライコトなってしまった でも勝って 穴を埋めれば マアマアいいか
を 可笑しいと頭半分判っていても つい引きずられ 賭けゆく狂気
ん ん~とまあ 536万人 こんな病人どうして直す

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書籍紹介

1.『CASINOS』  ラルフ・テグマイヤー (1993年 フランス 400フランスフラン)
 この本は古書店で入手。大型B4版256頁、カラー写真や昔の図絵もたっぷりで世界のカジノを紹介している。仏語能力不足のため残念ながら詳しい内容までは紹介できないが、目次を辞書を頼りに調べてみたところ、「人の賭博(遊び)」「黄金時代」「賭博の資本(企業)」「賭博の欺瞞」「賭博のルール」「カジノ場目録」「巻末辞(用語解説)」等からなる。
 175頁までヨーロッパ中世から20世紀までの賭博が数多くの絵画や写真を引用して説明する。そこでは貴族らがルーレットやカード(バカラetc)等に興ずる有様が写真と文章で紹介されている。
このカジノが完全に企業となるのがラスベガスである。そこでは大衆カジノとなった。その他植民地の香港、サイゴン、マカオも紹介される。
 カジノ場はドイツのバーデンバーデンやハンブルグ等10箇所、イギリスのロンドン、そしてアルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ブルガリア、エジプト、スペイン、アメリカ合衆国、フランス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、マカオ、マレーシア、モロッコ、フィリピン、モナコ等々から船上カジノまで、とにかく世界中に拡がるカジノを写真で紹介する。また、ルーレットやブラックジャック、バカラのルールやカジノホテルも紹介。
 即ち、カジノには欧州型(モナコ型)の上級ギャンブルゲーム遊び型のものと、ラスベガス・マカオ型の大衆・観光客遊興型があることが、その町の風景や歴史からして判る。大衆型のカジノといってももちろん外国人金持ち向けのVIPカジノもある。


2.『新・観光立国論-モノづくり国家を超えて』 日本総研・寺島実郎
 (2015.6.25 NHK出版 1836円)
 ほぼ同時期に同名「新観光立国論」でデービッド・アトキンソンという日本在住の長い人の出版があったが、こちらの寺島本は観光の中でカジノをより強調している。ただ何が何でもというスタイルでなくIRカジノも時・場所・条件に応じて考えるべきと詳しいお膳立てをしている。寺島氏は落ち着いた論客だが、多摩大学学長になったころ(2009年)からIRにカジノがあって良いというスタンスになり、カジノ派に右足を乗せている。
 日本総研はIRカジノをコンサルし、研究員に担当させるというところであり、IRカジノはOKという立場になりつつあるようだ。しかし、ギャンブル依存やマネロンなど負の影響については研究も検証もなく、寺島氏の過去の実績や一般評価を落とすことになりそうだ。
 地域社会の衰退や貧困化への一対策というにしてもお粗末である。早速、阪南大学櫻田教授から寺島氏のいう日本の統合型リゾート経営は無理だという批判があがっている。


3.『ギャンブルと財政・経済』 アレックス・ラグナー著
 (1969年8月 全国競輪施行者協議会)
 原著は1966年出版の「The Economics of Gambling」で(株)ユニバーサル通信社訳。著者は「偽善をあばき、成人のギャンブルを行う自由を守り、ギャンブルが公共財政に貢献している事実を証明しようとしたものである」と述べるように、ギャンブル肯定論者である。
 第1章ではギャンブルの背景(近代ギャンブルの発生等)、第2章ではギャンブル論争の要点としてロッタリーと政治モラルからプレミアム債権、税金、公営について、第3章では外国のロッタリー、宗教、バランスシート、英国のギャンブル、収益と国家予算、フットボールプール、課税技術、公営ギャンブルの保護政策を述べる。
 ギャンブル論争では、氏はギャンブルの美化も中傷も否定する。ギャンブル事業者が事業を投資対象と呼ぶと嘘つきという。慈善事業への収益寄付も人気取りの技と切り捨てる。しかし、政治家は10のギャンブル規制の中の関門をつくったという。それは①個人の利益を求めることは悪か、②ギャンブル事業の目的が社会的に価値のあるものであれば悪を浄化できるか、③合法化は、④付随的に人間を幸福にするか、⑤財政的収益は、⑥販売目的広告は、⑦賞金の価額、⑧貯蓄債権(プレミアム債権)は、⑨失業救済か、⑩国家予算における収益 である。
 なお、著書では日本の賭け事について「ギャンブルと宗教」で神道について述べている。「神道はギャンブルに関して言及していない唯一の大きな宗教である。神道は物欲の欠如を賞賛もしなければ物欲の存在を必要悪として認めもしない。・・・地方自治体のロッタリーは尊敬を集めている」と。
 英国のギャンブルは王室委員会の三度の調査で成人5人に4人は合法的ギャンブルを楽しんでいる。国民所得を100%とすると、酒類は5.0%、タバコは5.1%に対し、ギャンブルは2.3%の支出。1964年で、ギャンブルの総支出14億ポンド(1.4兆円)、1970年で23億ポンド(2.3兆円)という。


4.『賭け事に関する「英国王室委員会報告書」』 全国競輪施行者協議会 (1968年)
 この報告書は、1951年の第二次英国王室委員会によるもの。報告書は「国家は社会的に問題とならない限り、一般市民の楽しみを阻害してはならない。もし制限を必要とするならば、それに代わるものを準備すべき」として、賭け事を基本的に容認するものである。この報告は、ギャンブル自由論者の論拠の一つとなっており、「競輪」の協議会が訳書を出したのもその自らの事業を正当化するためだろう。
 なお、英国と日本は歴史、文化、行政事情も少なからぬ相異があるし、言語の相異も多い。報告書は「Royal Commission on Betting , Lotteries and Gaming」が原著名だが、ベッティングはおよそ競馬、ドッグレース、フットボールの賭け事、ゲーミングは日本の麻雀、パチンコ、トランプ、ダーツなどで、ロッタリーは「くじ引き」をいう。なお、賭け事にコンペティション(懸賞、クイズ)、ブックメーカー(ノミ屋、公認も)、トータリゼーター(配当金算出法)などの用語説明も付している。
 報告は、審議経過等の序論、第1章/様々な賭け事の現行法、第2章/賭け事と国家経済、第3章/賭け事の実情、第4章/賭け事の社会的影響、第5章/賭け事立法の原則、第6章/場外ベッティング、第7章/プールベッティング、第8章/場内ベッティング、第9章/ロッタリーとコンペティション、第10章/ゲーミング、第11章/ベッティングの宣伝と予想屋、第12章/法廷と賭けの契約、第13章/勧告の大要、そして追補からなる。(追補は①委員会の証言者一覧、②統計資料、③フィリング氏提出の配当金算出法などがあるが、本書には②のみ)
 報告はもちろん賭博を全く自由にして良いと勧告するのでなく、①法の統合、②ベッティング、③ロッタリー、コンペティションなど現行規制の承認と一部改善、③客に対して不平等や消費者保護を加えている。18才未満のベッティングや娯楽街への入場規制、ゲーミング1、プレイヤー1、料金5シリング(250円)まで、賞金は20ポンド(2万円)まで、場外券売場(場外ベッティング)の禁止などが続く。
 英国は長年多数の法令で様々なギャンブルごとの規制が多く、統一した基準の下に統一化を求めているが、自由放任のギャンブルなど容認されておらず、消費者保護の視点での詐欺的なもの、高額化射倖心の刺激抑制などの規制は今も生きており、日本より細部までの規制がなお存している。
 この報告は、今日私達のいうギャンブル依存症の弊害防止という視点では十分でない。しかし、賭け事への参加頻度、常習化の問題、限界度は認識されている。特に「賭け事業が私企業の手に委ねられている限りは搾取と欺瞞行為、そして賭け事に対する誘致行為を阻止することは不可能であろう」(116頁)という。日本の公営ギャンブルも私企業に委ねられており、王立委の指摘する事実は現に存するである。
 日本ではこの報告書をギャンブルの自由を認める意見としてよく利用されるが、よく読めば賭け事好きな英国社会での数多い法規制の“山”に整理を求めた報告といえる。


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ギャンブル雑学 ~ギャンブル(Gambling)の分類

 「賭け」のうちお金を伴うものが賭博(博奕)、そしてゲーム(Game)のうち金品を伴うものがギャンブルです。

1.賭博(ギャンブル)のゲーム道具による分類   
(1)サイ(die,dice) ・・・ チョボ、丁半、大小etc
(2)カード・・・トランプ(ブラックジャック、ポーカー、バカラ)、花札(追丁、カブ、コイコイ)etc
(3)装置(ルーレット、キノ、大小)
(4)マシン(スロット、パチンコ)
(5)その他ゲーム道具(麻雀、将棋、チェスetc)

2.賭博(博打・博奕)と富くじ (公認ギャンブル)
(1)日本の公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)からドッグレースまで
(2)宝くじ(ロト、ナンバーズ、スクラッチ…)、toto(BIG)、イタリアのトトカルチョなど

3.法規制上の分類
(1)賭博(①単純賭博、②常習賭博、③賭博開帳) ← 刑法上禁止、処罰対象
(2)富くじ(発売と取次)            ←     〃
(3)特別法により合法化されたもの(競馬法、競輪法、競艇法、小型自動車競走法、当せん金付証票法、スポーツ振興投票法)

4.賭博のゲームをする場所や賭け方法の分類
(1)競技場 (2)場外券(売場) (3)電話投票 (4)オンライン(通信) (5)カジノ
(6)投機取引、銀行、証券会社、商品取引会社と取引所

5.賭博(ギャンブル)とソーシャルギャンブル
 Speculationは投機と射幸を指します。ギャンブルは人の射幸心によるものです。株式取引、商品取引、先物取引も一定のルールの下、ソーシャルギャンブル「投機」として認められています。この一般のギャンブルとソーシャルギャンブルは、将来の一定予想をもとに結果次第で取引者にとって大きな損得が決まる点は同一です。
 ソーシャルギャンブルは株式では配当への投資や相場の上下変動を見越した売り買いという投機「賭け」というものです。公正なギャンブルの結果はランダム(規則性のないもの)で勝ち負けを予測できないようにしていますが、ソーシャルギャンブルでは一定の投資資料、経済予測もあること、投機により一定時期の決済が求められ、プレイヤーを楽しませるための「ランダムな偶然性」は設定されていません。


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コラム

船上クルーズのカジノ
 2015年7月16日朝日紙に英国船籍のクイーンメリーⅡ2016ワールドクルーズの広告が載った。関空から乗船、香港、ベトナム、タイ、シンガポールをめぐるもので日本人はシンガポールから関空に飛行機で帰国するという1人31.8万円~83.8万円までの船室を案内している。その船内にはカジノがある。英国船籍カジノで「外国」でのカジノだから日本人も御自由にという趣旨だ。この船上カジノは日本の旅行会社で客を募集。乗船から下船まで(このツアーでは10日間)カジノ三昧になれるというもの。


国定忠治の辞世
 1850年12月21日、国定忠治は上野国大戸村で磔(はりつけ)の刑となる。忠治は博徒でお上に逆らい続け、殺人、関所破りなど数々の罪を犯しているから、本名長岡忠次郎が1500人の観衆を前に磔を演じるまで大衆のハイライトを浴びた。
 この磔刑は浅草弾左衛門らによって左右の脇腹から肋骨を刺し貫き肩上に出すもので、忠治は14回の間、一槍ごとに目を見開き、目を閉じ、突き抜きを繰り返したと記録されている。そして忠治は、辞世の句を残していた。記録された日記は二つあり、
 見てはらく なくして苦敷 世の中に せましきものは かけの諸勝負
 見ては乗 なして苦しむ 世の中に せましきものは かけの諸勝負   
とあり、ほぼ同一である。どちらかの写し誤りだろうか。それとも厳密にいうと死後誰かが作った可能性もあるが、大博徒の国定忠治にしての句であろう。


賭博とカルタ
 万治(1658~1661)時代の仮名草子『浮世物語』に「博奕の事」という章がある。
 「何時の比よりか南蛮よりかるたと言へる物を渡し 一より十二に至り四組になして勝負を決す 今は迦烏(かう)・追重(おいちょ)といふことをして 人の前にまきわたす絵を こなたより推して知る事 通力あるがごとくなる上手の鍛錬ある者 世に多くなりけるほどに これに出合ひて立つ足もなくうち負けて一夜のうちに乞食になる人多し」
 また、「博奕の異見の事」で「諸人の博奕をいましめんより 賽をつくることをとどめ かるたをつくるを禁制し給えかし」とある。
 「雍州府志」は48枚のカルタの解説を「畢意、博奕の戯なり」とある。
 このようにカルタは博奕として禁制のものであった。


「適度に楽しむパチスロ」で「存分にお愉しみ下さい」
2015年2月からパチンコ・パチスロホールの全国組織である全日本遊技事業協同組合(全遊協 任意加入団体)は加盟店の広告紙に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」「のめり込みに注意しましょう」という広告文言を入れるようにした。
 ところで、近畿のパチスロ大手123(延田興業)は奈良県内2店で「総台数1723台のパチンコ・スロットのスケールでお贈りする」「123で存分にお愉しみ下さい」と一回り大きな文字で折り込み広告している。
 では、「適度に楽しむ」ことでパチンコ・パチスロで「存分にお愉しみ」はできるのか? 「適度」とは「ちょうどよい」「ほどよい」こと。「存分に」とは「思いのまま」「思い通り」のこと。だとすれば矛盾はないのだろうか。「ほどよい程度でパチンコ・パチスロを楽しむ」のと「思い通り」愉しむは同じことだろうか? 楽しむの楽は木の柄のある鈴に由来するガク・ラクの楽であり、愉しむの愉は心の安らぐことをいうとすれば同義である。適度は客観性をいい、存分は主観を中心に表しているといえる。
 いずれにせよパチスロ店の広告は客観的な適度より、思い存分にギャンブル(店の建前はゲーム遊技)をやってくださいというのである。


「責任あるギャンブル(Responsible Gambling)」
2002年にアメリカにNCRG(National Center for Responsible Gaming)「責任あるゲームのための全国センター」ができた。ギャンブルはほとんどの人が健全に楽しめるエンターテイメントとし、ほんの一部の「脆弱な者」が依存症に陥ることを抑止することでギャンブルの健全性を維持できるという考えを「責任あるギャンブル(Responsible Gambling R・G)」という(カジノ界はResponsible Gaming)。
 この考えを米国ゲーミング協会(AGA 1995年発足)が用いて、ギャンブル依存症と治療法への研究を財政的支援し(~2014年 2250万ドル)、「行動規範」「code of Conduct for Responsible Gaming」も明示した。この「行動規範」は業界側の客への相談対応レベルで、客側に「責任」を求める。欧州カジノ協会(ECA)も同様である。R・Gは客に責任を転嫁する「危険」な言葉である。


ガンジーの箴言(しんげん)
 ガンジーの箴言に「七つの社会的罪」(Seven Social Sins)の中に、「労働なき富」(Wealth without Work)と「道徳なき商業」(Commerce without Morality)がある。今のギャンブルやこれを商業化するパチスロからカジノまでのビジネスは、ガンジーのいう労働や道徳があるとは認めがたい。盗み、詐欺、賄賂はもちろん、人から奪った金も色は付いていないとの商業(取引)を許し、「良心なき快楽」(Pleasure without Conscience)を否定するのも「罪」である。


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妄言!?  ――7.13国会内カジノ推進派によるカジノフォーラムinTOKYOでの谷岡一郎氏発言――

1.谷岡大商大学長は、ギャンブル依存症についてのTV番組にカジノ賛成派として出演し、反対派に500万人の依存症患者がいてカジノができないとするとあなた達はどうするかという質問をしたという。以下は、谷岡氏の発言として伝えられるところについてコメントする。

谷岡氏:「するとカジノ反対派は『それはカジノと別問題であり、別の法制化で予算すべき』とした。これに対して『当たり前です。でもそれができる国ですか。今からギャンブルにかかわる省庁を巻き込んで拠出させる、治療しましょうという法案は10年じゃできません、20年かかる。その間あなた達はほっとくつもりですか』と追及した。そしたら反対派が『精神医学者を増やす』と言ったので、『何人増やしたら500万人を治療できますか。予算をどうするか』と尋ねるとまともに答えが返ってこなかった。」

コメント 谷岡氏は、親を継いで大商大学長になった人だが、こんな本末転倒の矛盾した追及で「勝った」と自慢している。ギャンブル依存症を放っておけないのは、カジノ反対派でなくその責任の第一にあるギャンブル推進派の業者、役人、御用学者であるはずだ。それをカジノ反対派が病人を生んだかのようにいい、また放置しているかのようにいうのは「盗人」の論理である。


2.谷岡氏:「私共もカジノだけが依存症の理由ではないことを知りつつも、やはり業界がある程度は負の側面、社会に対して責任があるとして対応していきましょう、相談ものりましょう、その上で社会全体で協力し予防していきましょう、536万人もいる、この上どうするんだという議論をしたがでてこない。」

 コメント パチンコ、競馬、宝くじなど依存する問題について相談にのるが、これは社会全体の問題だとはぐらかす。原因者負担責任を考えない。支離滅裂である。


3.谷岡氏:「考えて下さい。日本は株だの先物取引だのみんなギャンブルの一種。そのリスクをとるだけの根性はあるか。根性がないと周りの国に追い越される。我々が幸せな社会を享受できるのは、いろんな人がリスクをとりチャレンジしてくれた結果だ。」

 コメント 経済的にはリスクヘッジの必要な取引とバクチを同一視して、ギャンブルを幸せな社会のシステムとしている。学長のレベルがこうであれば、どんな経済学教育をするのかと怖ろしい。


4.谷岡氏:「ギャンブル依存症は統計的に一時増える。ドメスティックバイオレンスのホットラインがあればその件数が増えるように。しかし今まで気づけなかった人がどこに相談すればいいかを知る。昔のDVの報告水準でよかったんですか、見て見ぬふりをする社会ではいけない。」

 コメント 統計上の水準は調査を深めれば上がるし、それへの対処はもとより必要。それをギャンブルとその許認可庁が放置していることがいけない。現状でも対応をとらないでカジノ反対派にその責任を転嫁するのは無学である。


5.谷岡氏:「地方にはカジノの適地不適地がある。アトランティックのカジノも金を得て住民は利益を得た。今うまくいかないといっても、それは40年の間に条件が変わったからで、これは世の中がアトランティックに追いついてきたと考える。日本は大都市圏が1時間以内にあり、有力な候補になる。」

 コメント 要するに、早い者勝ちでカジノをつくれば、後から追いつく者のない間は儲けられる、日本は一日観光資源が山程あるというのである。ミニカジノのパチンコ屋の12000店とまでいわなくても、1000地区以上の適地はあると言いたいかのようだ。東大阪市の大商大にカジノ学部を作りたいのだろうか。


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富くじオンブズ考

① 富くじと詐欺
1.賭博(博奕)と富くじは、人の射倖心を利用した「アウトロー」の世界であるが、実は賭けにみせた「詐欺」の世界でもある。特に賭博開帳、富くじ販売の側は必ず儲けるため、客に対して様々な工作をしている。映画で見るように賭博・富くじはイカサマや詐欺が常態している。
 富くじは縁日の子ども相手の店が商品くじの一等は実は当たらないようにしている「子供騙し」から、コンピューターで高度化し今では大人の目をも誤魔化す錯覚を使っている。

2.まず、富くじの発売が完全に公正且つ抽籤が公正化というと、現実は主催者の「良心」に依拠している。「公正らしさ」は見せても完全な公正の証明はできていない。その一例を示すと宝くじはほとんどの客は番号を選べない。特に組番号01~100番は選べない。組違い6ケタ(100,000~199,999)も事実上選べない。例え全てを買ってもその段階で購入額の半分以上の損が確定する。ここに一つの落とし穴がある。
 01~100組の1000万通りのくじを1ユニットとして「6億円」が当たると宣伝するくじは、その中の1枚を1等4億円とし、前後の番1億円を連続で当てた場合である。2等は別の組の別の番号で、例えば2本1000万円とする。ジャンボで144本6億円(前後賞ともで)が当たるというのは、144ユニット(14億4000万枚)のくじを販売できた場合の仮定である。1ユニットは1~100組の6桁数字の1000万本であり、その144ユニットが全て売れることなどほとんどない。発売者の計画に反して100ユニット止まり、しかもそのうち80%どまりということもある。
 そして144ユニットのくじは、組と各番号を全国の誰でもが自由に選んで買えるようにはしていない。50ユニットを売場に廻しても売れ行きが悪ければ残券があるのに、さらに01~100組までの全番号ユニットを無作為に売場に廻すこともない。すなわち、売場はたまたま配券されたくじを売るだけで、売場は券の組も番号も客の希望に応じられないのである。
 また、配付券の完売を全国に確認してから追加ユニットを売場に廻すという訳ではない。売ったのは01~50組が多く、51~100組は0ないし少なくなるケース、極端に言えば51組は10万通りあるが60組は5万通り、100組は0という売り方になることもある。すると下6桁は組に関わらず当せん確率としては平等でも、組指定の1等~2等は、抽選器は01~100の100本に1本の組番号を指定しても、発売が抑えられているため当せんは1000万本に1本でなくそれ以下であることが生じるのである。
 01~100組の1ユニットも売れないということはないから誰か1~2等当せん者は出る。しかし、多くのユニット発売の「トリック」で1等当せんを宣伝するが、1~2等当せんは発売券の枚数に照らして少ないことが生じる。それはシステムとしての「詐欺」である。

3.では、同じ「富くじ」のスポーツ振興くじ(toto)はどうか。このtotoの主要収入はいわゆるBIGであり、これはいわば機械が試合結果予想の番号を決めたくじを売り、実際の試合結果との当たり外れを照合するものである。
 このtotoは1等(全試合的中)がでないこともある。その場合次回に一定当せん金を増やす「キャリーオーバー」というシステムがあるという。宝くじのロト6、ロト7でもキャリーオーバー制が導入されているが、次回のくじの1等に繰り越されるという射倖性を高めたものである。しかし、キャリーオーバーというも前回未配当金の全額が後の当せん金に加えられる訳ではない。その操作も「詐欺」である。
 BIGは最高10億円、宝くじは8億円などと、まず一般には期待できない当せん金で客を釣るのも「欺し」だが、その機械選定も公正か疑問であり、その機械が公正に働いたことは客には判らない。結局売る側が「公正」と称して券を売り、客は信じるしかない「信仰くじ」である。

4.ところで、「スポーツ振興投票」というtotoの収益金は、本来全国民のスポーツ振興を通じた健康増進のために使うというのが「美名」だ。
 しかし今回、国立競技場の建設問題でその資金として使われる巨額さが明るみとなったように、実際はとんでもない使われ方をしている。現状、totoは売上(発売額)が1000億円レベルである。このうち配当は45%450億円ほどだが、他に販売経費が必要で客から550億円を収奪しても収益金は400億円くらいである。
 ところが現在、totoの毎年の売上の5%(約50億円)を競技場建設にまわすことが決められている。するとスポーツ選手養成への費用はその分減る。減る額も年間何十億となる。国立競技場2520億円プランに泣いて抗議したアスリートはこの辺りも判っていたのだ。しかし、年50億円を将来3000億円の競技場建設費にまわすと60年もかかる。そこで5%を10%にして毎年100億円をまわそうという案が出ている。
 結局、国立競技場という箱モノを建設するためにtotoの売上が使われるのだ。それももし1000億円売って900億円から150億円の経費と45%配当450億円を引くと収益金は300億円となる。そのうちから選手養成費、国民スポーツに少しずつ廻しますというのだからこれも「詐欺」である。


②突 富 考
1.日本法制史の学者石井良助博士の『江戸時代漫筆』(昭和34年5月25日発行)に「突富のこと」という章がある。富くじのことを江戸時代は「突富」「富突」あるいは「富」と呼んだ。箱の中の木札を錐で突き刺して当せん者を定めたことに由来する。江戸時代初期、幕府は禁止していたが、享保年間に一部の古社寺の修復費用用として許可した。これを「御免富」というが、もぐり、闇の富もあり、これを「隠富」といった。「福引」「福富」「見徳」とも称された。江戸、京都、大阪に御免富が認められたが、江戸では谷中感応寺、湯島天神、目黒龍泉寺の「三富」が許されたという。代表的な三富は一枚1分、札数1000枚、一の富は100両だった。もっとも2万~3万の札を売った例や、当せん金が50~1000両のものもあったという。
   感応寺 命からがら 一分捨て (富札を一分で買うも大勢詰めかけて大変だった)
   にっこりと 一人か二人に 富場出る (1000人に1人2人は当たり、にっこりする訳)
   富札を引っ裂いてある首縊り (富札に当たらず首をくくり死)
 このように昔から富くじに狂奔する様は川柳のテーマだった。柄井川柳が博打の川柳を禁止したのは非合法な行為をテーマにして権力者の怒りに触れたり「日常化」するのは「笑い」にできないと考えたからだろう。しかし「富」は官許されており、ヤミの隠富も含めて川柳の句は多く生まれた。

2.では、今の富くじである「宝くじ」「toto」はどうか。実は欧米では富くじ購入を無差別に宣伝することは禁止・抑制されている。なのに日本では宣伝屋(電通、博報堂など)が様々なテレビなど子どももみるメディアを使い、五七調、七五調のリズムのコピーも使って富くじやtotoを買わせる。
 例えば、BIGのCMは「まさか!でもありえる大当たり」、宝くじは「買わなけりゃ当たらぬ宝くじ」、ロト・totoは「今すぐに キャリーオーバー発生中」と煽る。これをヒントに四苦(句)。
   千万に たった一枚ありえます   (自分にはまさかで 他人にはありえます)
   当たらない 損する券に 苦分苦厘 (99.…%はハズレ)
   本当は 選択できない 選択くじ  (組などetc)
   3000円 連番買いして 300円   (必ず2700円の損)


③富くじ関係カタカナ語解説
ハンディキャップ(handicap)
 勝負を公平で面白くするために、優者に負わせる負担、逆に弱者に与える有利は持ち点や条件をいうが、不利な条件、身体の障害の意味でも使われる。だが、その語源は「hand in cap」で帽子の中に手を入れて取る富くじとも言われる。競馬で賭け金を帽子に入れたことに由来するとも。
 しかし、実際の賭け事は賭博開帳者にハンディを負担させることはなく、賭場の客に損失の負担がなくなる条件設定はない。 “寺銭”や“詐欺”“ゴマカシ”しかない。ハンディキャップレースもそのハンディで成績、結果が逆転するまでの条件設定はないのである。

スクラッチ(scratch)
 「ひっかく」という語はscrat(傷をつける)とcratch(傷をつける)の混成語。この語のとおり、当たり番号をコインなどでひっかいて当せん落せんがわかり、窓口で換金できる即くじ方式の宝くじで使われる。しかし、従前はゴルフでハンディ0のこと、ハンディ0のゴルファーやハンディのない試合のことで、ボウリング競技でも使われる。なお、レコード盤を逆回転させたり、手でこすってノイズを出すことにも使われる。自転車のスクラッチレースはトラック2周の先着を争うもの。

ロト、ロッタリー(Lot , Lottery , Lotterie(独), Loterie(仏))
 Lotはくじのこと、Lottoは5枚の数字カードを並べる遊び。Lotは製品の一単位、運命、分け前なども意味し、くじで分けるからくじ引きする意味になった。日本ではロトはくじのこと、ロッタリーはくじ引き、富(宝)くじ、そしてロットは今や宝くじの一種のナンバーくじと理解しておけば区別できる?!

ナンバー(Number)
 「数える」ことから数字、番号、記号は「No.」。ナンバーズゲーム(数字当てのくじ)は宝くじの一つ。宝くじ売場を連日の“賭博券”売場とするもの。なお、ナンバーズゲームには違法な数当て賭博もあり、例えば新聞公表の下3桁の番号を当てるものなど。欺瞞的に数字を持ち出し、自説を補強することは政治でもよく使われる。ナンバーで決める宝くじはそもそも詐欺のナンバーズゲームであろう。

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日本のギャンブル事業の欠陥

 滝口直子大谷大学教授は「ギャンブル産業の害を最小化する責任」が果たされていない(というよりほとんでできていない?!)ことを主張され、「ギャンブル害の最小化政策を求める会」を結成し活動されている。 その主張は被害者の現実に支援の手を伸ばされつつ、あまりにもひどい日本のギャンブル産業と公共政策(政府・自治体の施策)の欠陥に改善を求めるものだ。教授が発行されているパンフレットを要約する形で会の活動を紹介する。

1.子どもの未来をギャンブルに賭けることなかれ
 まず渦中にある依存障害(disorder)にある人、家族、そして世の中がギャンブルに対する世の正しい理解をすること。

2.ギャンブル産業のギャンブルの害を最小化する責任
 控えめな整理をされているが、ギャンブルは人を「はめ」、善悪の判断にも影響を及ぼすことから産業の側に依存防止責任を求める。ギャンブル産業は「問題ギャンブラー」からの収益が高いこと、パチンコ等のギャンブルの場とマシーンが人を「はめる」特徴を指摘する。
 すなわち、ギャンブルの害を最小化どころか極大化している点を批判する。

3.ギャンブルで本人、家族、子どもへの害、貧困など弊害があるのにギャンブラーが回復の場に出て来ない。(被害者が救済を求めるまでの被害(借金苦)期間が長い。)

4.ギャンブル被害対策は予防が第一で、ギャンブラーの自己抑制には消費者保護の体制(情報開示、ギャンブルの金と時間の自己設定権、援助体制(資源)等へアクセスする権利の確保。

5.ギャンブル場の消費者保護対策の認証制を提唱する。(カナダでは、(1)企業の政策・方針、(2)自粛(立入禁止)、(3)広告・宣伝規制、(4)インフォームド・コンセント(十分に説明されたゲーム参加)、(5)問題あるギャンブラーへの支援、(6)金へのアクセス制限(貸金、ATM設置禁止など)、(7)ギャンブル開催場とゲームの特徴のチェック、(8)従業員教育について専門家の第三者が審査基準を満たしているか認定する。)

6.問題ギャンブルの専門的治療訓練(ギャンブル産業からこれら機関や組織を進めることになる寄付禁止)など倫理条項

7.ギャンブル管理・監視委員会、研究機関、治療期間の独立性保証、利権腐敗の温床除去の最大限努力
 
 以上、いずれも日本では理解も制度保障もなく、現状は事業者側の収奪が放置されている。公認(黙認)ギャンブルは監督庁との利権癒着があり、収益をあげることのみが目的化され、これが世界最大の病癖(障害)を生み出している。 

(Y)


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民営賭博と公営賭博

1.アメリカのラスベガスをはじめ各州のカジノは「公許」ではあるが民営カジノである。これに対し欧州のカジノのほとんどは「国営」「公営」カジノである。
 世界的にみて完全に賭博を自由にしている国はなく、許可しているのもカジノは外国からの観光遊興客で成立している特殊な地区の特別な場所だけである。賭博禁止の法の枠を除外するには、例外とするその賭博開帳者や富くじ発売者が自由な民間営業では認められない。
 ギャンブルの収益と経費の完全把握、ゲームの公正化とマネーローンダリングや脱税の防止、治安、依存症など客へのケアの確保、そして収益金使途の適正確保という点で、政府の公的支配・管理が必要なためでもある。
 日本でも賭博の開帳、富くじ販売は政府・自治体ないしその統轄下の特殊法人にのみ認められている。日本のパチンコ・スロットは民間業者が行う「遊技業」で、すなわち金を賭けたギャンブルでなく、一定限度の賞品付きゲームという建前である。(パチスロは商品を裏で換金する三店方式で脱法しているが、警察と遊技業界(遊技店業者と遊技機メーカー等)の運用と癒着により摘発を免れているだけである。)

2.このように例外として賭博や富くじを「公認」するとしても、民営を認めるかどうかは法的に別の問題がある。賭博開帳を禁じ常習賭博や博徒の生まれることを禁じている法制度は、射倖心を利用して場を設営し人を集めることは賭博を習慣化させ、勤労や教育上の社会への弊害を生むということに注目しているのだ。戦前の大審院判例や昭和25年の最高裁大法廷判決以来、日本の司法判断はその立場に立っている。
 しかし、賭博やくじ(ロッテリー)を個人の趣味としての自由を認めてよいという考え方が20世紀末以来主張されており、また、軽い単純賭博(個人間での娯楽としてのギャンブル)は処罰しないという国も多い。日本でも一時の娯楽としての賭博は処罰対象にならない。しかし、賭博場を開設したり常習賭博を自由にさせる国は限られる(というかほとんどない)。マカオやモナコのようなカジノを認める国・地域でも「公許」「公認」の条件がいる。

3.特別の条件が付されるとはしても賭博開帳(常習賭博に他ならないともいえる)を公認する国が多いのは何故か。またその理は何か。それは公許・公認の歴史がほぼ明らかにしている。
 富くじ、競馬、競輪、競艇でも明らかなように、その第一は政府が財政困難時に特定目的の収入を確保するためである。特別な歴史をもつモナコ王国や香港、マカオのような植民地都市では通常の財政収入を得にくいところが観光客から収入を得ようとしてカジノは生まれた。
 欧州ではモナコだけでなく18~19世紀から保養地・観光地で富裕層客の別荘地カジノや競馬等が生まれている。それは事実上特別階層の娯楽で一般民衆への勤労文化や教育文化を害するものではなかった。即ち、公認されたのは身分社会・階級社会の限定社会層の「遊び」だったのである。そこでは社会の秩序を乱すから賭博を禁止するとの考え方が及んでいなかったともいえる。

4.貴族や貧富の身分社会とそれを前提とする法社会を否定し、自由人権思想下の近現代において賭博が禁止されるのは何故か。それは賭博が一時のゲームで終わらず個人を依存症にしたり、勤労、教育、文化など健全な社会を損ね、反社会活動の誘因となるので、公共の福祉のため賭博の「自由」を制限するのだという理由になる。
 そして、ヤミの賭博を節度(限定し、詐欺など不正のない)程度のものに限って公認するという政策判断がされた。
 このように、公営賭博を認めるには伝統的な賭博禁止の保護法益を上回るものが求められる。しかし、それは日本の宝くじのように戦災復興のために政府・自治体への財政収入とする例外措置というものが多い。競輪等公営競技も昭和21~24年の特別法により生まれ、特定産業振興と自治体収入の方策であったことは明白である。(スポーツ振興くじ(toto等サッカーくじ)は平成12年の始まりであるが、スポーツ振興とスポーツ財源の確保志向との谷間で採択されたものであった。)
 公営賭博・公営くじには、そこに定められた①主催者と取扱者、②内容、③手続、④範囲があり、それ以外の者は刑事的にも処罰されて規制される。例えば、競馬法違反の「呑み行為」や証票法違反の「宝くじ券」販売は、政府の公許・公認する以外の行為によってその収益行為「秩序ある賭博(?!)」を害する者への処罰による規制である。ここでの法益は実は射倖心の抑制でなく、それを利用した賭博開帳の政府独占とコントロールによる施行への妨害の抑止であるとまでいわれるようになった。
 このような勤労等弊害を自認する一方で、賭博禁止の法益論より政府の定める「賭博秩序」を守るという考えを提唱する者も出ている。これは賭博を全面禁止しつつ一方で政府自らが公認賭博を広く認めるという矛盾する現代における率直な発想ともいえる。

5.しかし、限定した公設・公営賭博にも弊害はある。それは利権その他の不公正と官営事業の非効率、不経済である。賄賂や天下りなど癒着と不正である。近時、公営競技などの民間への包括的外部委託が拡がっているのは、お役所経営の非効力下の赤字を何とかしようというものだ。公営賭博の主催者はその弊害に目を向けず、収益を上げることだけを考えてきた。そして収益第一主義は民営賭博化をもたらしている。日本の公認賭博は正面から社会的弊害を考えていないし、マネロン、脱税、依存症など全く対策をとっていない。いずれも戦後の経済困窮期の公共財政収入の「補充」という下での収益思想のみで今も運営されている。                
(T)


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ギャンブルKeyWord

「ELSI」(Ethical , Legal , Social , Issues
 本来、医学領域で提唱された概念で、医療行為を医学的側面だけでなく倫理、法的、社会的側面にも照らして考慮すべきという方法。臓器移植、出生前診断などにはELSIが欠かせないという。
 帚木蓬生氏は、ギャンブル、カジノ、病的ギャンブリングについてこのELSIの視点を忘れてはならないという。カジノ推進派は経済効果と雇用創出をいうが、病的ギャンブリングへの警告と予防、環境整備を怠っていること、その上カジノができればより負の被害を増やすと警告する。


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カジノ(産業)の本質と研究に欠けるもの   弁護士 井上善雄

1.カジノ(産業)については、社会経済的見地、法学的見地、犯罪学的見地、心理学的見地、病的ギャンブルへの医学的見地等さまざまな立場からの検討が求められている。しかし、どの立場・見地からもまだ研究は浅く不十分である。
 ギャンブルは無規則、無政府状況での賭博から始まり、その弊害のための取締りであっても今日まで真面目に検討されることも少なかった。賭博や麻薬は19世紀に刑法での禁止が始まっているが、20世紀に入って酒・タバコは税収目的で規制が強化された。日本では、1945年以降は特に薬物の規制が強化された。しかし、富くじは1945年に戦時の財政収入のために始められた。
 賭博は長い禁止規制にもかかわらず隠れてなされ、あるいはヤクザによる公然賭博開帳までなされ、それを取り締まる警察との「斗い」が続いてきた。しかし、ヨーロッパ南欧を中心に一部の特殊別荘地での観光としてのカジノが近世に始められ、20世紀アメリカやマカオ等では他に産業立地が困難という理由で民営カジノまでが公認された。しかし、このカジノではマフィアをはじめ犯罪の巣ともなり、その斗いの歴史が規制の歴史であった。このため、政府側の視点で一定の犯罪的研究、法規制研究はなされたが、社会経済的研究や医学的研究、心理学を含む被害救済の見地からの研究を欠いていた。

2.社会経済学的検討はカジノの経済効果からはあったものの、今日でいう弊害の研究はほとんどなかった。アメリカにおいてはラスベガスから東海岸に商業カジノが拡がり、競馬、宝くじ、ドッグレースなどの競技ギャンブル、それも扱うレーストラックカジノ、さらにインディアンカジノは拡散拡大の一方であった。その民営賭博事業は観光を含む収益本位であり、その事業は建設、投資経済、雇用拡大というも、負の経済は顧慮されなかった。そのためギャンブルに批判的な良識ある社会経済学からの批判が起こったが、その研究には何の支援もデータ提供もなく、不都合な真実は隠されたのだった。
 カジノ産業の拡がりによって1990年代後半よりギャンブル経済学の研究が一定進むが、その研究発表の場もその財源はカジノ産業に依存した。カジノ産業によって提供された研究には、研究者が意識する場合はもちろん意識しないまでもその判断・評価にバイアス(偏見)が発生した。

3.正しい研究にはこれらのバイアスを排除した資金提供、情報提供がなされなければならない。必要なのは、第一にギャンブル癖、ギャンブル依存、障害についての脳生理学までの研究、第二にギャンブルが発生拡大させる交通事故から大量飲酒、薬物使用、売買春との関係と社会政策、第三に地域環境、教育・文化環境被害と影響とその対策、第四にギャンブルに伴う犯罪や破局と被害の救済策、第五に導入による政府への税収効果(変化)と経済上の影響、第六に負の社会的経済的効果、コストの評価、第七に自己責任論と行動倫理、ギャンブルに伴う富の急変動がもたらす倫理の評価である。
 しかし、カジノ等賭博の効用、プラス効果への研究はあっても、負の効果については研究が進まなかった。カジノ賛成のためにカジノ資本や観光資本は資金を出すも、その負の影響はそれを小さく限局化できる方向でしか資料と研究費を提供しない。これに対し、負の被害を受ける側はその研究資金も資料も提供できない。
 第一に日本で最大のギャンブル依存症と負の影響をもたらしているのは、三店方式で脱法ギャンブルとなっているパチンコ・スロットである。年25兆円以上の売上、5兆円にも達する粗利益は2千万人以上という大衆市民から得ているが、そこで生まれる犯罪、自殺から様々な社会的悲劇は放置されている。
 第二は、闇バカラなど犯罪賭博がある。検挙されるのはその一部に過ぎず、組織犯罪そのもので実態は隠されている。
 第三は、公営競技である。その収益金は毎年発表されるも、それにより得られる地方公共団体の公益がどれだけ実現されたかは公表されない。ましてや市民から収奪する事業によって生まれた負の社会的効果・経済的効果は、定量的にはもとより定性的にも調査公表されていない。
 第四は、宝くじやtotoなどである。これらは依存性が低いといわれるものの、ギャンブルの参加・普及の先導者で、収益増を目的とした射倖性の増大と無差別な宣伝普及の害がある。
 そもそも犯罪として禁止する行為を経済的収益を目的に行うには、その負の影響が克服され償われて余りあることが証明されるべきである。しかし、負の影響を研究すればする程その事業の正当性が損なわれるので、負の調査研究は避けられ、調査研究の内容は低く評価されるよう誘導されている。
 今日の日本経済はカジノ経済、ギャンブル経済といわれる程、強者資本の収奪経済が濃い。カジノ産業の本質について負の一部は隠し、効果の一部は誇大にし、負の結果は客である消費者の自己責任として正当化することは許されない。

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事務局だより

1.宝くじ販売差止請求訴訟  10月14日控訴しました。継続してご報告していきます。

2.奈良県営競輪問題 奈良県知事宛に要望書を提出しました。
「要望書」 2015年10月14日
奈良県知事  荒 井 正 吾  様
                     
ギャンブル依存症を生む公認ギャンブルをなくす会
事務局  井 上 善 雄 (弁護士)

前略 
 報道及び貴県の奈良県営競輪あり方検討委員会の審議によると、平成24年度まで累積収支赤字を続けていた奈良競輪が平成25,26年度には改善がみられ、26年度導入の「包括外部委託」による費用節減効果もあり、今後の売上努力により27年度以降も単年度「黒字」も見込めることから競輪を継続する方針ということです。
 我が国では、第二次大戦直後の特別な経済事情と地方自治体収益の獲得を目的として各種公営事業が認められましたが、そのうち特に日本特有の競輪は、その本質は刑法上の賭博開帳、常習賭博に他ならないことから、私共は地方自治体の競輪継続に多大な疑問を持っています。
 全国各地の競輪に違わず奈良競輪においてもいわゆる客と売上の減少は明白で、その存続が危ぶまれるところであり、現に廃止した自治体も多くあります。
 競輪事業はただ黒字であれば(収益があれば)それでよいというものでなく、今日特に指摘されているギャンブル依存の防止、依存者への「治療」とケアが現在までに全くされていないことへの根本的反省及び再検討が必要です。
 貴県はこの点について「検討委員会」への諮問さえなく、この弊害防止対策を示したことはありません。貴県は競輪問題は黒字であればそれでよいという「収益第一主義」であり、県民や客への弊害やギャンブル依存は無視されてきたのでした。
 そもそも日本の憲法は、生存権、労働基本権、教育権を保障することによって、社会的弱者を保護し、他方、財産権、営業の自由などの経済活動を抑制して、国民の実質的平等を推進することを予定しています。ところが現実には、規制緩和により貧富の格差が年々拡大し、住民間の亀裂が増大しています。競輪による収入は、そのほとんどが貧困層からの収奪であり、その格差を更に拡大するものです。派遣労働、零細企業、季節労働などに従事している貧困層からさらに収奪することは、憲法の理念から見ても正当化されません。その対象が、ギャンブル依存症などの病人である場合は尚更です。その人々を保護すべき県が、その病状を悪化させることによって収益をあげることは、憲法を無視するものです。
 これでは、競輪を今後どうするのかという本来のあり方を真剣に検討したとはとても言えません。
 これまでの「検討委員会」での検討状況をみると車券売上向上にのみ注目し、新規顧客を狙ったガールズケイリンや観戦客のいないミッドナイト競輪、モーニング競輪、さらには電話投票、ネット販売、場外券売場など、売上すなわち賭博額本位の取組だけが強調され、努力目標にされています。そして、テレビ等で若者には露出度の多い女性タレントを起用し、高齢者には夢を追わせ「競輪人生を訴求」させようとしています。
 これでは競輪(自転車競技)は、自転車等の改良、輸出等、地方財政の「健全化」振興という昭和23年当時の目的から大きく逸脱する一方です。
 よって、私共は貴県に対し次の点を要望します。

1.競輪のギャンブル(賭博)としての本質を深く認識し、税収でなく、競輪開催(賭博開帳そのもの)により県民、客から収益を得るということが、公益団体である県として収入を得る正当な方法かどうかについて検討した上で、特に県の財源を他に求めるなど財政構造を見直し、縮小・廃止が検討されること。

2.県が、本来は刑法で禁じられるギャンブルを自転車競技法の下で例外的に行うとしても、その運営や宣伝普及は、県民の健全な文化・伝統・教育に反しないかを検討されること。
 特に、奈良は日本最初の政治共同体である「大和」が形成された土地であり、大和は日本の政治の原点です。その大和で、県が隠れ賭博である競輪に頼って県政を維持している事実は、県民からその矜持を失わせるに十分です。

3.県自体が公営賭博をしていることが、県民の賭博に対する規範意識を鈍化させ、脱法賭博のパチンコ・ス
ロット店というミニカジノの県下への拡大・展開を容認していることに繋がっていないか再検討されること。

4.県が競輪の胴元として全体客から仮に20~25%の収益を得られたとしても、一方でそれにより、県民の家庭が崩壊し、近隣・友人との絆が途絶え地域から孤立した人々によるやり場のない不満がどれだけ蓄積されているかを考える必要があります。特に、番号制が施行されると、配偶者の所得その他の所得も統合されて把握され課税の対象となるので、ギャンブル依存症の人々の財源に破滅的影響を及ぼすおそれがあります。そしてそれが、放火、無謀運転、家庭崩壊、自殺などとして顕在化するおそれもあることを考えておく必要があります。

5.厚生労働省の2014年委託調査により、ギャンブル依存(症)者は国民の男性8.7%、女性1.8%、平均4.8%で計536万人いると報じられているところ、これを是正する責務を有する県の健康・衛生施策のなかでその是正のための具体的対策を示されること。

6.既に県下では長年ギャンブル依存に苦しむ本人とその家族、さらにその治療や問題解決にあたっているNPOらが存在し、県としてそれらを支援するための具体的施策を示されること。

 これらの1~6の要望点は今や、国としても地方自治体としても無視・放置できないことであり、既に取組が始まっているところもあります。
 本要望書を県のあり方検討委員会に対して(同委員会への公聴(パブリックコメント)の機会はないとされましたが)、要望書の一つとして提供されるとともに、県当局、県知事として真摯な対応をお願いします。 
 以上、本要望書各点についてすみやかなる御回答をお願い申し上げます。
草々

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2015年10月02日

事務局だより

全国市民オンブズマン兵庫大会報告
9月5日~6日/神戸学院大学ポートアイランドキャンパスB号館


 昨年に続いてギャンブル・カジノ分科会(6日9:30~11:20)が依存症問題対策全国会議、全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会との共催の下もたれました。①ギャンブル依存症被害者本人、家族、相談支援団体(京都マック)の報告・訴え、②ギャンブルの罪悪等報告、③IR反対活動報告、④大谷大学 滝口直子教授の依存症防止対策の必要性とその内容報告等がなされ、様々な立場の参加によって時間が不足するほど充実した内容となりました。
 また、全体会にて「IRカジノに反対する決議」が採択されました。これは都道府県・政令市・中核市に郵送されました。


◇◇ IRカジノに反対する決議 ◇◇
1.2015年今国会に「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下、IRカジノ法案)が上程されている。そして安倍晋三総理を元最高顧問としたIR議連が提案したこの法案は、十分な審議もなく可決される危険性がある。

2.IRカジノ法案は、今後2年以内に政府に民営IRカジノの実施法をつくらせ、2020年の東京五輪に間に合わせようという法案で、カジノに伴う①ギャンブル依存症等の発生・拡大、②治安悪化、犯罪の発生、③マネーローンダリング、脱税、④教育・文化環境の悪化を招き、そして本来許されない賭博を営利業者に認めるという利権まで発生させ、法秩序の否定をもたらすものである。

3.政府や地方自治体は、現在でも刑法185~187条の例外となる特別法で公営競技を主催したり、富くじ(宝くじとサッカーくじ)を販売しており、10兆円の公営ギャンブルがある。また、パチンコ・スロットの「三店方式」による換金を事実上黙認する警察の監督下で日本では既に売上24兆円、12000店と世界最多の「ミニカジノ」が存在する。

4.これによる日本のギャンブル依存は厚生労働省の委託調査で536万人と推計されている。そして、既存ギャンブルの周辺で既に客の借金や生活破綻、自殺、さらに家族の財産喪失から子どもの熱中死までが発生している。そして、ギャンブルに投ずる金のために窃盗、強盗、横領の犯罪も絶えない。しかるに、この弊害を生む主催者・企業はその防止の責任を全く果たしていないし、政府や自治体も被害救済に動いていない。よって被害救済と防止こそ急務である。

5.IRカジノは、人の射倖心を利用して、人の富を効率的に収奪するものであり、金を賭けないゲームとも異なり、人の弱みを利用する大規模な組織的企業活動である。
 国内外のカジノ企業、IR議連(カジノ議連)、カジノを推進する経済団体、そして誘致活動を行う一部地方自治体の首長は観光振興などというが、その経済効果さえ疑問で、市民から娯楽の名の下に財産を収奪する事業を進めるものである。

6.これは憲法の定める日本国民の幸福追求権、生存権、生活基礎となる財産権を侵害するものである。IRカジノを国会が認めることは、これまで日本にない民間企業に刑法違反の賭博開帳を認めるもので、憲法上、最大の尊重を必要とする人権と公共の福祉に反するものであり、絶対に許されない。

以上、決議する。

2015年9月6日
第22回全国市民オンブズマン兵庫大会参加者一同




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ギャンブルNEWSピックup (2015.7.18~9.27)

2015. 7.18  ゲンダイ  USJ「美ら海カジノ」画策?
        マカオ新  マカオカジノ不振、前年売上比37.4%減、総ギャンブル売上1兆8989億円
7.19  読売   山形強殺事件、パチンコで借金
7.22  マカオ新  マカオ歳入の8割超カジノ税
    サンケイBiz  タイ、カジノ合法化法案
7.23  <高知うろこの会 カジノ法案について国会議員地元事務所に要請 (8.1も)>
7.26  <宮崎 カジノ反対学習会>
    日本カジノ情報  7.22翁長沖縄県知事、シンガポールIR施設視察
    マカオ新  マカオ経済相、カジノ売上予算未達で緊縮財政示唆
7.27  カジノ推進派 全国誘致協 7.25フォーラム開催と陳情
7.29  毎日   カジノ推進派 会期延長チャンスと
    時事ほか  議連、IR法案成立を  民主枝野氏「審議に入る状況ではない」
    日経   公明政調会長「IRの審議に応じられない」
    カIRジャパン  参院内ギャンブル依存対策超党派勉強会
    TV東京  政府与党、IR法断念
    カIRジャパン  韓国クルーズ船、外国人専用カジノ設置へ
7.31  <三重はなしょうぶの会 国会議員地元事務所にカジノ法案抗議声明、申し入れ>
    産経   橋ロスで大阪カジノ夢幻・・・
    カIRジャパン  米国2014カジノ市場66.4bnドル(約8兆円)
    産経   維新、カジノIR法案の早期審議入りを要請
     〃   松山刑務所看守部長、パチンコ店で通路に落ちていた財布を盗むなど
8.1  マカオ新   北朝鮮カジノのマカオ人従業員が謎の死、金銭トラブルか
8.4  サンケイBiz  マカオ、カジノ収入に底入れの兆し、中国本土市民の入境規制緩和が寄与
8.5  産経   片山元総務相、自治体はカジノ誘致「やめるべき」地域すさむ
8.6  <愛知かきつばた会 国会議員地元事務所にカジノ法案抗議声明、申し入れ>
8.7  時事   維新、IR議連勉強会でギャンブル依存症対策強化の法案検討
8.9  マカオ新  マカオ政府、カジノ内全面禁煙化から喫煙緩和へ カジノ売上減少対策
8.12  時事   自民、カジノ法案今国会断念、安保成立に全力
8.14  NHK  カジノ法案、今国会での成立困難な情勢
8.17  日経   比メルコ・クラウン(カジノリゾート大手)、観光客減で最終赤字
8.18  産経  「勝って返すつもりだった」…中学教諭が部費13万円をパチンコに
8.19  カIRジャパン  ギャンブル依存症対策推進超党派勉強会第1回開催 
8.20  産経   秋田パチンコ店全焼、常連38歳女放火
8.22  朝日   自民、カジノ法案今国会も断念、公明の反対根強く
8.25  毎日   兵庫県、パチンコや麻雀など「射幸」介護サービスを規制で条例改正へ
8.28  マカオ新  中国本土で相次ぐ知香銀行の摘発、マカオのカジノに影響も
8.31  フォーブス  香港カジノ王 業績低迷 中国の規制強化が原因
9.1  産経   自民特命委、選挙権踏まえ、公営競技・酒・たばこも18歳引き下げ方針
   ブルームバーグ  マカオのカジノ収入、8月は36%減 新リゾート開業でも需要喚起せず
9.2  日経   政府与党、カジノ法案等先送り 公明党の慎重姿勢崩れず
   TBS  埼玉県学校法人学園長、1000万円超を私的流用 遊園地やカジノに
9.4  産経   大阪府立高教諭懲戒免職 親睦旅行代112万円を着服しパチンコ等に
    カIRジャパン  米ニュージャージー州ニューアーク市、カジノIR誘致活動再開
9.5  神奈川  横浜商工会議所、横浜市長に対し要望 市長、IR誘致に前向き姿勢
9.6  <全国市民オンブズマン大会・兵庫 ギャンブルカジノ分科会、IRカジノ反対決議>
9.7  時事   自民、カジノ法案は秋の臨時国会以降の成立目指す
9.8  日経   ギャンブル依存症問題を考える会、法整備求め署名活動
9.9  WSJ  米政府、カジノ大手シーザーズ関連会社に罰金命令 マネロン対策に重篤欠陥
9.10  産経   岡山県警、パチンコ玉窃盗容疑で京都の男逮捕 磁石を使って不正
    マカオ新  マカオ9月カジノ売上 出足好調も月間では昨対3割減予測、下げ幅縮小
9.11  カIRジャパン  自民特命委、公営競技への18歳解禁を見送り、再検討
9.12  産経   彦根市立中学教諭、部費13万円パチンコに私的流用で懲戒免職
9.13  マカオ新  カジノ低迷長期化のマカオ、ディーラー職従事者数6年ぶりマイナス
9.14   〃   マカオ経済のカジノ依存「何十年も続く」=専門家予測
9.15  日経   カジノ法案、今国会の成立断念を確認 超党派議連
    産経   秋の臨時国会以降、カジノ法案成立目指す 超党派議連が確認
    日経   ブルームベリー・リゾーツ(フィリピンカジノ大手)、韓国済州島で開業
9.17  テレ朝  ネットカジノ店元経営者2人を“脱税”で在宅起訴 東京地検
    日本共産党横浜市議団、韓国カジノ問題調査視察報告会を開催 対策とっても防ぎきれないギャンブル依存症
9.18  新華   中国人の賭け金総額、2014年は約1000億ドルで世界2位
9.21  マカオ新  マカオ、オーバーステイ韓国人男が金槌で女性襲う=カジノで負けて金欲しさに
9.22  読売   カジノ解禁に向け、依存症対策の検討へ...与党
9.24  神戸   神戸市議会、「カジノ型」デイサービス規制の条例可決
9.26  東京  「ギャンブル依存」と規制 介護予防 効果は?
9.27  <略奪的ギャンブル・カジノに反対する国際行動デー 横浜集会・京橋街宣など>


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