2018年07月14日

なくそう!ギャンブル被害 会報第68号 2018/7/11

【目次】大阪夢洲万博の「買収」誘致/投稿:わかっちゃいるけどカジノ賭博で金儲け/パチンコ研究(14)安心パチンコ・パチスロリーフレット、「はじめてパチンコ」リーフレット/ギャンブルオンブズの眼⑥カジノ事業推進者のリスク評価の低さと不確実性/コラム:公営ギャンブルウォッチ、明治の漫画と博奕、電車内で馬券を買う、誰のための競馬、Campione<カジノ編>、万博カジノ 夢洲をめぐる思惑/パチンコ語カルタ(2)/いろはカルタ賭博考(8)/NEWSピックup /ギャンブルオンブズ4コマ漫画「どこへ消えた?!」 /事務局だより


大阪夢洲万博の「買収」誘致

 2018年6月13日、パリのBIE(博覧会国際事務局)総会で、2025年国際博覧会(万博)の開催地に立候補している日本(大阪)、ロシア(エカテリンブルグ)、アゼルバイジャン(バクー)が誘致のプレゼンテーションをした。開催地は今年11月23日のBIE総会にて、加盟国170カ国の投票で決まる。
 各国30分の持ち時間で、大阪は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、ノーベル医学賞の山中伸弥氏を起用し「大阪万博(1970)での興奮体験」を訴え、さらに世耕弘成経産相は「発展途上国を中心に約100ヶ国の政府に1ヶ国220万ドル(2億4200万円)を財産支援し、担当専門家を日本政府がサポートする」と約束した。この世耕大臣の約束は、日本が外国政府に1ヶ国2.4億円、100ヶ国で242億円を援助し、開催参加の経費と人的サポートをするというものだ。ズバリ万博の「買収誘致」である。
 現在、条約に定められる国際博覧会は「公衆の教育目的」を掲げる。夢洲万博はIRカジノの準備投資を含むが、賭博の反教育性からこれを隠してきた。今回、ノーベル賞学者を使って「いのち輝く場」と宣伝するが、これも政府のIPS細胞研究費投入を人質として「利用」した動員である。
 万博の理想からいえば、発展途上国を含む地球環境への貢献や教育こそ重要であり、日本(大阪)が目指した先進国の「長寿社会」や「長寿老人相手のカジノ」では絶対にない。
 山中氏は「命の神秘が世界を魅了」とアピールした。彼のIPS研究は、長寿社会の難病の克服技術に大金を使うことで活用されている。しかし、世界の数億人以上の人々への緊急給水や6億円人以上の子供らへの給食には役立たない。「公衆の教育目的」なら実質「カジノ万博」に2000億円以上を投入し、さらに「買収費」財政計画を示さず100ヶ国の政府に242億円をバラ撒くより、ユニセフやユネスコ、国連難民事務所に投入した方がふさわしい。実は万博は科学技術の美名に隠れた企業の収益拡大がその実態だ。そのため日本は、外国政府170の投票権のうち100ヶ国以上の政府を買収しようとしているのである。
 私たちは、夢洲万博は「カジノ万博」だと指摘してきた。そして今回、夢洲万博は金で票を買う「買収万博」であると言わざるを得ない。夢洲万博は「カジノ建設目的」であり、その誘致手段は金による「買収」である。
 BIE条約の在り方からいうと、その開催地の投票において小さな国の政府なら数十万円で得られる投票権の「買収」を持ち掛けるなど、不法な手段である。こんな手まで使う日本の夢洲万博は完全に失格である。

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投稿    わかっちゃいるけどカジノ賭博で金儲け  道野徳夫

 賭博を開帳して大衆の金を収奪することは悪業である。こんなことはわかっている。しかし、人の射幸心、遊び、興味本位の客を集めて収益が得られるなら、こんな楽な商売はない。そんな賭場、カジノから収益金を吸い上げられるなら、こんな楽な政府の収益確保はない。そんな事業を監督し天下り就職できるなら、こんな楽な利権はない。
 カジノの日本導入をめぐり、安倍晋三から参入希望海外カジノ事業者、役人までが本音で考えているのは、こんな利益・利権である。
 わかっちゃいるけどこんな恥部を厚い衣装と化粧で隠しているのがIRカジノである。
 わかっちゃいるけどやめられない・・・ギャンブル、酒、タバコ、薬物など依存はこれ。植木等のスーダラ節にもある。青島幸男の歌詞は大衆の眼でその本質を語っている。しかし、カジノ誘致首長、そしてカジノ企業や推進企業、御用学者、タレントらは、収奪金を拡大することの罪を「良心(あるとすれば)ではわかっているがやめられない」のだ。この我利我利亡者の群れは「赤信号 皆で渡れば怖くない(ビートたけし)」とばかりに賭博は犯罪という大海を漕ぐ。
カジノは家をあらわすカッシーノに由来するが、まず客の家を「火の車」にすることで成り立つ。客の総損失が事業者の総利益という、こんなわかりやすい理屈をわかりにくくするための「観光収益増」「カジノ事業関係者雇用需要」など煙幕を張る。この推進論は「泥棒の三分の理」だ。泥棒のおかげで防犯グッズが売れ、ガードマンや警察官の増員が進むというようなものだ。
国民が本当に幸福になるためにカジノや賭博開帳はいらない。市民は、金を賭けるルーレットやスロット、カードゲームがなくても、夢がなくなる訳でもない。生き甲斐がなくなる訳でもない。文化やスポーツは優劣に金を賭けなくてもできるし、それがないのが正しい。むしろ、金を賭けたり買収こそ人の夢を奪うものである。
「金儲け」という利己主義は、放っておくと個人も企業も人の命や存立基盤の財産さえ奪う。このことは有史以来の宗教、倫理、歴史が証明する。その「金儲け」の中で最も許されないのが他人の財産の強盗、窃盗、詐欺である。賭博は一見、同意の取引のように装うが、賭博開帳者と客の間には全く対等性がなく収奪手段でしかない。犯罪とわかっちゃいるけど賭博開帳を認めるのがIR実施法だ。 

パチンコ研究(14)    パチンコリーフレット

「安心パチンコ・パチスロ」
 「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」というパチンコ業者団体が、A4両面(三つ折り)のリーフレットを発行している。「パチンコ・パチスロ依存は、どなたにも起こり得る問題です。このリーフレットをご活用いただき楽しくご遊技下さい。」「悩みや不安がある方はリーフレットの中面をご覧いただきご活用ください。」とある。
 その中面とは「あなたの遊び方は適度ですか?」として、パチンコ・パチスロの依存を自己診断するチェック表で9項をチェックするものである。
 そのチェック表は過去12ヶ月以内に「望みどおり興奮を得たいためにもっと金額を増やしてパチンコ・パチスロをしたい欲求があった」から「パチンコ・パチスロによって引き起こされる絶望的な経済状況から逃れるために、他人にお金を出してくれるように頼んだ。」まである。この9項目のうち4~5項目該当は軽度ののめり込みの可能性あり、6~7項目該当は中等度ののめり込みの可能性あり、8~9項目該当は重度ののめり込みの可能性ありとする。
 そして、リカバリーサポート・ネットワークの電話相談(無料)の案内がある。この相談先は「21世紀会」出資による非営利法人である。そして「21世紀会」は全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)ほか、パチンコ関係の14の事業団体によって結成された団体である。
 このリーフレットはパチンコ業界が客に向かってパチンコ・パチスロで適度に遊ぶものとし、その依存は「誰にでも起こり得る問題」とは認めつつも、自己診断で自己申告するか、その家族申告のプログラムを活用するよう案内するものである。
 ギャンブル依存症320万人の大半どころか8~9割の原因となったギャンブルゲームはパチンコ・スロットとされる。しかし、パチンコ業界は絶対に自らをギャンブルとは言わず「パチンコ・パチスロ依存」というが、この診断基準は医学界のギャンブル依存の診断基準そのものである。パチンコ業界は、多くの人々を自らその病に落としても、その治療や回復の費用は自己責任で社会(政府)の負担とするところに決定的な無責任がある。

「はじめてパチンコ」 
 パチンコ業界は、「はじめてパチンコ ―パチンコのあそびかた編―」というリーフレットを配っている。初めてパチンコ・パチスロをする方への冊子というが「1000円から気軽に遊べる」「初心者でも楽しめる遊び」とし、初心者には「遊パチ」の台、「1円パチンコがおすすめ」とある。
 これは、客が減っているパチンコ店に「初心者」を呼び込もうとするものである。パチンコには「甘デジタイプ」「ミドルタイプ」「ハイスペックタイプ」があり、パチンコを気軽に始めて、ミドルタイプの中級者に進み、ギャンブル度の高い上級者向けのハイスペックタイプに進むよう誘っている。
 そして、冊子は入店からロッカー利用、台選び、玉貸機、その操作、パチンコ機の操作手順、打ち方、大当たりでの貯め方、コール、玉の計算、レシート、賞品交換まで14段階にもわたって写真入りで案内する。しかし、換金用の特殊賞品や店出入り口横の賞金を換金するところは違法になるため案内していない。
 この小冊子は、パチスロ機メーカー各社のゲーム機紹介パンフに並べて置いてあるが、客が減ってまさに生き残りをかけた1円パチンコへの誘惑である。このリーフレットの名が「はじめてのパチンコ」でなく「はじめてパチンコ」とあるのもその趣旨だろう。こんな冊子を配るパチンコ店は、少しは良心的なのかもしれないとも思えるが、「初心者漁り」はギャンブルとしても風俗営業としてもよくないことは明らかだ。

ギャンブルオンブズの眼⑥
カジノ事業推進者のリスク評価の低さと不確実性


政府・自治体が推進するIRカジノ事業を批判すると、推進者は、事業は収益をあげる見込みがあり、事業に伴うリスクは計算でき回避ないし最小限にすることまで計算し予定しているという。そして御用経済学者の一部まで事業にともなうリスクを予測計算してみせる。
しかし、その内容は彼らが予測できる項目と限度であって、事業者が収益を得る目的とその範囲内であるものが多い。ギャンブル依存症や治安については、現実に業者が補足しているトラブルの範囲で、且つそのコストが計算できるものに限られている。
 ギャンブル依存対策にしても客の相談窓口、治療体制、さらに進んでも客が求める行動での一般予防システムに過ぎない。すなわち、予想できるリスクのうち対応できるものになる。客の依存、障害そのものの損失やリスク回避費用は償わない。(逆にいえば事業が負担するリスク、コストとは考えない。)ギャンブル依存治療を事業者のかける保険対象とするには困難がある。ギャンブル依存やギャンブルのために発生する盗難、横領等の犯罪被害そのものは全くリスク・コストに含まれていない。せいぜいカジノでの相談コストレベルである。カジノにともなう脱税、マネロンなどのリスクは想定されても計算するどころか予防コストとして評価しない。
客のカジノ投入金が全て適正な稼働によるものとの証明を取っている国は世界中のどこにもない。そんなことをすればカジノが成立しないからだ。
 このように事業のリスクは、収益見込みの一部で考慮することはあり得るが、その負のリスクの全ては想定していない。その負の全リスクを監督是正させる行政当局の全コストを当該カジノに課したらカジノは出店営業できないし、しないだろう。政府としても税収のため出店確保が必要だからチェックしきれないのだ。現代日本の公営競技がリスク想定をせず、またリスクやコストを負担させていないことでわかる。
 事業のリスクは、このように慎重に且つ十分な視野をもてば、かなり想定できる。実は、ギャンブルオンブズを含めカジノ反対の論者や運動も、このリスクとコストを指摘してきた。
 そして、推進論者はカジノの導入に伴うリスクは予想できても、予防し償えないことを否定し得ないことがわかると、最近は新しい理屈をいうようになった。従来からあるリスクや負のコストの無視だけでなく、もし困ったことが起こったらその時は調査・分析し監視しますという「モニタリング理論」である。これは想定外のことはないと言っていた原発災害のリスクが現実に起こったために使われるようになったものだ。想定外のことはあるだろうが、その時はその時調査し対応しますという先送りの手法である。全く無責任な手法だが、先のことはよくわからないと開き直り、面の皮を厚くしてそれで押し切ろうというものである。現在の開発事業は、リスク最小限評価とモニタリング理論が横行しているのだ。
しかも、想定できることも想定外として先送りするモニタリングにさえ対応できないことがある。それが「不確実性」である。想定外のことが起こりうるというのは不確実性のことであるが、台風、地震、津波といった想定できることではあるが現実にはその規模が想定外というレベルのものや、実は世界情勢など想定できると思っていることでも例えば戦争や、インターネット社会での破局、仮想通貨の盗難のように不確実な事態は発生する。
もとより、経済危機など一定リスクも予期してなされているが、誰もこれは世界経済からして不確実とは考えていない。賭博は夢という欲望に支配されて、破局がいつ起こるかわからないというものだ。政府や自治体が、不動産投機よりももっと予想できないIR事業という危険な事業に公金を投入するなど、安全ネットのない曲芸のようなものである。

コラム        公営ギャンブルウォッチ

〇 5月は日本競馬会の大レースイベントが続く。皐月賞に続いて5月27日(日)、第85回日本ダービーは東京競馬場で開催された。このために全国でレースの宣伝がされ、大衆に馬券購入を勧める。関西ではウインズ梅田、ウインズ難波、ウインズ道頓堀、ウインズ京都、ウインズ神戸、阪神競馬場(西宮市)、パークウインズの6店で場外馬券を買ってと宣伝した。例えば、阪急百貨店梅田店前の1階広場では、柱という柱がダービーの広告ポスターで占拠され、5月下旬には実物大の馬像や20人近いキャンペーンガールが女性向けの「あぶら取り紙」入りのウインズ案内のチラシを配った。馬像には実際に乗れると案内していたし、回転板にボールを投げるゲームでは、1に当たれば賞品として過去のダービーで勝った馬のピンバッジ5点、その他参加賞も用意されていた。チラシにはこのチラシをもって京都競馬場(場外券売場もある)へ行くと抽選会に参加できるとある。
  近年、競馬に限らず公営競技は、場外券売場とインターネット(電話も)による券購入が売上の過半を占め、いつでも、どこでも、どれだけでもバクチをできるようにしている。チラシには東京に行かずともウインズ、テレビ、インターネットで「楽しめる」とある。その宣伝は、馬券を買えない未成年者の高校生でも馬像に乗せ、もちろんチラシは無限定であった。あぶら取り紙を配るのは若い女性客の勧誘のためである。
〇 ダービーは、芝2400mのコースを3歳馬18頭が出走、僅か2~3分で終わるレースだが、このダービーの売上だけで毎年数百億円が賭けられる。WIN5(同日の5レースの1位を当てる)や他のレースも含めると、この日だけでそれ以上の賭場開帳である。
  このような金をかけたテレビ・新聞を含むダービー宣伝は、売上の25~30%が必ず利益になるからである。
  さて、ダービーは福永祐一騎手騎乗のワグネリアンが優勝。ワグネリアンの父馬はディープインパクトだ。賞金2億円のほとんどは馬主金子真人ホールディングスに入り、騎手と友道調教師も配分を受ける。ディープインパクトは種馬として大金を稼いでいる。ワグネリアンは単勝5番人気で1250円だった。賭博度の高いWIN5では、珍しくその第1レースで2頭の1着同着が起こった関係で、1つは566票の的中で配当41万8600円、もう1つは116票の的中で配当203万8620円の払戻金となった。この日のダービーの売上は、前年より5%増の約263億円だった。
〇 ダービーと同日、尼崎競艇では第45回オールスター戦が開かれた。これまでに勝ち上がった6選手によるレースで、福井の中島選手が勝ち、賞金3500万円を獲得した。1分48秒1のレースで、競馬より安いが秒給にして32万円という計算になる。
配当は、連単(1,2着を順番通り)で880円の払戻金だったという。中央競馬のように人気ではないが、全国の場外券やインターネット投票は競馬に同じく用意されているので、3500万円の賞金を出せるのである。
全国の公営ギャンブルは、一部にはスポーツファンもいるも、今や賭け本位だけのゲームになっている。

明治の漫画と博奕
 明治以後、葛飾北斎の漫画に加え、西洋漫画の影響も受けて、明治漫画が生まれる。錦絵に加え、ジャパンパンチ(英 ワーブマン)新聞漫画である。そこには明治初期の風俗が描かれ、その風刺・批判は、政治、政治家、資本家にも及んでいる。
 その中で「滑稽新聞」明治39年9月20日号の「月界より見たる地球」は、月の兎が望遠鏡で「地球にいる人間は毎日悪い事ばかりしている」と呆れている。その地球の図の中に、犯罪(殺人、盗み、贈収賄、売買春)や宴会と共に花札博奕をしている図がある。
 明治時代は、月界にも人間がいるのではという見方もあって、月界から地球上の醜悪な姿が見えているというのである。
 滑稽新聞は、『賭博史』も出版した宮武外骨が1901(明治34)年に創刊した。宮武はその新聞出版で「官吏侮辱罪」「風俗壊乱」「不敬罪」その他の刑罰に処せられ、発禁処分を10回以上受けている。

電車内で馬券を買う

 2018年2月のウィークデー。K鉄道の車中で20代の青年が左手にスポーツ紙を持ち、競馬発走の予想欄を見ていた。若手の公営競技ファン(購入者)は年々減っており、沿線に公営競技場もない。公衆車内で堂々と競馬予想を見ている姿は珍しく、注目した。すると彼は、右手のスマホを次々と操作する。インターネットで馬券を購入しているようである。
 競馬、競輪、競艇におけるインターネットによる券購入は近年急増し、この売上が総売上の30%以上を占めているという。その姿の一部が目の前の青年の行動なのである。
 まさにスマホ・インターネット購入により、投票券は何時でも、何処でも、限りなく買えるのだ。かくて通勤用の電車内までが賭場になっているのである。
 インターネットとスマホによる馬券・車券・舟券は、「売上本位」のものである。スポーツないし観戦もない賭博そのものだ。インターネットによる公営競技はその取扱業者とスマホを所持する者が、自らギャンブル場を設営するといえる。病院でも学校でも宗教施設でもできる。

誰のための競馬
 地下鉄梅田駅コンコースの看板、「Z BAT!競馬 サンスポ」とある。これは競馬でズバッと当てるためにはサンスポ紙を買いましょうというものである。「PC、スマホもズバット」とあるから、サンスポの情報で馬券を買うように勧めている。
 競馬という公営ギャンブルは、国や地方自治体の収益事業である。客は射幸心を持った有料のファンであり、賭金のない競馬そのものを娯楽として提供するものではない。従って、第一に主催者の国・自治体のための競馬である。
 第二に、競馬事業によって騎手、馬主、調教師らや競馬場提供者が利益を受ける点で、競馬は関連業者のためのものである。その中にいわゆる会場内の予想屋もいるが、競馬の予想専門誌や情報紙などの出版はその一つである。競馬紙を読めば必ず得をするという訳でなく、客同士はゼロ・サムの関係であるから、ギャンブルの規模を大きくする下でメディア、情報屋として収益を得ているだけだ。
 競馬事業は周辺の地元の人に迷惑をかける。そのため反対の声もあり、事業者は付近の自治体などに金も配った。そしてこの対策費が競馬事業のコストの一部となっている。

Campione <カジノ編>
 カジノ「厳禁」のスイス南東ルガノ湖東岸に、カジノを最大産業としている場所がある。それはカンピオーネというイタリアの領地。1.7㎢のタックスヘイブンのリゾート地である。1917年に公営カジノが作られ、2400人の人口のうち約5分の1、500人がカジノで働いているという。ミラノの僧院領地の歴史のあるイタリアの飛地で唯一ともいえる産業のカジノに依らざるをえないのだろう。
(参考:『世界地図のおもしろい読み方』扶桑社文庫、「地球の歩き方」ダイヤモンド社)

万博カジノ 夢洲をめぐる思惑
 カジノIRと万博をめぐり、大阪府知事・大阪市長の「期待感」と関西財界の中でも大阪商工会議所の「慎重論」には大きな溝があった。
 関西経済同友会(三井住友銀行副会長)は昔からIR推進派であったが、関西経済連合会は2017年に万博誘致との連動を想定してIR容認になった。「IR事業者の出資金で万博のインフラ整備」という他人の金頼みの立場である。万博のインフラ建設への投資(地下鉄延伸等)には700億円以上が必要で、これは関西財界が負担を約束した400億円以上を加えた会場建設費1250億円と共に建設業界などが潤うとの目算である。
しかし、夢洲にIRカジノが生まれても大阪府、大阪市全体の経済が等しく底上げされる訳でない。むしろ、既存の観光事業や夢洲以外の企業などの利益が奪われる可能性が高い。IRカジノに参入するその事業者と関連業者の新規需要を含むが、外国観光客の集客による利益分配の一方、他の観光事業利益の収奪効果があるから、商工会議所の会員となる多くの中小企業者などは、利益より不利益がもたらされると心配するのである。そのため大阪商工会議所には慎重論が多かった。
そしてこれらの矛盾を「克服」し「欺く」ために万博誘致が最大限利用された。万博ができれば観光収入も増えるとのあいまいな経済期待感を展開し続けている。万博は半年の展示会中心の催事に過ぎず、その後撤去される。しかも、会場費のうち450億円は大阪経済界の誰が負担するのか、全く明らかにされていない。


パチンコ語カルタ (2)
 ギャンブル用語のカルタは、会報をはじめた翌年2013年1月1日発行の7号に掲載した「パチンコ語カルタ」が最初である。カルタはギャンブルの世界の言葉を理解するに有効な方法で、以来多用してきた。今回はパチンコ語の第2弾。

あ 甘釘台 探して朝一 並びます       は パチスロの見せ台 爆裂台
い イベントは 射幸煽ると 禁止され     ひ PCの変造 年に630億円
う 打ち止めから 裏ロム 裏ハーネス     ふ ブドウ状態 玉の積み重ね
え 遠隔操作は コンピューター        へ 別積みを 目立つところにさせる店
お オール1 設定すれば客が負け       ほ ホルコンが 出玉管理いたします
か 監視する ゴト師 壁役 打ち子まで    ま 万枚を集めて 換金20万
き 記事広告で ヤラセ宣伝          み 見せ台に 座る客は サクラです
く 釘師は 台からホルコン 調整に      む 武藤答弁「パチンコ金 北朝鮮へ何千億円」
け 激シブ釘に 出玉カット          め メーカーとホールであった 枕営業
こ コンピューター操作 店,シマ,台までも   も モンスターハウスは CR機
さ 三店方式で 換金ギャンブル        や 役モノで 客を台にしばりつけ
し 新台入替で 出玉管理サービス       い 1円以下パチンコ 低貸玉
す スタートチャッカーの上に 2本のヘソ釘  ゆ 優先入場券のために 朝並び
せ 設定は 生活安全課の指導下で       え 駅前パチンコ 1万店減
そ 騒音にも 依存させる効果         よ 4号機 最大払いは MAXで
た タイアップ機で タレントも儲ける     ら 濫発する 違反と規制の癒着
ち 貯玉カードで 再遊技           り リカバリーサポートは 日遊協の手配
つ 続けさせる AR機 CR機 爆裂機    る 累々依存者 320万人はパチスロ
て テラ銭は パチンコ店の運営費       れ 連発 連チャン パチスロ漬け
と 特殊景品で 金の交換所          ろ ロムにある パチンコストーリー
な なにわで始めた 三店方式         わ わからないように 台 シマ まで
に 似せ客 サクラで ボッタクリ       ゐ 1時間で2.4万円* なら 遊技です
ぬ 盗んだ金まで パチンコ依存        う 運より技術と思わせる玉設定
ね 年金* も ナマポ* ニート* も入り浸る    ゑ AKBのイロ、武論尊の暴力
の のめり込み 注意をするも 自己責任    を 老いた人向け? 0.2円パチンコ
                       ん んーと客減らした 出玉制限

*年金:年金生活者のこと            *1分100発×4円×60分=2.4万円
*ナマポ:生活保護受給者のこと         このレベルの提供ならギャンブルではないと
*ニート:親などすねかじり           パチンコ同友会(企業)が宣伝。

いろはカルタ賭博考(8)

き 「聞いて極楽 みて地獄」(江戸)、「義理と褌かかされぬ」(上方)
 他人から聞いた話と自ら見た実態は大違い。義理を欠いては生活できない譬(たと)え。
 宝くじは億円当たって極楽と聞いたが、何時間も並んで宝くじ10枚に1枚300円しか当たらない。「今日あって明日はなし」は昭和17年の句で人の命の儚さをいう。考えればギャンブルは今の損得で明日未来の人生は考えない。未来を考えるなら買う前に「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」になる。
 <競艇で稼げば人類皆兄弟?> <金銭を追う者は他人を見ず>

ゆ 「油断大敵」(江戸)、「幽霊の浜風」(上方)
 気のゆるみ、不注意は大失敗の原因。やつれきり元気のない状態とは、ギャンブルで生活費、給与を失った状態か。賭け事は注意しても失敗するもの、ならば油断大敵どころか、もっと危険で大きな敵。競技場や場外券売場には幽霊のような忘失者がいる。
 <愉快は勝ったときだけ> <夢は万馬券>

め 「目の上の瘤(こぶ)」(江戸)、「盲の垣覗き」(上方)
 目障りで邪魔なもの、博徒には警察と親、妻か。やってみたところで効果はないが覗き、実行してみて納得できる。「盲蛇に怖じず」は物おじしない者は無知な者、または知らないことがよいとの両義がある。盲は差別語だが、ギャンブル依存症は見えているに文盲ならぬ「判断盲」というべきか。
 <目でも判らぬ予想と欲> <冥途の賭支度>

み 「身から出た錆」(江戸)、「身は身で通る(裸ん坊)」(上方)
 自らの悪行で禍を招き苦しむ。バクチで金を失い、犯罪や破局、自殺まで。「身は身で通る」は人の身の程に応じて生きる、自分本位に暮らすものというが、虚無感と身分、貧富、教育の差を考えていない。博打打ちは生まれながらではない。育ち、教育の結果である。「水は方円の器に従う」は環境で人は変わる、「三つ子の魂百まで」は人は変わらないことをいうが、ギャンブルはその器(システム)に従うものだろう。
 <三つ子にバクチはいらぬ> <身を滅ぼす射幸心>

し 「知らぬが仏」(江戸)、「吝(しわ)ん坊の柿の種」(上方)
 事実、真相を知らなければ穏やかでいられること。吝ん坊(ケチな人)は値打ちのない柿の種まで惜しむこと。 だが、ギャンブルの詐欺的しくみや依存症の恐ろしさは知らぬが仏だ。「死して後やむ」は生命ある限り続ける趣旨。太平洋戦争中、「大波で傾き沈みゆく船中で奮闘中」というカルタがあるが、ギャンブル依存は死して後やむと言えば世の非難を受けるだろうか。
 <地獄万、天国一の確率> <幸せに賭けいらず> <自殺者出すカジノ>

ギャンブルNEWSピックup (2018.5.24~7.4)

2018.5.24  ニューズウィーク  深刻化する「ギャンブル依存症」問題に英政府さえ動いた
5.25  上毛  麻雀、パチンコ、カード…「カジノ」で認知症防げ 介護施設で県内初 富岡
5.31  NHK  カジノ「投資呼び込む」「公益性と相反」専門家が賛否の意見
6.1   朝日  カジノ法案、6日にも委員会採決の構え 野党反発
赤旗  カジノ法案 負の影響検討必要 衆院委 参考人に塩川氏質疑
6.2   赤旗  国民はカジノ認めぬ 米国が法案要求 塩川議員、首相に撤回迫る
    赤旗  民意聞き徹底審議を カジノ法案 4野党・1会派が会見
神奈川  カジノ、横浜誘致念頭に賛否 県内与野党3氏が論戦
6.3   産経  カジノ法案反対を表明 国民民主幹部
赤旗  カジノ法案 依存・多重債務に導く 塩川氏、事業者の金貸し批判 衆院内閣委
ブロゴス  世界最悪規制のカジノ依存症対策  田中紀子
6.4  北海道放送  苫小牧市にカジノ反対署名提出
赤旗  カジノ面積規制緩和 海外事業者が要求 塩川氏追及
上毛  ≪闘論≫カジノ法案 雇用や経済効果期待/ギャンブル依存懸念
6.5  朝日  カジノの客、日本人ばかり? 試算バラバラ、見えぬ効果  小寺陽一郎
    産経  カジノ先行で依存症表面化 韓国・江原ランドの蹉跌
    河北  <統合型リゾート>「採算取れぬ」宮城知事は否定的
    日本司法書士会連合会 「特定複合観光施設区域整備法案の廃案を求める会長声明」発表
6.6  NHK  野党、IR法案は審議不十分 採決認められず
赤旗  カジノ解禁 今国会成立狙う 安倍政権 異常な執着
  6.7  産経  IR法案、8日の委員会採決決まらず
      朝日  カジノ、審議大詰め 依存・刑法との整合性、乏しい議論
      時事  国民・泉氏、カジノ法案「賛成できぬ」=希望は自主投票
      日経BIZ  米カジノ大手「本業以外も日本進出」で賭ける
      野党5会派 カジノを含むIR整備法案審議に当たっての「再」要求事項提出
  6.8  MBS  IR法案の裁決延期 和歌山では現地説明会に49社が参加
赤旗  カジノ=賭博合法化は米カジノ資本の要求「徹底審議で廃案に追い込む」志位氏
6.9  朝日  カジノ監督「事業者からも」 国交相が可能性言及 実効性、疑念
赤旗  カジノ法案 規制機関が推進側に 塩川氏追及 金も人も事業者任せ
神奈川  IR整備法案、無所属・本村氏「中身示さず言語道断」
シンポジウム「ヨコハマにカジノはいらない」開催/横浜
  6.10  朝日  社説:カジノ法案 疑問の解消にほど遠い
東京  「IRで誘客は幻想」 横浜でシンポ 整備法案の問題指摘
      赤旗  根本問題噴出するカジノ実施法案 徹底審議し廃案に
  6.12  NHK  IR法案「賛成」16%、「反対」38% NHK世論調査
      時事  カジノ法案、13日採決=野党、委員長解任案で対抗
      カジノ反対協 カジノ実施法案の採決強行に反対する院内緊急集会開催、反対声明発表
  6.13  NHK  「カジノ」法案 今週中に衆院通過 今国会で成立 自公が確認
      赤旗  「カジノ」審議打ち切り 4野党1会派 厳しく抗議 衆院内閣委
      パリBIE総会で大阪万博の第三回プレゼン 世耕大臣240億円ばら撒きスピーチ
  6.14  赤旗  カジノ法案採決強行反対 5野党1会派が国対委員長会談 徹底審議要求で一致
      赤旗  カジノ法案 賭博貸金は公序良俗違反 議連と法務省(11年)違法性めぐり調整
      NHK  IR法案めぐり 衆院内閣委員長の解任決議案が否決
      NHK  IR法案 野党 国交相の不信任案提出 会期末控え与野党攻防続く
  6.15  <当会 会報第67号発行>
      朝日  カジノ法案の採決を強行 与党など、衆院内閣委で
      東京  カジノは誰のため?訪日客「私は行かない」7~8割が日本人客の試算
6.16  シンポジウム「カジノ万博で経済振興というファンタジー」開催/大阪阿倍野
    赤旗  カジノ実施法案 衆院審議で浮かび上がる消えぬ違法性 ゆるむ「規制」策
    赤旗  公序良俗違反のカジノ貸金 法務省が“お墨付き”議連への回答文書判明
6.17  赤旗  カジノ候補地 “計画いいかげん”大門・辰巳議員ら視察/大阪夢洲
  6.18  「6・18カジノあかん市民集会」開催/大阪豊中
      朝日  ゲーム依存は精神疾患 WHO
赤旗  市民「カジノいらない」北海道苫小牧 大門議員が講演
      JICL  カジノ解禁実施法案の問題点 吉田哲也弁護士
  6.19  朝日  カジノ実施法案、衆院を通過 国会会期延長へ
      日弁連  特定複合観光施設区域整備法案に改めて反対し、廃案を求める会長声明発表
  6.20  朝日  大阪・松井知事、IR事業者と接触時の職員の内視強化
      毎日  カジノ大手「大阪詣で」 法案衆院通過 投資額1兆円規模も
      毎日  カジノ法案331項目未定「国会軽視」 野党批判 審議経ず衆院通過
      東京弁護士会  特定複合観光施設区域整備法案に反対し、廃案を求める会長声明発表
  6.21  京都弁護士会  同
      時事  延長国会、カジノ突出を懸念=「生活重視」アピールに躍起―与党
      FNN  違法カジノ摘発の一部始終 従業員ら28人逮捕
      ローカルNN  北堀江に「カジノ学院」開校1年で生徒増加 主婦や60歳超の男性も/大阪
      神奈川  カジノ分析は法案成立後 林横浜市長、早期の誘致判断せず
  6.22  佐賀  カジノ法案、依存症対策を練り直せ
      ダイヤモンド  「生活保護でパチンコ」と日本版カジノはどちらが税金のムダ遣いか
      デイリー新潮  トランプ米朝会談に安倍総理の切り札は「カジノ法案」
      HTB  道議会で高橋知事 カジノ法案に言及 成立後スピード検討
  6.24  産経  カジノ法案NHK番組で討論 希望・行田氏「パチンコと正面から向き合うべき」
赤旗  主張 カジノ実施法案 無益で危険なたくらみやめよ
  6.26  赤旗  カジノに公益性なし巨額の利益海外事業者に 賭博の違法性拭えず 参院予算委
  6.28  毎日  カジノ依存どう防ぐ 無責任な「万全の対策」
      税理士.com  カジノ勝ち金めぐり、国税庁幹部が注目見解「一時所得として課税」
  6.30  時事  終盤国会、「カジノ」「定数6増」焦点に=野党、内閣不信任で揺さぶり
  7.1  デイリー新潮  カジノ法案成立を待つ「8候補地」本命と大穴は
      HBC  道内4カ所目に? 当別町がIR誘致検討
  7.2  日テレ  客にバカラさせる カジノ賭博店店長ら逮捕/横浜市
  7.3  JNN  ギャンブル依存対策、参院で議論開始
      立憲・希望「ギャンブル依存症対策基本法」案参院提出
  7.4  赤旗  参院内閣委 依存症対策法で参考人意見 山口美和子(いちょうの会)、樋口進久里浜センター院長、RCPG西村直之代表理事

◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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 会員内外から「大阪夢洲カジノやその準備の夢洲万博を止めさせる法的な手続きはないのか」「やるなら参加する」との声が寄せられています(現在大阪府内5名)。
本件の場合、大阪府・市への住民監査や住民訴訟の参加には、大阪府又は大阪市の住民・法人であることが要件となりますが、会員を問わずこの点ご意見をお寄せください。
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2018年06月23日

なくそう!ギャンブル被害 会報第67号 2018/6/15

【目次】IRカジノ法に反対!/パチンコ研究(13)低料金パチンコとパチンコ戦争/ギャンブルオンブズの眼⑤国家体制とカジノ/投稿:IRカジノ具体化の動きとギャンブル依存等のハイリスク/アラカルト「目八者どもてんなり賭ける―賭博場」/コラム:ギャンブル場とギャンブル依存症者の関係、カジノ事業者によるギャンブル依存症対策―責任あるゲーミングに関する方針・プログラム・実践、博徒の数符牒、カジノ狂騒人・団体鑑/書籍紹介/いろはカルタ賭博考(7)/NEWSピックup /ギャンブルオンブズ4コマ漫画「夢は夢」

IRカジノ法に反対!
―何も審議しない、審議できていない―

 4月27日、IR法が国会(衆院)に提出され、内閣委員会で審議されている。自、公、維の推進派は今国会中の成立を目指す。世論の6~7割が反対する中、野党の慎重審議、中央・地方の公聴会、参与人質疑、カジノの負の資料提出要求を無視している。6月7日採決の考えだったが、6月10日の新潟知事選への悪影響を考えて見送り、近く衆院採決を強行しそう。その後は参院審議となる。
 カジノの悪影響は、①ギャンブル依存、②教育への悪影響、③マネーローンダリング、④脱税、⑤暴力団排除、⑥客を破綻させるなど沢山ある。安倍総理は「世界最高水準」と嘘を言い、石井IR相は政府IR会議で「経済効果は民間機関の希望的仮定値」と言い、「弊害にはその対応策」と言うが低レベルな答弁だ。
 安倍内閣のIR導入は、海外カジノ事業者の要求に合わせた民間賭博合法化でしかない。さらに法案の当初に掲げられた内容もあやしい。
①当初はマイナンバー提示を条件としていたが、結局他の身分証で可とする(外国人はパスポート)
②7日に3回、28日に10回の“入り浸り”、1日入場料6000円で24時間営業で賭けさせる
③賭金の限界なし、業者が客に金を貸す「特定資金貸付」で結局は客を絞りつくす
④カジノ面積をIR施設全体の3%以内とする推進会議制限案さえ撤廃している
これでは、世界最高のカジノ客の収奪IRを可能にするものである。
 こんな法案を、6月20日予定の会期終了日を延長してでも成立させようというのである。
 ところで、このIR実施法案は、成立をめぐる各党の争いについては報じられるも、政府からIR法本文251条と331項に及ぶ政省令委任について詳しく説明されていない。政府与党は、難しい問題は先延ばしにして多数決で政府案を通し、国民世論など選挙への影響ほどにしか考えていないのだ。
 IRカジノ法に断固反対する! 
パチンコ研究(13)  
低料金パチンコとパチンコ戦争


 大阪千日前に最近、1円パチンコが出現したと思ったら、すぐに0.25円パチンコや0.2円パチンコが生まれた。ジャンボ千日前店の店頭には、全1096台のうち「日本最大801台低料金パチンコ専門店」という大看板が目を引く。4円のパチンコが一般的だが、ここでは半額2円パチンコが282台、その半額の半額1円パチンコが397台、そして地域最安値という0.2円パチンコが122台だという。パチンコは今は自動で1分間に100発しか打ち出せない規制だから、0.2円パチンコだと打ち玉すべてアウトでも1分で20円、10分で200円、1時間で1200円分の計算だ。トイレも行かず5時間続ければ、すべてアウトで6000円を失う可能性はある。しかし、例えば1000発(200円分)を打って1つも入らないようでは客はパチンコを止めるだろう。1時間打ち続けて1つも入らないのにそのままパチンコ台に座り続ける人がいたらお目にかかりたい。
 予算1000円を持ち、100発(20円)のうち5回でも当たった場合、たとえ1回10個として50個の当たり玉が出るとすれば、完全に負けるには1500円分、7500発の玉を75分かけて打つことになる。結局、店にとっては、客に1時間15分打ち続けさせて、1000円の荒売上を得たということだ。しかし、1台のパチンコ台に75分間客に座ってもらって、その間の高い機台、電気代、人件費等を賄えるのかと余計な詮索をしたくもなる。
 パチンコ店は1台あたり1日2万円の売上(貸玉)がないと採算が合わないと聞く。しかし、現在パチンコ店は満席はおろか半数も客が入ればよいところだろう。仮に1000台の店で500台が1日2万円を売り上げるとすれば1000万円の貸玉だが、勝つ客への賞品コストもあり、それが全て粗収入にはならない。粗収入が1日1000万円、年36.5億円なら1000台のパチンコ店はかなり収益の良い店だが、0.2円の低料金パチンコ店では1000台あっても1000万円の貸玉は困難だろう。何故なら計算上全台近くを5万発以上打ち続けさせて平均1万円の貸玉にするには、8時間以上も客を稼働させなければならないからである。
 客側にとっても、低料金パチンコは、仮に長時間かけて1万個の勝玉を得たとしても、1円パチンコで1万円分、0.2円パチンコで2000円分の賞品にしかならない。結局、低料金パチンコは、低収入者、高齢者、ゲームをし続けたいというパチンコ依存者のためのものであろう。金を儲けたいと考える依存度の高いパチンコギャンブラーは、むしろ4円パチンコに没頭する。
 ズバリ、低料金パチンコは、警察・公安当局の締め付けに「今は冬の時代」と従いつつ客を確保したい店、競争に負けて客を取り戻したい店、既に多大な投資をした施設に形だけでもパチンコ客を止めおきたい店の苦肉の策だろう。
パチンコ店はかつての2000万人から800万人まで減少している。人口層の縮小している若者らは、パチンコよりインターネットゲームに流れている。
 パチンコ店業界は大型店舗化が激しく、大規模店が中小店を駆逐している。そのためかつて18000あったパチンコ店数は、近く1万を切るという。郊外の大規模パチンコ店が主流となり、昔のように駅前パチンコ、商店街パチンコが居並ぶ様は少なくなってきている。大阪なんば千日前のようなパチンコ店が密集する場所も残るが、これらのパチンコ各店も500~1000台の大店舗を構え、客を奪い合う状況となっている。それが千日前パチンコ戦争だ。 

ギャンブルオンブズの眼⑤
国家体制とカジノ


〇 自由主義経済国家と社会主義経済国家の2大対立は今日もあるが、事実上、前者の国家が圧倒している。後者も自由経済を取り入れている部分が多く、社会主義というも自由主義国の福祉政策レベル以下のところが多い。建前としての自由主義、社会主義は、その内実を問わず評価しても意味が低いのである。
  自由経済を是とする立場にも2つある。第1は、人の経済活動は全く自由にし、国家は人や企業活動には最小限の関与であるべきというものである。それでも経済活動の安全のために警察等やそれを支える政府の財政は必要で、税も最小限必要ということになる。そして、今や完全な自由主義国家はない。むしろ、一方の権力~王・貴族、金持ち、軍人、官僚の特権企業の自由と大衆、貧者、市民の実質的な自由がないことが、自由主義本位の国家での現状としてよく見られる。
  第2は、自由経済というも(1)経済活動、(2)雇用・労働条件、(3)商品取引、(4)環境、(5)情報・教育、(6)市民の安全、(7)生活福祉に最大限介入する政府を持つ国である。そして20世紀後半は、社会福祉国家を目指している。しかし、政府の介入とそのコストを誰がどう負担するかで大きな分岐点に立つ国が多い。
  このような様々な国家体制、経済政策の下も経済活動の変化に対し国家の介入が必要とされ実施されている。
  日本では1990年以降の度重なる自然災害の下でも、19世紀までや20世紀の第2次大戦後の国家レベルの困窮状態はない。憲法でいう国の国民への最低限度の生存権保障義務もあって救済は可能である。
〇 しかし、物的な豊かさは精神的な富への欲求を増幅させることはあっても、必ずしも満足させない。食べ物への欲求を持つ動物は、射幸心を最大限に発揮し「豊かさ」の中でも楽をしてより多くの欲望を充足させようとするのである。
  この射幸心への対策をとらず全く自由にさせている国家はない。取引の安全・公正のため、少ない介入で収益を得る英国のような国もあるが、ほとんどの国は政府の賭博以外を禁止し、賭博からは多大な税収を得ようとしているのである。そして、その公認賭博は、通常の産業が困難であったり未発達の地域において限定された人々にのみ国家的関与の下での特定観光産業として認められている。欧州のカジノはその例である。また、植民地支配の差別の歴史を持つ国において、観光事業の一つとして厳しい政府統制の下に認められている。アジアのカジノはその例である。アメリカの州政府許可のカジノも他の産業が生まれにくい地域での例外的なものである。
〇 世界的に何百万人もの市民が住み、本来の産業が多くあり、観光産業に限ってもより優越したものがある大阪や横浜のような大都市で、自国民を対象とするカジノをつくる国家はない。

投稿 IRカジノ具体化の動きとギャンブル依存等のハイリスク
T.N生 
1.日本カジノ法の規制案について
政府与党のカジノ実施法では、外国人客のカジノ参加は無制限とするも、国内人へのギャンブル依存症対策から次の規制を考えているようだ。
①日本人と国内に居住する外国人は、週3回、4週10回の入場制限を設ける。
②日本人にマイナンバーの提示を求める。(上記1の確認のため)
③IRにおけるカジノ施設1.5万㎡(3%未満)
  これは、IR実施法の導入に伴うギャンブル依存症対策の方法として、有識者会議がまとめた素案をもとに政府がまとめた法案という。
  しかし、これは安倍総理のいうような世界最高水準どころか、最低水準である。
   ①この回数制限は、依存に伴う回数制限の規制に値しない。1回毎の賭け金規制がなく、週ないし月の総合額規制もない。日本人にせよ外国人にせよ一時の娯楽の範囲というなら賭け金総額は収入所得の2%以下でないと、本人や家族、そして社会に迷惑をかけることになる。これはアメリカやカナダの研究で判明している。
   ②日本人に対しマイナンバー提示と登録を条件とするとあるが、実はそれ以外の証明でもよいという抜け道が予定されている。マイナンバーを示して且つ所得、少なくともカジノでの収支を捕捉されることを客は嫌がるだろうし、カジノ業者も客足が減るとして反対する。本来、マネーローンダリングや脱税防止のためには、1回毎の源泉徴収の有無のチェックも必要だから、国税局からしてもカジノでマイナンバーを記録しておく必要はあろうが、そこまでのチェックシステムは導入されない。
   ③施設面積は、近時カジノがルーレットやバカラ等より、大衆向けのスロットマシーンの台数を多く置くことで稼ぐから重視するのである。
2.カジノの社会的費用、負のコスト、悪影響は、ギャンブル依存だけではないが、依存者としての問題ギャンブラー(ヘビー客)に限らず、低いリスク、中程度リスクのギャンブラーも社会的コストが高い。数も多いし実際に社会問題を引き起こしている。犯罪によるマネーは、ヘビー客ではなく中程度のギャンブラーに多い。カジノでは容易に問題ギャンブラーになるのである。

*********************************************
◇◇アラカルト◇◇ 
「目八者どもてんなり賭ける―賭博場」
 これは、長崎あづま著『漢字川柳』(2017.12 論創社)という漢字の意味や書き方、覚え方を川柳にした本の「賭」の句である。
 目と八で貝、者という字に点を付ける、貝=金を賭ける連中に賭けの結果の点(配当)をつけるのは賭博場という訳だろう。
 中国語で「博弈」とは囲碁などゲームを意味し、博奕につながる。長崎氏は、博奕の「博」の字は学者・博の意味に解しているが、「弈」ならどういう川柳になるかと考えてみた。 
いご、ばくち 両手重ねて打ち続け
「廾」は両手のこと。ゲームやバクチを打ち続けるという字です。

コラム      ギャンブル場とギャンブル依存症者の関係 
 パチンコ店に集まる人にギャンブル依存が多い。この常識に加えて、自宅からパチンコ店までの距離がパチンコ依存に比例するという調査結果が発表された。2014年、慶応大学大学院経営管理研究所の後藤励準教授らによる調査結果で、日本成人の性別を調整して1500人を選び、インターネットで調査したという。依存症とギャンブル施設の距離調査は日本では初めてという。後藤准教授は調査の結果、低所得者ではより比例度が高くなるとし、他のギャンブル施設でも同様という。
 調査によると、男性は自宅から3km以内にパチンコ店が1店増えると、依存症の疑いのある者が1.9%増え、1.5km以内なら3%増えるという。カジノも同じ危険があるという。(2018.2.28毎日紙)
 夢洲IRカジノの場合、3km以内にはマンションや学校が並ぶ住之江区南港地区があり、この点だけでも望ましくない。全国のカジノ誘致を目指すところも同様で、近くに住宅地や繁華街がある。
 そして、公営ギャンブルは場外券売場を市民の居住する全国地方にも展開する。これはギャンブル施設と住民の間の距離感をなくすためだ。カーパチンコ、駅前パチンコはアクセスをよくして客を呼ぶためである。
 ギャンブル場は鉄道、バス、マイカーから自転車まで、賭場と住民の距離感をなくすことが設置動機条件となっている。外国からも客を呼ぼうとする夢洲カジノでは、もちろん日本国内の遠方客も呼ぶための空港、鉄道、専用バスなどが準備されている。そのお膳立てに自治体も尽力しているのだ。

カジノ事業者によるギャンブル依存症対策
責任あるゲーミングに関する方針・プログラム・実践
1.ラスベガスのシーザーズ・エンターテインメント(CE)は、自らを「責任あるゲーミング」(Responsible Gaming(RG))を業界内に広め牽引してきたリーディングカンパニーだと自賛する。「責任をもってギャンブルを楽しめない方は、私たちのカジノはもちろん他のどのカジノにもお越しいただくべきではない」「まず情報も提供し、一人ひとりが理論的かつ賢い判断を下せるようにします」「責任あるゲーミングは政府、監督当局、業界、関係するコミュニティグループ、個人、その他の人々全員が実現しなければならない共通の責任」という。(同社パンフレット)
  このパンフは、RGを原則とし接客し、従業員教育、責任あるゲーミングをしていない状況は問題事案という。だが、そのプログラムとは、自主的なカジノ制限、自己排除を含み、その責任あるゲーミングのためリーフレットを配布して注意喚起をするレベルである。
  CEは、各自の行動は自己責任としつつ、業者が責任あるゲーミングをしていると見なせない客にはカジノから退場していただく権利があるというのである。
2.RGの実現には、客のしっかりとした知識と決定がいる。CEは娯楽としてのギャンブリングとは、カジノゲームの仕組み、勝率、ハウスアドバンテージの仕組みを知り、「オッズは超えられる」との考えは幻想であること、限度を決め、やめ時を知るべきという。問題であるギャンブリング(Problem Gambling(PG))の可能性を示すサインやPGに陥った場合の相談先について、ポスター、パンフ、ステッカーなどで掲示するという。これらギャンブルの印刷物には「始める前にやめどきを知ろう」のスローガンと無料ヘルプラインの電話番号が記載されている。
  CEは自らをRG普及の広告を米国で初めてした企業という。RGをダイレクト・アドバタイジングとして、CEO自身がギャンブリングをすべきでない状況を述べ、そして経営者としてRG推進の決意をいう。カジノでは大人向けに「地域の礼儀マナーを尊重する」「過度・無責任なギャンブル、違法なギャンブルを許容しない」「カジノでのギャンブルが労働、家族サービス、それに変わりうると示さない」「経済的成功、社会的成功、個人問題の解決にカジノのギャンブルが必要と示さない」・・・というのである。そして、「カジノは法定年齢以上の者のみに宣伝し、法定年齢に達しない読者・視聴者が30%を超えている雑誌・テレビ・ラジオでの宣伝はしない」「従業員RGのトレーニングをする」としている。
  また、「カジノでの自己制限と自己排除へのオプションを提供する」とするその具体的オプションとは、宣伝のメーリングリストから外したり、小切手の現金化、カジノでの信用取引の制限であり、自己排除希望客へのプレイ禁止である。
3.このようにカジノ業者CEのRGは、結局問題ギャンブラーの自己制限のサポートと過度の宣伝・広告の自制である。
  CEによれば、他のカジノより先導的と自負しており、深刻なギャンブル依存は結局、カジノ事業に危機をもたらすと考えての取組みだという。たしかに、現在の無責任ギャンブル事業を展開する他のカジノに比べるとマシであるようにみえる。
  CEは東京に日本事務所を開いて、こんなパンフを配っている。だが、夢洲カジノの宣伝のため開かれたIRショーケースでは、キャンペーンガールがビジターに飲み物やキャンディーを配るという宣伝活動を行い、こんなパンフを読んでいる人はいなかった。
4.パンフを読むと、まず第一にカジノありきである。その上でギャンブル依存は予防・啓発すれば責任あるギャンブルにできるという。第二に、責任あるギャンブルについてカジノ側にも宣伝や広告、受け入れ態勢に責任があるが、結局は客自身の自己制限が対策とされる。第三に、依存症患者に対し支援強化をすればよいという論理に貫かれている。依存症を発生させないという約束はない。
  リーディングカンパニーのCEにしてこのレベルである。サンズ、MGMらの他のカジノ業者のブースには何のパンフもなかった。ギャンブル依存は客と政府の基本的責任にあると考えているのであろう。

博徒の数符牒
花札の「おいちょかぶ」では0~9の数字を次のように呼ぶ。
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8を「おいちょ(追丁)」というのは、一つ(丁)を追い加えると9(カブ)になるからという説と、ポルトガル語の8の発音「オイト」由来説とがある。「カブ」はの由来は不明。
さらに「ブタ」とは最も強いカブから弱い0になったものをいうが、この由来もよくわからない。

カジノ狂騒人・団体鑑

国会議員・安倍内閣 (カジノ議連206名、元最高顧問:安倍晋三)
細田博之会長(自民党) 「IR法案は次の国会にて必ず・・・」
岩屋毅幹事長(自民党) 安保調査会長「守備範囲はルーレットからミサイルまで」と自慢
萩生田光一事務局長(自民党) 安倍総裁特別補佐「文教族、靖国~カジノまで」と自慢
石井啓一IR担当相「7日に3回」「客に金も貸す…」
森重俊也内閣府IR推進本部事務局長、中川真同事務局次長
首 長
大阪府知事・松井一郎、大阪市長・吉村洋文、横浜市長・林文子、和歌山県知事・仁坂吉伸、
愛知県常滑市長・片岡憲彦、長崎県知事・中村法道、長崎県佐世保市長・朝長則男、北海道知事・高橋はるみ、北海道苫小牧市長・岩倉博文、釧路市長・蝦名大也、留寿都村長・場谷常八
カジノ企業・経済団体
ラスベガス・サンズ(シェルドン・アデルソン会長、マイク・レバン社長)
「制限なきIR」「日本カジノに10億ドル(1兆円)投資準備がある」
マリーナ・ベイサンズ(ジョージ・タナシジェビッチ)シンガポール
MGMリゾーツ・インターナショナル(ジェームス・ムーレン代表) 「日本に最大1兆円投資」
ウィン・リゾーツ(スティーブ・ウィン会長) ラスベガス・ウィン・マカオ
シーザーズ・エンターテイメント(J.J.ブラックハースト元ラスベガス市長)「RGの先頭」を歩むと自負
ギャラクシー・エンターテイメント(ルイ・チェ・ウー会長)
スペクトラム・ゲーミング(フレッド・グシン社長)
メルコ・クラウン・エンターテインメント(ローレンス・ホー) クラウンマカオ
          東京芸大へ10億円 沖縄・横浜にアプローチ
セガ・サミー(パチンコメーカー 里見治会長)シーガイア買収、韓国カジノ会社と合弁 パラダイスシティ
マルハン(パチスロ 韓昌祐会長)    マカオサクセスユニバース出資
ダイナムJH(パチスロ 佐藤公平)   香港上場
HIS(澤田秀雄社長)         ハウステンボスにカジノ誘致、カジノクルーズ
ユニバーサルエンタテイメント(岡田和生) ウインリゾーツ出資、フィリピン進出 オカダマニラ
日本カジノ学院(贄田崇矢)       カジノに向けて人材・ディーラー育成
日本カジノスクール(大岩根成悦校長)
和田忠久(カンボジアカジノ社長)
北本聖(ベトナムカジノ社長)
関西経済同友会(黒田章裕会長)     夢洲IRを核に観光効果1.47兆円
経団連(榊原定征(東レ)→中西宏明(日立))
推進コンサル媒体、「推進学者」
岡部智(電通IR・観光プロジェクト部長)
丹治幹雄(ゲーミング・キャピタル・マネージメント最高顧問、元石原都政新銀行執行役員)
美原 融(アミューズメント産業研究所長、三井物産戦略研究所フェロー)
谷岡一郎(大阪商大学長、IR・ゲーミング学会会長)
藤本光太郎(大商大研究員)
杉山 賢(ゴールドマン・サックス証券アナリスト)
アラン・フェルドマン(米責任ギャンブル国民センター所長)
宮本勝浩(関西大、りんくう国際観光振興協議会会長)
溝畑 宏(京大教授、元観光庁長官)
北谷賢司(金沢工大教授、カジノ産業研究エンターテイメント学会)

書籍紹介
これまでにパチンコ関係でその批判的な出版物は紹介してきたが、パチンコ関係団体の出版物は、必ずしも市販されないこともあり入手・紹介が遅れていた。一部、コラム等の記事の中で触れたことのあるものも含まれるが、今回改めて書籍紹介する。

1.『全遊連25年史』『全遊協20年史(全遊連35年史)』
全国遊技業協同組合連合会(1977、1986)
現在、パチンコホール店の全国協同組合連合会組織として全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)があるが、その前身は1951年発足の全国遊技業組合連合会(全遊連)に始まり、その後1966年には全国遊技業協同組合連合会(全遊協)となり、さらに1989年全日本遊技業組合連合会を経て、1992年に現在の全日遊連となった。これはそのうちの全遊協発足20年、前身全遊連を含めて25年の際にまとめられた年史である。
遊技業は、戦争中には全面禁止されていたが、終戦後復活した。1948年7月に風俗営業法が制定され、公営委員会の許可の下に既存のパチンコ店も出発。1951年6月、警視庁管内の遊技場は1400店余にのぼり、以来、各地で遊技場業者の組合が生まれる。1951年7月5日、全国の組合が任意組合「全遊連」を創立。
1952年、連発機が登場し拡大するも、1954年11月連発機禁止令(12月実施)となり、1955年単発機の基準が通達。連発機の禁止により客離れが起こり、転業廃業が増えた。新方針が打ち出される1961年6月には、全遊連は遊技場9360店、機械台数77万8960台の規模となっていた。
1966年1月、「全遊協」設立、11月通産省認可の協同組合となる(初代理事長 水島年得氏)。この年、全遊連からの運動で1960年考案のチューリップを含む機械が緩和され、全国に普及した。両史の内容としては、ほとんどが全国支部役員らの紹介にあてられているも、良くも悪くもパチンコ業界の実態を教えてくれる。1951(昭和26)年~1986(昭和61)年までの年表は、さまよえる業界の様を一定読み取ることができる。
また、業界25年の座談会や遊技場の今昔や遊技機の変遷をまとめたものもある。1銭パチンコは1兆円産業(当時)へと遊技場の発展が語られている。
パチンコに肯定的な有名人による「私とパチンコ」では、パチンコマニアと自称する吉行淳之介や開高健、安西篤子、別役実、扇谷正造、竹内宏、多田道太郎、中村武志、十返千鶴子らのパチンコ所管が綴られ、パチンコの弊を語らず(知らず?)のものである。
パチンコにまつわる映画や書籍の紹介もあり、映画「竹の家一東京暗黒街」「チンジャラ物語」、書籍「パチンコ必勝法」「パチンコ教室」などがある。社会批判どころかパチンコの裏側を紹介するものはない。25年史は全体で788頁、そのうち349~789頁まで440頁は、全遊協(連)の役員、組織、活動の紹介である。35年史はその続版である。

2.『パチンコ産業経営白書2002』 日本遊技産業経営者同友会
(経林書房 2002.5発行 2500円)
  パチンコ業者らが同友会を結成し、ホールの経営問題を調査検討する経営白書。1997年から2002年まで毎年、全6冊が発行されている。パチンコ産業の成長を目指すための経営白書、2003年以降は発行されていない。内容はパチンコ産業本位のものである。同業者のアンケート協力を得ており、データは参考になる。
  このうち入手した2002年版は、第1部:ホール経営者へのアンケート調査、第2部:2001年研究会レポートとして①景品取扱業務、②消費者利益への考察と産業化、③風適法23条と順法営業、④福祉施設団体の寄与、そして貯玉・景品システム研究会や同友会役員を掲載している。

3.『パチンコ30兆円産業白書1997』 室伏哲郎 
(アリアドネ企画 1996.12発行 2400円)
  室伏氏は、ノンフィクションや汚職告発など社会批判の著書を多数出版している。本書はパチンコ疑惑を含めて追及するもの。
氏は、パチンコを健全娯楽として位置付けるべく「パチーノ」という新語を提唱してパチンコ学会を立ち上げたが、その後2009年78歳で亡くなった。パチンコファンを自称し、30兆円産業とした警察行政への批判の一方で、ギャンブルを文化と称し、パチンコの違法状態を認め、ギャンブルを正面から適法化させようとしていた氏らしい。
業界を詳しく分析した白書である。資料としても全国のパチンコ店の協力を得た統計、パチンコ好きな有名人、攻略本、業界紙、パチンコ関係有益文献の一覧もある。こうしたレベルの白書も、室伏氏と共に絶えて久しい。

4.『パチンコ百年史』 山田清一外編 
((株)アドーサークル 2002.8発行 1500円)
  「ヨーロッパに生まれ日本に育った」という副題にあるように、多数の写真、年表を付け、A4拡大版179頁でとにかく写真で見せる出版物である。
  特に戦後のパチンコ業者と警察の斗いの歴史ともいえる姿は紆余変遷し、遊技業界が違法であろうと実力で商売を拡げ、警察がそれを後追いし、時には先にリードさえする姿を示す。業界と警察が妥協(癒着)の限りを尽くすものであったことがわかる。

いろはカルタ賭博考(7)

こ 「子は三界の首枷」(江戸)、「これにこりよ道才坊」(上方)
 子を想う気持ちで欲界、色界、無色界(三界)の人は輪廻転生を束縛される。見せしめに懲りて二度とするな!道才坊とは語呂合わせである。ギャンブルなど二度とするな博才坊。「子は宝」「子供正直」「子を持って知る親の恩」など子のつく句は多い。
 <転ばぬ先の消費者教育> <孝行を教える国の不孝くじ>

え 「得手に帆を揚ぐ」(江戸)、「縁の下の下持ち」(上方)
 機会を逃さず利用、また得意になって調子に乗ること。だが「得手も仕損じ」がある。「縁の下・・・」は陰で努力する人の意味と無駄な努力の例えの意味がある。得手とギャンブルに興じて無駄になる。「えびで鯛を釣る(えびたい)」賭けの多くは失敗する。「絵に書いた餅」は役に立たないものの例えだが、億円くじを買う者は自分に当たると思っている。
 <笑顔で夢売る クジを売る> <駅前パチンコ 我が町も>

て 「亭主の好きな赤烏帽子」(江戸)、「寺から里へ」(上方)
 一家の主が好むものは奇異なものでも同調させられる。昔から賭け事ばかりの亭主に泣かされた妻子は多い。しかし、今は離婚も多い。上方は、寺から檀家への贈り物のこと。物事の道筋が普通と逆の例え。
 「鉄面皮」という諺があるが、パチンコを自らギャンブルに仕立てて利権天下り先としているくせに、「パチンコは遊技でギャンブルではない」と国会答弁する警察役人のことだ。
 <寺銭 今は賭博収益税> <手入れも想定内>

あ 「頭隠して尻隠さず」(江戸)、「足下から鳥が立つ」(上方)
 ギャンブル依存は否認の病。連日パチンコに行っているのにたまにしか行っていないようにいう。賭博による借金をして足下に借金取りが来ると、親に借金の尻拭いをさせる――という例が多い。「暑さ忘れりゃ蔭忘れる」の例えどおり、親が負債を払ってくれるとまたぶり返す依存症。
 <悪事繰り返す病> <悪銭も収益事業 税と同様>

さ 「三遍回って煙草にしよう」(江戸)、「竿の先に鈴」(上方)
 やるべきことをして休憩に。現代はタバコはダメという時代。竿の先の鈴はやかましく口数も多い。三遍回るというのは昔の夜回りのこと。しかし今はいつでもどこでもギャンブルができる。インターネット購入が多い。「猿も木から落ちる」のに“失敗しないので”と言っている。「やらないカケに祟りなし」なのだ。
 <三K それは競馬・競輪・競艇> <去れ! アイアールカジノ>

ギャンブルNEWSピックup (2018.4.20~5.28)

2018.4.20  朝日 (北陸六味)久保智康さん 福井にカジノ 似合わぬ
  4.26  朝日  ギャンブル大国、英国の苦悩 依存症「人生破壊する」
      東スポ  裏カジノで1億円すった男の感覚 バト桃田の事件も「軽く見ていた」
      日刊大衆  六角精児「何千万か負けた」ギャンブルへの思いを告白
  4.27  日弁連 「特定複合観光施設区域整備法案」の国会上程に反対し、廃案を求める会長声明
      大阪梅田 第1回関西IRショーケース開催(28日は一般公開も)
毎日  カジノ熱帯びる大阪 IR法案きょう閣議決定 依存症懸念なお
NHK  カジノ反対の市民団体(カジノ反対協)「人の不幸前提にした産業要らない」
 〃   大阪でIR事業者がPRイベント
朝日  橋下氏、カジノ「絶対無理と言われた」法案が閣議決定
  4.28  日経  社説:カジノの懸念に応える審議を
毎日  「IR実現大きな一歩」候補地関西 高まる熱 展示会大阪で初日
      〃   依存症など課題多く カジノ法案 閣議決定道筋不透明
赤旗  国民世論は解禁反対 カジノ法案閣議決定に抗議
  4.29  毎日  社説:カジノ法案を国会に提出 賭博が観光の目玉なのか
      熊本日日  社説:「カジノ法案」提出 依存症対策が十分でない
      山陰中央  社説:カジノ法案閣議決定 まず依存症対策の論議を
  5.2  北海道  カジノ解禁 成長戦略に値するのか
赤旗  主張 カジノ実施法案 もうあきらめる時ではないか 異次元の賭博の危険
  5.5  TBS報道特集 「カジノ解禁の是非」
     産経  IR事業者VS大阪府市、誘致めぐってバトル勃発 交通整備費負担めぐり
     福井  論説:カジノ法案閣議決定 依存症対策を優先すべき
     Webronza  観光立国につながるIR・カジノとは 寺島実郎
  5.6  BIZ-j カジノ候補地で期待急、大阪はひとり前のめり 依存症対策の利用制限に猛反発
  5.8  赤旗  大阪・見本市 カジノ推進派に矛盾 IR装い 外資乗りだし
      日経  カジノに透ける「トランプ、金正恩、習近平の縁」
  5.9  日弁連主催 「カジノ解禁に反対する」パレード及び院内学習会 開催
      産経  カジノ誘致の経済波及効果は約3千億円 和歌山県が基本構想
  5.11  <当会 会報第66号発行>
  5.12  朝日  カジノ「客を依存症にするビジネスだ」 法案考える集会 名古屋
      〃   貴闘力さん、今もギャンブル依存症 発端は化粧まわし
  5.13  赤旗  カジノ依存症体験談にどよめき“負けてもやめられない”愛知県弁護士会シンポ
  5.14  毎日  政府、ポーカー解禁へ カジノ法案 集客目指す
      赤旗 “誰もがギャンブル依存症の危険”カジノ誘致市民が標的 候補地佐世保 講演会学習
  5.15  東京  依存症対策修正案あす提出方針 自公、カジノ審議入り狙い
      大阪弁護士会 「特定複合観光施設区域整備法」案に反対する会長声明
  5.16  毎日  IR実施法案 賭博が成長戦略? 依存症の懸念残る 不透明な地域振興
  5.17  毎日  IR誘致に弁護士会が再度の反対声明 和歌山県
  5.21  自由法曹団 カジノ実施法案の国会提出に強く抗議し、同法案廃案及びカジノ推進法の廃止を求める決議
  5.22  赤旗  依存症対策答えず 北海道苫小牧 カジノ誘致 大門氏ら調査に市側
      秋田魁  カジノ法案きょう審議入り 首相「世界中から集客」と強調
  5.23  朝日  パチンコに4千万円…でも自覚できないギャンブル依存
      全国クレサラ・生活問題対策被害者連絡協議会 カジノ実施法案の廃案を求める声明
  5.24  赤旗  カジノ業者が貸し金業務?! クレサラ被害者団体 廃案を求め声明
  5.25  NHK  ギャンブル依存症法案 衆院通過 IR法案は審議入り
      赤旗  事業者の規制こそ ギャンブル依存症対策法案で 塩川氏が主張
  5.26  東京  横浜市へのIR誘致 候補地すら決まらず 地元「見込み薄い」の声も
  5.27  赤旗  カジノ解禁大暴走 実施法強行狙う自公・維新 安い入場料、月10回入場可 標的は日本国民  作家・精神科医 帚木蓬生さん「すでにギャンブル大国」
  5.28  朝日  「夢洲IRカジノは巨大なパチンコ店」内田樹氏

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◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇無題.jpg


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なくそう!ギャンブル被害 会報第66号 2018/5/11

【目次】IRカジノ実施法国会提出/大阪夢洲カジノショーケース(見本市)/夢洲IRは大阪ベイエリアMICEの敵!?/研究:政府のギャンブル依存症調査と課題/コラム:大阪市復興宝くじと万博カジノ/ギャンブルオンブズ4コマ漫画「天文学的確率」/コラム:ケインズの語るギャンブル、伊集院静氏の「ギャンブルで得るもの、失くすもの」/書籍紹介/いろはカルタ賭博考(6)/NEWSピックup

IRカジノ実施法 国会提出

政府は、4月27日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法を閣議決定し、国会に提出した。政府は閣議に先立ち、「特定複合観光施設区域整備推進本部」(本部長 安倍晋三首相)は、「世界中から観光客を集める滞在型観光が実現される。世界最高水準のカジノ規制で依存症など万全の対策を講じる」とした。
このIR実施法は、①設置数3ヶ所、7年後見直し、②カジノ入場料:日本人及び国内居住外国人より6000円(外国人は無料)、③日本人の入場回数:7日間で3回、28日間で10回の制限など規制はあるも、カジノではギャンブル依存症の発生、暴力団介入参加、青少年への悪影響、マネーローンダリング、脱税手法利用は必至であり、「万全の対策」どころか「世界の最低水準」だ。安倍首相はここでも嘘をついている。
 安倍の嘘は、アベノミクス、戦争法(安保法)、森友・加計問題、労働法改正などで有名だが、福島原発の制御による東京オリンピックや夢洲万博誘致、1億総活躍など大風呂敷口上と巧言令色が特徴である。IR(カジノリゾート)は、経済運営や職域拡大など新利権を目論んで自ら政治バクチをし、安倍政治の破局の様を誤魔化しているだけである。
 なお、IR実施法が成立すると、①自治体・政令市の実施方針、②事業者公募・選定、③国への地域整備計画申請、④国の審査決定、⑤自治体のIR業者契約、⑥建設開業が進む。既に大阪などによる相当の「根回し」が進むが、早くて2023年であり、東京五輪後となるのは必至である。

◇御案内◇  カジノ万博を問うシンポジウムが開催されます
「カジノ万博で経済振興」というファンタジー ~05愛知万博を検証する~
日 時:6月16日(土)13時30分~16時00分
場 所:あべのハルカス23階 阪南大学キャンパス
主 催:カジノ問題を考える大阪ネットワーク
大阪で夢洲カジノショーケース(見本市)

 4月27日、28日、梅田のグランフロント大阪で「第1回 関西IRショーケース」が開催された。「視察」報告する。
大阪夢洲カジノを目指して、大手IR事業者6社(ラスベガスサンズ、ウィンリゾート、シーザーズ、メルコ、MGMら)が集まってカジノを宣伝した。大阪維新の橋下、松井知事、そして大阪観光局、さらにはカジノ推進派である大阪商大の学者による講演などもあった。
6つのIR業者は、コンパニオンにパンフとペンやお菓子、ペットボトルを配らせてサービスしていたが、IRカジノの説明などできないギャルばかりのアルバイトだった。
 一部に大阪観光局の紹介でブース提供を受けた大阪府市、鳥取県、徳島県、滋賀県の観光担当は、観光パンフを置いて案内。インテックス大阪など既設MICEまで呼ばれていた。また、防犯企業や大阪商大など各種学校までブースを出していた。だがブースの出席者と話してみると、ギャンブル依存症の実態などほとんど知らない者ばかりで、ただ内外の観光客が増えれば良いとして参加しているだけであった。
 27日の参加客は、このIRショーを企画した広告企業と協力メディアをはじめ、カジノ周辺で商売をして金儲けをしたいという者の群れだったといえる。
6社の中でも東京に設立したシーザーズ・エンターテインメント・ジャパンは、パンフ3種を置いていた。ギャンブル依存症・問題ギャンブリングは責任をもった事業によって克服できる、むしろ政府とIR業者らの金と、「全ての関係者の協力」によって解決できる問題だというものであった。同社の副社長でラスベガス市の女性市長だったジャン・ジョーズ・ブラックハースト氏の『月刊公明』に投稿したパンフもあった。これらのパンフの内容は結局カジノ本位であり、追って批判したい。

夢洲IRは大阪ベイエリアMICEの敵!?
 維新の大阪府市首長らは、夢洲にMICE開催施設を含めたIR(カジノ付統合型リゾート)の誘致に熱中している。カジノは地方自治体として掲げるには恥ずかしいので、MICE(会議、招待旅行、国際会議、展示会)施設が大阪に必要といって、実際はカジノ付ホテルを推進してきた。
 しかし、実は大阪咲洲には既に、①インテックス大阪(国際見本市会場)、②ATC(アジア太平洋トレードセンター)、③ハイアットリージェンシー大阪、④ホテルクラシア大阪ベイ(旧ホテルコスモスクエア国際交流センター)といった整備されたMICE施設がある。
 ちなみに配布パンフによれば、①は1~6号館からなり西日本最大の総敷地13.8万㎡のMICE施設で、大阪市が建築主で、その外郭団体である大阪国際経済振興センターが運営する。②は6.8万㎡、飲食30店、ショッピング70店、ATCホール7000㎡の他12室の会議場・イベントルーム(1500人~200人対応)からなり、③と④は6000人の国際会議・展示と宿泊、パーティも可能という。
 (公財)大阪観光局は、こんな豪華なパンフ(A4版22頁)をつくって、この①~④の施設について、1つのエリアにコンパクトに集合し、全てが大規模且つ多様なニーズに対応できると宣伝してい
る。地域の空撮や各施設の設備紹介などを載せている。
 このパンフには咲洲の北側に位置する夢洲は、咲洲より小さく、コンテナヤードが見えている。咲洲の整備ぶりには遠く及ばない。
 すなわち、今回、維新首長らが夢洲IRをいう前に既に、そのごく近隣の咲洲に西日本最大級のMICE施設が存在しているのであって、夢洲にMICEをつくれば咲洲MICEはまさに「商売敵」となるのである。加えて咲洲の旧WTC(大阪ワールドトレードセンタービル)は、現在は西日本最高の府庁(咲洲庁舎)として利用されているが、いまだ利用されていない部分が多い、夢洲よりダントツに交通便の良い咲洲でも空きが多いのが現状である。
 なお、咲洲の向かいにはUSJや海遊館など家族で楽しむ大型娯楽観光施設が十分ある。
 結局、埋立中の夢洲IR計画は、巨大投資をしてカジノ付きホテルをつくるだけではない。むしろ府市自ら建設させた大阪咲洲のMICEと競合させ圧迫する。

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研究    政府のギャンブル依存症調査と課題

日本政府によるギャンブル依存症対策は、その疾病の多さと重大性にもかかわらず著しく遅れている。ギャンブル依存症の存在と調査はカジノ導入のための対応として2007年に始められた。

1.ギャンブル依存症の認識と調査の歩み
(1)病としてのギャンブル依存の認識と診断基準
   アメリカでは、ラスベガスなどのカジノ産業の拡大と大衆化によって、マフィアとの斗いだけでなく客を病にする深刻な悲劇が生まれた。特に大衆向け民営カジノを許したアメリカでは1970年代からアルコールや薬物依存と同じく病的ギャンブルを依存症ないし障害(disorder)として医療が対処せざるを得ない状況を生んだ。
   こうして1960年代には「強迫的ギャンブリング(Compulsive Gambling)」、1980年代には「病的ギャンブリング(Pathological Gambling)」、「衝動制御障害(Impulse‐Control Disorder)」の一つという概念が生まれた。
   この発展は、ギャンブル依存について精神疾患としての診断基準の歩みからもわかる。
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  このようにアメリカでは、依存症の診療が着々と進められていった。

2.知られている国別のギャンブル依存症調査データ
(1)2015年10月発行「疑似カジノ化している日本」(ビッグイシュー基金 ギャンブル依存症問題研究グループ)の7頁に、ギャンブル依存症の有症率を国別に比較した表がある。
   この表は、1999年~2013年までの公表データを詳しく整理している。調査年、サンプル数、判定法が異なるため、デンマークの0.1%から日本男性の9%までの著しい格差がある。それは、DSM、SOGS、NODS、PGSIなどの判定手法による。格差だけでなく、その国のギャンブル種、市民のギャンブルへのアクセス度(容易度)とギャンブル規制情況の差が大きい。(日本の高さはパチンコ・パチスロの影響が大きいことは誰もが指摘するところである。)

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  ※ :その後の2014年公表データでは、サンプル4000人の調査で、成人平均は4.8%。

(2)欧州の調査(ビクトリアン責任ギャンブル財団 2017年11月レポート)がある。
   英文レポートにつき翻訳中であるが、69レポートを集めて21ヶ国のデータをまとめているのでこれを表化して紹介する。(不明点は空欄のまま)
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無題.jpg
   このように、規制の多い欧州でも有症率調査は早くから数多く行われていた。

3.日本のギャンブル依存症調査の遅れ
  日本は、ギャンブル(賭博)を犯罪としている。賭博開帳者や富くじ発売をする業者も客も犯罪者として取り締まる(刑法185~187条)。しかし、賭博が既に犯罪として禁じられているからといって、それだけで社会被害の発生をなくすための政府の活動の不十分さを正当化できない。
賭博は人の射幸心にかかわり一般人を誘惑する。その射幸心を利用した賭博の侵奪性について、まず考えるべきである。勤労努力を是とする倫理や教育精神にも反するがゆえに賭博を刑法で禁じるのであれば、賭博によって奪われる人の人権問題として救済が図られるべきであろう。
  しかるに、日本では賭博を主催する側・業とする側も、客となる消費者の側も、量刑こそ異なるが共に処罰することで由としていた。そこに日本のギャンブルにおいて、業者による客への人権侵害であるギャンブル依存症対策の欠落があった。
  また、企業社会は依存症を生む酒、タバコ、薬物など欲望を刺激し、ギャンブルのシステムを作り出しては拡大させてきた。それらのモノや手段を入手した結果は客の自己責任という固定観念にとらわれてきた。
しかし、それらの入手消費行動を客個人の自己責任にはできない。特に、射幸心という人の弱点を利用する行動の実態を正しく把握して消費者(客)に知らされ、安全のために政府による社会規制が必要だった。
  しかし、日本の政府は、戦時体制の下で自ら富くじにより庶民のタンス預金(これを財政政策者は浮動購買力と呼ぶ)の吸収(収奪)を始めた。以来、宝くじ、競馬、競輪、オートレース、モーターボートの公営競技、さらにスポーツ振興くじも作った。これらは全て射幸心を利用した政府や地方自治体の金集めであった。
  パチンコ・パチスロは日本独自の風俗営業で、元は子供のゲームだったものに大人向けのタバコなどの賞品を付け、さらに換金も可能にするシステム横行を許した結果、民間事業者による事実上の賭博となった。
これらの日本における賭博は利権産業を生み、中央・地方の官庁(総務省から警察まで)が利権を持ち、天下り、再就職先となる癒着を生んでいる。
このように自ら政府省庁が利権を持ち、賭博関係の民間業者も利権を持つに至っているので、政府は自ら賭博の様々な弊害を解明することを回避してきた。
ギャンブル依存症はその収奪事業の「副作用」であるが、政府はその解明を回避してきたのである。
そして、日本にカジノを導入する動きが具体化すると、ギャンブル依存に対して無策な政府への批判の声が高まった。
そのため、民間事業者によるカジノと共にパチンコや富くじ、競馬その他の公営ギャンブル事業について、ようやく政府はギャンブル依存を放置しておけないということになったのである。

4.政府公表の依存有症率低下の政治的背景
日本の厚労省委託のギャンブル依存有病率調査の結果は、2008年5.6%、2013年全国調査4.8%(人口推計536万人)、2016年都市調査(20170.3.31発表)2.7%(280万人)という。調査のたびに低くなるのは、IRやギャンブル肯定派が先の調査結果に対し多すぎると批判した結果である。

コラム      大阪市復興宝くじと万博カジノ

1.1945(昭和20)年7月、戦費調達のために、刑法で禁じられている富くじが1枚10円の「勝札」として2億円分発売された。しかし、8月25日の抽籤日は敗戦の10日後であったため「負け札」といわれた。
敗戦後も続いた「宝籤」と併せてその年の売上は計4.2億円に達した。物資不足の中、人々は景品の煙草を求めたのである。物資不足時代の景品には、1946年に煙草の他にズルケン、あめ、綿布、石鹸、DDT、傘、懐中時計、1947年には土地付き住宅までが加えられている。
  宝くじは、1等賞金が最大の販売戦略であり、10万円でスタートした賞金は、1947年には20円くじで100万円が当たるとして宣伝された(政府宝くじ)。政府宝くじは当せん金付証票法による戦後復興の資金集めとして行われていたが、1954年には中止となった。なお、その後も「当分の間」として地方自治体による戦後復興資金目的のみとなった。
  大阪市は、1948年より復興宝くじを発売した。1枚20円くじで、1等100万円が1本、その他石鹸や学生服などが当たるというものだった。それが1954年の第2回では1枚50円くじで1等400万円1本、そしてその前後賞50万円2本として射幸心を煽った。
  現在の全国宝くじは、全国都道府県と全政令都市により発売されている。昭和20年代は政府宝くじと競うように発売合戦が繰り広げられた。当時の宝くじは、日本勧業銀行を受託銀行としており、その後、第一勧銀と富士銀行の合併を経て、現在はみずほ銀行が受託者である。
  それにしても、1949年発行の第2回大阪市復興宝くじの絵柄(後記)をみると感慨を憶える。柴を背負い、歩きながら本を読む二宮金次郎の姿が描かれているのだ。当時まだどの小学校にも銅像が残されていた金次郎像は、勤勉勤労思想そのものを示していた。
しかし、宝くじは言うまでもなく人の射幸心を煽って買わせるものである。大阪市が戦後復興という建前において、本来刑法で禁止されている富くじというものを手段として使う無神経さをそこに見ることができる。

2.実は、その建前上の目的と手段の背反という無神経は2018年の現代にも起こっている。
  大阪の松井知事と吉村市長は、大阪の観光振興のため、夢洲にIRカジノを企画し、その前段階の手段として万国博覧会誘致に狂奔している。
  仮に観光振興の効果があるとしても、それが大阪府市民に平等公平に利益をもたらさない。夢洲という住民のいない遊興用地に1000億円以上の公共投資をする必要が一体どれだけあるというのだろうか。開催期間6ヶ月の博覧会では、公共投資の利益回収は到底できない。本音はIRカジノのための基盤及び交通施設の整備にむけた先行投資に他ならない。
  IRカジノの周辺に住宅地や教育施設は相応しくない。現にある南港地区の住宅や学校にとっても良くないことは明らかである。大阪府市の公共用地・公共施設が観光産業の名の下、ギャンブル産業に供せられるのでは、その目的も手段も共に悪いと言えるだろう。
  IRカジノが大阪府市民にとって福祉上等しく利益のみもたらすなら、府市が自ら公共事業としてやって良いが、地方自治体の府市が民営賭博開帳事業をかくも熱心にやる理由は全く見出せない。
3.宝くじが、戦災をはじめとする復興のためという建前はもはや失われている。にもかかわらず、むしろより一層射幸性を高めて発売している。
そして今、さらに政府や自治体が、世界中でギャンブル依存症や犯罪、マネーローンダリングを生んでいるカジノを推し進めているということをもし二宮尊徳が聞けば、働くことや学ぶことを尊び世に広める自己への嘲笑と受け取るだろう。
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◇◇ギャンブルオンブズ4コマ漫画◇◇
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コラム          ケインズの語るギャンブル
〇 これまでにも経済学者のギャンブル論については、アダム・スミス(1723~1790 「道徳感情論」「国富論」)の「宝くじ(富くじ)」の収奪性を語る言葉を紹介した(会報38号)。また、ノーベル賞を受賞した近代経済学者ポール・A・サムエルソン(1915~2009 経済学)の語る「投機」「賭け」「保険」の言葉を紹介した(会報41号)。
  その他にも、スーザン・ストレンジ(1923~1998 カジノ資本主義)は、まさに現代のグローバル化した資本主義について、金融資本がカジノといえるギャンブル経済の下でいかに「マッドマネー(狂気の金)」となっているかを説いている。
  このように真面目に社会・経済を考える学者は、マルクス主義系経済学でなく近代現代経済学の立場であっても、およそギャンブルを真に富を生み、国民を救う(経済)ものとせず、その対極にあることを語るのである。
  投資と労働とは異なり、投機は社会全体の富を増やすものではない。事業の安定経営を求める事業者にとって平準化に役立ってもその総コスト、経済負担は消費者に転嫁されるだけである。
  ましてゲームで金の取り合いをする賭博や、その賭博場のカジノが国民経済に負担を転嫁することはあっても、富や市民経済に貢献するところはないのである。
〇 今回、近代経済学の代表とされるジョン・M・ケインズの言葉を視る。
  ケインズ(Keynes.J.M 1883.6.5~1946.4.21 62歳で死去)は、イギリスの経済学者で「近現代経済学の祖」といわれる。ケンブリッジ大学、大蔵省の代表として第1次世界大戦後のドイツへの過酷な賠償に反対、金本位制に反対し、管理通貨制度を主張、保守党の自由放任主義を批判した。そして1936年の『雇用・利子および貨幣の一般理論』を著し、「ケインズ革命」といわれるほど経済学と経済政策に絶大な影響を与えた。第二次大戦中も戦時経済の実行に参画し、1944年のプレトンウッズ連合国通貨会議に英代表としてケインズ案を示し、アメリカのホワイト案と対立したことは有名である。
  『一般理論』は従来、経済学が想定していなかった不完全雇用下での経済均衡を解明し、自由放任でなく政府が経済に積極的に介入すべきことを主張した。雇用の水準は投資と消費からなる有効需要の大きさで決まるという「有効需要論」、投資量はその何倍もの所得ないし産出量を増加させるという「乗数理論」、利子率は投資と貯蓄が相等しい点で決まるのでなく、資産と現金の形で保有するか債権や証券の形で保有するかに関連して決まるという「流動性選好説」などを提示した。失業をなくすため、政府が経済に積極的介入する根拠と、租税による所得平等化政策、完全雇用政策で福祉国家を指向していた。
  ケインズは、単なる経済学者でなく、「時代の問題」に発言を行う行動者だった。そして自由党の革新、労働党の穏健化を主張した人である。
〇 さて、その『一般理論』の最終章24章で次のように述べられている。
 「われわれが生活している経済社会の際立って欠陥は、それが完全雇用を与えることができないこと、そして富と所得が恣意的で不公平なことである。」・・・「人間の価値ある活動の中には、それを完遂するために蓄財動機や富の私的所有という環境を必要とするものがある。さらに人間は危なっかしい性癖を持っているが、この性癖は蓄財や私的な富の機会があれば、比較的無害な方向に捌けてやることができる。このような形でこれらの性癖を満足させることができないとしたら、その性癖は残忍な行為に、あるいは個人的な権力と権能のがむしゃらな追求に、あるいはその他の自己権力の拡大に、自己の捌け口を見出すかもしれない。人間が同胞市民に対して専制的権力を振るうよりは、彼の銀行残高に対して専制的権力を振るう方がまだましである。時には後者は前者に至るための手段に過ぎないとけなされることもあるが、少なくとも時には後者は前者の代替的選択肢となるのである」・・・「だがこれらの諸活動を促進し、これらの性癖を満足させるには現今のような高い賭け金を払ってゲームを行う必要はない。もっと低い賭け金でもプレーヤーがそれに慣れてしまえば、目的のためにはそれで十分間に合うだろう。人間性を変えるという仕事を人間性も管理する仕事と混同してはならない。理想的な共同社会でなら人々は賭け事に興味を持たないといえよう。」
  以上は、岩波文庫の間宮陽介訳の引用である。そこでは賭け事をギャンブルでなくゲームと表現している。しかし、明らかに高い賭けは否定すべきとし、ギャンブルは富や所得の不公平欠陥を生み、理想社会では人は興味を失うという表現で必要性がないというのである。

伊集院静氏の「ギャンブルで得るもの、失くすもの」
~『大人の男の遊び方』(双葉社 2014)より~
まず、氏の言葉から。
・ギャンブルは逆転がきくケースは極めて少ない。
・ギャンブルにとって“無理”とは冷静な判断を失わせるものだ。
・マイナスで次の勝負を止めて次回ということがほとんどの人ができない。
・準備できないのに打つな。賭けの内容を見極める、自分の器量を知ること。
・ギャンブルは長い目で見ると決してプラスにならない。
・長くやればマイナスのギャンブルを続けるのは「次は負ける」と考えていないから。
・勝った記憶は鮮明、その何倍もの敗れた記憶は押しやられている。
・ギャンブルは記憶の遊び。
・菊池寛は「情報信ずべし、しかも亦信ずべからず」との名言。
・かつての生活はギャンブルを中心に全て回っていた。
・競馬、競輪、麻雀、海外カジノで打ち続けた。競輪は1年に100~150日。海外カジノに1回10日で入り浸り。それと麻雀。
・ギャンブルを長く続ける人は日銭の入る人。遺産は半年もたない。
・金を前借りし、鬼か狂犬しか見えなかっただろう。
・海外カジノ ソウルのウォーカーヒル、BJとバカラ
・飛び込みで賭けない。大半の人が負ける。カジノにいる時間を決めておく。
・カジノ側は客を熱い状況にし、どんどん賭けさせる。
・ヨーロッパの国営貴族カジノ、ラスベガスの収益民営カジノ
・カジノが倒産するのは客が来なくなった時だけ。
・パチンコにはまった人に注意してもむだである。
・ルーレットは何度かに一度0に入れるようシューターが訓練されている。
 このように氏の発言はギャンブル依存というレベルのものではない。氏は「かつて私の生活はギャンブルを中心にすべて回っていた」、そして「今は離れている」と発言している。ギャンブル依存という生き方について反省するよりも、むしろ、一流の遊びをしてこそ一流の生き方ができるとし、酒、ゴルフ、そしてギャンブルの麻雀、カジノの楽しみ方を「作家の遊び方」として週刊大衆に連載していた。こうした遊びについて書いては収入を得てまた遊んでいたのだ。ギャンブルが生む社会と本人への害は軽くしか触れない。
 
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書籍紹介
月刊誌『世界』(岩波書店)連載「パチンコ哀歌(エレジー)」古川美穂
(1)第1回「産業としての黄昏。」 2018年3月号(2018.2.7発売)
  1927年大阪千日前で子どもの遊びとして営業が始まったパチンコは、1995年には3000万人の大人の遊技となり、今も道頓堀、千日前付近は1万台ものパチンコ・パチスロ台がある。このパチンコ・パチスロは2018年2月施行の出玉規制により「たそがれ」を迎えているという。
   これは、ギャンブル拡大化によりパチンコ依存症が増大してきた日本で、今IR法を推し進めるためにギャンブル依存症対策が求められ、公安・警察がとった出玉規制策である。1995年18000店を数えたホールは、2017年11月現在9693店と1万店を切ったという。もとよりこれは小規模店の減少、1店1000台超の大型店化がある。また1台40万円以上の遊技機新台と1円玉機の導入の低収入化という状況、ゲーム普及の下でのパチンコ離れ、カジノ導入を見据えた共同管理の可能性など、その行方を検討するとしている。
(2)第2回「正村ゲージ ―産業の黎明期」 2018年4月号(2018.3.8発売)
   名古屋のパチンコの父、正村竹一氏の「正村ゲージ」といわれるパチンコ台の発明から産業出発時代を紹介する。パチンコのガチャンコとパチパチの合成説など、名古屋の子供らのパチンコ機が大人のギャンブルマシーンとなったことを述べ、パチンコの景品買取から今日の三店方式確立まで、また「釘師」の消滅や電動式ハンドル、フィーバー機がパチンコの性質を変えたことを紹介する。

(第3回「30兆円産業への助走」2018年5月号 へと続く)

いろはカルタ賭博考(6)

く 「臭いものに蓋」(江戸)、「臭いものに蠅がたかる」(上方)
 臭いものに対処し醜聞を隠すこと(江戸)、臭いものは悪い者で同じ仲間が集まる(上方)。賄賂や悪銭を追う仲間も。射幸心(努力なし)で大金を得る臭いもの(賭博)には法の蓋(規制)がいる。蓋をとると「覚醒」という意味になる。「臭」は「鼻」と「犬」の会意文字で、悪いにおいに使われる。「口は禍の門(元)」といえば陰口ならぬ賭け口数の多いこともいうのであろうか。
 <苦しいときの神(紙)頼み> <籤で決まるの裁判員> <腐って増える射幸心>

や 「安物買いの銭失い」(江戸)、「暗(闇)夜に鉄砲」(上方)
 安いものを買って得したように思っても結局は損。安かろう悪かろうだった。「闇」は当てずっぽうの例え。宝くじは200~300円で億円を得ようという極端な安物買い。まさに闇夜に鉄砲である。「病は気から」「病は口から」の句もあるが、ビギナーズラック(最初に幸運)がギャンブル依存(障害)になることが多い。「柳の下の泥鰌(どじょう)」を求める気持ちがいつまでも賭けを続けさせる。
 <やめられぬギャンブル依存> <焼け石に水 家族の尻拭いはイネイブリング>

ま 「負けるが勝ち」(江戸)、「蒔かぬ種ははえぬ」(上方)
 一時負けても長い目で見れば自分が優位(江戸)。原因がなければ結果もない(上方)。昔は「負けるは勝つ」「負けるは勝ち」だったが、戦後「負けるが勝ち」の言い回しに。ギャンブルで「負けるが勝ち」はない。負けてやめれば被害が少ないだけ。だが宝くじなど「買わなきゃ当たらない」という宣伝コピーで客を誘う。公営ギャンブルは依存症という病気の種を撒いている。
 <まだまだは病気進行中> <学べぬ収奪される理> <負けても次は勝つと思う>

け 「芸は身を助く」(江戸)、「下駄に焼味噌」(上方)
 道楽の芸でも生活の助けになる。昔下駄と焼味噌を類似させるものがあったようで、似ているが実際は大違いという。道楽で賭博を覚えると、身を助けるどころか身を滅ぼす。同じ銀行商品でも預金と違って銀行が勧める投資信託や外為は賭け。保険は投機(=賭博性)で似て非なるものだが、大銀行までこの悪徳商品を年寄りに売る。
 <競輪競馬もボッタクリ博奕> <健康は博奕せぬこと>

ふ 「文はやりたし 書く手は持たず」(江戸)、「武士は食わねど高楊枝」(上方)
 恋文を書けず思い悩む。貧しくとも気位は高く持って生きよ。高楊枝とは食事後に悠然と楊枝を使う様をいった。今はスマホでメール。悩むよりSNSなど情報手段を使う。貧しくとも精神は豊かという教訓より、カネを追いかけるアベノミクスかカネノミクスでカジノミクスになっている。
 <夫婦別れはギャンブルから> <「福」は当てたし 当たりはないし>


ギャンブルNEWSピックup (2018.3.6~4.16)

2018.3.6  日経BP  カジノを含む観光拠点整備のアドバイザーを選定、大阪府市
  3.7   産経  自民IR検討部会、施設数は明示せず
      日経  IR実施法案、自公で協議へ
  3.8   毎日  カジノ入場料の容認 近く与党協議開始 自民論点整理
      東京  本人や家族申告でカジノ入場禁止 政府、依存症対策で方針
  3.12  <当会 会報第64号発行>
  3.15  沖縄タイムス  カジノ法案、自公協議へ IR箇所数で与党内調整
3.27  宮崎弁護士会  実効性あるギャンブル依存症対策の具体化等を求める意見書
3.30  金融庁  「ギャンブル等依存症に関連すると考えられる多重債務問題に係る相談への対応に際してのマニュアル」について を公表
  4.3   赤旗  カジノ3カ所に自公合意 「規制」骨抜き、事業者に奉仕
      東京  カジノ全国3カ所合意 自公IR法案 入場料議論は継続
  4.4   毎日  カジノ入場6000円 自公合意 月内に法案提出へ
朝日  和歌山)カジノ、国内3カ所 知事「全力尽くし入る」
陸奥  カジノ法案「賛否両論の中でどう進める」
信濃  「カジノ法案」与党協議決着 焦る自民 公明に大幅譲歩
  4.5   朝日  社説:カジノ規制 矛盾露呈した与党合意
NHK  大阪府民対象、IR世論調査NHK実施 賛成17%、反対42%
  4.6   中日  カジノ法案 社会の美風はどうなる
      読売  カジノ与党合意 副作用の除去は容易ではない
  4.8   愛媛  社説:カジノ法案与党合意 これでは依存症対策にならない
  4.10  西日本  カジノ与党合意 国民の懸念に応えたのか
  4.11  読売  IR誘致、宮崎知事「困難」
      ヘルスプレス  カジノの入場規制「週に3回」は立派なギャンブル依存!
      アジア経済ニュース  ゲンティン、日本でのカジノ免許申請に意欲
  4.13  <当会 会報第65号発行>
      日弁連  ギャンブル依存対策推進に関する意見書
  4.14  カジノ反対協  カジノ実施法制定に反対し、カジノ解禁推進法の廃止を求める声明
  4.16  朝日  世論調査 IR実施法案 今国会で成立させるべき22% その必要はない70%
日弁連  カジノ解禁推進法に関する意見交換会(第10回)開催



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2018年04月21日

なくそう!ギャンブル被害 会報第65号


【目次】カジノ法案の闇/カジノ実施法はギャンブル依存症者を生み収奪する/ギャンブルオンブズの眼③仮想通貨(ビットコイン(BTC)等)のギャンブル性、④リニア中央新幹線事業のギャンブル性/投稿:2025年万博の嘘と無駄、ギャンブル戦争と犠牲者/公営競技投票券の種類/コラム:ギャンブルの「どん底名人」、キタサンブラック、競馬予想とパチンコの天穴/いろはカルタ賭博考(5)/ギャンブルアラカルト~カジノのギャンブルゲーム早わかり/NEWSピックup/事務局だより


カジノ法案の闇

〇 カジノ(IR)実施法が成立に向けて動き出した。昨年の解散衆院選で先延ばしとなっていたが、今月中に提案されそうだ。4月3日、自民・公明は全国2~3ヶ所でスタートさせることを合意した。先の衆院選でIR議連(カジノ議連)の有力議員の引退もあったがその勢いは依然強い。
民進党にはかつては賛否両議員がいたが、立憲民主党は反対が強い。公明党には賛否両派がいる。維新は夢洲カジノへの傾注からIRの具体化をめぐる動きが強力だ。
〇 このカジノ実施法で、意外にも与党内でも意見の分かれる問題がある。
 その第1は、IR実施法でカジノ特区誘致をめぐる特区IRの“つばぜり合い”だ。大都市圏では大阪夢洲が府市連合で強力だが、名古屋中部国際空港の常滑市や北海道苫小牧市、九州長崎など、全国2~3ヶ所で出発しようというIR特区制限の下での先奪をめぐる争いがある。その争いは自民党へすり寄る日本維新の会と自民公明与党の大阪府下での地方選挙区の綱引きにもかかわっている。かつての本命東京お台場に代わり、横浜市は県を含めて首長、議員、地元業界の綱引きでぎくしゃくしている。
その第2は、政府の有識者会議のギャンブル依存症等の対策の導入だ。日本国民の入場者対策として入場料6000円、1週間に3回まで・4週間に10回までなどの回数制限と、マイナンバーカード提示の義務付け案があるが、これらはカジノ業者にとってみればその収益に大きくかかわる。
その第3は、IRの規模(面積)、特にカジノ面積をめぐる争いである。カジノ区域面積を15000㎡以下、IR全体で3%以下という案は、誘致自治体や事業者から反対の声がある。
こうした規制次第で客が集まらずIRの収益が危ぶまれる故に、IRの具体的規制は政令等に委ねて先送りしたり、IR実施法だけは成立させるという裏技もある。
〇 そもそもカジノをリゾートの中に「隠す」のがIRカジノである。カジノではおよそ公共投資など考えられないが、MICEを加えて公金投入を合理化する。これらは全て民営賭博開帳のカジノを日本に導入するための闇の手段なのである。


カジノ実施法はギャンブル依存症者を生み収奪する
1.安倍内閣は、カジノ実施法(統合型リゾート法)におけるカジノについて、4月3日の自民・公明与党の最終合意を受け、法案を提出する予定。創価学会と公明にある強い抵抗を自民が押し切った格好。公明にもいるIR議連など推進勢力と「金と利権」攻勢が効いた形だ。
  カジノの自公合意点は次のとおり。(  )内は本紙解説。
(1)カジノ施設:当初2~3か所、7年後見直し。 (増設含み、全国10カ所以上に?!)
(2)カジノ面積:リゾート内全施設の総床面積の3%。(抜け道あり)
(3)入場規制:①日本国内人入場料6000円、外国人客は0円 (シンガポールでは国内人8000円)
        ②本人確認 マイナンバーカード提示 (銀行のようにコピー記録はとらず)
        ③入場回数制限 連続する7日間に3回、連続する28日間に10回
(本当に記録するの? これは既に依存症、賭け額は自由放題)
(4)カジノ税:カジノ収入(客の負け金額)の30%
(ギャンブルの胴元が収奪したカジノ客の金の3割ということ)

2.この実施法の絶対的な悪は次の5点である。
(1)カジノ事業が射幸心・ゲーム志向を利用して確実に詐欺的に奪う収奪(略奪的ギャンブリング)であること。自制心、反省、抑制がない。
(これは賭博開帳という「ヤクザ事業」を政府が推奨し、その分け前をセットするもの)
(2)カジノ事業が消費者の権利(安全である権利、選ぶ権利、知る権利、知らされる権利)を害していること。(以上(1)(2)については会報64号6~7頁参照)
(3)ギャンブル依存症(ギャンブル障害)を生むことに対し反省がない。むしろ客の側に責任を転嫁して被害予防と救済が十分でないこと。
(4)カジノにおける投入マネーの出処、移動が捕捉されず、脱税やマネーローンダリングへの対応がないこと。
(5)カジノが生む社会の損失は莫大で、政府の負のコストでさえカジノ税収を上回ること。
(負のコストは知らん顔)

 なお、(3)のギャンブル依存症について、カジノ実施法とは別に「ギャンブル等依存症対策基本法案」が別途提案されている。政府の依存症対策も基本的に誤っているのである。
(この点の論考は、会報48号7頁、51号5頁、52号1~4頁、53号1~2頁、61号1~3頁、63号2~4頁、64号6~7頁を参照してください。)


ギャンブルオンブズの眼③  
仮想通貨(ビットコイン(BTC)等)のギャンブル性

 インターネットで取引される仮想通貨はビットコインが有名だが、それ以外にも多くの仮想通貨が生まれている。インターネット上の取引で現物通貨と交換される。ブロックチェーンと呼ばれる取引記録の公開と参加者のチェックで偽造や二重払いなどから守られる。暗号技術がこの暗号通貨を成立させている。国境を越えて自由に取引でき、電子商取引を拡大させる可能性があるも、利用者保護制度はなく匿名性から犯罪の温床となる危険もある。
 2017年8月にビットコインが分裂し、ビットコインキャッシュ(BCC)が生まれた。日本語では仮想通貨という表現になっているが、法定通貨(円、ドル等)でなく資産の一種と位置付けられ、世界に800種もある。日本には取引所が約10社あり、飲食店や小売店でも使えるところがあるが想定外の問題も生じている。
 ビットコインの相場は日本の国内取引所で、2017年11月26日には1BT(単位)100万円台だったものが2018年には1BT200万円を超える状態にまで高騰した。ギャンブル度が高く、購入時に消費税不要の「資産」となるも安心できるものではない。
 この点、今テレビなどで仮想通貨への誘いともいえるCMが流されているが、その利用の注意(危険性、リスクなど)はほとんどなく、1~2秒文字テロップを流すのみ。これで注意(警告)告示はしたというなら完全なペテンである。
 仮想通貨が支払手段(決済手段に使える財産的価値)として認められたのは、改正資金決済法(2016年5月成立、2017年4月施行)によるもので「仮想通貨法」とも呼ばれている。
 結論を言えば、債権債務の決済手段として安定できず不安定で、投機的な資産と評価できるものを、あえて市民が誤解する“コイン”とか“通貨”と呼んでいるだけのものである。


ギャンブルオンブズの眼④   
リニア中央新幹線事業のギャンブル性

 JR東海が事業主体の「リニア中央新幹線」は、2027年に東京品川~名古屋の開通、2045年新大阪駅までの延伸を計画する。品川~名古屋区間の実に86%にあたる246kmがトンネルとなる。このトンネル工事による膨大な排出残土や水枯れ・異常出水などの環境破壊問題の他、地震発生時のリスクは営業走行が始まればなお甚大である。また、走行による騒音・振動等公害や電磁波公害など、様々な環境問題がある。現在の新幹線の2倍の速度として約500km/hでトンネルを抜ける乗客の時間等メリットの程度に比し、その安全性が問われ、莫大な建設コスト、原発大型機一基分の電力消費というデメリットがある。それこそハイリスクの投資どころか“投機”といわれている。
 2016年、政府はJR東海に対し、前倒し開業に向けてさらに3兆円を貸し付けた。このダブダブの「ギャンブル」事業の建設工事をめぐっては、全線レベルの受注において大手ゼネコンの不正入札(談合)が立件されている。リニア事業は、かねて計画段階から差止訴訟も起こるなどしているが、IR東海は建設を突き進めている。しかし、現在不安視される新幹線より安全という証明はない。
 このリニア開通は単に東海地区の交通手段が増えるというにとどまらず、人々の流れに大きく影響するようだ。例えば神奈川県相模原市民が海外渡航する場合、東京に出て乗り換えて成田空港を目指すより、中部国際空港の方が早くなる。空港をはじめ航空業界をも巻き込んだ変化もあるという。また、名古屋~新大阪間のルートは未定の部分もあり、沿線自治体の首長による綱引きが続いている。このリニア事業には多種多様な利権が複雑に絡んでいる。


投稿       
2025年万博の嘘と無駄    K.Y

 今、大阪府・市はこぞって、大阪の埋立中の夢洲に国際博(万博)を誘致しようと莫大な公費を使って運動しています。それは半世紀以上前の1970年大阪万博と同じように成功するからというものです。
 しかし、そのような宣伝には多くの嘘と市民のお金の無駄使いであることがわかっています。
 第1に、万博への妄想を煽っていることです。
万博を19世紀以来の産業・技術・商品の発明、発展の「きっかけ」をいいますが、欧米の植民地博や先進工業国の技術博のように、モノを1ヶ所に集め展示するという時代ではありません。今は先進工業国はもとより新興国も多く、新しい技術は日本の他の地域でも世界中で同時進行し、スマホ一つで世界中に普及されます。(このような工業技術・商品の売買がまだ少ないのはアフリカや南米、さらには他の立候補地である中央アジアの地域です。)
第2に、大阪府市は夢洲という地震・津波・高潮等の危険地を日本の適地と称し、副題に「大阪・関西へ」と付けていますが大阪のゴミの埋立地は関西全体からみても適地ではありません。
国内ではかつては横浜万博が候補地となりましたし、国を挙げて万博の名の下に経済振興を図るなら北海道、九州、東北など適地が他にあります。大阪府市の維新首長と関西の一部財界は、五輪を控えた東京に対抗して大阪都や大阪企業経済の振興を理由にしたいだけです。
第3は、夢洲万博へのこだわりの裏には、夢洲IRカジノ構想が先行し、その誘致の先行投資が隠されています。博覧会国際事務局への申請のために夢洲万博を国に承認してもらう際に、表向きにはIR計画を一切出さないことを政府、府市、大阪財界で申し合わせたカジノ隠しです。しかし、大阪府市長はIRカジノ実施法の早期実現に動き、万博前の2023年開業を進めているのです。


投稿          
ギャンブル戦争と犠牲者      磯野 彰子

1.NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」(初回放送2017.8.15)は、大東亜戦争最大級の7万24人の死傷者を出した1944年インパール作戦の無謀さを教えていました。
番組最後には牟田口中将の部下斉藤元少尉の日記の記録と証言がありました。「上層部の(人の生命を単なる道具としかみない)事実を知った」という悲嘆の声でした。東条大将を長とする大本営の決定と実行。その計画の中止や撤退を求める現地幹部の声さえ無視された事実。その決定強行により日本軍、軍属7万人以上を死傷させたことに、東条、杉山から牟田口氏までの中枢者らは、戦後も反省や謝罪を述べないどころか正当化する言葉には怒りさえ覚えます。
  
2.私は、このテレビを見て公認ギャンブルの被害や特区カジノ導入での政府・与党の責任を連想しました。
ギャンブルからの税や収益金を得て国民の福祉に役立てるというのが、導入の「正当化論」です。戦争に早く勝つことで自らの考える「平和」を実現するという軍事論があるようですが、それと似た考えではないかと思いました。
  今、公営ギャンブルやIRカジノ、さらにはパチンコ・パチスロも特別税をとることで正面から肯定しようと考える政治勢力と国・地方自治体の政治家は、ギャンブル推進の下でギャンブル依存という犠牲者についてどこまで考えているのでしょうか。
  政府の財政収入という大義のためには少々の犠牲はやむを得ない、ギャンブル依存問題は政府の増収作戦の前では「やむを得ない不都合」であり、徴兵のような犠牲でなく、いわば有償志願者の「承諾した結果」と同様のものというのでしょうか。
  そして、公営公認ギャンブルはむしろ正義の実現のためであって、公営公認ギャンブルによる依存症等の被害は「許された危険」というのでしょうか。

3.表向き戦争を肯定する人はいません。しかし、防衛などと言いつつ戦力保持を正当化する人は多くいます。ですが戦争のほとんどは、権力者の支配権の争いが中心で起こります。
ギャンブルの「悪」を「収益」が正当化することはできません。現代日本でギャンブル収益は税の軽減にも役立たず、今や「貧しい自治体」の一燈にもなっていないのです。
推計320万人ともいわれるギャンブル依存者は第二次大戦の日本人死者レベルの莫大な数字であり、その犠牲者を生み捨てているのは<略奪的なギャンブル>であり<侵略戦争>ともいえる暴挙ではないでしょうか。


公営競技投票券の種類
 競馬・競輪・競艇・オートレースなど公営競技の投票券には様々な種類があります(100円~)。今回は競艇と競輪を例に紹介し説明します。これら券種・賭け方の用語の意味など基本的なところは公営競技全般に共通します。

1.競艇/勝舟投票券(舟券)
レースは6艇で競われます。その6艇の中から次の7種類の賭け方で予想します。
種 類 予 想 的中率
単勝式 1着を当てる 6分の1
複勝式 1着又は2着を当てる 6分の2
2連勝単式 1着2着を着順通り当てる 30分の1
2連勝複式 1着2着を着順に関係なく当てる 15分の1
拡大2連勝複式 1~3着のうち2艇を着順に関係なく当てる 15分の3
3連勝単式 1~3着を着順通り当てる 120分の1
3連勝複式 1~3着を着順に関係なく当てる 20分の1
  ちなみに、こうして購入した券が当たればどのくらいの配当になるのかを数値化したものを「オッズ」といいます。賭けた金が何倍になるのか、その配当倍率を示したものです。

2.競輪/勝者投票券(車券)
  レースは基本的に9人(車)で競われます。例外的にガールズ競輪とミッドナイト競輪は7人です。以下、9人でのレースを例に説明します。
  競輪では、車番別に着るユニフォームの色が固定されています。混戦になっても見分けられるようにとの意図です。
枠 1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠
車番 1 2 3 4 5 6 7 8 9
色 白 黒 赤 青 黄 緑 橙 桃 紫
  車券の種類は7種類です。
種 類 予 想 的中率
2車単(車番2連勝単式) 1着2着の車番を着順通り当てる 72分の1
2連複(車番2連勝複式) 1着2着の車番を着順に関係なく当てる 36分の1
2枠単(枠番2連勝単式) 1着2着の枠番を着順通り当てる 33分の1
2枠複(枠番2連勝複式) 1着2着の枠番を着順に関係なく当てる 18分の1
3連単(車番3連勝単式) 1~3着の車番を着順通りに当てる 504分の1
3連複(車番3連勝複式) 1~3着の車番を着順に関係なく当てる 84分の1
ワイド(拡大2連勝複式) 1~3着のうち2車を着順に関係なく当てる 36分の3


コラム           
ギャンブルの「どん底名人」

1.囲碁界で名人にもなった依田紀基さん(52歳)が『どん底名人』という自伝を出版された。そこには囲碁で高収入を得る一方で、麻雀やカジノのバカラ等にのめり込んで家庭を崩壊させた半生が書かれている。(KADOKAWA 2017.11.10発行 1500円+税)
  氏は、十段、碁聖、名人を獲得したので一流棋士「名人」といってよいだろう。囲碁界では29~37歳までが全盛期、その前は18歳のころから歌舞伎町に入り浸り、バクチ、酒、女に「狂う」ようになっていた。韓国カジノのバカラ(ウォーカーヒル)から日本の闇カジノにパチンコ感覚で通うほどのギャンブル中毒患者だったという。仕手株にも手を出し、4000万円超の損失を出して借金を生んだ。そして、家庭を破局させたという。
  実は、囲碁も単なる勝負事のゲームでなく、金や地位を賭けた争いなのだ。プロの囲碁界は億単位の金を獲得する世界。トップ勝者には賞金という収入が入る。だから金を賭けたギャンブルに近い。株・先物の相場師はギャンブラーである。囲碁の賞金をカジノで使えばギャンブラーである。
  囲碁界では他にも藤原秀行九段も競輪などギャンブル依存で有名だった。依田氏は仲間でも少額の賭け碁をしていたという。
2.現在、ゲームからスポーツ界まで入場チケット料、参加視聴料、広告料などから莫大な賞金が集められて、「選手」はその金を目標に努力している。五輪メダルもその後に莫大な広告、賞金、スポンサー収入があるので、プロスポーツ界にはギャンブルの影がついてまわる。
昔から麻雀というゲームはギャンブルでないものはほとんどない。大企業の経営者や政治家もゴルフなどで賭けている人が多いのは常識である。小口の賭け(本人の資力に比して)で社会的に問題にならなければ騒がれずに済むだけである。
依田さんは過去を清算するつもりでこの書を出版されたのであり、GA(ギャンブルアノニマス)などに依らず自力でギャンブル依存を克服されようとしたものといえる。


キタサンブラック
 2017年12月24日、第62回有馬記念グランプリが中山競馬場で開催された。1枠2番出走のキタサンブラックが1着で勝利した。キタサンブラックは5歳の牡馬で、その名のとおり北島三郎の持ち馬として一般に知られているが、実は大野商事という会社の所有である。北島三郎が馬主稼業で所有するビジネス馬である。
このレースの賞金は3億円で、これまでG1での7勝(有馬、天皇賞3、ジャパンカップ、菊花賞、大阪杯)を含む重賞10勝をし、20戦12勝、獲得賞金総額は18億7684万3千円という。まさに馬主、調教師、騎手(武豊)による大博打だった。ファンが多くの馬券を買い、単勝100円で払戻し190円、3連単(②-③-⑯)でも2万5040円だった。
なお、この日のWIN5(全5レースの1等を予想)は中山9R②/10R③/11R②、阪神9R⑦/10R③となり、的中の払戻金は1597万7850円で40票あったという。
この日の来場者は10万720人、馬券売上441億9957万5700円というから、中央競馬の1日のギャンブルの大きさがわかる。


競馬予想とパチンコの天穴
 『こんなものいらない辞典』(新潮文庫 1990 朝日ジャーナル編)に2つの“無用”が載っている。
 第一は、競馬予想。
その予想記事や出版物について、専門家という各紙の予想は本命・対抗・穴馬の3つに印を付けているが全体的に当たっておらず、その予想に従って馬券を買っていると全員損をさせているとして、予想屋の氏名を記載している。そして「ウソを商売にするのは豊田商事でおしまいにしてほしい」と結んでいる。
 なお、この章には菊池寛の『わが馬券哲学』(1935.5)より、「馬券は・・・大損をせざるを以て念とすべし。・・・馬券買いに於いて勝つこと甚だかたし。・・・馬券買いは道楽也。・・・真に金を儲けんとせば正道の家業を励むに如かず。・・・」の文章が引用されている。
 第二は、パチンコの天穴。
 かつてパチンコ業界が6兆円産業であった時代。パチプロを紹介し、パチンコ機の天穴の「怪」を紹介するもの。パチンコメーカー平和の盛況や11月14日「パチンコの日」の出玉を多くするように組合が通達を出していることなど、出玉調整のあるパチンコギャンブルを紹介する。そして、パチンコホールでの出玉調整を吐露する平和興業の工場長の取材記事が掲載されている。
 実はこれらは元々朝日ジャーナルに連載されていたものをまとめた書籍であるが、この連載も「こんなものいらない」とばかりに突然打ち切られ、朝日ジャーナル誌そのものも1992年5月29日号を最後に廃刊になっている。朝日新聞社は「こんなものいらない」と判断したのだ。
 2020年東京五輪を前に、厚生省やWHOが公共空間や公衆飲食店内での喫煙を「こんなものいらない」と言い出しても、自民党の業界族が「厳しくしすぎるな!」と喫煙制限そのものがいらないと叫ぶのが日本の現状である。
 私たちはパチンコだけでなく「カジノ(IRカジノを含む)なんていらない」と訴えている。


いろはカルタ賭博考(5)
 「無理が通れば道理ひっこむ」(江戸)、「昔とった杵柄」「馬(むま)の耳に風」(上方)
 無法は秩序を乱す。昔習い覚えた腕前を発揮する。しかし、刑法上禁止の賭博開帳や富くじ発売も政府・自治体なら許される。例外としての無理を通して正義がひっこむわけだ。「馬(むまと呼んだ)の耳に風」は「馬耳東風」のこと、「馬の耳に念仏」はその変化。政府は公営競技からカジノまで作るというから、道理でギャンブル依存症まで生むわけだ。パチンコも脱法ギャンブルで無理を通す。
 <無知政治家ほど危険なものはない> <昔の黒収益事業、今は赤?>

 「嘘から出たまこと」(江戸)、「氏より育ち」(上方)
 騙すつもりが本当になる。公営競技は収益事業として嘘で始めたが、客を収奪する事業として定着した。氏(生まれ・血筋)より育ち・環境が大切というが、収奪本位の利権で育てばとても外国人観光客に披露するものではない。「嘘つきは泥棒の始まり」というが、ギャンブルは詐欺の始まりである。「烏合の衆」のカジノ業者に共通しているのは金を漁ることだ。
 <売り言葉は大当たり> <占い師 自ら当たり券買わず>

 「芋の煮えたも御存知なく」(江戸)、「鰯の頭も信心から」(上方)
 世事に疎い上流子弟をからかう。価値なきものも信じる者は有難がるとからかう。カマトトとは蒲鉾が魚でできていることを知っているのに知らないフリをする者からきているが、世にギャンブルとゲームの区別がつかない人は多い。ゲームに金を賭けるのがギャンブルだ。「云わぬが華」「言わぬは言うに勝る」ともいう。
 <一番になるのが選手の狙い> <一番少ない大穴>

 「のど元過ぎれば熱さを忘る」(江戸)、「ノミと言えば才槌」(上方)
 苦しいことも時が経つと忘れてしまう。ノミを求めると槌を出してくれる即応の良さをいう。ギャンブルで負けてもまた手を出してしまう。大工道具の対応でなく、蚤といえば殺虫剤、飲みに行こうといえば居酒屋という。呑み屋とは馬券・車券を買ったように処理するヤミの商売のこと。
 <のるかそるか、一か八か> <呑行為をすれば罰>

 「鬼に金棒」(江戸)、負った子に教えられ浅瀬を渡る」(上方)
 強い者にさらに力や知恵が加わること。年下の者、未熟な者に教えられること。
 鬼は怖い存在で「鬼に法衣」は不釣り合い、不要なこと、「鬼も十八」は年頃で艶やかになること。「奢る者久しからず」は平家物語だが、昭和17年にナチスドイツがパリを占領したという日本カルタは今となっては不思議である。
 <同じ穴のカジノ客> <親の心、博奕打知らず>


~ ギャンブルアラカルト ~
カジノのギャンブルゲーム早わかり

 本紙がギャンブルの種類を紹介しているのは、賭博場・カジノが客の射幸心を煽るために、人は如何にギャンブルゲームを発明してきたかを知るためである。
 ゲームの発明は人の才能ではあるが、それを金儲けに使うヤクザは射幸心と新しい興味を引く工夫をする。ギャンブルは射幸心を刺激することが中心である。しかも、カジノでは勝敗が早くわかるものが必要である。囲碁や将棋など長時間の努力を要するゲームやレースはギャンブルに向かない。

1.ルーレット系(Roulette)数字を割り振ったポケットで区切られた回転盤
(1)フレンチルーレット:0~36まで全37区分、0は親の総取り
(2)アメリカンルーレット(アジアンルーレット、イングリッシュルーレットともいう)
   :0と00の二つがあり36まで、全38区分、0、00は親の総取り
(3)ツインルーレット:0~16までが2カ所ずつ、全34区分 オランダ
(4)ブール(Boule):全18区分 フランス、スペイン、スイス
(5)バントトロア(Vingt Trois):全27ポケット

2.ダイス・サイコロ系(Dice)
(1)クラップス(Craps):2個のダイスでポイント目を作り、予想したり再現させる。
(2)シックボー(Sic bo HiLo):日本では大小という。3つのダイスを使う。
(3)チャカラック(Chuck-a-Luck):ハザードとも呼ぶ。3つのダイスを使う。
(4)バンカランセサ(Banca Francesa):フレンチバンク、3つのダイスの合計を当てる。
(5)スウェディッシュダイス(Swedish Dice):High Jackとも。2つのダイスの合計を当てる。
(6)大小:マカオのサイコロ賭博とルーレットを合わせたもの。

3.カード系(Card)
(1)バカラ(Baccarat)
  ①プント・バンコ(Punt Banco,Ponty Banca):アメリカン・バカラといわれる。
  ②バカラバンク(Baccarat en Bangue):ダブルテーブルのバカラ
  ③ミニバカラ(Mini Baccarat):ミディバカラ(Midi Baccarat)ともいう。
  ④シュマンドフェール(Chemin de Fer(仏)、Chemmy(英)):プレイヤーが順にバンカーになる。
  ⑤トラントエカラント(Trente et Quarante 30/40):点数が31に近いかどうか、黒か赤か。
  ⑥ブラックジャック(Black Jack 21Vingt-un):21以下のより21に近い得点数を競う。
  ⑦レッドドッグ(Red Dog):まずカード2枚が配られ、その各数字の間に3枚目が収まれば勝ち。
  ⑧ポーカー(Poker):プレイヤー達は5枚の手札で役をつくり強さを競う。相手の得点の可能性を計算し賭け金をせり上げ、最後に残った者の勝者が全賭金を得る。
   ドローポーカー/ファイブスタッド/セブンスタッド/オハマ/バイナップル/ローボールテキサスホールデム/カリビアンスタッドポーカー/ホールデム/パイゴウ などがある。
  ⑨レットイットライド(Let it Ride)
(2)パイゴウポーカー(Pai Gow Poker):中国の牌九ゲームとポーカーの合体したゲーム。
(3)カローキ(Kalooki):ラミィ(Rummy)のバリエーション。
(4)パン(Pan、Panguingue):ラミィのバリエーション。

4.チケット系
(1)キノ(KENO):1~80まで番号が記載されたキノチケットを買い、1~20個まで任意で番号を選びマーキングしておく。主催者が20個の当選番号を抽選し、いくつ該当したかで配当。
(2)ビンゴ(BINGO):5×5のマスにランダムに数字がふられたシートを貰い、抽選番号で縦・横・斜めいずれか1列揃えば賞品がもらえる。



ギャンブルNEWSピックup (2018.2.15~3.22)

2018.2.15  毎日  IR推進協議会 ハウステンボスカジノ 計38社が事業提案(長崎)
  2.16  ニッカン  カジノ「つくったら終わりの始まり」韓国男性を直撃 ピョンチャンルポ
  2.20  道新  カジノ法案 あらためて徹底議論を
2.22  毎日  公明異論「安すぎる」 政府、カジノ入場料2000円案
    〃   IR誘致コンサル決定 府・大阪市、共同企業体に委託(大阪)
赤旗  カジノ標的は日本人 政府案「規制」骨抜き 入場料を格安設定
  2.23  毎日  社説:カジノへの入場料2000円案 これが規制とはあきれる
      NHK  大阪府議会 万博IR推進予算案
  2.24  赤旗  カジノ前提 依存症対策批判 BS番組 辰巳議員が議論
      毎日  <カジノ>管理委員5人を国会同意人事に 強い権限アピール
2.26  「カジノ万博あかん」大阪ネットワークがキューバ、ベネズエラ各大使に申入れ
    産経  南海特急ラピートが万博誘致に一役、ラッピング車両運行 NMB48も応援
2.27  時事  カジノ、4ヶ所以上視野=地方配慮に軌道修正―与党協議で決着へ
    産経  カジノ全国3カ所で認可 政府調整 IR実施法案に盛り込みへ 与党提示へ
    毎日  <ギャンブル依存症>3キロ以内のパチンコ店に注意
    熊本  社説:カジノ入場規制案 まず依存症対策の強化を
2.28  朝日  社説:カジノ法案-依存症対策が先決だ
現代biz  迷走のカジノ法案、いったい何がやりたいのか全くわかりません
    テレ朝  米カジノへ入場規制検討 業者は投資額減らすと牽制
     〃   自民「もっと増やすべき」カジノ認定地域数を先送り
    神奈川  米IR運営大手 横浜市の動向を「注視」
    京都   社説:カジノ実施法案 慎重な議論が不可欠だ
    Abeam  大王製紙元会長の井川意高氏、政府のギャンブル依存症対策に「まったくピントがずれている」
    マカオ  マカオカジノIR運営大手GEGが17年通期業績発表…増収総益=日本進出に積極的な取組みも
    毎日  パチンコ依存 距離比例 慶大など調査 自宅からパチンコ店1.5キロ以内3%増
    〃   <カジノ法案>地元議会承認を要件に 誘致同意を明確化
3.1  産経  カジノ「数」提示せず IR法案政府、拡大要求に配慮
    〃  カジノ具体案迷走 自民部会、積極派VS慎重派割れる
    赤旗  カジノ設置数拡大も 誘致争い激化 自民要求
3.3  紀伊  IR文書非開示で審査請求 和歌山の市民団体
3.5  毎日  万博歓迎PR 事務局調査来日 接待は控えめで
   MBS  【特集】済州島にできた巨大なIR施設 その全貌は?
   Abeam  “カジノ法案”に江田憲司氏「人の不孝を踏み台にして経済成長を図るのか」
3.6  読売  競馬場、依存症なら入れません…患者の写真配布
3.7  毎日  <IR実施法案>施行10年後見直しへ 政府・与党、付則で
3.8  毎日  自民 カジノ入場料値上げ容認意見も IR検討PT会合
3.12  <当会 会報第64号発行>
3.16  中日  浮沈重ねた棋士の半生 自伝『どん底名人』刊行 依田紀基さん
3.20  東京  ギャンブル依存症の疑い 千葉市が初の実態調査 男性7.8% 女性1.2%
3.22  産経BIZ  カジノ法案、厳しい政府規制 面積上限や入場制限、投資抑制懸念
  日弁連  カジノ解禁推進法に関する意見交換会(第9回)開催



事務局だより

第7回総会報告(2018年4月2日 正午~ 平和法律事務所)
〇 2017年度の活動報告と会計報告をし、次期役員はそのまま継続となりました。
カジノ実施法、依存症対策、そして推進派と反対派の活動情勢などについて情報を交換しつつ、当会の活動について話し合いました。
〇 今月中にもカジノ実施法案が国会に出されようとしている中、反対運動の声は日弁連や九弁連など法律家団体や消費者団体から叫ばれ、世論調査でも依然国民の反対声は多いです。しかし、森友・加計の安倍スキャンダルや防衛省や厚労省の情報隠し・情報操作が大手を振っている下で、カジノは毒を食らわば皿までと開き直っているかのようです。
  欧州でのカジノは大衆は入場しにくいものですが、それでもギャンブルへの所得制限や依存症発生への警告・予防、さらには回復施設と治療がかなり用意されています。(土屋会員レポート)
  なのに日本は、パチンコ・パチスロのEGM依存があふれているのに、それをさらに増やすカジノを大々的に展開するというのです。日本でのカジノはターゲットを外国客、主に中国人を考えていたようですが、他に観光の少ないマカオ、ラスベガス、シンガポールとは違って日本は観光地だらけです。わざわざIRホテルに泊まって博奕をする客は期待できないでしょう。
  結局、カジノ業者が狙うのは日本の年寄り金持ちです。宝くじ、公営競技、パチンコ・パチスロが低所得の大衆ギャンブルとすれば、カジノは蓄財者のハイローラー、ヘビーユーザーを狙うものです。
〇 夢洲カジノ万博の誘致活動に反対する有効な活動方法はないでしょうか?皆様のご意見を!




posted by inoue at 13:38| Comment(0) | 訴訟 | 更新情報をチェックする

2016年02月18日

【裁判情報】

大阪高裁 平成27年(ネ)第3156号 宝くじ販売差止請求控訴事件
平成28年2月18日(木)午後1時15分  別館73号法廷(傍聴可)
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2016年01月29日

カンパのお願い

当会は財政上は専らカンパで成り立っています。
会費・カンパを下記口座までお願いします。

りそな銀行 北浜支店 普通0115719
口座名義:ギャンブル被害をなくす会
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ギャンブルNEWSピックup (2015.12.10~2016.1.23)

2015. 12.10  マカオ新   マカオカジノ 2016年もマイナス VIP不振
   12.11  ブラジル  カジノ合法化 大差で多数 巨大市場
   12.12  産経   パチンコ店景品交換所 置き忘れ2万円窃盗 呉市職員逮捕
   12.14  〃    関西経済同友会 大阪府知事・市長にカジノ推進要望
        〃    韓国呉投手 違法賭博で在宅起訴
   12.15  ウクライナ  ゲーム法でカジノ、ブックメーカー、ロッタリー 可能化へ
        中日   名古屋カジノ店トラブルで組員再逮捕
   12.16  産経   フランス外相の長男 マネロン容疑
        観光局  訪日外客数 累計で過去最高を更新 2015年1-11月までで1800万人
   12.17  遊技通信  カジノスクールでIR勉強会(博報堂IR/MICE担当栗田氏講義)
        朝日   別府市 パチンコ店の生活保護受給者調査、注意と支給停止も
        マカオ新   カジノ監理部門局長、カジノ6企業代表と顔合わせ
   12.20  カジノジャパン  シェルダンアデルソン(ラスベガス・サンズオーナー/イスラエル、共和党に近い)、
ネバダギャンブル業界にとって最重要新聞社を買収
   12.22  NHK  マカオ返還16年 カジノ依存脱却が課題
        産経   朝日紙パチンコ機器社賄賂疑いの記事に対し、東京地裁300万円賠償命令
<ギャンブルオンブズマン 会報40号>
 12.23  産経   吉村洋文大阪市長「IR誘致していく」
        〃    韓国は「ギャンブル依存大国」か 呉賭博事件の背景 207万人依存症
   12.24  毎日   不正パチンコ台大量回収 警察庁要請
       マカオ新   洋上カジノ(売上一晩2億円) 日本進出福岡有力
   12.25  アメーバ   パチンコ1人あたり年300万円 40代男性K「年マイナス59万」
   12.26  日経   逃げ水のカジノ構想
        産経   ギャンブル依存症シンポ(ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子)
   12.27  赤旗   違法パチンコ台横行
       フィリピン   カジノ・ロッテリー参加者への徴税検討
   12.28  道新   カジノ法、通常国会見送りへ
   12.31  産経   韓国呉投手 700万ウォン(70万円)の罰金
       マカオ新   カジノ売上底打ちか 低迷
2016. 1.1  CNN   認知症予防はギャンブルで? 日本で進む取り組み
   1.2  ブルームバーグ  マカオ2015カジノ収入5年ぶり低水準、反汚職運動で
   1.3  現代ビ   朝日新聞「驚きの敗訴」で見えたカジノビジネス「光と闇」
   1.4  ビジネスJ  地方テレビやたらとパチンコCM、芸能人のパチンコ営業が多い理由
   1.6  産経   「負けた分取り戻したかった」65歳女 パチンコ店で売上150万円盗む
       グノシー   カジノで8億円負けたVIP客に、3000万円のワイン贈るアフターケア
       マカオ新   「ギリシャ神話カジノ」閉鎖 1997年開業の老舗
       ヤフー   別府市、「生活保護なのにパチンコ」で保護停止!?
   1.8  マカオ新    マカオ、ギャンブル依存の相談件数増加傾向 カジノディーラーも
   1.11  デイリーサニー  ニュージャージー州 アトランティックシティ(カジノ4件閉鎖)救済法案を可決
   1.12  西日本   高校生がパチンコ店で客のメダルを盗む 田川署逮捕
   1.13  IRジャパン  カンボジア、カジノからの税収2015年3500万ドル さらなる拡大へ
   1.14  マカオ新   カジノ隔離申請355件(2015年)
   1.15  産経   「パチンコ軍資金ほしくて」依存症治療施設で6千円窃取、元入所者逮捕
       〃    「パチンコ代に・・・」巡査長が共益費着服 岐阜県警が書類送検
       報知   韓国 単純賭博罪で呉投手、林投手に約96万円の罰金
   1.17  マカオ新   米カジノ大手ウィンリゾーツのマカオ部門、2015年大幅減収減益 VIPルーム不振
   1.18  時事   カジノ解禁、今国会も見送り 参院選控え与党慎重
   1.21  マカオ新   カジノ業が約6割占める 2014年マカオ産業統計公表
   1.22  ニュース24  埼玉県警巡査が寮費横領 ギャンブルに使う
       ライブドア  パチンコ機にキャラクターを提供 絵を描かずに使用料数億円
   1.23  マカオ新   カジノ低迷長期化で受講者減 マカオの公立ディーラー養成学校

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書籍紹介 

1.『ギャンブル依存症』 田中紀子(2015.9.10 角川新書 800円+税)
 著者は、祖父、父、夫のギャンブル依存に悩んだ上、2014年に「ギャンブル依存症を考える会」を立ち上げた。その著者が(1)ギャンブル依存症、(2)依存症事件談、(3)ギャンブル王国ニッポンの問題点、(4)「病気」との向きあい方、(5)依存大国から対策国へ向かうべきと訴える。ギャンブル依存に絡む10件の大きな“事件簿”なども紹介している。
最近発行されただけに比較的新しい内容となっており、2014年8月の厚労省研究班が発表した依存症536万人、20人に1人がギャンブル依存とする深刻なデータを元にして、対策の急を訴える。実は2008年調査では推計559万人になっていたというが、それにもかかわらず政府の対策のあまりにひどい遅れ、ギャンブル運営側の遅れを「告発」する。依存者・家族の側から回復のチャンス、システム、施設やGA活動への理解に加え、ネット依存症やゲーム依存症への対策も訴えている。
著者は、これらの対策を求めてカジノ賛成集会でも反対集会でも広く対策への賛同署名活動を展開している。本心が何処にあるかは別として、ギャンブル産業の中心にあるカジノについては賛成でも反対でもないとブログ等で述べている。このため、田中氏の姿勢、言動に懸念する人もいる。

2.『科学研究とデータのからくり』 谷岡一郎(2015.10.1 PHP新書 780円+税)
 本書は、①STAP細胞事件、②ノバルティスファーマデータ改ざん事件、③厚労省ギャンブル依存症記者発表の3つについて、特に③について厳しく非難する。研究者のミスコンダクト(≒不正行為)について定義し、「たちの悪さ」を5段階に分類して事件を論評する。特に③は、事実の一般化と学証責任の項で依存症536万人というエセ事実を一人歩きさせた「たちの悪さ」を非難する。
 統計と犯罪の専門家を自負する著者が、「研究者が事実認定にどう向かい合うべきか」について、研究成果の事実認定プロセス、第三者を中心とした事実認定のための新たな枠組、ディバイトのためのルール作りまでを提唱する。
 私学におけるギャンブル犯罪学分野の研究には国からの研究費をもらえなかったことからの「ヤッカミ」だと筆者自身自虐的に述べているが、政治と歴史の事実認定や研究のあり方についてや、メディアの偏向、広告業界についてもコメントしている。広告では広告業の顧客(広告主)の批判だけではなく、嘘をつくメディア、だます側を批判し、その代表として宝くじのデタラメ広告について2頁(209~210頁)にわたりコメントしている。氏の言動は注目するところが多い。
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うれづく

 中国から「博戯」「博奕」の言葉が渡来するまで、賭博を表す言葉には「すぐ」「てだて」「うつ」「てんごう」「うれづく」などがあったという(『賭博史』宮武外骨)。そのうち「うれづく」は古事記に「宇礼豆玖」として記載されている。
 古事記中巻応神天皇の九、秋山の神と春山の神の記載の中で、兄の秋山の神と弟の春山の神が伊豆志のおとめを妻にすることに成功したら、秋山の神が上衣下衣を脱ぎ、身長ほどの甕いっぱいに酒を造り、山川の産物をやると賭(うれづく)をしたというのである。春山の神は母にくわしく話し、母の協力を得て結婚に成功して子も産んだので成功を報告したが、秋山の神はうれづく(賭け)の物を渡さなかったので母に訴えたところ、春山の神に呪詛させた。すると秋山の神は8年間病気になって死にそうになり、母に許しを乞うたので、母が呪詛を除くと回復した・・・という物語である。
 これは「神うれづく」の言葉の起こりという。
 神代の海幸山幸の物語と似ているところもあるが、女性を妻にすることは現在の賭博の対象とできるのかという見解もあろう。
ただ、賭博(バクチ)は様々で、社会事象の賭けもあった。①戦争の勝敗、②選挙の当落、③相撲の勝負、④犯人の逮捕、⑤病人の死治、⑥出産の男女、⑦事業の成否、⑧禁止の有無、⑨天気の晴雨などである。

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賭け行為とサムエルソン

 1970年にノーベル経済学賞を受賞したポール・サムエルソンは、日本でも標準的な近代経済学の教科書でこう述べている。
「投機を弁護する人たちは、それが競馬に賭けたり、富籤を買ったりするような賭け行為の一種にすぎないという非難を嫌がる。彼らは、不確実な世界は必然的に危険を伴うもので、誰かが危険を負担せざるをえないことを強調する。すなわち、投機家の知識と冒険好みとは、社会的に有用な目的に結びつけられていて、そのおかげで変動の幅や他の人たちにとっての危険が削減されることになる、という主張がなされる。(上でみたように、常にこのとおりであるとは限らず、投機は現に安定を乱すことにもなりかねない。しかし、このような主張が全然正しくないとは誰も言えないのである。)」
 そして、賭け行為そのものについてはこう述べている。
「なぜ賭け行為はこのように好ましくないことと見なされるであろうか。その理由の一部、おそらくはいちばん重要な部分は、道徳とか倫理ないしは宗教の分野に属することからであると思われる。これらのことに関しては、経済学者は経済学者の資格で最終的な判断を下すことはできない。しかし、経済学の立場においても、賭け行為に対しては相当に有力な否定的論議がありうる。」それは次の2点である。
「第一に、賭け行為は個人同士の間の貨幣のまたは財貨の無益な移転にすぎない場合がある。それは何の産出物を生まないのに、しかも時間と資源を吸い上げる。レクリエーション―そこでの主目的は結局のところ時間を「つぶす」ということになる―の限度をこえて行われる場合には、賭け行為は国民所得の削減を意味するだろう。」
「第二の欠点は、それが所得の不平等と不安定性を助長する傾向を持つ点にある。それぞれが同一の金額をもって賭けを始める何人かの人たちも、帰るときには大きく差のある金額を懐にしているのが普通だ。賭けをする人の家族が当然予期しなければならぬのは、日によっては世界の頂点に立った状態であるかと思うと、そのうちにまた運勢が変わって――賭け行為について我々が確実に予言しうるのは、運勢が変わるということだけだ――今度は飢えに迫られるようになるかも知れぬ、という点である。」
 サムエルソンは、農業生産物に関する投機活動の活動が危険の分散や価格安定に寄与する経済上の効用と対比して“控え目”に賭け行為にコメントしているものだが、経済活動が新たな生産物等の富を生み出す生産的経済活動や、生産物が付加価値を加えられたり消費者に販売されるまでの取引活動での経済活動には全く有用でない好ましくない行為として二点をあげたのである。
 実は、サムエルソンは註書で「職業的経営される賭け行為では、実際にはお客が差し引き損をするようになっている・・・それは「親」の方に勝ち目があるように仕掛けてあるからで、「正直な」親でも長期的には勝つようになっている」「現代でもそうだが、過去にもあったことだが、一部の社会では賭け行為を通じての所得分配不平等の強化が、その社会の節倹度や資本形成に間接の貢献をすることがありうるのだ」と述べている。前者は、日本では特別にヒドイが公営ギャンブルの「主催者 発売主」が50~25%を客全体からピンハネしていること、公民営カジノの実態をいうものである。後者は、日本では宝くじが大戦後のインフレーションの抑制や戦災復旧の資金獲得を名目にされことをいうものである。
 以上、サムエルソンは、経済学者として純粋に賭博ギャンブルはいわゆる農産物の需要と供給の世界での投機とも、また保険の経済とも異なることをはっきりさせるために二点を指摘したのだ。
 賭博ギャンブルは、犯罪(詐欺~脱税~暴力団・マフィア)との関係での悪はいうまでもない。純粋に友人間の公開されたフェアなレクリエーション娯楽を除けば、賭博開帳、富籤発売者が客を必ず収奪するものである。公正な投機や保険でのリスク分担等の効用もない。そして、現代では現代の金融資産の投機は新たな富を生み出さない非生産的活動としての投機が支配する資本主義経済を英国の経済学者スーザン・ストレンジは「カジノ資本主義」と名付けて批判したのだった。
 なお、付言すれば最近喧伝される各種保険は、本来の存立意義である「危険を少なくし、また分散させる」点で賭ける行為と逆のものとサムエルソンは述べているが、最近の保険会社のCMは「保険は冒険から生まれた」「失敗をこわがらず『何度でも挑戦できる社会』」「私たちは挑戦者を応援します」という東京海上日動のTV、新聞、地下鉄に至る広告や、交通事故で山中で「エンコ」しても事故を起こして加害者となっても、保険会社がすぐに駆けつけ、しかも電話やインターネットでより安い料金でそのサービスを提供でき、誰でも病人でもすぐに加入でき、高い保険料を支払ってもらえるなど非倫理なもの、少なくともその宣伝になっている。
 すなわち、保険も本来の危険を少なくするより、危険を冒すことを勧め、自らの負担で自らの危険を負担させるだけでなく、他人への危険負担まで安易にさせ、事故の社会的責任や道徳的責任まで無くしていく「商品」の宣伝、発売がなされているのである。保険もギャンブル化している。
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コラム ギャンブルと確率

1.丁半の確率
  丁とは賽の目の偶数、半とは奇数をいうが、公正な1個の賽なら五分五分50%の確率。しかし、よく賭博で行われた2個の賽の合計での丁半は1と1の2の丁から6と6の12の丁まであり、実は偶数の丁が多い。2個の賽の合計は2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12の11通りで偶数6、奇数5通りである。しかし、その2個の賽の「変化」(出目の組合せパターン)は合計21通りで12が丁目、9が半目である。(また、3個の賽の合計なら3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18で偶数8通り、奇数8通りであるが、3個の賽の「変化」は56通りあり、26が丁目、30が半目である。)
  2個の賽による実際の目の丁半は丁が12通り、半が9通りであることから、博徒はこれを「九半十二丁」という。つまり、胴側が丁をとると、特別に「寺銭」をとらなくとも同じ効果を発揮する。

2.様々な確率と宝くじの確率
  宝くじは、偶然の確率を自分には高く感じる(感じたい)という心理を利用している。
ちなみに確率を大急ぎで研究すると、確率はコイントスでいえば2分の1で裏と表の合計は1、サイコロは1の目は6分の1でその他の目は5分の6で合計は1、一姫二太郎は長子が女で二人目が男ということであるから生物学的に男女が生まれる確率は2分の1とすると、4分の1の確率だ。9人の野球選手の打順は何通りかというと、9×8×7×6×5×4×3×2×1=362,880通りある。降水率(確率)が「明日0時~6時まで50%」というと、過去のよく似た気象データの中で1mm以上の雨又は雪が降ったケースが50%あったということ。しかし、現在は10%きざみでその間は四捨五入し、0%は降水確率が5%未満のことを指している。
くじは、最初に引いても100枚のうち1枚なら100分の1の確率で当たり、99枚は当たらない。結局確率は最後の1枚まで同じだが、それを最後の週や日がよく当たるなどという宣伝は、売る側がイカサマをしていればともかく、嘘である。
よくある錯覚の例。40人のクラスで特定の2人が同じ誕生日である確率は365分の1と思う人がいるが、逆に40人が一致しない確率は365/365×364/365×363/365×・・・326/365=0.11、11%しかないことになり、したがって一致する確率は89%になる。ちなみに60人いれば99%の確率で一致する。
代打逆転サヨナラ満塁ホームランは、全9回の9回目で1/9、後攻で1/2、逆転サヨナラになるということはそれまでに1~3点差で負けているということで数十試合(仮に20試合)に一つ、満塁は全塁に走者がいるということでこれも数十試合(仮に20試合)に一つ、さらに代打に選ばれることはチームの中で数十人(仮に20人)に一人であり、ホームランを打つことは300回の打席に1回もないとすると、はっきり計算できないが、1/9×1/2×1/20×1/20×1/20×1/300=1/43,200,000以下になる。
交通事故は、年間80万件、負傷者100万人、死者8000人とすると、人口1億人として100分の1で負傷し、死者は8000分の1に近い。宝くじの1等数億円くじは1000万分の1だが、それより1200倍以上も高い。しかし、1年で8000分の1の死亡としても、人生のうち60年間もそのリスクにさらされるとすれば8000分1×60≒133分の1に近い。
地球に隕石が衝突するのは、隕石が直径10kmだとすると恐竜を絶滅させたように1億年に1回だとされるが、直径1kmだと数十万年に1回で、人の4分の1は死ぬと推測されている。このようなことはほとんどあり得ないように思われているが、結局2万分の1の確率で巨大隕石により死亡する計算となるといわれる。
この2万分の1の確率は、飛行機に乗って死亡する確率ともいわれるから、宝くじ1等よりも確実に高い。宝くじやtotoは買わなきゃ当たらないし、飛行機は乗らなきゃ墜落死しないが、隕石や災害、交通事故などは確率が宝くじ等より高いことだけは知っておく必要がある。
宝くじ発売当局の発表によると、2000年の1000万円以上の当せんは2917本だったという。10万円以上だと毎日435本、3分に1本当たっているという数字だ。これはそれだけ多くくじを売った結果にすぎない。
実は、30枚以上購入者が全購入者のうち55%、20枚以上だと70%という。結局、年末ジャンボの10枚購入者は3000円で買って平均45%として約1350円戻るだけである。 
買わないと当たらないのは事実だが、買っても当たらない。多く買えばその分損をする。よく当たる売場というのはウソ、この売場は空くじも一番多く売っているというのがホントである。

3.ギャンブル必勝法はある?! ない!!
  100円を賭け、負けたら200円を賭け、同様に2倍賭けしていけばトータル100円はプラスになる。これを倍賭け法(マーチンゲール法)という。
  しかし、無限の資金をもち、相手も受けてくれることが条件。カジノではこれを制限している。ちなみに1万円から始めて11回目は1024万円、トータル2047万円が必要になる。20回の負けで21回目は100億円に及ぶ。こんな資金は事実上用意できない。

4.勝率は資金力に比例する
  例えば、Aの所持金が2万円、Bが1万円なら、AはBに比べて2倍の確率で勝つ計算になる。もっとも確率2分の1とすると、期待金は資本金と同じで、資本金の大きい方が必ずより多く儲けられる訳ではない。
(以上2~4は、野口哲典「確率はわかるとおもしろい」(オーエス出版)を参考にしました。)

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ギャンブル事業と消費税

第1.消費税法と課税要件
1.消費税法は第4条で(課税の対象)として「国内において事業者が行った資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三項において同じ。)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下、この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。」とある。
  この「資産の譲渡等」とは、第2条の(定義)の1項8号に「資産の譲渡等 事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供(代物弁済による資産の譲渡その他対価を得て行われる資産の譲渡若しくは貸付け又は役務の提供に類する行為として政令で定めるものを含む。)をいう。」と定められている。
  この「対価を得て行われる資産の譲渡」について、反対給付があれば「資産譲渡」だが、無償による資産譲渡は該当しないと国税庁は解している。(消費税法基本通達第1節5-1-2)
2.以上、法律上の明記の法令はないが、消費税法6条1項の非課税対象、同法別表1四ハや消費税施行令11条の物品切手に類するものの範囲の規定引用により、宝くじ等は非課税取引という見解も一部にある。しかし、これらの法令をどう読めば、宝くじ等が消費税の対象外になるのかわからない。
  ちなみに、これらの規定に関係する消費税基本通達(6-4-3、6-4-4)とその逐条解説でも、宝くじが消費税の対象外になるとは書かれていない。
  むしろ、これら非課税の対象に入っていないことは課税対象というべきである。

第2.現状のギャンブルと消費税
1.パチンコ・パチスロ
  現在、パチンコ・パチスロの貸し玉、貸しメダルの売上(貸し玉料)について消費税は内税化されている。従来、消費税の規則には、パチンコ・パチスロについての取扱いが明記されていなかったが、2014年4月の増税時に貸し玉・貸しメダルの取扱いの関連法令が改正された。これによりホールは、組合単位で商品価格の改定などの動きが広がった。そして結果的に利益が上がり、歓迎されて採用された。
この消費税対応は、1000円当たりの貸し玉・貸しメダルの数を減らして増税分とする「個数調整方式」、貸し玉・貸しメダル料金に消費税分を上乗せして足し合わせ端数を清算する「金額調整方式」があったが、前者が主流となったといわれる。
  そうすると客が1000円で玉を借りた(買った)とすると、その1000円の内に8%の消費税が含まれて、玉が減っているパチスロ店は、その貸し玉1000円のうち消費税を支払っていることになる。貸し玉を仮に500円としても500円分の消費税内税分を納税する計算である

2.宝くじ券、スポーツ振興券(toto)
  現状、宝くじやスポーツ振興の「証票」「券」の発売については「対価性のない取引」との考え方をされているらしく、非課税扱いのままである。
  国税庁は、通達ではないが「消費税タックスアンサーNo.6105」(国税庁ホームページで消費税の運用についての考え方を示したもの)の中で、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等について、判断例を示している。それは、消費税の課税の対象とする一文の中にある。
「1 国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等
(1)事業者が事業として行う取引
   「事業者」とは、個人事業者(事業を行う個人)と法人をいいます。
   「事業として」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し、継続、かつ、独立して行うことをいいます。
   したがって、個人の中古車販売業者が行う中古車の売買は事業として行う売買になりますが、給与所得者がたまたま自分の自家用車を手放す行為などは、事業として行う売買とはなりません。
   なお、法人は事業を行う目的をもって設立されたものですから、その活動はすべて事業となります。
(2)対価を得て行う取引
「対価を得て行う」とは、物品の販売などをして反対給付を受けることをいいます。すなわち反対給付として対価を受け取る取引をいいます。
したがって、寄附金や補助金などは、一般的には対価性がありませんので、課税の対象とはなりません。
また、無償の取引や宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません。
(3)資産の譲渡等
    消費税法上、「資産の譲渡等」とは、事業として有償で行われる商品や製品などの販売、資産の貸付け及びサービスの提供をいいます。」
  
この(2)の中に、無償の取引が対価を得て行う取引にならないとあるのは消費税法2条1項8号からして正しいが、わざわざ「宝くじの賞金なども原則として課税の対象になりません」としているのはいかにも唐突であるし正しくない。宝くじの賞金は、「証票法」13条でいう「当せん金品」であると思われるが、これについては所得税を課さないと明記されている。問題とするのは、宝くじの賞金に消費税を課税するかどうかではない。宝くじの販売・購入に際しての消費税の課題については正面から判断していない。
すなわち、この記載は、宝くじの販売・購入の取引についての消費税課税要件を誤解させるものである。宝くじの販売・購入は、事業者と消費者の間での寄付やチップではなく、例えば、ジャンボ宝くじなら1枚300円の有償取引である。消費者である客は、反対給付をもらう。要件を満たせば最大億円単位から少なくとも10枚に1枚は当たり、換金してもらえるという、有価性ある宝くじ券である。また、一度ハズレになっても、再抽籤して商品を与えるサービスも提供される。
その対価を宝くじについていえば、①要件を満たして大きな金銭を得られる期待権と②企画から当せん金受領に至るまでの事務コスト等実費の対価の双方を含むものといえる。
このように宝くじの販売は、事業者の有償取引であり、対価性も有するものであるから、消費税の課税対象たる「資産の譲渡等」にあたる。
それなのに、現状は適法な消費税の納税もなく販売が続けられているのである。
  宝くじの賞品という表現で消費税の対象外と解しているが、宝くじの賞金は「当せん金付証票法」13条で所得税は課さないと明記している。すなわち、宝くじについては消費税のなかった時代の証票法で所得は課さないとする明文があるが、これは消費税の課税要件には関わりないのに、タックスアンサーは混同しているのである。
  スポーツ振興券の賞金についてはスポーツ振興投票の実施等に関する法律16条でスポーツ振興券の当せんによる「払戻し金には所得税を課さないとしている」。
  この宝くじ券の販売について国税局は、投票券で「資産の譲渡等」にあたらないとも説明したいようだが、いかに払戻率が低く45~50%に設定しているとしても1等億円当たりくじから6等の販売額の払い戻し賞金が10枚に1本もあるから、単なる投票券、対価性のないチケット(券)とはいえない。そもそも巨額の賞金で大量の券を売っているのであって、この宝くじは消費税対象の入場券同様の切符であり、当せんという期待権に有価性を高めた券であり、対価性のある資産等の譲渡品といえる。この理は、スポーツ振興券でも全く同じである。

3.馬券・車券・舟券
  宝くじやスポーツ振興券の払戻率は50%以下と定められているが、馬券等販売収入は70~80%が券の購入者に配当される。もとより予想を当てた当せん者に分配されるので、1券あたりは宝くじほどの大当たりではないが、それでも数千~数百万円の大当たり(大穴)がある。この馬券の払戻金は1枚50万円を超えると1枚につき当せん金の約2分の1が一時所得となる。
  だが、馬券等の一時所得税課税と馬券等の購入販売にあたっての消費税賦課は別途考えられるべきである。この馬券等も当たりへの期待権に有価性を高めた券であり、「対価性のある」「資産等譲渡」というべきである。

4.なお、競馬場、競輪場、競艇場、ボートレース場への有料入場券は、劇場への入場券と同じであるから消費税は必至である。

第3.ギャンブル(公営競技、宝くじ、toto)の消費税推計
  消費税は、消費する客からの預り金のようなもので、店(売主)がその商品サービスを供給するための費用の支払いの中にも消費税を支払っているから、その差額を納めるシステムである。
  そこでギャンブルごとの売上から消費税総額は推計できる。
  ちなみに2015年度のレジャー白書にある2014年のギャンブル市場推計データによると、
 ①中央競馬は2兆4940億円であるからその8%は1995億円(億円以下切り捨て、以下同じ)
 ②地方競馬は  3750億円であるからその8%は 300億円
 ③競輪は    6140億円であるからその8%は 491億円
 ④競艇は    9790億円であるからその8%は 783億円
 ⑤オートレースは680億円であるからその8%は  54億円
 ⑥宝くじは   9790億円であるからその8%は 783億円
 ⑦スポーツ振興くじは1110億円であるからその8%は88億円
 で、以上①~⑦合計は5兆5420億円で8%では4433億円となる。これらの「脱税」は問題だ。

第4.最近の消費税と軽減措置と財源確保論議
  消費税を8%から10%に値上げすることを決めたのは、社会保障のための財源捻出だった。しかし、消費税は福祉目的税でなく、そもそもその目的は国民を説得するための詐欺的な説明だとの批判がある。しかも、2017年4月の10%値上げの際には低所得者対策として軽減措置を導入するという「公約」をどのように具体化するかは不透明である。
  既に医療、介護、保育などの自己負担総額の上限を設ける「総合合算制度」も見送られ、食料品減税で米、生鮮食品、加工食品、菓子・飲料、外食までのうち、外食を除く点で自公与党は一致したと公表された。その1兆円減税の財源確保、工面が先送りされるという参院選対策のデキレースとの非難さえある与党合意である。
  これからその財源のために財務省を中心に工夫もされようが、酒やタバコ、また高級物品への特別課税の現状を考えると、これらギャンブルという「商品」についての消費税課税は理論的にも法解釈上もなされるべきである。酒やタバコへの課税は売上を抑える効果があってもよいという保健衛生、社会政策にもよるものであり、ギャンブル依存症の抑制や過剰な賭け金抑制のためには加重的消費税さえ必要であろう。 
                           (Y)
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漫才「バクチと消費税」

A パチンコスロットは消費税が課税されてるの知ってた?
B そういえば1000円で250個の貸し玉やメダルだったのに、それが2014年の増税の時から玉の数を減らしてたんだってね。
A それなら宝くじも1枚200円や300円の中に内税で消費税が含まれているの?
B いや、それが宝くじやtoto(スポーツ振興くじ)には消費税は課税されていないんだ。
A へえ、何でなの? 業者が有料で売ってる券じゃないの。
映画や野球のチケットは消費税が課税されているって聞いたけど?
B そういうチケットとは違って、「対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付並びに役務の提供」でないという取扱いになっているんだって。無償の取引と同じで「反対給付を受けること」という対価性がないと言うんだ。
A 宝くじはほとんど当たらないからね。それで「対価性」がないということなの?
B 確かにほとんど当たらないとも言えるね。でも都道府県が宝くじで10億円が当たると宣伝している。国税局は「対価性」がないというのだから、どうなってるんやろうね。
A わかりにくいなあ。それなら宝くじやtotoの券は何の価値もないのかな・・・?
B ホント、苦しい説明だね。だから、これらの券は当せん金・賞金を得るために抽籤番号を証明したり、勝馬番号を記載して交付する「証票」で投票券であると言ってるんだ。
A ????
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◇◇ パチスロ研究 報告集 ◇◇

<報告1> パチンコの現況
パチンコとスロットを併せてパチスロというが、日本固有のパチンコは世界の中で日本唯一、且つ、参加人口、賭額、店舗数のいずれをとっても世界一のギャンブルである。
  パチンコは1995年に31兆円を売り上げ(貸玉料)、1万7000店もあった。パチンコ人口は全盛期2000万人に及んでいた。しかし、遊技関連事業協会の統計によると2012年にはパチンコホールは売上高19兆660億円、店舗数11765店、パチンコ人口1110万人という。
  この間、パチンコホールは大型化・郊外化で競争が激化し、マルハン、ダイナム、ガイア、オザム等の大手はさらに大きくなり、中小店は倒産・閉店・廃業していった。パチンコ台数は454万台を超えており、世界の遊技器材の半分以上が日本にある。
 パチンコホールは広大な土地・建物が必要で1台10~60万円のパチスロ機を1店舗200~600台設置する(平均386台)。したがって、派手な電飾、照明、エアコン等も含め装置コストは莫大であり、多数の店員人件費に加え、電気代だけでも月に100~300万円を要するという。
  立地制限の下で苦労して出店し、広大な駐車場を用意し、頻繁に新しい台に入れ替え、出玉率を上げ、広告宣伝し、タレントを呼んでイベントサービスもするなど、コストアップは避けられない。パチンコ業界のサバイバル競争の最中にある。パチンコホールの出玉率の調整は、ケージ内のスタートチャッカー、アタッカーの釘を調整しているし、コンピューター調整もある。これらは本来違法だが、公安委員会や警察は黙認している。
 なお、パチンコホールは、例えば貸し玉1個4円とすると1000円で250個を貸すが、平均100%以上の玉を出すようにしているという。これを出玉率というが、130%にしても景品交換率は67%程度であるから、配当率としては86~87%が戻る計算となり、競馬の75%より配当率はよい。但し、景品や換金段階での裏事情が別にあるという。
パチンコ店はマルハンのような2~3兆円の売上と200~400億円の経常利益を上げるところでも三店方式による賭博類似のギャンブル産業である。そのため、上場したとしてもいつその株が紙くずになるかも知れず、上場は認められていない。ダイナムは香港で上場という奇策をとったが、日本での上場はできていない。そのため、マルハンはパチンコホールなどの建設部門のイチケンという子会社を作り、それを上場させている。
実は、パチンコ業界の中にはパチンコ関係機器業界があり、その市場規模は1兆3792億円という。機器メーカーの1位は京楽2051億円、2位セガ・サミー1818億円、3位三共1585億円、4位三洋1535億円、5位平和1059億円と続く。
 パチンコホールに行けばわかるが、客は無職、失業者、中高年男性らが主流だが、中高年女性も相当数見かけられる。ほとんどが男性客の競輪、競艇場と比べると女性はまだ多いと言える。力のあるパチンコホールやメーカーは、多角経営化を諮り、娯楽、浴場、レジャー、ゲーム、さらにカジノ導入へ向けてシフトしていくと思われる。そして力のないホールはますます淘汰されていくだろう。
 実はパチンコには、景品交換(換金)を正面から認め、今の三店方式というヤミのギャンブルから堂々と公認ギャンブルにしてほしいとの「野望」がある。また、自民党内には、景品交換での換金の際に手数料を徴収することで、公認ギャンブルと同様に地元自治体の収入にしようという構想もある。「パチンコ税」構想ともいわれるが、これで年間交換金20兆円のうち、手数料をその1%としても2000億円の財源が生まれるというのである。
  かなり甘い案だが、これによりパチスロは名実ともに賭博開帳となる。これを民間企業にやらせることは特区でのIRカジノ構想よりも問題が多い。路地裏の隠れた換金所を明るいところに出して公益法人化するともいうが、利用者の換金そのものはカジノでいわれている①犯罪と犯罪組織、②警察の利権化、③マネーローンダリング、④ギャンブル依存症、⑤風紀・教育・環境などカジノ以上の問題がある。
 パチンコの未来は、風俗営業法認可の遊技名目のギャンブルをいつまで日陰者、ダークな存在にしておくのかという、本来コンプライアンスなき産業の解決を考えるものであるといえよう。

(井上善雄)

<報告2> パチンコ、スロット問題の「闇」をなくせ    
1.現在パチンコは三店方式といわれる換金をしており、風営法事業を賭博事業とする「闇」がある。
  しかし、警察庁ではパチンコに「換金行為」はないことになっている(警察庁答弁 2014年8月26日朝日紙)。しかし、実態を知る自民党の高村副総裁ら大物議員らも、この「官僚答弁」にはうんざり。野田毅前税制調査会長も名を連ねる「時代に適した風営法を求める議員連盟」は、そんな建前論はやめてパチンコ課税として換金額の1%2000億円の税収を見込んでいる。
  パチンコは換金しない建前で、客が玉をボールペンや金地金など「特殊景品」に交換してもらい、これをさらに「交換所」に持ち込んで勝手に換金しているだけ、だからパチンコは遊技だというのが警察庁である。
  しかし、パチンコ店では貸し玉が貯玉され、カードに金額で増減が記録される。また、換金用に金地金「景品」が用意される。これは実質、玉の換金である。風適法23条1項1号は、現金又は有価証券を賞品として提供することを6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科される(52条)。だが、金地金は現金でないとして自由にしているのである。そして、パチンコ店の横に換金所があり、現金化される。この金地金景品が「景品卸」を経由してパチンコ店に売られる。この循環は「三店方式」「四店方式」といわれる。
  実は、この交換所の経営は、パチンコ店とは完全に独立別個であることが求められている。しかし、同じパチンコ店の建物の中に交換所がある例さえある。これでは別個の存在といえない。
  交換所は建前上、警察所管の古物商の許可が必要である。警察は風営法上のパチンコ店の監督指導と古物商の監督指導を同時にしている。だから、パチンコの景品「商品」の製造、販売、購入を継続的、体系的に点検すれば、パチンコ店の実質的な換金行為は明らかだ。しかし、敢えてこれを視ないのだ。建前上、換金業者、卸売業者、購入企業が別にあるから「換金していない」というのだが、その判定役の警察がバラバラに見るように決めているのだ。パチンコの景品は、当該パチンコ店の玉と同様決まっているのだから、3店であろうと4店であろうとチームで換金しているのに黒いベールを掛ける役割を警察当局がしているということに他ならない。
2.このような実態は、パチスロを知る者には明白だ。これを具体的に風適法違反・賭博法違反で「告発」する取組がないため、ルール違反が見逃されている。警察はこのパチスロの本質的違反について“共犯関係”のためか、検挙しない(できない)。ギャンブルオンブズの皆様、具体的に調査し是正に取り組んでほしい。この点、風適法23条1項1号、2号は、脱法を許す条項で、改正は急務である。
(帖佐元武)

<報告3> パチスロ どう規制すべきか 
  現在のパチスロがこのままで良いと考える者は少ない。自由論者から禁止論まで整理して報告します。
(1)民間企業にパチ・スロをギャンブル、賭博として認め「自由」にさせる。(が、完全自由論はない。)
  ①換金も自由とし賭博事業者を「許可制」とし監督も行う。・・・賭博業許可(パチスロ新法)
  ②許認可制の下で地域、店、規模、営業方法を監督する。・・・現在に近い
  ③換金業を表に出して許可制とする。(古物商でなく)
(2)厳格な風俗営業内でやらせる。
  ①ゲーム産業として換金脱法も許さない。(三店方式は禁止)
  ②入場者は賭博をする者として身分証明・正当資金証明を要する。(店の点検確認、記録義務)
③18才未満入場禁止など、厳格な証明 (店の確認義務)
  ④入場規制 1ヶ月7日以内、2ヶ月15日以内、1日3時間以内などの規制をする。
  ⑤パチンコは1玉1~2円、スロットは5円以下とする。
  ⑥パチンコ、スロット機でゲーム性に射倖性、夢中にさせ依存させるゲーム機を禁止する。
(3)風営法からパチスロを独占規制させる新立法と規制
  ①開業・開設・開店については警察だけでなく、地域(市区町村)の同意、半径1km以内の住民と教育関係(学校、幼稚園、保育園を含む)各過半の同意を得るものとする。
  ②既存の店も新しく過半の同意と自治体の長と同意(反対でない意見も含む)を新しく得る。
住民の同意(賛否)の意見には、競業者事業関係者(従業員、協力事業関係者)は除く。
(4)違法な営業や脱税をする企業・店舗の営業取消、刑罰等の強化
(5)政治的には現在のパチスロ店をすぐに閉店させる訳にはいかないという人もいよう。
   しかし、金地金換金や三店方式という賭博脱法は現行法でも解釈で取り締まれる。パチスロ店はあくまでゲームセンターとし、対価として相当の物(商品)を得られるだけにする。その上で、カジノのような特区をつくるなら、関係省庁と地方自治体と許可の下にやることになろう。それができないなら賭博パチスロは禁止するしかない。
(鉢 素郎)
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投稿「金儲けだけ」のギャンブルの意味 貝都哲人

1.宝くじを含む公営ギャンブルはズバリ「金」、公共団体が客の射倖心を利用して収奪する金(収益金)にのみ存在意義・社会意義がある。
  社会には「金」で評価できない必要なことが沢山ある。無償なり労働対価として割に合わない仕事が求められている。「公」の政府自治体の欠くべからざる仕事・業務はこのようなものが圧倒している。
  公営競技事業や宝くじ発売は地方自治体の収益事業といわれるが、民営可能な交通事業などの公益事業はそのサービス提供そのものが公共目的であるのに対し、ギャンブル(賭博)は、サービスそのものが公共目的であるとはとても言えない。したがって、公営事業で収益性があってもギャンブル事業はとても公益サービス提供とはいえず、いわば、市民のうち射倖心を持つ者を対象として収益を得ているにすぎない。この収益金は、悪銭もまた金である、金に色は付かないという理由で第二の税収源のように扱われているのである。
2.本来、刑法に禁じた賭博開帳や富くじ販売を公共主体がすることは反社会的で「邪道」である。ギャンブルが市民への公共サービスだとは、絶対に言えない。
  闇の不法ギャンブルをなくすための手段として公営ギャンブルは有効であるという「理屈」もあるが、公営ギャンブルはむしろそのシステムを利用した営業的な「ノミ行為」さえ生む。公営ギャンブルがあることで賭博禁止・抑止への規範意識の形成を妨害している。事実、不法のギャンブルが公営ギャンブルによって阻止・抑止されたということはない。大麻を合法化しても麻薬や覚せい剤の使用所持・販売といった薬物犯をなくすことにはならない。(もちろん、全て自由にすれば立件事件もなくなるが、その濫用状況が出現する。)
3.ギャンブルは、スポーツやゲームといった娯楽と共になされるため、本来のスポーツ、レジャー、娯楽のサービスと一体化して取り扱われることがある。競馬、競輪、競艇、オートレースにスポーツ性があっても、この勝負に金を賭けなければ行えないものでない。(野球、サッカー、相撲etc、スポーツに関して賭博があってもそれは別個のものである。)
  宝くじ・totoに関する「スポーツ性」など、その収益金の使い道をいうにすぎない。トランプゲーム、マージャン、将棋、囲碁は、金を賭けなければただのゲームである。結果・成績に金品を賭けると賭博になる。
  パチンコやスロットも本来はゲームだけのものだった。商品を出したり、さらにそれを換金することによりギャンブルとなった。日本のパチスロはカジノのスロットのように直接チップを換金せず、三店方式という脱法システムをとっている脱法ギャンブルである。
  もちろん、パチンコ・スロットに気晴らしにいく者もいるが、客の本音は勝ちたい、金を儲けたいというのものである。気晴らしだけで高いパチスロ代が支払われることはない。気晴らしができれば賭博でないというなら、勝てば気晴らしにはなるから全ての賭博は賭博ではなくなる。
  要するに、賭博をレジャーと言おうと余暇のゲームと言おうと、それは好きな者にとってはそうとも言えるというにすぎない。負けたり借金を背負えば余暇や娯楽どころではない。賭博は客のうち95%以上が負ける。主催側は絶対に負けない。
4.ギャンブルの開帳と富くじの販売はトータルとしては必ず儲けられるので、客に対しては射倖的な様々な「夢」物語や物的サービスがその額に応じて提供される。富くじの確率は著しく低いが高額当せんの夢がある。カジノでのサービスでいえば高額カジノ利用者のコンプ(酒、食、ホテルの無料提供)までがある。副次的に提供されるサービスとは、「夢」「射倖心のはけ口」となる。
5.客の側も金を儲ける夢の機会を主観的に得たとしても、その機会に得た「夢」とは精神的な病癖、アディクション、依存症、障害といえるものである。
  結局、賭博で勝った金は自ら労働して得た成果でも他者から感謝されて得た金でもなく、その金額は他人の犠牲の上に射幸によって得たというものにすぎない。また、賭博収得金は、自己の社会的貢献として評価もされず、他者からは怨嗟の声を受ける。よって他人はおろか身内にさえその金を隠すことも多い。
  金儲けだけを考えるギャンブルの世界は、人生における本当の生きる意義や歓びとは完全に隔絶したところにある。
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コラム

フランシスコ・ザビエルの手紙
 1949年に日本に来たフランシスコ・ザビエルは、日本人が名誉を重んじることを評価したあと、「人々は賭博を一切しません。賭博をする人たちは他人の物を欲しがるので、そのあげく盗人になると考え、たいへん不名誉なことだと思っているのです」と書いている。
イスパニア人のザビエルは、インドから鹿児島に上陸してキリスト教を伝えた宣教師で、大内義隆や大友宗麟の保護を受けて2年間日本に滞在した。
1949~1951年当時の日本は戦国時代で、各地の領主は「法度」で賭博を厳しく取り締まっていた。逆に言えば、賭博が流行していたともいえる。したがって、ザビエルが知ったのは上級武士の建前の世界だったともいえる。

カルタの伝来
 ポルトガルは、インド西岸のゴアを拠点とし、マカオを中継して日本を目指した。ポルトガル船は1543年に種子島に接岸し、ザビエルに続いて1562年より長崎に入港するようになった。以降、カルタが日本に伝来し、1597年には長宗我部元親の掟書で「博奕、カルタ、賭勝負を禁ず」とした文書がある。
 しかし、実は「倭寇」と呼ばれる中国人と日本人の貿易・海賊集団が16~17世紀に出現していた。この船員らがカルタ賭博を興じていた可能性が高い。
 ヨーロッパのプレイングカードは14世紀後半に欧州中に広まり、15~16世紀にはインド・東南アジアに伝播していたことは想像に難くない。現存する日本最古のカルタは、裏面に「三池住貞次」と書かれた1枚の札が残るのみである。これは「天正かるた」と呼ばれているが、天正年間(1573~1592)に作られたというわけではなく、慶長(1596~1615)の頃のものと推察されている。カルタは欧州のギャンブルカードの「紙札」だった。
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最新ギャンブル事情

1.「レジャー白書2015」は日本生産性本部発行のA4版190頁(7000円+税)の本。この本はギャンブルを余暇の娯楽部門に位置付けて各年紹介している。以下、書籍紹介を兼ねてこの白書のデータを紹介し、ギャンブルオンブズの眼でコメントする。
  本書は、娯楽として囲碁将棋などのゲームと同並にしてパチンコ、宝くじ、サッカーくじ(toto)、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースと分類する。人的傾向のデータは全国15~79歳までのサンプル調査をし、有効回収数3325名(男1623、女1702)として統計化している。毎年同様のサンプル調査による推計データである。
  まず、余暇活動の1位から40位までをあげる。宝くじは2013年に10位、2014年に14位で入っている(白書23頁)。
余暇(レジャー)とはスポーツ、趣味・創作、娯楽、観光・行楽、その他の活動を指し、そのうちの娯楽はさらに8つに分類され、その一つとして「ギャンブル」が項目付けされている。この「ギャンブル」記載の項目について視てみよう。以下の表の9~16は、今日堂々となされているギャンブルである。
(1)性・年齢別参加率(2014年)(白書44頁)
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  このデータは3325回答における参加率である。宝くじの参加率33%は、カラオケの参加率33.6%に近く多い。

(2)参加人口の性別・年齢別(2014年)(白書48頁)
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  これによると、パチンコ1150万人、宝くじ3340万人、toto900万人、中央競馬890万人、地方競馬340万人、競輪160万人、競艇230万人、オートレース80万人。宝くじの男女比率は54:46と近いが、その他は男が7~9割を占める。そして高齢者(60~70代)の比率が2割を超えて高い。

(3)参加率・回数・費用(2008~2014年)(白書57頁)
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  これによると、パチンコと競馬への費用額は多い。2008年より2014年の参加率が増加しているのは、toto、競馬、競輪、競艇、オートレースで、宝くじとパチンコは減少している。平均費用額でも宝くじとパチンコは減、その他は微増となっている。
(4)性別参加率の推移(2008~2014年)(白書61頁)  
  パチンコ・宝くじは男女とも減、totoは男で倍増、他は微増となっている。
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(5)参加人口の推移(2008~2014年)(白書65頁)
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  パチンコは1710万人から1150万人、宝くじは4380万人から3340万人へ減り、totoは150万人から300万人、中央競馬は750万人から890万人へというように公営競技参加は増加している。

2.以上のデータやギャンブル事情について以下コメントする。
  白書は、余暇市場を2014年で72.9兆円とする。国民総支出(名目)は同年487.5兆円だから少なくない比率を示す。しかし、ギャンブルを含む娯楽部門が50.2兆円を占め、その中でもパチンコが突出している。白書は、パチンコは減、宝くじは伸び悩み、totoは大きく伸びたとする。

3.パチンコ・パチスロ(パチンコ)は2年連続減となり、1000台以上の大型店により中小店が閉店した。今や上位10社による店舗数シェア率は10%、台数は15%という。「定量制営業」は改変されている。貸玉・貸メダルの消費税対応は1000円当たりの玉・メダルを減らす「個数調整方式」と消費税上乗せ端数で精算する「金額調整方式」があり、前者が主流となったという。
また、パチンコ税は2015年は見送られたが、IR法で再燃可能性がある。そして2014年8月の厚労省研究班による「依存の疑いのある者536万人」という指摘でパチンコ業界はワーキンググループを設置して議論している。

4.公営競技はようやく明るい兆しだという。しかし、競技間の力の差は鮮明で、競馬は伸び、ボートレースは大伸び、競輪は減り、オートレースはさらに減っている。
  中央競馬では、ドバイレースでJRAの馬が勝ったり、馬券の種類ごとの払戻率を変更した。地方競馬も本場・場外売上より、電話・インターネット投票による収入でやっと収益をカバーしている。
競輪は売上減の下、場外や電話投票でやっとカバーしている。競輪場の廃止もあり、43場となった。
競艇は、競輪と異なり回復が続くが、これも場外や電話投票でカバーしている。場外券売場6店オープンや、女子レースなどグレード見直しを続ける。
オートレースは18年連続で売上減少。電話投票はプラスだが、本場・場外共にマイナスとなった。オート発祥の地である船橋オートも廃止となった。
宝くじも売上減となり、様々なくじ(ナンバーズ、ロト、ジャンボもドリーム以外は)で前年を下回った。2014年4月開始したプロ野球パリーグスクラッチをはじめ、様々なくじを発売して客の歓心を買おうとしている。2014年1月からインターネット販売を、ジャパネット銀行、みずほ銀行、楽天の3社で始めた。
スポーツ振興くじ(toto・BIG)は売上増となり、1000億円レベルとなった。これには最高10億円のBIG、ワールドカップや海外サッカーを対象としたtotoが導入されたり、2015年2月からtotoのキャリーオーバー発生時の1等賞金を2億円から5億円に引き上げたりした背景がある。totoは2020年東京五輪・パラリンピックの施設(国立競技場)建設資金とスポーツ団体への助成金の財源として売上拡大を目指す。宝くじ、ジャンボ、ロト、ナンバーくじやBIGは、顧客をほぼ食い合う格好のものになっている。

5.余暇市場のパチンコ・パチスロと公認ギャンブルの市場は、1992年以来2014年まで次のように計算されている。(白書118~119頁)
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  この市場規模は、様々な資料による独自の推計値という。例えば、2015年版よりパチスロは推計方法が変わったのであるが、旧方式では1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2010年以降は20兆円を切り、2013年は18.8兆円としていたが、見直しを行った結果、1994~1996年は30兆円台(貸し玉)、2002~2007年は30兆~34.8兆円、2008年以降下降し2014年は24.5兆円としている。

  公認ギャンブルは売上実数が公表されており、全体で1992年9.6兆円から低下傾向で、2011年5.2兆円、2014年5.5兆円とされる。
  この数字をみれば、脱法ギャンブルであるパチスロは公認ギャンブル全体の5倍近いレベルであり、パチスロメーカーを含めたその市場規模は、2014年の余暇産業全72.9兆円のうち30%以上を占めるという大きなものとなっている。
  ちなみに、2014年の余暇市場のうちスポーツ部門は全体で3.9兆円、趣味・創作は8.2兆円、飲酒部門は18兆円、観光・行楽部門は10.5兆円であるから、パチスロ市場の突出ぶりがわかる。
  なお、パチスロ市場の評価見直しの背景には、総務省統計局の2014年12月19日公表「サービス産業動向調査拡大調査報告書」で示された2012年の遊技場の年間売上高27兆151億7400万円、1円パチンコホールを加えた2012年度年間数値は34.3兆円というデータや、業界のダイコク電機による「DK・sis白書」で示された2012年度推計値24.8兆円というデータがあったからである。このような公的データや新データもあって、レジャー白書は2012年を基準年として25.6兆円という評価をし、1992~2014年までの修正を行った。
  ギャンブル問題を扱う識者・学者はよく、パチスロはかつて約30兆円規模の売上であったが今では18兆円台であるといってきたが、この修正値を元にいえば、かつて2005年には34.8兆円の売上であったが2014年には24.5兆円になったというべきことになる。
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2015年12月22日

事務局だより

○12月15日に発表された今年の漢字は「安」。安倍はノー天気に安が倍になると喜びましたが、選者は安保法が戦争法である「不安」、テロや災害・原発の「不安」と安心できる福祉を求めたものです。

○2012年3月発行の創刊号から3年9ヶ月続けて今回40号を迎えました。今回は硬派の論調が強いですが、次回はもっと軟派になればと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


【裁判情報】
大阪高裁 平成27年(ネ)第3156号 宝くじ販売差止請求控訴事件
平成28年2月18日(木)午後1時15分  別館73号法廷(傍聴可)


当会は財政上は専らカンパで成り立っています。
会費・カンパを下記口座までお願いします。

りそな銀行 北浜支店 普通0115719
口座名義:ギャンブル被害をなくす会


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ギャンブルNEWSピックup (2015.9.28~12.10)

2015. 9.28  赤旗    横浜のカジノに反対 法案継続を批判 市民団体が集会
10.3  ベトナム  現地メディアが内国人カジノ利用解禁を支持
10.4  産経    中国の景気低迷と反腐敗キャンペーンがマカオ直撃 カジノは閑古鳥
10.5  神奈川   どうなるカジノ誘致 法案は継続審議
    秋田魁   ギャンブルで介護予防 やりすぎ防止 神戸市が条例
    ベトナム  国内の合法カジノ8ヶ所、14年売上高は1.4兆VND(約74億円)
10.6  日経    マカオのカジノ産業に広がる投資家離れ
    スポニチ  大のギャンブル好き 巨人・福田 野球賭博関与
     〃    球界激震! 巨人・福田が野球賭博 刑事事件に?警察への届出も
    ニッカン  野球くじ断念か 巨人福田の賭博関与、政府内に衝撃
10.9  サイゾー  パチンコ業界の介護ビジネスがヤバすぎる! 老人を無料体験で依存させ、貯金を搾り取る手口とは
10.13  産経    パチンコ店放火事件で弁論 最高裁
    中国メディア  韓国のカジノ、「モデルが付きっ切りでサービス」と中国人客集める
10.14  日経    香港 マカオカジノ株低迷、重荷
    朝鮮日報  中国国営中央テレビ「済州島カジノ、三流女優の性接待で中国人客誘致」
10.15  NPOビッグイシュー基金 報告書『疑似カジノ化している日本』発行
10.17  マカオ新  韓国カジノの中国人ギャンブラー勧誘めぐり中韓がせめぎ合い
10.19  朝鮮日報  日本でパチンコに興じる韓国プロスポーツ選手たち
10.25  週刊ポスト  内部調査で発覚 某球団主力選手5人が裏カジノ出入りの情報
10.26  朝日    介護施設に「カジノ」、効果は 類似通貨でパチンコなど
     読売    貧困子供のSOS:母いない夜 公園通い(母は生保費をパチンコに)
     〃    工藤会の金脈断つ パチンコ店、みかじめ料の被害を警察に訴え/福岡
10.27  毎日    窃盗:パチンコ好きで生活苦 鹿沼署巡査再逮捕 失踪、都内など転々
    デイリー  カジノで巨額賭けた3選手が代表から外れる…韓国球界大揺れ
10.28  産経    脱カジノ依存へ一歩 マカオ、家族向け施設開業
    IRジャパン  米領サモア:カジノ施設設置を検討 観光振興策 津波からの復興挑む
10.29   〃   沖縄県:島尻沖縄相インタビュー(琉球新報)「カジノを含むリゾート(IR)には賛成」
10.30  毎日    戒告:小学校教諭、拾ったカード使いパチンコ/群馬
10.31  読売    パチンコ業界 暴排誓う 暴力団排除総決起大会開催(30日)/福岡
11.1  スポ報知   パチンコ「等価交換」消える
    IRジャパン  日本IR創設サミットin泉佐野:IR議連、監査法人、識者、オペレーター勢揃い
          IR推進法案の展望~次期国会での成立に向け、政府と意思統一
11.4   <当会 会報第39号発行>
     産経   『科学研究とデータのからくり 日本は不正が多すぎる』谷岡一郎著
11.7  朝日    公営ギャンブル 試行錯誤 無観客で経費削減、ネット販売で活路
11.9  サンスポ  「借金返済のためパチンコに」同僚の財布盗み3等陸曹懲戒免職
    マカオ新   マカオ:カジノ入場禁止申請わずか700件=当局は依存症対策へ啓蒙活動強化、カウンセラー大幅増員の意向
11.10  サンスポ   巨人2軍球場が賭場…マージャン、トランプ、高校野球でも恒常化
     ニッカン   巨人解雇3選手は「闇カジノ」でバカラ賭博も
11.14   〃   バカラ賭博場、店長や客ら逮捕 和歌山
11.18  IRジャパン  韓国:IR3社計の3Q業績 KWL順調 外国人専用カジノ事業の環境は中期的に一段と厳しく
11.24  神戸    遊技提供の介護施設規制 県、神戸市「税金投入適さぬ」
     ニューズウィーク  カジノの都に残ったトランプの大きな爪痕
11.26  中央日報  韓国検察「林昌勇選手、マカオで4000万ウォン賭博認める」
12.2  IRジャパン  ニュージャージー州北部にもカジノ導入をめぐり政治対立(カジノ利益をめぐり)
12.3  マカオ新    マカオカジノ売上18ヶ月連続前年割れ 11月2529億円(32.3%減)
     〃    マカオ:全体犯罪減るもカジノ絡み高利貸し、監禁犯罪3割増
    日経    カジノ事業へ投資として集め出資法違反(ネットカジノの出資と称し48.8億円)
   名古屋TV   暴力団、違法カジノから用心棒代 山口組系幹部逮捕
12.8  IRジャパン  シンガポール:見通し カジノ市場 2015年は48億㌦、2016年も停滞
     〃    米国:アラバマ州 コマーシャルカジノ設置法案 2016年の成立は困難な情勢に
12.9  日経    カジノ「反対」45%、「賛成」29%を上回る 電通調査
     朝日    電通、IR(カジノを含む統合型リゾート)に関する調査を実施
12.10  静岡    浜松市職員236万円横領「パチンコで借金」懲戒免職
     中央日報   野球・吾昇桓(阪神タイガース)、「1000万ウォン未満の賭博」認める



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書籍紹介

『Casinonomics ; The Socioeconomic Impacts of the Casino Industry』
(直訳:カジノミクス―カジノ産業の社会経済的効果) ダグラス.M.ウォーカー(2013年)
和訳出版名『カジノ産業の本質―社会経済的コストと可能性の分析』
(日経BP 山田美明他訳 344頁 2015.6.15 4500円+税)

 原著者は前書きで、2009年出版の前著「カジノの経済学」よりも多くのデータを利用して実証的研究に重点をおいたという。米国カジノには、①商業カジノ、②インディアンカジノ、③レーストラックカジノ(競馬場やドッグレース場に併設されたカジノ)があるが、①を分析対象としたという。本書は4部構成からなる。力作なので詳しく紹介する。

1.<1部>カジノの経済的利点の視点で次のように項立てする。
 ①カジノと経済成長、②ギャンブル、消費者行動、福利、③カジノと経済成長に関する誤り、④カジノと経済成長の関係分析、⑤カジノと経済成長の関係を示す最新の証拠、⑥カジノが州の税収に及ぼす影響。これらを述べて、著者はまとめとして、カジノ産業を他のエンターテインメント産業と同様視し、これを否定する見解を「単純、悪く言えば短絡的である」と断ずる。
 そして、カジノ産業は経済活動として建設から運営までの資本投資、労働力市場を提供し、プラス効果を生むという。そして最大の経済的利点は、消費者支出の選択肢増だという。
 カジノ反対派が経済に対する実質的負の影響を問題とするのは正しいとしつつも、カジノ産業には雇用増大と消費者が進んで支出する(買う)サービス提供以上の経済的便益があるという。ただ、著者はカジノが州地域の経済に貢献する(経済成長、雇用、賃金にプラス)一方、合法化の利点として挙げられる税収増の効果を示す証拠は見つからなかったとする。

2.<2部>病的ギャンブルと関連行動として次のように項立てする。
 ①カジノと飲酒運転による死亡事故、②ギャンブルと犯罪、大量飲酒、薬物使用、買春、③ギャンブルと注意欠陥、多動性障害。そして、①飲酒死亡事故は高め、負の影響がある、②ギャンブル行動は犯罪、大量飲酒、薬物使用、買春に走りやすいこと、犯罪傾向はロトとカジノ以外のギャンブルで強いこと、③ギャンブル行動とADHDの関係では多動・衝動型ADHDでは有意な関係があったとする。そして、大方の予想どおり、分析の結果は心理学的研究の結果と大方一致するという。
 その中にはギャンブルでの損失が501~1000ドルの者は一般人より15%、1001~5000ドルの者は27.5%も高く、5000ドル以上でも24~25%高いデータはあるがサンプルが少なく統計的有意といえないとする。しかし、ギャンブルの損失額が大きくなると犯罪に係わる可能性を示唆するという。この傾向は男性が強く、女性は重大な犯罪に係わったのは3174人中259人、8%であったのに対し、男性は2971人中669人、22.5%という。
 次に、薬物使用ではDSM適用の問題ギャンブラーは平均より73~84%高く、薬物使用がかなり重いという。カジノの大量飲酒は20~26%上昇させ、買春は17%高いという。ここで著者は、これらの問題行動や有症率、ADHDについてどうすべきか考える必要があるという。

3.<3部>社会経済的側面から見たギャンブルの負の影響として次のように項立てする。
 ①ギャンブルの社会的コスト、②社会的コスト分析の問題、③ギャンブルは非生産的な活動か、④カジノと犯罪:論文の再検討、⑤カジノの商業用不動産、⑥ギャンブル産業内の関係 を述べる。
 ①②では、社会的コストの定義がはっきりしていないことから、社会的コストを過大に見積もられるという。しかし、社会的コストを貨幣換算するのは本質的に無理という。そしてギャンブルに関連する特定コストに焦点をあて、カジノと犯罪には明確なつながりがないとし、カジノの導入が他の産業をカニバライズするかどうかについて、ある種の小売店や観光はカジノの恩恵を受けるとする。そして、カジノはドッグレースと宝くじにマイナス、競馬にはプラスの影響があるという。
 なお、ギャンブルは非生産的な活動との指摘について、ノーベル賞経済学者のサムエルソンの言葉を引用して批判することに対し、その論者はこれを都合の良いところだけ引用するものとして、サムエルソンの脚注まで利用して、誤引用だと批判する。
 『サムエルソン経済学』(岩波書店 都留重人訳)によると、上巻448頁の本文には、「なぜ賭け行為はこのように好ましくないと見なされるだろうか。その理由の一部、おそらくはいちばん重要な部分は、道徳とか倫理ないし宗教の分野に属することからであると思われる。これらのことに関しては、経済学者は経済学者の資格では最終判断を下すことはできない。しかし、経済学の立場においても、賭け行為に対しては相当に有力な否定的論議がありうる。第一に賭け行為は個人同士のあいだの貨幣の、または財貨の無益な移転にすぎないという場合がある(註)。それは何の産出物を生まないのに、しかも時間と資源を吸い上げる。レクリエーション―そこでの主目的は時間をつぶすということにある―の限度を超えて行われる場合には、賭け行為は国民所得の削減を意味するだろう。経済学者の立場から見た賭け行為の第二の欠点は、それが所得の不平等と不安定性を助長する傾向を持つという点にある。それぞれが同一の金額をもって賭けを始める何人かの人たちも、帰るときには大きく差のある金額を懐にしているのが普通だ。賭けをする人の家族が当然予期しなければならぬのは、日によって世界の頂点に立った状態であるかと思うと、そのうちまた運勢が変わって――賭け行為について我々が確実に予言しうるのは、運勢は変わるということだけだ――今度は飢えに迫られるようになるかも知れぬという点である」と詳しく書かれている。また、(註)でも「職業的に経営されている賭け行為では、どれでも実際にはお客が差し引き損をするようになっている。どうして漏損が生ずるかというと、それは「親」のほうに勝ち目があるように仕掛けてあるからで、「正直」な親でも長期的には勝つようになっている」とある。
 
 著者は、サムエルソンの次頁の脚注まで引用して、投機と保険にかかわる賭け行為の禁止の議論に触れ、「適当の賭け行為は社会的に有用な方向に引き入れて転換できると考えている人たちもある」の言葉を引用し、ギャンブル一般の肯定論があるかのようにいう。
 しかし、著者自身、「コカインやギャンブル癖をアイスクリームやテニスシューズとは決定的な差がある」としたサムエルソンと共著のあるノードハウス氏らの言葉を聴いたとする。
 賭博行為そのものを経済的に有用なものとするには、ビジネスとしては保険や危険分散のための投機という範囲に限った本来の使い方であるべきで、射倖心を利用した賭博産業ビジネスは、サムエルソンの是認できるとしたものではない。

4.<4部>全体のまとめで、ギャンブル研究の歴史と今後を述べている。ここでは2007年発行の原著への自負が大きく述べられている。
 本書では全く研究できていないオンラインギャンブルについては、ゲインズベリーの2012年発表によれば、2011年の世界のオンラインカジノの収益は推定330億ドルになり、これは米国商業カジノと同規模で、カジノや宝くじより速いペースで成長を続けるのは確実とある。

5.米国の一部州でも、オンラインギャンブル(オンラインカジノなど)が出現しており、オンラインギャンブルは国境を越えるという。330億ドル(4兆円)規模のギャンブルは、今後日本でも拡大していく可能性が大であり、インターネットを通じて問題のあるギャンブル、収奪的なギャンブルは、さらなるギャンブル被害拡大を招くこと、必至である。
 原著者は、オンラインギャンブルを既存ギャンブルセクターへの影響として重要な研究テーマというが、それらの将来の研究は、①過去の研究、②データ入手の可能性、③研究方法の技術革新、④ギャンブル産業の変遷、⑤政策決定者の関心、⑥研究資金の有無によって決まるという。

6.本書は、カジノ肯定の前提に立った上で、カジノの企業経済的効用をいい、その否定的側面にも言及しているが、ギャンブル依存をはじめとする負の社会的側面には限定した調査しかできていない。
 それでも、第2部として病的ギャンブルと関連行動をまとめることによって、負の社会経済コストも一応検討した分析になっているが、原著者もその負のコストの検討は十分ではない。そもそも自由経済市場にすることができない賭博産業―カジノ産業の本質は変えようがない。



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コラム

大阪府立精神医療センター(OAC)
 全国5ヶ所で国が実施するモデル事業(平成26年から3年間)を活用し、当事者、自助グループ、司法、医療、行政からなるネットワークとして平成27年5月に設立される依存症治療拠点機関の一つである。報告書によれば、平成26年(H26.10.3~H27.3.31)は、府の受託事業として大阪府立病院が主体となって精神科が対応し、ギャンブル依存の相談も5件(男4、女1)あった(薬物40件、アルコール3件)。現状は、ギャンブル依存症を原因とする犯罪収監者へのプログラム(大谷大学滝口直子教授)に参加している。具体的には、京都拘置所において平成27年1月16日~2月27日まで5回に及ぶギャンブル依存症についての講義に参加するなどしている。


老人介護とパチンコ
 平成27年8月11日、神戸市は、パチンコなど射倖性の高い遊技を提供するアミューズメント型デイサービス施設を規制するという、全国初の条例の制定方針を明らかにした。ギャンブル性が高いことは介護サービスとして不適切なため、そのような遊技を長時間提供する施設は介護事業者として指定しないという。
麻雀、パチンコ、ゲームが高齢者の脳を活性化させるとして導入する施設が増えているが、市が視察したところ、一日中麻雀やパチンコ台に座らされたり、仮装コインまで使わせる仕組みのものもあり、デイサービス事業者として遊技主体のサービスは不適切と市長はいう。
 パチンコやゲームによるギャンブル介護が不適切なら、現在の1円パチンコは介護サービスを兼ねているかのように老人らを誘惑しているのも不適切であろう。
 さらに、後日の報道によると、この条例は成立し、他の自治体へも波及している。


賭博と道徳
 道徳とは「人のふみ行うべき道」で「あるべき社会でその成員の社会に対する、あるいは成人相互間の行為の善悪を判断する基準として、一般に承認されている規範の総体。法律のような外面的強制力を伴うものでなく、個人の内面的な原理。今日では自然や文化財や技術品など『事物』に対するあるべき態度もこれに含まれる。」(広辞苑)という。
 この道徳によれば人が「欺し」「欺し合い」「盗み」「盗み合い」になる賭博は非道徳になろう。遊び「ごっこ」は互換性がある。金品、時間が限られ、他人を収奪することなどないものに限り許される。
 相手が「承諾」していれば自由という自由主義は、事案に応じた程度にもよる。何でも金で買える自由などない。自由主義を掲げる社会は思想・信仰や学問、職業、婚姻、家庭生活などから表現の自由まで外部と関わらない内心の範囲では絶対的といえる程自由でよい。しかし、外部に影響を及ぼす程度で相応の規制を受ける。
 賭博開帳や富籤販売はこの点、他人の生活と共同社会に悪影響を及ぼすから法令上禁止されている。健全な遊びを逸脱し、他人の生活を破局しかねない賭博も非道徳といわれても仕方がない。
 賭博自由論は、禁止がかつて支配者の上からのものであったり、支配者は自らは行い、被支配者のみが禁止されたという歪みからの抵抗権論とこれを自由にしても弊害は少ないという論である。
 しかし、賭博の完全自由はどの国家や社会にもない。主催者には二重三重に制限(時、所、機会や資格)があるし、客の方にも国籍、人的要件、年齢、経済条件、賭けられる条件等の制限もある。この個人規制は、その本人や家族の将来にとっての安全を担保するのでなければならない。個人の健康増進のためにカジノやパチンコが必要などということは考えられない。ゲームが必要で自由にしても、商業的な金を賭けることは禁止してよい。賭博開帳は特に禁止してよい。賭けなければゲームを楽しめないとすれば、それは“病気”であり、「人の行う道」として肯認できない。


「一攫千金」
 2015年12月4日、日本新聞協会は「新聞広告クリエーティブコンテスト」を実施した結果を各紙で広告している。今年のテーマは「お金」。全1181作品から選ばれた入賞作品に「一攫千金」という作品がある。縦書きでデザインされており、「攫」の手へん部分から伸ばされた手が「金」の文字を握っている。(「攫」の目の部分は二つとも目のイラストになっており擬人化されたよう。)
 これは学生賞で学生作品のようであるが、「金」の文字より発する八方への光の中に、「わたしの夢は働かないことです」とある。(「夢」「働」の文字は一際大きく書かれている。)
 不労で大金を穫る方法は侵奪かギャンブルしかない。このポスターの下に「宝くじ」か「toto」とでも入れればピッタリの広告である。
 ちなみに、最優秀賞はお札(紙幣)に「使用期限をお金にも。」入れたらというものだった。だが、「使用目的をお金にも」入れてほしいところである。



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用語解説

「嗜癖・依存・障害」
 人が薬物など物質に依存することを物質依存という。これに対し、ギャンブルなど行為に依存することを行為依存という。
 かつては病的と評価し、病的な嗜癖(Pathological Addiction)はその後、病的な依存(Pathological Dependence)と呼ばれるようになったが、必ずしも病的との形容詞は付けられなくなり、近年は単にギャンブリング障害(Gambling Disorder)とも呼ばれるようになった。
 人は何か、誰かに依存(Dependence)しているし、人の行動(その中には薬の服用もある)がくせ(癖)となると否定的な評価が加わる。それがさらに進んで、やめられない止まらない状況になると“病気”と評価もされる。依存症の語は病気になることへの責任評価が加わっている。それを除けば、障害という客観的状態の評価となろう。そのためギャンブルでは賭博嗜癖、病的ギャンブル(賭博)、賭博(ギャンブル)障害とも呼ばれる。
 私達は嗜癖や依存、障害の言葉を使う時に、その背景の意味を知っておくことが必要だろう。
                                       

Responsible Gambling(RG)~責任ギャンブリング~
 このRGについて会報21号(2014.3.3)でも紹介しました。RGは本来、ギャンブルは正しい教育、情報、そして問題ギャンブルを未然に防ぐセーフティネットも備えられるべきという意味で使う立場と、ギャンブラーが合理的判断をするなら問題ギャンブル(Problem Gambling)は起きない筈だとして「自己責任」という意味でも使われる。
 問題ギャンブルが社会的に公認されると、ギャンブルのリスクさえ情報提供すれば後はギャンブラーの問題だというのがギャンブル産業側の主張となっている。パチスロ産業は最近、「のめり込みに注意しましょう」という案内をもって、後は客の問題だとする立場である。
 しかし、Predatory(略奪的)Gamblingを仕掛けたり、また客にBias(偏見、誤解)を与えたり、Speculative spirit(射倖心)を刺激するギャンブル産業(事業)は、RGも反することは明白である。



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投稿  依存症の時代     石野 博人

1.私たちは依存症の時代にいる。
 日本は伝統的に酒アルコールには寛大な国で、酒は人の交際の場に多用される。酒は度を超えてしまったり、自他に危険を生む時は厳禁されるようになったが、今も酒の宣伝広告は無差別的であり、社会的にも個人にも酒の害は多い。イスラム圏のように禁止までしなくとも、近時のテレビその他の宣伝には問題が多すぎる。
 アルコールは人の気持ちを外に向かわせ快感をもたらす合法的な「薬物」だが、麻薬や覚せい剤など「ドラッグ」は人の気持ちを内部化し、外と独立した快楽の世界に引き入れる。
 人は古代から麻薬を知っていたが、19世紀以来、阿片、モルヒネ、ヘロインとその薬効を高める発明がされ、20世紀にはヒロポン(覚せい剤)、リタリン(精神刺激剤)、SSRIなど抗うつ剤が生み出された。そして、非合法の覚せい剤と医師処方のリタリン等の薬物(ドラッグ)依存者を大量に生み出した。薬物依存は、精神病治療だけでなく睡眠改善、精神安定を目的にした薬剤が開発され、大量使用のために起きた。
 酒や薬物だけではない。私たちは消費社会の下にあり、欲望を「拡げ」「あきらめず」「いつまでも」「消費し続ける」ことを企業から日々宣伝され、誘惑が繰り返されている。そのため、あらゆる物品やサービスへの過剰消費が生まれている。携帯・スマホ、サプリメント・・・。病気といえるかどうかもわからない加齢による老化も、“治療”“健康”“美容”“快感”を期待して依存度を深め続けている。

2.直接に自分個人の欲望を実現しようとしている“依存”もあるが、現代の依存は社会的にシステムとして生み出されているものである。
 私たちは、現代の自由主義・資本主義の下で、建前上は自らの責任により成果・成功を挙げることが求められている。しかし、その成果・成功は、多くは他律的である。この成果達成へのストレスは重い。そこから開放を求める人にも「あきらめるな」と圧力がかかり続けている。そして、その中から薬物依存も生まれている。また、個人に対して日々高まる逆境や誘惑に対し、十分自らをコントロールする教育、ケア、協力の十分にない社会である。
 かつては不条理な不自由さも多かった。「やりたくてもやれない」ことが多かった。それが、やらなくてもよいものに依存させるものが多くなった。ギャンブル(賭博)への依存でいえば、法的な禁止から戦後部分的に合法化した公営競技や宝くじがある。そして、その賭博行為を拡大し宣伝し、ギャンブル世界に誘惑する広告が溢れている。公営競技、宝くじ、スポーツ振興くじ、世界唯一にして最大の脱法賭博パチンコ・スロットまで、その宣伝は続く。しかし、依存症については、その予防や教育さえほとんどされていない。
 「やめたくてもやめられない」ギャンブル依存症群536万人といわれる時代にしたのは、物質依存と異なる行為依存だと分類する見解もあるが、社会システムが依存症を生んでいるという本質でいえば、現代の依存症は社会病であり、システム依存症といえるだろう。


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再論 ・ 宝くじ当せん確率のナゾ

 これまでに発売された多くのジャンボ宝くじは、1000万枚(販売額30億円分)1ユニットとし、例えば1等5億円が一本、前後賞1億円ずつで3連番なら7億円ということで「7億円が当たる!」と大々的に宣伝されてきた。しかも、「7億円が50本」というのは、50ユニット(1500億円分)の場合とリーフレットに小さく書かれている。
 このジャンボくじ、例えば50ユニットなら、「01組123456」のように01~100組、100000~199999番の券の売れ行きに応じて追加ユニットを売るという。30億円分1ユニット1000万枚を50ユニット、1500億円分を売り上げたとなると、同じ組、同じ番号の宝くじ券が50枚ずつ存在することになる。完売すれば、確かに1等5億円は1000万枚に1本となる。
 しかし現実は、完売は不可能である。複数の組も一定割合、下6桁の券番号も一定割合というような売上げになりうる。すると、1等は機械が選ぶが、組の当たりは100組のうち1つであり、ランダム且つ均分に全組売りに出されていたとしても、実際には売れていない組が「当たる」可能性がある。下6桁も同様で、当せんは必ず販売ユニット数分に比例する数とは限らない。1億枚が売れたとしても1等当せんが必ず10本当たるとはいえないのである。
 客は希望する組を選んで購入することはできない。したがって、組の特定される1等と前後賞と2等は、客側に選択肢はないということである。
 すると、1等が50本とあるのは、完全に50ユニットを完売した場合に保証されるのであり、完売でない場合は、組を含めて公正平等に売られておらず、公正な当せんになるか疑問である。
 いずれにせよ、宝くじは、何枚売れて、どの番号が何枚売れ残り、各等の当せん数が実際何本で宣伝・表示と一致していたかをホームページで毎回公表すべきである。


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東京五輪とtoto

1.2015年6月、2020年五輪・パラリンピックと2019年ラグビー世界大会を兼ねた会場として新国立競技場が2520億円で建設されることが一度は政府(文科省、スポーツ振興センター、JSC)によって決められた。これはラグビー界のドンで五輪組織委でもある森喜朗元首相の後押しであった。この計画には、「金」の面から2点が指摘できる。
 第一は、無茶を覚悟で巨費を要する「世界に類のない世界に誇れる国立競技場」といって、安倍総理自らがIOC大会で宣伝したものだったからだ。ザハ・ハディト氏案の採用について、安藤忠雄委員長は、デザインだけで選出し、予算など知らない関係ないと言った。単なるデザインコンテストで終わるものならともかく、実際に建設する施設について政府関係者が財政・予算面を考えない訳がなく、文科相・JSCは2012年9月の公募時に予算を1300億円と伝えていたともされる。計画を採用した安藤委員長、任せた文科相・JSCのズサンさと無責任さ、さらに受注建設業側の「談合」もあって、2013年10月には3000億円も必要だと判明する。
 そこで大慌てで、2014年5月、1625億円に抑えるという基本設計にした。そこには一部の工事の保留延期もあったが、それでも詳しく見積もると895億円増えて、2015年6月末日には2520億円として計画が決定されたのだった。これには国民や各界から批判が殺到した。北京大会の主会場540億円、ロンドン大会の主会場837億円と比べても3倍以上という莫大さに誰もが驚く。世論の批判を受けて、安倍首相はトップダウンの人気穫りの格好で、7月、白紙見直しとした。白紙見直しで2019年ラグビー世界大会には間に合わないが、何とか一応1000億円以下でと見直しを考えているようだ。だが、「受注予定」のゼネコンはもとより、企画、宣伝、運営をする官・民の利権は依然強く、設計と建設の一体化もあり、1500億円レベルの2案が12月14日公表された。

2.第二は、実際にどうやってその金を捻出するかについて不明のままである。安倍が責任者なのに、責任者不明の計画を決定するぐらいだから、資金の具体的目途など不明である。
 東京都知事は、当初拒否した500億円を、今では400億円台にして負担すると言っている。
 2013年totoのスポーツ振興法を改正して、法本来の地域スポーツ振興という目的を、トップ選手らの支援のために財源を使う法として改正(収益の3分の2を使い、3分の1を国庫納付)し、当分の間、売上の5%を新国立競技場建設費に充てられるようにしたのだった。totoは年約1000億円の売上で、この2年でまず109億円がこの建設費用に吸収された。ちなみに、最近1000億円レベルの売上になっても収益は40%の約400億円であり、本来、その3分の2の266億円が民間スポーツ振興に使用できるところ、年約50億円が建設費として先取りされることになる。新国立のために年50億円の補助資金をカットすることに対し、スポーツ界から批判があり、アスリートらも高額の新国立に批判の声を上げたのだった。
 この点、スポーツ振興法に「当分の間」として売上の5%カットの意味するところを詳しくみておこう。仮に、toto売上を年1000億円とする。このうち購入者へは最大で50%が払い戻しされる(実際は45%程度)。売上から収益を計算すると、当然「運営費の金額」が控除される。例えば、売上の15%が運営事務費とすると150億円を要することになる。すると、本来JSCは年1000億-450億-150億=400億円の収益となり、この400億円の3分の1を国庫に納付すると定められている。その残る3分の2が、JSCの収益金からの使途金である。400億円×2/3≒266億円となる。しかし、スポーツ振興法8条の2で「当分の間」、狭義の運営費の金額に文部科学大臣と財務大臣が協議した金額(特定金額)を加えて、これを「運営費の金額」とするとしているため、平成25年スタート時から売上の5%(1000億円なら50億円)が運営費に加えられている。このため、売上1000億-払戻450億円-狭義の運営費150億で400億円となるはずの収益は、350億円となる。(国庫への納付金は、400億円の3分の1(約133億円)ではなく、350億円の3分の1(約117億円)となる。)この年50億円は特定金額となり、別途8条の3により新国立競技場の費用(特定業務)として使われる。そして、JSCからのスポーツ団体等への助成金は収益金の3分の1以下と定められているので、400億円の3分の1の133億円でなく、350億円の3分の1の117億円が上限となる。こうして、1000億円を売り上げてもスポーツ団体等への助成金も年16億円が目減りすることになるのだ。
 簡単に言うと、新国立への5%は「当分の間」ということでスポーツへの助成金をも削ることになる。totoからの助成金を期待しているスポーツ団体やアスリートが、新国立建設費の建設費3000億円をもしこの「特定金額」で負担するとなれば、現在の水準であれば今後60年もかけて助成金が天引されてしまうと憂慮することは当然である。これがA元選手が「泣いて抗議した」理由の一つである。しかし、2000億円をtotoが負担すると、元金だけで40年かかる。

(五輪夢中)


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totoの拡大とスポーツのギャンブル化を憂う   作家賭人

1.スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)は、2001年、Jリーグサッカーの試合を予想させるくじに始まった。サッカーの試合の勝ち負け、引き分けを全試合分当てることは、個々のゲームの予想困難さもあり、サッカーゲームを予想させるイタリアのトトカルチョに由来するくじである。
 スポーツとしてサッカーに関心を持ってもらうため、購入者自ら予想を書き入れるのが本来のトトカルチョだが、日本のtotoは、実際にはコンピューターにランダム予想させた券を買わせ、それも当せん金を4億円以上大きくしたBIG(ビッグ)が売上げのほとんどである。
 要するに、サッカーにかこつけ、1等賞金を大きくし、その分中間当せん金を少なめにし、必ずしも毎回当たりくじが出る訳ではないが、その分は次回に持ち越させる「キャリーオーバー」というシステムを使う。キャリーオーバーがあると1等が8億円にも10億円にもなり、射倖心を高めるからだ。
 totoの購入者への配当は、1等も含めて売上げの50%未満である。国には15%弱、地方自治体グループに15%弱、そして主催者日本スポーツ振興センター(文部科学省所管の独立行政法人)に15%弱を分配する。(運営経費は約10%)
 サッカーくじというがサッカー以外のスポーツ団体にも配られる。スポーツ環境の整備、競技者の育成などの「美名」はあるも、例えば柔道連盟がヤミのコーチ経費として使っていたことが、暴力・セクハラ事件で露呈したように、正しく使われている保証はない。文科省や財務省の天下り理事らに高額給付がされているように、天下り弊害もある。

2.サッカーくじは、年間売上1080億円(H25年度)で、当初計画からすると「低迷」している。しかしこれでも、コンビニ等でも購入できるようにして売店を増やし、H25年11月からは海外の試合までくじの対象として機会を増やし、かつての年商600億円レベルからようやく1000億円の大台に乗せた。しかし、富くじ発売ほどボロイ収益事業はない。刑法186条が禁じる賭博はヤクザ(暴力団)が戦後も一貫して続けており、スポーツ界では1969年のプロ野球選手ら(西鉄)の八百長談合があった。(実は戦後一時、野球くじが存在したが、八百長の危険から廃止されていた。)
 スポーツ界は野球だけでなく相撲をめぐっても、暴力団と八百長のスキャンダルがあった。スペインサッカーの八百長問題でアギーレ日本代表チーム監督の疑惑が取り沙汰されたように、ギャンブルが絡むと犯罪が生まれる。暴力団(マフィア、ヤクザ)、脱税、マネーローンダリング、射倖心と労力意欲、教育理念の破壊、ギャンブル依存症(嗜癖、障害)など、弊害は拡大し続ける。

3.totoの対象拡大は、スポーツの世界をギャンブル化することになる。スポーツというが、競馬、競輪、競艇、オートレースは日本の当該「スポーツ」を完全にギャンブル化した。これ以上、スポーツの対象を広げてギャンブル化することはスポーツそのものをギャンブルにし、教育目的の体育もギャンブル対象にすることになる。新国立競技場の建設資金1692億円のうち500億円をtotoで捻出する予定であった。スポーツギャンブルをさらに増やそうと野球もtotoの対象にという自民党議員もいるようだがとんでもない。
 現代のスポーツは、本来の個人心身の健康増進というより、職業化、企業化、営利主義化している。資本主義国のスポーツは商業化、社会主義国のスポーツは国営化による金目当て主義、成功報酬主義になった。スポーツは、資本主義の下では商業広告に奉仕し、商品販売に奉仕する。選手は商業タレントになっている。有名スポーツ選手は、引退後もスポーツ団体の役員やタレント型議員となって、スポーツの商業化を推進している。


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年末ジャンボ10億円くじの「詐欺」

 平成27年も例年のごとく「年末ジャンボ宝くじ」が発売された。今回の当せん金は「宝くじ史上最高額」で「10億円(1等・前後賞合わせて)」という。これには、新しい「詐欺」手口も使われている。
 この宝くじについて、テレビCMや車内吊り広告などではとても判別できず有無を確認できないが、リーフレットを入手しよく見れば、読みにくい細字で「1ユニット2000万枚」との表示がある。そして、1等は27本とあるが、これは27ユニット、総額1620億円分が完売された場合に限った想定である。これまでは1ユニット1000万枚(30億円分)だったが、こっそりと1ユニット2000万枚(60億円分)にしている。これによって、1等の賞金額を大きくしたのである。1ユニット2000万枚というのは今回が初めてで、販売額1枚300円のくじの2000万枚のうち1つ、7億円が当たるようにしたのである。
 最高賞金は10億円(1等7億円、前後賞各1.5億円)と10桁の大金のようにみせているが、これは、1ユニット販売額60億円分のくじの中の3連番を買っていて、しかもそのうち真ん中が1等に当たった場合に前後賞併せて10億円になるのであるから、まとめて連番購入しないと10億円にはならない。10億円を獲得する確率は、1.5億円の前後賞も2000万枚のうちの1枚であるから、2000万枚分の1の3乗、80垓分の1となる。
 たしかに、27ユニット(総額1620億円分)が完売され、全ての連番購入者が前後賞も含めて当てていれば、27人が10億円を得られることになる。(正しくいうと、1等の最終番号が0であればそれに前後する末尾1番と9番を買っていなければ3連続当たりとならないが、必ずしもそのような連番を購入する訳にはいかない。連番のセット(10枚)は末尾0~9の連番が1セットとして売られているので、仮に1等当せん番号の末尾番号が0であった場合、その連番の1番後はセットに含まれるが、1番前はそれには含まれておらず、合計10億円とはいかない。)
 なお、この10億円くじでは1等以外の当せんくじを大きく絞らざるを得ず、少しでも当たりやすいものを求める客用に、別に「年末ジャンボミニ7000万」という1等7000万円のくじも19ユニット(570億円)分、同時発売するという。これとて1等は100万本に1本で、2等以下も少し多くするという程度の工夫にすぎない。
 これらの2000万枚に1枚、1000万枚に1枚、100万枚に1枚などという確率は、人が交通事故死するよりはるかに低い確率であり、地球外からの隕石に当たって死ぬような確率といわれているが、そのような事実は一切宣伝表示されない。
 戦後の当せん金10万円レベルからついにその1万倍も賞金が上げられるに至ったのは、これが客の射倖心を煽り、購入、売上を伸ばす常套手段だったからである。
 宝くじはその創設時の社会的使命(インフレーション抑制のための浮動購買力の吸収)も失われ、10億円という当せん金の吊り上げで客を釣るしかないほど、宝くじ商法の人気が下っているのも事実である。かつてのジャンボ宝くじは100ユニット以上を売り上げていたが今では少なくなり、その代わりに毎日売場で買えるロトやナンバースくじ、その場で結果がわかり売場を賭場そのものとするスクラッチくじなど、くじ商品を多様化して客をつなぎ止めている。
 さて、これら宝くじのCMに出演する俳優、コメディアン、タレントは全員当選したかのように笑っている。今回の10億円くじの広告には「あの人も、楽しんでいる。」とあり、被告らが今回使った所ジョージ、米倉涼子、原田泰造、武井壮、要潤、YOUらは全て「宝くじ」に当たったかのように笑っているが、そんな筈もなく、皮肉に言えば「勤労心」を笑っているかのようである。彼らは、揃って笑顔の宝くじ広告で金を稼ぐのだろうが、真実をどこまで知らされているのだろうか。

(J)


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カジノ正当化論の屁理屈    弁護士 井上善雄

1.カジノの経済的利点
 カジノ産業の正当性・有用性を主張する場合は、まず第1にカジノが持つ経済的利点を強調する。カジノ産業は他のエンターテイメント産業の映画・スポーツ・遊園地などと同様、消費者が進んで金を支出するサービスを提供するものというのである。「カジノ産業は他の産業をカニバライズ(共食い)したり、有能な人材を引き抜くとか、他の経済的便益をもたらさないといった論者の理由はあまりにも単純、短絡的である。カジノ産業も経済成長を生み出す。建設に資本投資や労働力が必要になるし、運営にも労働力が必要で労働市場にプラス効果を及ぼす」というものである。
 ギャンブル産業をゼロ・サム(儲ける人と損する人で零和になる/米経済学者L.Cサローの理論で経済低成長下での頭打ち社会状況をいう言葉に由来する)との批判も偏見だというのである。
 しかし、現実のカニバライズも発生し、カジノの経済的利点はあまりにも偏ったもので、社会全体にマイナスさえ発生させている。
 そもそも賭博を国民の富を拡大する正業といえるかを考えると、否定的に考える他ない。すなわち、映画館や遊園地のようなレジャーとして自由産業とはとても認められないのである。

2.カジノによる労働機会拡大
 カジノも建設と維持運営のために資本投資や労働力が必要となる。だが、その労働市場はカジノ論者が言う程大きな労働需要を生まない。他のエンターテイメント産業から人を引き抜いたり、周辺産業の経済活動にマイナス効果も生む。より効率的経済的な商業活動を目指す大型店舗が商店街や中小店を駆逐し、そこで働く労働者を失業させるようなこともある。
 カジノで働くという労働者は、リクリエーションや娯楽産業従業員と全く同視してよいか疑問である。カジノで働く者がカジノで興ずることは勤務時間外でも禁じられる。一般の公務員や軍人などは常習となる賭博場でのゲームを制限されるところもある。

3.カジノの消費者選択利点
 カジノの利点として、カジノの導入は消費者の支出の自由選択を増やし、消費者自身がカジノの存在を喜んでいるということもいわれる。これに対し、賭博による消費者の支出選択肢の増大は、真に消費者を含む社会全体の利点とは実証されていない。むしろ、反社会的なものとして規制されるべき。消費者の自由選択には有害なものがある。病癖になっているだけのものもあるし、消費者の「自由選択」そのものが真に“自由”でない場合もある。言うまでもなく「薬物」「アルコール」「売買春」など個人の主観的な選択で済ましては良くないことが多い。
 賭博は単なるゲームでなく有害性が高いので、消費者の完全自由選択に任せられないことはカジノ産業擁護論者も否定できないところである。

4.利益と不利益の不公平と社会的不公正・倫理性の欠如
 ギャンブル依存、ギャンブル障害の発生を考えると、カジノ開業者の経済的利益より消費者又は社会の経済的不利益の方が大きい。カジノの経済的利益と不利益は同一人に生じるのではなく、むしろ不平等な支配・従属関係が生じる。これを無視したカジノ産業の経済的効果論は正しくない。立場の選択の基礎において自由選択論は誤っている。
 社会的不公正と倫理性の欠如は、ギャンブル産業を論じる者がギャンブルに伴う社会的コストを十分検討していないことと共に確認しておくべき点である。盗っ人の経済と盗まれる人の負の経済について正しく理解できず、負の経済を他に転嫁することは経世済民(世を治め民を救う)でない。これが判らないとすれば、自ら真実や正義を語る資格はない。


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在日米国商工会議所の「IR戦略」

 「旧聞」だが、2014年12月、在日米国商工会議所(以下、米商工)は、日本政府に対し、日本IRの推進のために「IRが日本経済の活性化に寄与するための枠組の構築」という意見書を提出している。
 その概要は、「オックスフォード経済紙によると、東京圏、大阪圏1ヶ所ずつのIR導入によるGDP押上げ効果は東京圏1.4兆円、大阪圏9500億円で、雇用創出は東京圏10.3万人、大阪圏7.75万人。そしてIRの継続運営による税収は東京圏4700億円、大阪圏3400億円。地方経済に及ぼす効果は年間で東京圏1800億円、大阪圏1500億円で、地域社会に各数万人の雇用創出をする。アジア各地のIRと競合するから早急な法案成立を要望する。」というものである。
 これは「ホラ」の一言。早くやればバラ色というが、ウインズ、MGM、サンズ等米国カジノの進出が本音であり、もし日本政府が米国企業の進出に消極的であれば障壁だとして攻撃してくるだろう。
 IRカジノを成功させるために必要なこととして、次の13点が<提言>された。内容は随分勝手なものである。【  】内に意見書の本音をコメントする。
1.「カジノ規模に制約を盛り込まない」    ・・・【ラスベガスかマカオ並にせよ】
2.「初期は東京・大阪圏に、その後地方へも」 ・・・【米カジノ資本進出の都合に合わせよ】
3.「複数リゾート群に複数認可」       ・・・【日本優先はダメ、米資本カジノも必ず】
4.「認可プロセスの国の目的以外の基準も」  ・・・【日本国益中心では困る】
5.「IRデベロッパーの自治体認可、入札基準の早期決定・・・【早くIRができるように】
6.「カジノ収入(GGR)への税は10%以下  ・・・【でないと他国のカジノのようにやれない】
7.「GGRへの税は法人事業税として」    ・・・【公共事業と同様に取り扱え】
8.「カジノは消費税対象から除外」      ・・・【私営でも公営賭博と同様に】
9.「他のギャンブル同様、入場料を課さない」 ・・・【タダタダ客をたくさん入れたい】
10.「規制監督は総理大臣の選任するカジノ管理委員会で」
                       ・・・【米国の影響力が効く安倍総理の方がよい】
11.「カジノ認可を与える前に日本の企業関係は徹底審査」・・・【日本の企業には参入は厳正に】
12.「カジノは20歳以上参加、24時間年中無休」 ・・・【世界のカジノ並みに】
13.「IRの金融サービス提供を認めること」   ・・・【客に金を貸してでもカジノをさせたい】

 そして以上1~13について長文の具体的提言をしている。米国商工会議所というが、ラスベガスだけでなくマカオやシンガポール等海外進出の米国カジノ資本本位の主張と巧言が並ぶ。要するに、IR企業が日本各地へ進出し、売上成長して収益を上げられるように専らするものである。そこには米国企業の都合の良い理由しかない。

(Y)


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ギャンブルとギャンブル依存にかかる真実の言葉

「ギャンブルは人を嵌める」
 ギャンブルは人を熱中させる。これには金の得喪への闘争心や射倖心が大きく働く。ギャンブルは心理学上はもとより脳生理学的にみても人を嵌め、病に落とす仕組みが判明している。

「ギャンブル産業(事業)は人の射倖心を利用するワンサイド収奪ビジネス」
 一般産業は生活有用品を生産し市場を通して消費者・国民に供給する。ギャンブル産業は、人の射倖心を利用し、そのゲームを娯楽化するとするワンサイド収奪ビジネスである。

「ギャンブル場やギャンブルマシーンは人を嵌めるシステムの場と機械である」
 公営競技やパチスロからカジノまで、その場と装置や機械は人を極大化して賭博に参加継続させ、その回転度(集約度)を高めるシステムである。

「ギャンブル事業の収入は『問題のあるギャンブラー』の30~50%から得ている
 ギャンブル客が金を賭けずゲームを楽しむだけなら「ギャンブル依存」は生まれない。公営競技や宝くじ・totoは、客全体の金の25~55%を天引して収益を得ている。脱法ギャンブルのパチスロや闇賭博も15~30%以上を収奪する。遊ぶための金でも、収入の10%以下でないと問題を生む。実はギャンブル産業の収入の30~50%は問題ギャンブラーからの金である。病人から収益を得るのは治療をする病院・医院と回復施設だけでよい。

「ギャンブルの金の半分はアウトロー(法外)である」
 闇ギャンブルの金は全て犯罪金。パチスロの金は90%以上が脱法システムの「換金」を利用する。ギャンブルの収益はほとんどが略奪的収益である。人の健全な娯楽に要せる経費は一時的なものでも収入の10%台である。公営ギャンブルの収益ですらその10%以上は犯罪からの金である。家族・世帯の同意内のものは1%もない。
 このようにどんなに控えめに評価しても、ギャンブルの金は「アウトロー」である。ギャンブルに使われる金は家庭では必要な生活資金である。ギャンブルに消費した結果、生活を破局させたり事業を倒産させる。破産の原因がギャンブルであれば、免責が排除される理由となる。これらは法の正義からギャンブル投入金が枠外(アウトロー)であることを示している。

「ギャンブル事業は特に情報開示と正しい説明をしなければならない」
 ギャンブル事業が肯定されるとしても、客や市民に正しく必要な情報が提供されることは不可欠である。パチンコスロットなどマシーンの勝率(平均勝率とフロアー全体と個々の台の勝率設定)も説明されるべきだ。
 ギャンブルは人を熱中させる。頭を冷やすクーリング、嵌らせない休憩、再考させる時間が不可欠である。ギャンブル時間の制限(一日当たり、月間、年間)が必要。自分が使った金と時間や今後のリスクを知らせる義務(客には知り、知らされる権利)がある。

「ギャンブルについて消費者の権利がある」
(1)安全である権利(依存に陥らない権利、健康である権利)
 依存症などギャンブルによる危険から守られる権利がある。現在は公営ギャンブルでさえ全くこの権利を侵害している。パチスロに至ってはもっと危険である。自己がギャンブルに伴うマネーローンダリングや脱税等犯罪に巻き込まれない権利もある。
(2)知る権利
 ギャンブル事業の財務・経理や、ギャンブルの種別ごとにそのゲームの内容や勝負のリスク、その効果・効率まで知る権利がある。パチスロの景品、回収その他システムも知る権利がある。
(3)選ぶ権利
 ギャンブルについて正しい情報開示と説明提供により、ギャンブルをするか否か、どのゲームを、どの時間、どの金額限度で行うかを選ぶ権利がある。ギャンブルについては自己抑制限度の事前設定システムが必要である。
(4)ギャンブルによる弊害や収益金について知らされる権利
 ギャンブルには様々なリスク・弊害のあること、法律上の権利と責任について正しく知らされる権利がある。公益目的で公認されている場合は、その収益について経費も公開され、公益目的が具体的にどう実現されているか知らされる権利がある。

「ギャンブルは依存者を生み、客だけでなく家族から第三者に及ぶ被害を生む」
 ギャンブル産業・事業が生む様々な依存問題から本人と家族を救済する制度・システムが必要である。その費用は、公営の場合は当然収益金から全て負担されるべきであるが、パチンコ・スロットの場合は三店方式が残っている現在はもちろんそれが廃止されても、依存症など依存問題が残っている間は特別税や負担金を業者に課すべきである。

「ギャンブルに伴うマネーローンダリング、脱税、反社会行動、その他行財政への歪みへの粛正・是正システム が必要」
 ギャンブルの世界は、導入が企図されているカジノはもちろん、パチンコ・スロットやオンラインカジノが拡大中で、脱法・違法といえるものも十分捕捉できていない。それらについて監視調査チームを設置して、是正するシステムが必要である。


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2015年11月04日

「公認」ギャンブル依存カルタ

あ 朝一にパチンコ店に並ぶのだ 当たりの台を選ぶが先と
い いい台を導入したと宣伝す 金曜朝刊折込チラシ
う 虚(うつ)け者といわりょと 今日も競輪に 昨日負けてもきっと勝つから
え えらい人 ホトケ様でもなるという のめり込みます ギャンブル依存
お 大穴を狙ったけれどハズレたり 続けりゃ負けると わかっていても
か 貸し玉というらし玉を積み上げん 金になるから打ちてしやまん
き 競艇と競馬競輪これ3K 公営でやる賭博開帳
く 釘でして コンピューターでも調整す 詐欺ともいえるパチスロの裏
け 警察が認めてくれる賭けの場は 遊技で換金 名三店方式
こ 高利でも借りてやりたいボロ儲け 勝つと思ってやるのが病気
さ サッカーのトトカルチョとは予想する トトのビッグは機械におまかせ
し 借金を重ねてもなお止められぬ 勝てる気だけの返せる目算
す スロット機 カジノの主流ゲームです 世界一多い 日本のEGM
せ 世界中カジノあります導入を! 既に万余の パチスロカジノ
そ SOGSが3点あれば問題で 5点以上で病的賭博
た 宝くじ 一度当たればアディクション 当たらなくても買い続け
ち 智があれば判る筈とはいうけれど 止まれぬ気持ち ドーパミン故
つ ツキがくる 今度はきっと勝てる筈 そんな想いで賭けは止まらず
て テラ銭を公共目的使います 庶民を欺す 公営賭博
と 取られても取られてもなお止められぬ フィーバーをした あの想いまた
な なぜ多い ギャンブル依存 日本では 簡易できる 近くのパチンコ
に 日本のギャンブル依存 推計で536万人 世界最大
ぬ 盗み金 欺した金も注ぎ込み どのギャンブルも止めるとこなし
ね 狙われる 日本人の高齢者 海外企業 数兆かけて
の 納税をする人もない ギャンブラー 勝ったら所得 思う人なし
は パチンコを上場企業にできぬのは 隠れたバクチと判るから
ひ 火の車 なっても勝てば返せると 借金重ね 賭ける毎日
ふ 不可能とギャンブル止めぬ言い分は どこまで本音か 言い訳か
へ ヘッジとは親胴元の勝つしくみ 控除多けりゃ 子が早よ負ける
ほ 本命に賭け続ければ必敗と 大数法則 判っていても
ま マルハンやダイナムに行く億の金 君は知らねば 金注ぎ込みし
み 認めない 賭博依存の本人を 立ち直らせる 病の自覚
む 昔から無職渡世のやる博奕 今は無職余生の貯えし金
め メンタルのクリニック行く人はまだ 救いの道を 自ら開く
も もし玉が景品だけで終わりなら すぐにも止める パチンコの客
や 薬酒 物質依存 ギャンブルは行動依存 ブロセス依存
い 依存とは なければ困る対象に ノム・ウツ・カウは三大嗜癖
ゆ 夢を売り 夢を買うのが何故悪い 賭けとくじしか視えない我は
え えらい借金 何度もあって 叱られて 尻拭いされ また繰り返す
よ 予防する はじめ警告 教育し 病の者は立入規制
ら ラスベガス 抜いたマカオの売上は 中国人のVIP客故
り 理解してもらい難きは ギャンブルに依存したのは 自己責任と
る ルールとは 賭博開帳 くじ売りが 必ず勝つという仕組み
れ レジャーとて スポーツ、ゲームいずれでも 金を賭ければ 病い始まる
ろ ロトにトト ビッグなクジにスクラッチ カタカナクジで窓口賭博
わ 我が子でも熱死させます駐車場 親の頭も熱中症
ゐ 依存する環境なくせ 教育も 初期に発見 ケアーも開始
う 生み育て 増やしています射倖心 宝くじから公営競技
ゑ ヱライコトなってしまった でも勝って 穴を埋めれば マアマアいいか
を 可笑しいと頭半分判っていても つい引きずられ 賭けゆく狂気
ん ん~とまあ 536万人 こんな病人どうして直す

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書籍紹介

1.『CASINOS』  ラルフ・テグマイヤー (1993年 フランス 400フランスフラン)
 この本は古書店で入手。大型B4版256頁、カラー写真や昔の図絵もたっぷりで世界のカジノを紹介している。仏語能力不足のため残念ながら詳しい内容までは紹介できないが、目次を辞書を頼りに調べてみたところ、「人の賭博(遊び)」「黄金時代」「賭博の資本(企業)」「賭博の欺瞞」「賭博のルール」「カジノ場目録」「巻末辞(用語解説)」等からなる。
 175頁までヨーロッパ中世から20世紀までの賭博が数多くの絵画や写真を引用して説明する。そこでは貴族らがルーレットやカード(バカラetc)等に興ずる有様が写真と文章で紹介されている。
このカジノが完全に企業となるのがラスベガスである。そこでは大衆カジノとなった。その他植民地の香港、サイゴン、マカオも紹介される。
 カジノ場はドイツのバーデンバーデンやハンブルグ等10箇所、イギリスのロンドン、そしてアルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、バハマ、ベルギー、ブルガリア、エジプト、スペイン、アメリカ合衆国、フランス、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、マカオ、マレーシア、モロッコ、フィリピン、モナコ等々から船上カジノまで、とにかく世界中に拡がるカジノを写真で紹介する。また、ルーレットやブラックジャック、バカラのルールやカジノホテルも紹介。
 即ち、カジノには欧州型(モナコ型)の上級ギャンブルゲーム遊び型のものと、ラスベガス・マカオ型の大衆・観光客遊興型があることが、その町の風景や歴史からして判る。大衆型のカジノといってももちろん外国人金持ち向けのVIPカジノもある。


2.『新・観光立国論-モノづくり国家を超えて』 日本総研・寺島実郎
 (2015.6.25 NHK出版 1836円)
 ほぼ同時期に同名「新観光立国論」でデービッド・アトキンソンという日本在住の長い人の出版があったが、こちらの寺島本は観光の中でカジノをより強調している。ただ何が何でもというスタイルでなくIRカジノも時・場所・条件に応じて考えるべきと詳しいお膳立てをしている。寺島氏は落ち着いた論客だが、多摩大学学長になったころ(2009年)からIRにカジノがあって良いというスタンスになり、カジノ派に右足を乗せている。
 日本総研はIRカジノをコンサルし、研究員に担当させるというところであり、IRカジノはOKという立場になりつつあるようだ。しかし、ギャンブル依存やマネロンなど負の影響については研究も検証もなく、寺島氏の過去の実績や一般評価を落とすことになりそうだ。
 地域社会の衰退や貧困化への一対策というにしてもお粗末である。早速、阪南大学櫻田教授から寺島氏のいう日本の統合型リゾート経営は無理だという批判があがっている。


3.『ギャンブルと財政・経済』 アレックス・ラグナー著
 (1969年8月 全国競輪施行者協議会)
 原著は1966年出版の「The Economics of Gambling」で(株)ユニバーサル通信社訳。著者は「偽善をあばき、成人のギャンブルを行う自由を守り、ギャンブルが公共財政に貢献している事実を証明しようとしたものである」と述べるように、ギャンブル肯定論者である。
 第1章ではギャンブルの背景(近代ギャンブルの発生等)、第2章ではギャンブル論争の要点としてロッタリーと政治モラルからプレミアム債権、税金、公営について、第3章では外国のロッタリー、宗教、バランスシート、英国のギャンブル、収益と国家予算、フットボールプール、課税技術、公営ギャンブルの保護政策を述べる。
 ギャンブル論争では、氏はギャンブルの美化も中傷も否定する。ギャンブル事業者が事業を投資対象と呼ぶと嘘つきという。慈善事業への収益寄付も人気取りの技と切り捨てる。しかし、政治家は10のギャンブル規制の中の関門をつくったという。それは①個人の利益を求めることは悪か、②ギャンブル事業の目的が社会的に価値のあるものであれば悪を浄化できるか、③合法化は、④付随的に人間を幸福にするか、⑤財政的収益は、⑥販売目的広告は、⑦賞金の価額、⑧貯蓄債権(プレミアム債権)は、⑨失業救済か、⑩国家予算における収益 である。
 なお、著書では日本の賭け事について「ギャンブルと宗教」で神道について述べている。「神道はギャンブルに関して言及していない唯一の大きな宗教である。神道は物欲の欠如を賞賛もしなければ物欲の存在を必要悪として認めもしない。・・・地方自治体のロッタリーは尊敬を集めている」と。
 英国のギャンブルは王室委員会の三度の調査で成人5人に4人は合法的ギャンブルを楽しんでいる。国民所得を100%とすると、酒類は5.0%、タバコは5.1%に対し、ギャンブルは2.3%の支出。1964年で、ギャンブルの総支出14億ポンド(1.4兆円)、1970年で23億ポンド(2.3兆円)という。


4.『賭け事に関する「英国王室委員会報告書」』 全国競輪施行者協議会 (1968年)
 この報告書は、1951年の第二次英国王室委員会によるもの。報告書は「国家は社会的に問題とならない限り、一般市民の楽しみを阻害してはならない。もし制限を必要とするならば、それに代わるものを準備すべき」として、賭け事を基本的に容認するものである。この報告は、ギャンブル自由論者の論拠の一つとなっており、「競輪」の協議会が訳書を出したのもその自らの事業を正当化するためだろう。
 なお、英国と日本は歴史、文化、行政事情も少なからぬ相異があるし、言語の相異も多い。報告書は「Royal Commission on Betting , Lotteries and Gaming」が原著名だが、ベッティングはおよそ競馬、ドッグレース、フットボールの賭け事、ゲーミングは日本の麻雀、パチンコ、トランプ、ダーツなどで、ロッタリーは「くじ引き」をいう。なお、賭け事にコンペティション(懸賞、クイズ)、ブックメーカー(ノミ屋、公認も)、トータリゼーター(配当金算出法)などの用語説明も付している。
 報告は、審議経過等の序論、第1章/様々な賭け事の現行法、第2章/賭け事と国家経済、第3章/賭け事の実情、第4章/賭け事の社会的影響、第5章/賭け事立法の原則、第6章/場外ベッティング、第7章/プールベッティング、第8章/場内ベッティング、第9章/ロッタリーとコンペティション、第10章/ゲーミング、第11章/ベッティングの宣伝と予想屋、第12章/法廷と賭けの契約、第13章/勧告の大要、そして追補からなる。(追補は①委員会の証言者一覧、②統計資料、③フィリング氏提出の配当金算出法などがあるが、本書には②のみ)
 報告はもちろん賭博を全く自由にして良いと勧告するのでなく、①法の統合、②ベッティング、③ロッタリー、コンペティションなど現行規制の承認と一部改善、③客に対して不平等や消費者保護を加えている。18才未満のベッティングや娯楽街への入場規制、ゲーミング1、プレイヤー1、料金5シリング(250円)まで、賞金は20ポンド(2万円)まで、場外券売場(場外ベッティング)の禁止などが続く。
 英国は長年多数の法令で様々なギャンブルごとの規制が多く、統一した基準の下に統一化を求めているが、自由放任のギャンブルなど容認されておらず、消費者保護の視点での詐欺的なもの、高額化射倖心の刺激抑制などの規制は今も生きており、日本より細部までの規制がなお存している。
 この報告は、今日私達のいうギャンブル依存症の弊害防止という視点では十分でない。しかし、賭け事への参加頻度、常習化の問題、限界度は認識されている。特に「賭け事業が私企業の手に委ねられている限りは搾取と欺瞞行為、そして賭け事に対する誘致行為を阻止することは不可能であろう」(116頁)という。日本の公営ギャンブルも私企業に委ねられており、王立委の指摘する事実は現に存するである。
 日本ではこの報告書をギャンブルの自由を認める意見としてよく利用されるが、よく読めば賭け事好きな英国社会での数多い法規制の“山”に整理を求めた報告といえる。


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ギャンブル雑学 ~ギャンブル(Gambling)の分類

 「賭け」のうちお金を伴うものが賭博(博奕)、そしてゲーム(Game)のうち金品を伴うものがギャンブルです。

1.賭博(ギャンブル)のゲーム道具による分類   
(1)サイ(die,dice) ・・・ チョボ、丁半、大小etc
(2)カード・・・トランプ(ブラックジャック、ポーカー、バカラ)、花札(追丁、カブ、コイコイ)etc
(3)装置(ルーレット、キノ、大小)
(4)マシン(スロット、パチンコ)
(5)その他ゲーム道具(麻雀、将棋、チェスetc)

2.賭博(博打・博奕)と富くじ (公認ギャンブル)
(1)日本の公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)からドッグレースまで
(2)宝くじ(ロト、ナンバーズ、スクラッチ…)、toto(BIG)、イタリアのトトカルチョなど

3.法規制上の分類
(1)賭博(①単純賭博、②常習賭博、③賭博開帳) ← 刑法上禁止、処罰対象
(2)富くじ(発売と取次)            ←     〃
(3)特別法により合法化されたもの(競馬法、競輪法、競艇法、小型自動車競走法、当せん金付証票法、スポーツ振興投票法)

4.賭博のゲームをする場所や賭け方法の分類
(1)競技場 (2)場外券(売場) (3)電話投票 (4)オンライン(通信) (5)カジノ
(6)投機取引、銀行、証券会社、商品取引会社と取引所

5.賭博(ギャンブル)とソーシャルギャンブル
 Speculationは投機と射幸を指します。ギャンブルは人の射幸心によるものです。株式取引、商品取引、先物取引も一定のルールの下、ソーシャルギャンブル「投機」として認められています。この一般のギャンブルとソーシャルギャンブルは、将来の一定予想をもとに結果次第で取引者にとって大きな損得が決まる点は同一です。
 ソーシャルギャンブルは株式では配当への投資や相場の上下変動を見越した売り買いという投機「賭け」というものです。公正なギャンブルの結果はランダム(規則性のないもの)で勝ち負けを予測できないようにしていますが、ソーシャルギャンブルでは一定の投資資料、経済予測もあること、投機により一定時期の決済が求められ、プレイヤーを楽しませるための「ランダムな偶然性」は設定されていません。


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コラム

船上クルーズのカジノ
 2015年7月16日朝日紙に英国船籍のクイーンメリーⅡ2016ワールドクルーズの広告が載った。関空から乗船、香港、ベトナム、タイ、シンガポールをめぐるもので日本人はシンガポールから関空に飛行機で帰国するという1人31.8万円~83.8万円までの船室を案内している。その船内にはカジノがある。英国船籍カジノで「外国」でのカジノだから日本人も御自由にという趣旨だ。この船上カジノは日本の旅行会社で客を募集。乗船から下船まで(このツアーでは10日間)カジノ三昧になれるというもの。


国定忠治の辞世
 1850年12月21日、国定忠治は上野国大戸村で磔(はりつけ)の刑となる。忠治は博徒でお上に逆らい続け、殺人、関所破りなど数々の罪を犯しているから、本名長岡忠次郎が1500人の観衆を前に磔を演じるまで大衆のハイライトを浴びた。
 この磔刑は浅草弾左衛門らによって左右の脇腹から肋骨を刺し貫き肩上に出すもので、忠治は14回の間、一槍ごとに目を見開き、目を閉じ、突き抜きを繰り返したと記録されている。そして忠治は、辞世の句を残していた。記録された日記は二つあり、
 見てはらく なくして苦敷 世の中に せましきものは かけの諸勝負
 見ては乗 なして苦しむ 世の中に せましきものは かけの諸勝負   
とあり、ほぼ同一である。どちらかの写し誤りだろうか。それとも厳密にいうと死後誰かが作った可能性もあるが、大博徒の国定忠治にしての句であろう。


賭博とカルタ
 万治(1658~1661)時代の仮名草子『浮世物語』に「博奕の事」という章がある。
 「何時の比よりか南蛮よりかるたと言へる物を渡し 一より十二に至り四組になして勝負を決す 今は迦烏(かう)・追重(おいちょ)といふことをして 人の前にまきわたす絵を こなたより推して知る事 通力あるがごとくなる上手の鍛錬ある者 世に多くなりけるほどに これに出合ひて立つ足もなくうち負けて一夜のうちに乞食になる人多し」
 また、「博奕の異見の事」で「諸人の博奕をいましめんより 賽をつくることをとどめ かるたをつくるを禁制し給えかし」とある。
 「雍州府志」は48枚のカルタの解説を「畢意、博奕の戯なり」とある。
 このようにカルタは博奕として禁制のものであった。


「適度に楽しむパチスロ」で「存分にお愉しみ下さい」
2015年2月からパチンコ・パチスロホールの全国組織である全日本遊技事業協同組合(全遊協 任意加入団体)は加盟店の広告紙に「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです」「のめり込みに注意しましょう」という広告文言を入れるようにした。
 ところで、近畿のパチスロ大手123(延田興業)は奈良県内2店で「総台数1723台のパチンコ・スロットのスケールでお贈りする」「123で存分にお愉しみ下さい」と一回り大きな文字で折り込み広告している。
 では、「適度に楽しむ」ことでパチンコ・パチスロで「存分にお愉しみ」はできるのか? 「適度」とは「ちょうどよい」「ほどよい」こと。「存分に」とは「思いのまま」「思い通り」のこと。だとすれば矛盾はないのだろうか。「ほどよい程度でパチンコ・パチスロを楽しむ」のと「思い通り」愉しむは同じことだろうか? 楽しむの楽は木の柄のある鈴に由来するガク・ラクの楽であり、愉しむの愉は心の安らぐことをいうとすれば同義である。適度は客観性をいい、存分は主観を中心に表しているといえる。
 いずれにせよパチスロ店の広告は客観的な適度より、思い存分にギャンブル(店の建前はゲーム遊技)をやってくださいというのである。


「責任あるギャンブル(Responsible Gambling)」
2002年にアメリカにNCRG(National Center for Responsible Gaming)「責任あるゲームのための全国センター」ができた。ギャンブルはほとんどの人が健全に楽しめるエンターテイメントとし、ほんの一部の「脆弱な者」が依存症に陥ることを抑止することでギャンブルの健全性を維持できるという考えを「責任あるギャンブル(Responsible Gambling R・G)」という(カジノ界はResponsible Gaming)。
 この考えを米国ゲーミング協会(AGA 1995年発足)が用いて、ギャンブル依存症と治療法への研究を財政的支援し(~2014年 2250万ドル)、「行動規範」「code of Conduct for Responsible Gaming」も明示した。この「行動規範」は業界側の客への相談対応レベルで、客側に「責任」を求める。欧州カジノ協会(ECA)も同様である。R・Gは客に責任を転嫁する「危険」な言葉である。


ガンジーの箴言(しんげん)
 ガンジーの箴言に「七つの社会的罪」(Seven Social Sins)の中に、「労働なき富」(Wealth without Work)と「道徳なき商業」(Commerce without Morality)がある。今のギャンブルやこれを商業化するパチスロからカジノまでのビジネスは、ガンジーのいう労働や道徳があるとは認めがたい。盗み、詐欺、賄賂はもちろん、人から奪った金も色は付いていないとの商業(取引)を許し、「良心なき快楽」(Pleasure without Conscience)を否定するのも「罪」である。


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妄言!?  ――7.13国会内カジノ推進派によるカジノフォーラムinTOKYOでの谷岡一郎氏発言――

1.谷岡大商大学長は、ギャンブル依存症についてのTV番組にカジノ賛成派として出演し、反対派に500万人の依存症患者がいてカジノができないとするとあなた達はどうするかという質問をしたという。以下は、谷岡氏の発言として伝えられるところについてコメントする。

谷岡氏:「するとカジノ反対派は『それはカジノと別問題であり、別の法制化で予算すべき』とした。これに対して『当たり前です。でもそれができる国ですか。今からギャンブルにかかわる省庁を巻き込んで拠出させる、治療しましょうという法案は10年じゃできません、20年かかる。その間あなた達はほっとくつもりですか』と追及した。そしたら反対派が『精神医学者を増やす』と言ったので、『何人増やしたら500万人を治療できますか。予算をどうするか』と尋ねるとまともに答えが返ってこなかった。」

コメント 谷岡氏は、親を継いで大商大学長になった人だが、こんな本末転倒の矛盾した追及で「勝った」と自慢している。ギャンブル依存症を放っておけないのは、カジノ反対派でなくその責任の第一にあるギャンブル推進派の業者、役人、御用学者であるはずだ。それをカジノ反対派が病人を生んだかのようにいい、また放置しているかのようにいうのは「盗人」の論理である。


2.谷岡氏:「私共もカジノだけが依存症の理由ではないことを知りつつも、やはり業界がある程度は負の側面、社会に対して責任があるとして対応していきましょう、相談ものりましょう、その上で社会全体で協力し予防していきましょう、536万人もいる、この上どうするんだという議論をしたがでてこない。」

 コメント パチンコ、競馬、宝くじなど依存する問題について相談にのるが、これは社会全体の問題だとはぐらかす。原因者負担責任を考えない。支離滅裂である。


3.谷岡氏:「考えて下さい。日本は株だの先物取引だのみんなギャンブルの一種。そのリスクをとるだけの根性はあるか。根性がないと周りの国に追い越される。我々が幸せな社会を享受できるのは、いろんな人がリスクをとりチャレンジしてくれた結果だ。」

 コメント 経済的にはリスクヘッジの必要な取引とバクチを同一視して、ギャンブルを幸せな社会のシステムとしている。学長のレベルがこうであれば、どんな経済学教育をするのかと怖ろしい。


4.谷岡氏:「ギャンブル依存症は統計的に一時増える。ドメスティックバイオレンスのホットラインがあればその件数が増えるように。しかし今まで気づけなかった人がどこに相談すればいいかを知る。昔のDVの報告水準でよかったんですか、見て見ぬふりをする社会ではいけない。」

 コメント 統計上の水準は調査を深めれば上がるし、それへの対処はもとより必要。それをギャンブルとその許認可庁が放置していることがいけない。現状でも対応をとらないでカジノ反対派にその責任を転嫁するのは無学である。


5.谷岡氏:「地方にはカジノの適地不適地がある。アトランティックのカジノも金を得て住民は利益を得た。今うまくいかないといっても、それは40年の間に条件が変わったからで、これは世の中がアトランティックに追いついてきたと考える。日本は大都市圏が1時間以内にあり、有力な候補になる。」

 コメント 要するに、早い者勝ちでカジノをつくれば、後から追いつく者のない間は儲けられる、日本は一日観光資源が山程あるというのである。ミニカジノのパチンコ屋の12000店とまでいわなくても、1000地区以上の適地はあると言いたいかのようだ。東大阪市の大商大にカジノ学部を作りたいのだろうか。


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富くじオンブズ考

① 富くじと詐欺
1.賭博(博奕)と富くじは、人の射倖心を利用した「アウトロー」の世界であるが、実は賭けにみせた「詐欺」の世界でもある。特に賭博開帳、富くじ販売の側は必ず儲けるため、客に対して様々な工作をしている。映画で見るように賭博・富くじはイカサマや詐欺が常態している。
 富くじは縁日の子ども相手の店が商品くじの一等は実は当たらないようにしている「子供騙し」から、コンピューターで高度化し今では大人の目をも誤魔化す錯覚を使っている。

2.まず、富くじの発売が完全に公正且つ抽籤が公正化というと、現実は主催者の「良心」に依拠している。「公正らしさ」は見せても完全な公正の証明はできていない。その一例を示すと宝くじはほとんどの客は番号を選べない。特に組番号01~100番は選べない。組違い6ケタ(100,000~199,999)も事実上選べない。例え全てを買ってもその段階で購入額の半分以上の損が確定する。ここに一つの落とし穴がある。
 01~100組の1000万通りのくじを1ユニットとして「6億円」が当たると宣伝するくじは、その中の1枚を1等4億円とし、前後の番1億円を連続で当てた場合である。2等は別の組の別の番号で、例えば2本1000万円とする。ジャンボで144本6億円(前後賞ともで)が当たるというのは、144ユニット(14億4000万枚)のくじを販売できた場合の仮定である。1ユニットは1~100組の6桁数字の1000万本であり、その144ユニットが全て売れることなどほとんどない。発売者の計画に反して100ユニット止まり、しかもそのうち80%どまりということもある。
 そして144ユニットのくじは、組と各番号を全国の誰でもが自由に選んで買えるようにはしていない。50ユニットを売場に廻しても売れ行きが悪ければ残券があるのに、さらに01~100組までの全番号ユニットを無作為に売場に廻すこともない。すなわち、売場はたまたま配券されたくじを売るだけで、売場は券の組も番号も客の希望に応じられないのである。
 また、配付券の完売を全国に確認してから追加ユニットを売場に廻すという訳ではない。売ったのは01~50組が多く、51~100組は0ないし少なくなるケース、極端に言えば51組は10万通りあるが60組は5万通り、100組は0という売り方になることもある。すると下6桁は組に関わらず当せん確率としては平等でも、組指定の1等~2等は、抽選器は01~100の100本に1本の組番号を指定しても、発売が抑えられているため当せんは1000万本に1本でなくそれ以下であることが生じるのである。
 01~100組の1ユニットも売れないということはないから誰か1~2等当せん者は出る。しかし、多くのユニット発売の「トリック」で1等当せんを宣伝するが、1~2等当せんは発売券の枚数に照らして少ないことが生じる。それはシステムとしての「詐欺」である。

3.では、同じ「富くじ」のスポーツ振興くじ(toto)はどうか。このtotoの主要収入はいわゆるBIGであり、これはいわば機械が試合結果予想の番号を決めたくじを売り、実際の試合結果との当たり外れを照合するものである。
 このtotoは1等(全試合的中)がでないこともある。その場合次回に一定当せん金を増やす「キャリーオーバー」というシステムがあるという。宝くじのロト6、ロト7でもキャリーオーバー制が導入されているが、次回のくじの1等に繰り越されるという射倖性を高めたものである。しかし、キャリーオーバーというも前回未配当金の全額が後の当せん金に加えられる訳ではない。その操作も「詐欺」である。
 BIGは最高10億円、宝くじは8億円などと、まず一般には期待できない当せん金で客を釣るのも「欺し」だが、その機械選定も公正か疑問であり、その機械が公正に働いたことは客には判らない。結局売る側が「公正」と称して券を売り、客は信じるしかない「信仰くじ」である。

4.ところで、「スポーツ振興投票」というtotoの収益金は、本来全国民のスポーツ振興を通じた健康増進のために使うというのが「美名」だ。
 しかし今回、国立競技場の建設問題でその資金として使われる巨額さが明るみとなったように、実際はとんでもない使われ方をしている。現状、totoは売上(発売額)が1000億円レベルである。このうち配当は45%450億円ほどだが、他に販売経費が必要で客から550億円を収奪しても収益金は400億円くらいである。
 ところが現在、totoの毎年の売上の5%(約50億円)を競技場建設にまわすことが決められている。するとスポーツ選手養成への費用はその分減る。減る額も年間何十億となる。国立競技場2520億円プランに泣いて抗議したアスリートはこの辺りも判っていたのだ。しかし、年50億円を将来3000億円の競技場建設費にまわすと60年もかかる。そこで5%を10%にして毎年100億円をまわそうという案が出ている。
 結局、国立競技場という箱モノを建設するためにtotoの売上が使われるのだ。それももし1000億円売って900億円から150億円の経費と45%配当450億円を引くと収益金は300億円となる。そのうちから選手養成費、国民スポーツに少しずつ廻しますというのだからこれも「詐欺」である。


②突 富 考
1.日本法制史の学者石井良助博士の『江戸時代漫筆』(昭和34年5月25日発行)に「突富のこと」という章がある。富くじのことを江戸時代は「突富」「富突」あるいは「富」と呼んだ。箱の中の木札を錐で突き刺して当せん者を定めたことに由来する。江戸時代初期、幕府は禁止していたが、享保年間に一部の古社寺の修復費用用として許可した。これを「御免富」というが、もぐり、闇の富もあり、これを「隠富」といった。「福引」「福富」「見徳」とも称された。江戸、京都、大阪に御免富が認められたが、江戸では谷中感応寺、湯島天神、目黒龍泉寺の「三富」が許されたという。代表的な三富は一枚1分、札数1000枚、一の富は100両だった。もっとも2万~3万の札を売った例や、当せん金が50~1000両のものもあったという。
   感応寺 命からがら 一分捨て (富札を一分で買うも大勢詰めかけて大変だった)
   にっこりと 一人か二人に 富場出る (1000人に1人2人は当たり、にっこりする訳)
   富札を引っ裂いてある首縊り (富札に当たらず首をくくり死)
 このように昔から富くじに狂奔する様は川柳のテーマだった。柄井川柳が博打の川柳を禁止したのは非合法な行為をテーマにして権力者の怒りに触れたり「日常化」するのは「笑い」にできないと考えたからだろう。しかし「富」は官許されており、ヤミの隠富も含めて川柳の句は多く生まれた。

2.では、今の富くじである「宝くじ」「toto」はどうか。実は欧米では富くじ購入を無差別に宣伝することは禁止・抑制されている。なのに日本では宣伝屋(電通、博報堂など)が様々なテレビなど子どももみるメディアを使い、五七調、七五調のリズムのコピーも使って富くじやtotoを買わせる。
 例えば、BIGのCMは「まさか!でもありえる大当たり」、宝くじは「買わなけりゃ当たらぬ宝くじ」、ロト・totoは「今すぐに キャリーオーバー発生中」と煽る。これをヒントに四苦(句)。
   千万に たった一枚ありえます   (自分にはまさかで 他人にはありえます)
   当たらない 損する券に 苦分苦厘 (99.…%はハズレ)
   本当は 選択できない 選択くじ  (組などetc)
   3000円 連番買いして 300円   (必ず2700円の損)


③富くじ関係カタカナ語解説
ハンディキャップ(handicap)
 勝負を公平で面白くするために、優者に負わせる負担、逆に弱者に与える有利は持ち点や条件をいうが、不利な条件、身体の障害の意味でも使われる。だが、その語源は「hand in cap」で帽子の中に手を入れて取る富くじとも言われる。競馬で賭け金を帽子に入れたことに由来するとも。
 しかし、実際の賭け事は賭博開帳者にハンディを負担させることはなく、賭場の客に損失の負担がなくなる条件設定はない。 “寺銭”や“詐欺”“ゴマカシ”しかない。ハンディキャップレースもそのハンディで成績、結果が逆転するまでの条件設定はないのである。

スクラッチ(scratch)
 「ひっかく」という語はscrat(傷をつける)とcratch(傷をつける)の混成語。この語のとおり、当たり番号をコインなどでひっかいて当せん落せんがわかり、窓口で換金できる即くじ方式の宝くじで使われる。しかし、従前はゴルフでハンディ0のこと、ハンディ0のゴルファーやハンディのない試合のことで、ボウリング競技でも使われる。なお、レコード盤を逆回転させたり、手でこすってノイズを出すことにも使われる。自転車のスクラッチレースはトラック2周の先着を争うもの。

ロト、ロッタリー(Lot , Lottery , Lotterie(独), Loterie(仏))
 Lotはくじのこと、Lottoは5枚の数字カードを並べる遊び。Lotは製品の一単位、運命、分け前なども意味し、くじで分けるからくじ引きする意味になった。日本ではロトはくじのこと、ロッタリーはくじ引き、富(宝)くじ、そしてロットは今や宝くじの一種のナンバーくじと理解しておけば区別できる?!

ナンバー(Number)
 「数える」ことから数字、番号、記号は「No.」。ナンバーズゲーム(数字当てのくじ)は宝くじの一つ。宝くじ売場を連日の“賭博券”売場とするもの。なお、ナンバーズゲームには違法な数当て賭博もあり、例えば新聞公表の下3桁の番号を当てるものなど。欺瞞的に数字を持ち出し、自説を補強することは政治でもよく使われる。ナンバーで決める宝くじはそもそも詐欺のナンバーズゲームであろう。

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日本のギャンブル事業の欠陥

 滝口直子大谷大学教授は「ギャンブル産業の害を最小化する責任」が果たされていない(というよりほとんでできていない?!)ことを主張され、「ギャンブル害の最小化政策を求める会」を結成し活動されている。 その主張は被害者の現実に支援の手を伸ばされつつ、あまりにもひどい日本のギャンブル産業と公共政策(政府・自治体の施策)の欠陥に改善を求めるものだ。教授が発行されているパンフレットを要約する形で会の活動を紹介する。

1.子どもの未来をギャンブルに賭けることなかれ
 まず渦中にある依存障害(disorder)にある人、家族、そして世の中がギャンブルに対する世の正しい理解をすること。

2.ギャンブル産業のギャンブルの害を最小化する責任
 控えめな整理をされているが、ギャンブルは人を「はめ」、善悪の判断にも影響を及ぼすことから産業の側に依存防止責任を求める。ギャンブル産業は「問題ギャンブラー」からの収益が高いこと、パチンコ等のギャンブルの場とマシーンが人を「はめる」特徴を指摘する。
 すなわち、ギャンブルの害を最小化どころか極大化している点を批判する。

3.ギャンブルで本人、家族、子どもへの害、貧困など弊害があるのにギャンブラーが回復の場に出て来ない。(被害者が救済を求めるまでの被害(借金苦)期間が長い。)

4.ギャンブル被害対策は予防が第一で、ギャンブラーの自己抑制には消費者保護の体制(情報開示、ギャンブルの金と時間の自己設定権、援助体制(資源)等へアクセスする権利の確保。

5.ギャンブル場の消費者保護対策の認証制を提唱する。(カナダでは、(1)企業の政策・方針、(2)自粛(立入禁止)、(3)広告・宣伝規制、(4)インフォームド・コンセント(十分に説明されたゲーム参加)、(5)問題あるギャンブラーへの支援、(6)金へのアクセス制限(貸金、ATM設置禁止など)、(7)ギャンブル開催場とゲームの特徴のチェック、(8)従業員教育について専門家の第三者が審査基準を満たしているか認定する。)

6.問題ギャンブルの専門的治療訓練(ギャンブル産業からこれら機関や組織を進めることになる寄付禁止)など倫理条項

7.ギャンブル管理・監視委員会、研究機関、治療期間の独立性保証、利権腐敗の温床除去の最大限努力
 
 以上、いずれも日本では理解も制度保障もなく、現状は事業者側の収奪が放置されている。公認(黙認)ギャンブルは監督庁との利権癒着があり、収益をあげることのみが目的化され、これが世界最大の病癖(障害)を生み出している。 

(Y)


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民営賭博と公営賭博

1.アメリカのラスベガスをはじめ各州のカジノは「公許」ではあるが民営カジノである。これに対し欧州のカジノのほとんどは「国営」「公営」カジノである。
 世界的にみて完全に賭博を自由にしている国はなく、許可しているのもカジノは外国からの観光遊興客で成立している特殊な地区の特別な場所だけである。賭博禁止の法の枠を除外するには、例外とするその賭博開帳者や富くじ発売者が自由な民間営業では認められない。
 ギャンブルの収益と経費の完全把握、ゲームの公正化とマネーローンダリングや脱税の防止、治安、依存症など客へのケアの確保、そして収益金使途の適正確保という点で、政府の公的支配・管理が必要なためでもある。
 日本でも賭博の開帳、富くじ販売は政府・自治体ないしその統轄下の特殊法人にのみ認められている。日本のパチンコ・スロットは民間業者が行う「遊技業」で、すなわち金を賭けたギャンブルでなく、一定限度の賞品付きゲームという建前である。(パチスロは商品を裏で換金する三店方式で脱法しているが、警察と遊技業界(遊技店業者と遊技機メーカー等)の運用と癒着により摘発を免れているだけである。)

2.このように例外として賭博や富くじを「公認」するとしても、民営を認めるかどうかは法的に別の問題がある。賭博開帳を禁じ常習賭博や博徒の生まれることを禁じている法制度は、射倖心を利用して場を設営し人を集めることは賭博を習慣化させ、勤労や教育上の社会への弊害を生むということに注目しているのだ。戦前の大審院判例や昭和25年の最高裁大法廷判決以来、日本の司法判断はその立場に立っている。
 しかし、賭博やくじ(ロッテリー)を個人の趣味としての自由を認めてよいという考え方が20世紀末以来主張されており、また、軽い単純賭博(個人間での娯楽としてのギャンブル)は処罰しないという国も多い。日本でも一時の娯楽としての賭博は処罰対象にならない。しかし、賭博場を開設したり常習賭博を自由にさせる国は限られる(というかほとんどない)。マカオやモナコのようなカジノを認める国・地域でも「公許」「公認」の条件がいる。

3.特別の条件が付されるとはしても賭博開帳(常習賭博に他ならないともいえる)を公認する国が多いのは何故か。またその理は何か。それは公許・公認の歴史がほぼ明らかにしている。
 富くじ、競馬、競輪、競艇でも明らかなように、その第一は政府が財政困難時に特定目的の収入を確保するためである。特別な歴史をもつモナコ王国や香港、マカオのような植民地都市では通常の財政収入を得にくいところが観光客から収入を得ようとしてカジノは生まれた。
 欧州ではモナコだけでなく18~19世紀から保養地・観光地で富裕層客の別荘地カジノや競馬等が生まれている。それは事実上特別階層の娯楽で一般民衆への勤労文化や教育文化を害するものではなかった。即ち、公認されたのは身分社会・階級社会の限定社会層の「遊び」だったのである。そこでは社会の秩序を乱すから賭博を禁止するとの考え方が及んでいなかったともいえる。

4.貴族や貧富の身分社会とそれを前提とする法社会を否定し、自由人権思想下の近現代において賭博が禁止されるのは何故か。それは賭博が一時のゲームで終わらず個人を依存症にしたり、勤労、教育、文化など健全な社会を損ね、反社会活動の誘因となるので、公共の福祉のため賭博の「自由」を制限するのだという理由になる。
 そして、ヤミの賭博を節度(限定し、詐欺など不正のない)程度のものに限って公認するという政策判断がされた。
 このように、公営賭博を認めるには伝統的な賭博禁止の保護法益を上回るものが求められる。しかし、それは日本の宝くじのように戦災復興のために政府・自治体への財政収入とする例外措置というものが多い。競輪等公営競技も昭和21~24年の特別法により生まれ、特定産業振興と自治体収入の方策であったことは明白である。(スポーツ振興くじ(toto等サッカーくじ)は平成12年の始まりであるが、スポーツ振興とスポーツ財源の確保志向との谷間で採択されたものであった。)
 公営賭博・公営くじには、そこに定められた①主催者と取扱者、②内容、③手続、④範囲があり、それ以外の者は刑事的にも処罰されて規制される。例えば、競馬法違反の「呑み行為」や証票法違反の「宝くじ券」販売は、政府の公許・公認する以外の行為によってその収益行為「秩序ある賭博(?!)」を害する者への処罰による規制である。ここでの法益は実は射倖心の抑制でなく、それを利用した賭博開帳の政府独占とコントロールによる施行への妨害の抑止であるとまでいわれるようになった。
 このような勤労等弊害を自認する一方で、賭博禁止の法益論より政府の定める「賭博秩序」を守るという考えを提唱する者も出ている。これは賭博を全面禁止しつつ一方で政府自らが公認賭博を広く認めるという矛盾する現代における率直な発想ともいえる。

5.しかし、限定した公設・公営賭博にも弊害はある。それは利権その他の不公正と官営事業の非効率、不経済である。賄賂や天下りなど癒着と不正である。近時、公営競技などの民間への包括的外部委託が拡がっているのは、お役所経営の非効力下の赤字を何とかしようというものだ。公営賭博の主催者はその弊害に目を向けず、収益を上げることだけを考えてきた。そして収益第一主義は民営賭博化をもたらしている。日本の公認賭博は正面から社会的弊害を考えていないし、マネロン、脱税、依存症など全く対策をとっていない。いずれも戦後の経済困窮期の公共財政収入の「補充」という下での収益思想のみで今も運営されている。                
(T)


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ギャンブルKeyWord

「ELSI」(Ethical , Legal , Social , Issues
 本来、医学領域で提唱された概念で、医療行為を医学的側面だけでなく倫理、法的、社会的側面にも照らして考慮すべきという方法。臓器移植、出生前診断などにはELSIが欠かせないという。
 帚木蓬生氏は、ギャンブル、カジノ、病的ギャンブリングについてこのELSIの視点を忘れてはならないという。カジノ推進派は経済効果と雇用創出をいうが、病的ギャンブリングへの警告と予防、環境整備を怠っていること、その上カジノができればより負の被害を増やすと警告する。


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